説明

ナビゲーション装置

【課題】自車位置から離れた位置の地図画像を表示させたときに自車位置との位置関係の把握がしやすいナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置は、自車位置を検出する車両位置検出部5と、自車位置周辺の地図画像を表示装置6に描画する地図描画部14、表示処理部16と、利用者によって表示装置6の周囲の所定範囲内の任意位置に移動が可能である表示端末装置7と、表示装置6に対して表示端末装置7の相対位置を検出する端末相対位置検出部42とを備える。自車位置と、端末相対位置検出部42によって検出された相対位置とに基づいて、表示端末装置7の画面に表示する地図画像の位置が決定され、この決定した位置周辺の地図画像が表示端末装置7に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車位置周辺の地図画像を表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車位置周辺の地図画像を表示させるとともに、その表示位置を任意方向にスクロール可能な地図表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この地図表示装置では、あらかじめ複数の方向への傾動と、軸線まわりの回転と、軸線方向への押圧との3動作が可能なジョイスティックが備わっており、地図画像のスクロール等の複数の操作をこのジョイスティックを用いて行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−292846号公報(第4−10頁、図1−9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示された地図表示装置では、地図画像をスクロールすることにより任意の位置の地図画像を表示させることができるが、表示中の地図画像の位置が自車位置から離れれば離れるほど自車位置との位置関係が把握しにくくなるという問題があった。また、スクロール指示はジョイスティックを用いて行われるが、スクロール速度が速い場合には表示位置の微調整が難しく、スクロール速度を遅くすると表示位置の微調整は容易になる反面離れた位置までのスクロールに時間がかかることになり、操作性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、自車位置から離れた位置の地図画像を表示させたときに自車位置との位置関係の把握がしやすく、任意位置の地図画面を表示させる際の操作性を向上させることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、自車位置を検出する自車位置検出手段と、自車位置検出手段によって検出された自車位置周辺の地図画像を描画する第1の地図画像描画手段と、第1の地図描画手段によって描画された地図画像を第1の表示装置の画面に表示する第1の表示処理手段と、利用者によって第1の表示装置の周囲の所定範囲内の任意位置に移動が可能である第2の表示装置と、第1の表示装置に対して第2の表示装置の相対位置を検出する相対位置検出手段と、自車位置検出手段によって検出された自車位置と、相対位置検出手段によって検出された相対位置とに基づいて、第2の表示装置の画面に表示する地図画像の位置を決定し、この決定した位置周辺の地図画像を描画する第2の地図画像描画手段と、第2の地図描画手段によって描画された地図画像を第2の表示装置の画面に表示する第2の表示処理手段とを備えている。
【0007】
これにより、自車位置周辺の地図画像を表示しながら第2の表示装置の位置を移動させてその位置に応じた地図画像を表示させることができるため、自車位置から離れた位置の地図画像を表示させたときに自車位置との位置関係の把握が容易となる。また、第2の表示装置の位置を変更するだけで任意位置の地図画面を表示させることができるため、表示位置の微調整が容易であるとともに任意位置の地図画面を表示させるまでに時間がかかることもなく、操作性を向上させることができる。
【0008】
また、上述した第2の地図画像描画手段は、第1の表示装置の画面に表示中の地図画像の位置を、自車位置を中心に相対位置に対応する距離だけスクロールさせた後の位置を、第2の表示装置の画面に表示する地図画像の位置として決定することが望ましい。これにより、第2の表示装置の位置を変えるだけで、表示される地図画像の位置を任意に変更することが可能となる。
【0009】
また、上述した第1および第2の地図描画手段のそれぞれは、自車位置検出手段によって検出される自車位置が変更されたときに、この変更された自車位置に応じて描画対象の地図画像の位置を変更することが望ましい。これにより、自車位置の移動とともに第1および第2の表示装置に表示される両方の地図画像の位置を自動的に移動させることができる。
【0010】
また、上述した第1の表示装置の画面と垂直な向きと平行に第2の表示装置の位置が移動され、この移動に伴う相対位置の変更が相対位置検出手段によって検出されたときに、第2の地図画像描画手段は、第2の表示装置の画面に表示する地図画像の表示縮尺を変更することが望ましい。特に、上述した第2の表示装置の位置を第1の表示装置から遠ざける向きに移動したときに、表示縮尺が大きな値に変更されることが望ましい。これにより、第2の表示装置に表示される地図画像の表示縮尺を特別な操作を行うことなく変更することができ、操作の簡略化が可能となる。
【0011】
また、上述した相対位置検出手段は、第2の表示装置を収容した筐体に取り付けられたカメラで撮影された画像内に含まれる第1の表示装置の画面の位置あるいはこの画面と相対的な位置が固定された指標の位置に基づいて、第2の表示装置の相対位置を検出することが望ましい。あるいは、上述した相対位置検出手段は、第2の表示装置を収容した筐体に取り付けられた加速度センサの出力に基づいて、第2の表示装置の相対位置を検出することが望ましい。これにより第2の表示装置の相対位置を容易かつ確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】表示端末装置の詳細構成を示す図である。
【図3】本実施形態における地図画像表示の概要を示す図である。
【図4】表示装置と表示端末装置との相対的な位置関係を示す図である。
【図5】表示端末装置の相対位置検出の具体例を示す図である。
【図6】変形例のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図7】変形例の表示端末装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、一実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。図1に示すナビゲーション装置は、ナビゲーションコントローラ1、地図データ記憶装置3、操作部4、車両位置検出部5、表示装置6、表示端末装置7を含んで構成されている。
【0015】
ナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することによりナビゲーション機能を実現する。ナビゲーションコントローラ1の詳細構成については後述する。
【0016】
地図データ記憶装置3は、地図表示、施設検索、経路探索などに必要な地図データが格納されている記憶媒体およびその読み取り装置である。この地図データ記憶装置3には、経度および緯度で適当な大きさに区切られた矩形形状の図葉を単位とした地図データが格納されている。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。地図データ記憶装置3は、ハードディスク装置や半導体メモリによって、あるいは、DVDとその読み取り装置によって実現される。また、地図データ記憶装置3を通信装置に置き換えて、外部の地図配信サーバ(図示せず)から地図データを取得するようにしてもよい。
【0017】
操作部4は、利用者の操作を受け付けるためのものであり、各種の操作ボタンや操作つまみ類を備えている。また、操作部4は、表示装置6の画面に取り付けられたタッチパネルを含んでおり、画面上の一部を直接利用者が指等で指し示すことにより、操作指示を行うことができるようになっている。車両位置検出部5は、例えば、GPS受信機、方位センサ、距離センサなどを備えており、所定のタイミングで車両位置(経度、緯度)の検出を行い、検出結果を出力する。
【0018】
表示装置6は、例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、ナビゲーションコントローラ1から出力される映像信号に基づいて自車位置周辺の地図画像や交差点案内画像を表示する。表示端末装置7は、ナビゲーションコントローラ1との間で無線接続(例えば、ブルーツースによる接続)を行い、ナビゲーションコントローラ1から出力される映像信号に基づいて、表示装置6に対する表示端末装置7の相対位置に対応する地図画像を表示する。この表示端末装置7は、本実施形態の機能を有する専用の装置を用いてもよいが、スマートフォンと称される携帯端末装置にその機能を持たせるようにしてもよい。表示端末装置7を用いた地図画像表示の詳細については後述する。
【0019】
次に、ナビゲーションコントローラ1の詳細構成について説明する。図1に示すナビゲーションコントローラ1は、地図バッファ10、20、地図読出制御部12、22、地図描画部14、24、表示処理部16、地図画像送信部26、通信部30、車両位置計算部32、入力処理部34、撮影画像受信部40、端末相対位置検出部42、端末表示縮尺設定部44を含んで構成されている。
【0020】
本実施形態では、表示装置6に地図画像等を表示するために、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14、表示処理部16が設けられている。地図バッファ10は、地図データ記憶装置3から読み出された地図データを一時的に格納する。地図読出制御部12は、車両位置計算部32により算出される車両位置に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求を地図データ記憶装置3に出力する。地図描画部14は、地図バッファ10に格納された地図データに基づいて、表示装置6に地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。表示処理部16は、地図描画部14によって作成された地図画像描画データが入力されており、この描画データに基づいて所定範囲の地図画像を表示装置6の画面に表示する。
【0021】
また、本実施形態では、表示端末装置7に地図画像等を表示するために、地図バッファ20、地図読出制御部22、地図描画部24、地図画像送信部26が設けられている。地図バッファ20は、地図データ記憶装置3から読み出された地図データを一時的に格納する。地図読出制御部22は、車両位置計算部32により算出される車両位置、および、端末相対位置検出部42、端末表示縮尺設定部44の各出力に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求を地図データ記憶装置3に出力する。地図描画部24は、地図バッファ20に格納された地図データに基づいて、表示端末装置7に地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。地図画像送信部26は、地図描画部24によって作成された地図画像描画データを通信部30を介して表示端末装置7に送信する。
【0022】
通信部30は、ブルーツース機器であって、ブルーツースによって表示端末装置7との間で各種データの送受信を行う。車両位置計算部32は、車両位置検出部5から出力される検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には、自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。入力処理部50は、操作部4から入力される各種の操作指示に対応する動作を行うための命令をナビゲーションコントローラ1内の各部に向けて出力する。
【0023】
撮影画像受信部40は、表示端末装置7から送られてくる撮影画像を受信する。端末相対位置検出部42は、撮影画像受信部40によって受信した撮影画像に基づいて、表示装置6に対する表示端末装置7の相対位置を検出する。端末表示縮尺設定部44は、撮影画像受信部40によって受信した撮影画像に基づいて、表示端末装置7において地図表示を行う際の表示縮尺を設定する。端末相対位置検出部42および端末表示縮尺設定部44の具体的な動作については後述する。
【0024】
表示端末装置7は、ナビゲーションコントローラ1内の通信部30から送られてくる地図画像描画データを受信して地図表示を行うとともに、端末相対位置検出部42による相対位置検出に必要なデータや、端末表示縮尺設定部44による表示縮尺設定に必要なデータをナビゲーションコントローラ1に送信する。
【0025】
図2は、表示端末装置7の詳細構成を示す図である。図2に示すように、表示端末装置7は、通信部50、地図画像受信部52、表示処理部54、表示装置56、カメラ60、撮影画像送信部62を含んで構成されている。
【0026】
通信部50は、ブルーツース機器であって、ブルーツースによってナビゲーションコントローラ1との間で各種データの送受信を行う。地図画像受信部52は、地図画像送信部26から送られてくる地図画像描画データを通信部50を介して受信する。表示処理部54は、地図画像受信部52によって受信した地図画像描画データが入力されており、この描画データに基づいて所定範囲の地図画像を表示装置56の画面に表示する。表示装置56は、例えばLCDによって構成されており、地図画像を表示する。
【0027】
カメラ60は、表示装置56を搭載した表示端末装置7の筐体であって、表示装置56の画面と反対側を撮影する。この撮影範囲に表示装置6の画面が含まれるようにカメラ60による撮影が行われる。撮影画像送信部62は、カメラ60から出力される撮影画像データを通信部50を介してナビゲーションコントローラ1に送信する。
【0028】
上述した車両位置検出部5が自車位置検出手段に、地図データ記憶装置3、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14が第1の地図画像描画手段に、表示処理部16が第1の表示処理手段に、表示装置6が第1の表示装置に、表示端末装置7が第2の表示装置に、地図データ記憶装置3、地図バッファ20、地図読出制御部22、地図描画部24が第2の地図画像描画手段に、表示処理部54が第2の表示処理手段に、端末相対位置検出部40が相対位置検出手段にそれぞれ対応する。
【0029】
本実施形態のナビゲーション装置はこのような構成を有しており、次に、表示装置6による地図画像の表示と、表示端末装置7に備わった表示装置56による地図画像の表示とを並行して行う動作について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態における地図画像表示の概要を示す図である。図3において、Aは、自車位置G周辺の地図画像であって、地図描画部14によって描画されて表示処理部16によって表示装置6に表示される範囲を示しており、P1はその中心を示している。一般に、地図描画部14によって描画される範囲Aよりも広く、この描画範囲の一部に対応する地図画像描画データが読み出されて範囲Aに対応する表示が行われる。
【0031】
Bは、地図描画部24によって描画されて表示端末装置7内の表示処理部54によって表示装置56に表示される範囲を示しており、Q1はその中心を示している。Cは、自車位置Gを含む周辺の地図を示している。なお、範囲Cで示す地図は、実際に描画された地図画像ではなく、範囲A、Bの位置関係を説明するためのものである。本実施形態では、範囲Bで示した携帯端末装置7の表示装置56に表示する地図画像の位置(X1、Y1)は、表示装置6に対する表示端末装置7の相対位置に基づいて設定される。
【0032】
図4は、表示装置6と表示端末装置7との相対的な位置関係を示す図である。車両のダッシュボードの中央にナビゲーション装置の筐体が設置されている場合を想定し、この筐体に表示装置6が備わっているものとする。P2は、表示装置6の中心を示している。また、表示端末装置7は、表示装置6の周囲の所定範囲内の任意位置に移動が可能であり、Q2は表示端末装置7(あるいは表示装置56)の中心を示している。図4に示す例では、表示装置6に対して、表示端末装置7の相対位置が、水平方向にX2、垂直方向にY2ずれているものとする。
【0033】
本実施形態では、端末相対位置検出部42は、図4に示した相対位置(X2、Y2)を検出している。また、地図読出制御部22は、車両位置計算部32から取得したその時点での自車位置と、表示端末装置7の相対位置X2、Y2とに基づいて、地図データの読出中心位置(図3のQ1)を設定する。具体的には、表示縮尺が決まれば、図3に示す自車位置Gと範囲Aの中心P1との距離を計算することができ、この中心P1に対する範囲Bの中心Q1までの水平方向の距離X1、垂直方向の距離Y1を表示端末装置7の相対位置X2、Y2を用いて計算することができる。なお、このようにして計算される範囲Bの中心Q1の位置は、範囲Aの中心P1の位置を、自車位置を中心に相対位置X2、Y2に対応する距離X1、Y1だけスクロールさせた後の位置に対応している。
【0034】
また、車両が走行して自車位置が移動した場合には、この移動に伴って、地図読出制御部22によって設定される地図データの読出中心位置(図3のQ1)も変更される。すなわち、自車位置の移動に伴って、表示装置6および表示端末装置7の表示装置56のそれぞれに表示される地図画像が、同じ方向に移動することになる。
【0035】
図5は、表示端末装置7の相対位置検出の具体例を示す図である。図5に示すDは、表示端末装置7に備わったカメラ60による撮影範囲を示している。撮影範囲Dに表示装置6が含まれるように撮影が行われ、撮影画像受信部40は、この撮影によって得られた撮影画像を受信する。端末相対位置検出部42は、撮影画像に基づいてその中心Sから表示装置6の中心Tまでの距離(X3、Y3)を計算し、これらの距離に基づいて相対位置(X2、Y2)を検出する。なお、距離(X3、Y3)から相対位置(X2、Y2)への変換は、表示装置6の画面と垂直な向きに沿ったカメラ60までの距離が既知であれば簡単な比例計算により行うことができる。また、表示装置6の画面の大きさが既知である場合に、撮影画像に含まれるこの画面の大きさに基づいて相対位置(X2、Y2)を計算するようにしてもよい。
【0036】
ところで、本実施形態では、表示装置6の画面に垂直な向きと平行に表示端末装置7を移動させることにより、表示端末装置7の表示装置56に表示させる地図画像の拡大/縮小を行うことができるようになっている。例えば、図5に示す撮影範囲Dに含まれる表示装置6の大きさは、表示端末装置7を前後に移動させたときにこの移動に伴って大きくあるいは小さくなる。端末表示縮尺設定部44は、撮影画像受信部40によって受信した撮影画像に基づいて表示端末装置7の前後の移動距離を判定し、この移動距離に応じて表示縮尺を変更する。具体的には、表示端末装置7を表示装置6から遠ざける向きに移動したときに、この移動量に応じて表示縮尺が大きな値に変更され、反対方向に移動したときに表示縮尺が小さな値に変更される。これにより、ルーペで地図を見て拡大/縮小を行うように地図画像の表示を行うことができる。
【0037】
なお、実際の地図データは、複数の表示縮尺に合わせてあらかじめ用意されており、表示端末装置7の移動量に応じた任意の拡大/縮小に対応していない。そこで、本実施形態では、あらかじめ設定された固定の表示縮尺に対応していない任意の表示縮尺の地図画像については、地図描画部24は、最も近い固定の表示縮尺に対応した地図画像を用いて補間処理を行うことにより、任意倍率の地図画像を生成している。
【0038】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、表示装置6に自車位置周辺の地図画像を表示しながら表示端末装置7の位置を移動させてその位置に応じた地図画像を表示端末装置7の表示装置56に表示させることができるため、自車位置から離れた位置の地図画像を表示させたときに自車位置との位置関係の把握が容易となる。また、表示端末装置7の位置を変更するだけで任意位置の地図画面を表示させることができるため、表示位置の微調整が容易であるとともに任意位置の地図画面を表示させるまでに時間がかかることもなく、操作性を向上させることができる。また、自車位置の移動とともに2つの表示装置6、56に表示される両方の地図画像の位置を自動的に移動させることができる。また、表示端末装置7の前後の位置を移動させるだけで、表示端末装置7に表示される地図画像の表示縮尺を特別な操作を行うことなく変更することができ、操作の簡略化が可能となる。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、図5に示すようにカメラ60による撮影範囲に表示端末装置7の表示装置56を含ませたが、表示装置56の代わりに、この表示装置56の画面と相対的な位置が固定された何らかの指標(例えば、赤外線発光部)を撮影するようにしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、表示端末装置7の位置をカメラ60で撮影した画像に基づいて検出するようにしたが、表示端末装置7内に3次元位置検出部を設けて表示端末装置7の相対位置を直接検出するようにしてもよい。
【0041】
図6は、変形例のナビゲーション装置の構成を示す図である。図7は、変形例の表示端末装置7Aの構成を示す図である。これらの図に示す変形例は、図1および図2に示した構成に対して、ナビゲーションコントローラ1をナビゲーションコントローラ1Aに、表示端末装置7を表示端末装置7Aに置き換えたものである。また、ナビゲーションコントローラ1Aでは、ナビゲーションコントローラ1に含まれる撮影画像受信部40、端末相対位置検出部42、端末表示縮尺設定部44が3次元位置受信部40A、端末相対位置検出部42A、端末表示縮尺設定部44Aに置き換えられている。表示端末装置7Aでは、表示端末装置7に含まれるカメラ60、撮影画像送信部62が3次元位置検出部60A、3次元位置送信部62Aに置き換えられている。
【0042】
3次元位置検出部60Aは、表示端末装置7Aの筐体に取り付けられた3軸加速度センサを含んで構成されており、この3軸加速度センサの出力に基づいて3次元位置を計算する。本実施形態では、表示装置6に対する表示端末装置7の相対位置を知る必要があるため、例えば、表示に先立って表示装置6と重なる位置(あるいは表示装置6との相対位置が既知の場所)に表示端末装置7を配置し、その位置を初期状態として表示端末装置7の相対的に3次元位置を取得する。3次元位置送信部62Aは、3次元位置検出部60Aによって取得した3次元位置を通信部50を介してナビゲーションコントローラ1Aに送信する。なお、3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサの両方を用いて、表示端末装置7Aの傾きを含めた3次元位置を得るようにしてもよい。この場合には、表示端末装置7Aを傾けたときに、図3に示す範囲Bを傾けて地図画像の表示を行うことが可能となる。
【0043】
3次元位置受信部40Aは、表示端末装置7から送られてくる3次元位置を受信する。端末相対位置検出部42Aは、3次元位置受信部40Aによって受信した3次元位置に基づいて、表示装置6に対する表示端末装置7の相対位置を検出する。なお、表示端末装置7A内の3次元位置検出部60Aによってこの相対位置の計算まで完了している場合には端末相対位置検出部42Aは省略するようにしてもよい。また、表示端末装置7A内の3次元位置検出部60Aと端末相対位置検出部42Aによって処理を分担するようにしてもよい。端末表示縮尺設定部44Aは、3次元位置受信部40Aによって受信した3次元位置に基づいて、表示端末装置7Aの前後方向の移動量を判定し、表示端末装置7Aにおいて地図表示を行う際の表示縮尺を設定する。
【0044】
また、上述した実施形態では、表示端末装置7とは別にナビゲーションコントローラ1を設けて、主な処理をナビゲーションコントローラ1に行わせたが、表示処理部16以外の各部の機能を表示端末装置7に持たせるようにしてもよい。例えば、スマートフォン(携帯端末装置)を用いて表示端末装置7の実現する場合に、地図アプリとGPS機能を有するスマートフォンによって同様の処理を行うことが可能となる。
【0045】
また、上述した実施形態では、ナビーションコントローラ1と表示端末装置7との間を無線接続するようにしたが、所定のケーブルを介して有線接続するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述したように、本発明によれば、表示装置6に自車位置周辺の地図画像を表示しながら表示端末装置7の位置を移動させてその位置に応じた地図画像を表示端末装置7の表示装置56に表示させることができるため、自車位置から離れた位置の地図画像を表示させたときに自車位置との位置関係の把握が容易となる。
【符号の説明】
【0047】
1 ナビゲーションコントローラ
3 地図データ記憶装置
4 操作部
5 車両位置検出部
6、56 表示装置
7 表示端末装置
10、20 地図バッファ
12、22 地図読出制御部
14、24 地図描画部
16、54 表示処理部
26 地図画像送信部
30、50 通信部
32 車両位置計算部
34 入力処理部
40 撮影画像受信部
42 端末相対位置検出部
44 端末表示縮尺設定部
52 地図画像受信部
60 カメラ
62 撮影画像送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
自車位置検出手段によって検出された自車位置周辺の地図画像を描画する第1の地図画像描画手段と、
前記第1の地図描画手段によって描画された地図画像を第1の表示装置の画面に表示する第1の表示処理手段と、
利用者によって前記第1の表示装置の周囲の所定範囲内の任意位置に移動が可能である第2の表示装置と、
前記第1の表示装置に対して前記第2の表示装置の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記自車位置検出手段によって検出された自車位置と、前記相対位置検出手段によって検出された相対位置とに基づいて、前記第2の表示装置の画面に表示する地図画像の位置を決定し、この決定した位置周辺の地図画像を描画する第2の地図画像描画手段と、
前記第2の地図描画手段によって描画された地図画像を前記第2の表示装置の画面に表示する第2の表示処理手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2の地図画像描画手段は、前記第1の表示装置の画面に表示中の地図画像の位置を、前記自車位置を中心に前記相対位置に対応する距離だけスクロールさせた後の位置を、前記第2の表示装置の画面に表示する地図画像の位置として決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1および第2の地図描画手段のそれぞれは、前記自車位置検出手段によって検出される自車位置が変更されたときに、この変更された自車位置に応じて描画対象の地図画像の位置を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記第1の表示装置の画面と垂直な向きと平行に前記第2の表示装置の位置が移動され、この移動に伴う相対位置の変更が前記相対位置検出手段によって検出されたときに、前記第2の地図画像描画手段は、前記第2の表示装置の画面に表示する地図画像の表示縮尺を変更することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第2の表示装置の位置を前記第1の表示装置から遠ざける向きに移動したときに、前記表示縮尺が大きな値に変更されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記相対位置検出手段は、前記第2の表示装置を収容した筐体に取り付けられたカメラで撮影された画像内に含まれる前記第1の表示装置の画面の位置あるいはこの画面と相対的な位置が固定された指標の位置に基づいて、前記第2の表示装置の相対位置を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記相対位置検出手段は、前記第2の表示装置を収容した筐体に取り付けられた加速度センサの出力に基づいて、前記第2の表示装置の相対位置を検出することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−220342(P2012−220342A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86491(P2011−86491)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】