説明

ナビゲーション装置

【課題】利用者が所望する施設の施設画像のみを表示手段に表示できるようにする。
【解決手段】施設種別と該施設種別に属する複数のブランドと該ブランド毎の施設画像と施設位置とを含む施設情報と、地図情報を記憶する記憶手段と、
記憶手段に記憶された地図情報上に施設位置に基づいて施設画像を重畳して表示手段に表示する制御手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
制御手段は、現在位置検出手段により検出された現在位置が施設位置のうちの一つを通過したか否かを判定し、通過したと判定した場合は、通過した施設のブランドと同じブランドの施設画像の表示を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、施設を示す施設画像を表示手段に表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来において、施設を示す施設画像を表示手段に表示するナビゲーション装置が知られている。このようなナビゲーション装置は、実際に存在する施設の位置に対応した地図上の位置に施設画像を重ね合わせて表示することで、利用者に施設の存在または位置を認識させることを目的としたものである。
【0003】
しかし、都会などでは施設が密集している場合もあり、このような場合において存在するすべての施設画像を表示すると複数の施設画像が重なり合った状態で表示されてしまい表示が見づらくなるという問題が生じる。
【0004】
このような問題を解決するために、必要な施設画像のみを表示できるナビゲーション装置が望まれる。
【0005】
下記の特許文献1(特開2006−275663号公報)には、車両状態を検出して、検出した車両状態に応じて必要な施設画像のみを表示する車両用ナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
この特許文献1は、車両状態を検出し、検出した車両状態に基づいて表示手段に表示する施設画像を決定するものであり、車両状態とは、例えばガソリン残量が所定量以下の状態である。つまりガソリン残量を検出し、検出したガソリンの残量が所定量以下であることを検出すると、表示手段にガソリンスタンドを示す施設画像を表示するものである。そして、給油が行われガソリン残量が所定量以上になったことを検出すると表示してあるガソリンスタンドを示す施設画像を非表示とするものである。
【特許文献1】特開2006−275663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、すべてのガソリンスタンドが同じブランドというものではない。つまり、車両状態としてガソリン残量の低下を検出して表示手段にガソリンスタンドを示す施設画像を表示しても、表示したガソリンスタンドの中には利用者が所望しないブランドのガソリンスタンドが表示されていることも考えられる。
【0008】
利用者にとっては、所望しないガソリンスタンドを示す施設画像は表示手段に表示されず、所望するガソリンスタンドを示す施設画像のみが表示されることが望ましいが、上記特許文献1には、利用者が所望しないガソリンスタンドを示す施設画像を表示しないようにする技術は記載されていない。
【0009】
上記課題を解決するために本願発明は、利用者(車両)が施設に立ち寄らずに通過した場合、通過した施設のブランドを特定し、表示手段に表示された施設画像のうち、特定したブランドと同じブランドの施設画像を非表示とするナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
少なくとも施設種別と該施設種別に属する複数のブランドと該ブランド毎の施設画像と施設位置とを含む施設情報と、地図情報を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された地図情報上に前記施設位置に基づいて前記施設画像を重畳して表示手段に表示する制御手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記現在位置検出手段により検出された現在位置が前記施設位置のうちの一つを通過したか否かを判定し、通過したと判定した場合は、通過した施設のブランドと同じブランドの施設画像の表示を消去することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、前記制御手段は車両状態を検出し、該車両状態に対応した前記施設種別に属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3にかかる発明は、前記制御手段は車両のガソリン残量を検出し、該ガソリン残量が所定量以下であることを検出すると、前記表示手段にガソリンスタンドに属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4にかかる発明は、前記制御手段は、ガソリンスタンドに立ち寄ったことを検出すると、前記表示手段に表示しているガソリンスタンドに属するブランドの施設画像を非表示とすることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5にかかる発明は、前記制御手段は、車両が所定時間以上停車しているか否かを検出し、該検出により所定時間以上停車していることを検出すると、前記現在位置検出手段により検出された現在位置の周辺に存在する施設の施設画像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6にかかる発明は、施設種別を選択する操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段により選択された施設種別に属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7にかかる発明は、前記制御手段は、進行方向前方に存在する施設画像を前記地図情報上に重畳して表示し、進行方向後方に存在する施設画像は表示しないことを特徴とする。
【0017】
また、請求項8にかかる発明は、前記施設情報には施設に応じた道路上の通過点を含み、
前記制御手段は、前記現在位置検出手段により検出された現在位置と前記通過点とから施設を通過したか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本願発明においては、検出した車両状態に対応した施設種別を特定し、特定した施設種別に属するブランドの施設画像を表示手段に表示して、さらに利用者が所望しないブランドを特定し、所望しないブランドと同じブランドの施設画像を表示手段から非表示とすることで利用者にとって必要な情報のみを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【0020】
制御手段10は、CPU、ROM、RAMからなるプロセッサで構成され、CPUがROMに記憶された種々の制御プログラムに基づき演算処理を行うことでナビゲーション装置1における各部の動作を制御するものである。
【0021】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。さらに、現在位置検出手段11は、図示しない舵角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を併用するようにしてもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置が求められる。
【0022】
記憶手段12は、例えばHDD(Hard・Disk・Drive)、DVD‐ROM、CD‐ROM等の記憶媒体で構成されており、地図データが記憶されている。
【0023】
地図データには、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとした道路ノードデータと、夫々のノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータを含む道路データや、施設の位置、名称を含む施設データが記憶されている。施設データには、施設画像データ(以下、ランドマークと称する)が含まれている他、施設から最も近い道路リンク上の地点データ(予め記憶された施設の中心地点の位置座標から施設に最も近い道路リンク上に垂線を下ろした地点の位置座標)も含まれている。この地点は、車両が施設に到達したか否かの判定に用いられるものであり、現在位置検出手段11により検出された車両の現在位置が施設に対応して記憶された道路リンク上の地点に到達または所定距離近づいた時点を施設に到達した時点として判定することができる。なお、この地点を以下の説明では施設の通過点として説明する。
【0024】
施設データは複数の種別(以下、施設種別)に分類されており、施設種別とは、例えばガソリンスタンドやコンビニ、飲食店等であり、施設種別は、また複数のブランドに分類されている。
【0025】
図2は、記憶手段12に記憶された施設データを示したものであり、図2では、ガソリンスタンド(施設種別)がブランド別にガソリンスタンドA、ガソリンスタンドB、ガソリンスタンドCに分類された例を示している。
【0026】
地図データには、さらに海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データからなる背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0027】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、ナビゲーション装置1を使用する際に、制御手段10により、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされて表示手段に表示される。地図画像は車両の走行に伴ってスクロールされ、現在位置検出手段11により検出される現在位置を表示画面の中心にして表示する。
【0028】
操作手段13は、ナビゲーション装置1本体に設けられたハードキーやリモコン、さらには表示手段の前面に設けられたタッチパネル等からなり、利用者が制御手段10へ指示を送るためのインターフェースである。
【0029】
出力手段14は、図示しない表示手段やスピーカから構成され、経路案内時において、表示手段には現在位置を示す現在位置マークや案内経路画像が表示され、スピーカからは案内経路上における右折、左折等の案内ポイントに対応した音声案内データが出力される。表示手段に表示される現在位置マークの画像や案内経路画像、さらに案内経路上における右折、左折等の案内ポイントと案内ポイントにおいて出力される音声案内データを含む案内データは記憶手段12に記憶されたものとする。
【0030】
次に、本願ナビゲーション装置1における制御手段10の車両状態検出動作について説明を行う。
【0031】
制御手段10は、図示しないガソリン残量検出センサの検出に基づき、車両のガソリン残量が所定量以下であるか否かを検出する。所定量以下とは、例えば、残量が10リットル以下の状態である。
【0032】
ガソリン残量が所定量以下であるか否かの検出は、車両内のメーター表示部の一部に設けられたガソリン残量低下に伴い点灯する警告ランプの点灯を検知できれば、この警告ランプが点灯した時点をガソリン残量が所定量以下となった時点として判定することもできる。
【0033】
また、図示しないイグニッションスイッチのON/OFFを検出することで車両エンジンがONまたはOFFにされたことを検出する。
【0034】
また、現在位置検出手段11に含まれる車速センサの検出に基づき、車速を検出した時点を車両の走行開始時点と判定し、車速を検出できなくなった時点を車両の停車時点として判定する。
【0035】
また、イグニッションスイッチおよび車速センサの検出に加え、図示しないタイマ計測部の計測に基づき、車両エンジンがONとなり車両の走行が開始されてから所定時間以上経過したか否か、または車両が停車してから所定時間以上経過したか否かを検出する。
【0036】
制御手段10は、車両状態を検出すると、次に検出した車両状態に対応した施設種別を施設データ中から特定し、特定した施設種別に属するブランドの施設のうち、現在位置検出手段11により検出された現在位置周辺に存在する施設を示すランドマークを地図画像上に重ねて表示手段に表示を行う。よって、記憶手段12に記憶された施設種別は車両状態に対応して記憶されたものとする。例えば、ガソリン残量の低下が検出された場合は給油が必要と考えられるため、車両状態(ガソリン残量低下)に対応し施設種別としてガソリンスタンドが記憶されている。
【0037】
次に、図3のフローチャートを用いて、制御手段10による車両状態検出動作、および検出した車両状態に対応した施設種別に属するブランドの施設のランドマーク表示制御動作について説明を行う。
【0038】
なお、図3のフローチャートでは、ガソリン残量の検出を車両状態の検出として説明を行う。
【0039】
ステップS1の処理において、図示しないガソリン残量検出センサの検出に基づき車両のガソリン残量を検出し、次いでステップS2の処理において、ステップS1の処理において検出したガソリン残量が所定量以下であるか否かを検出する。
【0040】
ステップS2の処理において、ガソリン残量が所定量以下であることを検出すると、ステップS3の処理において、記憶手段12に記憶された施設データから、ステップS2の処理において検出された車両状態(ガソリン残量低下)に対応した施設種別(ガソリンスタンド)を特定し、次いでステップS4の処理において、ステップS3で特定した施設種別(ガソリンスタンド)に属するブランド(ブランド別のガソリンスタンド)のうち、現在位置検出手段11により検出された車両の現在位置周辺に存在するブランド別のガソリンスタンドを示すランドマークを地図画像上に重ねて表示手段に表示する。このとき、表示手段に表示する地図の縮尺を、ステップS4で説明した現在位置周辺に存在するブランド別のガソリンスタンドを示すランドマークがすべて表示できる縮尺にすることもできる。
【0041】
なお、以下の説明では、ブランド別のガソリンスタンドを単にガソリンスタンドとした説明を行う。
【0042】
現在位置周辺とは、例えば、車両の現在位置を中心に半径1kmの範囲とすることができる。また、現在位置周辺とは車両の進行方向前方の所定角度に広がる範囲とする。これは、車両が施設に立ち寄る可能性として既に通過した車両後方に存在する施設に立ち寄る可能性は低いと考えられるので、例えば車両の現在位置を中心に半径1kmの範囲で、且つ進行方向前方180度以下の範囲を現在位置周辺とすることができる。
【0043】
また、車両が走行中であれば車両の現在位置は随時変化するので、車両の現在位置の変化に伴い所定間隔おきに現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを検索し、表示手段には最新の現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを示すランドマークを表示するものとする。
【0044】
ステップS2の処理においてガソリン残量が所定量以上であることを検出すると(ステップS2のN)、ステップS12の処理に進み、装置がOFFにされたか否かを検出し、装置がOFFにされたことを検出すると(ステップS12のY)本動作を終了する。また装置がOFFにされなかったときは(ステップS12のN)ステップS1の処理に戻り、再度ガソリン残量の検出を行う。
【0045】
図4は、ガソリン残量が所定量以下であることを検出し、表示手段に現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを示すランドマークを表示した状態を示したものである。
【0046】
図4には、車両の現在位置マークSと、図2において説明したブランド別のガソリンスタンドA、B、Cが表示されている。
【0047】
ステップS4の処理において、車両の現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを示すランドマークを表示手段に表示すると、次にステップS5の処理において、現在位置検出手段11により検出された車両の現在位置と表示手段に表示したガソリンスタンドの位置とを比較する。この処理では、各ガソリンスタンドに対応して記憶された通過点の位置座標と車両の現在位置の位置座標とを比較するものである。
【0048】
ステップS5の処理において比較を行うと、ステップS6の処理において、車両の現在位置と何れかのガソリンスタンドに対応して記憶された通過点とが一致したか否かを検出する。このとき一致が検出されると、施設に到達したと判定することができる。
【0049】
図5は、車両の現在位置がガソリンスタンドCに対応した通過点に到達した状態を示している。ガソリンスタンドCに対応した通過点とは、図6に示す地点Xである。図6は、ガソリンスタンドCの中心地点の座標ZからガソリンスタンドCから最も近い道路リンクL1上に垂線を下ろした地点XをガソリンスタンドCの通過点としており、この地点Xと車両の現在位置とが一致した時点を車両がガソリンスタンドCに到達した時点として判定する。
【0050】
ステップS6の処理において、車両の現在位置が何れかのガソリンスタンドに到達したことを検出すると(ステップS6のY)、次に、ステップS7の処理において、車両がステップS6の処理において到達を検出したガソリンスタンドで停車したか否かを検出し、車両の停車を検出したときは(ステップS7のY)、車両が、ステップS6の処理で到達を検出したガソリンスタンドに立ち寄ったと判定する。
【0051】
なお、ステップS6において、何れのガソリンスタンドにも到達していないことを検出すると(ステップS6のN)、ステップS12の処理に進み、装置がOFFにされたか否かの検出を行う。
【0052】
車両の停車の検出は、図示しないイグニッションスイッチのOFFを検出することで可能となる。また、車両の停車の検出はイグニッションスイッチがONの状態であっても、車速が検出できなくなった時点を車両の停車時点として検出することができるが、通常ガソリンを給油するときは車両のエンジンがOFFにされるので、本実施例における車両の停車の検出は、イグニッションスイッチのON/OFFを用いた検出とする。
【0053】
また、ガソリンスタンドに立ち寄ったとしても給油以外の目的で立ち寄ることも考えられるので(トイレ休憩、タイヤ交換等)、ステップS8の処理において、ガソリン残量検出手段の検出に基づき、ガソリン残量が所定量以上となったか否かを検出し、ガソリン残量が所定量以上となったことを検出すると(ステップS8のY)、立ち寄ったガソリンスタンドで給油が行われたと判定し、表示手段に表示したガソリンスタンドを示すランドマークすべてを非表示として、再度ステップS1の処理に戻りガソリン残量の検出を行う。
【0054】
ステップS8の処理においてガソリン残量が所定量以下のままであることを検出したときは(ステップS8のN)、ステップS4に戻り処理を継続する。また、ステップS7の処理において、ステップS6の処理において到達を検出したガソリンスタンドで車両が停車せず通過したことを検出すると(ステップS7のN)、ステップS10の処理において、記憶手段12に記憶された施設データに基づき、ステップS7の処理において通過を検出したガソリンスタンドのブランドを特定し、特定したブランドと同じブランドのガソリンスタンドを施設データから特定する(ステップS10)。ステップS10の処理において同じブランドのガソリンスタンドを特定すると、次にステップS11の処理において、表示手段に表示した現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを示すランドマークのうち、ステップS10の処理において特定したブランドのガソリンスタンドを示すランドマークを非表示として、ステップS4に戻り処理を継続する。なお、ステップS11の処理において同じブランドのガソリンスタンドを示すランドマークを非表示とした後のステップS4の処理は、現在位置周辺に存在するガソリンスタンドのうちステップS10の処理において特定したブランドを除くブランドのガソリンスタンドを示すランドマークを表示する処理とする。
【0055】
このように、地図画像上に車両の現在位置周辺に存在するガソリンスタンドを示すランドマークを重ねて表示手段に表示して、車両が表示した何れかのガソリンスタンドに立ち寄ることなく通過した場合、利用者が、通過したガソリンスタンドを所望していないと判断し、表示手段に表示したランドマークのうち、当該通過したガソリンスタンドと同じブランドのガソリンスタンドを示すランドマークを非表示とすることで、ユーザが所望するガソリンスタンドのランドマークのみを表示できるうえ、都会などで多くのランドマークが表示されているとき、多くのランドマークが混在して視認しづらい状態を回避することができる。
【0056】
なお、車両がガソリンスタンドに停車せず通過したことを検出する方法としては以下の方法が考えられる。
【0057】
図6に示すように、施設データには、ガソリンスタンドCに対応した通過点の位置座標Xの他にも、該地点の位置座標と連続した複数の位置座標が記憶されており(図6における位置座標X1・X2)、車両の現在位置の位置座標が、ガソリンスタンドCに対応した通過点の位置座標Xにおいて停車することなく進行方向前方に存在する次の位置座標X1またはX2へ移ったことを検出すると、この時点を車両がガソリンスタンドCを通過した時点とすることができる。
【0058】
なお、図6に示す位置座標X1・X2は、ガソリンスタンドCに対応した通過点Xの位置座標と、道路リンクL1の両端に位置する道路ノードn、またはn2の位置座標とから算出することができる。
【0059】
また、施設データの中には施設の入り口データ(入り口の位置座標)を記憶した施設データもある。このような施設においては、施設の入り口データの位置座標から最も近い道路リンク上の地点を施設に対応した通過点とすることができる。これは、施設の中心地点から最も近い道路リンク上の地点よりも進行方向前方に施設の入り口が存在する場合があり、このような場合に施設の中心地点から最も近い道路リンク上の地点を通過点として用いると、実際には施設に立ち寄ろうと考えているのに、施設の中心地点から最も近い道路リンク上の地点を通過した時点で施設を通過したと誤判定してしまうからである。よって、施設の入り口のデータが記憶されている施設においては入り口データを考慮した通過点とする。
【0060】
上記実施例においては、制御手段10による車両状態の検出とはガソリン残量の検出として説明を行ったが、これに限るものではなく以下のようなケースも考えられる。
【0061】
例えば、図示しない時計部の計測に基づき、現在の時刻が朝食時、または昼食時、または夕食時の何れかの時間帯であることを検出すると、施設種別として飲食店を特定し、表示手段には現在位置周辺に存在する飲食店を示すランドマークを表示することができる。このとき、記憶手段12に記憶された施設データ中の飲食店を、予め時間帯に応じて朝食時に用いる店、昼食時に用いる店、さらに夕食時に用いる店に分けて記憶しておき、検出した時間帯に応じて、該当する時間帯に対応した飲食店を示すランドマークを表示するようにする。
【0062】
また、イグニッションスイッチがONになったことを検出し(エンジンがONにされた)、さらに車速を検出してから所定時間以上(例えば連続して2時間)経過したことを検出すると、長時間連続しての運転は事故を起こす原因となるので、現在位置周辺に存在する休憩が可能な施設(コンビニ、道の駅等)を示すランドマークを表示手段に表示して、利用者に対して休憩を促すこともできる。
【0063】
なお、上記実施例では、制御手段10により車両状態が検出された場合に、検出された車両状態に対応した施設のランドマークを表示する説明としたが、これに限ることはなく、利用者が、操作手段13を介して所望の施設種別を指定した場合に、該指定された施設種別に属するブランドのランドマークを表示手段に表示するようにもできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】記憶手段12に記憶された施設データを示したものである。
【図3】制御手段10による車両状態検出動作、および検出した車両状態に対応した施設種別に属するブランドの施設のランドマーク表示制御動作を示す。
【図4】表示手段に表示されたランドマークを示す図である。
【図5】車両が表示手段に表示された何れかの施設に到達した状態を示した図である。
【図6】施設に対応した通過点を説明した図である。
【符号の説明】
【0065】
1 : ナビゲーション装置
10 : 制御手段
11 : 現在位置検出手段
12 : 記憶手段
13 : 操作手段
14 : 出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも施設種別と該施設種別に属する複数のブランドと該ブランド毎の施設画像と施設位置とを含む施設情報と、地図情報を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶された地図情報上に前記施設位置に基づいて前記施設画像を重畳して表示手段に表示する制御手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
前記制御手段は、前記現在位置検出手段により検出された現在位置が前記施設位置のうちの一つを通過したか否かを判定し、通過したと判定した場合は、通過した施設のブランドと同じブランドの施設画像の表示を消去することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は車両状態を検出し、該車両状態に対応した前記施設種別に属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は車両のガソリン残量を検出し、該ガソリン残量が所定量以下であることを検出すると、前記表示手段にガソリンスタンドに属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、ガソリンスタンドに立ち寄ったことを検出すると、前記表示手段に表示しているガソリンスタンドに属するブランドの施設画像を非表示とすることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、車両が所定時間以上停車しているか否かを検出し、該検出により所定時間以上停車していることを検出すると、前記現在位置検出手段により検出された現在位置の周辺に存在する施設の施設画像を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
施設種別を選択する操作手段を備え、
前記制御手段は、前記操作手段により選択された施設種別に属するブランドの施設画像を前記地図情報上に重畳して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、進行方向前方に存在する施設画像を前記地図情報上に重畳して表示し、進行方向後方に存在する施設画像は表示しないことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記施設情報には施設に応じた道路上の通過点を含み、
前記制御手段は、前記現在位置検出手段により検出された現在位置と前記通過点とから施設を通過したか否かを判定することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−71673(P2010−71673A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236421(P2008−236421)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】