ナビゲーション装置
【課題】乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内できるようにする。
【解決手段】ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【解決手段】ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの要求に応じた検索条件を満たす施設を検索し、検索された施設の案内表示を行うナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地から目的地に至る案内経路を探索し、この案内経路に従って経路案内を行うナビゲーション装置が種々提案されている。
【0003】
このようなナビゲーション装置としては、銀行の系列、ガソリンスタンドの系列等、自分の希望する各施設の希望条件を予め登録しておき、車両走行中、ユーザが表示装置に表示された「簡単目的地設定」ボタンおよび「MY銀行」ボタンを押下すると、「MY銀行」ボタンに対応して、希望条件として登録されている系列の銀行施設を検索して、経由地もしくは目的地として探索するようにしたものがある(例えば、特許文献1、段落「0019」〜「0026」参照)。
【0004】
また、交通情報などに基づいて第1の目的地(例えば、八方尾根スキー場)に到着予定時刻までに到着できないと判断した場合には、第1の目的地と同じ方面で、かつ、スキー場という同じ目的が行え、到着予定時刻までに到着できる他の目的地を検索するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−77180号公報
【特許文献2】特開2003−329457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ある地域へ車でドライブに出かけるような場合、途中で、休憩、食事、トイレ、買い物、給油等、運転者や同乗者の様々な要求が発生する。また、他の車とグループ走行するような場合には、更に、他の車の乗員の要求も関係してくる。
【0007】
しかし、これらの要求の一つ一つに応えていると運転者の負担も大きくなり、また、時間を浪費してしまうといった問題が生じる。
【0008】
上記特許文献1、2に記載されたような装置では、目的地を設定して案内経路を探索する構成となっているので、上記したように乗員の様々な要求が発生した場合、乗員が各乗員の様々な要求に応えられる施設を考慮しながら、これらの様々な要求に応えられる施設を探し出して目的地に設定する必要があり、使い勝手がよくない。
【0009】
また、乗員の操作により各乗員の様々な要求に応えられる施設が探し出せたとしても、例えば、その施設が乗員の希望しない方面にあるようでは好ましくない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みたもので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させる検索条件記憶手段と、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定する特定交差点決定手段と、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索する施設検索手段と、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させるので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、検索条件記憶手段は、検索条件を入力するための初期設定画面を表示部に表示させ、当該初期設定画面に従ってユーザによる検索条件の入力の受け付け、入力された検索条件を初期設定情報として記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、表示部に検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、ユーザは、初期設定画面に従って検索条件を入力しておけば、検索を指示するための表示体に対する操作を行うだけで特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件を満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、検索条件記憶手段は、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索条件の入力を指示するための表示体に対する操作に応じて検索条件の入力の受け付け、当該入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、地図表示画面上に検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索することを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体が表示されるので、地図表示画面の表示中であっても、ユーザはこの検索条件の入力を指示するための表示体を操作して検索条件を入力することができる。また、地図表示画面上に検索を指示するための表示体が表示され、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、容易に特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標を算出する評価指標算出手段と、指標算出手段により算出された評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位を付与する優先順位付与手段と、を備え、行き先案内表示手段は、特定交差点の退出路毎に、優先順位付与手段によって付与された優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を表示部に表示させることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標が算出され、この評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位が付与され、この優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設が決定されるので、様々な評価指標に応じた行き先案内表示を行うことが可能である。
【0019】
なお、請求項5に記載の発明のように、評価指標算出手段は、特定交差点からの距離を評価指標として評価指標を算出することができ、また、請求項6に記載の発明のように、評価指標算出手段は、特定交差点からの所要時間を評価指標として評価指標を算出することもできる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明のように、検索条件記憶手段は、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて記憶媒体に記憶させ、評価指標算出手段は、記憶手段に複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された階層を用いて施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を評価指標として評価指標を算出することもできる。
【0021】
また、請求項8に記載の発明では、行き先案内表示手段は、優先順位付与手段により優先順位が最も高く付与された施設を行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定することを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、優先順位の低い施設を非表示とし、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設を表示させることができる。
【0023】
ところで、優先順位の最も高く付与された施設が、ユーザの要求に合った施設とは限らない。例えば、特定交差点からの距離が多少遠くてもユーザの要求に合った施設が存在する場合もある。
【0024】
しかし、請求項9に記載の発明では、ユーザ操作に応じて表示部に表示させる施設の優先順位を変更し、ユーザ操作に応じて変更された優先順位の施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、ユーザの要求に合った施設を行き先案内表示として表示させることが可能である。
【0025】
また、請求項10に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、施設検索手段により検索された施設の名称またはジャンルとともに、評価指標算出手段により算出された評価指標を含む行き先案内表示を行うことを特徴としている。
【0026】
このように、検索された施設の名称またはジャンルとともに、評価指標算出手段により算出された評価指標を含む行き先案内表示を行うことができる。
【0027】
また、請求項11に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、特定交差点の各退出路の方向を示すように行き先案内表示を行うこともできる。
【0028】
また、請求項12に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設を表示部に表示させることを特徴としている。
【0029】
1つの退出路に対して多数の施設が検索され、検索された全ての施設を表示させようとすると、文字を小さくする必要が生じたり、スクロール操作が必要になったりするなど、視認性が低下してしまうことが考えられるが、上記した構成によれば、1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設が表示部に表示されるので、視認性を確保することができる。
【0030】
また、請求項13に記載の発明にように、特定交差点決定手段は、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、ユーザの希望する条件として特定交差点を決定することができる。
【0031】
また、請求項14に記載の発明は、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、特定交差点決定手段は、現在位置特定手段により特定された車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、施設検索手段は、特定交差点決定手段により決定された特定交差点が変更される毎に、施設検索を実施することを特徴としている。
【0032】
このような構成によれば、車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、決定した特定交差点が変更される毎に、施設検索が実施されるので、常時、車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点に対して行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0033】
また、請求項15に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、施設検索手段により検索された全ての施設が表示部に表示された地図画面に含まれる場合、行き先案内表示を非表示とすることもできる。
【0034】
また、請求項16に記載の発明は、通信ネットワークに無線接続するための通信手段を備え、施設検索手段は、通信手段を介して通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施することを特徴としている。
【0035】
このように、通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施するようにしてもよい。
【0036】
また、請求項17に記載の発明は、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶媒体に記憶させる第1の記憶処理手段を備え、施設検索手段は、第1の記憶処理手段により記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索するので、ユーザがわざわざ検索条件の入力操作を実施しなくても、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルと同一の施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることが可能である。
【0038】
また、請求項18に記載の発明は、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させる処理を行う第2の記憶処理手段を備え、施設検索手段は、第2の記憶処理手段により記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴としている。
【0039】
このような構成によれば、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索するので、ユーザがわざわざ検索条件の入力操作を実施しなくても、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルと同一施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることが可能である。
【0040】
なお、請求項19に記載の発明のように、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶手段に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に記憶処理手段により記憶媒体に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索することもできる。
【0041】
また、請求項20に記載の発明のように、記憶媒体に記憶された状況の情報は、複数の項目に分類されており、施設検索手段は、現在の状況の情報が、当該複数の項目のうち、予め定められた基準数以上の項目において、記憶媒体に記憶された状況の情報と合致する場合に、両者が合致すると判定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】多目的案内機能用データベースについて説明するための図である。
【図3】制御部による初期設定処理のフローチャートである。
【図4】(a)〜(d)は、初期設定画面の表示例を示す図である。
【図5】制御部による行き先案内表示処理のフローチャートである。
【図6】(a)〜(d)は、多目的行き先案内起動画面の表示例を示す図である。
【図7】(a)は、多目的行き先案内起動画面の表示例、(b)、(c)は、調停画面の表示例を示す図である。
【図8】制御部による行き先案内表示処理のフローチャート(続き)である。
【図9】制御部による優先設定処理のフローチャートである。
【図10】施設ジャンル記憶処理のフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る行き先案内表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を図1に示す。本ナビゲーション装置1は、位置検出部10、情報記憶部11、表示部12、無線通信部13および制御部14を備えている。
【0044】
位置検出部10は、GPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ、磁気センサ等(いずれも図示せず)により構成されており、これらより入力される現在位置を特定するための情報を制御部14へ出力する。
【0045】
情報記憶部11は、地図データ、プログラムデータ、楽曲データ、各種データベース等、各種情報を記憶するためのものである。地図データには、道路の接続等を表した道路データ、各種施設に関する施設データ、地図表示のための背景データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ等が含まれる。本実施形態における情報記憶部11は、ハードディスクドライブ等の記憶装置により構成されている。
【0046】
表示部12は、液晶等のディスプレイ、を有し、制御部14から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。また、表示部12は、ディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチ、ディスプレイの周囲に配置されたメカニカルスイッチ等を有し、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部14へ出力する。
【0047】
無線通信部13は、通信ネットワークに無線接続するための装置である。本ナビゲーション装置1は、この無線通信部13を介して通信ネットワークに接続された各種サーバにアクセスすることが可能となっている。
【0048】
制御部14は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUは、ROM、情報記憶部11に記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0049】
制御部14の処理としては、位置検出部10より入力される現在位置を特定するための情報に基づいて車両の現在位置を特定する現在位置特定処理、車両周辺の地図表示画面上に自車位置マークを重ねて表示させる地図表示処理、ユーザ操作に応じて、50音検索、施設検索、電話番号検索、住所検索等の各種検索を行う検索処理、出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って経路案内を行う経路案内処理等がある。
【0050】
なお、本ナビゲーション装置1は、ユーザ操作に応じて、後述する行き先案内表示を行う多目的案内機能を有している。情報記憶部11のデータベースには、この多目的案内機能で用いられる多目的案内機能用データベースも含まれる。
【0051】
図2に、多目的案内機能用データベースのデータ例を示す。この多目的案内機能用データベースには、施設名と関連付けて、位置情報(座標情報)と各種サービス提供内容等の情報が記憶されている。
【0052】
例えば、ドライブインAAの場合、位置情報とともに、食事の可否および食事の内容(うどん、ラーメン、そば)、トイレの有無およびトイレの種類(洋式、和式)、商品販売の有無および商品の種類(土産(ABせんべい)、お菓子、衣料)が関連付けて情報記憶部11に記憶されている。
【0053】
また、レストランBBの場合、位置情報とともに、食事の可否および食事の内容(うどん、ラーメン、そば、洋食、和食)、トイレの有無およびトイレの種類(洋式、和式)、商品販売の有無および商品の種類(お菓子)が関連付けて情報記憶部11に記憶されている。
【0054】
制御部14は、ユーザの要求に応じた複数の検索条件とともにユーザの希望する特定交差点の条件の入力を受け付けると、入力された検索条件および特定交差点の条件を記憶媒体に記憶させる初期設定処理を実施するとともに、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示処理を実施する。
【0055】
図3に、制御部14による初期設定処理のフローチャートを示す。本ナビゲーション装置1は、運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオンすると動作状態となり、制御部14は、現在位置特定処理、地図表示処理等の処理を開始する。また、メニュー画面に従ってユーザ操作により初期設定処理の開始が指示されると、制御部14は、図3に示す処理を実施する。
【0056】
まず、初期設定画面を表示部12に表示させる(S100)。図4(a)に、初期設定画面の表示例を示す。この初期設定画面には、初期設定スイッチ、優先設定スイッチ(ON、OFF)、行き先案内名称表示スイッチ(ジャンル名スイッチ、施設名スイッチ)、行き先案内指標表示スイッチ(距離、時間)、交差点設定スイッチ、完了スイッチが選択可能に表示されている。
【0057】
次に、ユーザにより初期設定画面に表示された完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいて設定完了か否かを判定する(S102)。
【0058】
ユーザにより完了スイッチが選択操作されるまでは、S102の判定はNOとなり、次に、初期設定画面に表示された初期設定スイッチが選択操作されたか否かに基づいて初期設定の指示があるか否かを判定する(S104)。
【0059】
ここで、図4(a)中に示された初期設定スイッチが選択操作されると、図4(b)に示すようなユーザの要求を登録するためのニーズ登録画面を表示させる(S106)。このニーズ登録画面には、五十音一覧、漢字変換のための変換スイッチ、修正のための修正スイッチ、入力した検索条件を登録するためのニーズ登録スイッチ、ニーズ登録画面の完了を指示するための完了スイッチが含まれている。ユーザは、五十音一覧に従って検索条件を入力し、漢字変換が必要な場合には変換スイッチを選択操作して漢字変換を実施し、修正が必要な場合には修正スイッチを選択操作して修正して、複数の検索条件を入力することが可能となっている。そして、検索条件を入力し終えるとニーズ登録スイッチを選択操作してニーズ登録を完了するようになっている。
【0060】
S108では、完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいてニーズ登録画面を完了するか否かを判定する。
【0061】
ここで、ユーザにより完了スイッチが選択操作されることなく、ユーザによるニーズの入力が開始されると、S108の判定はNOとなり、ニーズ入力を受け付ける(S110)。具体的には、ユーザ操作により入力されたキーワード等を入力欄に表示させる。
【0062】
次に、ユーザによりニーズ登録スイッチが選択操作されたか否かに基づいて、入力欄に入力されたキーワードをニーズ登録するか否かを判定する(S112)。
【0063】
ここで、例えば、入力欄に「休憩」と入力された後、ユーザによりニーズ登録スイッチが選択操作されると、図4(c)に示すような施設登録画面を表示させる(S114)。この施設登録画面には、ニーズ登録するキーワードに対するジャンルリスト、ジャンルリストを選択するための上下スイッチ、登録完了を指示するための登録完了スイッチが選択可能に表示されている。ユーザは、ニーズ登録するキーワードに対して特定のジャンル名または特定の施設名を選択した後、登録完了スイッチを選択操作するようになっている。
【0064】
次に、登録完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいてジャンルの登録が完了したか否かを判定する。
【0065】
例えば、ニーズ登録するキーワードとして「休憩」というに対して「道の駅」が選択され、登録完了スイッチが選択操作すると、「休憩」というキーワードに対して「道の駅」が登録される。更に、「ドライブイン」が選択され、登録完了スイッチが選択操作すると、「休憩」というキーワードに対して「ドライブイン」も登録される。このようにして、図4(c)に示すように、「休憩」というキーワードに対して「道の駅」と「ドライブイン」が登録される。このようにして、ユーザの要求に応じた複数の検索条件が情報記憶部11に記憶される。
【0066】
そして、ユーザにより登録完了スイッチが選択操作されると、図4(b)に示すニーズ登録画面表示に戻り、更に、ユーザにより完了スイッチが選択操作されると、S108の判定はYESとなり、図4(a)に示す初期設定画面表示に戻る。
【0067】
次に、優先設定、案内名称表示設定および案内指標表示設定が完了したか否かを判定する(S118)。ユーザは、図4(a)に示した初期設定画面にしたがって、優先設定、行き先案内名称表示、行き先案内指標表示の各種設定を行った後、交差点設定スイッチを選択操作するようになっている。
【0068】
優先設定は、後述する表示部に表示させる施設の優先順位の変更を有効(ON)にするか無効(OFF)にするかの設定である。行き先案内名称表示は、ジャンル名を表示するか施設名を表示するかの設定である。行き先案内指標表示は、行き先案内指標を距離とするか時間とするかの設定である。
【0069】
ここで、ユーザにより優先設定、行き先案内名称表示、行き先案内指標表示の各種設定が行われると、次に、交差点設定スイッチが選択操作されたか否かに基づいて交差点設定を実施するか否かを判定する(S120)。
【0070】
ここで、ユーザにより交差点設定スイッチが選択操作されると、S120の判定はYESとなり、次に、図4(d)に示すような交差点設定画面を表示させ、ユーザに交差点種類の選択を促す(S122)。この交差点設定画面に従って、行き先表示案内を行う交差点(特定交差点)の条件を選択するようになっている。この交差点設定画面には、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類したものが表示されている。例えば、国道×国道、国道×県道、国道×市町村道、県道×県道、県道×市町村道、市町村道×市町村道といったように、各種交差点種類が選択可能に表示されている。本実施形態では、複数の交差点種類が選択可能となっている。ユーザは、特定交差点の条件とする交差点種類を選択した後、交差点設定画面に表示された登録スイッチを選択するようになっている。
【0071】
S124では、ユーザにより交差点設定画面に表示された登録スイッチが選択操作されたか否かに基づいて交差点設定の登録が完了したか否かを判定する(S124)。
【0072】
ここで、ユーザにより交差点設定画面に表示された登録スイッチが選択操作されると、S124の判定はYESとなり、図4(a)に示した初期設定画面の表示に戻り、ユーザにより初期設定画面の完了スイッチが選択操作されると、S102の判定はYESとなり、本処理を終了する。
【0073】
上記したように、初期設定画面に従ってユーザによる検索条件の入力の受け付け、入力された検索条件が初期設定情報として情報記憶部11に記憶される。
【0074】
図5に、制御部14による行き先案内表示処理のフローチャートを示す。メニュー画面に従ってユーザ操作により行き先案内表示処理の開始が指示されると、制御部14は、図5に示す処理を実施する。
【0075】
まず、多目的行き先案内起動画面を表示する(S200)。本実施形態では、図6(a)に示すような地図表示画面上に、多目的行き先案内の開始を指示する複数のスイッチと優先設定を有効にするか無効にするかの設定を行うための優先設定スイッチを表示するようになっている。なお、多目的行き先案内の開始を指示するスイッチとしては、上記した初期設定処理により情報記憶部11に記憶された検索条件に基づく行き先案内表示の開始を指示する初期登録スイッチと、地図画面上から新たな検索条件を入力して、この検索条件に基づく行き先案内表示の開始を指示する調停スイッチがある。
【0076】
S202では、ユーザにより初期登録スイッチが選択操作されたか否かを判定し、S204では、ユーザにより調停スイッチが選択操作されたか否かを判定する。
【0077】
ここで、ユーザにより初期登録スイッチが選択操作された場合、S202の判定はYESとなり、次に、走行道路種別は設定道路か否かを判定する(S206)。ここで、設定道路は、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別をいう。具体的には、地図データを参照して車両が走行している道路種別を特定し、この道路種別が初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路の道路種別と一致するか否かを判定する。
【0078】
例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が市町村道を走行している場合、S206の判定はNOとなり、S200へ戻る。
【0079】
また、例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が県道を走行している場合には、S206の判定はYESとなり、地図データと車両の現在位置に基づいて、次の交差点は特定交差点か否かを判定する(S208)。
【0080】
ここで、次の交差点が特定交差点の条件に該当しない場合、S208の判定はNOとなり、S200へ戻る。
【0081】
例えば、次の交差点に接続された道路種別が国道×県道となっており、次の交差点が特定交差点の条件に該当する場合、S208の判定はYESとなり、次に、特定交差点を対象とした交差道路沿いの対象施設を検索する(S210)。具体的には、多目的案内機能用データベースを参照して、特定交差点の退出路毎に、この退出路の方面に存在し、かつ、情報記憶部11に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索する。
【0082】
例えば、ニーズ登録として「休憩」というニーズに対して、「道の駅」、「ドライブイン」の各ジャンルが登録されており、更に、「食事」というニーズに対して、「コンビニ」、「モール」、「ファーストフード」、「ドライブイン」の各ジャンルが登録されているような場合、特定交差点の退出路毎に、「休憩」と「食事」というニーズを満足する施設を検索する。
【0083】
次に、検索された各施設の評価指標値を計算する(S212)。本実施形態では、図4(a)に示した初期設定画面に表示された行き先案内指標表示スイッチについて距離または時間の選択が可能となっており、距離スイッチが選択された場合には、特定交差点からの距離を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出し、時間スイッチが選択された場合には、特定交差点からの所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出する。ここでは、距離スイッチが選択されたものとして説明する。具体的には、特定交差点と検索された各施設の距離を評価指標値として各施設の評価指標値を算出する。なお、特定交差点と検索された各施設の距離は、道なり距離が基本であるが、車両の走行先に存在する特定交差点の座標と検索された各施設の座標に基づいて直線距離として算出することもできる。
【0084】
次に、指標順に各施設に対して順位付けを行う(S214)。具体的には、算出した評価指標値の小さい順、すなわち、特定交差点からの距離の短い順となるように、検索された各施設に優先順位を付与する。
【0085】
次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の最良施設を表示する(S216)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最も小さい施設、すなわち、特定交差点からの距離の最も短い施設を行き先案内表示として表示させる施設として決定し、これらの各施設を含む行き先案内表示を表示部12に表示させる。
【0086】
図6(b)に、行き先案内表示の表示例を示す。この図に示すように、自車位置マークの先方に存在する特定交差点を起点として、この特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最良の施設が1つずつ強調表示される。なお、この行き先案内表示画面には、多目的案内の中止を指示するための多目的案内中止スイッチ、優先順位を1段階上げるためのアップ(UP)スイッチ、優先順位を1段階下げるためのダウン(DOWN)スイッチ、優先設定スイッチも表示される。
【0087】
この行き先案内表示により、左折すると「コンビニ」が3km(3キロメートル)先に存在し、直進すると「ファーストフード」が10km(10キロメートル)先に存在し、右折すると「モール」が2km(2キロメートル)先に存在することを一目で認識することができる。また、特定交差点の各退出路の方向を示すように行き先案内表示が表示されるので、より正確に各方面へ進んだ場合の各施設を認識することができる。
【0088】
S218では、ダウン(DOWN)スイッチが選択操作されたか否かを判定する。ここで、ユーザによりダウン(DOWN)スイッチが選択操作されると、S218の判定はYESとなり、次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の1つ悪い施設を表示する(S220)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、評価指標値の2番目に小さい施設、すなわち、特定交差点からの距離が2番目に短い施設を行き先案内表示として表示させる施設として決定し、これらの各施設を含む行き先案内表示を表示部12に表示させる。
【0089】
図6(c)に、ユーザによりダウン(DOWN)スイッチが選択操作された場合の表示例を示す。この図に示すように、特定交差点からの距離が2番目に短い施設が行き先案内表示として表示される。
【0090】
S222では、アップ(UP)スイッチが選択操作されたか否かを判定する。ここで、ユーザによりアップ(UP)スイッチが選択操作されると、S222の判定はYESとなり、次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の1つ良い施設を表示する(S224)。具体的には、再度、特定交差点の退出路毎に、特定交差点からの距離が最も短い施設が行き先案内表示として表示される。すなわち、図6(b)に示した表示例と同様の行き先案内表示が表示される。
【0091】
したがって、ユーザのダウン(DOWN)スイッチの操作、あるいはユーザのアップ(UP)スイッチの操作に応じて行き先案内表示に表示される各施設が変更される。
【0092】
S226では、地図データを参照して車両の現在位置と特定交差点の位置情報に基づいて車両が特定交差点を通過したか否かを判定する(S226)。
【0093】
また、S228では、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定する。
【0094】
したがって、車両が特定交差点を通過すると、S226の判定はYESとなり、S206へ戻り、走行先に存在する新たな特定交差点に対して、上記した処理を繰り返し実施する。
【0095】
また、車両が特定交差点を通過することなく、また、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されていない場合、S226の判定はNO、S228の判定もNOとなり、S218へ戻る。
【0096】
また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザにより多目的案内中止スイッチが選択操作されると、S228の判定はYESとなり、行き先案内表示を中止し、S200へ戻る。
【0097】
図5の説明に戻り、図7(a)に示すような多目的行き先案内起動画面が表示された状態で、ユーザにより調停スイッチが選択操作されると、S208の判定はYESとなり、図8のBへ進み、次に、調停画面を表示する(S400)。本実施形態では、図7(b)に示すような調停画面を表示する。この調停画面には、五十音一覧、変換スイッチ、修正スイッチ、ニーズ登録スイッチ、登録完了スイッチが含まれている。ユーザは各スイッチを操作して、検索条件を入力し、検索条件を入力し終えるとニーズ登録スイッチを選択操作してニーズ登録を完了するようになっている。
【0098】
次に、登録完了スイッチが選択操作されたか否かを判定する(S402)。ここで、登録完了スイッチは選択操作されていない場合、S402の判定はNOとなり、S404へ進む。
【0099】
ユーザにより検索条件が入力され(S404)、ニーズ登録スイッチが選択操作されると、S406の判定はYESとなり、入力された検索条件がユーザニーズとして登録される(S408)。具体的には、ユーザにより「食事&うどん」というキーワードが入力され、ニーズ登録スイッチが選択操作されると、ユーザにより入力された「食事&うどん」がユーザニーズとして登録される。
【0100】
そして、図7(b)に示すような調停画面に表示された登録完了スイッチが選択操作されると、S402の判定はYESとなり、図5のCへ進む。以下、S206、S208、S210〜S228の処理を実施する。
【0101】
図7(c)に、この場合の行き先案内表示の表示例を示す。この図に示すように、自車位置マークの先方に存在する特定交差点を起点として、この特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最良の施設が1つずつ強調表示される。
【0102】
次に、図9に従って、制御部14による優先設定処理について説明する。初期設定画面の設定において、優先設定がオンに設定された場合、図6(b)に示した行き先案内表示画面における優先設定スイッチが選択可能となる。図6(b)に示した表示画面に従って、ユーザにより優先設定スイッチが選択操作されると、制御部14は、図9に示す優先設定処理を開始する。
【0103】
まず、図6(d)に示すような優先設定画面を表示させ(S300)、この優先設定画面に従ってユーザにより特定のジャンルが選択操作されたか否かを判定する(S302)。
【0104】
ここで、ユーザにより特定のジャンルが選択操作されると、次に、案内対象施設を優先設定したジャンルに固定する(S304)。例えば、図6(b)に示した表示画面では、「食事」というジャンルの施設の行き先案内表示が表示されていたとしても、図6(d)に示すような優先設定画面に従って、ユーザにより「休憩」が選択操作されると、「休憩」というジャンルの施設を、特定交差点の退出路毎に検索し、「休憩」というジャンルの施設の行き先案内表示に変更する。この場合、図6(c)に示すような表示画面に切り替わる。
【0105】
なお、図6(c)には図示してないが、実際には、表示画面に優先設定解除スイッチを表示させ(S306)、次に、ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されたか否かを判定する。
【0106】
ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されない場合、S306の判定はNOとなり、S306へ戻る。また、ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されると、S306の判定はYESとなり、優先設定画面を表示する前の画面表示を行い(S310)、本処理を終了する。
【0107】
このような優先設定により、走行中にユーザの要求が変わっても、簡単な操作でユーザの要求を満たす施設を検索し、行き先案内表示することが可能である。
【0108】
上記した構成によれば、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させるので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内することができる。
【0109】
また、ユーザは、初期設定画面に従って検索条件を入力しておけば、検索を指示するための表示体に対する操作を行うだけで特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0110】
また、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体が表示されるので、地図表示画面の表示中であっても、ユーザはこの検索条件の入力を指示するための表示体を操作して検索条件を入力することができる。また、地図表示画面上に検索を指示するための表示体が表示され、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、容易に特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0111】
また、特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標が算出され、この評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位が付与され、この優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設が決定されるので、様々な評価指標に応じた行き先案内表示を行うことが可能である。
【0112】
また、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、優先順位の低い施設を非表示とし、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設を表示させることができる。
【0113】
ところで、優先順位の最も高く付与された施設が、ユーザの要求に合った施設とは限らない。例えば、特定交差点からの距離が多少遠くてもユーザの要求に合った施設が存在する場合もある。
【0114】
しかし、ユーザによるアップ(UP)スイッチまたはダウン(DOWN)スイッチの操作に応じて表示部に表示させる施設の優先順位を変更し、ユーザ操作に応じて変更された優先順位の施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、ユーザの要求に合った施設を行き先案内表示として表示させることが可能である。
【0115】
また、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、ユーザの希望する条件として特定交差点を決定することができる。
【0116】
また、車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、決定した特定交差点が変更される毎に、施設検索が実施されるので、常時、車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点に対して行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0117】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、初期設定画面に表示された行き先案内指標表示スイッチについて距離または時間の選択が可能となっており、選択されたスイッチに応じて特定交差点からの距離または所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出したが、本実施形態では、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて情報記憶部11に記憶させ、情報記憶部11に記憶された階層を用いて、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けしたユーザ満足度点数αを算出し、当該ユーザ満足度点数αに応じた評価指標を算出する。
【0118】
具体的には、ユーザの要求を、例えば、3階層に分け、重要度の高い順に、第1階層項目、第2階層項目、第3階層項目として受け付け、特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、満足度点数αを算出する。なお、第1階層項目にはユーザの必須要件、第2階層項目には、第1階層項目よりも重要度の低い付帯条件(希望的要件)、第3階層項目には、第2階層項目よりも重要度の低い付帯条件(希望的要件)を入力するようになっている。ここで、第1階層係数をa、第2階層係数をb、第3階層係数をcとし、第1階層変数をT1、第2階層変数をT2、第3階層変数をT3とすると、ユーザ一人当たりの満足度点数αは、以下の数式1により算出することができる。
【0119】
(数式1)
α=a×T1+b×T2+c×T3
ただし、第1階層変数T1は、第1階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第1階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第1階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となる。
【0120】
同様に、第2階層変数T2は、第2階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第2階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第2階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となり、第3階層変数T3は、第3階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第3階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第3階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となる。
【0121】
ここで、第1階層係数a=10、第2階層係数b=5、第3階層係数c=2とし、「食事」、「うどん」、「トイレ」、「土産」、「せんべい」の「要求を満たすドライブインが検索され、このドライブインと特定交差点の距離が10キロメートル(10km)となっているものとする。
【0122】
この場合、ユーザ1により第1階層項目に「食事」が入力され、第2階層項目に「うどん」が入力された場合、このユーザ1の満足度点数α1は、α1=10×1+5×1=15となる。
【0123】
また、ユーザ2により第1階層項目に「トイレ」が入力され、第2階層項目に「3キロメートル(3km)」が入力された場合、このユーザ2の満足度点数α2は、α2=10×1+5×0=10となる。
【0124】
また、ユーザ3により第1階層項目に「土産」が入力され、第2階層項目に「せんべい」が入力された場合、このユーザ3の満足度点数α3は、α3=10×1+5×1=15となる。
【0125】
したがって、ユーザ満足度点数の合計α=α1+α2+α3=15+10+15=40として算出することができる。
【0126】
本実施形態では、このユーザ満足度点数の合計αの逆数を評価指標値とする。したがって、この場合のドライブインの評価指標値は1/α=1/40=0.025となる。
【0127】
このようにして、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設の評価指標値を算出し、この評価指標値に基づいて特定交差点の退出路毎に、検索された各施設に対する優先順位を付与し、特定交差点の退出路毎に、付与された優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を表示部に表示させることができる。
【0128】
上記した構成によれば、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて記憶媒体に記憶させ、評価指標算出手段は、記憶手段に複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された階層を用いて施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を評価指標として算出することもできる。
【0129】
なお、本実施形態では、ユーザの要求の重要度に応じて3階層に分けて受け付けたが、3階層に限定されるものではなく、2階層としてもよく、また、4階層以上としてもよい。
【0130】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るナビゲーション装置の構成は、図1に示したものと同じである。なお、上記実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。上記第1実施形態では、ユーザが複数の検索条件を直接入力するようになっているため検索条件の入力操作が煩雑である。そこで、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を情報記憶部11に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設ジャンルとともに当該施設ジャンルに立ち寄った状況を情報記憶部11に記憶させる施設ジャンル記憶処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索するとともに、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に情報記憶部11に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索する。そして、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0131】
図10に、施設ジャンル記憶処理のフローチャートを示す。運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオンすると動作状態となり、本ナビゲーション装置1が動作状態になると、制御部14は、図3に示した初期設定処理等と平行して図10に示す処理を開始する。
【0132】
まず、経路設定があるか否かを判定する(S500)具体的には、ユーザの目的地検索指示に応じて目的地、経由地等を決定し、ユーザの経路探索指示に応じて出発地から目的地に至る案内経路が探索されているか否かに基づいて経路設定があるか否かを判定する。
【0133】
ここで、案内経路が探索されている場合、S500の判定はYESとなり、次に、出発地、経由地、目的地とともに、経由地および目的地として設定された施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させる(S502)。具体的には、経由地および目的地として設定された施設および施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させる。例えば、「金閣寺」が目的地として選択操作された場合、「金閣寺」という施設名と「観光施設」という施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させ、S504へ進む。なお、案内経路が探索されていない場合、S500の判定はNOとなり、S502を実施することなく、S500の判定を繰り返し実施する。
【0134】
S504では、立ち寄り施設があるか否かを判定する。本実施形態では、予め地点登録された自宅位置を車両が出発してから自宅へ戻るまでの一連の走行軌跡を収集して情報記憶部11に記憶させるようになっており、この情報記憶部11に記憶された走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設を特定する。
【0135】
ここで、走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設が特定されない場合、S504の判定はNOとなり、S500へ戻る。また、走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設が特定された場合には、S504の判定はYESとなり、次に、立ち寄り施設についての情報を収集する(S506)。具体的には、立ち寄り施設、この施設の施設ジャンルとともに、この施設のエリア情報、時刻・時間情報、走行情報、気候情報等の関連情報を収集する。
【0136】
なお、エリア情報には、立ち寄った施設の行政区域(例えば、市区町村)が含まれ、時刻・時間情報には、年月日情報、立ち寄った施設へ到着した到着時刻、立ち寄った施設を出発した出発時刻、滞在時間、立ち寄った施設に到着するまでの連続走行時間、自宅を出発してからの経過時間が含まれる。また、走行情報には、立ち寄った施設に出入りする道路に関する道路種別(例えば、市町村道、県道、国道、高速道路)、平均速度情報、渋滞情報(例えば、渋滞、混雑、混雑なし)が含まれ、気候情報には、外気温、天候(例えば、晴れ、くもり、雨、雪)が含まれる。
【0137】
次に、S506にて収集した各情報を情報記憶部11に記憶させ、S500へ戻る。上記した処理を、車両が自宅位置へ戻るまで繰り返し実施し、自宅を出発してから自宅へ戻るまでを1つの旅程として情報記憶部11に記憶させる。
【0138】
本実施形態における制御部14は、図5に示した行き先案内表示処理と並行して、図11に示す処理を実施する。
【0139】
この処理では、まず、図11のS206にて図5のS206と同様に、走行中の道路の走行道路種別が設定道路か否かを判定する(S206)。ここで、設定道路は、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別をいう。具体的には、地図データを参照して車両が走行している道路種別を特定し、この道路種別が初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路の道路種別と一致するか否かを判定する。例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が市町村道を走行している場合、図11のS206の判定はNOとなり、S206の判定を繰り返し実施する。
【0140】
また、例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が県道を走行している場合には、S206の判定はYESとなり、地図データと車両の現在位置に基づいて、次の交差点は特定交差点か否かを判定する(S208)。
【0141】
ここで、次の交差点が特定交差点の条件に該当しない場合、S208の判定はNOとなり、S206へ戻る。
【0142】
また、例えば、次の交差点に接続された道路種別が国道×県道となっており、次の交差点が特定交差点の条件に該当する場合には、S208の判定はYESとなり、次に、特定交差点を対象とした交差道路沿いの対象施設を検索する(S210)。具体的には、図10に示した施設ジャンル記憶処理により情報記憶部11に記憶された情報を参照して、特定交差点の退出路毎に、この退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルの検索を行う。
【0143】
ここで、過去に、目的地として金閣寺が選択操作され、2時間30分連続走行した後に、「京都市」に存在する「回転寿司」を施設ジャンルとする「寿司のくるくる・京都店」に12時〜13時に立ち寄ったことがあり、情報記憶部11に、「目的地」として「金閣寺」が選択操作され、この施設の「エリア情報」が「京都市」、この施設への「到着時刻」が「12時」、この施設の「出発時刻」が「13時」、「自宅を出発してからの経過時間」が「2時間30分」となっている1つの旅程が記憶されているものとする。
【0144】
また、現在の旅程において「目的地」として「清水寺」が選択操作され、車両の現在位置が「京都市」にあり、「現在時刻」が「12時」となっており、「自宅を出発してからの経過時間」が「2時間」となっているものとする。
【0145】
ここでは、現在の状況と、過去に施設ジャンルの選択操作が行われた状況とを比較して合致するものがあるか否かを判定し、合致するものがある場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に情報記憶部11に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索を行う。
【0146】
本実施形態では、現在の状況および過去の状況の合致を判定するための情報の内容を比較することにより現在の状況と過去の状況が合致するか否かを判定する。ここでは、目的地、エリア情報、時刻、連続走行時間のうち、2項目以上が一致する場合、現在の状況と過去の状況が合致すると判定するものとする。
【0147】
したがって、上記した例のように、現在の状況と過去の状況とで、「エリア情報」が「京都市」で一致しており、更に、「現在の時刻」が12時で、過去に「回転寿司」を施設ジャンルとする施設に立ち寄った時間帯に含まれるような場合には、現在の状況と過去の状況が合致すると判定する。
【0148】
この場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンル、すなわち、「回転寿司」を施設ジャンルとした検索が実施される。
【0149】
次に、S210にて検索された施設を表示する(S217)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、S210にて検索された施設を行き先案内表示とした表示を行う。したがって、S210にて「回転寿司」を施設ジャンルとして、ある回転寿司店が検索されると、この回転寿司店を行き先とした行き先案内表示が表示される。このように、ユーザが「回転寿司」を施設ジャンルとして選択操作することなく、過去に立ち寄った施設に基づいて「回転寿司」を施設ジャンルとして検索が行われ、検索された施設が行き先案内表示の行き先として表示される。
【0150】
次に、地図データを参照して車両の現在位置と特定交差点の位置情報に基づいて車両が特定交差点を通過したか否かを判定する(S226)。ここで、車両が特定交差点を通過すると、S226の判定はYESとなり、S206へ戻り、走行先に存在する新たな特定交差点に対して、上記した処理を繰り返し実施する。また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定する(S228)。
【0151】
ここで、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されていない場合、S226の判定はNO、S228の判定もNOとなり、S217へ戻る。
【0152】
また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザにより多目的案内中止スイッチが選択操作されると、S228の判定はYESとなり、行き先案内表示を中止し、S206へ戻る。
【0153】
上記したように、ユーザの操作を必要とすることなく、施設検索を実施して検索された施設を好適に案内できるようになっている。
【0154】
なお、本実施形態では、目的地、エリア情報、時刻、連続走行時間のうち、2項目以上が一致する場合、現在の状況と過去の状況が合致すると判定するものとしたが、例えば、1項目以上が一致する場合、あるいは、3項目以上が一致する場合等、予め定められた基準数以上が一致する場合に、現在の状況と過去の状況が合致すると判定しても良い。また、現在の状況および過去の状況の合致を判定するための情報の内容を比較することにより現在の状況と過去の状況が合致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0155】
また、項目の一致の判定においては、完全一致を条件とすることもできるが、ある程度類似していれば一致と判定するようにしてもよい。たとえば過去に記憶された「目的地」項目において、「金閣寺」と現在の目的地である「清水寺」とは「寺院」というジャンル内(すなわち類似)のため、両者は完全一致ではないが、類似しているために一致と判定する。一方、「金閣寺」と「大阪府庁」では一致と判定しない。また、たとえば過去に記憶された「施設への立ち寄り時間帯」項目において、「12時〜13時」と現在の時刻である11時30分とは異なるものの、ほぼ近い(所定時間、30分以内の幅に収まっている)ため、一致と判定する。一方、10時や14時などは一致と判定しないといったようにすることができる。これらを総合的に見て、いくつの項目において現在と過去の状況が合致しているかを判定することができる。
【0156】
また、本実施形態で示した行き先案内表示機能を実施する前に、ユーザに上記行き先案内表示機能を実施することを確認する画面を表示させ、ユーザによる了解が得られた場合に、上記行き先案内表示機能を実施するようにしてもよい。
【0157】
また、本実施形態では、S226にて、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定したが、現在の状況と過去の状況の合致判断が成立しなくなったか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定するようにしてもよい。
【0158】
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合と、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合に、各施設ジャンルとその状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施したが、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索し、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0159】
(第5実施形態)
上記第3実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合と、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合に、各施設ジャンルとその状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施したが、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設ジャンルとともに当該施設ジャンルに立ち寄った状況を情報記憶部11に記憶させる施設ジャンル記憶処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設ジャンルを検索条件として検索し、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0160】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、特定交差点からの距離を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出したが、例えば、特定交差点からの所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出してもよい。この場合、特定交差点からの所要時間は、特定交差点からの距離を予め特定された車速で除算することにより算出することができる。
【0161】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、必ずしも検索された施設を1つずつ表示させる必要はなく、特定交差点の退出路毎に、検索された複数の施設を表示さるようにしてもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索したが、必ずしも記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設を検索する必要はなく、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索するようにしてもよい。
【0163】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、ユーザ操作により選択された特定の退出路についてのみ、行き先案内表示を行うようにしてもよい。
【0164】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、例えば、検索された全ての施設、すなわち、表示すべき全ての施設が既に地図画面に含まれている場合、行き先案内表示を非表示としてもよい。
【0165】
また、施設の名称またはジャンル、評価指標、方向を示すための表示(例えば、矢印)は、2D表示としてもよく、3D表示としてもよい。また、ユーザ操作に応じて切り替え可能とするようにしてもよい。
【0166】
また、上記実施形態では、情報記憶部11に格納された多目的案内機能用データベースを参照して施設検索を実施したが、無線通信部13を介して通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施するようにしてもよい。
【0167】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S114、S116、S408が検索条件記憶手段に相当し、情報記憶部11が記憶媒体に相当し、S208が特定交差点決定手段に相当し、S210が施設検索手段に相当し、S216が行き先案内表示手段に相当し、S212が評価指標算出手段に相当し、S214が優先順位付与手段に相当し、図6(b)、(c)、図7(c)のアップ(UP)スイッチおよびダウン(DOWN)スイッチが優先順位変更手段に相当し、位置検出部10より入力される現在位置を特定するための情報に基づいて車両の現在位置を特定する現在位置特定処理が現在位置特定手段に相当し、無線通信部13が通信手段に相当し、S500、S502が第1の記憶処理手段に相当し、S504〜S508が第2の記憶処理手段に相当し、S500〜S508が記憶処理手段に相当する。
【符号の説明】
【0168】
1 ナビゲーション装置
10 位置検出器
11 情報記憶部
12 表示部
13 無線通信部
14 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの要求に応じた検索条件を満たす施設を検索し、検索された施設の案内表示を行うナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、出発地から目的地に至る案内経路を探索し、この案内経路に従って経路案内を行うナビゲーション装置が種々提案されている。
【0003】
このようなナビゲーション装置としては、銀行の系列、ガソリンスタンドの系列等、自分の希望する各施設の希望条件を予め登録しておき、車両走行中、ユーザが表示装置に表示された「簡単目的地設定」ボタンおよび「MY銀行」ボタンを押下すると、「MY銀行」ボタンに対応して、希望条件として登録されている系列の銀行施設を検索して、経由地もしくは目的地として探索するようにしたものがある(例えば、特許文献1、段落「0019」〜「0026」参照)。
【0004】
また、交通情報などに基づいて第1の目的地(例えば、八方尾根スキー場)に到着予定時刻までに到着できないと判断した場合には、第1の目的地と同じ方面で、かつ、スキー場という同じ目的が行え、到着予定時刻までに到着できる他の目的地を検索するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−77180号公報
【特許文献2】特開2003−329457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ある地域へ車でドライブに出かけるような場合、途中で、休憩、食事、トイレ、買い物、給油等、運転者や同乗者の様々な要求が発生する。また、他の車とグループ走行するような場合には、更に、他の車の乗員の要求も関係してくる。
【0007】
しかし、これらの要求の一つ一つに応えていると運転者の負担も大きくなり、また、時間を浪費してしまうといった問題が生じる。
【0008】
上記特許文献1、2に記載されたような装置では、目的地を設定して案内経路を探索する構成となっているので、上記したように乗員の様々な要求が発生した場合、乗員が各乗員の様々な要求に応えられる施設を考慮しながら、これらの様々な要求に応えられる施設を探し出して目的地に設定する必要があり、使い勝手がよくない。
【0009】
また、乗員の操作により各乗員の様々な要求に応えられる施設が探し出せたとしても、例えば、その施設が乗員の希望しない方面にあるようでは好ましくない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みたもので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させる検索条件記憶手段と、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定する特定交差点決定手段と、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索する施設検索手段と、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させるので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、検索条件記憶手段は、検索条件を入力するための初期設定画面を表示部に表示させ、当該初期設定画面に従ってユーザによる検索条件の入力の受け付け、入力された検索条件を初期設定情報として記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、表示部に検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、ユーザは、初期設定画面に従って検索条件を入力しておけば、検索を指示するための表示体に対する操作を行うだけで特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件を満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、検索条件記憶手段は、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索条件の入力を指示するための表示体に対する操作に応じて検索条件の入力の受け付け、当該入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、地図表示画面上に検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索することを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体が表示されるので、地図表示画面の表示中であっても、ユーザはこの検索条件の入力を指示するための表示体を操作して検索条件を入力することができる。また、地図表示画面上に検索を指示するための表示体が表示され、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、容易に特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標を算出する評価指標算出手段と、指標算出手段により算出された評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位を付与する優先順位付与手段と、を備え、行き先案内表示手段は、特定交差点の退出路毎に、優先順位付与手段によって付与された優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を表示部に表示させることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標が算出され、この評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位が付与され、この優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設が決定されるので、様々な評価指標に応じた行き先案内表示を行うことが可能である。
【0019】
なお、請求項5に記載の発明のように、評価指標算出手段は、特定交差点からの距離を評価指標として評価指標を算出することができ、また、請求項6に記載の発明のように、評価指標算出手段は、特定交差点からの所要時間を評価指標として評価指標を算出することもできる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明のように、検索条件記憶手段は、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて記憶媒体に記憶させ、評価指標算出手段は、記憶手段に複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された階層を用いて施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を評価指標として評価指標を算出することもできる。
【0021】
また、請求項8に記載の発明では、行き先案内表示手段は、優先順位付与手段により優先順位が最も高く付与された施設を行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定することを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、優先順位の低い施設を非表示とし、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設を表示させることができる。
【0023】
ところで、優先順位の最も高く付与された施設が、ユーザの要求に合った施設とは限らない。例えば、特定交差点からの距離が多少遠くてもユーザの要求に合った施設が存在する場合もある。
【0024】
しかし、請求項9に記載の発明では、ユーザ操作に応じて表示部に表示させる施設の優先順位を変更し、ユーザ操作に応じて変更された優先順位の施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、ユーザの要求に合った施設を行き先案内表示として表示させることが可能である。
【0025】
また、請求項10に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、施設検索手段により検索された施設の名称またはジャンルとともに、評価指標算出手段により算出された評価指標を含む行き先案内表示を行うことを特徴としている。
【0026】
このように、検索された施設の名称またはジャンルとともに、評価指標算出手段により算出された評価指標を含む行き先案内表示を行うことができる。
【0027】
また、請求項11に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、特定交差点の各退出路の方向を示すように行き先案内表示を行うこともできる。
【0028】
また、請求項12に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設を表示部に表示させることを特徴としている。
【0029】
1つの退出路に対して多数の施設が検索され、検索された全ての施設を表示させようとすると、文字を小さくする必要が生じたり、スクロール操作が必要になったりするなど、視認性が低下してしまうことが考えられるが、上記した構成によれば、1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設が表示部に表示されるので、視認性を確保することができる。
【0030】
また、請求項13に記載の発明にように、特定交差点決定手段は、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、ユーザの希望する条件として特定交差点を決定することができる。
【0031】
また、請求項14に記載の発明は、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、特定交差点決定手段は、現在位置特定手段により特定された車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、施設検索手段は、特定交差点決定手段により決定された特定交差点が変更される毎に、施設検索を実施することを特徴としている。
【0032】
このような構成によれば、車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、決定した特定交差点が変更される毎に、施設検索が実施されるので、常時、車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点に対して行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0033】
また、請求項15に記載の発明のように、行き先案内表示手段は、施設検索手段により検索された全ての施設が表示部に表示された地図画面に含まれる場合、行き先案内表示を非表示とすることもできる。
【0034】
また、請求項16に記載の発明は、通信ネットワークに無線接続するための通信手段を備え、施設検索手段は、通信手段を介して通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施することを特徴としている。
【0035】
このように、通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施するようにしてもよい。
【0036】
また、請求項17に記載の発明は、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶媒体に記憶させる第1の記憶処理手段を備え、施設検索手段は、第1の記憶処理手段により記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索するので、ユーザがわざわざ検索条件の入力操作を実施しなくても、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルと同一の施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることが可能である。
【0038】
また、請求項18に記載の発明は、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させる処理を行う第2の記憶処理手段を備え、施設検索手段は、第2の記憶処理手段により記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴としている。
【0039】
このような構成によれば、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索するので、ユーザがわざわざ検索条件の入力操作を実施しなくても、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルと同一施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることが可能である。
【0040】
なお、請求項19に記載の発明のように、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を記憶手段に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を記憶媒体に記憶させ、施設検索手段は、記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に記憶処理手段により記憶媒体に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索することもできる。
【0041】
また、請求項20に記載の発明のように、記憶媒体に記憶された状況の情報は、複数の項目に分類されており、施設検索手段は、現在の状況の情報が、当該複数の項目のうち、予め定められた基準数以上の項目において、記憶媒体に記憶された状況の情報と合致する場合に、両者が合致すると判定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】多目的案内機能用データベースについて説明するための図である。
【図3】制御部による初期設定処理のフローチャートである。
【図4】(a)〜(d)は、初期設定画面の表示例を示す図である。
【図5】制御部による行き先案内表示処理のフローチャートである。
【図6】(a)〜(d)は、多目的行き先案内起動画面の表示例を示す図である。
【図7】(a)は、多目的行き先案内起動画面の表示例、(b)、(c)は、調停画面の表示例を示す図である。
【図8】制御部による行き先案内表示処理のフローチャート(続き)である。
【図9】制御部による優先設定処理のフローチャートである。
【図10】施設ジャンル記憶処理のフローチャートである。
【図11】第3実施形態に係る行き先案内表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の構成を図1に示す。本ナビゲーション装置1は、位置検出部10、情報記憶部11、表示部12、無線通信部13および制御部14を備えている。
【0044】
位置検出部10は、GPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ、磁気センサ等(いずれも図示せず)により構成されており、これらより入力される現在位置を特定するための情報を制御部14へ出力する。
【0045】
情報記憶部11は、地図データ、プログラムデータ、楽曲データ、各種データベース等、各種情報を記憶するためのものである。地図データには、道路の接続等を表した道路データ、各種施設に関する施設データ、地図表示のための背景データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ等が含まれる。本実施形態における情報記憶部11は、ハードディスクドライブ等の記憶装置により構成されている。
【0046】
表示部12は、液晶等のディスプレイ、を有し、制御部14から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。また、表示部12は、ディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチ、ディスプレイの周囲に配置されたメカニカルスイッチ等を有し、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部14へ出力する。
【0047】
無線通信部13は、通信ネットワークに無線接続するための装置である。本ナビゲーション装置1は、この無線通信部13を介して通信ネットワークに接続された各種サーバにアクセスすることが可能となっている。
【0048】
制御部14は、CPU、RAM、ROM、I/O等を備えたコンピュータとして構成されており、CPUは、ROM、情報記憶部11に記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0049】
制御部14の処理としては、位置検出部10より入力される現在位置を特定するための情報に基づいて車両の現在位置を特定する現在位置特定処理、車両周辺の地図表示画面上に自車位置マークを重ねて表示させる地図表示処理、ユーザ操作に応じて、50音検索、施設検索、電話番号検索、住所検索等の各種検索を行う検索処理、出発地から目的地に至る最適な案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って経路案内を行う経路案内処理等がある。
【0050】
なお、本ナビゲーション装置1は、ユーザ操作に応じて、後述する行き先案内表示を行う多目的案内機能を有している。情報記憶部11のデータベースには、この多目的案内機能で用いられる多目的案内機能用データベースも含まれる。
【0051】
図2に、多目的案内機能用データベースのデータ例を示す。この多目的案内機能用データベースには、施設名と関連付けて、位置情報(座標情報)と各種サービス提供内容等の情報が記憶されている。
【0052】
例えば、ドライブインAAの場合、位置情報とともに、食事の可否および食事の内容(うどん、ラーメン、そば)、トイレの有無およびトイレの種類(洋式、和式)、商品販売の有無および商品の種類(土産(ABせんべい)、お菓子、衣料)が関連付けて情報記憶部11に記憶されている。
【0053】
また、レストランBBの場合、位置情報とともに、食事の可否および食事の内容(うどん、ラーメン、そば、洋食、和食)、トイレの有無およびトイレの種類(洋式、和式)、商品販売の有無および商品の種類(お菓子)が関連付けて情報記憶部11に記憶されている。
【0054】
制御部14は、ユーザの要求に応じた複数の検索条件とともにユーザの希望する特定交差点の条件の入力を受け付けると、入力された検索条件および特定交差点の条件を記憶媒体に記憶させる初期設定処理を実施するとともに、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示処理を実施する。
【0055】
図3に、制御部14による初期設定処理のフローチャートを示す。本ナビゲーション装置1は、運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオンすると動作状態となり、制御部14は、現在位置特定処理、地図表示処理等の処理を開始する。また、メニュー画面に従ってユーザ操作により初期設定処理の開始が指示されると、制御部14は、図3に示す処理を実施する。
【0056】
まず、初期設定画面を表示部12に表示させる(S100)。図4(a)に、初期設定画面の表示例を示す。この初期設定画面には、初期設定スイッチ、優先設定スイッチ(ON、OFF)、行き先案内名称表示スイッチ(ジャンル名スイッチ、施設名スイッチ)、行き先案内指標表示スイッチ(距離、時間)、交差点設定スイッチ、完了スイッチが選択可能に表示されている。
【0057】
次に、ユーザにより初期設定画面に表示された完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいて設定完了か否かを判定する(S102)。
【0058】
ユーザにより完了スイッチが選択操作されるまでは、S102の判定はNOとなり、次に、初期設定画面に表示された初期設定スイッチが選択操作されたか否かに基づいて初期設定の指示があるか否かを判定する(S104)。
【0059】
ここで、図4(a)中に示された初期設定スイッチが選択操作されると、図4(b)に示すようなユーザの要求を登録するためのニーズ登録画面を表示させる(S106)。このニーズ登録画面には、五十音一覧、漢字変換のための変換スイッチ、修正のための修正スイッチ、入力した検索条件を登録するためのニーズ登録スイッチ、ニーズ登録画面の完了を指示するための完了スイッチが含まれている。ユーザは、五十音一覧に従って検索条件を入力し、漢字変換が必要な場合には変換スイッチを選択操作して漢字変換を実施し、修正が必要な場合には修正スイッチを選択操作して修正して、複数の検索条件を入力することが可能となっている。そして、検索条件を入力し終えるとニーズ登録スイッチを選択操作してニーズ登録を完了するようになっている。
【0060】
S108では、完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいてニーズ登録画面を完了するか否かを判定する。
【0061】
ここで、ユーザにより完了スイッチが選択操作されることなく、ユーザによるニーズの入力が開始されると、S108の判定はNOとなり、ニーズ入力を受け付ける(S110)。具体的には、ユーザ操作により入力されたキーワード等を入力欄に表示させる。
【0062】
次に、ユーザによりニーズ登録スイッチが選択操作されたか否かに基づいて、入力欄に入力されたキーワードをニーズ登録するか否かを判定する(S112)。
【0063】
ここで、例えば、入力欄に「休憩」と入力された後、ユーザによりニーズ登録スイッチが選択操作されると、図4(c)に示すような施設登録画面を表示させる(S114)。この施設登録画面には、ニーズ登録するキーワードに対するジャンルリスト、ジャンルリストを選択するための上下スイッチ、登録完了を指示するための登録完了スイッチが選択可能に表示されている。ユーザは、ニーズ登録するキーワードに対して特定のジャンル名または特定の施設名を選択した後、登録完了スイッチを選択操作するようになっている。
【0064】
次に、登録完了スイッチが選択操作されたか否かに基づいてジャンルの登録が完了したか否かを判定する。
【0065】
例えば、ニーズ登録するキーワードとして「休憩」というに対して「道の駅」が選択され、登録完了スイッチが選択操作すると、「休憩」というキーワードに対して「道の駅」が登録される。更に、「ドライブイン」が選択され、登録完了スイッチが選択操作すると、「休憩」というキーワードに対して「ドライブイン」も登録される。このようにして、図4(c)に示すように、「休憩」というキーワードに対して「道の駅」と「ドライブイン」が登録される。このようにして、ユーザの要求に応じた複数の検索条件が情報記憶部11に記憶される。
【0066】
そして、ユーザにより登録完了スイッチが選択操作されると、図4(b)に示すニーズ登録画面表示に戻り、更に、ユーザにより完了スイッチが選択操作されると、S108の判定はYESとなり、図4(a)に示す初期設定画面表示に戻る。
【0067】
次に、優先設定、案内名称表示設定および案内指標表示設定が完了したか否かを判定する(S118)。ユーザは、図4(a)に示した初期設定画面にしたがって、優先設定、行き先案内名称表示、行き先案内指標表示の各種設定を行った後、交差点設定スイッチを選択操作するようになっている。
【0068】
優先設定は、後述する表示部に表示させる施設の優先順位の変更を有効(ON)にするか無効(OFF)にするかの設定である。行き先案内名称表示は、ジャンル名を表示するか施設名を表示するかの設定である。行き先案内指標表示は、行き先案内指標を距離とするか時間とするかの設定である。
【0069】
ここで、ユーザにより優先設定、行き先案内名称表示、行き先案内指標表示の各種設定が行われると、次に、交差点設定スイッチが選択操作されたか否かに基づいて交差点設定を実施するか否かを判定する(S120)。
【0070】
ここで、ユーザにより交差点設定スイッチが選択操作されると、S120の判定はYESとなり、次に、図4(d)に示すような交差点設定画面を表示させ、ユーザに交差点種類の選択を促す(S122)。この交差点設定画面に従って、行き先表示案内を行う交差点(特定交差点)の条件を選択するようになっている。この交差点設定画面には、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類したものが表示されている。例えば、国道×国道、国道×県道、国道×市町村道、県道×県道、県道×市町村道、市町村道×市町村道といったように、各種交差点種類が選択可能に表示されている。本実施形態では、複数の交差点種類が選択可能となっている。ユーザは、特定交差点の条件とする交差点種類を選択した後、交差点設定画面に表示された登録スイッチを選択するようになっている。
【0071】
S124では、ユーザにより交差点設定画面に表示された登録スイッチが選択操作されたか否かに基づいて交差点設定の登録が完了したか否かを判定する(S124)。
【0072】
ここで、ユーザにより交差点設定画面に表示された登録スイッチが選択操作されると、S124の判定はYESとなり、図4(a)に示した初期設定画面の表示に戻り、ユーザにより初期設定画面の完了スイッチが選択操作されると、S102の判定はYESとなり、本処理を終了する。
【0073】
上記したように、初期設定画面に従ってユーザによる検索条件の入力の受け付け、入力された検索条件が初期設定情報として情報記憶部11に記憶される。
【0074】
図5に、制御部14による行き先案内表示処理のフローチャートを示す。メニュー画面に従ってユーザ操作により行き先案内表示処理の開始が指示されると、制御部14は、図5に示す処理を実施する。
【0075】
まず、多目的行き先案内起動画面を表示する(S200)。本実施形態では、図6(a)に示すような地図表示画面上に、多目的行き先案内の開始を指示する複数のスイッチと優先設定を有効にするか無効にするかの設定を行うための優先設定スイッチを表示するようになっている。なお、多目的行き先案内の開始を指示するスイッチとしては、上記した初期設定処理により情報記憶部11に記憶された検索条件に基づく行き先案内表示の開始を指示する初期登録スイッチと、地図画面上から新たな検索条件を入力して、この検索条件に基づく行き先案内表示の開始を指示する調停スイッチがある。
【0076】
S202では、ユーザにより初期登録スイッチが選択操作されたか否かを判定し、S204では、ユーザにより調停スイッチが選択操作されたか否かを判定する。
【0077】
ここで、ユーザにより初期登録スイッチが選択操作された場合、S202の判定はYESとなり、次に、走行道路種別は設定道路か否かを判定する(S206)。ここで、設定道路は、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別をいう。具体的には、地図データを参照して車両が走行している道路種別を特定し、この道路種別が初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路の道路種別と一致するか否かを判定する。
【0078】
例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が市町村道を走行している場合、S206の判定はNOとなり、S200へ戻る。
【0079】
また、例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が県道を走行している場合には、S206の判定はYESとなり、地図データと車両の現在位置に基づいて、次の交差点は特定交差点か否かを判定する(S208)。
【0080】
ここで、次の交差点が特定交差点の条件に該当しない場合、S208の判定はNOとなり、S200へ戻る。
【0081】
例えば、次の交差点に接続された道路種別が国道×県道となっており、次の交差点が特定交差点の条件に該当する場合、S208の判定はYESとなり、次に、特定交差点を対象とした交差道路沿いの対象施設を検索する(S210)。具体的には、多目的案内機能用データベースを参照して、特定交差点の退出路毎に、この退出路の方面に存在し、かつ、情報記憶部11に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索する。
【0082】
例えば、ニーズ登録として「休憩」というニーズに対して、「道の駅」、「ドライブイン」の各ジャンルが登録されており、更に、「食事」というニーズに対して、「コンビニ」、「モール」、「ファーストフード」、「ドライブイン」の各ジャンルが登録されているような場合、特定交差点の退出路毎に、「休憩」と「食事」というニーズを満足する施設を検索する。
【0083】
次に、検索された各施設の評価指標値を計算する(S212)。本実施形態では、図4(a)に示した初期設定画面に表示された行き先案内指標表示スイッチについて距離または時間の選択が可能となっており、距離スイッチが選択された場合には、特定交差点からの距離を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出し、時間スイッチが選択された場合には、特定交差点からの所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出する。ここでは、距離スイッチが選択されたものとして説明する。具体的には、特定交差点と検索された各施設の距離を評価指標値として各施設の評価指標値を算出する。なお、特定交差点と検索された各施設の距離は、道なり距離が基本であるが、車両の走行先に存在する特定交差点の座標と検索された各施設の座標に基づいて直線距離として算出することもできる。
【0084】
次に、指標順に各施設に対して順位付けを行う(S214)。具体的には、算出した評価指標値の小さい順、すなわち、特定交差点からの距離の短い順となるように、検索された各施設に優先順位を付与する。
【0085】
次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の最良施設を表示する(S216)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最も小さい施設、すなわち、特定交差点からの距離の最も短い施設を行き先案内表示として表示させる施設として決定し、これらの各施設を含む行き先案内表示を表示部12に表示させる。
【0086】
図6(b)に、行き先案内表示の表示例を示す。この図に示すように、自車位置マークの先方に存在する特定交差点を起点として、この特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最良の施設が1つずつ強調表示される。なお、この行き先案内表示画面には、多目的案内の中止を指示するための多目的案内中止スイッチ、優先順位を1段階上げるためのアップ(UP)スイッチ、優先順位を1段階下げるためのダウン(DOWN)スイッチ、優先設定スイッチも表示される。
【0087】
この行き先案内表示により、左折すると「コンビニ」が3km(3キロメートル)先に存在し、直進すると「ファーストフード」が10km(10キロメートル)先に存在し、右折すると「モール」が2km(2キロメートル)先に存在することを一目で認識することができる。また、特定交差点の各退出路の方向を示すように行き先案内表示が表示されるので、より正確に各方面へ進んだ場合の各施設を認識することができる。
【0088】
S218では、ダウン(DOWN)スイッチが選択操作されたか否かを判定する。ここで、ユーザによりダウン(DOWN)スイッチが選択操作されると、S218の判定はYESとなり、次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の1つ悪い施設を表示する(S220)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、評価指標値の2番目に小さい施設、すなわち、特定交差点からの距離が2番目に短い施設を行き先案内表示として表示させる施設として決定し、これらの各施設を含む行き先案内表示を表示部12に表示させる。
【0089】
図6(c)に、ユーザによりダウン(DOWN)スイッチが選択操作された場合の表示例を示す。この図に示すように、特定交差点からの距離が2番目に短い施設が行き先案内表示として表示される。
【0090】
S222では、アップ(UP)スイッチが選択操作されたか否かを判定する。ここで、ユーザによりアップ(UP)スイッチが選択操作されると、S222の判定はYESとなり、次に、特定交差点を起点に道路毎に指標の1つ良い施設を表示する(S224)。具体的には、再度、特定交差点の退出路毎に、特定交差点からの距離が最も短い施設が行き先案内表示として表示される。すなわち、図6(b)に示した表示例と同様の行き先案内表示が表示される。
【0091】
したがって、ユーザのダウン(DOWN)スイッチの操作、あるいはユーザのアップ(UP)スイッチの操作に応じて行き先案内表示に表示される各施設が変更される。
【0092】
S226では、地図データを参照して車両の現在位置と特定交差点の位置情報に基づいて車両が特定交差点を通過したか否かを判定する(S226)。
【0093】
また、S228では、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定する。
【0094】
したがって、車両が特定交差点を通過すると、S226の判定はYESとなり、S206へ戻り、走行先に存在する新たな特定交差点に対して、上記した処理を繰り返し実施する。
【0095】
また、車両が特定交差点を通過することなく、また、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されていない場合、S226の判定はNO、S228の判定もNOとなり、S218へ戻る。
【0096】
また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザにより多目的案内中止スイッチが選択操作されると、S228の判定はYESとなり、行き先案内表示を中止し、S200へ戻る。
【0097】
図5の説明に戻り、図7(a)に示すような多目的行き先案内起動画面が表示された状態で、ユーザにより調停スイッチが選択操作されると、S208の判定はYESとなり、図8のBへ進み、次に、調停画面を表示する(S400)。本実施形態では、図7(b)に示すような調停画面を表示する。この調停画面には、五十音一覧、変換スイッチ、修正スイッチ、ニーズ登録スイッチ、登録完了スイッチが含まれている。ユーザは各スイッチを操作して、検索条件を入力し、検索条件を入力し終えるとニーズ登録スイッチを選択操作してニーズ登録を完了するようになっている。
【0098】
次に、登録完了スイッチが選択操作されたか否かを判定する(S402)。ここで、登録完了スイッチは選択操作されていない場合、S402の判定はNOとなり、S404へ進む。
【0099】
ユーザにより検索条件が入力され(S404)、ニーズ登録スイッチが選択操作されると、S406の判定はYESとなり、入力された検索条件がユーザニーズとして登録される(S408)。具体的には、ユーザにより「食事&うどん」というキーワードが入力され、ニーズ登録スイッチが選択操作されると、ユーザにより入力された「食事&うどん」がユーザニーズとして登録される。
【0100】
そして、図7(b)に示すような調停画面に表示された登録完了スイッチが選択操作されると、S402の判定はYESとなり、図5のCへ進む。以下、S206、S208、S210〜S228の処理を実施する。
【0101】
図7(c)に、この場合の行き先案内表示の表示例を示す。この図に示すように、自車位置マークの先方に存在する特定交差点を起点として、この特定交差点の退出路毎に、評価指標値の最良の施設が1つずつ強調表示される。
【0102】
次に、図9に従って、制御部14による優先設定処理について説明する。初期設定画面の設定において、優先設定がオンに設定された場合、図6(b)に示した行き先案内表示画面における優先設定スイッチが選択可能となる。図6(b)に示した表示画面に従って、ユーザにより優先設定スイッチが選択操作されると、制御部14は、図9に示す優先設定処理を開始する。
【0103】
まず、図6(d)に示すような優先設定画面を表示させ(S300)、この優先設定画面に従ってユーザにより特定のジャンルが選択操作されたか否かを判定する(S302)。
【0104】
ここで、ユーザにより特定のジャンルが選択操作されると、次に、案内対象施設を優先設定したジャンルに固定する(S304)。例えば、図6(b)に示した表示画面では、「食事」というジャンルの施設の行き先案内表示が表示されていたとしても、図6(d)に示すような優先設定画面に従って、ユーザにより「休憩」が選択操作されると、「休憩」というジャンルの施設を、特定交差点の退出路毎に検索し、「休憩」というジャンルの施設の行き先案内表示に変更する。この場合、図6(c)に示すような表示画面に切り替わる。
【0105】
なお、図6(c)には図示してないが、実際には、表示画面に優先設定解除スイッチを表示させ(S306)、次に、ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されたか否かを判定する。
【0106】
ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されない場合、S306の判定はNOとなり、S306へ戻る。また、ユーザにより優先設定解除スイッチが選択操作されると、S306の判定はYESとなり、優先設定画面を表示する前の画面表示を行い(S310)、本処理を終了する。
【0107】
このような優先設定により、走行中にユーザの要求が変わっても、簡単な操作でユーザの要求を満たす施設を検索し、行き先案内表示することが可能である。
【0108】
上記した構成によれば、ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させ、地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定し、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索し、特定交差点の退出路毎に、施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させるので、乗員の様々な要求に応えられる施設を好適に案内することができる。
【0109】
また、ユーザは、初期設定画面に従って検索条件を入力しておけば、検索を指示するための表示体に対する操作を行うだけで特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、初期設定情報として記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0110】
また、地図表示画面上に検索条件の入力を指示するための表示体が表示されるので、地図表示画面の表示中であっても、ユーザはこの検索条件の入力を指示するための表示体を操作して検索条件を入力することができる。また、地図表示画面上に検索を指示するための表示体が表示され、ユーザによる検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶させた検索条件の全てを満たす施設がそれぞれ検索されるので、簡単な操作で、容易に特定交差点の退出路毎に、検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0111】
また、特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標が算出され、この評価指標に基づいて特定交差点の退出路毎に施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位が付与され、この優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設が決定されるので、様々な評価指標に応じた行き先案内表示を行うことが可能である。
【0112】
また、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、優先順位の低い施設を非表示とし、特定交差点の退出路毎に、優先順位が最も高く付与された施設を表示させることができる。
【0113】
ところで、優先順位の最も高く付与された施設が、ユーザの要求に合った施設とは限らない。例えば、特定交差点からの距離が多少遠くてもユーザの要求に合った施設が存在する場合もある。
【0114】
しかし、ユーザによるアップ(UP)スイッチまたはダウン(DOWN)スイッチの操作に応じて表示部に表示させる施設の優先順位を変更し、ユーザ操作に応じて変更された優先順位の施設が行き先案内表示として表示させる施設として決定されるので、ユーザの要求に合った施設を行き先案内表示として表示させることが可能である。
【0115】
また、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、ユーザの希望する条件として特定交差点を決定することができる。
【0116】
また、車両の現在位置および地図データに基づいて車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点を決定し、決定した特定交差点が変更される毎に、施設検索が実施されるので、常時、車両の走行先の最も近くに存在する特定交差点に対して行き先案内表示を表示部に表示させることができる。
【0117】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、初期設定画面に表示された行き先案内指標表示スイッチについて距離または時間の選択が可能となっており、選択されたスイッチに応じて特定交差点からの距離または所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出したが、本実施形態では、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて情報記憶部11に記憶させ、情報記憶部11に記憶された階層を用いて、施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けしたユーザ満足度点数αを算出し、当該ユーザ満足度点数αに応じた評価指標を算出する。
【0118】
具体的には、ユーザの要求を、例えば、3階層に分け、重要度の高い順に、第1階層項目、第2階層項目、第3階層項目として受け付け、特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、満足度点数αを算出する。なお、第1階層項目にはユーザの必須要件、第2階層項目には、第1階層項目よりも重要度の低い付帯条件(希望的要件)、第3階層項目には、第2階層項目よりも重要度の低い付帯条件(希望的要件)を入力するようになっている。ここで、第1階層係数をa、第2階層係数をb、第3階層係数をcとし、第1階層変数をT1、第2階層変数をT2、第3階層変数をT3とすると、ユーザ一人当たりの満足度点数αは、以下の数式1により算出することができる。
【0119】
(数式1)
α=a×T1+b×T2+c×T3
ただし、第1階層変数T1は、第1階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第1階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第1階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となる。
【0120】
同様に、第2階層変数T2は、第2階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第2階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第2階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となり、第3階層変数T3は、第3階層項目として入力された検索条件と一致する場合に1、第3階層項目として入力された検索条件と一致しない場合または第3階層項目に検索条件が入力されていない場合は0となる。
【0121】
ここで、第1階層係数a=10、第2階層係数b=5、第3階層係数c=2とし、「食事」、「うどん」、「トイレ」、「土産」、「せんべい」の「要求を満たすドライブインが検索され、このドライブインと特定交差点の距離が10キロメートル(10km)となっているものとする。
【0122】
この場合、ユーザ1により第1階層項目に「食事」が入力され、第2階層項目に「うどん」が入力された場合、このユーザ1の満足度点数α1は、α1=10×1+5×1=15となる。
【0123】
また、ユーザ2により第1階層項目に「トイレ」が入力され、第2階層項目に「3キロメートル(3km)」が入力された場合、このユーザ2の満足度点数α2は、α2=10×1+5×0=10となる。
【0124】
また、ユーザ3により第1階層項目に「土産」が入力され、第2階層項目に「せんべい」が入力された場合、このユーザ3の満足度点数α3は、α3=10×1+5×1=15となる。
【0125】
したがって、ユーザ満足度点数の合計α=α1+α2+α3=15+10+15=40として算出することができる。
【0126】
本実施形態では、このユーザ満足度点数の合計αの逆数を評価指標値とする。したがって、この場合のドライブインの評価指標値は1/α=1/40=0.025となる。
【0127】
このようにして、特定交差点の退出路毎に、検索された各施設の評価指標値を算出し、この評価指標値に基づいて特定交差点の退出路毎に、検索された各施設に対する優先順位を付与し、特定交差点の退出路毎に、付与された優先順位に基づいて行き先案内表示として表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を表示部に表示させることができる。
【0128】
上記した構成によれば、ユーザ毎に複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、複数の検索条件の各々と階層を対応付けて記憶媒体に記憶させ、評価指標算出手段は、記憶手段に複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された階層を用いて施設検索手段により特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を評価指標として算出することもできる。
【0129】
なお、本実施形態では、ユーザの要求の重要度に応じて3階層に分けて受け付けたが、3階層に限定されるものではなく、2階層としてもよく、また、4階層以上としてもよい。
【0130】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係るナビゲーション装置の構成は、図1に示したものと同じである。なお、上記実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。上記第1実施形態では、ユーザが複数の検索条件を直接入力するようになっているため検索条件の入力操作が煩雑である。そこで、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を情報記憶部11に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設ジャンルとともに当該施設ジャンルに立ち寄った状況を情報記憶部11に記憶させる施設ジャンル記憶処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索するとともに、更に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に情報記憶部11に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索する。そして、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0131】
図10に、施設ジャンル記憶処理のフローチャートを示す。運転者の操作に応じて車両のイグニッションスイッチがオンすると動作状態となり、本ナビゲーション装置1が動作状態になると、制御部14は、図3に示した初期設定処理等と平行して図10に示す処理を開始する。
【0132】
まず、経路設定があるか否かを判定する(S500)具体的には、ユーザの目的地検索指示に応じて目的地、経由地等を決定し、ユーザの経路探索指示に応じて出発地から目的地に至る案内経路が探索されているか否かに基づいて経路設定があるか否かを判定する。
【0133】
ここで、案内経路が探索されている場合、S500の判定はYESとなり、次に、出発地、経由地、目的地とともに、経由地および目的地として設定された施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させる(S502)。具体的には、経由地および目的地として設定された施設および施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させる。例えば、「金閣寺」が目的地として選択操作された場合、「金閣寺」という施設名と「観光施設」という施設ジャンルを情報記憶部11に記憶させ、S504へ進む。なお、案内経路が探索されていない場合、S500の判定はNOとなり、S502を実施することなく、S500の判定を繰り返し実施する。
【0134】
S504では、立ち寄り施設があるか否かを判定する。本実施形態では、予め地点登録された自宅位置を車両が出発してから自宅へ戻るまでの一連の走行軌跡を収集して情報記憶部11に記憶させるようになっており、この情報記憶部11に記憶された走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設を特定する。
【0135】
ここで、走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設が特定されない場合、S504の判定はNOとなり、S500へ戻る。また、走行軌跡に基づいて車両が立ち寄った施設が特定された場合には、S504の判定はYESとなり、次に、立ち寄り施設についての情報を収集する(S506)。具体的には、立ち寄り施設、この施設の施設ジャンルとともに、この施設のエリア情報、時刻・時間情報、走行情報、気候情報等の関連情報を収集する。
【0136】
なお、エリア情報には、立ち寄った施設の行政区域(例えば、市区町村)が含まれ、時刻・時間情報には、年月日情報、立ち寄った施設へ到着した到着時刻、立ち寄った施設を出発した出発時刻、滞在時間、立ち寄った施設に到着するまでの連続走行時間、自宅を出発してからの経過時間が含まれる。また、走行情報には、立ち寄った施設に出入りする道路に関する道路種別(例えば、市町村道、県道、国道、高速道路)、平均速度情報、渋滞情報(例えば、渋滞、混雑、混雑なし)が含まれ、気候情報には、外気温、天候(例えば、晴れ、くもり、雨、雪)が含まれる。
【0137】
次に、S506にて収集した各情報を情報記憶部11に記憶させ、S500へ戻る。上記した処理を、車両が自宅位置へ戻るまで繰り返し実施し、自宅を出発してから自宅へ戻るまでを1つの旅程として情報記憶部11に記憶させる。
【0138】
本実施形態における制御部14は、図5に示した行き先案内表示処理と並行して、図11に示す処理を実施する。
【0139】
この処理では、まず、図11のS206にて図5のS206と同様に、走行中の道路の走行道路種別が設定道路か否かを判定する(S206)。ここで、設定道路は、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別をいう。具体的には、地図データを参照して車両が走行している道路種別を特定し、この道路種別が初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路の道路種別と一致するか否かを判定する。例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が市町村道を走行している場合、図11のS206の判定はNOとなり、S206の判定を繰り返し実施する。
【0140】
また、例えば、初期設定処理にて選択された特定交差点に接続されている道路種別が、国道×国道、国道×県道、県道×県道となっており、車両が県道を走行している場合には、S206の判定はYESとなり、地図データと車両の現在位置に基づいて、次の交差点は特定交差点か否かを判定する(S208)。
【0141】
ここで、次の交差点が特定交差点の条件に該当しない場合、S208の判定はNOとなり、S206へ戻る。
【0142】
また、例えば、次の交差点に接続された道路種別が国道×県道となっており、次の交差点が特定交差点の条件に該当する場合には、S208の判定はYESとなり、次に、特定交差点を対象とした交差道路沿いの対象施設を検索する(S210)。具体的には、図10に示した施設ジャンル記憶処理により情報記憶部11に記憶された情報を参照して、特定交差点の退出路毎に、この退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルの検索を行う。
【0143】
ここで、過去に、目的地として金閣寺が選択操作され、2時間30分連続走行した後に、「京都市」に存在する「回転寿司」を施設ジャンルとする「寿司のくるくる・京都店」に12時〜13時に立ち寄ったことがあり、情報記憶部11に、「目的地」として「金閣寺」が選択操作され、この施設の「エリア情報」が「京都市」、この施設への「到着時刻」が「12時」、この施設の「出発時刻」が「13時」、「自宅を出発してからの経過時間」が「2時間30分」となっている1つの旅程が記憶されているものとする。
【0144】
また、現在の旅程において「目的地」として「清水寺」が選択操作され、車両の現在位置が「京都市」にあり、「現在時刻」が「12時」となっており、「自宅を出発してからの経過時間」が「2時間」となっているものとする。
【0145】
ここでは、現在の状況と、過去に施設ジャンルの選択操作が行われた状況とを比較して合致するものがあるか否かを判定し、合致するものがある場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に情報記憶部11に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索を行う。
【0146】
本実施形態では、現在の状況および過去の状況の合致を判定するための情報の内容を比較することにより現在の状況と過去の状況が合致するか否かを判定する。ここでは、目的地、エリア情報、時刻、連続走行時間のうち、2項目以上が一致する場合、現在の状況と過去の状況が合致すると判定するものとする。
【0147】
したがって、上記した例のように、現在の状況と過去の状況とで、「エリア情報」が「京都市」で一致しており、更に、「現在の時刻」が12時で、過去に「回転寿司」を施設ジャンルとする施設に立ち寄った時間帯に含まれるような場合には、現在の状況と過去の状況が合致すると判定する。
【0148】
この場合、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンル、すなわち、「回転寿司」を施設ジャンルとした検索が実施される。
【0149】
次に、S210にて検索された施設を表示する(S217)。具体的には、特定交差点の退出路毎に、S210にて検索された施設を行き先案内表示とした表示を行う。したがって、S210にて「回転寿司」を施設ジャンルとして、ある回転寿司店が検索されると、この回転寿司店を行き先とした行き先案内表示が表示される。このように、ユーザが「回転寿司」を施設ジャンルとして選択操作することなく、過去に立ち寄った施設に基づいて「回転寿司」を施設ジャンルとして検索が行われ、検索された施設が行き先案内表示の行き先として表示される。
【0150】
次に、地図データを参照して車両の現在位置と特定交差点の位置情報に基づいて車両が特定交差点を通過したか否かを判定する(S226)。ここで、車両が特定交差点を通過すると、S226の判定はYESとなり、S206へ戻り、走行先に存在する新たな特定交差点に対して、上記した処理を繰り返し実施する。また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定する(S228)。
【0151】
ここで、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されていない場合、S226の判定はNO、S228の判定もNOとなり、S217へ戻る。
【0152】
また、車両が特定交差点を通過する前に、ユーザにより多目的案内中止スイッチが選択操作されると、S228の判定はYESとなり、行き先案内表示を中止し、S206へ戻る。
【0153】
上記したように、ユーザの操作を必要とすることなく、施設検索を実施して検索された施設を好適に案内できるようになっている。
【0154】
なお、本実施形態では、目的地、エリア情報、時刻、連続走行時間のうち、2項目以上が一致する場合、現在の状況と過去の状況が合致すると判定するものとしたが、例えば、1項目以上が一致する場合、あるいは、3項目以上が一致する場合等、予め定められた基準数以上が一致する場合に、現在の状況と過去の状況が合致すると判定しても良い。また、現在の状況および過去の状況の合致を判定するための情報の内容を比較することにより現在の状況と過去の状況が合致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0155】
また、項目の一致の判定においては、完全一致を条件とすることもできるが、ある程度類似していれば一致と判定するようにしてもよい。たとえば過去に記憶された「目的地」項目において、「金閣寺」と現在の目的地である「清水寺」とは「寺院」というジャンル内(すなわち類似)のため、両者は完全一致ではないが、類似しているために一致と判定する。一方、「金閣寺」と「大阪府庁」では一致と判定しない。また、たとえば過去に記憶された「施設への立ち寄り時間帯」項目において、「12時〜13時」と現在の時刻である11時30分とは異なるものの、ほぼ近い(所定時間、30分以内の幅に収まっている)ため、一致と判定する。一方、10時や14時などは一致と判定しないといったようにすることができる。これらを総合的に見て、いくつの項目において現在と過去の状況が合致しているかを判定することができる。
【0156】
また、本実施形態で示した行き先案内表示機能を実施する前に、ユーザに上記行き先案内表示機能を実施することを確認する画面を表示させ、ユーザによる了解が得られた場合に、上記行き先案内表示機能を実施するようにしてもよい。
【0157】
また、本実施形態では、S226にて、ユーザによる多目的案内中止スイッチが選択操作されたか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定したが、現在の状況と過去の状況の合致判断が成立しなくなったか否かに基づいて案内を中止するか否かを判定するようにしてもよい。
【0158】
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合と、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合に、各施設ジャンルとその状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施したが、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索し、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0159】
(第5実施形態)
上記第3実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合と、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合に、各施設ジャンルとその状況を情報記憶部11に記憶させる処理を実施したが、本実施形態では、予め定められた状況下で施設ジャンルへの立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設ジャンルとともに当該施設ジャンルに立ち寄った状況を情報記憶部11に記憶させる施設ジャンル記憶処理を実施する。そして、車両走行時に、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設ジャンルを検索条件として検索し、検索された各施設を、特定交差点の退出路毎に表した行き先案内表示を表示部に表示させる。
【0160】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、特定交差点からの距離を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出したが、例えば、特定交差点からの所要時間を評価指標値として、検索された各施設の評価指標値を算出してもよい。この場合、特定交差点からの所要時間は、特定交差点からの距離を予め特定された車速で除算することにより算出することができる。
【0161】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、必ずしも検索された施設を1つずつ表示させる必要はなく、特定交差点の退出路毎に、検索された複数の施設を表示さるようにしてもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設をそれぞれ検索したが、必ずしも記憶媒体に記憶された検索条件の全てを満たす施設を検索する必要はなく、特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、記憶媒体に記憶された検索条件を満たす施設をそれぞれ検索するようにしてもよい。
【0163】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、ユーザ操作により選択された特定の退出路についてのみ、行き先案内表示を行うようにしてもよい。
【0164】
また、上記実施形態では、特定交差点の退出路毎に、検索された施設を1つずつ表示させたが、例えば、検索された全ての施設、すなわち、表示すべき全ての施設が既に地図画面に含まれている場合、行き先案内表示を非表示としてもよい。
【0165】
また、施設の名称またはジャンル、評価指標、方向を示すための表示(例えば、矢印)は、2D表示としてもよく、3D表示としてもよい。また、ユーザ操作に応じて切り替え可能とするようにしてもよい。
【0166】
また、上記実施形態では、情報記憶部11に格納された多目的案内機能用データベースを参照して施設検索を実施したが、無線通信部13を介して通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして施設の検索を実施するようにしてもよい。
【0167】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S114、S116、S408が検索条件記憶手段に相当し、情報記憶部11が記憶媒体に相当し、S208が特定交差点決定手段に相当し、S210が施設検索手段に相当し、S216が行き先案内表示手段に相当し、S212が評価指標算出手段に相当し、S214が優先順位付与手段に相当し、図6(b)、(c)、図7(c)のアップ(UP)スイッチおよびダウン(DOWN)スイッチが優先順位変更手段に相当し、位置検出部10より入力される現在位置を特定するための情報に基づいて車両の現在位置を特定する現在位置特定処理が現在位置特定手段に相当し、無線通信部13が通信手段に相当し、S500、S502が第1の記憶処理手段に相当し、S504〜S508が第2の記憶処理手段に相当し、S500〜S508が記憶処理手段に相当する。
【符号の説明】
【0168】
1 ナビゲーション装置
10 位置検出器
11 情報記憶部
12 表示部
13 無線通信部
14 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させる検索条件記憶手段と、
地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定する特定交差点決定手段と、
前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記記憶媒体に記憶された前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索する施設検索手段と、
前記特定交差点の退出路毎に、前記施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記検索条件記憶手段は、前記検索条件を入力するための初期設定画面を前記表示部に表示させ、ユーザによる前記検索条件の入力の受け付け、前記入力された検索条件を初期設定情報として前記記憶媒体に記憶させ、
前記施設検索手段は、前記表示部に前記検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記初期設定情報として前記記憶媒体に記憶させた前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記検索条件記憶手段は、地図表示画面上に前記検索条件の入力を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索条件の入力を指示するための表示体に対する操作に応じて前記検索条件の入力の受け付け、当該入力された検索条件を前記記憶媒体に記憶させ、
前記施設検索手段は、前記地図表示画面上に前記検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記記憶媒体に記憶させた前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記施設検索手段により前記特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標を算出する評価指標算出手段と、
前記指標算出手段により算出された前記評価指標に基づいて前記特定交差点の退出路毎に前記施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位を付与する優先順位付与手段と、を備え、
前記行き先案内表示手段は、前記特定交差点の退出路毎に、前記優先順位付与手段によって付与された優先順位に基づいて前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記評価指標算出手段は、前記特定交差点からの距離を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記評価指標算出手段は、前記特定交差点からの所要時間を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記検索条件記憶手段は、ユーザ毎に前記複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、前記複数の検索条件の各々と階層を対応付けて前記記憶媒体に記憶させ、
前記評価指標算出手段は、前記記憶手段に前記複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された前記階層を用いて前記施設検索手段により前記特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記行き先案内表示手段は、前記優先順位付与手段により前記優先順位が最も高く付与された施設を前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定することを特徴とする請求項4ないし7いずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示させる施設の優先順位を変更する優先順位変更手段を備え、
前記行き先案内表示手段は、前記優先順位変更手段により変更された優先順位の前記施設を前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により検索された前記施設の名称またはジャンルとともに、前記評価指標算出手段により算出された前記評価指標を含む前記行き先案内表示を行うことを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記行き先案内表示手段は、前記特定交差点の各退出路の方向を示すように前記行き先案内表示を行うことを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記特定交差点決定手段は、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、前記ユーザの希望する条件として前記特定交差点を決定することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、
前記特定交差点決定手段は、前記現在位置特定手段により特定された前記車両の現在位置および前記地図データに基づいて前記車両の走行先の最も近くに存在する前記特定交差点を決定し、
前記施設検索手段は、前記特定交差点決定手段により決定された前記特定交差点が変更される毎に、前記施設検索を実施することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により検索された全ての施設が前記表示部に表示された地図画面に含まれる場合、前記行き先案内表示を非表示とすることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
通信ネットワークに無線接続するための通信手段を備え、
前記施設検索手段は、前記通信手段を介して前記通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして前記施設の検索を実施することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を前記記憶媒体に記憶させる第1の記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記第1の記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を前記記憶媒体に記憶させる処理を行う第2の記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記第2の記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を前記記憶手段に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を前記記憶媒体に記憶させる処理を行う記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に前記記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記記憶媒体に記憶された状況の情報は、複数の項目に分類されており、
前記施設検索手段は、現在の状況の情報が、当該複数の項目のうち、予め定められた基準数以上の項目において、前記記憶媒体に記憶された状況の情報と合致する場合に、両者が合致すると判定すること、を特徴とする請求項17ないし19のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
ユーザの要求に応じた複数の検索条件の入力の受け付けを可能とし、入力された検索条件を記憶媒体に記憶させる検索条件記憶手段と、
地図データに基づいて、ユーザの希望する条件に該当する特定交差点を決定する特定交差点決定手段と、
前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記記憶媒体に記憶された前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索する施設検索手段と、
前記特定交差点の退出路毎に、前記施設検索手段により検索された各施設を表した行き先案内表示を表示部に表示させる行き先案内表示手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記検索条件記憶手段は、前記検索条件を入力するための初期設定画面を前記表示部に表示させ、ユーザによる前記検索条件の入力の受け付け、前記入力された検索条件を初期設定情報として前記記憶媒体に記憶させ、
前記施設検索手段は、前記表示部に前記検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記初期設定情報として前記記憶媒体に記憶させた前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記検索条件記憶手段は、地図表示画面上に前記検索条件の入力を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索条件の入力を指示するための表示体に対する操作に応じて前記検索条件の入力の受け付け、当該入力された検索条件を前記記憶媒体に記憶させ、
前記施設検索手段は、前記地図表示画面上に前記検索を指示するための表示体を表示させ、ユーザによる前記検索を指示するための表示体に対する操作があった場合、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、前記記憶媒体に記憶させた前記検索条件を満たす施設をそれぞれ検索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記施設検索手段により前記特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、予め定められた条件に基づく評価指標を算出する評価指標算出手段と、
前記指標算出手段により算出された前記評価指標に基づいて前記特定交差点の退出路毎に前記施設検索手段により検索された各施設に対する優先順位を付与する優先順位付与手段と、を備え、
前記行き先案内表示手段は、前記特定交差点の退出路毎に、前記優先順位付与手段によって付与された優先順位に基づいて前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定し、当該決定した施設を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記評価指標算出手段は、前記特定交差点からの距離を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記評価指標算出手段は、前記特定交差点からの所要時間を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記検索条件記憶手段は、ユーザ毎に前記複数の検索条件の各々について、ユーザの要求の重要度に応じて階層化して受け付け、前記複数の検索条件の各々と階層を対応付けて前記記憶媒体に記憶させ、
前記評価指標算出手段は、前記記憶手段に前記複数の検索条件の各々と対応付けて記憶された前記階層を用いて前記施設検索手段により前記特定交差点の退出路毎に検索された各施設に対し、各ユーザの重要度に応じて重み付けした満足度指数を算出し、当該満足度指数を前記評価指標として前記評価指標を算出することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記行き先案内表示手段は、前記優先順位付与手段により前記優先順位が最も高く付与された施設を前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定することを特徴とする請求項4ないし7いずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示させる施設の優先順位を変更する優先順位変更手段を備え、
前記行き先案内表示手段は、前記優先順位変更手段により変更された優先順位の前記施設を前記行き先案内表示として前記表示部に表示させる施設を決定することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により検索された前記施設の名称またはジャンルとともに、前記評価指標算出手段により算出された前記評価指標を含む前記行き先案内表示を行うことを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記行き先案内表示手段は、前記特定交差点の各退出路の方向を示すように前記行き先案内表示を行うことを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により1つの退出路に対して複数の施設が検索された場合、ユーザ操作により選択された1つの施設を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記特定交差点決定手段は、交差点に接続された道路の種別に従って交差点種類を分類して示した画面をユーザに提示し、当該画面に従ってユーザ操作により指定された交差点種類を、前記ユーザの希望する条件として前記特定交差点を決定することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段を備え、
前記特定交差点決定手段は、前記現在位置特定手段により特定された前記車両の現在位置および前記地図データに基づいて前記車両の走行先の最も近くに存在する前記特定交差点を決定し、
前記施設検索手段は、前記特定交差点決定手段により決定された前記特定交差点が変更される毎に、前記施設検索を実施することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記行き先案内表示手段は、前記施設検索手段により検索された全ての施設が前記表示部に表示された地図画面に含まれる場合、前記行き先案内表示を非表示とすることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
通信ネットワークに無線接続するための通信手段を備え、
前記施設検索手段は、前記通信手段を介して前記通信ネットワークに接続された情報センタのサーバに備えられたデータベースにアクセスして前記施設の検索を実施することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を前記記憶媒体に記憶させる第1の記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記第1の記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に選択操作された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を前記記憶媒体に記憶させる処理を行う第2の記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記第2の記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に立ち寄った施設の施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
予め定められた状況下で施設ジャンルが選択操作されたことを判定した場合、当該選択操作された施設ジャンルとともに当該施設ジャンルが選択操作された状況を前記記憶手段に記憶させるとともに、予め定められた状況下で施設へ立ち寄ったことを判定した場合、当該立ち寄った施設の施設ジャンルとともに当該施設に立ち寄った状況を前記記憶媒体に記憶させる処理を行う記憶処理手段を備え、
前記施設検索手段は、前記記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された状況と、現在の状況を比較して、それらが合致するか否かを判定し、両者が合致する場合、更に、前記特定交差点の退出路毎に、当該退出路の方面に存在し、かつ、現在の状況と合致する状況下で過去に前記記憶処理手段により前記記憶媒体に記憶された施設ジャンルを検索条件として検索することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記記憶媒体に記憶された状況の情報は、複数の項目に分類されており、
前記施設検索手段は、現在の状況の情報が、当該複数の項目のうち、予め定められた基準数以上の項目において、前記記憶媒体に記憶された状況の情報と合致する場合に、両者が合致すると判定すること、を特徴とする請求項17ないし19のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−209263(P2011−209263A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183081(P2010−183081)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]