説明

ナビゲーション装置

【課題】経路案内終了後、現在位置が一定以上離れた際に、目的地への再探索、案内再開を行い、目的地への方向を示す目的地方向線の再表示を行い、目的地までの距離が増加するにつれて警告音を鳴動させ、目的地までの距離に応じて自動で縮尺を変更することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置は、経路探索を行うことができるナビゲーション装置であって、任意の位置から目的地まで経路探索して経路案内を行う経路案内手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置から目的地までの距離を算出する目的地距離算出手段と、縮尺に応じた地図を表示する地図表示手段と、現在位置から目的地への方向を算出する目的地方向算出手段と、現在位置より前記目的地方向算出手段にて算出した方向に直線を表示する目的地方向線表示手段と、現在の走行状態より迷走状態か判断する走行状態判断手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内終了後に目的地へ到着できなかった場合に目的地までの到着を補助するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置は、設定した目的地の周辺で目的地に到着したと判定し経路案内を終了してしまい、実際にはユーザが目的地に到着せずに目的地から離れてしまうことがあり、そのような場合、最初に設定した目的地までの経路案内は終了しているため、目的地への再探索、経路案内を行うことができないという問題があった。このような問題に対し、経路案内終了後に現在位置が特定の距離以上離れた際にユーザへ問い合わせを行い、ユーザが新たに目的地を設定するように促し、ユーザが目的地を設定することで、目的地への案内をするものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−69733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のナビゲーション装置では、経路案内終了後に同じ目的地へ再度案内させるには、ユーザがサイドブレーキを引いて車を停止した状態で再度目的地を設定する必要があった。
【0005】
そこで本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであって、目的地までの経路案内終了後に目的地に到着せずに目的地から離れてしまった時でも、自動的に目的地への到着を補助することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、経路探索を行うことができるナビゲーション装置であって、任意の位置から目的地まで経路探索する経路探索手段と、前記経路手段で検索された経路の案内を行う経路案内手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置から目的地までの距離を算出する目的地距離算出手段と、縮尺に応じた地図を表示する地図表示手段と、前記経路案内手段における案内終了時に前記現在位置検出手段で検出される現在位置と前記目的地の緯度経度が近似又は一致するか否か又は現在位置と目的地との距離関係から判断する目的地到着判断手段と、前記目的地判断手段の判断結果に基づいて現在の走行状態が迷走状態か否かを判断する走行状態判断手段と、前記走行状態判断手段の判断結果に基づいて前記経路探索手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しないと迷走状態であると判断して、再度目的地への探索を自動で行うと共に経路案内を自動で開始することができるように構成されている。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置の走行状態判断手段は、前記目的地距離算出手段により算出された距離の増加、前記距離が増減を繰り返し、同じ道路を特定の回数以上走行しているの少なくとも1つ以上の条件から走行状態が迷走中か判断することを特徴とする。
【0009】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しておらず目的地から現在位置までの距離の増加、距離の増減の繰り返し、同じ道路を特定の回数以上走行している場合に走行状態が迷走中であると判断することができるように構成されている。
【0010】
また、前記ナビゲーション装置は、現在位置から目的地への方向を算出する目的地方向算出手段を備え、前記制御手段の動作と共に前記目的地方向算出手段で算出された現在位置から目的地への方向を前記地図表示手段に表示させることを特徴とする。
【0011】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段で迷走状態であると判断されたならば目的地方向線表示手段により現在地から目的地への方向を表示することができるように構成されている。
【0012】
また、前記目的地距離算出手段は、前記走行状態判断手段で前記迷走状態と判断されたときに、算出された距離が特定の距離だけ増加するたびに警告音を鳴動させることを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段で迷走状態であると判断し、目的地距離算出手段により算出した距離が指定の距離を越えたならば警告音を鳴動することができるように構成されている。
【0014】
また、前記目的地距離算出手段は、前記走行状態判断手段で前記迷走状態と判断されたときに算出された距離が指定の距離以上に増加していると前記地図の縮尺を自動で縮小または指定の距離以下に減少していると前記地図の縮尺を自動で拡大することを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段により現在が迷走状態と判断され、目的地距離算出手段により算出した距離が増加しており指定の距離を越えたならば地図表示手段により縮尺を縮小することができ、また目的地距離算出手段により算出した距離が減少しており指定の距離を未満になったならば地図表示手段により縮尺を拡大することができことができるように構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に、自動的に目的地への再探索、経路案内を行うことができるように構成されているので、ユーザが再度目的地を設定しなくても、自動的に目的地までの経路を再探索して経路案内を行うことができる。
また、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に、目的地方向線を表示することで現在位置と目的地との位置関係を把握することができるように構成されている。
【0017】
さらに、経路案内が終了した後に目的地までの距離が増加するにつれて警告音を鳴動することができるように構成されているので、目的地から現在位置が離れていっていることを把握することができる。
また、経路案内が終了した後に目的地までの距離に応じて表示地図の縮尺を自動で切り替えることができるように構成しているので、目的地に接近しているときは詳細地図を表示し、目的地から離れていってしまっているときは、広域地図を表示してユーザに通知す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の動作説明のためのフロー図
【図3】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置の動作説明のためのフロー図
【図5】本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置の動作説明のためのフロー図
【図6】本発明の実施の形態4におけるナビゲーション装置の動作説明のためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
次に本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように実施の形態における本発明のナビゲーション装置1は、制御部2と、現在位置検出部3と、入力部4と、ROM5と、記憶部6と、RAM7と、表示部8と、音声出力部9と、バスライン10、とを備えて構成されている。
【0021】
制御部2は、ナビゲーション装置1を構成する各部の動作を制御することができると共に経路探索部2a、経路案内部2b、目的地距離算出部2c、地図表示部2d、目的地到着判断部2e、走行状態判断部2f、目的地方向算出部2gを備えて構成されている。
【0022】
ここで経路探索部2aは、現在位置又は任意の地点から目的地までの経路を探索することができるように構成されている。また、探索モードとしては、歩行モードや車載モードを選択できるように構成されており、入力部4を介して選択された歩行用や車用などのモードに合わせた最適な経路を探索することができるように構成されている。なお、経路を検索する際に渋滞情報などを考慮した経路探索も行えるように構成されている。
経路案内部2bは、経路探索部2aで検索された経路を案内標識、音、音声などを用いて目的地まで経路案内することができるように構成されている。
【0023】
目的地距離算出部2cは、現在位置および目的地の座標より、その距離を算出することができるように構成されている。
【0024】
地図表示部2dは、記憶部6に記憶されている地図データ及び指定の縮尺により地図を表示部8に表示することができるように構成されている。
【0025】
目的地到着判断部2eは、経路案内部2bで経路案内が終了したあと、現在位置検出部3で検出される現在位置と入力部4から入力された目的地の緯度経度が近似又は一致するか否かを判断することができるように構成されている。
【0026】
走行状態判断部2fは、目的地距離算出部2cにより算出された距離が増加すること、目的地距離算出部2cにより算出された距離の増減が繰り返されること、同じ道路を特定の回数以上走行することの少なくとも一つを用いて車両が迷走状態であるか否かを判断することができるように構成されている。
【0027】
現在位置検出部3は、GPS受信部及び自立航法ユニットを備えて構成されており、GPSは、GPS(Global Positioning System)に代表される測位システムに収容される人工衛星からの電波を受信して、移動体の現在位置を示す位置情報を出力することができるように構成されている。
【0028】
入力部4は、例えばタッチパネルやリモートコントローラのように、ナビゲーション装置1に対して使用者による操作やデータ入力のために使うことができるように構成されている。
【0029】
ROM5は、ナビゲーション装置1の動作を規定するコンピュータプログラムが保存されている。
【0030】
記憶部6は、一般的にはHDD(ハードディスクドライブ)に代表される記録媒体であり、ナビゲーション装置1の起動履歴を記憶することができるように構成されると共に、この記憶媒体にはナビゲーションに必要な地図データが記録され、必要な地図データを読み出してRAM7に転送することができるように構成されている。なお、地図データとしては、歩行者用地図データと車用地図データが保存されていてもよい。
【0031】
RAM7は、ナビゲーション装置1の構成各部から転送されてくる情報を格納することができると共に必要に応じて情報を消去することができるように構成されている。
【0032】
表示部8は、ナビゲーション装置1における地図や推奨経路を表示することができるように構成されており、具体的には液晶ディスプレイなどで構成されている。なお、表示部8は入力部4と一体とし、表示部8に表示された情報や項目をタッチパネルで選択して入力を行うタッチパネル式表示部として構成することができる。
【0033】
音声出力部9は、スピーカから構成されており音や音声を出力できるように構成されている。
【0034】
バスライン10は、ナビゲーション装置1を構成する各部を通信可能に接続することができるように構成されている。
【0035】
このように構成されたナビゲーション装置1の動作についてフローチャートを用いて説明する。図2は本発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置1の動作説明のためのフロー図である。
【0036】
図2に示すように本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置1は、目的地の設定が行われると(S1)、経路探索部2aにて現在地又は任意の位置より目的地にむかう経路を探索する(S2)。S2で探索した経路に従って経路案内部2bにて経路案内を開始する(S3)。S3において経路案内が開始され目的地付近に到着して経路案内が終了したあと(S4)、目的地到着判断部2eが現在位置検出部3で検出される現在位置の緯度経度と入力部4で入力された目的地の緯度経度又は距離から目的地に到着しているか否かを判断する(S5)。S5において目的地に到着したと判断されると(S5、YES)処理を終了する。また、S5において目的地に到着していないと判断されると(S5、NO)、走行状態判断部2fにて走行状態を判断する(S6)。S6において走行状態が迷走状態でない場合(S6、NO)は、目的地への到着を確認するS5の処理へ戻る。また、6において走行状態が迷走状態と判断されると(S6、YES)、再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開する(S7)。S7で目的地までの経路探索及び経路案内が再開されたあとS4に戻り処理を続ける。
【0037】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しておらず目的地から現在位置までの距離の増加、距離の増減の繰り返し、同じ道路を特定の回数以上走行している場合に走行状態が迷走中であると判断して、再度目的地への探索を自動で行うと共に経路案内を自動で開始することができる。
【0038】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図面を用いて説明する。図3は、実施の形態2におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2は、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に目的地方向線も表示する発明を示す。また、本発明の実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0039】
図3に示すように本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置1は、制御部2と、現在位置検出部3と、入力部4と、ROM5と、記憶部6と、RAM7と、表示部8と、音声出力部9と、バスライン10、とを備えて構成されている。
【0040】
本発明の実施の形態2の制御部2は、ナビゲーション装置1を構成する各部の動作を制御することができると共に経路探索部2a、経路案内部2b、目的地距離算出部2c、地図表示部2d、目的地到着判断部2e、走行状態判断部2f、目的地方向算出部2gを備えて構成されている。
【0041】
ここで目的地方向算出部2gは、現在位置および目的地の座標より、現在地から目的地への方向を算出することができるように構成されている。
【0042】
次に、このように構成された本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置1の動作についてフローチャートを用いて説明する。図4は本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置1の動作説明のためのフロー図である。
【0043】
図4に示すように本発明の実施の形態2におけるナビゲーション装置1は、目的地の設定が行われると(S11)、経路探索部2aにて現在地又は任意の位置より目的地にむかう経路を探索する(S12)。S12で探索した経路に従って経路案内部2bにて経路案内を開始する(S13)。S13において経路案内が開始され目的地付近に到着して経路案内が終了したあと(S14)、目的地到着判断部2eが現在位置検出部3で検出される現在位置の緯度経度と入力部4で入力された目的地の緯度経度又は距離から目的地に到着しているか否かを目的地到着判断部2eで判断する(S15)。S15において目的地に到着したと判断されると(S15、YES)処理を終了する。また、S15において目的地に到着していないと判断されると(S15、NO)、走行状態判断部2fにて走行状態を判断する(S16)。S16において走行状態が迷走状態でない場合(S16、NO)は、目的地への到着を確認するS15の処理へ戻る。また、S16において走行状態が迷走状態と判断されると(S16、YES)、再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開する(S17)。S17で目的地までの経路探索及び経路案内が再開されたあと、目的地方向算出部2gで現在位置から目的地への方向を算出し、算出された目的地方向を表示部8に表示された地図上に重畳表示を行う(S18)。S18の処理の後、S14に戻って処理を続ける。
【0044】
なお、図3では、S17において再探索、案内再開後に目的地方向線を表示するように構成しているが本発明を限定するものではなく、目的地方向線を最初に表示してから再探索、案内再開を行うようにしても同様の効果を得ることができる。また、S17において再探索、案内再開を行うように構成しているが、目的地方向線だけを表示するように構成
してもよい。
【0045】
このように構成された本発明の実施の形態2のナビゲーション装置によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段で迷走状態であると判断されたならば目的地方向線表示手段により現在地から目的地への方向を表示することができる。
【0046】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について図面を用いて説明する。なお、実施の形態3の構成については、実施の形態1又は実施の形態2で示した構成を用いることができるため、ナビゲーション装置1の詳細な説明は省略する。
【0047】
本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置1は、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に警告音を鳴動することができるように構成されている。図5は、本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置の動作を示すフロー図である。
【0048】
図5に示すように本発明の実施の形態3におけるナビゲーション装置1は、目的地の設定が行われると(S21)、経路探索部2aにて現在地又は任意の位置より目的地にむかう経路を探索する(S22)。S22で探索した経路に従って経路案内部2bにて経路案内を開始する(S23)。S23において経路案内が開始され目的地付近に到着して経路案内が終了したあと(S24)、目的地到着判断部2eが現在位置検出部3で検出される現在位置の緯度経度と入力部4で入力された目的地の緯度経度又は距離から目的地に到着しているか否かを目的地到着判断部2eで判断する(S25)。S25において目的地に到着したと判断されると(S25、YES)処理を終了する。また、S25において目的地に到着していないと判断されると(S25、NO)、走行状態判断部2fにて走行状態を判断する(S26)。S26において走行状態が迷走状態でない場合(S26、NO)は、目的地への到着を確認するS25の処理へ戻る。また、S26において走行状態が迷走状態と判断されると(S26、YES)、音声出力部9を用いて警告音鳴動させる(S27)。そして、S27において警告音を鳴動させた状態で再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開し(S28)、S24に戻って処理を続ける。
【0049】
なお、S27の警告音鳴動処理は、目的地距離算出部2cにて算出した結果より目的地までの距離があらかじめ決められた距離に対して増加しているか否かを確認し、目的地までの距離が増加しており、その距離が指定した距離を越えているときに音声出力部9を用いて警告音を鳴動させるように構成されている。
【0050】
また、本発明の実施の形態3において、S27において警告音を鳴動させた状態でS28において再探索、案内再開を行うように構成しているが本発明を限定するものではなく、S37の警告音鳴動だけの処理としても同様の効果を得ることができる。また、警告音の鳴動と共に目的地方向線を表示するように構成してもよい。
【0051】
このように構成された本発明の実施の形態3によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段で迷走状態であると判断し、目的地距離算出手段により算出した距離が指定の距離を越えたならば警告音を鳴動することができる。
【0052】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について図面を用いて説明する。なお、実施の形態4の構成については、実施の形態1又は実施の形態2又は実施の形態3で示した構成を用いることができるため、ナビゲーション装置1の詳細な説明は省略する。
【0053】
本発明の実施の形態4におけるナビゲーション装置1は、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に目的地までの距離に応じて表示地図の縮尺を自動で切り替えることができるように構成されている。図6は、本発明の実施の形態4におけるナビゲーション装置1の動作を示すフロー図である。
【0054】
図5に示すように本発明の実施の形態4におけるナビゲーション装置1は、目的地の設定が行われると(S31)、経路探索部2aにて現在地又は任意の位置より目的地にむかう経路を探索する(S32)。S32で探索した経路に従って経路案内部2bにて経路案内を開始する(S33)。S33において経路案内が開始され目的地付近に到着して経路案内が終了したあと(S34)、目的地到着判断部2eが現在位置検出部3で検出される現在位置の緯度経度と入力部4で入力された目的地の緯度経度又は距離から目的地に到着しているか否かを目的地到着判断部2eで判断する(S35)。S35において目的地に到着したと判断されると(S35、YES)処理を終了する。また、S35において目的地に到着していないと判断されると(S35、NO)、走行状態判断部2fにて走行状態を判断する(S36)。S36において走行状態が迷走状態でない場合(S36、NO)は、目的地への到着を確認するS35の処理へ戻る。また、S36において走行状態が迷走状態と判断されると(S36、YES)、目的地距離算出部2cにて算出した結果より目的地までの距離が増加しているか否かを確認する(S37)。S37にて目的地までの距離が増加している場合(S37、YES)、その距離があらかじめ決められた距離を越えているか確認し(S38)、超えている場合(S38、YES)は地図表示部2dにて表示地図の縮尺を縮小する(S39)。そして、S39において表示地図の縮尺を縮小した状態で再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開し(S42)、S35に戻って処理を続ける。S38において目的地までの距離があらかじめ決められた距離を越えていない場合(S38、NO)は、再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開し(S42)、S35に戻って処理を続ける。また、S37にて目的地までの距離が現象している場合(S37、NO)、その距離があらかじめ決められた距離を下回るか確認し(S40)、下回っている場合(S40、YES)は地図表示部2dにて表示地図の縮尺を拡大する(S41)。そして、S41において表示地図の縮尺を拡大した状態で再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開し(S42)、S35に戻って処理を続ける。S40において目的地までの距離があらかじめ決められた距離を下回らない場合(S40、NO)は、再度目的地までの経路を経路探索部2aで再度探索し、経路案内部2bにて案内を再開し(S42)、S35に戻って処理を続ける。
【0055】
また、本発明の実施の形態4において、S39において表示地図の縮尺を縮小した状態でS42において再探索、案内再開を行うように構成しているが本発明を限定するものではなく、S39において表示地図の縮尺を縮小するだけの処理としても同様の効果を得ることができる。また、縮尺の縮小と共に、警告音の鳴動や目的地方向線を表示するように構成してもよい。
【0056】
また、本発明の実施の形態4において、S41において表示地図の縮尺を拡大した状態でS42において再探索、案内再開を行うように構成しているが本発明を限定するものではなく、S41において表示地図の縮尺を拡大するだけの処理としても同様の効果を得ることができる。また、縮尺の拡大と共に、警告音の鳴動や目的地方向線を表示するように構成してもよい。
【0057】
このように構成された本発明の実施の形態4によれば、経路案内が終了した後に目的地へ到着しない場合に走行状態判断手段により現在が迷走状態と判断され、目的地距離算出手段により算出した距離が増加しており指定の距離を越えたならば地図表示手段により縮
尺を縮小することができ、また目的地距離算出手段により算出した距離が減少しており指定の距離を未満になったならば地図表示手段により縮尺を拡大することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
経路案内を行うことができるナビゲーション装置であって、経路案内終了後にユーザが目的地へ到着できずにいる場合に、目的地へ到着できない状態を走行状態判断部2fにて判断し、その場合には目的地への到着を補助することができるナビゲーション装置であって、例えば、ポータブルナビゲーション装置、カーナビゲーション装置として有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 ナビゲーション装置
2 制御部
2a 経路探索部
2b 経路案内部
2c 目的地距離算出部
2d 地図表示部
2e 目的地到着判断部
2f 走行状態判断部
2g 目的地方向算出部
3 現在位置検出部
4 入力部
5 ROM
6 記憶部
7 RAM
8 表示部
9 音声出力部
10 バスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路探索を行うことができるナビゲーション装置であって、
任意の位置から目的地まで経路探索する経路探索手段と、
前記経路手段で検索された経路の案内を行う経路案内手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置から目的地までの距離を算出する目的地距離算出手段と、
縮尺に応じた地図を表示する地図表示手段と、
前記経路案内手段における案内終了時に前記現在位置検出手段で検出される現在位置と
前記目的地の緯度経度が近似又は一致するか否か又は現在位置と目的地との距離関係から判断する目的地到着判断手段と、
前記目的地判断手段の判断結果に基づいて現在の走行状態が迷走状態か否かを判断する走行状態判断手段と、
前記走行状態判断手段の判断結果に基づいて前記経路探索手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行状態判断手段は、前記目的地距離算出手段により算出された距離の増加、前記距離が増減を繰り返し、同じ道路を特定の回数以上走行しているか否かの少なくとも1つ以上から走行状態が迷走中か判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、現在位置から目的地への方向を算出する目的地方向算出手段を備え、前記制御手段の動作と共に前記目的地方向算出手段で算出された現在位置から目的地への方向を前記地図表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記目的地距離算出手段は、前記走行状態判断手段で前記迷走状態と判断されたときに、算出された距離が特定の距離だけ増加するたびに警告音を鳴動させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記目的地距離算出手段は、前記走行状態判断手段で前記迷走状態と判断されたときに算出された距離が指定の距離以上に増加していると前記地図の縮尺を自動で縮小または指定の距離以下に減少していると前記地図の縮尺を自動で拡大することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−202894(P2012−202894A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69243(P2011−69243)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】