説明

ナビゲーション装置

【課題】長時間の利用が可能な地点を容易に検索することができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】利用可能時間算出手段28により、地点検索手段19によって検出された地点の利用可能時間を、利用時間情報記憶手段11に記憶された当該地点の利用時間情報と、所要時間算出手段26が算出した当該地点までの所要時間と、現在の時刻とに基づいて算出し、リスト表示手段20により、当該地点のリストを、算出された利用可能時間が長い表示順に表示すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、地点の検索によって検出された地点のリストを表示するのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置においては、ナビゲーションの目的地の候補となる施設や店舗等の地点を、そのジャンル(種別)を特定するジャンル検索等の種々の検索方法によって検索し、検出された地点のリストを、当該地点を目的地に設定可能な表示態様で表示部に表示することが行われていた。
【0003】
また、この種のナビゲーション装置の中には、検出された施設または店舗を確実に利用できるようにするために、営業時間内に到達することができる施設/店舗を検索するもの(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)や、検出された施設/店舗への到着予想時刻が当該施設/店舗の営業時間内であるかを示す情報をリストに含めて表示するものもあった(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−337361号公報
【特許文献2】特開2005−315660号公報
【特許文献3】特開2008−2819号公報
【特許文献4】特開2002−98539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来は、地点検索によって検出された地点のリストは、該当する地点までの自車位置からの距離または所要時間が短い表示順に表示されることが一般的であった。
【0006】
このようなリストの表示方法によれば、自車位置からの距離または所要時間が短い地点をリストの先頭(最上位)側に表示させることによって当該地点を容易に検索したいといったユーザの希望に応えることは可能であった。
【0007】
しかしながら、ユーザの希望は、常に距離や所要時間が有利な地点を容易に検索することだけに限定されるものではなく、例えば、地点を利用可能な時間(換言すれば、滞在可能時間)に重点をおいた検索を容易に行うことを希望する場合もある。
【0008】
この点、特許文献1乃至4においては、営業時間内の地点を検索することはできるものの、その地点を営業時間内においてどれだけの時間利用し得るのかを判断してリスト上での表示順を決定することまではできなかった。
【0009】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、長時間の利用が可能な地点を容易に検索することができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、地点に関する所定の情報が記憶された地点情報記憶手段と、この地点情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記地点を検索する地点検索手段と、この地点検索手段によって検出された前記地点のリストを表示部に表示するリスト表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、前記地点の利用時間を示す利用時間情報が記憶された利用時間情報記憶手段と、自車の現在位置から前記検出された地点までの所要時間を算出する所要時間算出手段と、前記利用時間情報記憶手段に記憶された前記利用時間情報、前記所要時間算出手段によって算出された前記所要時間および現在の時刻に基づいて、ユーザが前記検出された地点を前記利用時間内において利用可能とみなされる利用可能時間を算出する利用可能時間算出手段とを備え、前記リスト表示手段は、前記リストを、該当する前記地点についての前記利用可能時間算出手段によって算出された前記利用可能時間が長い表示順にすることを特徴としている。
【0011】
そして、このような構成によれば、地点のリストを当該地点の利用可能時間が長い表示順に表示することができるので、長時間の利用が可能な地点を容易に検索することができる。
【0012】
また、前記リスト表示手段は、前記リストを、前記算出された利用可能時間を含めた表示態様で表示してもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、利用可能時間をリストに含めて表示することによって、利用可能時間を具体的に把握することができるとともに、リストの表示順が利用可能時間の長い順であることを一目で把握することができるので、利便性を向上させることができるとともに、利用可能時間の長い順にリストを表示する場合における表示内容に対する信頼性を高めることができる。
【0014】
さらに、前記所要時間は、交通情報が加味された時間であってもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、リストの表示順を交通情報を加味して算出された正確な利用可能時間に基づいて決定することができるので、信頼性が高いリスト表示を行うことができる。
【0016】
さらにまた、前記地点検索手段によって検出された複数の前記地点についての前記算出された利用可能時間が互いに一致する場合には、前記リスト表示手段は、当該各地点のリストを、自車の現在位置から当該各地点までの距離が短い順または当該各地点までの所要時間が短い順に表示してもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、利用可能時間だけでは表示順の優劣が決しない場合には、距離または所要時間に基づいて、より有利な地点をリストの先頭側に表示することができるので、利便性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、長時間の利用が可能な地点を容易に検索することができるナビゲーション装置を提供すること。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示す構成図
【図2】図1のナビゲーション装置のブロック図
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、利用可能時間優先表示の一例を示す模式図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0021】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたGPSレシーバ3、自律航法センサ4、操作部5、表示部としてのディスプレイ6およびスピーカ7とによって構成されている。
【0023】
ここで、GPSレシーバ3は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。
【0024】
また、自律航法センサ4は、自車の車速、加速度(角速度)および自車方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。この自律航法センサ4は、車速センサやジャイロセンサ等からなるものであってもよい。
【0025】
さらに、操作部5は、操作内容に応じた操作信号をナビゲーションメインユニット2に入力することによって、ナビゲーション装置1に対する種々の操作を行うことが可能とされている。この操作部5は、リモコン、ディスプレイ6のタッチパネル、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダまたは音声入力用のマイクロホン等であってもよい。
【0026】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット2は、システムバス8にそれぞれ接続されたナビCPU10、ハードディスクドライブ(HDD)11、フラッシュメモリ12、RAM14、ユーザインターフェース(I/F)15、画像インターフェース(I/F)16および音声インターフェース(I/F)17を有している。
【0027】
ここで、ナビCPU10は、自車位置検出機能、地図表示機能、経路探索機能、経路誘導機能および検索機能等のナビゲーション装置1の各種の機能を実行するようになっている。
【0028】
また、ハードディスクドライブ11には、地図データが記憶されており、この地図データには、道路データ、背景データおよび経路計算データ(換言すれば、道路ネットワークデータ)が含まれている。これらのうち、道路データは、道路地図の表示等に用いられるようになっており、リンク、ノード、形状補間点、セグメント、道路名称および交通看板等を基本データ要素としている。また、背景データは、河川や緑地等の背景地図の表示等に用いられるようになっており、点、ポリライン、ポリゴンおよびテキスト等を基本データ要素としている。さらに、経路計算データは、経路計算に用いられるようになっており、ノード、リンクおよび通行条件等を基本データ要素としている。
【0029】
さらに、ハードディスクドライブ11は、地点情報記憶手段として機能し、地点に関する所定の情報としての検索データを、地図データの一部として記憶するようになっている。当該検索データは、ナビゲーションの目的地の候補等の地点の検索に用いられるようになっており、エリア名称、住所、郵便番号およびPOI(Points Of Interest)の属性(名称、ジャンル、住所および位置等)を示すPOI情報等を基本データ要素としている。検索データにおける同一の地点を特定するデータ要素同士は互いに対応付けられている。
【0030】
さらにまた、ハードディスクドライブ11は、利用時間情報記憶手段としても機能し、地点の利用時間を示す利用時間情報を、POIの属性としてのPOIの利用時間を示す情報として、POI情報の一部に含めて記憶するようになっている。なお、利用時間は、施設の利用時間や店舗の営業時間等の地点ごとに定めらた当該地点を利用可能な最長時間である。
【0031】
また、ハードディスクドライブ11には、ナビCPU10の実行プログラムが記憶されている。
【0032】
さらに、フラッシュメモリ12には、ナビゲーション装置1の起動とともにナビCPU10によってハードディスクドライブ11から読み出されたナビCPU10の実行プログラムが格納されるようになっており、この格納された実行プログラムがナビCPU10によって適宜実行されることによって、ナビゲーション装置1の各種の機能が適宜実行されるようになっている。
【0033】
さらにまた、RAM14は、ナビCPU10による処理結果等の各種のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0034】
また、ユーザインターフェース15、画像インターフェース16および音声インターフェース17には、操作部5、ディスプレイ6およびスピーカ7がそれぞれ接続されている。
【0035】
次に、ナビCPU10について更に詳述すると、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての自車位置算出部18を有しており、この自車位置算出部18には、GPSレシーバ3から出力されたGPS情報および自律航法センサ4から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部18は、GPSレシーバ3側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(測位)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部18は、自律航法センサ4側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部18は、ハードディスクドライブ11に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって検出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部18は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0036】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、地点検索手段としての目的地検索部19を有している。この目的地検索部19は、目的地の候補となる地点(以下、目的地候補地点と称する)を検索するための検索方法を指定可能とされた操作画面(以下、検索方法指定画面と称する)をディスプレイ6に表示するようになっている。
【0037】
ここで、検索方法の1つには、検索データにおけるPOIのジャンル(種別)データに基づいて目的地候補地点を検索するジャンル検索が含まれている。また、この他にも、検索方法には、ユーザによって過去に登録された地点の履歴情報に基づいて目的地候補地点を検索する履歴検索が含まれていてもよい。このような履歴検索を採用する場合には、履歴情報を記憶する記憶部(例えば、RAM14)が地点情報記憶手段として機能することになる。なお、登録された地点には、目的地に設定された地点や経由地に設定された地点が含まれていてもよい。また、地点の登録は、ナビCPU10が、地点の登録を行うための操作画面をディスプレイ6に表示した上で、この操作画面に対する操作部5の操作にしたがって実行すればよい。さらに、これらの他にも、検索方法には、検索データにおける地点の住所データに基づいて目的地候補地点を検索する住所検索、検索データにおける地点の電話番号データに基づいて目的地候補地点を検索する電話番号検索または検索データにおける地点の名称データに基づいて目的地を検索する50音検索等が含まれていてもよい。
【0038】
そして、目的地検索部19は、表示した検索方法指定画面に対する操作部5を用いた操作によって指定された検索方法を用いて目的地候補地点を検索するようになっている。
【0039】
さらに、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、リスト表示手段としてのリスト表示処理部20を有している。このリスト表示処理部20は、目的地検索部19によって検出された目的地候補地点のリストをディスプレイ6に表示するようになっている。このとき、リスト表示処理部20は、当該リストを、これに該当する目的地候補地点を択一的に目的地に設定するための操作部5を用いた操作(以下、目的地設定操作と称する)が可能な表示態様で表示するようになっている。
【0040】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての目的地設定部21を有している。この目的地設定部21は、リスト表示処理部20によって表示された目的地候補地点を、目的地設定操作を待って目的地に設定するようになっている。
【0041】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部22を有している。この経路探索部22は、ハードディスクドライブ11に記憶された地図データにおける経路計算データに基づいて、自車位置算出部18によって算出された自車位置から目的地設定部21によって設定された目的地までの予め設定された経路探索条件に応じた最適経路を探索するようになっている。経路探索条件は、デフォルトで設定される場合もあるし、ユーザが操作部5を用いた入力操作によって設定する場合もある。そして、経路探索部22は、探索された最適経路を、ディスプレイ6への表示によって誘導経路の候補としてユーザに提示するようになっている。
【0042】
さらに、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部23を有している。この経路誘導部23は、経路探索部22によって提示された最適経路を誘導経路に設定するための操作部5を用いた入力操作が行われると、この最適経路を誘導経路に設定するようになっている。誘導経路の設定は、誘導経路に関する情報、例えばリンクおよび目的地等をRAM14等に保存することによって行うようにしてもよい。そして、経路誘導部23は、誘導経路の設定の後に、設定された誘導経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。経路誘導は、交差点拡大図をディスプレイ6に表示することや、スピーカ7を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行われるようになっている。
【0043】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしてのリスト表示方法設定部25を有している。このリスト表示方法設定部25は、リスト表示処理部20によって表示すべきリストの表示方法をデフォルトまたは操作部5の操作にしたがって設定するようになっている。
【0044】
本実施形態において、リストの表示方法の1つには、リストを、これに該当する目的地候補地点の利用可能時間が長い表示順にリストの先頭(最上位)から順次表示する表示方法(以下、利用可能時間優先表示と称する)が含まれている。ここで、利用可能時間とは、ユーザが目的地候補地点をこれに対応する前記利用時間内において利用可能とみなされる時間のことである。また、その他の表示方法には、リストを、これに該当する目的地候補地点までの自車位置からの距離が短い表示順に先頭から表示する表示方法(以下、距離優先表示と称する)が含まれていてもよい。さらに、その他の表示方法には、リストを、これに該当する目的地候補地点までの所要時間が短い表示順に先頭から表示する表示方法(以下、所要時間優先表示と称する)が含まれていてもよい。
【0045】
また、リスト表示方法設定部25がいずれの表示方法をデフォルト設定するかについては、コンセプトに応じて好適な方法を選択すればよい。また、操作部5を用いた表示方法の設定は、例えば、現在設定されている表示方法によって表示されているリスト画面上に、他の表示方法への移行を指示するための操作ボタンを表示し、この操作ボタンの操作を待って行うようにしてもよい。
【0046】
そして、リスト表示処理部20は、このようにしてリスト表示方法設定部25によって設定された表示順にしたがって、目的地検索部19によって検出された目的地候補地点のリストを表示するようになっている。
【0047】
そのためのより具体的な手段として、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、所要時間算出手段としての所要時間算出部26を有している。この所要時間算出部26は、自車位置算出部18によって算出された自車位置から目的地検索部19によって検出された目的地候補地点までの所要時間を算出するようになっている。ここで、所要時間算出部26は、経路探索部22に目的地候補地点まで最短時間で到達できる最適経路を探索させた上で、探索された当該最適経路を構成する各リンクのリンク長や通行条件(例えば、制限速度)等に基づいて所要時間を算出してもよい。また、ビーコン受信機やFM多重レシーバ等の不図示の交通情報受信機をナビCPU10に接続する場合には、所要時間算出部26は、経路探索部22に目的地候補地点まで最短時間で到達できる最適経路を当該交通情報受信機によって受信されたVICS情報(VICSは登録商標)等の交通情報を加味して探索させた上で、探索された当該最適経路を構成する各リンクのリンク旅行時間に基づいて所要時間を算出してもよい。この場合、所要時間が交通情報を加味した時間となることは言うまでもない。
【0048】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての現在時刻取得部27を有している。この現在時刻取得部27は、GPS情報やラジオ放送における時報等に基づいて、現在の時刻を取得するようになっている。
【0049】
さらに、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、利用可能時間算出手段としての利用可能時間算出部28を有している。この利用可能時間算出部28は、ハードディスクドライブ11に記憶されている利用時間情報と、所要時間算出部26によって算出された所要時間と、目的地候補地点の検出時に現在時刻取得部27によって取得された現在の時刻とに基づいて、目的地検索部19によって検出された目的地候補地点の利用可能時間を算出するようになっている。
【0050】
具体的には、利用可能時間は、現在時刻取得部27によって取得された現在の時刻に所要時間算出部26によって算出された所要時間を加えた時刻(換言すれば、目的地候補地点への到着予想時刻)を、ハードディスクドライブ11に記憶された目的地候補地点の利用時間の最終時刻から減じた時刻であってもよい。この場合には、例えば、目的地候補地点の利用時間が午前11時〜午後8時、現在の時刻が午後5時、所要時間が30分であるとすると、利用可能時間は2時間30分となる。なお、目的地候補地点が、利用可能時間の上限が定められている店舗や施設の場合には、利用可能時間の算出に当該上限を考慮すればよい。
【0051】
そして、リスト表示処理部20は、リスト表示方法設定部25によって利用可能時間優先表示が設定された場合には、利用可能時間算出部28の算出結果に基づいて利用可能時間優先表示を行うようになっている。
【0052】
これにより、ディスプレイ6には、例えば、図3のリスト画面30に示すように、ジャンル検索等によって検出された3件の店舗A〜Cのうち、所要時間が最短ではないが、利用可能時間が最長の店舗Aがリストの先頭(最上位)に表示されることになる。なお、図3に示すように、リスト画面30には、店舗名以外にも、利用可能時間、営業時間、所要時間および検索時刻(すなわち、現在の時刻)が含まれていてもよい。
【0053】
なお、目的地検索部19によって検出された複数の目的地候補地点の利用可能時間が互いに一致する場合には、他の表示方法に基づく表示順を加味した利用可能時間優先表示を行えばよい。例えば、利用可能時間が一致する2つの目的地候補地点のうち、距離および/または所要時間が短い一方の目的地候補地点をリストの先頭に表示すればよい。
【0054】
また、リスト表示方法設定部25によって距離優先表示が設定された場合には、リスト表示処理部20は、前述した目的地候補地点まで最短時間で到達できる最適経路のリンク長に基づいて自車位置から目的地候補地点までの距離を算出し、算出された距離が短い順にリストを表示すればよい。
【0055】
さらに、リスト表示方法設定部25によって所要時間優先表示が設定された場合には、リスト表示処理部20は、所要時間算出部26によって算出された所要時間が短い順にリストを表示すればよい。
【0056】
次に、本実施形態の作用について図4を参照して説明する。
【0057】
なお、図4においては、リスト表示方法設定部25によって利用可能時間優先表示がデフォルト設定されているものとする。
【0058】
そして、本実施形態においては、まず、図4のステップ1(ST1)において、目的地検索部19により、目的地候補地点の検索方法が指定されたか否かを判定する。そして、ステップ1(ST1)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ1(ST1)を繰り返す。
【0059】
次いで、ステップ2(ST2)において、目的地検索部19により、ステップ1(ST1)において指定されたと判定された検索方法にしたがって目的地候補地点を検索する。
【0060】
次いで、ステップ3(ST3)において、リスト表示処理部20により、ステップ2(ST2)において目的地候補地点が検出されたか否かを判定する。そして、ステップ3(ST3)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ4(ST4)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0061】
次いで、ステップ4(ST4)において、現在時刻取得部27によって現在の時刻を取得するとともに、利用可能時間算出部28により、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点に対応する利用時間情報をハードディスクドライブ11から取得する。
【0062】
次いで、ステップ5(ST5)において、所要時間算出部26により、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点までの所要時間を算出する。
【0063】
次いで、ステップ6(ST6)において、利用可能時間算出部28により、ステップ4(ST4)において取得された現在の時刻および利用時間情報と、ステップ5(ST5)において算出された所要時間とに基づいて、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点の利用可能時間を算出する。
【0064】
次いで、ステップ7(ST7)において、リスト表示処理部20により、ステップ6(ST6)において算出された利用可能時間に基づいて、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点についてのリスト上での表示順すなわち利用可能時間優先表示における表示順を決定する。このとき、リスト表示処理部20は、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点についての距離優先表示における表示順および所要時間優先表示における表示順も併せて決定してもよい。なお、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点が1件のみの場合には、利用可能時間等の表示方法ごとの条件を考慮せずに直ちに当該目的地候補地点をリストの先頭と決定すればよい。
【0065】
次いで、ステップ8(ST8)において、リスト表示処理部20により、ステップ2(ST2)において検出された目的地候補地点のリストをステップ7(ST7)において決定された表示順にしたがって表示(利用可能時間優先表示)して処理を終了する。
【0066】
このとき、ステップ4(ST4)で取得された現在の時刻および利用時間と、ステップ5(ST5)において算出された所要時間と、ステップ6(ST6)において算出された利用可能時間とを、目的地候補地点の名称とともにリスト上に表示してもよい。
【0067】
また、このとき、利用可能時間優先表示を、所要時間優先表示または距離優先表示に移行するための操作が可能な表示態様で行い、ステップ8(ST8)以後に当該操作が行われた場合には、当該操作に応じた他の表示方法によるリスト表示に移行すればよい。
【0068】
以上述べたように、本実施形態によれば、リスト表示処理部20により、目的地検索部19によって検出された目的地候補地点のリストを、利用可能時間算出部28によって算出された当該目的地候補地点の利用可能時間が長い表示順に表示することができるので、長時間の利用が可能な目的地候補地点を容易に検索することができる。
【0069】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0070】
例えば、本発明は、地点のリストとして、目的地候補地点のリストに限らず、ナビゲーションの経由地の候補となる地点(経由地候補地点)を検索して検索結果をリスト表示する場合等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ナビゲーション装置
11 ハードディスクドライブ
19 目的地検索部
20 リスト表示処理部
26 所要時間算出部
28 利用可能時間算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地点に関する所定の情報が記憶された地点情報記憶手段と、
この地点情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて前記地点を検索する地点検索手段と、
この地点検索手段によって検出された前記地点のリストを表示部に表示するリスト表示手段と
を備えたナビゲーション装置であって、
前記地点の利用時間を示す利用時間情報が記憶された利用時間情報記憶手段と、
前記検出された地点までの所要時間を算出する所要時間算出手段と、
前記利用時間情報記憶手段に記憶された前記利用時間情報、前記所要時間算出手段によって算出された前記所要時間および現在の時刻に基づいて、ユーザが前記検出された地点を前記利用時間内において利用可能とみなされる利用可能時間を算出する利用可能時間算出手段と
を備え、
前記リスト表示手段は、前記リストを、該当する前記地点についての前記利用可能時間算出手段によって算出された前記利用可能時間が長い表示順に表示すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記リスト表示手段は、前記リストを、前記算出された利用可能時間を含めた表示態様で表示すること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記所要時間は、交通情報が加味された時間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地点検索手段によって検出された複数の前記地点についての前記算出された利用可能時間が互いに一致する場合には、前記リスト表示手段は、当該各地点のリストを、自車の現在位置から当該各地点までの距離が短い順または当該各地点までの所要時間が短い順に表示すること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−257297(P2011−257297A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132883(P2010−132883)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】