説明

ナビゲーション装置

【課題】ジャンル検索において用いられるジャンルの一覧の利便性を向上する「ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1の制御部16は、ジャンル選択ウインドウ(b)でユーザからジャンルの選択を受け付け、選択されたジャンルに含まれる各ブランドの順番を着目区域内に存在する当該ブランドの施設数の多い順に設定する。そして、ブランド選択ウインドウを開き、各ブランドを設定した順番に従って上から配置したブランドの一覧421を表示し(c)、ユーザからブランドの選択を受け付け、選択を受け付けたブランドの施設の一覧を表示し(d)、ユーザから施設の選択を受け付ける。着目区域としては、たとえば、現在位置からの距離が所定距離(たとえば、5km)内となるエリアを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置においてユーザの施設検索を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置においてユーザの施設検索を支援する技術としては、施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でユーザから選択を受け付けたジャンルの施設の一覧を表示し、表示した施設の一覧上でユーザから、目的地等とする施設の選択を受け付けるジャンル検索の技術において、ジャンルの一覧中におけるジャンルの並び順を、ユーザが変更できるようにした技術が知られている(特許文献1)。この技術によれば、ユーザは、五十音順、選択頻度順、現在位置から近い順、目的地までの経路に近い順、目的地に近い順などの複数の並び順のうちから所定の並び順を選択して、ジャンルの一覧中におけるジャンルの並び順として設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-263626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したジャンル検索の技術においてジャンルの一覧を表示する場合、ユーザの選択の蓋然性が大きいジャンルが、より前に配置された形態で当該ジャンルの一覧を表示することが、ユーザの利便性を高める上で好ましい。
しかしながら、ユーザの選択の蓋然性が大きいジャンルは、ユーザがジャンル検索によって施設を検索しようとする地域における施設の存在状況などに応じて異なるものとなる。
たとえば、ガソリンスタンドのブランドをジャンルとする場合において、地域xではブランドAのガソリンスタンドが最も多く存在し、地域yではブランドBのガソリンスタンドが最も多く存在しており、ユーザがそのことを認知しているときには、ユーザは、最寄りのガソリンスタンドを探索するために、地域xでガソリンスタンドを検索する場合にはブランドAのジャンルを、地域yでガソリンスタンドを検索する場合にはブランドBのジャンルを選択する蓋然性が大きい。
【0005】
そして、このために、このような施設を検索しようとする地域における施設の存在状況を考慮せずに、ジャンルの並び順を定める上述したジャンル検索の技術によっては、ジャンルの一覧の表示の利便性を充分に高めることができない場合がある。
そこで、本発明は、ジャンル検索において用いられるジャンルの一覧の利便性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、地図を表す地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置を前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示する案内画像表示手段とを備えたナビゲーション装置に、各施設のジャンルと名称と位置とが少なくとも登録された施設データを記憶した施設データ記憶手段と、施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でジャンルの選択を受け付けるジャンル選択受付手段と、前記施設データに基づいて、前記ジャンル選択受付手段が選択を受け付けたジャンルの施設を検索し、検索した施設の一覧を表示し、当該施設の一覧上で施設の選択を受け付ける施設選択受付手段とを備え、前記ジャンル選択受付手段において、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記現在位置を基準に定めた当該現在位置を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成する動作を行うようにしたものである。
【0007】
ここで、このようなナビゲーション装置は、ユーザから位置の指定を受け付けて指定位置に設定する指定位置設定手段を設け、前記ジャンル選択受付手段において、前記動作に代えて、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記指定位置を基準に定めた当該指定位置を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成する動作を行うように構成してもよい。
【0008】
または、このようなナビゲーション装置は、ユーザから設定された目的地までの経路を誘導ルートとして設定する誘導ルート設定手段を設け、前記案内画像表示手段において、前記現在位置と目的地と前記誘導ルートとを前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示するようにすると共に、前記ジャンル選択受付手段において、前記動作に代えて、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記目的地を基準に定めた当該目的地を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成する動作を行うように構成してもよい。
【0009】
または、このようなナビゲーション装置は、ユーザから設定された目的地までの経路を誘導ルートとして設定する誘導ルート設定手段を設け、前記案内画像表示手段において、前記現在位置と目的地と前記誘導ルートとを前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示するようにすると共に、前記ジャンル選択受付手段において、前記動作に代えて、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記誘導ルートを基準に定めた当該誘導ルート周辺を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成する動作を行うように構成してもよい。
【0010】
これらのようなナビゲーション装置によれば、ユーザは施設を利用しようとする区域である蓋然性の大きい、現在位置や指定位置や目的地や誘導ルートを基準として定まるこれらを含む区域に着目し、着目した区域内に存在する施設数の多い順にジャンルを配置してジャンルの一覧を生成するので、ユーザは、当該区域内に施設が多く存在するジャンル、すなわち、当該区域内において、施設の存在数が多くしたがって施設の利用が容易なジャンルを容易に選択することができるようになる。
【0011】
なお、以上のナビゲーション装置において、前記ジャンルは、施設の系列を表すブランドであってもよい。
ところで、以上のナビゲーション装置は、ユーザから設定された目的地までの経路を誘導ルートとして設定する誘導ルート設定手段と、観光地である地域を登録した観光地登録手段とを設け、前記案内画像表示手段において、前記現在位置と目的地と前記誘導ルートとを前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示するようにすると共に、前記ジャンル選択受付手段において、前記動作に代えて、前記目的地が観光地に含まれるかどうかを前記観光地登録手段を参照して判定し、観光地に含まれる場合にのみ、ジャンルの順番を、前記目的地を基準に定めた当該目的地を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成し、他の場合には、予め定めた他の基準に従った順番で各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成する動作を行うようにしてもよい。
【0012】
このようにすることにより、目的地としている観光地の施設をジャンル検索によって検索するような場合には、普段のジャンル検索においてはあまり選択することのない、観光地に多く存在する観光施設のジャンルが、より上位に配置された形態でジャンルの一覧が表示されることとなる。
【0013】
よって、ユーザが観光地において検索する蓋然性が大きいと考えられる観光施設のジャンルの、ユーザの選択が容易化されることとなる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ジャンル検索において用いられるジャンルの一覧の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る地図データの内容を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの表示例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るジャンル検索処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成を示す。
図示するように、ナビゲーションシステムは、ナビゲーション装置1と、操作部2と、表示装置3と、車両状態センサ4と、GPS受信機5とを備えて構成される。ここで、車両状態センサ4は、ジャイロセンサや車速センサなどの車両の各種状態を検出するセンサ群である。
【0017】
そして、ナビゲーション装置1は、地図を表す地図データを記憶したDVDドライブやHDDなどの記憶装置である地図データ記憶部11、現在状態算出部12、操作部2や表示装置3を用いたGUIをユーザに提供するGUI制御部13、ルート探索部14、メモリ15、制御部16、案内画像生成部17を有する。
【0018】
但し、以上のナビゲーション装置1は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路であって良く、この場合、以上に示したナビゲーション装置1の各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介して、ナビゲーション装置1に提供されるものであって良い。
【0019】
次に、図2に地図データ記憶部11に記憶される地図データの内容を示す。
図示するように、地図データは、地図データのバージョンなどを記述した管理データ、地図を表す基本地図データ、路線データ、サービスデータ、描画リソースデータを含んで構成される。
そして、基本地図データは、道路網を表す道路ユニットと、表示地図を規定する描画ユニットとを有する。
次に、道路ユニットは道路網を表すデータであり、ノードリストと、リンクテーブルと、接続データとを有する。
ここで、道路ユニットでは、道路を直線であるリンクの集合として表現しており、この各リンクの端点がノードである。そして、ノードリストは、各ノードの座標や、各ノードの交差点に相当するノードであるか等を表す属性などを示すデータである。また、リンクテーブルは、各リンクの両端のノードの識別や、各リンクの距離や方位や、各リンクに与えた経路探索用のコストであるリンクコストや、リンクの属する路線の路線番号等を示すデータである。
【0020】
次に、描画ユニットは、地形図形や道路図形や建物図形などの地図の地理的な表示要素となる各図形を規定する背景ユニットと、建物名称や道路名称や交差点名称などの地図上に表示する各文字列を規定する文字列ユニットと、駐車場やガソリンスタンド等の施設の存在を表すために地図上に表示するマークであるアイコンを規定するアイコンユニットとを有する。
【0021】
次に、地図データに含まれる路線データは、各道路毎に設けられた路線レコードを有し、各路線レコードには、道路の識別子である路線番号や、各道路の高速道路、国道、県道などの路線種別や、各道路の道路名称が記述される。
ここで、以上のような基本地図データは、地図データが表す地理的範囲を、経緯度の所定の大きさの範囲毎に分割したメッシュ毎に設けられるものであってもよい。
次に、地図データのサービスデータは、ジャンルリストと施設データベースと地域属性データベースとを有する。
ジャンルリストには、施設のコンビニエンスストア、レストラン、ガソリンスタンドといったジャンルの各々に対応するエントリが設けられており、各エントリには対応するジャンルのジャンル名と、対応するジャンルのブランドリストが登録されている。そして、ブランドリストには、対応するジャンルに含まれるブランドのブランド名が登録される。ここで、ブランドは、ジャンルを細分化した小ジャンルに相当するものであり、たとえば、コンビニエンスストアのブランドには、コンビニエンスストアの各チェーン(系列)が該当し、ガソリンスタンドのブランドには、ガソリンスタンドの各系列が該当する。ただし、ブランドに細分化されないジャンルのエントリには、ブランドリストは登録されない
次に、施設データベースには、地図データ制作者が地図データにプリセットした各施設毎に対応して設けられた施設レコードが格納されている。そして、各施設レコードには、対応する施設のジャンル、ブランド、施設名称、座標、住所、電話番号等とが登録されている。
【0022】
なお、このような施設データベースは、上述したメッシュ毎に設けられるものであってもよい。
そして、地域属性データベースには、地域毎に対応して設けた地域属性レコードが格納されており、各地域属性レコードには対応する地域の識別情報と、対応する地域の属性が登録されている。ここで、地域の属性としては、当該地域の観光地であるか否かなどを登録する。
【0023】
さて、このような構成において、ナビゲーション装置1の現在状態算出部12は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部12は、車両状態センサ4やGPS受信機5の出力から推定される現在位置に対して、地図データ記憶部11から読み出した地図データの基本地図データの道路ユニットが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ15に設定する。
【0024】
また、制御部16は、ユーザの目的地設定要求に応じて、ユーザから操作部2、GUI制御部13を介して目的地の設定を受付け、これをメモリ15にセットする。
そして、制御部16は、目的地の設定を受け付けたならば、目的地に到る誘導ルートをルート探索部14に探索させる。ルート探索部14は、必要地理的範囲の道路ユニットのデータを地図データ記憶部11から読み出し、メモリ15に設定されている現在位置から、目的地に到る最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて誘導ルートとして算出し、算出した誘導ルートの経路データを、メモリ15にセットする。
【0025】
また、制御部16は、メモリ15にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ15にセットされている目的地と誘導ルートをクリアする処理も行う。
そして、制御部16は、メモリ15にセットされた現在位置もしくはユーザが指定したポイントと、その時点で設定されている地図の表示縮尺に従って、地図表示範囲を設定し、案内画像生成部17は、設定された地図表示範囲の地図画像を、地図データ記録部に記憶された地図データの描画ユニットに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ15にセットされている現在位置や誘導ルートや目的地を表す図形を描画した案内画像を生成しGUI制御部13を介して表示装置3に表示する。
【0026】
図3aは、このようにして表示装置3に表示される案内画像300の例を示すものであり、図示した例では、現在位置を基準に地図の表示範囲が定められている。また、図示するように、案内画像300は、現在位置周辺の地図画像301上に、現在位置を表す現在位置マーク302や、地図表示範囲内の誘導ルートを表すルート図形303や、目的地を表す目的地マーク304が表されたものとなる。
【0027】
また、制御部16は、このような案内画像300の下部に、GUI制御部13を介して、ユーザの各種指示を受け付けるコマンドボタンを表示し、操作部2を介したユーザのコマンドボタンの操作に応じた処理を行う。たとえば、図3aでは、このコマンドボタンのセット305として、地図縮尺変更用の広域ボタン及び詳細ボタン3051と、各種メニュー呼出用のメニューボタン3052と、施設検索用の施設検索ボタン3053とのセット305を設けている。
【0028】
以下、このようなナビゲーション装置1において行う施設検索動作について説明する。
ナビゲーション装置1の制御部16は、図3に示した表示画面の施設検索ボタン3053が、ユーザによって操作されると、施設検索処理を開始する。
制御部16は、施設検索処理を開始すると、目的地と誘導ルートが設定されているかどうかを調べ、目的地と誘導ルートが設定されていなければ、適当なメニューを表示して、現在位置周辺の施設の検索を行うのか、指定位置周辺の施設の検索を行うのかの選択をユーザから受け付け、現在位置周辺の施設の検索が選択された場合には現在位置周辺検索モードを設定し、指定位置周辺の施設の検索が選択された場合には指定位置周辺検索モードを設定すると共にユーザから位置の指定を受け付けて受け付けた位置を指定位置に設定する。
【0029】
一方、目的地と誘導ルートが設定されている場合には、適当なメニューを表示して、現在位置周辺の施設の検索を行うのか、指定位置周辺の施設の検索を行うのか、指定位置周辺の施設の検索を行うのか、目的地周辺の施設の検索を行うのか、誘導ルート周辺の検索を行うかの選択をユーザから受け付け、現在位置周辺の施設の検索が選択された場合には現在位置周辺検索モードを設定し、指定位置周辺の施設の検索が選択された場合には指定位置周辺検索モードを設定すると共にユーザから位置の指定を受け付けて受け付けた位置を指定位置に設定し、目的地周辺の施設の検索が選択された場合には目的地周辺検索モードを設定し、誘導ルート周辺の施設の検索が選択された場合には誘導ルート周辺検索モードを設定する。
【0030】
そして、次に、図4aに示すような施設検索メニューウインドウをGUI制御部13を介して表示装置3に表示する。
ここで、図示するように施設検索メニューウインドウには、施設名称から施設を検索する名称検索処理呼出用の「名称で探す」ボタン401、ジャンルから施設を検索するジャンル検索処理呼出用の「ジャンルで探す」ボタン402、電話番号から施設を検索する電話番号検索処理呼出用の「電話番号で探す」ボタン403、住所から施設を検索する住所検索処理呼出用の「住所で探す」ボタン404などが設けられている。
【0031】
そして、制御部16は、施設検索メニューウインドウの「名称で探す」ボタン401が操作されたならば、名称検索処理を行って、ユーザから入力された名称に整合する施設名称が登録されている施設レコードを探索し、ユーザの選択に応じて、探索した施設レコードに登録されている座標周辺の地図を表示したり、当該座標を目的地として設定する処理を行う。また、制御部16は、施設検索メニューウインドウの「電話番号で探す」ボタン403が操作されたならば、電話番号検索処理を行って、ユーザから入力された電話番号に整合する電話番号が登録されている施設レコードを探索し、ユーザの選択に応じて、探索した施設レコードに登録されている座標周辺の地図を表示したり、当該座標を目的地として設定する処理を行う。また、制御部16は、施設検索メニューウインドウの「住所で探す」ボタン404が操作されたならば、住所検索処理を行って、ユーザから入力された住所に整合する住所が登録されている施設レコードを探索し、ユーザの選択に応じて、探索した施設レコードに登録されている座標周辺の地図を表示したり、当該座標を目的地として設定する処理を行う。
【0032】
そして、制御部16は、施設検索メニューウインドウの「ジャンルで探す」ボタン402が操作されたならば、図5に示すジャンル検索処理を実行する。
図示するように、このジャンル検索処理では、まず、図4bに示すような、ジャンル選択ウインドウを表示し、ジャンル選択ウインドウに、地図データのジャンルリストに登録されているジャンルを五十音順や過去の選択頻度順などの所定の順序で配置したジャンルの一覧411を表示し(ステップ502)、ユーザからジャンルの選択を受け付ける(ステップ504)。
【0033】
そして、ジャンルの選択を受け付けたならば、地図データのジャンルリストの、選択を受け付けたジャンルのエントリにブランドリストが登録されているかどうかを調べ(ステップ506)、登録されていなければ、選択されたジャンルが施設レコードに登録されている施設を対象施設に設定し(ステップ528)、ステップ516に進む。
【0034】
一方、地図データのジャンルリストの選択を受け付けたジャンルのエントリにブランドリストが登録されていれば(ステップ506)、登録されているブランドリスト中の各ブランドの着目区域内に存在する施設数を算出し、選択を受け付けたジャンルの各ブランドの順番を、着目区域内に存在する、選択を受け付けたジャンルの当該ブランドの施設数の多い順に設定する(ステップ508)。
【0035】
ここで、ジャンルXのブランドリストとは、ジャンルリストの当該ジャンルXに対応するエントリのブランドリストを指し、ジャンルXのブランドとはジャンルXのブランドリストに登録されているブランドを指すものとする。また、ジャンルXのブランドYの施設とは、当該ジャンルXと当該ブランドYが施設レコードに登録されている施設を指し、着目区域内に存在する施設とは、着目区域内の座標が施設レコードに登録されている施設を指すものとする。
【0036】
また、ここでは、現在位置周辺検索モードが設定されているときには、着目区域として、図3bに示すように、メモリ15に設定されている現在位置351からの距離が所定距離(たとえば、5km)内となるエリア361を設定する。ただし、現在位置周辺検索モードの着目区域としては、現在位置を中心とする所定の大きさの正方形のエリアや、現在位置が含まれる市町村や、現在位置が含まれる都道府県や、地図データのメッシュのうちの現在位置が含まれるメッシュを設定するようにしてもよい。
【0037】
また、指定位置周辺検索モードが設定されているときには、着目区域として、設定されている指定位置からの距離が所定距離(たとえば、5km)内となるエリアを設定する。ただし、指定位置周辺検索モードの着目区域としては、指定位置を中心とする所定の大きさの正方形のエリアや、指定位置が含まれる市町村や、指定位置が含まれる都道府県や、地図データのメッシュのうちの現在位置が含まれるメッシュを設定するようにしてもよい。
【0038】
また、目的地周辺検索モードが設定されているときには、目着目区域として、図3bに示すように、メモリ15に設定されている目的地352からの距離が所定距離(たとえば、5km)内となるエリア362を設定する。ただし、目的地周辺検索モードの着目区域としては、目的地を中心とする所定の大きさの正方形のエリアや、目的地が含まれる市町村や、目的地が含まれる都道府県や、地図データのメッシュのうちの目的地が含まれるメッシュを設定するようにしてもよい。
【0039】
また、誘導ルート周辺検索モードが設定されているときには、目着目区域として、図3bに示すように、誘導ルート353から所定距離内となるエリア363を設定する。
図5に戻り、以上のようにして、選択を受け付けたジャンルの各ブランドの順番を設定したならば(ステップ508)、図4cに示すような、ブランド選択ウインドウを表示し、ブランドル選択ウインドウに、ステップ504で選択を受け付けたジャンルのブランドリストに登録されている各ブランドをステップ508で設定した順番に従って上から配置したブランドの一覧421を表示し(ステップ510)、ユーザからブランドの選択を受け付ける(ステップ512)。
【0040】
このように、ブランド選択ウインドウにおけるブランドの一覧421を、着目区域内に存在する施設数の多い順に配置することにより、ユーザは、施設を検索しようとする地域(着目区域)に施設が多く存在する当該地域でメジャーなブランド、すなわち、存在数が多く従って当該地域において利用が容易なブランドを容易に選択することができるようになる。
【0041】
すなわち、コンビニエンスストアやガソリンスタンドのブランドの毎の施設数は、ローカルブランドの存在などもあって、地域毎に大きく異なるが、本実施形態によれば、施設を検索しようとする地域(着目区域)に施設が多く存在するブランド、すなわち、より利用し易い当該地域でメジャーなブランドが、より上位に配置された形態、すなわち、より選択し易い形態でブランドの一覧421が表示されることとなる。
【0042】
たとえば、全国的に見れば存在数も少なくマイナーであるが、ある地域では存在数が多くメジャーなコンビニエンスストアのブランドである「レモンハート」が存在する場合において、当該地域が着目区域となった場合には、図4cに示すように、当該「レモンハート」が、ブランドの一覧421の上位に現れることとなる。
【0043】
そして、ブランドの選択を受け付けたならば、ステップ504で選択されたジャンルとステップ512で選択を受け付けたブランドが施設レコードに登録されている施設を対象施設に設定し(ステップ514)、ステップ516に進む。
そして、以上のようにしてステップ516に進んだならば、図4dに示すような施設選択ウインドウを表示し、施設選択ウインドウに対象施設の施設名称の一覧431を、各施設名称を、着目区域の基準とした位置に中心に近い順に上から配置した形態で表示する。ここで、着目区域の基準とした位置とは、現在位置周辺検索モードが設定されているときには現在位置、指定位置周辺検索モードが設定されているときには指定位置、目的地周辺検索モードが設定されているときには目的地、誘導ルート周辺検索モードが設定されているときには誘導ルートとなる。
【0044】
そして、施設選択ウインドウで、施設の選択を受け付け(ステップ518)、施設の選択を受け付けたならば、図4eに示すような施設ウインドウを表示し、施設ウインドウにステップ518で選択を受け付けた施設の情報441を表示する(ステップ520)。ここで、施設の情報としては、選択を受け付けた施設の施設レコードに登録されている施設名称の他、住所や電話番号などを表示する。
【0045】
そして、施設ウインドウの「地図を表示する」ボタン442によって、地図表示の指示を受け付けたならば(ステップ522)、ステップ518で選択を受け付けた施設の施設レコードの座標を中心とする所定の大きさ範囲を地図表示範囲として案内画像生成部17に設定することにより、ステップ518で選択を受け付けた施設周辺の地図を表示し(ステップ530)、ジャンル検索処理を終了する。
【0046】
一方、施設ウインドウの「目的地に設定する」ボタン443によって、目的地設定を受け付けたならば(ステップ524)、ステップ518で選択を受け付けた施設の施設レコードの座標を目的地に設定し、目的地に到る誘導ルートをルート探索部14に探索させて誘導ルートを新たに設定し(ステップ526)、ジャンル検索処理を終了する。
【0047】
以上、制御部16が行うジャンル検索処理について説明した。
なお、以上のジャンル検索処理は、ブランドに代えて、ジャンルを任意の基準で細分化した任意の小ジャンルを用いて行うようにしてもよい。
また、以上のジャンル検索処理では、ステップ502において、ジャンル選択ウインドウに、地図データのジャンルリストに登録されているジャンルを五十音順や過去の選択頻度順などの所定の順序で配置したジャンルの一覧411を表示したが、このジャンルの一覧411の表示は、目的地周辺検索モードが設定されている場合には、次のように行うようにしてもよい。
【0048】
すなわち、目的地周辺検索モードが設定されている場合には、目的地が予めナビゲーション装置1に登録されている自宅位置より所定距離(たとえば、50km)以上離れており、かつ、地域属性データベースを参照して、目的地が含まれる地域が観光地であるかどうかを調べる。
【0049】
そして、目的地が自宅位置より所定距離以上離れていないか、目的地が含まれる地域が観光地でなければ、ジャンルを五十音順や過去の選択頻度順などの所定の順序で配置したジャンルの一覧411をジャンル選択ウインドウに表示する。
一方、目的地が自宅位置より所定距離以上離れており、かつ、目的地が含まれる地域が観光地であれば、目的地からの距離が所定距離(たとえば、5km)内となるエリア362を着目地域に設定する。ただし、着目区域としては、目的地を中心とする所定の大きさの正方形のエリアや、目的地が含まれる市町村や、目的地が含まれる都道府県や、地図データのメッシュのうちの目的地が含まれるメッシュを設定するようにしてもよい。
【0050】
そして、着目区域内に存在する各ジャンルの施設数を算出し、各ジャンルの順番を着目区域内に存在する当該ジャンルの施設数の多い順に設定し、各ジャンルを設定した順番に従って上から配置したジャンルの一覧411をジャンル選択ウインドウに表示する。なお、ジャンルXの施設とは、当該ジャンルが施設レコードに登録されている施設を指すものとする。
【0051】
このようにジャンルの一覧を表示することにより、ユーザが、目的地としている観光地の施設をジャンル検索によって検索するような場合には、普段のジャンル検索においてはあまり選択することのない、観光地に多く存在する観光施設のジャンルが、より上位に配置された形態でジャンルの一覧が表示されることとなる。たとえば、目的地としている観光地が温泉地であれば、図4fのように、温泉施設や宿泊施設のジャンルがジャンル一覧411の上位に現れることが期待できる。
【0052】
よって、ユーザが観光地において検索する蓋然性が大きいと考えられる観光施設のジャンルの、ユーザの選択が容易化されることとなる。
または、ジャンルの一覧411表示は、ブランドリスト421同様に、上述のように検索モードに応じて設定した着目区域内に存在する各ジャンルの施設数を算出し、各ジャンルの順番を着目区域内に存在する当該ジャンルの施設数の多い順に設定し、各ジャンルを設定した順番に従って上から配置したジャンルの一覧411をジャンル選択ウインドウに表示することにより行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。
【符号の説明】
【0053】
1…ナビゲーション装置、2…操作部、3…表示装置、4…車両状態センサ、5…GPS受信機、11…地図データ記憶部、12…現在状態算出部、13…GUI制御部、14…ルート探索部、15…メモリ、16…制御部、17…案内画像生成部、300…案内画像、301…地図画像、302…現在位置マーク、303…ルート図形、304…目的地マーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表す地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置を前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示する案内画像表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、
各施設のジャンルと名称と位置とが少なくとも登録された施設データを記憶した施設データ記憶手段と、
施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でジャンルの選択を受け付けるジャンル選択受付手段と、
前記施設データに基づいて、前記ジャンル選択受付手段が選択を受け付けたジャンルの施設を検索し、検索した施設の一覧を表示し、当該施設の一覧上で施設の選択を受け付ける施設選択受付手段とを備え、
前記ジャンル選択受付手段は、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記現在位置を基準に定めた当該現在位置を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成することと特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
地図を表す地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記現在位置を前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示する案内画像表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、
各施設のジャンルと名称と位置とが少なくとも登録された施設データを記憶した施設データ記憶手段と、
ユーザから位置の指定を受け付けて指定位置に設定する指定位置設定手段と、
施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でジャンルの選択を受け付けるジャンル選択受付手段と、
前記施設データに基づいて、前記ジャンル選択受付手段が選択を受け付けたジャンルの施設を検索し、検索した施設の一覧を表示し、当該施設の一覧上で施設の選択を受け付ける施設選択受付手段とを備え、
前記ジャンル選択受付手段は、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記指定位置を基準に定めた当該指定位置を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成することと特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
地図を表す地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、ユーザから設定された目的地までの経路を誘導ルートとして設定する誘導ルート設定手段と、前記現在位置と目的地と前記誘導ルートとを前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示する案内画像表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、
各施設のジャンルと名称と位置とが少なくとも登録された施設データを記憶した施設データ記憶手段と、
施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でジャンルの選択を受け付けるジャンル選択受付手段と、
前記施設データに基づいて、前記ジャンル選択受付手段が選択を受け付けたジャンルの施設を検索し、検索した施設の一覧を表示し、当該施設の一覧上で施設の選択を受け付ける施設選択受付手段とを備え、
前記ジャンル選択受付手段は、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記目的地を基準に定めた当該目的地を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成することと特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
地図を表す地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、ユーザから設定された目的地までの経路を誘導ルートとして設定する誘導ルート設定手段と、前記現在位置と目的地と前記誘導ルートとを前記地図データが表す地図上に表した案内画像を表示する案内画像表示手段とを備えたナビゲーション装置であって、
各施設のジャンルと名称と位置とが少なくとも登録された施設データを記憶した施設データ記憶手段と、
施設のジャンルの一覧を表示し、当該ジャンルの一覧上でジャンルの選択を受け付けるジャンル選択受付手段と、
前記施設データに基づいて、前記ジャンル選択受付手段が選択を受け付けたジャンルの施設を検索し、検索した施設の一覧を表示し、当該施設の一覧上で施設の選択を受け付ける施設選択受付手段とを備え、
前記ジャンル選択受付手段は、前記施設データに基づいて、ジャンルの順番を、前記誘導ルートを基準に定めた当該誘導ルート周辺を含む所定の区域内に存在する当該ジャンルの施設数が多い順に設定し、設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成することと特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載のナビゲーション装置であって、
前記ジャンルは、施設のブランドであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3記載のナビゲーション装置であって、
観光地である地域を登録した観光地登録手段と、
前記ジャンル選択受付手段は、前記目的地が観光地に含まれるかどうかを前記観光地登録手段を参照して判定し、観光地に含まれる場合にのみ、前記設定した順番に従って各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成し、他の場合には、予め定めた他の基準に従った順番で各ジャンルを配置して前記ジャンルの一覧を生成することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−145391(P2012−145391A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2742(P2011−2742)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】