説明

ナビゲーション装置

【課題】交差点などの案内経路上の案内地点をユーザに報知する場合、ユーザにとって覚え易い切りのよい歩数で案内できるようにする。
【解決手段】経路探索手段14が入力手段16により入力された経路探索条件の情報と、地図データとに基づいて案内経路を探索し、案内ポイント設定手段13がユーザの歩幅と歩数とに基づいて、所定の案内地点に対する案内ポイントを前記案内経路上に設定し、経路案内手段15が現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者用のナビゲーション装置に関するものであり、特に、交差点や曲がり角などの案内地点までの距離とユーザの歩幅とに基づいて歩数案内を行なうナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置が車両から取り外されて携帯可能になっており、歩行するユーザの経路案内を行なう歩行者用ナビゲーション装置として機能する車載・携帯兼用ナビゲーション装置が広く普及している。また最近では、ナビゲーション専用機のみならず携帯電話ユーザに対して経路案内をリアルタイムに提供するナビゲーションサービスが実現されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1(特開2006−220653号公報)には、歩行者用のナビゲーション装置において、交差点などの曲がり角までの距離とユーザの歩幅とに基づいて、歩数案内を行なう経路ガイド装置が開示されている。この経路ガイド装置は、歩行者の歩幅が1mで、30m先の交差点を右に曲がるルートを案内する場合、「30歩後の交差点を右に曲がってください」と案内を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−220653号公報(段落[0033])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された経路ガイド装置では、単純に交差点までの距離と歩幅とに基づいた歩数案内を行なってしまうため、歩幅が80cmで30m先の交差点を曲がる場合、「約38歩先を右折してください」といった案内になってしまい、ユーザにとって非常に分かり難いという問題があった。
【0006】
よって、本願発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、予め定められた歩数(例えば、30歩)と各ユーザの歩幅とから、交差点まで30歩で到達できる位置を算出し、当該位置を案内地点である交差点に対する案内ポイントとするようになせば上記問題を解消しうることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、交差点などの案内経路上の案内地点をユーザに報知する場合、ユーザにとって覚え易い切りのよい歩数で案内できるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、
地図データを記憶した地図データ記憶手段(例えば下記実施例では、地図記憶手段12に相当する)と、
経路探索条件の情報を入力する入力手段(例えば下記実施例では、入力手段16に相当する)と、
前記入力手段により入力された経路探索条件の情報と、前記地図データとに基づいて案内経路を探索する経路探索手段(例えば下記実施例では、経路探索手段14に相当する)と、
ユーザの歩幅と歩数とに基づいて、所定の案内地点に対する案内ポイントを前記案内経路上に設定する案内ポイント設定手段(例えば下記実施例では、案内ポイント設定手段13に相当する)と、
現在位置を検出する現在位置検出手段(例えば下記実施例では、現在位置検出手段11に相当する)と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行う経路案内手段(例えば下記実施例では、経路案内手段15に相当する)と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係るナビゲーション装置において、前記ユーザの歩幅を検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係るナビゲーション装置において、前記ユーザの歩幅は、前記入力手段により入力されることを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に係るナビゲーション装置において、前記歩数は、前記入力手段により入力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明においては、ユーザの歩幅と歩数とに基づいて、所定の案内地点に対する案内ポイントを前記案内経路上に設定し、現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行なうようにした。
【0013】
このような構成によれば、所定の案内地点に対する案内ポイントの設定が各ユーザの歩幅に応じて行なわれるため、各ユーザにとって利便性の高いナビゲーション装置を提供することが可能となる。しかも、ユーザ毎に分かり易い歩数を用いて案内を行なうことができるので、ユーザは的確に経路案内を把握することが容易となる。
【0014】
また、請求項2に係る発明においては、請求項1に係るナビゲーション装置において、ユーザの歩幅を実際に検出し、これに基づいて所定の案内地点に対する案内ポイントを案内経路上に設定し、現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行なうようにした。
【0015】
このような構成によれば、所定の案内地点に対する案内ポイントの設定が実際に歩行しているユーザの歩幅に応じて行なわれるため、各ユーザにとって更に利便性の高いナビゲーション装置を提供することが可能となる。しかも、ユーザ毎に分かり易い歩数を用いて案内を行なうことができるので、ユーザは的確に経路案内を把握することが容易となる。
【0016】
また、請求項3に係る発明においては、請求項1に係るナビゲーション装置において、ユーザの歩幅をユーザ自らによって入力し、これに基づいて所定の案内地点に対する案内ポイントを案内経路上に設定し、現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行なうようにした。
【0017】
このような構成によれば、所定の案内地点に対する案内ポイントの設定がユーザによって指定された歩幅に応じて行なわれるため、各ユーザにとって利便性の高いナビゲーション装置を提供することが可能となる。しかも、ユーザ毎に分かり易い歩数を用いて案内を行なうことができるので、ユーザは的確に経路案内を把握することが容易となる。また、歩幅を検出する必要がなく、かつ、ユーザ自らが指定した歩幅によって案内ポイントの設定を行なうことができるため、経路案内の精度に支障のない範囲内でナビゲーション装置の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0018】
また、本願の請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3に係るナビゲーション装置において、歩数をユーザ自らによって入力し、これに基づいて所定の案内地点に対する案内ポイントを案内経路上に設定し、現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行なうようにした。
【0019】
このような構成によれば、所定の案内地点に対する案内ポイントの設定がユーザによって指定された歩数に応じて行なわれるため、各ユーザにとって利便性の高いナビゲーション装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例における歩数案内を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等の車両に搭載されることにより車載用として使用され、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプの装置であってもよく、ナビゲーション機能を実行するアプリケーションがインストールされた携帯電話であってもよい。以下の説明においては、これらを総称してナビゲーション装置という。
【0023】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、地図記憶手段12、案内ポイント設定手段13、経路探索手段14、経路案内手段15、入力手段16、表示手段17、音声出力手段18などを備えて構成されている。
【0024】
制御手段10は、図示しないCPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。
【0025】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。さらに、現在位置検出手段11は、操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を併用するようにしてもよい。
【0026】
地図記憶手段12には、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データが記憶されている。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切などのデータが付与される。道路種別は、一般道や歩道専用の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0027】
また、地図記憶手段12には、海岸線、湖沼、河川形状などの水系データ、行政境界データ、施設の位置、形状、名称を含む施設データからなる背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。
【0028】
これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、経路案内手段15により、ナビゲーション装置1を使用する際に、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段12から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされてVRAMなどの画像メモリ(図示せず)に描画されることにより表示手段17に表示される。
【0029】
さらに、地図記憶手段12は、VICS(登録商標)などから提供されて予め通信によりダウンロードもしくはCD−ROMなどの外部記憶媒体からインストールした案内データを格納している。案内データは、経路案内の際に用いられる交差点、道路、地名、施設(ランドマーク)等について、その名称、属性(種別)、所在位置や、住所、電話番号あるいは施設の営業時間などの詳細情報などから構成されている。なお、この案内データは、通信手段を介して外部の情報提供手段から取得して更新するよう構成してもよい。
【0030】
さらに、案内データには、経路のガイダンス、例えば、案内地点である交差点や分岐点にユーザ自身や車両が近づいた際に、「この先、右折してください」等の定型句からなる複数の表示、音声による案内メッセージや、実際の道路に設置されている方面看板等を表す方面指示画像が含まれており、経路案内手段15は、現在位置検出手段11により検出された現在位置が案内ポイント設定手段13により案内地点から進行方向手前の所定距離に設定された案内ポイントに到達すると、案内地点に対応した案内データを地図記憶手段12より抽出して表示手段17に表示したり、音声出力手段18を介して案内したりすることができる。
【0031】
案内ポイント設定手段13は、経路探索手段14によって作成された案内経路データ上において、直進や右左折等の案内が必要な交差点(ノード)毎に、その所定距離手前に案内ポイントを設定するとともに、当該案内ポイントに応じた音声案内(例えば、「約200m先、○○交差点を左折です。」等)のデータを加えることで案内経路データを編集する。すなわち、案内経路データには、案内ポイントから案内が必要な交差点までの距離情報と、交差点の名称など交差点を特定するための交差点情報、及び右左折等の進行方向情報とを含んでなる。
【0032】
ここで、所定距離はユーザの歩幅と予め設定された所定の歩数とに基づいて算出されることになるが、ユーザの歩幅はユーザの所定時間内に移動した距離と歩数とに基づいて算出される。まず、ユーザが所定時間内に移動した距離は現在位置検出手段11によって算出され、その所定時間内の歩数を振動センサ(図示せず)によって算出される。振動センサはユーザの歩行時に発生する振動を検出し、その周期的な振動から歩数の検出を行なう。したがって、案内ポイント設定手段13は、ユーザの所定時間内に移動した距離と歩数とに基づいて、ユーザの所定時間における歩幅を算出する。
【0033】
さらに、案内ポイント設定手段13は、歩幅が算出されると、算出された歩幅と予め設定された歩数(例えば、30歩)とに基づき距離を算出し(例えば、歩幅60cm×歩数30歩=18m)、ここで算出された距離を所定距離とし、ユーザに案内地点に関する音声案内等を行なう案内ポイントを設定する。
【0034】
なお、ユーザは、ユーザ自身の歩幅を入力手段16を介して入力してもよく、また、予め設定された歩数(例えば、30歩)についても入力手段16を介してユーザの所望する歩数を入力してもよい。入力は、ユーザが入力手段16により数値として直接入力してもよく、プルダウンメニューから該当する数値を選択入力するようにしてもよい。入力された値によってユーザの歩幅が特定される。歩数の入力も同様である。
【0035】
経路探索手段14は、入力手段16の操作により出発地点や目的地点が指定されると、地図記憶手段12に記憶されている道路データを参照し、出発地点から目的地点に至るまでの案内経路を探索し、案内経路データを作成するものである。経路探索手段14によって探索された案内経路は、表示手段17に現在位置周辺の地図画像と共に表示され、目的地点までの案内に用いられる。
【0036】
この案内経路の探索は、現在位置または入力手段16を介して指定された出発地に対応するノードから指定された目的地に対応するノードまでに至るリンクとノードを、ダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属するノードやリンクを案内経路データとするものである。
【0037】
経路案内手段15は、経路探索手段14によって探索され、案内ポイント設定手段13によって編集された案内経路データと、現在位置検出手段11によって検出された現在位置とを比較し、現在位置において必要とされるガイダンスを表示手段17に表示、或いは音声出力手段18から音声出力する。
【0038】
入力手段16は、操作ボタンやタッチパネルなどにより構成され、ナビゲーション装置1の各種機能を操作したり、所要の数値や文字を入力したりするものである。
【0039】
表示手段17は、LCDなどのディスプレイパネルから構成される表示画面を備えた表示ユニットであり、画像描画手段19によって画像メモリに描画された地図画像や案内経路、現在位置検出手段11で決定した現在位置などを表示する。
【0040】
音声出力手段18は、ナビゲーション装置1における各種音声ガイダンスの報知を行う。
【0041】
図3は、本発明の実施例における歩数案内を説明するための模式図である。図3では、経路探索手段14により探索された案内経路を各道路の端点、経由点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路をリンクで表している。図3に示すように、案内経路が道路X、Yからなり、ノードN6において道路Xから道路Yに進入する場合について説明を行う。道路X上のリンクは実線、道路Y上のリンクは点線で示されており、○印は道路XのノードN1〜N3または道路YのノードN4〜N5を示し、◎印は道路X、Yの分岐点(交差点)のノードを示している。
【0042】
ユーザA,Bはともに同じ目的地(図示せず)に向かっているものと仮定し、図3では、道路XをノードN1からN6の方向へ移動している(分岐点N6を右折する前のユーザA、Bをそれぞれ矢印31、32で示し、右折後の各ユーザを矢印33で示す)場合、分岐点であるノードN6から距離Laの地点PaにユーザAの歩幅でこの先30歩で分岐点N6に到着する案内ポイントが設定され、ユーザAが地点Paに到着すると、ユーザAが携帯しているナビゲーション装置Taにおいて「30歩先の交差点を右折です」との案内が出力される。なお、このときのユーザAの位置は矢印31で示されている。
【0043】
一方、ユーザBについては、分岐点であるノードN6から距離Lbの地点PbにユーザBの歩幅でこの先30歩で分岐点N6に到着する案内ポイントが設定され、ユーザBが地点Pbに到着すると、ユーザBが携帯しているナビゲーション装置Tbにおいて「30歩先の交差点を右折です」との案内が出力される。このときのユーザBの位置は矢印32で示されている。すなわち、図3では、ユーザBの歩幅がユーザAの歩幅より小さいため、ユーザBの案内ポイントの位置PbはユーザAの位置Paよりも分岐点N6に近いところに設定されることになる。
【0044】
このように、本発明では、ユーザ毎に案内地点まで所定の歩数で到達できる位置(図3では、Pa、Pb)を設定するため、従来のように案内地点から所定距離に予め設定されていた案内ポイント(図3において地点Po)に固定されることがないので、各ユーザにとって覚え易い切のよい歩数(例えば、30歩)で案内することが可能となる。
【0045】
次に、本発明の実施例におけるナビゲーション装置1の動作について説明する。図2は、本発明の実施例における処理の手順を示すフローチャートである。なお、図2に示す処理は、制御手段10がROMに記憶されている制御プログラムを実行することで実現される。
【0046】
まず、ステップS201の処理において、制御手段10は、ナビゲーション装置1が車両から取り外されて歩行用として使用中であるか否かを判定する。これは、ナビゲーション装置1の制御手段10が外部電源と接続されていることを検出したときにナビゲーション装置1が車両に搭載されていると判断し、ナビゲーション装置1が外部電源に接続されておらず内部電源から電源の供給を受けていることを制御手段10が検出したときにはナビゲーション装置1が車両から取り外されていると判断する。
【0047】
ナビゲーション装置1が車両から取り外されていなければ元に戻り、ナビゲーション装置1が車両から取り外されて歩行用として使用されていると判断されれば、ステップS202に進み、目的地の設定がなされた否かを判定する。ここで、ユーザにより入力手段16から所望の出発地や目的地を設定してナビゲーションの要求があれば、制御手段10は目的地の設定ありと判断し、次のステップS203に進む。一方、目的地の設定がなされていないと判断した場合には、ステップS201の処理に戻る。
【0048】
ステップS203では、制御手段10の制御により経路探索手段14が、出発地や目的地等の経路探索条件の情報に基づいて案内経路の探索を行なう。
【0049】
次に、ステップS204において、制御手段10の制御により、案内ポイント設定手段13がユーザの歩幅を算出する。これは、先の説明したように、ユーザの所定時間内に移動した距離と歩数とに基づいて算出される。すなわち、案内ポイント設定手段13は、現在位置検出手段11からの検出結果に基づいてユーザが所定時間内に移動した距離を算出し、移動(振動)センサから所定時間内の歩数を算出し、ユーザの所定時間内に移動した距離と所定時間内における歩数とに基づいてユーザの歩幅を算出する。算出された歩幅は制御手段10のRAMなどに記憶させておいてもよい。
【0050】
次に、ステップS205において、案内ポイント設定手段13は、ステップS204において算出された歩幅と予めRAMなどに設定された歩数(例えば、30歩)とに基づき案内地点と案内ポイントの位置との距離を算出する。
【0051】
そして、ステップS206において、案内ポイント設定手段13は、ステップS205において算出した距離に基づいて、経路探索手段14によって作成された案内経路データ上において、案内地点毎に、その距離手前に案内ポイントを設定するとともに、当該案内ポイントに応じた音声案内(例えば、「30歩先の○○交差点を左折です。」等)のデータを加えることで案内経路データを編集し、RAMに記憶する。
【0052】
次に、ステップS207では、経路案内手段15は、現在位置検出手段11からの検出結果に基づいて、ユーザの位置がステップS206において設定された案内ポイントに到着したか否かを判定し、当該案内ポイントに到着していれば、ステップS208に進み、当該案内ポイントに応じた音声案内(例えば、「30歩先の○○交差点を左折です。」)を音声出力手段18を介して出力する。一方、当該案内ポイントに到達していなければステップS207の処理を繰り返す。
【0053】
そして、次のステップS209では、制御手段10は、現在位置検出手段11からの検出結果に基づいて、目的地に到着したか否かを判定し、目的地に到着している場合には経路案内の処理を終了し、一方、目的地に到着していない場合にはステップS207の処理に戻り、経路案内を継続する。
【0054】
以上説明したように本発明に係るナビゲーション装置によれば、所定の案内地点に対する案内ポイントの設定が各ユーザの歩幅に応じて行なわれるため、各ユーザにとって利便性の高いナビゲーション装置を提供することが可能となる。しかも、ユーザ毎に分かり易い歩数を用いて案内を行なうことができるので、ユーザは的確に経路案内を把握することが容易となる。
【符号の説明】
【0055】
1 :ナビゲーション装置
10 :制御手段
11 :現在位置検出手段
12 :地図記憶手段
13 :案内ポイント設定手段
14 :経路探索手段
15 :経路案内手段
16 :入力手段
17 :表示手段
18 :音声出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶した地図データ記憶手段と、
経路探索条件の情報を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された経路探索条件の情報と、前記地図データとに基づいて案内経路を探索する経路探索手段と、
ユーザの歩幅と歩数とに基づいて、所定の案内地点に対する案内ポイントを前記案内経路上に設定する案内ポイント設定手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置が前記案内ポイントに到着した際に、経路案内を行う経路案内手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ユーザの歩幅を検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザの歩幅は、前記入力手段により入力されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記歩数は、前記入力手段により入力されることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−158288(P2011−158288A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18508(P2010−18508)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】