説明

ナビゲーション装置

【課題】施設情報についてのユーザのニーズ(必要性や要求)を自動的に特定し、当該ニーズに応える施設情報を含む地図データを的確に更新するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ユーザの入力に応じて表示部32に表示する施設情報を設定する表示施設設定部24によって設定された表示施設が、表示施設記憶部26に記憶される。更新情報取得部28は、表示施設記憶部26に記憶されている表示施設を参照し、更新対象とする施設を特定し、前記更新対象とする施設に関する更新情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位置情報と連動したデジタルコンテンツである施設情報、いわゆるPOI(Point Of Interest)情報の更新を的確に行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置の地図データ記憶部に記憶された施設情報を含む地図データを参照し、表示器上に前記施設情報を表示するナビゲーション装置が提案されている(特許文献1、2、3)。
【0003】
この場合、施設情報を含む地図データは、最新の情報を得るために、随時更新されることが好ましい。
【0004】
しかし、全ての地図データを一度に更新しようとすると、ユーザにとって更新する必要のない地図データまでも更新されてしまうことから時間がかかり、通信コストも高くなるという問題がある。
【0005】
特許文献1に係るナビゲーション装置では、POI検索頻度に基づいて、更新対象とするPOIの施設種類を決定することで、必要な地図データのみを更新させることが記載されている(特許文献1の請求項3、[0006]等の記載参照)。
【0006】
また、特許文献2及び特許文献3に係るナビゲーション装置では、目的地の設定履歴とPOS検索履歴に基づいて、更新対象地域を特定することで必要な地図データのみを更新させること、及び過去に通過したエリアを地図更新対象エリアとして該エリアの最新地図データを通信により地図情報供給センタから受信し、該最新地図データで保持している古い地図データを更新することが記載されている(特許文献2の請求項4、[0006]等の記載、並びに特許文献3の[0005]等の記載参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−162270号公報
【特許文献2】特開2006−162269号公報
【特許文献3】特開2005−147864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献1〜3に開示された技術を採用することで、取得しようとする必要な地図データのデータ量を少なくすることができる。
【0009】
しかしながら、上記従来技術に係るナビゲーション装置においては、一般に、POI情報の検索履歴が、例えば旅行先のホテルや観光施設などに集中することが多いことから、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、車両に係わる生活に密接な必要情報が検索対象になりにくいという傾向が高い結果、施設情報中、車両に係わる生活に密接な必要情報が更新され難いという問題がある。
【0010】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、施設情報についてのユーザのニーズ(必要性や要求)を自動的に特定し、当該ニーズに応える施設情報を含む地図データを的確に更新することを可能とするナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るナビゲーション装置は、施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、前記施設情報を表示する表示部と、ユーザの入力に応じて前記表示部に表示する施設情報を設定する表示施設設定部と、前記表示施設設定部によって設定された表示施設を記憶する表示施設記憶部と、前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部と、前記更新情報取得部によって取得された前記更新情報を用いて、前記地図データ記憶部の前記施設情報を更新する地図データ更新部と、を有するナビゲーション装置であって、前記更新情報取得部は、前記表示施設記憶部に記憶されている前記表示施設を参照して、更新対象とする施設を特定し、前記更新対象とする施設に関する更新情報を取得することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、更新情報取得部は、ユーザの入力に応じて表示部に表示する施設情報を設定する表示施設設定部によって設定された表示施設が、表示施設記憶部に記憶され、前記表示施設記憶部に記憶されている前記表示施設を参照して、更新対象とする施設を特定し、前記更新対象とする施設に関する更新情報を取得するようにしているので、ユーザのニーズに応える施設情報を含む地図データを更新することができる。
【0013】
この場合、前記更新情報取得部は、前記更新情報を外部から取得するようにすることで、簡易に適当な時に更新情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、施設情報についてのユーザのニーズに応える施設情報を含む地図データを的確かつ簡易に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施形態に係るナビゲーション装置に収容された記憶部に記憶された地図データを更新する地図データ更新システムのシステム図である。
【図2】この実施形態に係るナビゲーション装置の詳細な構成を含む車両のブロック図である。
【図3】施設情報を含む地図データを更新する処理の説明に供されるフローチャートである。
【図4】図4Aは、ディスクドライブに地図更新ディスクを挿入したときの表示説明図である。図4Bは、地図更新準備中の表示説明図である。図4Cは、地図更新中の表示説明図である。図4Dは、地図更新完了時の表示説明図である。
【図5】図5Aは、ナビゲーション装置起動時の表示説明図である。図5Bは、更新情報が存在するときの表示説明図である。図5Cは、地図更新中の表示説明図である。図5Dは、地図更新完了時の表示説明図である。
【図6】図6Aは、目的地設定時の表示説明図である。図6Bは、VICS情報取得時の表示説明図である。図6Cは、更新情報が存在するときの表示説明図である。図6Dは、地図更新中の表示説明図である。図6Eは、地図更新完了時の表示説明図である。
【図7】図7Aは、マーク/地図変更機能選択の表示説明図である。図7Bは、施設情報の設定例を説明する表示説明図である。図7Cは、特定の施設情報の設定の有無を説明する表示説明図である。
【図8】図8Aは、ブランド設定(選択)時の表示説明図である。図8Bは、ブランド設定(選択)後の表示説明図である。
【図9】ジャンル設定(選択)時の表示説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の一実施形態に係るナビゲーション装置について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、この実施形態に係るナビゲーション装置10に収容されたハードディスク等の記憶部に記憶された地図データを更新する地図データ更新システム14の構成例を示している。
【0018】
この地図データ更新システム14は、ナビゲーション装置10及び通信端末16を搭載した車両12と、移動通信網18と、地図データ(更新地図データ)が格納されたサーバ21を備える地図データ配信センタ(更新地図データ配信センタともいう。)20とから構成されている。
【0019】
車両12内のユーザの鞄あるいはポケット等に収納されている携帯電話等の通信端末16は、例えば、無線でナビゲーション装置10に接続されるとともに図示しない基地局を含む移動通信網18を通じて地図データ配信センタ20に無線接続される。この実施形態に係る通信端末16は、電話機能とともにデータ通信機能を備える。
【0020】
図2は、ナビゲーション装置10の詳細な構成を含む車両12のブロック図である。
【0021】
図2から分かるように、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置本体11と、このナビゲーション装置本体11に接続される入力装置34、ディスクドライブ(記録媒体読取装置)35、表示部(モニタ、ディスプレイ)32、スピーカ(音声出力装置)36、GPS装置38、振動ジャイロ39及び車速センサ40と、を備える。通信端末16は、ナビゲーション装置本体11にBluetoothにより無線で接続されている。通信端末16とナビゲーション装置本体11とを、有線で接続することもできる。
【0022】
ここで、表示部32は、後述する施設又は施設情報(POI情報)を地図上に表示する液晶表示器等から構成され、入力装置34は、例えば、その表示部32上のタッチスクリーン等により構成される。ディスクドライブ35は、例えば、施設情報を含む地図データが記録された記録媒体であるCD、DVD、BD等の各ディスクを再生することができる。
【0023】
ナビゲーション装置本体11は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶部)であるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びHDD、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、及び計時手段としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば制御部、演算部、処理部等として機能する。
【0024】
この実施形態において、ナビゲーション装置本体11は、記憶部として、施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部22と、後述する表示施設設定部24によって設定された表示施設を記憶する表示施設記憶部26と、を備える。
【0025】
また、ナビゲーション装置本体11は、より具体的な機能実現部として、ユーザによる入力装置34の操作入力に応じて表示部32に表示する施設情報を設定する表示施設設定部24と、施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部28と、更新情報取得部28によって取得された更新情報を用いて、地図データ記憶部22の施設情報を更新する地図データ更新部30と、を有する。
【0026】
ナビゲーション装置10は、地図データ記憶部22に記録されている地図データに基づいて、入力装置34を通じてユーザにより設定された目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路に従って車両12を誘導することにより、目的地までユーザを案内する。
【0027】
地図データ更新システム14では、図1に示すように、地図データ配信センタ20においてサーバ21から読み出されて地図データ配信センタ20から送信され、移動通信網18を経由し通信端末16を通じて受信される地図データ(施設情報を含む地図データ)によって、ナビゲーション装置10の地図データ記憶部22に記憶されている地図データを部分的に更新することができる。
【0028】
図2に示すように、ナビゲーション装置10は、現在地検出装置(現在位置検出装置)42を備える。現在地検出装置42は、自車両12の現在地を検出する装置であり、例えば、自車両12の進行方位を検出する振動ジャイロ39、車速を検出する車速センサ40、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPS装置38等から構成される。
【0029】
ナビゲーション装置10は、この現在地検出装置42により検出された自車両12の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0030】
地図データ配信センタ20のサーバ21及びナビゲーション装置10の地図データ記憶部22に記録されている地図データには、推奨経路を演算するために用いられる経路計算データや、交差点名称、道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するために用いられる経路誘導データ、道路形状を表す道路データ、さらには海岸線や河川、鉄道、建物など、道路以外の地図形状を表す背景データなどが含まれている。
【0031】
また、サーバ21及び地図データ記憶部22に記録されている地図データには、施設情報(POI)の名称や位置、ジャンル(種類)、電話番号などを表す施設情報(POIデータともいう。)も、地図データの中に含まれている。
【0032】
前記道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、各道路は所定の道路区間ごとに設定された複数のリンクによって構成されている。なお、リンクによって設定される道路区間の長さは異なっており、リンクの長さは一定ではない。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。また、リンク内にはノードとノードの間に形状補間点と呼ばれる点が設定されていることもある。形状補間点もノードと同じく、それぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードと形状補間点の位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。経路計算データには、上記の各リンクに対応して、自車両の通過所要時間を表すためのリンクコストと呼ばれる値が設定されている。
【0033】
上述したように入力装置34におけるユーザの操作によって目的地が設定されると、現在地検出装置42により検出された現在地を経路探索開始点として、設定された目的地までの経路演算が経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムにより行われ、目的地までの経路が求められる。そして、求められた推奨経路付近の地図が表示部32に表示され、推奨経路に従って右左折の指示などが適宜行われる。
【0034】
基本的には以上のように構成されかつ動作するナビゲーション装置10について、次に、図3のフローチャートを参照し、施設情報を含む地図データを更新する処理について説明する。
【0035】
ステップS1において、地図データの更新処理が開始される。この地図データの更新処理の開始トリガは、この実施形態では、第1に、ディスクドライブ35へのCD、DVD、BD等の地図データが記録されたディスクの挿入をトリガとする。第2に、ナビゲーション装置10の起動時をトリガとする。第3に、目的地の設定時をトリガとする、の3つの形態が適用される。
【0036】
第1に、ディスクドライブ35に、地図更新ディスクが挿入されると、図4Aに示すように、表示部32中に、「地図更新ディスクが挿入されました 地図更新を実行しますか」と画面表示50がなされ、「実行する」ボタンを押したときに、図4Bに示すように、「地図更新の準備をしています ディスクを抜かないでください」との画面表示52がなされる。
【0037】
この画面表示52がなされているとき、最新情報が存在することを条件として図3のステップS2以降の処理が実行される。
【0038】
第2に、図示しないイグニッションスイッチ等の車両12の起動スイッチがオフ状態からオン状態に操作され、ナビゲーション装置10の主電源が、例えば自動的にオフ状態からオン状態にされると、図5Aに示すように、表示部32上に、自車両表示54がなされた道路地図表示56が表示される。
【0039】
このとき、地図データ更新部30は、通信端末16及び移動通信網18を通じて地図データ配信センタ20にアクセスし、最新情報が存在するかどうかを確認する。
【0040】
地図データ配信センタ20は、サーバ21内に最新情報が存在する場合には、すなわち、ナビゲーション装置10の施設情報を含む地図データに関し、前回アクセス時以降での最新情報(更新情報)が存在する場合には、その旨を、移動通信網18及び通信端末16を通じてナビゲーション装置10に通知する。
【0041】
このとき、図5Bに示すように、表示部32中に「最新の情報がありました 地図更新を実行しますか」と画面表示58がなされ、「実行する」ボタンを押したときに、図3のステップS2以降の処理が実行される。なお、最新情報が存在しない場合には、地図データ更新処理は終了する。
【0042】
第3に、入力装置34を、公知の要領にて操作して、図6Aに示すように、目的地62を設定し、案内開始ボタン64を押したときに、表示部32中に、図6Bに示すように、「情報センタに接続し、目的地周辺のVICS情報(交通情報)を取得中です」と画面表示66がなされ、VICS情報の取得と同時に、更新情報取得部28は地図データ配信センタ20にアクセスし、最新情報が存在するかどうかを確認する。最新情報が存在しない場合には、地図データ更新処理は終了する。
【0043】
最新情報が存在する場合には、図6Cに示すように、表示部32中に、「目的地周辺に最新の情報がありました 地図更新を実行しますか」と画面表示68がなされ、「実行する」ボタンを押したときに、図3のステップS2以降の処理が実行される。
【0044】
次に、ステップS2において、更新情報取得部28は、表示施設記憶部26に、表示施設設定部24によって設定された施設情報である表示施設が記憶されているかどうかを確認する。
【0045】
この場合、表示施設設定部24による表示部32に表示する施設情報の設定は、ナビゲーション装置10でマーク/地図変更機能が選択されると、図7Aに示すように、表示部32に、施設マーク表示ボタン70が表示され、施設マーク表示ボタン70が押される(ユーザの入力)と、図7Bに示すように、表示部32の地図上に表示される施設情報である施設マークの地図上への表示有無の確認表示72が表示される。
【0046】
施設マークは、ジャンル(種類)として、「ガソリンスタンド」、「コンビニ(コンビニエンスストア)」、「ファミリーレストラン」等が表示され、図7Cに、ジャンル「コンビニ」を選択例として示すように、各ジャンルに対して、表示の要否(「全表示する。」、「表示しない。」)を設定することができるようになっている。
【0047】
また、図7Bにおいて、全て表示しないボタン74を選択すると、全てのジャンルが「表示しない」に設定され、全て表示するボタン76を選択すると、全てのジャンルが「全表示する」に設定される。
【0048】
図7Bに示す表示において、コンビニボタン78を押すと、図7Cに示すように、ジャンル「コンビニ」に関し、全表示するボタン80又は表示しないボタン82を押すことで、表示しないかをジャンル別に個別に当該表示施設、この場合、コンビニのマーク(ブランド)の表示部32の地図上への表示の有無を設定することができる。
【0049】
図7Cに示す表示において、マーク選択ボタン84を押すと、図8Aに示すように、表示部32に、ブランド選択表示86が表示される。
【0050】
この場合、各社のブランド名(「A社ブランド名」等)と、ブランドマーク(「A」等)が、表示されている。ブランド名の表示、例えばA社ブランド名ボタン88を押すことで、表示部32の地図上に表示したい施設情報のブランドを選択することができる。そして、設定終了ボタン90を押すことで、図8Bの「コンビニ」の表示欄に示すように、選択したブランドが、例えば「A、B、C」と表示される。このとき、選択したブランド、すなわち、表示部32の地図上に表示する施設情報が、表示施設記憶部26に自動的に記憶される。
【0051】
なお、図7Cに示す表示において、全表示するボタン80に押したときには、図9の「コンビニ」の表示欄に示すように、ジャンル「コンビニ」の全ブランド「A、B、C、…」が施設情報として表示部32の地図上に表示する表示施設として、表示施設記憶部26に自動的に記憶される。
【0052】
ステップS2の表示施設設定の有無判定において、表示施設記憶部26に、表示施設が何も記録されていないとき、換言すれば、図7Bに示す表示において、全て表示しないボタン74が押されていたときには、ステップS3において、実際には、全てのジャンルの施設情報が更新される。しかし、この更新は、ユーザにとって必要ではないデータも取得され更新されるので、ステップS4の更新終了までに相当の時間がかかり、好ましくない。
【0053】
その一方、ステップS2の判定において、表示施設記憶部26に表示施設設定部24によって設定された表示施設が記録されていたときには、ステップS5において、表示施設記憶部26に設定されている(記録されている)ジャンル数をカウントする(計数する)。ここでは、ジャンル数の計数合計値をNとし、ステップS6において、設定されている表示施設のみの更新処理を行う、換言すれば、必要なデータのみを取得するため、そのプログラム実行のためのパラメータXをX←0に設定する。
【0054】
例えば、図9に示すように、表示施設記憶部26に、ジャンル「コンビニ」とジャンル「ファーストフード」が全表示すると記録されていた場合、計数合計値Nは、N=2になる。
【0055】
そして、ステップS7において、パラメータXがX=Nになったかどうかが判定される。最初にステップS7を実行するときには、この判定は成立しないので、更新情報取得部28は、ステップS8において、選択された(設定された)ジャンル中で、ブランド名が選択されているかどうかを、表示施設記憶部26に記憶されている表示施設を参照して確認し、更新対象とする施設を特定する。具体的には、図8Bに示すように、ジャンル「コンビニ」でブランド名「A、B、C」が選択(設定)されていた場合には、ステップS9において、地図データ更新部30は、選択されたブランドA、B、Cの施設情報のみを含む地図データを更新する。
【0056】
その一方、ブランドの選択がなかった場合、この場合、図9に示すように、ジャンル「コンビニ」とジャンル「ファーストフード」が「全表示する」に選択(設定)されていた場合には、選択されているジャンル、ここでは、「コンビニ」と「ファーストフード」の全ての施設情報を含む地図データを更新する。
【0057】
そして、ステップS11において、パラメータXをX←X+1と、「1」更新し、ステップS7の判定を行う。このようにして、X=Nとなったときに、ステップS7の判定が終了し、計数合計値Nのジャンル数の地図更新は終了したので、ステップS4において、更新終了処理を行う。
【0058】
なお、ステップS5→S6→S7;NO→S8→S9又はS10→S11→S7の処理を繰り返しているとき、すなわち施設情報を含む地図の更新中には、図4C、図5C、又は図6Dに示す地図更新中の表示91(ここでは、2%まで更新済みである表示がなされている。)が表示部32上になされ、ステップS4の更新終了時には、図4D、図5D又は図6Eに示す「地図更新が完了しました」の画面表示92がなされる。
【0059】
実際上、図5Bに示すナビゲーション装置10の起動時において地図情報の更新処理を実行する際、及び図6Bに示す目的地設定時において地図情報の更新処理を実行する際には、ナビゲーション装置10に対する地図データ配信センタ20による認証処理が実行され、認証がとれたときにのみ地図データの更新処理がなされるように構成されている。
【0060】
以上説明したように上述した実施形態に係るナビゲーション装置10は、施設情報(POI情報)を含む地図データを記憶する地図データ記憶部22と、前記施設情報を表示する表示部32と、ユーザの入力に応じて表示部32に表示する施設情報を設定する表示施設設定部24と、表示施設設定部24によって設定された表示施設を記憶する表示施設記憶部26と、前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部28と、更新情報取得部28によって取得された前記更新情報を用いて、地図データ記憶部22の前記施設情報を更新する地図データ更新部30と、を有するナビゲーション装置10であって、更新情報取得部28は、表示施設記憶部26に記憶されている前記表示施設を参照して、更新対象とする施設を特定し、前記更新対象とする施設に関する更新情報を取得するようにしている。
【0061】
このように、ユーザの入力に応じて表示部32に表示する施設情報を設定する表示施設設定部24によって設定された表示施設の設定履歴が表示施設の設定を監視する表示施設設定監視機能を有する表示施設記憶部26(表示施設設定監視部と表示施設設定記憶部の機能を有する)によって監視され、表示施設(新規設定の表示施設、更新設定の表示施設、又は削除された表示施設)の設定履歴に応じた表示施設が、表示施設記憶部26に記憶される。そして、更新情報取得部28は、地図データの更新処理の開始トリガがあったとき、自動的に表示施設記憶部26に記憶されている表示施設を参照して、更新対象とする施設を特定し、地図更新ディスク又は地図データ配信センタ20から前記更新対象とする施設に関する更新情報を自動的に取得するようにしているので、ユーザのニーズに応える施設情報を含む地図データを自動的に更新することができる。
【0062】
この場合、更新情報取得部28は、表示施設設定部24により表示部32に表示する施設情報が設定されたとき、表示施設設定部24によって設定された表示施設を表示施設記憶部26に自動的に記憶させるようになっているので、施設情報についてのユーザのニーズを自動的に特定することができる。
【0063】
このように制御することで、例えば旅行先のホテルや観光施設などはもちろんのこと、通常では、検索対象となりにくいコンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、車両に係わる生活に密接な必要情報が適宜、かつ的確に更新される。
【0064】
なお、更新情報取得部28は、ナビゲーション装置10の起動時や目的地設定時に、前記更新情報をデータ通信により外部から自動的に取得するようになっているので、簡易に更新情報を取得することができる。
【0065】
すなわち、上述した実施形態によれば、施設情報についてのユーザのニーズ(必要性や要求)を表示施設記憶部26の表示施設設定内容により自動的に特定し、当該に応える施設情報を含む地図データを的確かつ簡易に更新することができる。
【0066】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0067】
10…ナビゲーション装置 11…ナビゲーション装置本体
12…車両 14…地図データ更新システム
16…通信端末 18…移動通信網
20…地図データ配信センタ 21…サーバ
22…地図データ記憶部 24…表示施設設定部
26…表示施設記憶部 28…更新情報取得部
30…地図データ更新部 32…表示部
34…入力装置 35…ディスクドライブ
42…現在地検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
前記施設情報を表示する表示部と、
ユーザの入力に応じて前記表示部に表示する施設情報を設定する表示施設設定部と、
前記表示施設設定部によって設定された表示施設を記憶する表示施設記憶部と、
前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部と、
前記更新情報取得部によって取得された前記更新情報を用いて、前記地図データ記憶部の前記施設情報を更新する地図データ更新部と、
を有するナビゲーション装置であって、
前記更新情報取得部は、
前記表示施設記憶部に記憶されている前記表示施設を参照して、更新対象とする施設を特定し、前記更新対象とする施設に関する更新情報を取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記更新情報取得部は、
前記更新情報を外部から取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−145260(P2011−145260A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8320(P2010−8320)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.Bluetooth
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】