説明

ナビゲーション装置

【課題】車両の現在位置周辺にある所望の目的地を目的地履歴から選択することが容易になナビゲーション装置を提案する。
【解決手段】制御部10は、過去に設定した目的地を目的地履歴として記憶部11に記憶する。そして、制御部10は、GPS受信部14が受信したGPS信号やジャイロセンサ15の出力に基づいて取得した車両の現在位置と、各目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離をそれぞれ算出し、算出された距離に基づいた順番に目的地履歴を並び換えて一覧表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行履歴に基づいて推定した目的地の候補を表示することができるナビゲーション装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−180651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置のユーザが過去に行ったことのある場所に行く際、経路を探索せずに出発することがあるが、目的地の周辺において道がわからなくなって、過去の目的地履歴の中から目的地を探し、経路を探索することがある。しかし、従来の目的地履歴検索では、目的地の履歴が日付順に並んでおり現在位置との距離関係がわからないため、現在位置周辺の目的地を検索することに適していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のナビゲーション装置は、目的地を設定し、目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、過去に設定した目的地の名称および位置を少なくとも含む情報を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、車両の現在位置と、目的地履歴記憶手段に記憶された各目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、距離算出手段により算出された距離に基づいた順番に目的地履歴を並び換え、その順番で目的地履歴のうち目的地の名称を少なくとも含む情報を一覧表示する履歴表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
目的地履歴から車両の現在位置周辺にある所望の目的地を選択することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態であるナビゲーション装置の構成の一例である。
【図2】本発明の一実施形態であるナビゲーション装置において、車両の現在位置周辺にある目的地履歴を表示するための操作の一例を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態であるナビゲーション装置において、車両の現在位置周辺にある目的地履歴を表示した画面の一例である。
【図4】本発明の一実施形態において車両の現在位置周辺の目的地履歴を表示する処理に関するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成について、図1を用いて説明する。図1のナビゲーション装置1は、制御部10、記憶部11、表示モニタ12、スピーカ13、GPS受信部14、ジャイロセンサ15、および入力装置16を備える。ナビゲーション装置1は、車両と有線または無線で接続されており、車両の走行速度などの情報を取得することができる。ナビゲーション装置1は、ブラケットや吸盤などにより車両などに固定してもよい。以降、ナビゲーション装置1を搭載した車両のことを搭載車両と記載する。
【0009】
図1の制御部10は、ナビゲーション装置1を動作させるための各種処理を実行するための部分であり、マイクロプロセッサ、各種周辺回路、RAM、ROMなどによって構成される。制御部10により実行される処理には、たとえば経路探索処理や、マップマッチング処理、経路案内処理、施設検索処理、目的地履歴表示処理などがある。
【0010】
制御部10が実行する経路探索処理とは、予め設定された探索条件に基づいて、搭載車両の現在位置などの出発地から目的地までの推奨経路を探索するものである。目的地は、ナビゲーション装置1の利用者が入力装置16を介して入力すればよい。搭載車両の現在位置は、制御部10がGPS受信部14を利用して算出することにより特定できる。経路の探索は、記憶部11に記憶されている地図データに基づいて実行される。なお、推奨経路を探索するとき、目的地だけでなく経由地を設定することとしてもよい。
【0011】
制御部10が実行する施設検索処理とは、施設のジャンルやキーワードに基づいて、記憶部11に記憶されている施設データの中から、車両の現在位置または推奨経路の周辺にある施設を検索するものである。施設の検索に利用する施設のジャンルやキーワードは、ナビゲーション装置1のユーザが入力装置16を介して入力することができる。施設のジャンルとは、施設をその用途などで分類したもので、たとえば「交通機関」、「公共施設」、「医療」などでよい。
【0012】
制御部10が実行する経路案内処理とは、経路探索処理により探索された推奨経路に沿って運転手が搭載車両を運転できるように、表示モニタ12やスピーカ13などを利用して運転手に案内を行う。制御部10は、表示モニタ12に搭載車両の位置を示す印を付した地図を表示し、スピーカ13から音声案内を出力する。
【0013】
図1の記憶部11は、ハードディスクなどを含む記憶媒体の集まりであり、道路地図を表す地図データや、アイコン等の画像データ、音声データを含む各種データが記憶されている。記憶部11に記憶されているデータは、必要に応じて制御部10により記憶部11から読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。
【0014】
記憶部11に記憶される地図データには、地図上の地点を表すノードに関する情報と、ノードが表す地点と地点の間を繋ぐ道路を表すリンクに関する情報とが含まれる。ノードに関する情報には、位置情報や地点名称に関する情報などが含まれる。リンクに関する情報には、リンクが表す道路の長さであるリンク長や、道路種別、車両の通行が許可されている方向などの情報が含まれる。これらの情報に基づいて経路探索処理や、マップマッチング処理、経路案内処理などが実行される。
【0015】
記憶部11に記憶されている地図データには、更に施設データが含まれる。施設データには、施設名や施設の位置、施設のジャンルなどの情報が含まれる。制御部10は、施設データを利用して前述した施設検索処理を実行することができる。
【0016】
記憶部11には、過去に設定された目的地と、その目的地までの推奨経路とを対応付けて記憶されている。また経由地と、経由地までの推奨経路も記憶されている。以降、記憶部11に記憶されている過去に設定した目的地や経由地のことを目的地履歴と記載する。目的地履歴には、目的地や経由地の位置情報や地点名称、目的地や経由地に設定した日時に関する情報などが含まれている。
【0017】
制御部10が実行する目的地履歴表示処理は、上述した目的地履歴を表示モニタ12に所定の順番に並べて一覧表示する処理である。ユーザは、入力装置16などを介して、表示された目的地履歴の中から目的地や経由地に設定するものを選択することができる。本実施の形態では、目的地履歴を表示する順番は、搭載車両の現在位置からの距離順とする。本実施の形態における目的地履歴表示処理の詳細に関しては後述する。
【0018】
制御部10は、記憶部11に新しいデータを記憶することもできるし、既に記憶されているデータを更新することもできる。ナビゲーション装置1は、地図データや施設データなどが更新されることにより、施設や道路が新設された場合や施設や道路が廃止されて利用できなくなった場合であっても各種処理を適切に処理できる。地図データの更新方法には、HDD11に記憶している地図データと最新の地図データとの差分を更新する方法や、地図データファイルを置き換える方法などがある。地図データの更新に用いるデータは、DVD(図示せず)やUSBメモリ(図示せず)などの電子メディアを利用してもよいし、ナビゲーション装置1の外部からダウンロードしてもよい。
【0019】
図1の表示モニタ12は、様々な画像や映像などを表示するための装置であり、液晶ディスプレイ等が用いられる。制御部10の制御に基づいて表示モニタ12に地図や搭載車両の現在位置を表示することにより、ナビゲーション装置1は搭載車両を誘導する案内表示を行うことができる。また、入力装置16を介して操作を行うためのメニュー画面表示や、目的地履歴等の一覧表の表示などについても行うことができる。
【0020】
図1のスピーカ13は、制御部10の制御により、搭載車両の走行に関する様々な音声情報を出力する。たとえば、制御部10により探索された経路に従って搭載車両を目的地まで案内するための案内用の音声や、警告音などを出力する。
【0021】
図1のGPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、搭載車両の現在位置と現在日時を特定するための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、制御部10は、所定数以上のGPS衛星からのGPS信号により、これらの情報に基づいて搭載車両の現在位置および現在日時を算出することができる。制御部10は、GPS信号に基づいて算出された搭載車両の現在位置の時間変化を算出し、その搭載車両の現在位置の時間変化に基づいて、搭載車両が走行している方向と走行した距離を特定することができる。
【0022】
ナビゲーション装置1の制御部10は、記憶部11に記憶された地図データや上記のようにして算出した搭載車両の現在位置が変化した軌跡などに基づいて、搭載車両がどの道路の上に存在するかを特定する。このような処理をマップマッチング処理という。
【0023】
図1のジャイロセンサ15は、搭載車両の向きの変化に応じた角速度を検出するためのセンサである。このジャイロセンサ15により検出された角速度に基づいて、搭載車両の向きが求められ、搭載車両が走行している方向を特定できる。
【0024】
搭載車両がトンネル内を走行しているときや、高架下にあるサービスエリア内にあるときなど、GPS受信部14がGPS信号を受信できない場合がある。制御部10は、ジャイロセンサ15により検出される角速度、搭載車両からハーネスや無線通信等を介して送信される搭載車両の走行速度、および記憶部11に記憶される地図データに基づいて、搭載車両の現在位置および走行している方向に関する情報を特定することもできる。このようにして特定された搭載車両の現在位置の軌跡に基づいてもマップマッチング処理を実行することができる。GPS信号に基づいたマップマッチング処理と、角速度や走行速度等に基づいたマップマッチング処理とは併用することができる。
【0025】
図1の入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるためにユーザから入力される各種操作を検出するための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地履歴の一覧表の中から目的地に設定したい施設を選択したり、表示モニタ12に表示された地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置16を表示モニタ12と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0026】
本実施の形態における目的地履歴表示処理について説明する。本実施の形態における目的地履歴表示処理は、現在位置からの距離が小さい順に目的地履歴を並び替えて一覧表示するものである。ナビゲーション装置1のユーザが過去に行ったことがある地点に行く場合、経路探索処理を用いて推奨経路を設定することなしに出発することがある。このとき、ユーザが目的地の周辺で道がわからなくなって、ユーザは搭載車両の現在位置から目的地までの推奨経路を探索することがある。そのような場合に、本実施の形態の目的地履歴表示処理では、現在位置からの距離が小さい順に目的地履歴を並び替えて表示することができるため、ユーザは所望する目的地履歴を容易に発見することができる。
【0027】
また、本実施の形態の目的地履歴表示処理は、記憶部11に記憶されている施設データに基づいて、各目的地履歴に対応した地点にある施設が利用可能か否かを判定する。そして、利用可能でないと判定された施設の背景色や文字色などの表示態様を、利用可能であると判定された施設とは異なるものとする。これにより目的地の周辺まで到達したユーザは、目的地としたかった施設等が無くなったため、目的地に到達できないことを知ることができる。
【0028】
図2および図3は、本実施の形態の目的地履歴表示処理を実行しているときの表示例である。本実施の形態のナビゲーション装置1は、表示モニタ12に地図を表示しているときに入力装置16を介して所定の操作(たとえばマップメニューボタン21を選択)を行うと、図2のように「周辺目的地履歴」という選択項目23を含むメニュー22を表示する。ユーザがメニュー22の中から「周辺目的地履歴」という選択項目23を選択すると、ナビゲーション装置1は図3に示すような画面を表示する。
【0029】
図3は、表示モニタ12に目的地履歴を一覧表示した画面例である。一覧表30は、記憶部11に記憶されている目的地履歴を、搭載車両の現在位置と各目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離の小さい順に表示したものである。一覧表30は、目的地履歴ごとに目的地の地点名称301、搭載車両の現在位置と当該目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離302、目的地に設定された設定日時303などを表示する。ユーザは、入力装置16を介した所定の操作(たとえば、絞込みボタン31を選択)を行うことにより一覧表30に表示される目的地履歴を絞り込むことができる。また、入力装置16を介した所定の操作(たとえば、目的地設定ボタン32を選択)を行うことにより、選択した一つの目的地履歴を目的地に設定することができる。
【0030】
一覧表に表示する目的地履歴は、様々な条件に基づいて絞込むことができる。たとえば、設定日時が所定の範囲の期間にあるものだけを表示することにしてもよい。ユーザが同じ場所を利用しようとする日時は、特定の時間帯や曜日に集中することがある。たとえば、レストランなどの食事をするための施設は昼食の時間帯などに集中することがあるし、医療関連の施設は定期的な通院のために所定の曜日に集中することがある。そこで、目的地や経由地に設定した設定時刻が現在日時を含む所定の範囲の期間に含まれるものだけを表示するように絞り込むことにより、ユーザは所定の範囲の期間に行く所望の目的地履歴を発見することが容易になる。
【0031】
また、目的地履歴の位置情報が表す位置が搭載車両の現在位置から所定の距離の範囲内にあるものだけを表示することにしてもよい。所定の距離の範囲は、たとえば表示モニタ12に表示している地図の縮尺に基づいて算出したものとすればよい。
【0032】
さらに、記憶部11に記憶されている施設データに基づいて、各目的地履歴に対応した地点にある施設のジャンルを取得し、その施設のジャンルに基づいて目的地履歴を絞り込んでもよい。目的地履歴を絞り込む施設のジャンルは、制御部10で算出された現在日時、表示モニタ12に表示している地図の縮尺などに基づいて決定すればよい。たとえば、現在日時が昼食の時間に近い場合は、「レストラン」などのジャンルで目的地履歴を絞り込むことにすればよい。また、地図の縮尺に基づいて目的地履歴を絞り込む施設のジャンルを決定する場合、たとえば地図の縮尺が大きいときは「交通機関」や「公共施設」などの公共性の高い施設のジャンルの目的地履歴を表示するように絞り込み、地図の縮尺が小さいときは公共性の低い施設のジャンルの目的地履歴を表示するように絞り込むことにすればよい。
【0033】
図4は、本実施の形態の目的地履歴表示処理のフローチャートの一例である。図4の処理は、図2において「周辺目的地履歴」という選択項目23が選択されたときに制御部10で実行される。
【0034】
図4のステップS101では、制御部10は、搭載車両の現在位置を取得する。目的地履歴表示処理は、搭載車両の現在位置を取得したらステップS102に進む。
【0035】
図4のステップS102では、制御部10は、一覧表示の対象である各目的地履歴について、搭載車両の現在位置と当該目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離を算出する。目的地履歴表示処理は、記憶部11に記憶されている各目的地履歴についてそれぞれ距離を算出したらステップS103に進む。
【0036】
図4のステップS103では、制御部10は、一覧表示の対象である各目的地履歴について、各目的地履歴に対応した施設の中で現在利用できないものがあればすべて抽出する。現在利用できるか否かの判定は、たとえば目的地履歴に含まれる位置情報に基づいて、記憶部11に記憶されている施設データを検索し、地点名称等が一致する施設データがあるか否かを判定することにより実現できる。なお、目的地履歴を記憶する際に施設データの識別番号等を記憶している場合は、記憶している識別番号で施設番号を参照し、現在利用できるか否かを判定することにしてもよい。目的地履歴表示処理は、現在利用できない目的地履歴をすべて抽出したらステップS104に進む。
【0037】
図4のステップS104では、制御部10は、一覧表示の対象である各目的地履歴を一覧表示する。このとき、ステップS103で抽出された目的地履歴の表示態様を他の目的地履歴の表示態様と異なるものにしたり、表示しないようにしたりする。たとえば、背景色や文字色などを変更する。目的地履歴表示処理は、一覧表示の対象である目的地履歴を一覧表示したらステップS105に進む。
【0038】
図4のステップS105では、制御部10は、目的地が設定されたか否かを判定する。目的地が設定されたか否かの判定は、たとえば図3の目的地設定ボタン32が選択されたか否かを判定することにより実現できる。目的地履歴表示処理は、目的地が設定されたら、目的地履歴表示処理を終了する。制御部10は、目的地履歴表示処理が目的地を設定することにより終了したら経路探索処理などの適切な処理を実行する。一方、目的地が設定されなかった場合、目的地履歴表示処理はステップS106に進む。
【0039】
図4のステップS106では、制御部10は、一覧表示の対象を絞り込むか否かを判定する。一覧表示の対象を絞り込むか否かの判定は、たとえば図3の絞込みボタン34が選択されたか否かを判定することにより実現できる。目的地履歴表示処理は、一覧表示の対象を絞り込む場合はステップS107に進み、絞り込まない場合は、ステップS105に戻る。
【0040】
図4のステップS107では、制御部10は、所定の方法により一覧表示の対象を絞り込む。一覧表示の対象は、予め設定された方法または絞り込みを行うときにユーザが指定した方法で絞り込めばよく、たとえば前述したとおり目的地履歴の設定日時や、表示モニタ12に表示していた地図範囲、現在日時や地図の縮尺に基づいて決定された施設のジャンルなどに基づいて絞り込めばよい。目的地履歴表示処理は、一覧表示の対象を絞り込んだらステップS101に戻る。
【0041】
以上で説明した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0042】
本実施の形態のナビゲーション装置1は、経路の目的地を設定し、目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、GPS受信部14からのGPS信号やジャイロセンサ15などに基づいて搭載車両の現在位置を取得し(図4のステップS101)、過去に設定した目的地の地点名称や位置情報を目的地履歴として記憶部11に記憶する。搭載車両の現在位置と、各目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離をそれぞれ算出し(図4のステップS102)、距離算出手段により算出された距離に基づいた順番に目的地履歴を並び換え、図3のように目的地の名称を少なくとも含む情報を表示モニタ12に一覧表示する(図4のステップS104)。これにより、ユーザが目的地履歴から車両の現在位置周辺にある所望の目的地を選択することが容易になる。
【0043】
本実施の形態のナビゲーション装置1は、記憶部11に記憶されている目的地履歴の中から位置情報が所定の地図範囲内にある目的地履歴だけに絞り込むことや、目的地に設定した日時が所定の範囲内にある目的地履歴だけに絞り込むことができる(図4のステップS107)。これにより、ユーザは所望の目的地を選択することが更に容易になる。
【0044】
本実施の形態のナビゲーション装置1は、目的地履歴に対応した地点ができなくなったものについて、まだ利用できる目的地点とは異なる表示態様で表示する(図4のステップS103およびS104)。これにより、ユーザに対して利用できなくなった施設に関する注意喚起ができる。
【0045】
以上で説明した実施形態は、以下のように変形して実施できる。
【0046】
目的地履歴表示処理の実行は、表示モニタ12に地図を表示しているときに限らない。また、その実行方法により目的地履歴の表示方法が異なってもよい。たとえば、図2のメニュー22のように地図を表示している時は、本実施の形態のように搭載車両の現在位置からの距離順に表示し、ナビゲーション装置1のメインメニューから目的地履歴を表示する処理を実行する場合は、目的地履歴の記憶順に表示することにしてもよい。
【0047】
記憶部11に記憶された目的地履歴は、目的地に設定した日時に関する情報が古くなった場合や、図4のステップS103で現在利用できない施設であるとして抽出された目的地履歴を削除することにしてもよい。また、ユーザが現在利用できない施設として抽出された施設を選択した場合は、現在利用できない可能性があることを画像もしくは音声またはその両方でユーザに報知することにしてもよい。
【0048】
搭載車両の現在地位が所定の期間以上の間、所定の地図範囲内を走行している場合は、搭載車両の運転手が迷っているものと判断して、図4の目的地履歴表示処理を実行することを促す案内を行ってもよいし、目的地履歴表示処理を実行することにしてもよい。
【0049】
以上で説明した各実施の形態や各種の変形例は、車両以外のものに適用してもよい。たとえば、徒歩用の経路を探索し歩行者を案内するナビゲーション装置に適用してもよい。
【0050】
以上で説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【符号の説明】
【0051】
1 ナビゲーション装置
10 制御部
11 記憶部
12 表示モニタ
13 スピーカ
14 GPS受信部
15 ジャイロセンサ
16 入力装置
30 一覧表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定し、前記目的地まで車両を案内するナビゲーション装置であって、
前記車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
過去に設定した前記目的地の名称および位置を少なくとも含む情報を目的地履歴として記憶する目的地履歴記憶手段と、
前記車両の現在位置と、前記目的地履歴記憶手段に記憶された各目的地履歴の位置情報が表す位置との間の距離をそれぞれ算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により算出された距離に基づいた順番に前記目的地履歴を並び換え、その順番で前記目的地履歴のうち前記目的地の名称を少なくとも含む情報を一覧表示する履歴表示手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記目的地履歴を所定の条件に基づいて絞り込む表示履歴絞込み手段を更に備え、
前記履歴表示手段は、前記表示履歴絞込み手段により絞り込まれた目的地履歴を前記距離算出手段により算出された距離に基づいた順番に並び換えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記表示履歴絞込み手段は、前記目的地履歴のうち、その目的地の位置が前記車両の現在位置周辺の所定の地図範囲内にある目的地についての目的地履歴のみに絞り込むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のナビゲーション装置において、
前記目的地履歴記憶手段は、前記目的地を設定した日時の情報を前記目的地履歴として記憶し、
前記表示履歴絞込み手段は、前記目的地履歴のうちそれを設定した日時が所定の範囲内にある目的地についての目的地履歴のみに絞り込むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記目的地履歴に対応した施設が利用できなくなったか否かを判定する利用可否判定手段を更に備え、
前記履歴表示手段は、前記利用可否判定手段により利用できなくなったと判定された施設の目的地履歴の表示態様を、前記利用可否判定手段により利用できると判定された地点の目的地履歴の表示態様と異なるものとすることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−13428(P2012−13428A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147421(P2010−147421)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】