説明

ナビゲーション装置

【課題】撮像機能とナビゲーション機能との間で高度な連携を図ること。
【解決手段】画像情報取得部が、デジタルカメラから画像情報を取得し、表示制御部が、画像情報に含まれる位置情報に基づき、画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像へ重畳して所定のディスプレイへ表示させ、経路設定部が、表示部へ表示された撮像画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる撮像画像に対応する画像情報に含まれる位置情報を目的地とした経路設定を行うように車載装置(ナビゲーション装置)を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば撮像装置によって撮像された画像を表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムの普及に伴い、車両には、ナビゲーション機能を有する車載装置(ナビゲーション装置)が搭載される場合が多くなってきた。また、近年では、車載装置の多機能化も進んでおり、他装置との連携機能を有する車載装置も開発されている。さらに、車両への持ち込みも可能な携帯型ナビゲーション装置や携帯電話内蔵型ナビゲーション装置、さらには携帯端末機や携帯電話機にナビゲーションプログラムをダウンロードしてナビゲーション機能を実現する装置も普及しつつある。
【0003】
たとえば、特許文献1には、デジタルカメラと連携する車載装置が記載されている。具体的には、デジタルカメラと接続すると、かかるデジタルカメラから画像情報を取り込み、取り込んだ画像情報に対応する指示画像を画像情報に含まれる位置情報に基づいて地図画像へ重畳表示させる。
【0004】
そして、地図画像へ重畳させた指示画像のうちの何れかが選択された場合に、選択された指示画像に対応する撮像画像をディスプレイへ表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−289650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、撮像装置によって撮像された画像を表示する従来の車載装置(ナビゲーション装置)は、単に撮像画像に対応する指示画像を地図画像へ重畳させるまでに留まっており、表示装置としての機能しか有していなかった。尚、携帯型ナビゲーション装置でも同様である。
【0007】
開示の技術は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、撮像機能とナビゲーション機能との間で高度な連携を図ることができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示するナビゲーション装置は、一つの態様において、地図画像を表示するナビゲーション装置であって、外部接続装置から画像情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された画像情報に含まれる位置情報に基づき、前記画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を前記地図画像へ重畳してディスプレイへ表示させる表示制御手段と、前記ディスプレイへ表示された指示画像に対する所定の操作に基づき、当該指示画像に対応する位置情報を目的地とした経路設定を行う経路設定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示するナビゲーション装置の一つの態様によれば、撮像機能とナビゲーション機能との間で高度な連携を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明に係るナビゲーション手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、表示制御部の動作例(その1)を示す図である。
【図4】図4は、表示制御部の動作例(その2)を示す図である。
【図5】図5は、経路設定処理の一例を示す図である。
【図6】図6は、経路設定処理の他の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例1に係る車載装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例2に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、実施例2に係る表示制御部の動作例を示す図である。
【図10】図10は、実施例3に係る車載システムの構成例を示す図である。
【図11】図11は、指示画像の絞り込み処理の一例を示す図である。
【図12】図12は、携帯端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るナビゲーション装置の実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明の一実施形態に係るナビゲーション手法の概要について図1を用いて説明する。なお、実施例で説明するナビゲーション装置は、少なくともナビゲーション機能を有していれば、車両に搭載される車載装置であってもよいし、可搬型の携帯端末(たとえば、PND、携帯電話、携帯型表示端末など)であってもよい。
【0012】
図1は、本実施形態に係るナビゲーション手法の概要を示す図である。なお、図1には、一例として、ナビゲーション装置として機能する車載装置(以降、車載装置と記載する)が外部接続装置の一つであるデジタルカメラから画像情報を取得する場合の例を示している。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るナビゲーション手法では、車載装置が、たとえばデジタルカメラなどの撮像装置と接続し、接続した撮像装置から画像情報を取得する(図1の(1)参照)。ここで、近年では、GPS(Global Positioning System)などの測位機能を有するデジタルカメラが普及しつつある。この種のデジタルカメラは、撮像を行った場合に、撮像場所の位置情報を測位機能によって取得して画像情報へ付加する。すなわち、画像情報には、撮像場所の位置情報が含まれることとなる。
【0014】
車載装置は、撮像装置から画像情報を取得すると、取得した画像情報に含まれる位置情報に基づいて、かかる画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を、地図画像の対応する位置へ重畳表示させる(図1の(2)参照)。以下では、地図画像に対して指示画像を重畳させた画像を「地図アルバム画像」と呼ぶこととする。
【0015】
なお、図1の(2)では、ピンの形状を模した画像を指示画像の一例として示したが、これに限らず、指示画像は、撮像画像の縮小画像(サムネイル画像)などであってもよい。また、図1の(2)では、地図アルバム画像の一例として、日本全域の地図画像に対して指示画像を重畳させた地図アルバム画像を示したが、これに限らず、地図アルバム画像は、たとえば、取得した画像情報に含まれる位置情報が集中している地域に関しては拡大表示した地図画像に対して指示画像を重畳させたものであってもよい。また、車載装置が搭載されている車両の現在位置から所定の範囲に含まれる地図画像に対して指示画像を重畳させたものであってもよい。
【0016】
つづいて、車載装置は、図1の(2)に示した地図アルバム画像中の指示画像に対する所定の操作がなされた場合、たとえば、指示画像へのタッチ操作がなされた場合には、かかる指示画像に対応する撮像画像をディスプレイへ表示させる(図1の(3)参照)。
【0017】
また、図1の(3)では、指示画像に対応する撮像画像をディスプレイの表示範囲全体に表示させる構成を記載したが、これに限らず、ディスプレイの表示範囲のうちの一部分に表示させる構成であってもよいし、指示画像が配置されている位置から所定のサイズ(例えば、ディスプレイの表示範囲よりも小さいサイズ)の撮像画像を吹き出し形状で表示させる構成であってもよい。このような構成にすれば、現在指定している指示画像とは異なる指示画像を指定したい場合に、その都度、撮像画像を閉じて別の指示画像を選択するといった煩雑な操作を行う必要がなくなる。
【0018】
このように、画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像へ重畳表示させることとしたため、乗車者は、撮像画像が撮像された場所を容易に把握することができる。また、乗車者は、撮像場所を手掛かりとして所望の撮像画像を容易に選択することができる。
【0019】
さらに、本実施形態に係るナビゲーション手法では、指示画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる指示画像に対応する画像情報に基づく撮像画像をディスプレイへ表示させ、かかる撮像画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる撮像画像に対応する画像情報に含まれる位置情報に基づいて経路設定を行うこととしている(図1の(4)参照)。
【0020】
たとえば、車載装置は、図1の(2)において指示画像へのタッチ操作がなされると、図1の(3)に示した撮像画像を表示し、さらに、図1の(3)において撮像画像へのタッチ操作がなされると、ディスプレイ上に目的地設定ボタンをポップアップさせる。そして、車載装置は、目的地設定ボタンが押下された場合に、撮像画像の位置情報を目的地として設定し、案内経路が算出される。
【0021】
このように、本実施形態に係るナビゲーション手法では、撮像装置から画像情報を取得し、取得した画像情報に含まれる位置情報に基づき、かかる画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像へ重畳した地図アルバム画像をディスプレイへ表示させる。そして、ディスプレイへ表示された撮影画像に対する所定の操作に基づき、かかる撮影画像に対応する位置情報を目的地とした経路設定を行うこととした。
【0022】
これにより、乗車者は、たとえばディスプレイへ表示された撮像画像を見てかかる撮像画像が撮像された場所へ行ってみたいと思った場合に、かかる撮像場所を目的地とした経路設定を容易に行うことができる。このように、本実施形態に係るナビゲーション手法によれば、取得した画像情報を単に表示するだけに留まらず、ナビゲーション機能にも応用することができる、すなわち、他機能(たとえば、撮像機能)との間で高度な連携を図ることができる。
【0023】
なお、図1では、図1の(2)において指示画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる指示画像に対応する画像情報に基づく撮像画像をディスプレイへ表示させ、かかる撮像画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる撮像画像に対応する画像情報に含まれる位置情報を目的地とした経路設定を行う場合の例を示した。
【0024】
しかし、これに限らず、たとえば撮像画像の縮小画像(サムネイル画像)を指示画像として用いた場合等には、図1の(2)において指示画像に対する所定の操作がなされた場合に、図1の(3)に示した撮像画像を表示することなく経路設定を行うこととしてもよい。
【0025】
また、本実施形態に係るナビゲーション手法は、デジタルカメラから画像情報を取得する場合に限らず、撮像機能を有する携帯端末装置などの他の撮像装置から画像情報を取得することとしてもよい。また、本実施形態に係るナビゲーション手法は、撮像装置に限らず、通信ネットワークを介して所定の管理装置から画像情報を取得してもよいし、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部記憶装置から画像情報を取得してもよい。
【0026】
また、ナビゲーション装置は車載装置に限定されず、ナビゲーション機能を有する可搬型の携帯端末(たとえば、PND、携帯電話、携帯型表示端末など)であってもよい。この場合、携帯端末がナビゲーション機能と撮像機能を有していれば、外部装置と連携することなく携帯端末単体で本ナビゲーション手法を実現することが可能となる。これにより、特別な通信装置や接続装置を用意することなく、安価に機能を実現できる。
【0027】
以下では、本発明に係る車載装置(ナビゲーション装置)についての実施例を詳細に説明する。まず、画像情報の取得元が撮像装置である場合の実施例1について説明する。なお、実施例1では、撮像装置の一例として、デジタルカメラを用いて説明するが、これに限ったものではなく、撮像装置は、撮像機能付きの携帯端末装置などであってもよい。
【実施例1】
【0028】
図2は、実施例1に係る車載装置の構成を示す図である。なお、図2には、車載装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。たとえば、車載装置10は、GPS衛星などから自装置の位置情報を取得する位置情報取得部などを図2に示す構成要素の他に備える。
【0029】
図2に示すように、車載装置10は、接続インタフェース11と、タッチパネルディスプレイ12と、制御部13と、記憶部14とを備える。また、タッチパネルディスプレイ12は、表示部12aと操作部12bとを備え、制御部13は、画像情報取得部13aと、表示制御部13bと、経路設定部13cとを備える。また、記憶部14は、画像情報DB(データベース)14aと、地図情報14bと、絞り込み条件14cとを記憶する。
【0030】
接続インタフェース11は、デジタルカメラ20との間で画像情報等の送受信を行うインタフェースである。具体的には、接続インタフェース11は、デジタルカメラ20が接続されると、接続されたデジタルカメラ20から画像情報を受け取り、受け取った画像情報を画像情報取得部13aへ渡す処理を行う。接続インタフェース11としては、たとえばUSB規格やIEEE1394規格等に準拠したインタフェースを用いることができる。
【0031】
なお、車載装置10は、デジタルカメラ20が接続インタフェース11に接続されたことを検知すると、起動中のアプリケーションをバックグラウンドへ移行させる。そして、車載装置10は、デジタルカメラ20から取得した画像情報の表示処理や画像情報に基づく経路設定処理等を実行するアプリケーション(以下、「デジカメ連携アプリ」と記載する)を起動する。
【0032】
また、車載装置10は、デジタルカメラ20の切断を検知したならば、デジカメ連携アプリを終了し、バックグラウンドへ移行させておいたアプリケーションをフォアグラインドへ移行させる。
【0033】
タッチパネルディスプレイ12は、各種画像を表示するためのディスプレイの表面に入力用のタッチパネルを付した入出力デバイスである。ここでは、説明の便宜上、タッチパネルディスプレイ12を表示部12aと操作部12bとに分けて説明する。
【0034】
記憶部14は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、画像情報DB14aと、地図情報14bと、絞り込み条件14cとを記憶する。画像情報DB14aは、後述する画像情報取得部13aによってデジタルカメラ20から取得された画像情報を格納するデータベースである。
【0035】
ここで、画像情報には、撮像場所の位置情報を含むものと含まないものとがある。たとえば、GPS等の測位機能を搭載したデジタルカメラ20によって撮像された撮像画像の画像情報には位置情報が含まれる場合があるが、測位機能を搭載していないデジタルカメラ20によって撮像された撮像画像の画像情報には位置情報が含まれない。
【0036】
また、撮像場所の位置情報は、少なくとも緯度および経度の情報を含むものとする。しかし、これに限ったものではなく、撮像場所の位置情報は、高度や方角といった他の情報をさらに含んでいてもよい。また、画像情報には、位置情報の他に、撮像日時を示す日時情報なども含まれる。
【0037】
地図情報14bは、道路や施設等の緯度および経度の情報を含む位置情報、ナビゲーション機能に必要な道路に関する各種道路情報(道路のノード情報(始点・終点情報)、リンク(始点・終点間の線分情報、例えば長さ,幅員、制限速度、交通制限(一方通行等))、道路名称情報等)、各種施設に関する地名や施設名といった施設情報などを含んだ情報である。
【0038】
絞り込み条件14cは、地図情報14bに基づき生成される地図画像に対して重畳させる指示画像の数を絞り込むための条件である。なお、かかる絞り込み条件14cを用いた指示画像の絞り込み処理の詳細については、図11を用いて後述することとする。
【0039】
制御部13は、車載装置10全体を制御する制御部であり、画像情報取得部13aと、表示制御部13bと、経路設定部13cとを備える。画像情報取得部13aは、デジタルカメラ20によって撮像された撮像画像の画像情報を接続インタフェース11経由で取得する処理部である。また、画像情報取得部13aは、取得した画像情報を記憶部14へ記憶する処理も併せて行う。
【0040】
表示制御部13bは、各種の画像を生成して表示部12aへ表示させる処理部である。具体的には、表示制御部13bは、デジカメ連携アプリの実行中において、画像情報DB14aに格納された画像情報に基づいて地図アルバム画像の生成処理などを行う。
【0041】
ここで、表示制御部13bの動作例について図3および図4を用いて説明する。図3は、表示制御部13bの動作例(その1)を示す図である。
【0042】
図3に示すように、表示制御部13bは、デジカメ連携アプリが起動すると、画像情報DB14aに格納された画像情報を取り出し、取り出した画像情報に基づいて撮像画像のサムネイル画像をそれぞれ生成する。そして、表示制御部13bは、生成したサムネイル画像(たとえば、サムネイル画像110a〜110dなど)の一覧および3つのアイコンボタン120a〜120cを含んだ一覧画像100Aを生成し、表示部12aへ表示させる。
【0043】
なお、一覧表示の対象となる画像情報は、画像情報DB14aに格納された画像情報の全部であってもよいし一部であってもよい。画像情報の一部のみを一覧表示の表示対象とする場合、表示制御部13bは、乗車者からの操作(たとえば、スクロール操作)等に応じて、あらたな画像情報を画像情報DB14aから取り出し、取り出した画像情報を用いて一覧画像100Aを更新する。
【0044】
3つのアイコンボタン120a〜120cは、それぞれ一覧表示ボタン120a、地図表示ボタン120bおよびカレンダー表示ボタン120cである。一覧表示ボタン120a、地図表示ボタン120bおよびカレンダー表示ボタン120cは、後述する地図アルバム画像100Bやカレンダー画像100Cにも含まれており、これらの各画像から一覧画像100A、地図アルバム画像100Bやカレンダー画像100Cへ移行する際に乗車者によって押下されるアイコンボタンである。
【0045】
地図表示ボタン120bは、地図アルバム画像100Bを表示させる際に乗車者によって押下されるアイコンボタンである。かかる地図アルバム画像100Bは、撮像画像の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像上に重畳させた画像である。
【0046】
表示制御部13bは、操作部12bから地図表示ボタン120bが押下された旨の通知を受け取ると、地図アルバム画像100Bの生成処理を行い、生成した地図アルバム画像100Bを表示部12aへ表示させる。
【0047】
具体的には、表示制御部13bは、まず、記憶部14から地図情報14bを取り出し、地図情報14bに基づく地図画像を生成する。つづいて、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報の位置情報を取り出し、取り出した位置情報に基づき、画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像の対応する位置へ重畳させることによって地図アルバム画像100Bを生成する。そして、表示制御部13bは、生成した地図アルバム画像100Bを表示部12aへ表示させる。
【0048】
たとえば、図3に示した地図アルバム画像100Bには、日本全域の地図画像に対して指示画像130a〜130gが重畳されている。なお、地図画像の縮尺は任意に変更することができるが、指示画像は、地図の縮尺に関係なく同一サイズで表示されるものとする。
【0049】
また、撮像画像の存在領域に応じて縮尺、および表示地図の中心位置となる地点を変える表示、例えば全ての撮像画像が表示され、かつできるだけ詳細な地図が表示されるように表示地図の中心位置となる地点と縮尺を変える方法も好適な表示方法である。
【0050】
ここで、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報の中に、近い場所で撮像された撮像画像の画像情報が複数存在する場合には、これらの画像情報に対応する指示画像を1つに集約して重畳する。これにより、同様の場所で撮像画像を大量に撮像した場合に、各撮像画像にそれぞれ対応する指示画像が地図アルバム画像100Bに表示されて地図アルバム画像100Bが見づらくなるといった事態を防止することができる。
【0051】
なお、複数の撮像画像を1つの指示画像に集約する範囲は、地図画像の縮尺に応じて適宜変更することができる。例えば、画面上を1cm四方のブロックで区切り、領域内に画像があるブロックに1つの指示画像を表示すると言った方法を取る。すなわち、1つに集約された指示画像は、地図画像を拡大していくにつれて徐々に複数の指示画像に分裂し、最終的には、撮像画像と1対1で対応する指示画像となる。
【0052】
また、地図アルバム画像100Bには、位置情報なし画像閲覧ボタン140が含まれる。表示制御部13bは、かかる位置情報なし画像閲覧ボタン140が押下された旨の通知を操作部12bから受けると、画像情報DB14aから位置情報を含まない画像情報を取り出す。そして、表示制御部13bは、取り出した画像情報に基づく撮像画像のサムネイル画像の一覧を生成して表示部12aへ表示させる。なお、表示制御部13bは、かかる一覧画像においてサムネイル画像の選択がなされると、選択されたサムネイル画像に対応する撮像画像を表示部12aへ表示させる。
【0053】
このように、位置情報なし画像閲覧ボタン140を地図アルバム画像100Bに対してさらに重畳させることとしたため、乗車者は、位置情報のない撮像画像の選択を地図アルバム画像100Bから行うことができる。また、乗車者は、位置情報が含まれる撮像画像と位置情報が含まれない撮像画像とを容易に区別することができる。
【0054】
なお、位置情報無しの撮影画像が無い場合(すなわち、全ての撮像画像に対して位置情報が含まれる場合)は、位置情報なし画像閲覧ボタン140を表示しない、あるいはトーンダウン(表示を薄くする)することにより、操作性を向上させることが好ましい。
【0055】
一方、表示制御部13bは、一覧画像100Aにおいてカレンダー表示ボタン120cが押下された旨の通知を操作部12bから受けた場合には、カレンダー画像100Cを生成して表示部12aへ表示させる。かかるカレンダー画像100Cには、それぞれの日にちに対応するボタンが含まれており、これらのボタンのうち、画像情報DB14aに格納された何れかの画像情報の日時情報に該当するボタンのみが選択可能となっている。なお、図3に示したカレンダー画像100Cにおいては、2008年9月19日〜21日にそれぞれ対応するボタン150a〜150cのみが選択可能となっている。
【0056】
また、表示制御部13bは、選択可能な何れかのボタンが押下されると、押下されたボタンに対応する日にちと同一の日にちの日時情報を含む画像情報を画像情報DB14aから取り出し、取り出した画像情報に基づく撮像画像のサムネイル画像の一覧を生成して表示部12aへ表示させる。また、表示制御部13bは、かかる一覧画像においてサムネイル画像の選択がなされると、選択されたサムネイル画像に対応する撮像画像を表示部12aへ表示させる。
【0057】
なお、地図アルバム画像100Bおよびカレンダー画像100Cには、一覧画像100Aと同様、一覧表示ボタン120a、地図表示ボタン120bおよびカレンダー表示ボタン120cが含まれている。たとえば、表示制御部13bは、地図アルバム画像100Bの表示中に一覧表示ボタン120aが押下されると、一覧画像100Aを生成し表示部12aへ表示させる。
【0058】
また、表示制御部13bは、カレンダー画像100Cの表示中に地図表示ボタン120bが押下されると、地図アルバム画像100Bを生成して表示部12aへ表示させる。このように、一覧表示ボタン120a、地図表示ボタン120bおよびカレンダー表示ボタン120cを表示させることで、乗車者は、撮像画像の表示形態(一覧表示、地図上表示、カレンダー上表示)を容易に選択あるいは変更することができる。
【0059】
次に、地図アルバム画像100Bの表示中において指示画像130a〜130gの何れかが押下された場合の表示制御部13bの動作について図4を用いて説明する。図4は、表示制御部13bの動作例(その2)を示す図である。
【0060】
図4に示すように、たとえば、地図アルバム画像100Bに含まれる指示画像130a〜130gのうち、指示画像130aが乗車者によって押下されたとする。かかる場合、表示制御部13bは、まず、指示画像130aに対応する画像情報を画像情報DB14aから取り出す。ここでは、指示画像130aに対応する画像情報が複数存在する場合について説明する。
【0061】
指示画像130aに対応する複数の画像情報を画像情報DB14aから取り出すと、表示制御部13bは、各画像情報に基づくサムネイル画像およびアイコンボタン120a〜120cを含む一覧画像100Dを生成し、表示部12aへ表示させる。そして、かかる一覧画像100Dの表示中に、何れかのサムネイル画像(ここでは、サムネイル画像110a)が押下されると、表示制御部13bは、押下されたサムネイル画像110aに対応する撮像画像100Eを生成して表示部12aへ表示させる。
【0062】
このように、表示制御部13bは、地図アルバム画像100Bに含まれる指示画像が選択された場合に、かかる指示画像に対応する撮像画像のサムネイル画像の一覧を表示させ、何れかのサムネイル画像が押下された場合に、押下されたサムネイル画像に対応する撮像画像を表示させる。したがって、乗車者は、撮像場所を手掛かりとして撮像画像を容易に選択することができる。
【0063】
なお、指示画像に対応する画像情報が1つだけである場合、表示制御部13bは、一覧画像100Dを生成することなく、指示画像に対応する撮像画像を生成して表示部12aへ表示することとしてもよい。
【0064】
ところで、図4では、一つの指示画像が押下された場合について示したが、乗車者は、たとえば指で範囲を囲むようになぞるなどの操作を行うことによって複数の指示画像を選択することもできる。
【0065】
かかる場合、表示制御部13bは、選択された指示画像にそれぞれ対応する画像情報を画像情報DB14aから取り出し、取り出した画像情報に基づく撮像画像のサムネイル画像の一覧を生成して表示部12aへ表示させればよい。このようにすることで、乗車者は、サムネイル対象としたい撮像画像を地図アルバム画像100Bから容易に選択することができる。
【0066】
なお、表示制御部13bは、図3に示した一覧画像100Aの表示中に、何れかのサムネイル画像が押下された場合にも、押下されたサムネイル画像に対応する撮像画像を生成して表示部12aへ表示させることができる。たとえば、表示制御部13bは、一覧画像100Aの表示中においてサムネイル画像110aが押下されると、かかるサムネイル画像110aに対応する撮像画像100E(図4参照)を表示部12aへ表示させる。
【0067】
また、表示制御部13bは、記憶部14に記憶された絞り込み条件14cを用いて地図アルバム画像100Bへ重畳する指示画像の数を絞り込むこともできるが、かかる点の詳細については、図11を用いて後述することとする。
【0068】
図2へ戻り、経路設定部13cについて説明する。経路設定部13cは、デジカメ連携アプリの起動中において撮像画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる撮像画像の位置情報に基づいて経路設定を行う処理部である。
【0069】
かかる経路設定部13cによる経路設定処理について図5を用いて説明する。図5は、経路設定処理の一例を示す図である。
【0070】
図5に示すように、たとえば撮像画像100Eのいずれかの箇所が押下されると、表示制御部13bは、複数のアイコンボタン160a〜160gを撮像画像100Eに対して重畳表示する。アイコンボタン160a〜160gは、それぞれ目的地設定ボタン160a、サムネイル画像表示ボタン160b、一覧表示ボタン160c、拡大ボタン160d、縮小ボタン160e、右回転ボタン160f、左回転ボタン160gである。
【0071】
目的地設定ボタン160aは、表示中の撮像画像100Eの撮像場所を目的地とした経路を設定する際に乗車者によって押下されるアイコンボタンである。経路設定部13cは、かかる目的地設定ボタン160aが押下された旨の通知を操作部12bから受けると、経路設定処理を開始する。
【0072】
具体的には、経路設定部13cは、表示中の撮像画像100Eの位置情報を画像情報DB14aから取り出し、取り出した位置情報を目的地とした経路を設定する。また、経路設定部13cは、設定した経路に関する経路情報を表示制御部13bへ渡す処理を併せて行う。表示制御部13bは、経路設定部13cから経路情報を受け取ると、受け取った経路情報に基づいて経路案内画像100Fを生成して表示部12aへ表示させる。
【0073】
図5に示したように、経路案内画像100Fには、目的地170aが含まれる。かかる目的地170aの位置は、撮像画像100Eの撮像場所である。このように、車載装置10によれば、たとえば撮像画像を見た乗車者が撮像場所へ行ってみたいと思った場合に、かかる撮像場所を目的地とした経路を容易に設定することができる。
【0074】
なお、図5では、撮像画像100Eを表示させたうえで、かかる撮像画像100Eに対する所定の操作(図5では、目的地設定ボタン160aの押下)がなされた場合に、経路設定処理が行われる場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、経路設定部13cは、図4に示した一覧画像100Dにおいて何れかのサムネイル画像に対する所定の操作が行われた場合に、かかるサムネイル画像に対応する位置情報を目的地とした経路を設定することとしてもよい。図3に示した一覧画像100Aにおいて何れかのサムネイル画像が選択された場合も同様である。
【0075】
また、その他の指示画像160b〜160gについて簡単に説明しておく。サムネイル画像表示ボタン160bは、図4に示した一覧画像100Dへ戻る際に乗車者によって押下されるアイコンボタンである。一覧表示ボタン160cは、上述した一覧表示ボタン120aと同一のアイコンボタンである。すなわち、一覧表示ボタン160cが押下された場合、表示制御部13bは、一覧画像100Aを生成して表示部12aへ表示させる。また、拡大ボタン160dおよび縮小ボタン160eは、それぞれ撮像画像100Eの拡大および縮小を行う際に押下されるアイコンボタンであり、右回転ボタン160fおよび左回転ボタン160gは、それぞれ撮像画像100Eの右回転および左回転を行う際に押下されるボタンである。
【0076】
ところで、図5では、1つの撮像画像の位置情報を用いて経路設定を行う場合の例について説明したが、経路設定部13cは、複数の撮像画像の位置情報を用いて経路設定を行うこともできる。以下では、かかる点について図6を用いて説明する。
【0077】
図6は、経路設定処理の他の一例を示す図である。図6では、乗車者がサムネイル画像を選択した順に、かかるサムネイル画像に対応する撮像画像の撮像場所が経由地として選択されるとともに、乗車者が最後に選択したサムネイル画像に対応する撮像画像の撮像場所が目的地として設定される。
【0078】
たとえば、図6に示すように、乗車者が、一覧画像100Aにおいてサムネイル画像110a〜110dを110b→110c→110d→110aの順に選択したとする。かかる選択操作は、サムネイル画像を1つ1つ押下していく操作であってもよいし、サムネイル画像を順になぞっていく操作であってもよい。
【0079】
かかる選択操作がなされると、経路設定部13cは、選択されたサムネイル画像110a〜110dにそれぞれ対応する撮像画像の位置情報を画像情報DB14aから取り出す。つづいて、経路設定部13cは、取り出した位置情報のうち、最後に選択されたサムネイル画像110aに対応する位置情報を目的地170aとして設定し、残りのサムネイル画像110b〜110dにそれぞれ対応する位置情報を経由地170b〜170dとして設定する。ここで、経由地170bはサムネイル画像110bの位置情報に対応し、経由地170cはサムネイル画像110cの位置情報に対応し、経由地170dはサムネイル画像110dの位置情報に対応するものとする。
【0080】
さらに、経路設定部13cは、経由地170b〜170dを対応するサムネイル画像110b〜110dが選択された順に経由しつつ目的地170aへ至る経路を設定する。
【0081】
すなわち、図6に示すように、最初に選択されたサムネイル画像110bに対応する経由地170bを最初に経由し、2番目に選択されたサムネイル画像110cに対応する経由地170cを2番目に経由し、3番目に選択されたサムネイル画像110dに対応する経由地170dを3番目に経由し、最後に選択されたサムネイル画像110aに対応する目的地170aへ至る経路が設定される。
【0082】
このように、一覧画像100Aにおいて複数のサムネイル画像が順次選択された場合に、選択されたサムネイル画像のうち、最後に選択されたサムネイル画像の画像情報に含まれる位置情報を目的地とするとともに、残りのサムネイル画像の画像情報に含まれる位置情報をかかるサムネイル画像が選択された順に経由する経路を設定することとした。
【0083】
したがって、乗車者は、複数の撮像画像を見てこれらの撮像場所へ行ってみたいと思った場合に、各撮像場所を回る経路を容易に設定することができる。また、撮像場所を回る順序とサムネイル画像の選択順序とを一致させることとしたため、乗車者は、直感的な経路設定を行うことができる。
【0084】
なお、図6では、撮像場所を回る順序とサムネイル画像の選択順序とを一致させることとしたが、これに限ったものではない。たとえば、経路設定部13cは、サムネイル画像を選択したのち、選択したサムネイル画像の撮像場所をどういった順序で回るかを事後的に選択させてもよい。
【0085】
すなわち、経路設定部13cは、一覧画像100Aにおいて複数のサムネイル画像が選択された場合に、選択されたサムネイル画像の画像情報に含まれる位置情報を目的地または経由地とした経路設定を行うこととしてもよい。
【0086】
かかる場合、経路設定部13cは、ある条件下で、例えば総経路長が最も短くなるような経路を、経由地の経由順も含めて経路探索処理で探索し、その経路を経路設定することとなる。かかる場合であっても、乗車者は、複数の撮像画像を見てこれらの撮像場所へ行ってみたいと思った場合に、各撮像場所を回る経路を容易に設定することができる。
【0087】
次に、車載装置10の具体的動作について図7を用いて説明する。図7は、車載装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、図7においては、デジカメ連携アプリが起動してから経路案内画像100Fが表示されるまでの処理手順を示しており、この処理はデジカメの接続検知により開始される。
【0088】
また、これらの処理は制御部13を構成するマイクロコンピュータがプログラムに基づき処理を行なって実行(実現)されるが、図2に示した機能ブロックとの関係を分かりやすくする為、便宜的に各機能ブロックが実行すると言う表現を用いて説明する。
【0089】
図7に示すように、車載装置10では、画像情報取得部13aが、デジタルカメラ20から接続インタフェース11経由で画像情報を取得し(ステップS101)、表示制御部13bが、画像情報に基づいて一覧画像100A(図3参照)を生成して表示部12aへ表示させる(ステップS102)。つづいて、車載装置10では、一覧画像100Aの表示中において地図表示ボタン120bが押下されたか否かを判定し(ステップS103)、押下された場合には(ステップS103,Yes)、表示制御部13bが、地図アルバム画像100B(図3参照)を生成して表示部12aへ表示させる(ステップS104)。
【0090】
なお、一覧画像100Aの表示中において地図表示ボタン120bが押下されず(ステップS103,No)、他の操作がなされた場合、表示制御部13bは、他の操作に対応する処理を実行する(ステップS105)。たとえば、表示制御部13bは、カレンダー表示ボタン120cが押下された場合には、カレンダー画像100Cを生成して表示部12aへ表示させる。
【0091】
地図アルバム画像100Bの表示中において、車載装置10は、指示画像(たとえば、図3に示した指示画像120a〜120g)が押下されたか否かを判定する(ステップS106)。そして、指示画像が押下されたと判定した場合には(ステップS106,Yes)、表示制御部13bが、押下された指示画像に対応する撮像画像100E(図4参照)を表示する(ステップS107)。
【0092】
なお、指示画像が押下されず(ステップS106,No)、他の操作がなされた場合、表示制御部13bは、他の操作に対応する処理を実行する(ステップS105)。たとえば、表示制御部13bは、一覧表示ボタン120aが押下された場合には、一覧画像100Aを生成して表示部12aへ表示させる。
【0093】
つづいて、車載装置10では、目的地設定ボタン160a(図5参照)が押下されたか否かを判定し(ステップS108)、押下されたと判定した場合には(ステップS108,Yes)、経路設定部13cが、表示中の撮像画像の撮像場所を目的地とした経路設定を行う(ステップS109)。そして、表示制御部13bは、経路設定部13cから受け取った経路情報に基づいて経路案内画像100F(図5参照)を生成して表示部12aへ表示させ(ステップS110)、処理を終了する。
【0094】
なお、目的地設定ボタン160aが押下されず(ステップS108,No)、他の操作がなされた場合、表示制御部13bは、他の操作に対応する処理を実行する(ステップS105)。たとえば、表示制御部13bは、拡大ボタン160dが押下された場合には、撮像画像100Eを拡大表示させ、縮小ボタン160eが押下された場合には、撮像画像100Eを縮小表示させる。
【0095】
上述してきたように、実施例1では、画像情報取得部13aが、デジタルカメラ20から画像情報を取得し、表示制御部13bが、画像情報に含まれる位置情報に基づき、画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を地図画像へ重畳して所定のディスプレイへ表示させるとともに、指示画像に対する所定の操作がなされた場合には、指示画像に対応する画像情報に基づく撮像画像を表示部12aへ表示させる。また、実施例1では、経路設定部13cが、表示部12aへ表示された撮像画像に対する所定の操作がなされた場合に、かかる撮像画像に対応する画像情報に含まれる位置情報を目的地とした経路設定を行うこととした。
【0096】
したがって、実施例1によれば、取得した画像情報を地図画像へ重畳表示するだけでなく、ナビゲーション機能にも利用することができるため、デジタルカメラ20との間で高度な連携を図ることができる。
【0097】
なお、上述してきた実施例1では、デジタルカメラ20が接続された場合にデジカメ連携アプリが自動的に起動する場合について説明したが、これに限らず、デジカメ連携アプリは、手動で起動させることも可能である。
【0098】
また、デジタルカメラ20のように撮影機能を有する装置の接続に限られず、画像データが記録された記録媒体、例えばUSBメモリの接続でも同様に実施することが可能である。なお、この場合はメモリ内に画像データが含まれている場合に、図7の処理を実行すれば良い。
【0099】
さらに、地図アルバム画像100Bやカレンダー画像100Cからの選択操作により、表示中とした撮像画像の撮像場所を目的地とした経路設定する機能を付加することも可能である。かかる場合には、地図アルバム画像100Bやカレンダー画像100Cからの選択操作による撮像画像表示状態において目的地設定ボタンを表示し、当該目的地設定ボタンの押下検出により、当該表示中の撮影画像の撮影場所を目的地とした経路設定処理(ステップS109と同様)、経路案内画像を生成して表示する表示処理(ステップS110と同様)を実行すれば実現できる。
【実施例2】
【0100】
ところで、車載装置10は、位置情報を含まない画像情報を取得した場合、自装置の位置情報をかかる画像情報の位置情報として代用することとしてもよい。以下では、かかる場合の実施例2について説明する。図8は、実施例2に係る車載装置10’の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0101】
図8に示すように、実施例2に係る車載装置10’は、制御部13に代えて制御部13’を備える。また、制御部13’は、画像情報取得部13a’と、表示制御部13b’と、経路設定部13cと、位置情報取得部13dとを備える。
【0102】
画像情報取得部13a’は、デジタルカメラ20から接続インタフェース11経由で取得した画像情報の中に、位置情報を含まない画像情報があるか否かを判定する。そして、画像情報取得部13a’は、位置情報を含まない画像情報があると判定すると、位置情報取得部13dに対して自装置の位置情報を通知するよう要求する。
【0103】
位置情報取得部13dから自装置の位置情報を取得すると、画像情報取得部13a’は、位置情報を含まない画像情報に対して自装置の位置情報を付加したうえで、画像情報DB14aへ格納する。また、画像情報取得部13a’は、位置情報を予め含む画像情報と自装置の位置情報が代用的に付加された画像情報とを区別するための識別情報を、自装置の位置情報と併せて付加するものとする。
【0104】
このように、位置情報取得部13dが、自装置の位置情報を取得し、画像情報取得部13a’が、デジタルカメラ20から取得した画像情報に位置情報が含まれない場合に、位置情報取得部13dによって取得された位置情報をかかる画像情報へ付加することとした。
【0105】
すなわち、位置情報を含まない画像情報に対して位置情報が付加されるため、乗車者は、測位機能付きのデジタルカメラ20を所持していなくとも地図アルバム画像100Bからの経路設定を利用することができる。
【0106】
位置情報取得部13dは、GPS衛星などから自装置の位置情報を取得する処理部である。特に、位置情報取得部13dは、デジカメ連携アプリの起動中において、画像情報取得部13a’からの位置情報の通知要求を受けた場合に、自装置の位置情報を画像情報取得部13a’へ渡す処理を行う。
【0107】
表示制御部13b’は、地図アルバム画像100Bを生成する場合に、画像情報取得部13a’によって自装置の位置情報が代用的に付加された画像情報に対応する指示画像と、位置情報を予め含んだ画像情報に対応する指示画像とを異なる表示態様で地図画像へ重畳させる。ここで、実施例2に係る表示制御部13b’の動作例について図9を用いて説明する。図9は、実施例2に係る表示制御部13b’の動作例を示す図である。
【0108】
表示制御部13b’は、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、画像情報取得部13a’によって識別情報が付加されていない画像情報、すなわち、位置情報を予め含む画像情報の位置情報を取り出し、取り出した位置情報に基づく指示画像を地図画像へ重畳させる。
【0109】
また、表示制御部13b’は、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、画像情報取得部13a’によって識別情報が付加された画像情報、すなわち、自装置の位置情報が代用的に付加された画像情報の位置情報を取り出し、取り出した位置情報に基づく指示画像を地図画像へ重畳させる。
【0110】
ここで、表示制御部13b’は、自装置の位置情報が代用的に付加された画像情報に対応する指示画像として、位置情報を予め含んだ画像情報に対応する指示画像とは異なる画像を用いる。たとえば、図9に示したように、位置情報を予め含んだ画像情報に対応する指示画像130a〜130gは、黒丸のピンであらわされ、自装置の位置情報が代用的に付加された画像情報に対応する指示画像180a〜180eは、白丸のピンであらわされる。
【0111】
このように、実施例2では、画像情報取得部13a’によって位置情報が付加された画像情報に対応する指示画像と、位置情報を予め含んだ画像情報に対応する指示画像とを異なる表示態様で地図画像へ重畳することとした。したがって、乗車者は、位置情報を予め含んだ撮像画像と位置情報が事後的に付加された撮像画像とを容易に区別することができる。たとえば、乗車者は、撮像画像の位置情報が正確かどうかを、指示画像180a〜180eと指示画像130a〜130gとの表示態様の違いにより容易に判断することができる。
【実施例3】
【0112】
ところで、実施例1および2では、画像情報をデジタルカメラ20から取得する場合の例について説明してきたが、画像情報の取得経路は、これに限ったものではない。たとえば、インターネットなどの通信ネットワークを介して接続された所定の管理装置(例えば、サーバなどの外部装置)から画像情報を取得するようにしてもよい。以下では、かかる場合の実施例3について説明する。
【0113】
図10は、実施例3に係る車載システムの構成例を示す図である。図10に示すように、実施例3に係る車載システムでは、複数の車両(ここでは、車両200a〜200d)にそれぞれ搭載された車載装置(ここでは、車載装置10a〜10d)が、通信ネットワークを介して外部の管理装置30と接続する。
【0114】
管理装置30は、記憶手段(図示しない)を有し、記憶手段は画像情報DB300を有する。かかる画像情報DB300は、各車載装置10a〜10dなどから送信された画像情報を、送信元を識別する識別IDと関連付けて格納するデータベースである。
【0115】
ここで、図10に示すように、車載装置10aがデジタルカメラ20aから画像情報を取得したとする(図10の(1)参照)。かかる場合、車載装置10aは、デジタルカメラ20aから取得した画像情報を通信ネットワーク経由で管理装置30へ送信する(図10の(2)参照)。
【0116】
管理装置30は、車載装置10aから画像情報を取得すると(図10の(3)参照)、取得した画像情報を車載装置10aの識別情報あるいはデジタルカメラ20aの識別情報と関連付けて画像情報DB300へ格納する。このようにして、管理装置30は、不特定多数の車載装置から取得した画像情報を画像情報DB300へ格納する。
【0117】
つづいて、管理装置30は、車載装置10a〜10dからデジカメ連携アプリを起動した旨の通知を受け取ると、これら車載装置10a〜10dに対して画像情報DB300に格納された画像情報を通信ネットワーク経由で送信する(図10の(4a)〜(4d)参照)。
【0118】
そして、画像情報を受信した車載装置10a〜10dは、実施例1に係る車載装置10または実施例2に係る車載装置10’と同様の処理、すなわち、図3〜図6等に示した各種画像の表示制御処理や経路設定処理等を実行する。
【0119】
これにより、車両200aの乗車者によって撮像された撮像画像を、車両200aの乗車者だけでなく、他の車両200b〜200dの乗車者も閲覧することができるようになる。また、他の車両200b〜200dの乗車者は、車両200aの乗車者によって撮像された撮像画像を見てかかる撮像画像の撮像場所へ行ってみたいと思った場合に、かかる撮像場所を目的地とした経路を容易に設定することができる。
【0120】
このように、実施例3では、管理装置30から通信ネットワークを介して画像情報を取得することとした。かかる場合であっても、実施例1および2と同様に、取得した画像情報をナビゲーション機能にも利用することができるため、他装置(ここでは、管理装置30)との間で高度な連携を図ることができる。
【0121】
さらに、実施例3によれば、何れかの車載装置によって取得された画像情報を他の車載装置との間で共有することができるため、他人が撮像した撮像画像を切り口に目的地設定を行うことができる。
【0122】
なお、図10では、画像情報が車載装置のみからアップロードされる場合について説明したが、画像情報のアップロード元は、車載装置に限らない。たとえば、画像情報は、携帯端末装置や自宅のPC(Personal Computer)からアップロードされてもよい。たとえば商工会などが、観光PRのために、自分たちの地域の景色等を撮像した撮像画像をアップロードすることによって、乗車者たちの来訪を促すといった利用方法も考えられる。
【0123】
また、画像情報の取得経路は、デジタルカメラ20や管理装置30に限ったものではない。たとえば、車載装置は、USBメモリなどの外部記憶装置から画像情報を取得するようにしてもよい。かかる場合の車載装置の構成は、実施例1に係る車載装置10または実施例2に係る車載装置10’の構成と同様である。
【0124】
ところで、不特定多数の車載装置等から画像情報を収集することとすると、画像情報DB300には、膨大な量の画像情報が蓄積されることが予想される。画像情報の量が膨大となると、地図画像に対して重畳される指示画像の数も膨大となり、地図アルバム画像100B(図3等参照)が見づらくなったり、乗車者が所望の撮像画像を見つけ難くなったりするおそれがある。
【0125】
そこで、地図画像へ重畳する指示画像の数を所定の絞り込み条件に従って絞り込むこととしてもよい。以下では、かかる点について図11を用いて説明する。図11は、指示画像の絞り込み処理の一例を示す図である。なお、図11の(A)には絞り込み条件14cの一例を、図11の(B)には絞り込み処理前の地図アルバム画像100Bおよび絞り込み処理後の地図アルバム画像100Bを、それぞれ示している。
【0126】
図11の(A)に示すように、絞り込み条件14cとしては、たとえば「季節」、「時間」、「地域」、「撮影者」などがあり、これらの条件は乗車者によって選択される。たとえば、「季節」のうちの「春」が乗車者によって選択されると、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、たとえば4月〜6月の間に撮像された撮像画像の画像情報のみを取り出し、取り出した画像情報に対応する指示画像を地図画像へ重畳する。
【0127】
また、たとえば「時間」のうちの「夜」が乗車者によって選択されると、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、たとえば20時〜28時(4時)の間に撮像された撮像画像の画像情報のみを取り出し、取り出した画像情報に対応する指示画像を地図画像へ重畳する。
【0128】
また、たとえば「地域」のうちの「関西」が乗車者によって選択されると、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、たとえば大阪府や京都府、兵庫県などの関西地方において撮像された撮像画像の画像情報のみを取り出し、取り出した画像情報に対応する指示画像を地図画像へ重畳する。
【0129】
さらに、たとえば「撮影者」のうち、特定の撮影者を示す識別情報が選択されると、表示制御部13bは、画像情報DB14aに格納された画像情報のうち、選択された識別情報と関連付けられた画像情報のみを取り出し、取り出した画像情報に対応する指示画像を地図画像へ重畳する。
【0130】
この結果、図11の(B)に示すように、絞り込み処理前において地図画像に対して大量に重畳されていた指示画像の数を(図11の(B−1)参照)、絞り込み処理を行うことによって少ない数に絞り込むことができる(図11の(B−2)参照)。また、絞り込み処理後において地図画像へ重畳されている指示画像は、乗車者によって選択された絞り込み条件14cに該当するものである。したがって、乗車者は、絞り込み後の地図アルバム画像100Bから指示画像を選択することにより、所望の撮像画像にいち早く到達することができる。
【0131】
このように、画像情報に含まれる情報(日時情報、位置情報、撮影者の識別情報など)に基づいて地図画像へ重畳させる指示画像を絞り込むこととしたため、画像情報の数が多くなった場合であっても、所望の撮像画像の閲覧や所望の撮像場所への経路設定を容易に行うことができる。なお、かかる指示画像の絞り込み処理は、実施例1〜3に係る車載装置の何れにおいても実行可能である。
【0132】
これまでに記載した実施例では、ナビゲーション装置として機能する車載装置とデジタルカメラ(撮像装置)との連携、およびナビゲーション装置として機能する車載装置と通信可能な外部の管理装置との連携を実施態様の一例として記載したが、これに限定されるものではない。
【0133】
たとえば、他の実施例として、ナビゲーション装置は、ナビゲーション機能を有する可搬型の携帯端末(たとえば、PND、携帯電話、携帯型表示端末など)であってもよい。この場合、携帯端末とデジタルカメラとを連携すれば、上述したような車載装置とデジタルカメラとの連携と同様の処理を行うことができる。
【0134】
また、デジタルカメラ(撮像装置)等に記憶された画像をナビゲーション装置内に取込み処理を行なった例をあげたが、画像自体のデータは取り込まずに画像に関する情報(ファイル名、位置データ等)だけを取込んで処理を行い、実際に画像を表示する処理時にデジタルカメラ等から表示する画像データだけを取込み表示する方法も可能で、この方法によればナビゲーション装置に搭載するメモリの容量を少なくすることができる。
【0135】
また、図12に示されているように、携帯端末がナビゲーション機能と撮像機能とを有している場合、装置間で連携することなく、上述したような車載装置とデジタルカメラとの連携と同様の処理を行うことができる。この場合、携帯端末に専用のアプリをインストールしておけば、そのアプリのプログラムに応じて、携帯端末の制御部が所定の処理を実行する。
【0136】
ここで、図12に示した携帯端末15の構成について説明する。なお、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図12に示すように、可搬型の携帯端末15(たとえば、PND、携帯電話、携帯型表示端末など)は、撮像部21を有しており、撮像部21は、上述したデジタルカメラ20などの撮像装置と同様の機能を有している。
【産業上の利用可能性】
【0137】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置は、撮像機能とナビゲーション機能との間で高度な連携を図りたい場合に有効であり、特に、デジタルカメラなどの撮像装置から画像情報を取得する場合に適している。
【符号の説明】
【0138】
10,10’ 車載装置(ナビゲーション装置)
11 接続インタフェース
12 タッチパネルディスプレイ
12a 表示部
12b 操作部
13,13’ 制御部
13a,13a’ 画像情報取得部
13b,13b’ 表示制御部
13c 経路設定部
13d 位置情報取得部
14 記憶部
14a 画像情報DB
14b 地図情報
14c 絞り込み条件
15 携帯端末(ナビゲーション装置)
20 デジタルカメラ
21 撮像部
100A 一覧画像
100B 地図アルバム画像
100C カレンダー画像
100D 一覧画像
100E 撮像画像
100F 経路案内画像
130a〜130g 指示画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像を表示するナビゲーション装置であって、
外部接続装置から画像情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された画像情報に含まれる位置情報に基づき、前記画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を前記地図画像へ重畳してディスプレイへ表示させる表示制御手段と、
前記ディスプレイへ表示された指示画像に対する所定の操作に基づき、当該指示画像に対応する位置情報を目的地とした経路設定を行う経路設定手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記外部接続装置から取得した画像情報に基づく画像の全部または一部を含んだ一覧画像を前記ディスプレイへ表示させ、
前記経路設定手段は、
前記一覧画像において複数の前記画像が選択された場合に、選択された画像の画像情報に含まれる位置情報を前記目的地または経由地とした経路設定を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路設定手段は、
前記一覧画像において複数の前記画像が順次選択された場合に、選択された前記画像のち、最後に選択された前記画像の画像情報に含まれる位置情報を前記目的地とするとともに、残りの前記画像の画像情報に含まれる位置情報を当該画像が選択された順に経由する経路を設定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自装置の位置情報を取得する位置情報取得手段
をさらに備え、
前記取得手段は、
前記外部接続装置から取得した画像情報に位置情報が含まれない場合に、前記位置情報取得手段によって取得された自装置の位置情報を前記画像情報へ付加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記取得手段によって位置情報が付加された画像情報に対応する前記指示画像と、前記位置情報を予め含んだ画像情報に対応する前記指示画像とを異なる表示態様で前記地図画像へ重畳することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記画像情報は、撮像日時を示す日時情報をさらに含むものであって、
前記表示制御手段は、
前記画像情報に含まれる情報に基づいて前記地図画像へ重畳させる指示画像を絞り込むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
地図画像を表示するナビゲーション装置であって、
外部装置から通信ネットワークを介して画像情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された画像情報に含まれる位置情報に基づき、前記画像情報の撮像場所を指し示す指示画像を前記地図画像へ重畳してディスプレイへ表示させる表示制御手段と、
前記ディスプレイへ表示された指示画像に対する所定の操作に基づき、当該指示画像に対応する位置情報を前記目的地とした経路設定を行う経路設定手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−122778(P2012−122778A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272061(P2010−272061)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】