説明

ナビゲーション装置

【課題】ベクトルデータを有していない地図であっても道路上に現在位置が表示されるように地図に現在位置をマッチングさせる。
【解決手段】まず、現在位置を移動量だけ移動した場合の位置に該当する色データ(パレット情報)を取得し(S202)、この色データ(パレット情報)と、道路領域を表す基準値(パレット情報)とを比較する(S203)。両方のパレット情報が一致すれば(S204:YES)、移動先が道路上にあると判断された場合の処理として現在位置を移動先に更新して(S205)、この処理を終了する。一方、移動先が道路上にあると判断されなかった場合、現在位置が道路上に表示されるように現在位置を補正する(S206)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図の道路上に現在位置をマッチングさせてディスプレイに表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両に搭載されるナビゲーション装置では、地図の道路及び交差点がリンク及びノードからなるベクトルデータから構成されており、GPS(Global Positioning System)などで算出した現在位置を地図の道路上にマッチングさせてディスプレイに表示する。
【0003】
また例えば特許文献1記載の技術として、古地図と現在地図とを並べたり又は重ねたりしてディスプレイに表示することにより道路や市街地について両地図の違いを把握しようとするものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−156899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、観光客が参照する観光地図や古地図などは、道路及び交差点を構成するベクトルデータを有しておらず、インターネットなどを介してビットマップデータなどで提供されるのが通常である。そのため、これらの地図では現在位置をベクトルデータにマッチングさせることができず、GPSなどで算出した現在位置を地図にマッチングさせても必ずしも現在位置が道路上にくるとは限らない。
【0006】
すなわち例えば、観光地図では、著名な建造物や史跡などの観光スポットが強調されたり、道路がデフォルメされたりして表現されていることが多いため、ベクトルデータを有する道路地図と同様の方法で現在位置を表示しようとしても、現在位置が道路上に表示されない場合も多くなる。
【0007】
この点は特許文献1記載の技術を用いて、古地図と現在地図とを並べたり又は重ねたりしたとしても縮尺が必ずしも一致せず不都合は解消されない。
このようにディスプレイに表示された地図の道路上に現在位置が表示されないことになると、ユーザはそのディスプレイ表示に違和感を覚え、ひいてはナビゲーション装置の性能に対する不信感を抱くことにもなりかねない。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ベクトルデータを有していない地図であっても道路上に現在位置が表示されるように地図に現在位置をマッチングさせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のナビゲーション装置は、現在位置データ取得手段、地図画像データ取得手段、マッチング手段、及び表示手段を備える。そして、現在位置データ取得手段は、現在位置を表す現在位置データを取得し、地図画像データ取得手段は、道路と道路以外の部分とを色で判別可能な地図を表す地図画像データを記憶媒体から取得し、マッチング手段は、地図画像データ取得手段により取得された地図画像データが表す地図に現在位置データ取得手段により取得された現在位置データが表す現在位置をマッチングさせ、表示手段は、マッチング手段によりマッチングされた地図及び現在位置をディスプレイに表示する。そして、マッチング手段は、現在位置に対応する地図の色によりその現在位置が道路上にあることが判別されなかった場合にその現在位置が地図の道路上に表示されるように補正する。
【0010】
かかる請求項1記載の発明によれば、現在位置に対応する地図の色によりその現在位置が道路上にあることが判別されなかった場合にその現在位置が地図の道路上に表示されるように補正するため、ベクトルデータを有していない地図であっても現在位置は道路上に表示されることになり、ユーザに与える違和感を除去することができる。
【0011】
ところで、ベクトルデータを有さない観光地図や古地図などでは、地図によって色彩の使い方が異なるため、必ずしも道路領域にあたる部分の色が同じであるわけではない。
そこで、請求項2記載の発明では、マッチング手段は、地図画像データ取得手段により取得された地図画像データが表す地図から道路領域を表す色の基準値を取得し、その取得した基準値と現在位置に対応する地図の色とを対比して現在位置が地図の道路上にあることを判別する。
【0012】
かかる請求項2記載のナビゲーション装置によれば、取得した地図画像データが表す地図から道路領域を表す色の基準値を取得し、その取得した基準値と現在位置に対応する地図の色とを対比して現在位置が地図の道路上にあることを判別するため、ベクトルデータを有していない地図について他の地図と道路の色彩が異なっていたとしても的確に道路上に現在位置をマッチングできる。
【0013】
また道路上に現在位置が表示されないことの違和感は車両に搭載されたナビゲーション装置で特に顕著となる。
そこで、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のナビゲーション装置を車載用とすることにより、走行中の車両で道路上に現在位置が表示されないことが回避されるため、ユーザが違和感を覚えたり、ナビゲーション装置の性能に対する不信感を抱いたりすることもなくなる。
【0014】
またデフォルメされた観光地図や現在とは縮尺等が異なる古地図を単独で表示させただけでは、ユーザは正確に現在位置を知ることができないおそれがある。
そこで、請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、ディスプレイは複数のナビゲーション画面を表示可能に構成され、表示手段は、複数の画面のうち少なくとも1つにマッチング手段によりマッチングされた地図及び現在位置をディスプレイに表示し、少なくとも他の1つに地図画像データ取得手段により取得された地図画像データが表す地図以外の地図に現在位置をマッチングさせて表示する。
【0015】
かかる請求項4記載の発明によれば、複数の画面に例えば、観光地図と通常の道路地図とを並べて表示させることが可能となり、ユーザは通常の道路地図で正確な現在位置を参照しながら、観光地図で観光スポットまでの距離や道順を確認することができるため、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ナビゲーションシステムの構成を示す構成図である。
【図2】パレット登録処理を示すフローチャートである。
【図3】パレット情報を登録する画面を示す説明図である。
【図4】マップマッチング処理を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーションシステムの画面表示を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をナビゲーションシステムに採用した実施形態を図面を参照しながら説明する。
[1 構成]
図1(a)は、車両に搭載されるナビゲーションシステムの全体構成を示した概略構成図である。
【0018】
このナビゲーションシステムは、位置検出部1、表示部2、記憶媒体3、地図データ格納部4、音声出力部5、メモリ部6、及び表示制御部7を備える。
位置検出部1は、このナビゲーションシステムを搭載した車両(以下「自車両」ともいう。)の現在位置を特定するためのセンサ群である。
【0019】
この位置検出部1は、図1(b)に示すとおり、自車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ部11、自車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ部12、GPS用の人工衛星からの電波(GPS信号)を受信するGPS受信部13、3軸方向の加速度等から自車両の走行距離を検出する加速度センサ部14、地磁気から自車両の進行方向を検出する地磁気センサ(図示せず)等を備え、GPS信号を受信できない状況であってもいわゆる自律航法により自車両の現在位置を算出できるように構成されている。
【0020】
表示部2は地図上に現在位置を示すことで視覚的にナビゲーションを実現するための周知のタッチパネルによる操作が可能な液晶ディスプレイ装置である。
記憶媒体3は、SDカードなどの各種記憶用磁気カード、ディスク、メモリスティックなど電子データを記憶可能な記憶媒体であり、ここでは特に、インターネットなどを介してダウンロードしたパンフレット中の観光地図や古地図のビットマップデータが記憶される。
【0021】
また、地図データ格納部4は道路及び交差点がリンク及びノードで構成された道路地図に対応した地図画像データを格納するハードディスク、音声出力部5はナビゲーションを音声で出力するためのスピーカ、メモリ部6は各種処理の結果などのデータが記憶される記憶装置であり、ここでは特に、道路領域の色を判断する色データ(パレット情報)の基準値について既定値が予め記憶されている。この基準値は、道路の色が白色に近いことを前提としたRGB値であり、仮に後述するパレット登録処理(図2)により地図画像データに応じた基準値が新たに登録されなかった場合、この既定値を基準にしてマップマッチング処理(図4)が実行される。
【0022】
表示制御部7は、各部1〜6との間で各種処理を実行する電子制御ユニットである。
この表示制御部7は機能面から、地図データ取得部21、マップマッチング部22、経路計算部23、経路案内部24、描画部25、及び画面制御管理部26を備える。
【0023】
すなわちナビゲーションシステムにより経路案内を行う場合、地図データ取得部21が地図データ格納部4に格納されている地図画像データを取得し、マップマッチング部22が位置検出部1で算出した現在位置を地図にマッチングして、経路計算部23が目的地までの経路を算出する。このようにして算出された経路は経路案内部24によりディスプレイ表示や音声により案内制御される。その際の経路は、描画部25により地図とともに描画処理がなされ、表示部2により表示される。また表示部2による画面表示は、画面制御管理部26により制御管理される。
[2 処理]
以下、ナビゲーションシステムの表示制御部7が実行する処理をフローチャートを用いて説明する。
【0024】
このナビゲーションシステムでは、観光地図のようなベクトルデータを含まない地図であっても道路上に現在位置を示すカーソルが表示されるようにするために、前提の処理として、まず地図画像データから道路領域にあたる色を表す色データ(パレット情報)を登録するパレット登録処理を行い、実際に自車両を走行させてナビゲーションを行なっている際に現在位置が地図の道路上に表示させるマップマッチング処理を行う。
【0025】
図2は、パレット登録処理を示すフローチャートである。このパレット登録処理は、新たに観光地図や古地図などのビットマップデータとしての地図画像データをインターネットなどからダウンロードして、記憶媒体3に記憶した場合に、その地図画像データを基にナビゲーションを行う際の前提処理として実行する。具体的には取得した地図画像データの道路領域を表す色データ(パレット情報)を登録する処理を示している。この処理により登録された道路部分を示す色データ(パレット情報)は、マップマッチング処理(図4に後述)で現在位置を地図にマッチングさせる際に使われる。
【0026】
このパレット登録処理は、ユーザが新しい観光地図又は古地図でナビゲーションを実行することを前提として所定の操作を行なった際に、地図画像データ(ビットマップデータ)を記憶媒体3から取得したタイミングで実行される。
【0027】
まずS101では、新たに取得した観光地図又は古地図について、道路領域に該当する色データ(パレット情報)を登録するか否かをユーザの入力により判定する。
すなわち、インターネットを介してパンフレットなどに掲載されている観光地図などをダウンロードした場合、観光地図によっては道路領域の色が白色に近いものであったり、黄色に近いものであったりするため、色データを基に道路領域を判別する際に既定値のみを使ったのでは正確に判別することができない場合も考えられるため、地図毎に道路領域にあたる色データ(パレット情報)を登録する。
【0028】
ユーザの入力により、取得した観光地図又は古地図から道路に該当するパレット情報を登録する場合(S101:YES)、S102に進み、登録しない場合(S101:NO)、S103に進む。
【0029】
S102では、新しく取得した地図についてパレット情報を登録するモードに入ったことをユーザに知らせるとともに地図から道路領域のパレット情報を登録する準備を行う画面表示を行い、S104進む。
【0030】
S104では、ユーザが道路領域の色データを登録することができるように、ユーザのスクロールや縮尺の操作を受け付ける。
すなわち、取得した地図画像データについて道路領域に該当する色データ(パレット情報)を登録するために、地図を適切な場所及び大きさで表示させて道路部分を選択できるようにする。このS104の後、S105に進む。
【0031】
S105では、ユーザにより道路領域にあたる色データ(パレット情報)を登録する要求があったか否かを判定する。
すなわちユーザが取得した地図について適切な場所及び大きさで表示して、道路領域を選択できるようになった場合、ユーザはカーソルの示している地点を基に色データ(パレット情報)を登録するよう要求する。図3はこのS105の処理を行う際に表示部に表示される画面を示している。
【0032】
図3に示すとおり、画面は画面左部31及び画面右部32に二分割され、画面左部31に取得した観光地図が表示されており、画面右部32にユーザに対する指示が表示されている。画面左部31には、観光地図に道路33、建物34、池35が表示されており、自車両の現在位置が現在位置カーソル36で示されている。またユーザが道路領域のパレット情報として登録を求める位置が登録カーソル37で表示されている。登録カーソル37は、ユーザがタッチパネルや上下左右ボタン等により上下左右に自由に位置を移動させることができる。
【0033】
画面右部32には、ユーザに対する指示表示38として「指定パレットを登録しますか?」の文字表示、「はい」ボタン39、及び「いいえ」ボタン40が示されている。ユーザに対する指示表示38では例えば「指定パレットを登録しますか?」との問いかけが表示され、これに対しユーザが肯定したい場合、つまり登録する場合は「はい」ボタン39、そうでない場合は「いいえ」ボタン40をタッチ操作する。
【0034】
この操作により、登録カーソル37が示す位置にあたる地図画像データに含まれる色データ(パレット情報)が、この地図における道路領域を示す基準値として登録されることになる。
【0035】
S105で、ユーザによりパレット登録要求があったと判定された場合(S105:YES)、S106に進み、パレット登録要求があったと判定されない場合(S105:NO)、S102に戻る。
【0036】
S106では、登録カーソル37と重なる位置にあたる地図画像データのパレット情報を取得し、S107に進む。具体的には、表示部2のVRAMに記憶されている地図画像データのRGB値を取得する。
【0037】
S107では、S106で取得したパレット情報(RGB値)のビットデータの丸め込みを行い、S108に進む。
すなわち、取得したパレット情報(RGB値)は、道路領域を示す色データとして基準値となるものであり、このパレット情報は後述するマップマッチング処理において現在位置が道路上にあるか否かを判別する際に使われることになる。その際に、取得したパレット情報(RGB値)と厳密な一致を要求したのでは、的確に道路部分であることを認識できない可能性があるため、ある程度の範囲で基準値を設定する必要がある。そのための方法として、ここでは比較するRGB値の2進数データについて全ての桁数での一致を要求するのではなく、所定の桁数のみでの一致で道路領域であると判別することを可能にする。このことによりパレット情報に幅を持たせることが可能となる。
【0038】
なおこれは所定範囲の類似する色データを含むような設定であれば、RGB値を閾値で範囲付けるなど、どのような方法を用いてもよい。
S108では、S107で丸め込みを行なったRGB値をマップマッチング用のパレット情報として登録して、この処理を終了する。
【0039】
一方S103では、取得した観光地図又は古地図について道路に該当するパレット情報の更新はしないため、予めメモリ部6に格納されている既定値としてのパレット情報を取得し、S108に進む。この場合であっても道路の色は白に近い色が既定値として登録されているため、多くの場合は道路を判別できる。またこの既定値は、既に後述する丸め込みがなされている。
【0040】
図4は、表示制御部7が実行するマップマッチング処理を示すフローチャートである。この処理は表示部2に観光地図及び現在位置を表示している際に、位置検出部1の車速センサ部12により自車両が移動したことが検出されたタイミングで実行する。すなわち自車両が停止していた状態から移動した場合、又は移動を継続した場合がある。なお、初期値として現在位置を地図にマッチングする技術としては周知の技術によればよく、例えば、ユーザが現在位置を設定してもよい。
【0041】
まずS201では、位置検出部1から車速、進行方向、前回の現在位置からの移動時間等を読み出し、自車両の現在位置の移動量を方向と大きさで計算して、S202に進む。
S202では、前回の現在位置(自車両の移動を反映させていない位置)をS201で計算した移動量だけ移動した場合の位置に該当する色データ(パレット情報)を取得し、S203に進む。
【0042】
S203では、S202で取得したパレット情報と、マップマッチング用の道路領域の基準値となるパレット情報とを対比し、S204に進む。
S204では、S203でパレット情報を対比することにより基準値となるパレット情報の幅に現在位置に対応するパレット情報が含まれるか否か、すなわち丸め込みを行った桁数のRGB値が一致するか否かを判断する。両パレット情報が一致すれば(S204:YES)、S205に進み、一致しない場合はS206に進む。
【0043】
S205は、移動した先の現在位置が道路上にあると判断された場合の処理であり、現在位置を移動先に更新して、マップマッチング処理を終了する。
一方S206は、移動先が道路上にあると判断されなかった場合であり、この場合、周知の方法により現在位置を補正して、S205に進む。この周知の技術としては例えば、特開2002−156899号公報に記載してある技術を用いることができる。このS206の処理としては、他にも例えば、移動先から最も近い道路部分を近似値として現在位置とするなど道路上に現在位置が表示される方法であれば、どのようなものであってもよい。
【0044】
図5は、このマップマッチング処理を実行している際に表示部2に表示される画面を示している。画面は画面左部51及び画面右部52に二分割され、画面左部51に視覚的にわかりやすく表現された観光地図が表示されており、画面右部52に実際の道路の形状に近い形で表現された通常の道路地図が表示されている。
【0045】
画面左部51には、観光地図に道路53、建物54、池55が表示されている。画面左部51に表示されている観光地図はベクトルデータを有していないが、前述のマップマッチング処理により、自車両の現在位置が現在位置カーソル56で道路53上に表示される。
【0046】
一方、画面右部52は、実際の道路の形状に近い道路地図であり、道路57、池58等が表示されている。画面右部52に表示されている道路地図は、道路及び交差点がノード及びリンクのベクトルデータで構成されており、周知のマップマッチング処理により現在位置カーソル59が道路57上に表示される。
[3 効果]
以上説明したとおり、本実施形態のナビゲーションシステムによれば、地図画像データの色データ(パレット情報)により現在位置が道路上か否かを判別し、道路上でないと判断されれば(S204:NO)、表示する現在位置を移動させて道路上になるように補正するため(S206)、ベクトルデータを有さない地図上に現在位置を表示させる場合であってもユーザは違和感なく地図上で現在位置を確認できる。
【0047】
また、ディスプレイに表示された地図を基に、例えばユーザが道路部分を選択するなどして、道路部分を表す色データの基準値が決められるため、観光地図や古地図など地図の種類が異なっており、道路領域の色データが異なっていても道路上にマッチングをすることができる。
【0048】
また表示部2の画面が二分割された上で、画面左部51及び画面右部52に、それぞれユーザは観光地図及び通常の道路地図に現在位置を表示させ、ユーザは通常の道路地図で正確な現在位置を参照しながら、観光地図で観光スポットまでの距離や道順を確認することができるため、便利である。
[4 特許請求の範囲との対比]
なお、ナビゲーションシステムについて、表示制御部7が実行するS201の処理が現在位置データ取得手段、表示制御部7が実行するS203,S204及びS205がマッチング手段、表示制御部7が実行するS205が表示手段にそれぞれ相当する。
[5 他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0049】
また、実施形態では車両に搭載するナビゲーション装置を示したが、これは歩行者を前提として携帯電話や携帯端末に搭載するナビゲーションシステムとすることもできる。
さらに、ナビゲーションシステムとしてネットワークを使った処理が行われるようなものでもよく、この場合、例えば、道路上にあることの判別や地図に現在位置をマッチングさせる処理の全部及び一部について、ユーザが保有するナビゲーション装置の制御部ではなく、ネットワーク上に存在する他の外部のコンピュータの制御部により実行される処理であっても全体としてみれば、本件発明の構成に含まれる。このことは例えば、ベクトルデータを有さない地図画像データがネットワーク上の記憶装置に記憶されており、ナビゲーションの際に随時通信により読み出す処理を実行するような場合であっても同様である。
【符号の説明】
【0050】
1…位置検出部、2…表示部、3…記憶媒体、4…地図データ格納部、5…音声出力部、6…メモリ部、7…表示制御部、11…ジャイロスコープ部、12…車速センサ部、13…GPS受信部、14…加速度センサ部、21…地図データ取得部、22…マップマッチング部、23…経路計算部、24…経路案内部、25…描画部、26…画面制御管理部、31…画面左部、32…画面右部、33…道路、36…現在位置カーソル、37…登録カーソル、38…指示表示、39…ボタン、40…ボタン、51…画面左部、52…画面右部、53…道路、56…現在位置カーソル、57…道路、59…現在位置カーソル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を表す現在位置データを取得する現在位置データ取得手段と、
道路と道路以外の部分とを色で判別可能な地図を表す地図画像データを記憶媒体から取得する地図画像データ取得手段と、
前記地図画像データ取得手段により取得された地図画像データが表す地図に前記現在位置データ取得手段により取得された現在位置データが表す現在位置をマッチングさせるマッチング手段と、
前記マッチング手段によりマッチングされた地図及び現在位置をディスプレイに表示する表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、
前記マッチング手段は、前記現在位置に対応する前記地図の色によりその現在位置が道路上にあることが判別されなかった場合にその現在位置が前記地図の道路上に表示されるように補正すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記マッチング手段は、前記地図画像データ取得手段により取得された地図画像データが表す地図から道路領域を表す色の基準値を取得し、その取得した基準値と前記現在位置に対応する前記地図の色とを対比して前記現在位置が前記地図の道路上にあることを判別すること
を特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は車載用のものであること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ディスプレイは複数のナビゲーション画面を表示可能に構成され、前記表示手段は、前記複数の画面のうち少なくとも1つに前記マッチング手段によりマッチングされた地図及び現在位置をディスプレイに表示し、少なくとも他の1つに前記地図画像データが表す地図以外の地図に現在位置をマッチングさせて表示すること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−13525(P2012−13525A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150009(P2010−150009)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】