説明

ナビゲーション装置

【課題】目的地まで自転車で走行して向かう場合に風による影響によって目的地までどのくらい時間を要する等の走行難易度を把握させることができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【解決手段】風力データ取得手段によって得られた風力データの風向き及び風力情報を経路探索手段で探索された経路にそれぞれ対応付けを行い、対応付けられた往路及び復路の経路に対して旅行難易度を算出して算出結果を通知することができるように構成し、自転車で現在位置から目的地まで向かう場合、経路上における風向きや風力の影響を考慮した旅行難易度を算出して算出結果を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子道路地図上に現在位置を表示するとともに目的地を設定して経路案内を行うことができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の気象データを利用したナビゲーション装置としては、気象データを利用して風向きを地図上に表示することで自車に対して風向きを把握することができるナビゲーション装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなナビゲーション装置は、自車両の向きを基準として風向きが目視可能な風向きマーク画像を地図画像に重ねて表示することができるように構成されているが、自動車の場合には風の影響をあまり受けることなく目的地まで向かうことができ、また、目的地までの到着時間を算出することができるが、自動車ではなく目的地まで自転車で走行して向かう場合に風による影響によって目的地までどのくらい時間を要する等の走行難易度を把握することができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、従来の問題を解決するためになされたものであって、自転車走行において、風の影響を考慮した走行難易度を風向きと同時に表示することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、風向き及び風力情報を含む風力データを取得する風力データ取得手段と、電子地図データが保存された記憶手段と、前記電子地図データを用いて任意の位置から目的地までの往路及び復路の経路を探索する経路探索手段と、前記風力データの風向きを前記往路及び復路の経路の向きにぞれぞれ対応させる風力データ対応手段と、前記電子地図データ上に前記経路を重畳して表示する表示手段と、前記風力データ対応手段で対応つけられた前記往路及び復路の旅行難易度を算出する旅行難易度算出手段と、前記旅行難易度算出手段の算出結果を通知する通知手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のナビゲーション装置によれば、風力データ取得手段によって得られた風力データの風向き及び風力情報を経路探索手段で探索された経路にそれぞれ対応付けを行い、対応付けられた往路及び復路の経路に対して旅行難易度を算出して算出結果を通知することができるように構成されている。特に自転車で現在位置から目的地まで向かう場合、経路上における風向きや風力の影響を考慮した旅行難易度を算出して算出結果を通知することができる。また、予め設定していた目的地を出発地とした場合、2地点間の旅行を実施する際にどちらから向かった方がより早く旅行できるかを把握することが可能になるように構成されている。
【0008】
また本発明のナビゲーション装置の前記風力データ対応手段は、前記風力データを前記往路及び復路の各位置又はリンク間毎にベクトル成分に分解すると共に分解されたベクト
ル成分を前記各位置又は前記リンク間毎に付加することを特徴とする。
【0009】
本発明のナビゲーション装置によれば、風力データに含まれる風向き及び風力情報を経路上の位置又はリンク間毎にベクトル成分を分解し、分解されたベクトル成分を経路上の位置又はリンク間毎に付加することで、経路上の位置又はリンク間毎の風向きと風力を付加することができるように構成されている。
【0010】
本発明のナビゲーション装置の前記データ対応手段は、前記ベクトル成分を前記電子地図データに重畳することを特徴とする。
【0011】
本発明のナビゲーション装置によれば、データ対応手段で経路上の位置又はリンク間毎に付加されたベクトル成分を電子地図データ上に重畳することができるので、往路及び復路の各位置又はリンク間毎の風向きや風力などの風力データを表示することができるように構成されている。
【0012】
本発明のナビゲーション装置の前記風力データ取得手段は、気象情報を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明のナビゲーション装置によれば、風力データ取得手段で風力データ以外に天気、気温、湿度等の気象情報を取得することで、風力データと一緒に気象情報を表示することができるように構成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、案内ルートに対しての風向き及び風力を考慮した旅行時間を算出することができるので、走行距離と走行速度から簡易的に走行時間を算出するものと比べて風による影響を考慮した旅行時間精度の向上を図ることができる。また、経路上の案内ルートにおいて各位置又は区間毎に風向きを判別することができるので、自転車走行における向かい風などによる走行困難区間を容易に判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】(a)から(g)は、風力データと経路を関連つけることを示す模式図
【図3】旅行難易度算出部の処理を示すフローチャート
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図5】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示例を示す模式図
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図7】第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示例を示す模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置100は、現在位置検出部101と、地図データベース102と、メモリ103と、制御部104と、音出力部105と、表示部106と、入力部107と、通信部108で構成されている。
【0018】
ここで、現在位置検出部101は、現在位置を緯度経度を取得することができるように構成されている。地図データベース102は、経路探索及び表示を行うことができる電子地図データの道路地図が保存されている。ここで道路地図としては、車専用地図及び歩行者専用地図を一緒に備える構成にしてもよく、道路地図や歩行者地図以外に自転車専用道路地図を備えるように構成してもよい。
【0019】
メモリ103は、ナビゲーション装置100が動作する際に、一時的にデータを保存することができ、制御部104が動作する際に利用することができるように構成されている。
【0020】
制御部104は、風力データ対応部104aと、経路探索部104bと、旅行難易度算出部104cと、経路案内部104dとから構成されると共にナビゲーション装置100の動作を制御することができるように構成されている。
【0021】
ここで風力データ対応部104aの処理について図面を用いて説明する。図2(a)から(g)は、風力データと経路を関連つけることを示す模式図である。なお、方位700に示すように方位700の上を北とし、下を南として説明する。
【0022】
図2(a)に示す風701は、矢印の向きを風向き、矢印の長さを風速として示し、例えば方位700に基づいて風701を説明すると、風701は、北側から南側に風が吹いていることがわかり、風701は北風であることがわかる。
【0023】
また、例えば、電子地図データ上の道路リンクを道路リンク702、703、704とすると、各道路リンク(リンク702、リンク703、リンク704)の矢印は、道路の進行方向及び距離を示している。ここで例えば方位700を基準にすると、リンク702は北東に向かっている道路リンクであることがわかり、リンク703は西から東に向かっている道路リンクであることがわかり、リンク704は東南東に向かっている道路リンクであることがわかる。
【0024】
ここで、風701によるリンク702の影響は、図2(e)に示すように、風701をリンク702に対する進行方向ベクトル成分(矢印の向きが風向き、矢の長さが風速)に分解する。ここで図2(e)に示すように、分解ベクトル705はリンク702に対して風701の向かい風の影響を受けることがわかる。また、分解ベクトル706はリンク702に対して直角のベクトル成分であるためリンク702を走行する際には影響を受けないことがわかる。
【0025】
次に、風701によるリンク703の影響は、図2(f)に示すように、風701とリンク703は直交していることからリンク703を走行する際には、風701によって追い風や向かい風の影響を受けることなく走行することができることがわかる。
【0026】
また、風701によってリンク704の影響は、図2(g)に示すように、風701をリンク704に対する進行方向ベクトル成分に分解をする。ここで図2(g)に示すように、分解ベクトル709は、リンク704に対して追い風の影響を与えることがわかり、また、分解ベクトル708は、リンク704に直交しているのでリンク704に影響を与えないことがわかる。
【0027】
なお、道路の進行方向と直角な成分については自転車走行時には横風成分であるが横風も自転車走行には影響があるので、例えば横風の風速が10mであった場合は向い風5mとして加算するように構成してもよい。
【0028】
このように風力データ対応部104aは、道路リンクと気象情報と関連付けることができるものであり、詳しくは、取得した気象情報の風力を道路の進行方向に対応するベクトル方向に分解して気象情報における風力データを各道路毎の進行方向に対応させることができるように構成されている。
【0029】
経路探索部104bは、現在位置検出部101で取得した現在位置から目的地までの経路を探索することができ、また任意の位置を現在位置として指定し、指定された現在位置から目的地まで経路探索を行うことができるように構成されている。
【0030】
旅行難易度算出部104cは、風力データ対応部104aで各道路ごとに風力データが対応付けられたデータを用いて現在位置から目的地までの経路における旅行難易度と現在位置から目的地までの経路における風の影響の考慮した到着時間を算出することができるように構成されている。また、現在位置から目的地までの経路の逆経路も算出することができるように構成されており、走行計画を立てる際に、スタートの位置の違いによる風の影響を考慮した到達時間を算出することができる。また、任意の位置から目的地までの到着時間を算出することもできる。
【0031】
ここで旅行難易度算出部104cの動作についてフロー図を用いて説明する。図3は、旅行難易度算出部の処理を示すフローチャート。
図3に示すように、まず経路探索部104dから探索結果を読み込む(S20)。次に探索された経路の構成道路のうち一本を読み込み(S21)、読み込んだ道路近傍の風力データを自動的に選択し(S22)、選択された風力データから道路と同一ベクトル成分を算出し(S23)、算出された道路に対応したベクトル成分と道路に対する進行方向から旅行時間を算出し(S24)、経路探索部104dで探索された経路を構成する道路を全て読み込んだのか否かを判断し(S25)、全て読み込んでいない場合には(S25、No)、S21に戻り経路における他の道路を読み込み同様の処理を繰り返す。また、S25で道路を読み込んだ場合には(S25、Yes)、旅行難易度算出部104cの処理を終了するように構成されている。
【0032】
経路案内部104dは、経路探索部104bで探索された経路を案内することができるように構成されており、電子地図データを用いて現在位置を表示すると共に目的地までの経路における右左折表示や音声案内を行うことができるように構成されている。
【0033】
音出力部105は、経路案内時における音声案内や音案内を出力することができるように構成されており、例えば、スピーカで構成されている。表示部106は、ナビゲーション装置100における地図データ、現在位置、任意の位置から目的地までの案内経路、経路案内における詳細情報を表示することができるように構成されている。なお、表示部106の表示は制御部104によって制御されるように構成されている。
【0034】
入力部107は、ナビゲーション装置100に対して条件設定、目的地設定、表示設定、案内設定等の設定項目を入力することができるように構成されている。また、入力部107は、表示部106の表示面の表面に設けたタッチパネル式としても用いることができる。このようにすると、タッチパネルの操作によって表示部106に表示された地図上における場所を選択して目的地を設定したり、表示部106に表示された各種ナビゲーション装置の設定項目を画面上で操作することができる。なお、本発明の実施形態ではタッチパネルとして構成している。
【0035】
通信部108は、外部ネットワークと接続可能に構成されており、例えば、無線通信で構成され図1に示すような外部ネットワークに存在する気象情報サーバ109と接続して気象情報を取得することができるように構成されている。なお、気象情報サーバ109は
、各地域における気象情報が保持されており、常に新しい情報を取得してデータ更新を行うことができるように構成されている。また、気象情報データとしては、天候、各地域における風向き、気温、天候変化予測、地震情報等が保持されており、このデータは常に新しいデータに更新されるように構成されている。
【0036】
次に、上記で説明した本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作についてフローチャートを用いて説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【0037】
本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100は、図4に示すように、まず現在位置検出部101で現在位置を取得する(S01)。次に、ナビゲーション装置100の入力部107から目的地の入力を行うと(S02)、制御部104は現在位置(任意に設定した位置)の緯度経度データとS02で設定した目的地の緯度経度データを地図データベース102に保存された電子地図データから取得する(S03)。次に、S03で取得された現在位置及び目的地の緯度経度情報から制御部104の経路探索部104bを用いて経路探索を行う(S04)。
【0038】
次にS04で経路探索された経路に対応する気象データ(風向き及び風力)を通信部108を利用して外部ネットワークにある気象情報サーバ109に接続して取得する(S05)。なお、経路に対応する気象データを取得するように構成しているが本願発明を限定するものではなく、地域毎に気象データを取得してもよい。また、経路探索部104bで経路探索を行った後に気象データを取得するようにしているが、経路に関係なく地域毎の気象情報を予めナビゲーション装置100が取得しておき、メモリ103に保存しておくようにしてもよい。
【0039】
次に、S05で取得した経路に対応する気象データを風力データ対応部104aを用いて対応付けを行う(S06)。次にS06で経路上の道路に風力データが対応つけされたデータを用いて旅行難易度算出部104cを用いて経路の道路区間毎の旅行時間を算出する(S07)。例えばS06での対応付けにおいて、向い風が風速10mであればその区間の平均速度を1/2倍にし、追い風が風速10mであればその区間の平均速度を2倍にするよう構成されている。なお、風速が2倍になればこれに比例して平均速度を2倍にするように構成しても良い。また、道路区間毎とは、2差路以上の交差点間区間とする。また、異なる道路に変更する前までの道路を一道路区間としてもよく、例えば、国道246号線から国道1号線に変更した場合、国道246号線を一道路区間、国道1号線を一道路区間としても良い。
【0040】
次に、S07で算出された旅行時間を経路の道路区間毎に色分けをして表示部106に表示する(S08)。このとき例えば、風速10m以上の向かい風成分の影響があれば赤色、風速10m未満の向かい風成分の影響があれば黄色、追い風の影響であれば青色など色分けをして表示することで走行しようとする道路の風の影響を把握することができる。また、道路区間毎の色分け表示以外に自転車で走行したときの通過時間や全経路を走行したときのトータル時間を表示部106に表示することができる。そしてS08において風の影響に関してそれぞれルート塗り分けしたあと、現在位置から目的地に向けて経路案内部104dを用いて経路案内を開始する(S09)。
【0041】
このように構成されたナビゲーション装置は、現在位置から目的地までの経路における風の影響を表示すると共に風の影響を考慮した旅行時間を算出して表示し、また、経路上に風速情報を表示することができるため、どの区間がどれだけ風の影響を受けるのか把握することができると共に風の影響による到着時間も同時に把握することができる。
【0042】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の具体的な表示方法について模式図を用いて説明する。
図5は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示例を示す模式図である。
【0043】
図5に示すように、ナビゲーション装置100の表示部106に表示された電子地図データMには、出発地300から目的地301までの経路において、道路302、303、304における風の影響を表示している。例えば、北からの風が吹いている場合とすると、道路302は追い風となるので走りやすいことがわかるように色を変えて表示する。また、道路304は向かい風となるので走りにくいことを色を変えて表示し、道路303は道路304に比べて風の影響が少なく自転車で走りやすいことを示すために色を変えて表示することができる。ここで例えば、風の影響によって走りにくい道路303と道路304を赤色に表示し、風の影響によって走りやすいことを示すために道路302を青色に表示するようにしてもよい。
【0044】
また、向かい風区間が多い場合には音出力部105から自転車を走行している利用者に対して任意の間隔で休憩を促すようにしてもよい。なお、任意の間隔とは向かい風区間の長さや風の強さに応じて自動的に設定されるものであり、自転車の走行速度を考慮して自動的に設定するように構成してもよい。
【0045】
以上のように本発明の第1の実施の形態によれば、気象情報サーバ109から通信部108を介して取得した風力データは、風力データ対応部104aを用いて道路区間毎に風の強さ及び方向を道路に対応つけるように構成しているので、現在位置から目的地までの経路の走行難易度を通知することができると共に風による走行しやすさを色分けして表現することができるため、自転車で目的地まで探査された経路を走行するときに風の影響を把握することができ、また、風の影響を考慮した正確な自転車旅行計画(風の影響を考慮した目的地到着時間)をたてることができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置について図面を参照しながら説明する。なお、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は第1の実施の形態で示した構成(図1)と同様であり詳細な説明は省略する。
図6は本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【0047】
図6に示すように、まずナビゲーション装置100の入力部107から利用者が経路探索したい2地点間のうちの1地点目を設定する(S10)。次に利用者が入力部107から経路探索したい2地点間のうちの2地点目を設定する(S11)。なお、S10及びS11における入力部107からの入力は、住所、地名、観光地名称、電話番号等を直接入力してもよく、また、表示部106に表示されている電子地図データ上から選択するようにしてもよい。
【0048】
次にS10及びS11で入力された場所の緯度経度情報を地図データベースの電子地図データから取得する(S12)。電子地図データから取得された緯度経度情報を用いて制御部104の経路探索部104bが経路探索を行ってルートを決定する(S13)。なお、経路探索部10bは、S10で入力された1地点目とS12で入力された2地点目とを夫々現在位置と目的地を交換して経路探索を行い、1地点目から2地点目への探索、2地点目から1地点目への探索をそれぞれ実施するように構成されている。
【0049】
次に制御部104は通信部108用いて外部ネットワーク上にある気象情報サーバ10
9から経路近傍の気象情報を取得する(S14)。そしてS14で取得した経路に対応する気象情報を風力データ対応部104aを用いて対応付けを行う(S15)。そして、風力データ対応部104aは取得した風力データと道路を一致させると共に、道路の進行方向に対応した向きにベクトル方向に分解して対応させるように構成されている。なお、風力データ対応部104aの対応付けについては、第1の実施形態の図2で説明した内容と同じであり、詳細の説明は省略する。
【0050】
次に、S15で経路上の道路に風力データが対応つけられると旅行難易度算出部104cを用いてまず1地点目から2地点目への経路(P1→P2)における旅行時間を算出する(S16)。また、旅行難易度算出部104cを用いて2地点目から1地点目への経路(P2→P1)における旅行時間を算出する(S17)。
【0051】
そしてS16及びS17で算出された旅行時間をP1→P2とP2→P1の経路をナビゲーション装置100の表示部106に表示されている電子地図データに重畳表示を行い(S18)、ナビゲーション装置100の利用者は表示部106に表示された旅行時間を元に経路を選択する(S18)。このとき、利用者が経路を選択しないときは選択されるまで待機を行う(S19、No)。
【0052】
次に、S19において経路が選択されると(S19、Yes)、選択された経路について経路案内部104dが案内を開始する。なお、例えば、P1→P2の経路を利用者が選択した場合、P1の場所が現在位置検出部101で検出される場所と一致していれば経路案内部104dが経路案内を開始し、P1の場所が現在位置検出部101で検出される場所と異なる場合には、現在位置検出部101で検出された現在位置からP1までの経路を新たに経路探索部104bで検索を行い、その後、現在位置から経路案内を開始する。
【0053】
このように構成された第2の実施の形態におけるナビゲーション装置は、任意の2地点の位置をそれぞれ入力し、その2地点間に対して風の影響を考慮した旅行時間を表示することができると共に経路上に風向きや風力を表示することができるので、任意の2地点のどちらから走行を開始した方がいいのか簡単に把握することができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の具体的な表示方法について模式図を用いて説明する。図7は、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の表示例を示す模式図である。
【0055】
図7に示すように、ナビゲーション装置100の表示部106に表示された電子地図データMには、利用者が入力した1地点目501(P1)と2地点目502(P2)がある。この2地点間の間に対して経路探索部104bで経路探索を行い1地点目501(P1)と2地点目である2地点目502(P2)との間の経路503が表示されている。
【0056】
また、図7に示すように、表示部106に表示された電子地図データMには、P1からP2に向けた距離及び旅行時間504と、P2からP1に向けた距離及び旅行時間505とが重畳表示されている。また、P1からP2への経路又はP2からP1までの経路を利用者が選択することができるように選択ボタン506、507が重畳表示されている。この選択ボタン506又は選択ボタン507を選択すると、経路案内部104dが選択された経路について経路案内を行うことができる。
【0057】
以上のように本発明の第2の実施の形態によれば、風力データ対応部による風の強さ及び方向を道路に対応つけることにより2地点間の旅行時間をより正確に算出でき、スタート場所(P1又はP2)の違いによって受ける風の影響を考慮した旅行時間を算出して正確な自転車旅行計画をたてることができる。
【0058】
以上、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、本願発明のナビゲーション装置について説明したが本願発明を限定するものではなく、例えば、気象情報サーバから風向きや風力データを取得するのと同時に気象情報を取得し、風向きや経路における旅行難易度や旅行時間を表示すると共に気象情報である天候や気温や湿度などの情報を同時に表示するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のナビゲーション装置は、風の影響における走行難易度や到着時間などを表示することができるので、風の影響を考慮した旅行計画を立てることができるナビゲーション装置として有用である。特に、自転車で旅行計画を立てる場合に有用である。
【符号の説明】
【0060】
100 ナビゲーション装置
101 現在位置検出部
102 地図データベース
103 メモリ
104 制御部
104a 風力データ対応部
104b 経路探索部
104c 旅行難易度算出部
104d 経路案内部
105 音出力部
106 表示部
107 入力部
108 通信部
109 気象情報サーバ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
風向き及び風力情報を含む風力データを取得する風力データ取得手段と、
電子地図データが保存された記憶手段と、
前記電子地図データを用いて任意の位置から目的地までの往路及び復路の経路を探索する経路探索手段と、
前記風力データの風向きを前記往路及び復路の経路の向きにぞれぞれ対応させる風力データ対応手段と、
前記電子地図データ上に前記経路を重畳して表示する表示手段と、
前記風力データ対応手段で対応つけられた前記往路及び復路の旅行難易度を算出する旅行難易度算出手段と、
前記旅行難易度算出手段の算出結果を通知する通知手段を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記風力データ対応手段は、前記風力データを前記往路及び復路の各位置又はリンク間毎にベクトル成分に分解すると共に分解された前記ベクトル成分を前記各位置又は前記リンク間毎に付加することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記データ対応手段は、前記ベクトル成分を前記電子地図データに重畳することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記風力データ取得手段は、気象情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−209164(P2011−209164A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78421(P2010−78421)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】