説明

ナビゲーション装置

【課題】遠隔操作デバイスによる表示画面上の選択項目画像及び地図画像に対する操作を容易にするための技術を提供する。
【解決手段】地図表示画面において地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域とを層別する。地図上アイコン表示領域には地図画像と共にスクロール移動する地図上アイコンが配置され、固定アイコン表示領域には画面上に固定表示される固定アイコンが配置される。このような地図表示画面において、各固定アイコンに対して引き込み反力の発生範囲を設定する。引き込み反力の発生範囲に操作ノブが位置するとき当該反力発生範囲の中心に向けた反力を操作ノブに加える。一方、地図上アイコンには引き込み反力を付与しない。地図上アイコン及び固定アイコンの両表示領域との境界上には、両領域を仕切る壁に相当する抵抗力を設定する。この抵抗力の発生範囲では境界を越えようとする移動操作に対向する抵抗力を操作ノブに加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作デバイスを備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図画像を表示するナビゲーション装置等の車載機器に対する操作を、液晶ディスプレイ等の表示装置に表示された操作画面上の任意の位置を指示することにより行うものが知られている。このようなものでは、運転者の視点移動を軽減する必要性から、操作画面を表示する表示部については、運転者前方のできるだけ遠い位置に配置することが好ましい。一方、操作画面上の位置を指示するための操作が行われる操作部については、運転者が容易に手を届かせることができる位置に配置すると共に、操作部に対する視認を要することなく操作できることが好ましい。そこで、ユーザに操作される操作部が表示部から分離した遠隔操作デバイスを備えるナビゲーション装置が実用化されている。
【0003】
このような遠隔操作デバイスを備えるシステムでは、例えば操作画面上での指示位置を示すカーソルの位置を操作部で操作し、このカーソルをナビゲーション装置に対するコマンドが割り当てられたアイコン上まで移動させて選択指示を行うといった手法が用いられるのが一般的である。さらに、このような遠隔操作デバイスでは、ユーザが操作部材を介して行う操作に対して画面上の表示内容に応じた反力(抵抗力やアシスト力)を加えることで触覚的にユーザの操作をサポートし、それにより操作性を向上することが行われている。
【0004】
例えば、特許文献1では、地図表示画面上の誘導経路に近接する領域を可動範囲に設定し、その設定した可動範囲外、すなわち、誘導経路に沿わない方向にスクロールを行おうとする操作に対して抵抗力を発生させ、地図スクロール時の操作性を向上させる技術が開示されている。
【0005】
また、操作メニュー画面等に表示される選択項目画像(例えば、アイコン)の近傍において、操作部による指示位置が当該選択項目の位置へ吸い込まれるようにアシストする反力を操作部材に加えることで選択項目画像の指示を容易にし、操作性を向上させる技術が知られている。
【特許文献1】特開2002−31539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のようなナビゲーション装置においては、地図画像上に存在する特定施設に関する情報の提示を実行するためのアイコンや、特定地点の交通情報を表示させるためのアイコン等を地図画像上の対応する位置に重畳して表示し、ユーザによって選択指示されたアイコンに該当する情報を提示するものがある。
【0007】
ここで、操作メニュー画面に表示されるアイコンだけでなく、地図画像に重畳して表示されるアイコンに対しても、操作部による指示位置が吸い込まれるようにアシストする反力を付与した場合、次のような問題が生じる。
【0008】
周辺施設や交通情報のアイコンが地図画像上に多数表示されている状況において、地図画像上でカーソルを移動させる最中に、カーソルがアイコンの近傍を通過する度にユーザの意図に反して指示位置がアイコンに吸い込まれてしまうことがある。このような場合、例えば、表示範囲外の地図を見るためのスクロール操作のように、地図画像上のアイコンを選択する以外の目的でカーソルを動かす操作が重くなったりスムーズに行えなくなったりして、操作性が向上するどころか、むしろ悪化してしまう。
【0009】
また、ナビゲーション装置において表示される地図画像は、自車両の移動に伴って自動的にスクロールするものであり、このスクロールに併せて地図上に配置されるアイコンも地図と一緒に移動する。このとき、アイコンが移動することで、各アイコンに付与する反力のデータをアイコンの移動タイミングで付与し直す必要があり、反力データの付与に関する処理負荷が増大してしまう。
【0010】
また、上記のような操作性の悪化や処理負荷の増大の問題は、地図画像上に多数のアイコンが過密に配置されているような状況において顕著である。
本発明は、上記問題を解決するためになされており、遠隔操作デバイスによる表示画面上の選択項目画像及び地図画像に対する操作を容易にするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のナビゲーション装置は、選択項目画像表示手段と、遠隔操作部と、反力設定手段とを備える。
選択項目画像表示手段は、所定のコマンドの実行命令をユーザから受け付けるために表示手段に表示される選択項目画像であって、地図画像上に重畳して配置され、その地図画像と一緒にスクロールする地図上選択項目画像、及び、地図画像周辺あるいは地図画像上に配置され、画面上に固定して表示される固定選択項目画像の表示を行う。
【0012】
遠隔操作部は、操作者によって加えられる操作に応じて可動する操作部材を備え、この操作部材により表示手段に表示される画面に対して表示手段とは離れた位置から遠隔操作により画面上の任意の位置を指示する移動命令を与える。さらに、遠隔操作部は、反力設定手段によって設定された反力の内容に従って、操作部材に加えられる操作者の操作に対する反力を操作部材に加える反力発生手段を備える。
【0013】
反力設定手段は、選択項目画像表示手段によって表示手段に表示される各選択項目画像の画面上の分布状況に応じて、遠隔操作部の操作部材に加える反力の内容を設定する。そして、この反力設定手段は、固定選択項目画像の周辺領域において、操作部材による指示位置を当該固定選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定する一方、地図上選択項目画像に対しては操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定しない。
【0014】
例えば、画面上に固定して表示される選択項目画像(例えば、アイコン)には、操作メニュー等のナビゲーション装置に対する基本的な操作を行う機能が割り当てられることが多い。このような固定選択項目画像は、地図画像周辺等に意匠や操作性を十分に考慮上で整然と配置されるのが普通である。よって、固定選択項目画像に対しては、操作部材による指示位置を固定選択項目画像の位置へ引き込む反力を設定することで、固定選択項目画像の指示を容易にし、ユーザにとって快適な操作性を実現できる。また、固定選択項目画像が意匠や操作性を考慮して配置されていれば、ユーザの意図に反して不用意に指示位置が引き込まれるといった不都合も生じない。
【0015】
一方、地図画像上に重畳して配置され、その地図画像と一緒にスクロールする選択項目画像は、地図上の施設や道路等に関する情報提供を行う機能が割り当てられることが多い。このような地図上選択項目画像は、地図画像上の特定地点に対応付けられて配置されるため、その配置状況は地図の内容に依存し、必ずしも整然と配置されるものではない。また、地図の内容によっては、地図上選択項目画像が1画面上に数多く表示されることも考えられる。
【0016】
したがって、地図上選択項目画像に対しては、操作部材による指示位置を地図上選択項目画像の位置へ引き込む反力を設定しないようにすることで、ユーザの意図に反して指示位置が吸い込まれるのを防止し、操作性が悪化するのを回避できる。また、このようにすることで、地図上選択項目画像を選択指示する以外の目的で地図画像上においてカーソルを動かす操作をスムーズに行うことができるので、好適である。
【0017】
さらに、地図画像のスクロールに伴い地図上選択項目画像が移動する度に、数多くの地図上選択項目画像に対して反力データを設定し直すといった手間も必要なく、反力データの付与に関する処理負荷を軽減できる。
【0018】
つぎに、請求項2に記載のナビゲーション装置は、画面上で固定選択項目画像が配置される領域と、地図上選択項目画像が配置される領域とを層別し、その両領域間の境界に沿って、操作部材による指示位置がその境界を越えようとする移動操作に対して抵抗する反力を設定することを特徴とする。
【0019】
このように構成することで、引き込み反力が付与される固定選択項目画像の表示領域と、引き込み反力が付与されない地図上選択項目画像の表示領域との区別を、ユーザが操作部材を介して触覚的に認識することができるようになり、操作性が向上する。
【0020】
ところで、地図画像上での指示位置の操作性や、反力データの設定に係る処理負荷の観点から許容できる条件下であれば、操作性が悪化したり処理負荷が過大にならない程度に地図上選択項目画像に対して引き込み反力を付与することで、地図画像上での選択項目画像の指示操作を容易にすることができると考えられる。
【0021】
そこで、請求項3に記載のように構成するとよい。すなわち、反力設定手段は、所定の反力付与条件を満たす場合のみ、当該反力付与条件に適合する地図上選択項目画像に対して、その周辺領域において操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定する一方、反力付与条件を満たさない場合、地図上選択項目画像に対しては操作部材による指示位置を引き込む反力を設定しない。
【0022】
そして、反力付与条件の一例としては、請求項4に記載のように、1画面中に表示されている地図上選択項目画像の数が規定値以下である場合、その各地図上選択項目画像に対して、操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定するように構成するとよい。
【0023】
すなわち、地図上選択項目画像の数が少なく過密状態になっていないのであれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、1画面中に表示されている地図上選択項目画像の数が規定値以下であることを条件に、地図上選択項目画像に対して引き込み反力を付与することで、地図画像上での選択項目画像の指示操作を容易にすることができる。
【0024】
また、反力付与条件の他の一例として、請求項5に記載のように、表示中の地図画像の縮尺が所定の値よりも狭域である場合、その地図画像上に配置されている各地図上選択項目画像に対して、操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定するように構成するとよい。
【0025】
すなわち、地図の縮尺が狭域であれば、画面上における地図の表示範囲が狭まり、1画面上に配置される地図上選択項目画像の数が相対的に少なくなると共に配置間隔も広まるため、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、表示中の地図画像の縮尺が所定の値よりも狭域であることを条件に、地図上選択項目画像に対して引き込み反力を付与することで、地図画像上での選択項目画像の指示操作を容易にすることができる。
【0026】
また、反力付与条件の他の一例として、請求項6に記載のように、表示中の地図画像上に重要度が所定の基準よりも高い地図上選択項目画像が配置されている場合、これに該当する各地図上選択項目画像に対して、操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定するように構成するとよい。
【0027】
すなわち、多数の地図上選択項目画像の中から、より重要性の高い機能が割り当てられた地図上選択項目画像のみに絞って引き込み反力を付与するようにすれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、表示中の地図画像上に重要度が所定の基準よりも高い地図上選択項目画像が配置されていることを条件に、この条件に該当する地図上選択項目画像のみに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上での選択項目画像の指示操作を容易にすることができる。
【0028】
また、反力付与条件の他の一例として、請求項7に記載のように、表示中の地図画像上における移動体の現在地周辺の所定範囲内に地図上選択項目画像が配置されている場合、その所定範囲内の各地図上選択項目画像に対して、操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定するように構成するとよい。
【0029】
すなわち、多数の地図上選択項目画像の中から、地図画像上の現在地周辺に存在する地図上選択項目画像のみに絞って引き込み反力を付与するようにすれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、表示中の地図画像上における現在地周辺の所定範囲内に地図上選択項目画像が配置されていることを条件に、この条件に該当する地図上選択項目画像のみに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上での選択項目画像の指示操作を容易にすることができる。また、現在地周辺に存在する地図上選択項目画像は、ユーザにとって有用性が高いものであると考えられるので、そのような地図上選択項目画像を対象として引き込み反力を付与することで、利便性も大いに向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではなく様々な態様にて実施することが可能である。
[ナビゲーション装置1の構成の説明]
図1は、実施形態のナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
実施形態のナビゲーション装置1は、車両に搭載されるためのものであり、図1に示すように、表示部10と、車両の現在地を検出する位置検出部11と、ナビゲーションECU12と、記憶媒体に格納されている地図データやプログラム等の各種データを入力するデータ入力部13と、操作者によって操作される操作部14と、音声出力部15とを備える。
【0032】
なお、図2に示すように、自動車の車室内において、表示部10は、運転者の前方にあるダッシュボード30上の運転席と助手席のとの中間となる位置に配置されており、運転者が表示部10の表示面を見る際の視点移動が軽減されるようになっている。一方、操作部14は、運転席のすぐ横にあるセンターコンソール32の上面に配置されており、運転者が遠方へ手を伸ばしたり姿勢を変えたりすることなく容易に操作できるようになっている。なお。操作部14の上面には、操作者(車両の運転者)によって動かされる操作ノブ18が設けられている。
【0033】
図1のブロック図の説明に戻る。表示部10は、液晶ディスプレイ等の表示面10aを有するカラー表示装置であり、ナビゲーションECU12からの映像信号の入力に応じて各種画像を表示面10aに表示可能である。例えば、車両が走行中においては、車両の現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、各種シンボルとして描画されるアイコン等の付加データが地図画像上に重ねて表示される。また、表示部10には、ナビゲーション装置1を操作するためのアイコン等が配置されたGUI(Graphic User Interface)で構成される操作画面が表示される。
【0034】
操作部14は、画面上でカーソルの移動方向や決定指示を入力するためのポインティングデバイスであり、操作者(車両の運転者)によって動かされる操作ノブ18を備えている。この操作ノブ18は、その軸部18aの軸方向と垂直な平面に沿って二次元方向に可動するものである。本実施形態では、上記二次元方向での操作ノブ18の可動領域は、表示面10a(一般的には長方形で構成される)の縦横比と等しい長方形の領域である。なお、本実施形態では、操作ノブ18の二次元方向の可動領域における表示面10aの横(水平)方向に対応する操作方向をX軸、表示面10aの縦(垂直)方向に対応する操作方向をY軸と定義する。また、操作ノブ18は、軸部18aの軸方向下向き(図1の矢印Zの方向)にも可動し、操作者により下向きの力が加えられていない状態ではその軸方向上方の定位置に戻るようになっている。
【0035】
また、操作部14は、操作部14全体の制御を行う制御部16と、操作ノブ18がZ軸方向に押下されたことを検出する押操作検出センサ20と、操作ノブ18のXY軸方向の位置座標を検出する位置検出センサ22と、操作ノブ18の軸部18aを支持すると共に操作ノブ18に加えられるXY軸方向の操作力に応じた抵抗力やアシスト力といった反力を軸部18aに加える反力発生ユニット24とを備える。なお、操作ノブ18が操作者によってXY方向へ動かされる際に、反力発生ユニット24によって常に一定の抵抗力を操作ノブ18に加えるようにすることで、操作に手応えを感じるようにしてもよい。
【0036】
制御部16は、操作画面における操作対象領域(本実施形態では表示部10の表示面10aの全域を想定する)の座標と、操作ノブ18のXY軸方向の可動領域における座標とを一対一に対応させ、操作データとして可動領域における操作ノブ18の座標値をナビゲーションECU12へ出力することで、この操作ノブ18の座標に対応する表示画面上の位置に矢印状のカーソルを表示させる。これにより、操作者の操作によって操作ノブ18の位置が可動領域の任意の位置に移動すると、操作画面上のカーソルも操作対象領域内における対応する位置に移動する。なお、操作ノブ18のXY方向の位置は、操作者により力が加えられていない状態で、その位置に停滞するようになっている。
【0037】
一方、操作ノブ18をZ軸方向に押す操作(以下、決定操作とも称する)が行われると、制御部16は現在操作画面中で指示している位置に対する入力指示がなされたと判断し、その決定操作情報をナビゲーションECU12へ出力する。
【0038】
また、制御部16は、ナビゲーションECU12から入力される操作画面情報(詳細は後述)で定義される反力の内容に従い、反力発生ユニット24を介して所定の位置で操作ノブ18に反力(抵抗力やアシスト力)を加える。
【0039】
位置検出部11は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波を受信して車両の位置座標を検出するGPS受信機、車両に加えられる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力するジャイロスコープ、車両の速度に応じた検出信号を出力を出力する車速センサ等から構成されている。そして、これらの各センサを互いに補完しながら使用することで車両の現在地を検出する。
【0040】
データ入力部13は、DVD−ROMやハードディスクドライブといった記憶媒体に格納されているナビゲーション装置1が作動するための各種プログラムや、ナビゲーション処理用の地図データ等の各種データを読み出し、ナビゲーションECU12へ入力するための装置である。
【0041】
音声出力部15は、各種情報を音声でユーザに報知するための装置である。これによって、表示部10による表示と音声出力部15からの音声出力との両方でユーザに対して各種情報の提供を行うことができる。
【0042】
ナビゲーションECU12は、上記各部を統括制御するための装置であり、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のコンピュータを中心に構成されている。ナビゲーションECU12は、ROMやデータ入力部13から読み出したプログラムに従って各種処理を実行する。
【0043】
例えば、ナビゲーション関係の処理としては、地図表示処理や経路案内処理等が挙げられる。地図表示処理は、位置検出部11からの検出信号に基づいて車両の現在地を算出し、データ入力部13から読み込んだ現在地周辺の地図を所定の縮尺で表示する処理である。また、現在地の移動や、地図の表示範囲を手動で変更する操作に応じて表示中の地図画像をスクロールしたり縮尺等を変更する。経路案内処理は、データ入力部13から読み込んだ地図データと、ユーザにより指定された目的地とに基づいて在地から目的地までの最適経路を算出し、その算出した最適経路を地図画像上に表示すると共に音声や表示による走行案内を行う処理である。このように、目的地までの最適経路を自動的に計算する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。
【0044】
[操作部14に対する反力設定の手順の説明]
ナビゲーションECU12は、表示部10の表示面10aにGUIで構成される操作画面を表示し、操作部14を介して操作者からの操作を受け付ける。このとき、操作部14から入力される座標を操作画面内の指示位置として決定する。そして、操作画面上に配置されている各種アイコン(本発明の選択項目画像に相当)上で操作部14による決定操作がなされると、その指定されたアイコンに割り当てられた機能を実行する。
【0045】
なお、ナビゲーションECU12は、操作部14を介して操作者からの操作を受け付ける際、各アイコンの位置座標及び、それらのアイコンに対応する引き込み反力の分布を定義する操作画面情報を操作部14に対して入力する。この操作画面情報は、例えば、操作ノブ18の可動領域の座標と1対1に対応するマトリクス状のデータテーブルとして設定される。
【0046】
図4(a)は、表示部10に表示される操作画面の一例である。この操作画面は、ナビゲーション装置1に対する各種設定を行うためのセットアップ画面であり、各種設定項目や操作項目に対応するアイコンが配置されている。また、この操作画面上には操作部14の操作ノブ18による指示位置にカーソルが表示されている。
【0047】
そして、図4(b)は、図4(a)の操作画面に対応してナビゲーションECU12が設定する操作画面情報において定義される反力分布の一例を模式的に示す図である。図4(b)に示すように、操作画面における個々のアイコンの位置及び形状に対応する範囲に引き込み反力の発生範囲(図中のグレー部分)が設けられる。この操作画面情報では、引き込み反力の発生範囲に該当する座標に操作ノブ18が位置するときに、当該反力発生範囲の中心(図中の「+」印)に向けたアシスト力を操作ノブ18に加えるように定義する。ただし、操作画面上の各アイコンに対応する反力発生範囲は、対応するアイコンのサイズよりもやや大きい範囲に設定されている。このようにすることで、カーソルがアイコンの近傍まで接近した時点から引き込み反力を発生させることができ、カーソルの指示位置をアイコンの位置に合わせ易くすることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、地図画像の表示されていない操作画面では、画面上の全てのアイコンに対して引き込み反力を付与するものとする。一方、地図画像の表示された画面では、この画面上において地図画像周辺に固定表示されるアイコン(以下、固定アイコン)に対しては引き込み反力を付与するが、地図画像の特定地点に対応付けて表示され、かつ、地図画像のスクロール共に移動するアイコン(以下、地図上アイコン)に対しては、原則、引き込み反力を付与しない。ただし、地図上アイコンであっても、所定の反力付与条件に該当するものに限り、引き込み反力を付与する。
【0049】
以下、地図画像の表示された画面上における反力の設定手順の具体的内容について説明する。
[地図表示画面に対する反力設定処理の説明]
図3は、ナビゲーションECU12が実行する地図表示画面に対する反力設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0050】
ナビゲーションECU12は、まず、現在表示中の画面上において地図画像を表示しているか否かを判定する(S110)。ここで、地図画像を表示していないと判定した場合(S110:NO)、地図表示画面に対する反力設定処理を終了する。一方、地図画像を表示していると判定した場合(S110:YES)、現在状況が当該地図画像上に重畳して表示している地図上アイコンに対する反力付与条件に適合しているか否かを判定する(S120)。なお、本実施形態では、地図上アイコンに対する反力付与条件として、次に(1)〜(4)の条件を想定している。
【0051】
(1)1画面中に表示されている地図上アイコンの数が規定値(例えば、10個)以下である場合。
(2)表示中の地図画像の縮尺が所定の値(例えば、800mスケール)よりも狭域である場合。
【0052】
(3)表示中の地図画像上に重要度が所定の基準よりも高い地図上アイコンが配置されている場合。なお、重要度の高いアイコンに該当するものとしては、例えば、渋滞情報、交通規制情報、気象情報等といった、新着性や緊急性の高い情報に対応するものが挙げられる。これらの地図上アイコンに対して予め重要度を高く設定しておくことで、この反力付与条件に適合するものとして扱うことが可能になる。
【0053】
(4)表示中の地図画像上における車両の現在地を中心とする所定範囲内に地図上アイコンが配置されている場合。
なお、S120では、上記(1)〜(4)の全ての反力付与条件に対する適否を判定し、少なくとも何れか1の反力付与条件に適合する場合に、肯定判定をするように構成しても良いし、上記(1)〜(4)の反力付与条件のうち、少なくとも1つの反力付与条件に対する適否を判定するように構成してもよい。後者の場合、上記(1)〜(4)の反力付与条件のうち、どの反力付与条件をS120での判定に適用するかをユーザが予め設定できるように構成しても良い。あるいは、上記(1)〜(4)の何れの反力付与条件も適用せず、S120の処理を省略するような構成であっても良い。ただし、S120の処理を省略する場合、S110で肯定判定した後、S130の処理へ移行するものとする。
【0054】
S120で現在状況が反力付与条件に適合しないと判定した場合(S120:NO)、画面上に表示しているアイコンの配置状況に応じて次のような反力分布を設定し、その設定した反力分布を操作画面情報として操作部14に対して入力する(S130)。このS130では、画面上において地図上アイコンを地図画像上に重畳して配置するための領域(以下、地図上アイコン表示領域)と、この地図上アイコン表示領域の周辺で固定アイコンを表示するための領域(以下、固定アイコン表示領域)との境界に沿った所定範囲に対して、操作ノブ18による指示位置がその境界を越えようとする移動操作に対して抵抗する反力(以下、抵抗力とも表記する)を設定する。そして、固定アイコン表示領域に配置されている各固定アイコンに対しては、個々のアイコンの位置及び形状に対応する引き込み反力を設定する一方、地図上アイコン表示領域に配置されている何れの地図上アイコンに対しても、引き込み反力を付与しない。
【0055】
地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界に対して付与する抵抗力は、あたかも地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域とを仕切る壁が存在するような操作感覚を操作者に与えるものである。ただし、この抵抗力の大きさには適宜上限を設けることで、その抵抗力の上限を超える荷重が操作ノブ18に加えたれた場合には、操作ノブ18の指示位置が境界を超えられるようにする。
【0056】
ここで、S130において設定する反力分布の具体例を、図5を参照しながら説明する。図5の(a)は、表示部10に表示されている地図表示画面の一例を示す説明図であり、(b)は、(a)で示す地図表示画面に対応してナビゲーションECU12が設定する操作画面情報において定義される反力分布の一例を模式的に示す図である。
【0057】
図5(a)に示すように、地図表示画面においては、画面全体に地図画像が表示されており、そのうちの中央部を含む画面右上側の広範囲に地図上アイコン表示領域が設定されている。また、画面の左端部及び下端部に沿ったL字状の固定アイコン表示領域が地図上アイコン表示領域の周辺に設けられている。なお、図5(a)においては、説明上の便宜上、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界を点線で図示しているが、実際の画面上ではこの境界は可視化されない。
【0058】
地図上アイコン表示領域には、地図画像の特定地点に対応付けて表示され、かつ、地図画像のスクロール共に移動する地図上アイコンが配置されている。この地図上アイコンには、周辺道路の交通規制情報(渋滞、工事、事故等)や気象情報(降水情報、警報、注意報等)の表示を行うためのものや、地図上の特定施設に関する情報の表示を行うためのもの等がある。
【0059】
一方、固定アイコン表示領域には、地図画像のスクロールに関わらず画面上に固定表示される固定アイコンが配置されている。この固定アイコンとしては、地図の縮尺、表示範囲、様式の変更や画面の切り替え等といった、ナビゲーション装置1に対する各種基本操作を行うためのものが用いられる。
【0060】
このような地図表示画面に対して、S130の処理で反力分布を設定すると図5(b)に示すようになる。すなわち、固定アイコン表示領域に配置されている個々の固定アイコンの位置及び形状に対応する範囲に引き込み反力の発生範囲(図中のグレー部分)が設けられる。この引き込み反力の発生範囲に該当する座標に操作ノブ18が位置するときに、当該反力発生範囲の中心(図中の「+」印)に向けたアシスト力を操作ノブ18に加えるように定義する。ただし、各固定アイコンに対応する反力発生範囲は、対応する固定アイコンのサイズよりもやや大きい範囲に設定されている。このようにすることで、カーソルが固定アイコンの近傍まで接近した時点から引き込み反力を発生させることができ、カーソルの指示位置を固定アイコンの位置に合わせ易くすることができる。一方、地図上アイコン表示領域に配置されている何れの地図上アイコンに対しても、引き込み反力を付与しない。
【0061】
また、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界に沿ったL字状の領域には、両領域を仕切る壁に相当する抵抗力が設定される。この抵抗力の発生範囲では、両領域の境界を越えようとする移動操作に対向する抵抗力を操作ノブ18に加えるように定義する。
【0062】
図3のフローチャートの説明に戻る。S120で、現在状況が反力付与条件に適合すると判定した場合(S120:YES)、画面上に表示しているアイコンの配置状況に応じて次のような反力分布を設定し、その設定した反力分布を操作画面情報として操作部14に対して入力する(S140)。このS140では、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界に沿った所定範囲に対して、その境界を越えようとする移動操作に対向する抵抗力を設定し、そして、固定アイコン表示領域に配置されている各固定アイコンに対しては、個々のアイコンの位置及び形状に対応する引き込み反力を設定する。なお、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界に設ける抵抗力、及び固定アイコンに対して設ける引き込み反力の内容は、上述のS130と同様である。
【0063】
さらに、地図上アイコン表示領域に配置されている地図上アイコンのうち、S120において適合すると判定した反力付与条件(上記(1)〜(4)参照)に該当の地図上アイコンのみに対して、固定アイコンと同様の引き込み反力を設定する。具体的には、上記(1)又は(2)の反力付与条件に適合すると判定した場合、画面上の全ての地図上アイコンに対して引き込み反力を付与する。また、上記(3)の反力付与条件に適合すると判定した場合、画面上に表示されている地図上アイコンのうち、重要度が基準以上のものだけに引き込み反力を付与する。また、上記(4)の反力付与条件に適合すると判定した場合、画面上に表示されている地図上アイコンのうち、自車両の現在地を中心とする所定範囲内に配置されているものだけに引き込み反力を付与する。
【0064】
ここで、S140において設定する反力分布の具体例を、図6を参照しながら説明する。図6の(a)は、表示部10に表示されている地図表示画面の一例を示す説明図であり、(b)は、(a)で示す地図表示画面に対応してナビゲーションECU12が設定する操作画面情報において定義される反力分布の一例を模式的に示す図である。
【0065】
図6(a)に示すように、地図表示画面においては、画面全域に地図画像が表示されており、そのうちの中央部を含む画面右上側の広範囲に地図上アイコン表示領域が設定されている。また、画面の左端部及び下端部に沿ったL字状の固定アイコン表示領域が地図上アイコン表示領域の周辺に設けられている。なお、図6(a)においては、説明上の便宜上、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界を点線で図示しているが、実際の画面上ではこの境界は可視化されない。
【0066】
地図上アイコン表示領域には、地図画像の特定地点に対応付けて表示され、かつ、地図画像のスクロール共に移動する地図上アイコンが配置されている。この地図上アイコンには、周辺道路の交通規制情報(渋滞、工事、事故等)や気象情報(降水情報、警報、注意報等)の表示を行うためのものや、地図上の特定施設に関する情報の表示を行うためのもの等がある。
【0067】
一方、固定アイコン表示領域には、地図画像のスクロールに関わらず画面上に固定表示される固定アイコンが配置されている。この固定アイコンとしては、地図の縮尺、表示範囲、様式の変更や画面の切り替え等といった、ナビゲーション装置1に対する各種基本操作を行うためのものが用いられる。
【0068】
このような地図表示画面に対して、S140の処理で反力分布を設定すると図6(b)に示すようになる。すなわち、固定アイコン表示領域に配置されている個々の固定アイコンの位置及び形状に対応する範囲に引き込み反力の発生範囲(図中のグレー部分)が設定される。さらに、地図上アイコン表示領域に配置されている一部の地図上アイコンに対しても、その位置及び形状に対応する範囲に引き込み反力の発生範囲(図中のグレー部分)が設定される。地図上アイコンに対しては、上記(1)〜(4)の反力付与条件の少なくとも何れかに該当するものだけに引き込み反力が付与されている。
【0069】
この引き込み反力の発生範囲に該当する座標に操作ノブ18が位置するときに、当該反力発生範囲の中心(図中の「+」印)に向けたアシスト力を操作ノブ18に加えるように定義する。ただし、各アイコンに対応する反力発生範囲は、対応するアイコンのサイズよりもやや大きい範囲に設定されている。このようにすることで、カーソルがアイコンの近傍まで接近した時点から引き込み反力を発生させることができ、カーソルの指示位置をアイコンの位置に合わせ易くすることができる。
【0070】
また、地図上アイコン表示領域と固定アイコン表示領域との境界に沿ったL字状の領域には、両領域を仕切る壁に相当する抵抗力が設けられる。この抵抗力の発生範囲では、両領域の境界を越えようとする移動操作に対向する抵抗力を操作ノブ18に加えるように定義する。
【0071】
[効果]
上記実施形態のナビゲーション装置1によれば、次のような効果を奏する。
(1)固定アイコンには、操作メニュー等のナビゲーション装置1に対する基本的な操作を行う機能が割り当てられることが多い。このような固定アイコンは、地図画像周辺等に意匠や操作性を十分に考慮上で整然と配置されるのが普通である。よって、固定アイコンに対しては、操作ノブ18による指示位置を当該固定アイコンの位置へ引き込む反力を設定することで、固定アイコンの指示を容易にし、ユーザにとって快適な操作性を実現できる。また、固定アイコンが意匠や操作性を考慮して配置されていれば、ユーザの意図に反して不用意に指示位置が引き込まれるといった不都合も生じない。
【0072】
一方、地図上アイコンは、地図上の施設や道路等に関する情報提供を行う機能が割り当てられることが多い。このような地図上アイコンは、地図画像上の特定地点に対応付けられて配置されるため、その配置状況は地図の内容に依存し、必ずしも整然と配置されるものではない。また、地図の内容によっては、地図上アイコンが1画面上に数多く表示されることも考えられる。したがって、地図上アイコンに対しては、原則、操作ノブ18による指示位置を地図上アイコンの位置へ引き込む反力を設定しないようにすることで、ユーザの意図に反して指示位置が吸い込まれるのを防止し、操作性が悪化するのを回避できる。また、このようにすることで、地図上アイコンを選択指示する以外の目的で地図画像上においてカーソルを動かす操作をスムーズに行うことができるので、好適である。
【0073】
さらに、地図画像のスクロールに伴い地図上アイコンが移動する度に、数多くの地図上アイコンに対して反力データを設定し直すといった手間も必要なく、反力データの付与に関する処理負荷を軽減できる。
【0074】
(2)固定アイコン表示領域と地図上アイコン表示領域と間の境界を越えようとする移動操作に対向する抵抗力を設定することで、固定アイコン表示領域と地図上アイコン表示領域との区別を、ユーザが操作ノブ18を介して触覚的に認識することができるようになり、操作性が向上する。
【0075】
(3)地図上アイコンの数が少なく過密状態になっていないのであれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、1画面中に表示されている地図上アイコンの数が規定値以下であることを条件に、地図上アイコンに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上でのアイコンの指示操作を容易にすることができる。
【0076】
(4)地図の縮尺が狭域であれば、画面上における地図の表示範囲が狭まり、1画面上に配置される地図上アイコンの数が相対的に少なくなると共に配置間隔も広まるため、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、表示中の地図画像の縮尺が所定の値よりも狭域であることを条件に、地図上アイコンに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上でのアイコンの指示操作を容易にすることができる。
【0077】
(5)多数の地図上アイコンの中から、より重要性の高い機能が割り当てられた地図上アイコンのみに絞って引き込み反力を付与するようにすれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、表示中の地図画像上に重要度が所定の基準よりも高い地図上アイコンが配置されていることを条件に、この条件に該当する地図上アイコンのみに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上でのアイコンの指示操作を容易にすることができる。
【0078】
(6)多数の地図上アイコンの中から、地図画像上の現在地周辺に存在する地図上アイコンのみに絞って引き込み反力を付与するようにすれば、地図画像上での操作性を損なうことなく、また、反力データの設定に係る処理負荷も過大になることはないと考えられる。よって、現在地を中心とする所定範囲内に地図上アイコンが配置されていることを条件に、この条件に該当する地図上アイコンのみに対して引き込み反力を付与することで、地図画像上でのアイコンの指示操作を容易にすることができる。また、現在地周辺に存在する地図上アイコンは、ユーザにとって有用性が高いものであると考えられるので、そのような地図上アイコンを対象として引き込み反力を付与することで、利便性も大いに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】表示部10と操作部14の車室内での配置状況を模式的に示す説明図である。
【図3】地図表示画面に対する反力設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、表示部10に表示される操作画面の一例を示す説明図であり、(b)は、その操作画面に対応する反力分布の一例を模式的に示す説明図である。
【図5】(a)は、地図表示画面の一例を示す説明図であり、(b)は、(a)で示す地図表示画面に対応して設定する反力分布の一例を模式的に示す説明図である。
【図6】(a)は、地図表示画面の一例を示す説明図であり、(b)は、(a)で示す地図表示画面に対応して設定する反力分布の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1…ナビゲーション装置、10…表示部、10a…表示面、11…位置検出部、12…ナビゲーションECU、13…データ入力部、14…操作部、16…制御部、18a…操作ノブ、20…押操作検出センサ、22…位置検出センサ、24…反力発生ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載され、着目地点周辺の地図画像を表示手段に表示すると共に、前記着目地点の移動に伴い前記表示手段に表示する地図画像の表示範囲をスクロールさせるナビゲーション装置において、
所定のコマンドの実行命令をユーザから受け付けるために前記表示手段に表示される選択項目画像であって、地図画像上に重畳して配置され、その地図画像と一緒にスクロールする地図上選択項目画像、及び、地図画像周辺あるいは地図画像上に配置され、画面上に固定して表示される固定選択項目画像の表示を行う選択項目画像表示手段と、
操作者によって加えられる操作に応じて可動する操作部材を備え、この操作部材により前記表示手段に表示される画面に対して前記表示手段とは離れた位置から遠隔操作により画面上の任意の位置を指示する移動命令を与える遠隔操作部と、
前記選択項目画像表示手段によって前記表示手段に表示される前記各選択項目画像の画面上の分布状況に応じて、前記遠隔操作部の操作部材に加える反力の内容を設定する反力設定手段とを備え、
前記遠隔操作部は、前記反力設定手段によって設定された反力の内容に従って、前記操作部材に加えられる操作者の操作に対する反力を前記操作部材に加える反力発生手段を更に備え、
前記反力設定手段は、前記固定選択項目画像の周辺領域において、前記操作部材による指示位置を当該固定選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定する一方、前記地図上選択項目画像に対しては、前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定しないこと
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記反力設定手段は、画面上で前記固定選択項目画像が配置される領域と、前記地図上選択項目画像が配置される領域とを層別し、その両領域間の境界に沿って、前記操作部材による指示位置がその境界を越えようとする移動操作に対して抵抗する反力を設定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記反力設定手段は、所定の反力付与条件を満たす場合のみ、当該反力付与条件に適合する前記地図上選択項目画像に対して、その周辺領域において前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定する一方、前記反力付与条件を満たさない場合、前記地図上選択項目画像に対しては前記操作部材による指示位置を引き込む反力を設定しないこと
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記反力設定手段は、前記反力付与条件として、1画面中に表示されている前記地図上選択項目画像の数が規定値以下である場合、その各地図上選択項目画像に対して、前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記反力設定手段は、前記反力付与条件として、表示中の地図画像の縮尺が所定の値よりも狭域である場合、その地図画像上に配置されている各地図上選択項目画像に対して、前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記地図上選択項目画像には、その内容に応じた重要度が予め設定されており、
前記反力設定手段は、前記反力付与条件として、表示中の地図画像上に重要度が所定の基準よりも高い前記地図上選択項目画像が配置されている場合、これに該当する各地図上選択項目画像に対して、前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記反力設定手段は、表示中の地図画像上における前記移動体の現在地周辺の所定範囲内に前記地図上選択項目画像が配置されている場合、その所定範囲内の各地図上選択項目画像に対して、前記操作部材による指示位置を当該地図上選択項目画像の表示位置へ引き込む反力を設定すること
を特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−96669(P2010−96669A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268764(P2008−268764)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】