説明

ナビゲーション装置

【課題】目的地に至る複数の経路における旅行時間についてのイメージを持ちながら、複数の経路の中から所望の経路を探索することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】旅行時間に基づいて経路の長さを変更して経路A〜Fを作成する。作成した経路A〜Fを表示モニタ16に一緒に表示する。経路A〜Fが通過する交差点41〜49を交差点マークとして表示する。経路A〜Fによって目的地22までの旅行時間が異なるので、同じ目的地22が表示モニタ上に4つ表示される。同じ目的地22を点線で結ぶ。経路A〜Fによって同じ交差点45,46,48,49を通過するまでの旅行時間が異なるので、同じ交差点45,46,48,49が複数表示される。それぞれの経路A〜Fが通過する交差点41〜49の中で共通する交差点45,46,48,49を点線で結ぶ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地に至る複数の経路を表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在位置から目的地に至る複数の走行ルートを選択し、複数の走行ルートについて現在地から目的地までの所要時間および走行距離を表示装置に表示し、その表示を見てユーザが走行ルートを選択するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平8−16987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、走行ルートのどの部分が原因で所要時間が長くなるかなど、複数の走行ルートにおける所要時間などの状況がわかりにくいという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のナビゲーション装置は、 出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索手段と、複数の経路の各々について出発地から目的地までにかかる旅行時間を予測する予測手段と、複数の経路の長さを前記予測手段により予測された旅行時間に基づく長さで表示モニタに表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のナビゲーション装置によれば、ユーザは、複数の経路における旅行時間についてのイメージを持ちながら、複数の経路の中から所望の経路を探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、目的地に至る複数の経路を表示するとき、経路の長さを旅行時間に基づいて表示することができる。つまり、ナビゲーション装置1は、旅行時間の短い経路を短く表示し、旅行時間の長い経路を長く表示する。詳細は後述する。
【0007】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、VICS(登録商標)(道路交通情報通信システム)情報受信部19およびディスクドライブ110を有している。ディスクドライブ110には、地図データが記憶されたDVD−ROM111が装填される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなる。この制御回路11は、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11はDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行い、その処理結果が経路として表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲などを決定する。そして、ナビゲーション装置1は地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなる。この図形データはDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0011】
ディスクドライブ110は、DVD−ROM111から地図データを読み出す。この地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データは、道路のリンク情報およびノード情報を有する。リンク情報は、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報を含む。リンク旅行時間とは、車両がそのリンクを通過するのに要すると予測される時間である。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有する。これにより、ナビゲーション装置1は、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM111以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0012】
表示モニタ16は、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面上に表示してユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルやリモコンなどによって実現される。
【0013】
VICS情報受信部19は、図示しないVICS情報センタから提供される渋滞情報などのVICS情報を受信し、制御回路11に出力する。制御回路11はVICS情報13RAM13に保存し、VICS情報が更新されるとRAM13に保存されているVICS情報を更新する。このVICS情報は主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって送信される。電波ビーコンや光ビーコンは設置地付近を通過する車両に対してVICS情報を送信し、FM多重放送はそれらよりも広域の通信エリアをカバーする。ナビゲーション装置1は、これらによって送信されたVICS情報をVICS情報受信部19により受信する。
【0014】
ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地22を設定する。
【0015】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地21を出発地として目的地までの経路演算を所定の制御プログラムに基づいて行う。たとえば、出発地から目的地までの間の旅行時間(リンク旅行時間の合計)が最小になるような経路を演算するアルゴリズムで経路演算が行われる。
【0016】
ここで、VICS情報受信部19で受信したVICS情報が、リンク情報に含まれるリンク旅行時間に反映される。たとえば、渋滞している区間のリンク旅行時間を、渋滞の程度に応じて長くする。このようにVICS情報を反映したリンク旅行時間を使用して、目的地までの旅行時間を予測したり、経路探索を行ったりする。
【0017】
このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の経路を画面上で認識することができる。
【0018】
また、ナビゲーション装置1は、出発地から目的地までの複数の経路を探索し、探索した複数の経路を表示モニタ16に表示させることができる。
【0019】
ユーザは、入力装置18を操作して表示モニタ16に表示された複数の経路の中から経路を探索することができる。ナビゲーション装置1は、ユーザにより探索された経路についても、経路にしたがって車両が走行できるように、画面や音声などによる進行方向の指示を行い、車両を経路誘導する。
【0020】
なお、ナビゲーション装置の複数の経路の探索方法は、複数の経路が探索できれば、とくに限定されない。たとえば、出発地と目的地とのほぼ等距離の位置に複数の経由地を設定して、それぞれの経由地を通過する経路を探索することにより複数の経路を探索するようにしてもよい。また、第1の経路を探索した後、その第1の経路と同じ道路をできるだけ通過しない第2の経路を探索して、既に探索した経路と同じ道路をできるだけ通過しない経路を繰り返し探索することにより、複数の経路を探索するようにしてもよい。また、一般道路優先、有料道路優先など探索条件を変えて複数の経路を探索するようにしてもよい。
【0021】
次に、図2〜図7を参照して、本発明の一実施形態における複数の経路の表示方法を説明する。
【0022】
図2のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態における複数の経路の表示処理を説明する。図2の処理は、ユーザが表示モニタ16に表示された不図示のメニューの中から「複数経路の探索」を選択した後、目的地を設定するとスタートするプログラムで制御回路11において実行される。
【0023】
ステップS101では、現在地検出装置14で検出した現在地およびユーザによって設定された目的地を読み込む。ステップS102では、現在地から目的地に至る複数の経路を探索する。ステップS103では、探索した各経路を構成するリンクを特定する。
【0024】
ステップS104では、VICS情報受信部19によってVICS情報を取得できたか否かを判定する。VICS情報を取得できた場合はステップS104が肯定判定され、ステップS105へ進む。なお、取得したVICS情報を反映したリンク旅行時間は前述の通りRAM13に記憶されている。VICS情報を取得できなかった場合はステップS104が否定判定され、ステップS106へ進む。
【0025】
ステップS105では、RAM13に記憶されているリンク旅行時間を抽出する。そして、ステップS107へ進む。ステップS106では、DVD−ROM111に記憶されているリンク旅行時間を抽出する。そして、ステップS107へ進む。
【0026】
ステップS107では、全経路の全旅行時間を抽出したか否かを判定する。全経路の全旅行時間を抽出した場合はステップS107が肯定判定され、ステップS108へ進む。全経路の全旅行時間を抽出していない場合はステップS107が否定判定され、ステップS104に戻る。
【0027】
ステップS108では、各経路の旅行時間を算出する。ステップS109では、旅行時間が短い経路を所定数抽出する。ステップS110では、リンク旅行時間から表示されるリンクの長さを算出する。ステップS111では、算出したリンクの長さにリンクの長さを変更して各経路を表示モニタ16に表示させる。
【0028】
次に、図3〜図6を参照して、本発明の一実施形態における複数の経路の表示方法を具体的に説明する。
【0029】
図3は、ナビゲーション装置1が探索した、出発地21から目的地22に至る、複数の経路A〜Fを説明するための図である。図2は北の方向を上とする。複数の経路A〜Fは、道路31〜36を通過する。道路31〜33は南北に進む道路であり、道路34〜36は東西に進む道路である。道路31,33,35は空いている道路であり、道路32,34,36は混雑している道路である。よって、道路31,33,35を通過すると、目的地22までの旅行時間は短くなり、道路32,34,36を通過すると、目的地22までの旅行時間は長くなる。経路A〜Fの長さは距離に基づいている。
【0030】
経路Aは、出発地21から道路31を通過し、交差点43を右折し道路34を通過して目的地22に至る経路である。経路Bは、出発地21から道路31を通過し、交差点42を右折して道路35を通過し、交差点45を左折して道路32を通過し、交差点46を右折し道路34を通過して目的地22に至る経路である。
【0031】
経路Cは、出発地21から道路31を通過し、交差点41を右折して道路36を通過し、交差点44を左折して道路32を通過し、交差点45を右折して道路35を通過し、交差点48を左折して道路33を通過し、交差点49を右折し道路34を通過して目的地22に至る経路である。経路Dは、出発地21から道路31を通過し、交差点41を右折して道路36を通過し、交差点47を左折して道路33を通過し、交差点49を右折し道路34を通過して目的地22に至る経路である。
【0032】
経路Eは、出発地21から道路31を通過し、交差点42を右折して道路35を通過し、交差点48を左折して道路33を通過し、交差点49を右折し道路34を通過して目的地22に至る経路である。経路Fは、出発地21から道路31を通過し、交差点41を右折して道路36を通過し、交差点44を左折して道路32を通過し、交差点46を右折して道路34を通過して目的地22に至る経路である。
【0033】
経路の長さを旅行時間に基づいて変化させた経路は、距離に基づいて長さが決定された経路を以下のように変化させて作成する。つまり、距離に基づいて長さが決定された経路A〜Fを構成するリンクの向きと形状を維持したままでリンクの長さをリンク旅行時間に基づいて変化させることにより経路の長さをリンク旅行時間に基づいて変化させた経路を作成する。リンクの長さはリンク旅行時間に比例した長さにする。
【0034】
図4を参照して、旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路Aの作成方法を説明する。図4(a)に示すように、経路Aは、出発地21から交差点43まで、空いているまたは空いていると予測される道路31を通過するので、出発地21から交差点43までのそれぞれのリンク旅行時間が短く旅行時間も短くなる。したがって、図4(b)に示すように、経路Aの中で出発地21から交差点43までの北へ進む各リンクの長さを短くする。図4(a)に示すように、交差点43から目的地22まで、混雑している道路34を通過するので、交差点43から目的地22までの各リンクのリンク旅行時間が長くなる。したがって、図4(b)に示すように、経路Aの中で交差点43から目的地22までの西へ進む各リンクの長さを長くする。以上のようにして、経路上のリンク旅行時間に基づいて各リンクの長さを変化させ、経路Aを作成する。
【0035】
図5を参照して、旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路Bの作成方法を説明する。図5(a)に示すように、経路Bは、出発地21から交差点42まで、空いているまたは空いていると予測される道路31を通過するので、出発地21から交差点42までのそれぞれのリンク旅行時間が短く旅行時間も短くなる。したがって、図5(b)に示すように、経路Bの中で出発地21から交差点42までの北へ進む各リンクの長さを短くする。図5(a)に示すように、交差点42から交差点45まで、空いているまたは空いていると予測される道路35を通過するので、交差点42から交差点45までのそれぞれのリンク旅行時間が短く旅行時間も短くなる。したがって、図5(b)に示すように、経路Bの中で交差点42から交差点45までの西へ進む各リンクの長さを短くする。
【0036】
図5(a)に示すように、経路Bは、交差点45から交差点46まで、混雑している道路32を通過するので、交差点45から交差点46までの各リンクのリンク旅行時間が長く旅行時間も長くなる。したがって、図5(b)に示すように、経路Bの中で交差点45から交差点46までの北へ進む各リンクの長さを長くする。図5(a)に示すように、交差点46から目的地22まで、混雑している道路34を通過するので、交差点46から目的地22までのそれぞれのリンク旅行時間が長く旅行時間も長くなる。したがって、図5(b)に示すように、経路Bの中で交差点46から目的地22までの西へ進む各リンクの長さを長くする。以上のようにして、経路上のリンク旅行時間に基づいて各リンクの長さを変化させ、経路Bを作成する。
【0037】
以下、同様にして、経路上のリンク旅行時間に基づいて各リンクの長さを変化させ、経路C〜Fを作成する。
【0038】
図6に示すように、経路上のリンク旅行時間に基づいて各リンクを変更して作成した経路A〜Fを表示モニタ16に一緒に表示する。経路A〜Fが通過する交差点41〜49も交差点マークとして表示する。経路A〜Fによって目的地22までの旅行時間が異なるので、同じ目的地22が目的地マークとして表示モニタ上に6つ表示される。同じ目的地22であることを明確にするために同じ目的地22(目的地マーク)を点線で結ぶ。また、経路A〜Fによって同じ交差点41〜49を通過するまでの旅行時間が異なるので、同じ交差点41〜49が表示モニタ上に複数表示される場合がある。それぞれの経路A〜Fが通過する交差点41〜49の中で共通する交差点を明確にするため、共通する交差点(交差点マーク)を点線で結ぶ。経路A〜Fの中で、経路Eの目的地22が出発地21に最も近いので、経路A〜Fの中で経路Eが最短旅行時間の経路である。
【0039】
以上の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)距離に基づいて長さが決定された複数の経路A〜F(図3参照)を、経路上のリンク旅行時間に基づいて各リンクを変化させて表示モニタ16に表示するようにした。これにより、ユーザは、複数の経路A〜Fにおける旅行時間についてのイメージを持ちながら、複数の経路の中から所望の経路を選択することができる。たとえば、経路Aは、目的地22までの旅行時間が長いが、最初に右折するまでの旅行時間が短いことがわかる。
【0040】
(2)経路を構成するそれぞれのリンクをリンク旅行時間に基づいて変化させることにより、経路の長さを変化させるようにした。これにより、旅行時間に基づいてそれぞれ経路の長さを変更した経路を的確に作成することができる。
【0041】
(3)複数の経路A〜Fのそれぞれの目的地22を所定のマークで表示し、複数の経路A〜Fの中で共通する目的地22を線で結んで複数の経路A〜Fを表示モニタ16に表示するようにした。これにより、異なる位置に表示された目的地22が同一の目的地であることを認識することができる。
【0042】
(4)複数の経路A〜Fを表示モニタ16に表示するとき、交差点を表す所定のマークも表示するようにした。これにより、複数の経路A〜Fにおける旅行時間についてのイメージがさらに明確になる。たとえば、経路Aは、目的地22までの旅行時間は長いが、出発地21から交差点43までの旅行時間が短いことがわかる。
【0043】
(5)複数の経路A〜Fが通過する交差点の中で共通する交差点を線で結んで複数の経路A〜Fを表示モニタ16に表示するようにした。これにより、それぞれの経路A〜Fが通過する交差点の中で、共通の交差点を認識することができる。
【0044】
(6)距離に基づいて長さが決定された複数の経路A〜Fを、経路A〜Fを構成する、リンクの向きと形状を維持したままでリンクの長さを変化させることにより、旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路を作成するようにした。これにより、旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路を的確に作成することができる。
【0045】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)以上の実施形態では、表示モニタ16に表示された複数の経路中で、目的地22が出発地21から最も近い位置にある経路を探索することにより、複数の経路の中から最短旅行時間の経路を選ぶことができる。しかし、どの目的地22が出発地21に最も近いかの判断が困難な場合もあるので、最短旅行時間の経路Gをその他の経路と表示態様を変更して表示するようにしてもよい。たとえば、最短旅行時間の経路G以外のその他の経路(たとえば、経路H)を、図7(a)に示すように、らせん状の線で経路を表示したり、図7(b)に示すようにギザギザ線で経路を表示したりして、線形状を経路Gと異なる形状にして表示するようにしてもよい。また、図8(a)に示すように、最短旅行時間の経路Gの表示色を他の経路(たとえば、経路H)の表示色と変更したり、図8(b)に示すように、経路Gの線幅を他の経路(たとえば、経路H)の線幅より広くしたりするようにしてもよい。
【0046】
(2)複数の経路A〜Fで共通する目的地22を結ぶ線は点線に限定されない。また、複数の経路A〜Fで共通する交差点を結ぶ線も点線に限定されない
【0047】
(3)距離に基づいて長さを決定した経路を変化させることにより、経路の長さを旅行時間に基づいて変化させる経路を作成したが、以下のように作成してもよい。つまり、経路の長さを旅行時間に基づいて変化させる経路は、経路を構成するリンクを、リンク方向(リンクの両端におけるノードの座標から求められるリンクの向き)に向きを変えて連結することにより作成するようにしてもよい。このとき、リンクの長さをリンク旅行時間に比例するように変更する。また、リンク形状が直線でない場合は、リンクの形状を維持してリンクの長さを変更する。たとえば、経路を構成するリンクの向きが北方向の場合、北方向に向きを変え、長さをリンク旅行時間に比例するように変更したリンクを連結するようにする。このようにしても、旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路を的確に作成することができる。
【0048】
(4)ナビゲーション装置の複数の経路の探索方法は、複数の経路が探索できれば、実施形態に限定されない。たとえば、一般道路優先、有料道路優先など探索条件を変えて複数の経路を探索するようにしてもよい。
【0049】
(5)図9に示すように、各経路A〜Fの旅行時間を認識しやすくするために図6の各経路A〜Fを真直ぐ延ばして表示するようにしてもよい。この場合、目的地22を重ねて表示すると経路A〜Fは重なってしまうので、経路A〜Fを重ならないようにずらして表示する。また、交差点41〜49を表示することによって、出発地21から交差点41〜49までの旅行時間も容易に認識することができる。経路A〜Fの中で経路Eの出発地21から目的地22までの長さが一番短いので、経路A〜Fの中で経路Eの旅行時間が最短であることが容易にわかる。
【0050】
この場合、以下のようにして経路の長さをリンク旅行時間に基づいて変化させた経路を作成する。距離に基づいて長さが決定された経路A〜Fを構成するリンク長さをリンク旅行時間に比例した直線にし、リンクの向きを右側にする。
【0051】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0053】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本願発明の経路探索手段、予測手段および表示制御手段は制御回路11に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における複数の経路の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】出発地から目的地に至る複数の経路を説明するための図である。
【図4】旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路Aの作成方法を説明するための図である。
【図5】旅行時間に基づいて経路の長さを変更した経路Bの作成方法を説明するための図である。
【図6】旅行時間に基づいて経路の長さを変更して作成した経路を表示した表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図7】最短旅行時間の経路以外の経路を最短旅行時間の経路と表示態様を変えて表示する表示例を説明するための図である。
【図8】最短旅行時間の経路を最短旅行時間の経路以外の経路と表示態様を変えて表示する表示例を説明するための図である。
【図9】図6の各経路を真直ぐ延ばして表示した経路を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
19 ディスクドライブ
31〜36 道路
41〜49 交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索手段と、
前記複数の経路の各々について出発地から目的地までにかかる旅行時間を予測する予測手段と、
前記複数の経路の長さを前記予測手段により予測された旅行時間に基づく長さで表示モニタに表示する表示制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記複数の経路は、それぞれ複数のリンクにより構成されており、
前記予測手段は、前記リンクごとにリンクの始点から終点までの旅行時間を予測し、
前記表示制御手段は、前記リンクの長さを前記予測手段により前記リンクごとに予測された旅行時間に基づく長さで表示モニタに表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記リンクの向きと形状を維持したままで前記リンクの始点から終点までの長さを変化させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記経路を含む地図を表示するとともに、前記地図上に、前記目的地を示す目的地マークを前記複数の経路に対して個別に表示し、各目的地マークを結ぶ線を前記地図上に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の経路が通過する交差点を所定のマークで表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の経路が通過する交差点のうちの共通の交差点を線で結んで前記複数の経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記複数の経路の中で最短旅行時間の経路をその他の経路と表示態様を変更して前記複数の経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記最短旅行時間の経路の線形状を前記その他の経路の線形状と異なる形状にして前記複数の経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項7に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記最短旅行時間の経路の表示色を前記その他の経路の表示色と変更して前記複数の経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項7に記載のナビゲーション装置において、
前記表示制御手段は、前記最短旅行時間の経路の線幅を前記その他の経路の線幅より太くして前記複数の経路を表示することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−38891(P2010−38891A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−205865(P2008−205865)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】