説明

ナビゲーション装置

【課題】独自の経由地(休憩地点)を設定するシーケンスを実行することにより、長時間連続運転を防止するナビゲーション装置を提供することである。
【解決手段】目的地及び/又は経由地までの経路を誘導するナビゲーション装置10において、所定時間を超えて連続で運転している状態である長時間連続運転か否かを判別する連続運転警告部30を備え、長時間連続運転であると判別した場合、自動的に付近の休憩可能な施設を休憩地点として経由地に設定し、該休憩地点までの経路を誘導する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長時間連続運転を防止するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において、従来から音や表示によって警告することで長時間連続運転を防止する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、運転者の操作によって基準運転時間の変更と警告手段の選択が可能になっており、車両の継続した運転時間が基準運転時間以上になったときに、選択された警告手段によって休憩を促す警告を行う長時間運転警告装置が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、エンジンが起動していて運転者が座席に着席しているか、走行距離が増加しているか、フットブレーキを使用中であるか、タコメータの値がアイドリング状態の値よりも大であるか、速度は0よりも大であるかの少なくとも1つの条件が成立しているか否かを検知する検知部を有し、1つ以上の条件が成立している場合のみの運転時間を計測する計測部と、計測部の値を閾値と比較する比較部と、比較部において計測部の値が閾値を超えたと判断したときに表示部を駆動制御する制御部とを備えるように構成した運転時間表示装置が開示されている。
【0004】
また特許文献3には、車速信号から車両が走行中か停車中かを判定して走行中の時間をカウントし、その走行時間が休憩に相当する停車時間を除いた一定時間を超えたときには長時間連続運転中であるとして警告を発するように構成した連続運転警告装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−260368号公報
【特許文献2】特開平5−124454号公報
【特許文献3】特開平5−67263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの技術は単に長時間連続運転を警告するのみであり、警告後の具体的な回避策を提示するものではない。したがって、運転者によってはこれらの警告を無視したり、警告に気付かなかったりして、過労運転や居眠り運転という自体を引き起こすという問題がある。
【0007】
本発明は、独自の経由地(休憩地点)を設定するシーケンスを実行することにより、長時間連続運転を防止するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、目的地及び/又は経由地までの経路を誘導するナビゲーション装置において、所定時間を超えて連続で運転している状態である長時間連続運転か否かを判別する連続運転警告部を備え、長時間連続運転であると判別した場合、自動的に付近の休憩可能な施設を休憩地点として経由地に設定し、該休憩地点までの経路を誘導することを特徴とする。
【0009】
この構成によると、長時間連続運転である場合に、付近の休憩地点へ誘導することができる。
【0010】
上記のナビゲーション装置において、前記休憩地点が無視されたと判断した場合、自動的に新たな休憩地点を経由地に設定し、該新たな休憩地点までの経路を誘導することが好ましい。
【0011】
この構成によると、提示した休憩地点に停車しなかった場合でも、次の休憩地点に誘導することができる。
【0012】
また上記のナビゲーション装置において、具体的に、前記休憩地点が無視されたとする判断基準は、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して再探索する処理を所定回数実行した場合、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して前記休憩地点から所定距離以上遠ざかった場合、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して許容時間以上復帰しない場合、前記休憩地点で停車せずに通過した場合の何れかに基づくこととすればよい。
【0013】
また上記のナビゲーション装置において、目的地が設定されていない場合、前記新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設も含めて検索することが望ましい。目的地が設定されていない場合を想定しているので、休憩地点を無視した理由としては、休憩地点が運転者の希望に添わなかったわけではなく、休憩地点が走行する経路上になかったと考えられるからである。
【0014】
また上記のナビゲーション装置において、目的地が設定されている場合、休憩地点及び新たな休憩地点は、目的地までの誘導経路上の休憩可能な施設とし、前記新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設を除いて検索することが望ましい。目的地が設定されている場合を想定しているので、休憩地点を無視した理由としては、休憩地点が運転者の希望に添わなかったと考えられるからである。
【0015】
また上記のナビゲーション装置において、前記所定時間の計測は、一定時間以上停車した場合にリセットすることが望ましい。直ぐにリセットしてしまうと十分な休憩をとっていないことも想定されるからである。
【0016】
また上記のナビゲーション装置において、前記連続運転警告部が前記所定時間未満で且つ規定時間を超えて連続で運転している状態であると判別した場合、休憩を促すようにしてもよい。
【0017】
この構成によると、長時間連続運転になる前に運転者に注意でき、休憩を促すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、長時間連続運転である場合に付近の休憩地点へ誘導するので、従来の警告するだけの場合よりも確実に長時間連続運転を防止することができる。その結果、過労運転や居眠り運転を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の他のナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図3】目的地が設定されていない場合の本発明のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】目的地が設定されている場合の本発明のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明のナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両搭載用であって、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した電波に基づいて車両位置を特定し、車両位置とともにその付近の地図が示された誘導画面を表示して、誘導経路に沿って車両を目的地及び/又は経由地まで誘導することを主たる機能としている。
【0021】
ナビゲーション装置10は、GPS部11と、ジャイロセンサ12と、車速センサ13と、インターフェース部14と、制御部15と、記録媒体19と、ドライブ部20と、描画部21と、表示制御部22と、表示部23と、音源回路部24と、スピーカ25と、ハードキー26と、タッチパネル27と、位置検出部28と、インターフェース部29と、連続運転警告部30とを備えている。
【0022】
GPS部11は、受信アンテナ及びチューナ等で構成されており、GPS衛星から受信した電波を処理して測位用データを取り出す。取り出された測位用データは、インターフェース部14を介して制御部15に送られる。制御部15は、GPS部11から送られた測位用データに基づいて車両の現在地を特定する。ナビゲーション装置10は、所謂ハイブリッド方式を採用しており、車両の向きを検知するためのジャイロセンサ12と、車両の速度を検知するための車速センサ13も併用する。ジャイロセンサ12や車速センサ13の検知信号はインターフェース部14を介して制御部15に送られ、制御部15はそれらの信号に基づいて車両の向きや速度を特定する。
【0023】
また、制御部15は、ナビゲーション装置10の制御を統括的に行うとともに、車両位置の特定や経路探索等の各種動作及び処理を実行する。制御部15は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、制御や動作の手順が記述された各種プログラムを実行するCPU16と、CPU16で使用されるデータや、後述する記録媒体19から読み出されてCPU16で実行されるプログラムを一時的に記憶するRAM17と、立ち上げや入出力等に関する基本的な制御を記述したプログラムやフォントデータ等を記憶するROM18とを含んでいる。これらCPU16、RAM17、ROM18等は、バス(不図示)を介して接続されている。
【0024】
記録媒体19には、ハードディスク、メモリーカード、光ディスク等を採用できる。記録媒体19には、誘導画面の表示や経路探索などに必要となる地図データベースと、ナビゲーション装置10の各種動作を記述したプログラムとが格納されている。そして、制御部15は、記録媒体19からドライブ部20を介してこのプログラムを読み出して実行する。地図データベースには、道路、施設、背景等の情報を含む地図データ、地図データに基づいて地図や誘導画面を描画する際に参照される描画パラメータ、各種検索にて参照される索引データ、経路誘導用やその他の用途の音声の生成に使用される音声データ等が含まれている。そして、制御部15は、実行する動作に必要なデータを地図データベースから部分的に取り出して参照する。
【0025】
描画部21は、描画専用のCPU等を含むICチップであって、制御部15からの指示に基づいて、誘導画面の画像データや操作画面の画像データ等を作成する。描画部21で作成された画像データは、表示制御部22に送られ、表示制御部22が有するRAMに記憶される。表示制御部22は、記憶した画像データに基づいて表示部23に画像表示用の信号を送り、表示部23の表示領域に画像データに係る画面を表示させる。表示部23には、LCDや有機ELディスプレイなどが用いられる。
【0026】
音源回路部24は、制御部15から送られた音声データに基づいて、経路誘導用やその他の用途のアナログ音声信号を生成する。生成されたアナログ音声信号は、スピーカ25で再生される。
【0027】
ハードキー26は、電源のオン/オフをする電源キーや音量調整用のキー等を含んでいる。ハードキー26を構成するキーの1つが押下されると、そのキーの押下を通知する信号がインターフェース部29を介して制御部15に送られる。
【0028】
タッチパネル27は、例えば、格子状に配置された透明な電極を有する感圧式のパネルであって、表示部23の表示領域上に配設される。タッチパネル27が押下されると、位置検出部28は、タッチパネル27から送られた電圧信号に基づいて、押下された位置の座標情報を通知する信号を生成する。この信号は、インターフェース部29を介して制御部15に送られる。
【0029】
連続運転警告部30は、連続運転警告専用のCPU等を含むICチップであって、GPS部11やジャイロセンサ12や車速センサ13などからの情報を基に、所定時間Bを超えて連続で運転している状態である長時間連続運転か否かを判別し、制御部15に出力する。また、所定時間B未満で且つ規定時間Aを超えて連続で運転している状態であるか否かも判別し、制御部に出力する。これらの出力に基づいて制御部15が休憩を促すように制御する。
【0030】
ここで所定時間Bは、過労運転や居眠り運転に繋がる時間を目安に設計すればよく、例えば2時間とすることができる。また規定時間Aは、例えば1.5時間とすることができる。なお、所定時間Bの計測は、一定時間C以上停車した場合にリセットする。ここで一定時間Cは、信号や渋滞などで停止している時間を含まないように、例えば5分とすることができる。
【0031】
図2は、本発明の他のナビゲーション装置の主要な構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置40が図1のナビゲーション装置10と異なる点は、ネットワークに接続できる点である。以下では図1と異なる構成についてのみ説明し、図1と同じ構成については同符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0032】
ナビゲーション装置40は、インターフェース部41を備えている。そして、インターフェース部41はインターネットなどのネットワーク42に接続されている。この構成により、ネットワーク42を介して最新の地図データなどを取り込むことができる。また、ソフトウェアやファームウェアのアップデートも行うことができる。
【0033】
次に、長時間連続運転を防止する動作について、ナビゲーション装置10を用いて説明する。以下では、目的地が設定されていない場合と、目的地が設定されている場合とに分けて説明する。
【0034】
図3は、目的地が設定されていない場合のナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。ナビゲーション装置10は起動するとステップS10において、今、運転状態であるか否かを判別する。運転状態とは、運転者が車を運転中の状態を指し、その判断方法としては、例えば、車速が0より大きいか、フットブレーキを使用しているかの何れかの状態であれば、運転状態であると判別すればよい。なお、車速が0より大きいか否かという判別に代えて、走行距離が増加しているか、又は現在地が移動しているかという判別を採用することもできる。
【0035】
ステップS10において運転状態であると判別した場合、ステップS11へ進んで運転状態の継続時間を計測するため、計時を開始する。そして、ステップS12へ進んで計測中の時間tが規定時間Aを超えたか否かを判別する。
【0036】
ステップS12においてt≦Aであれば、まだ休憩を促す必要はないと判断し、次にステップS23へ進んで一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS22へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS10に戻る。一方、ステップS23において一定時間C以上停車していないならば、ステップS12に戻るサイクルを繰り返す。
【0037】
そして、ステップS12においてt>Aになれば、長時間連続運転の一歩手前の状態であると判断し、休憩を促す。これには、「休憩してください」などのメッセージを表示部23に表示させたり、スピーカ25から音声出力したりすればよい。
【0038】
その後、ステップS14へ進んで計測中の時間tが所定時間Bを超えたか否かを判別する。ステップS14においてt≦Bであれば、まだ長時間連続運転ではないと判断し、次にステップS24へ進んで一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、運転者がステップS13での注意にしたがって休憩しており一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS22へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS10に戻る。一方、ステップS24において一定時間C以上停車していないならば、ステップS14に戻るサイクルを繰り返す。
【0039】
そして、ステップS14においてt>Bになれば、長時間連続運転であると判断し、ステップS15へ進んで現在地付近の休憩可能な施設を検索し、その1つを休憩地点として経由地に設定し、ステップS16へ進んで該休憩地点までの経路を誘導する。
【0040】
ここで休憩可能な施設とは、パーキングエリア、喫茶店、コンビニエンスストア、ファストフード店などの種別の施設を指す。検索した候補の中からどれを休憩地点に設定するかは、例えば、全ての種別の中で現在地から最も近い施設としたり、ユーザが予め休憩地点とする施設の種別の優先度を設定しておき、優先度の高い種別の中で現在地から最も近い施設としたりすることができる。
【0041】
ステップS16からはステップS17へ進んで、休憩地点までの誘導が無視されたか否かを判別する。休憩地点が無視されたとする判断基準は、休憩地点までの誘導経路を逸脱して再探索する処理(ステップS16の経路誘導に含まれる)を所定回数実行した場合、休憩地点までの誘導経路を逸脱して休憩地点から所定距離(例えば100m)以上遠ざかった場合、休憩地点までの誘導経路を逸脱して許容時間(例えば5分)以上復帰しない場合、休憩地点で停車せずに通過した場合などに基づけばよい。
【0042】
ステップS17において休憩地点が無視されたと判断した場合、ステップS18へ進んで現在地付近の新たな休憩可能な施設を検索し、その1つを新たな休憩地点として経由地に設定し、ステップS19へ進んでこの新たな休憩地点までの経路を誘導する。本実施形態は目的地が設定されていない場合を想定しているので、休憩地点を無視した理由としては、休憩地点が運転者の希望に添わなかったわけではなく、休憩地点が走行する経路上になかったと考えられる。したがって、ステップS18において新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設も含めて検索する。但し、ステップS18において新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設を除いて検索するようにしても問題はない。
【0043】
ステップS17で休憩地点が無視されたと判断していない場合、又はステップS19からは、ステップS20へ進んで(新たな)休憩地点に到着したか否かを判別する。そしてまだ到着していなければ、ステップS17に戻り、一方、休憩地点に到着した場合はステップS21へ進む。このように、ステップS15〜ステップS20の動作により、長時間連続運転している場合には付近の休憩地点まで誘導する。
【0044】
ステップS21では、一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS22へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS10に戻る。一方、ステップS21において一定時間C以上停車していないならば、休憩していないと判断し、ステップS18に戻り、再び新たに休憩地点を検索する。
【0045】
図4は、目的地が設定されている場合のナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。ナビゲーション装置10は、目的地が入力されると、ステップS30において目的地まで経路誘導を開始する。続いて、ステップS31へ進んで、運転状態であるか否かを判別する。運転状態の判断方法は上記と同様に行うことができる。
【0046】
ステップS31において運転状態であると判別した場合、ステップS32へ進んで運転状態の継続時間を計測するため、計時を開始する。そして、ステップS33へ進んで計測中の時間tが規定時間Aを超えたか否かを判別する。
【0047】
ステップS33においてt≦Aであれば、まだ休憩を促す必要はないと判断し、次にステップS44へ進んで一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS43へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS31に戻る。一方、ステップS44において一定時間C以上停車していないならば、ステップS45へ進んで目的地に到着したか否かを判別する。目的地に到着すれば処理を終了し、目的地に到着していなければステップS33に戻るサイクルを繰り返す。
【0048】
そして、ステップS33においてt>Aになれば、長時間連続運転の一歩手前の状態であると判断し、休憩を促す。これには、「休憩してください」などのメッセージを表示部23に表示させたり、スピーカ25から音声出力したりすればよい。
【0049】
その後、ステップS35へ進んで計測中の時間tが所定時間Bを超えたか否かを判別する。ステップS35においてt≦Bであれば、まだ長時間連続運転ではないと判断し、次にステップS46へ進んで一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、運転者がステップS34での注意にしたがって休憩しており一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS43へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS31に戻る。
【0050】
一方、ステップS46において一定時間C以上停車していないならば、ステップS47へ進んで目的地に到着したか否かを判別する。目的地に到着すれば処理を終了し、目的地に到着していなければステップS35に戻るサイクルを繰り返す。
【0051】
そして、ステップS35においてt>Bになれば、長時間連続運転であると判断し、ステップS36へ進んで目的地までの誘導経路上であって現在地付近の休憩可能な施設を検索し、その1つを休憩地点として経由地に設定し、ステップS37へ進んで該休憩地点までの経路を誘導する。
【0052】
ここで休憩可能な施設とは、パーキングエリア、喫茶店、コンビニエンスストア、ファストフード店などの種別の施設を指す。検索した候補の中からどれを休憩地点に設定するかは、例えば、全ての種別の中で目的地までの誘導経路上にあって現在地から最も近い施設としたり、ユーザが予め休憩地点とする施設の種別の優先度を設定しておき、優先度の高い種別の中で目的地までの誘導経路上にあって現在地から最も近い施設としたりすることができる。
【0053】
なお、ステップS36においては、必ずしも目的地までの誘導経路上から休憩地点を設定しなくてもよく、多少の迂回経路上の休憩地点を設定してもよい。これは、現在地付近の誘導経路上に休憩可能な施設がない場合に有効である。
【0054】
ステップS37からはステップS38へ進んで、休憩地点までの誘導が無視されたか否かを判別する。休憩地点が無視されたとする判断基準は、休憩地点までの誘導経路を逸脱して再探索する処理(ステップS37の経路誘導に含まれる)を所定回数実行した場合、休憩地点までの誘導経路を逸脱して休憩地点から所定距離(例えば100m)以上遠ざかった場合、休憩地点までの誘導経路を逸脱して許容時間(例えば5分)以上復帰しない場合、休憩地点で停車せずに通過した場合などに基づけばよい。
【0055】
特に、目的地までの誘導経路上に休憩地点を設定した場合は、誘導経路から外れる可能性は低いので、休憩地点で停車せずに通過した場合を休憩地点が無視されたと判断する基準にすることが好ましい。
【0056】
ステップS38において休憩地点が無視されたと判断した場合、ステップS39へ進んで目的地までの誘導経路上であって現在地付近の新たな休憩可能な施設を検索し、その1つを新たな休憩地点として経由地に設定し、ステップS40へ進んでこの新たな休憩地点までの経路を誘導する。目的地までの誘導経路上に休憩地点を設定した場合、休憩地点を無視した理由としては、休憩地点が運転者の希望に添わなかったからだと考えられる。したがって、ステップS39において新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設を除いて検索する。但し、ステップS39において新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設を含めて検索するようにしても問題はない。
【0057】
ステップS38で休憩地点が無視されたと判断していない場合、又はステップS40からは、ステップS41へ進んで(新たな)休憩地点に到着したか否かを判別する。そしてまだ到着していなければ、ステップS48へ進んで目的地に到着したか否かを判別する。目的地に到着すれば処理を終了し、目的地に到着していなければステップS38に戻る。
【0058】
一方、ステップS41において休憩地点に到着した場合はステップS42へ進む。このように、ステップS36〜ステップS41の動作により、長時間連続運転している場合には付近の休憩地点まで誘導する。
【0059】
ステップS42では、一定時間C以上停車しているか否かを判別する。もし、一定時間C以上停車しているならば、休憩したと判断し、ステップS43へ進んで計時を終了(リセット)し、ステップS31に戻る。一方、ステップS42において一定時間C以上停車していないならば、休憩していないと判断し、ステップS39に戻り、再び新たに休憩地点を検索する。
【0060】
なお、図3のステップS12、ステップS13、ステップS23、図4のステップS33、ステップS34、ステップS44、ステップS45の処理は省略してもよい。この場合、長時間連続運転の一歩手前の状態で休憩を促す動作が省略される。
【0061】
また、図3のステップS21、図4のステップS42の処理は省略してもよい。その場合、休憩地点に到着した時点で休憩したと判断し、計時を終了(リセット)する。
【0062】
また本発明において、休憩地点の設定は、ナビゲーション装置で自動的に設定する代わりに、表示部23にいくつかの休憩地点の候補を地図上にアイコンで1画面又は分割画面で表示したり候補の名称の一覧を表示したりして運転者が所望の地点を選択可能にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、車載用のポータブル型又は固定型のナビゲーション装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10、40 ナビゲーション装置
30 連続運転警告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地及び/又は経由地までの経路を誘導するナビゲーション装置において、
所定時間を超えて連続で運転している状態である長時間連続運転か否かを判別する連続運転警告部を備え、
長時間連続運転であると判別した場合、自動的に付近の休憩可能な施設を休憩地点として経由地に設定し、該休憩地点までの経路を誘導することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記休憩地点が無視されたと判断した場合、自動的に新たな休憩地点を経由地に設定し、該新たな休憩地点までの経路を誘導することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記休憩地点が無視されたとする判断基準は、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して再探索する処理を所定回数実行した場合、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して前記休憩地点から所定距離以上遠ざかった場合、前記休憩地点までの誘導経路を逸脱して許容時間以上復帰しない場合、前記休憩地点で停車せずに通過した場合の何れかに基づくことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
目的地が設定されていない場合、
前記新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設も含めて検索することを特徴とする請求項2又は3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
目的地が設定されている場合、
休憩地点及び新たな休憩地点は、目的地までの誘導経路上の休憩可能な施設とし、
前記新たな休憩地点は、それまでの休憩地点と同じ種別の施設を除いて検索することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記所定時間の計測は、一定時間以上停車した場合にリセットすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記連続運転警告部が前記所定時間未満で且つ規定時間を超えて連続で運転している状態であると判別した場合、
休憩を促すことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−52979(P2011−52979A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199509(P2009−199509)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】