説明

ナビゲーション装置

【課題】互いに関連する複数の目的地の履歴情報を簡便かつ迅速に削除することができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】削除対象履歴指定手段27によって任意の地点に該当する目的地履歴情報が指定された場合に、当該履歴情報と所定の関係を有する他の地点に該当する目的地履歴情報が履歴記憶手段14に記憶されているか否かを判定する関連履歴有無判定手段30を備え、履歴削除手段28は、関連履歴有無判定手段30によって肯定的な判定結果が得られた場合に、任意の地点に該当する目的地履歴情報とともに、他の地点に該当する目的地履歴情報を履歴記憶手段14から削除すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、目的地の履歴情報を削除するのに好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用のナビゲーション装置においては、ナビゲーションの目的地の候補となる地点を検索する検索方法として、住所検索、電話番号検索、ジャンル検索および50音検索等の他に、ユーザが過去に目的地に設定した地点に関する所定の情報(例えば、当該地点の名称や当該地点が目的地に設定された年月日等)を目的地の履歴情報としてナビゲーション装置の記憶部に記録したものに基づいた目的地履歴検索が採用されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような目的地履歴検索に用いられる目的地の履歴情報は、通常は古いデータから順に自動的に前記記憶部から削除されるようになっていたが、これ以外にも、ユーザ自らが、例えば、再び赴く予定がないような地点に該当する履歴情報をマニュアル操作によって削除することも可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−241266号公報
【特許文献2】特許第4338583号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ナビゲーション装置の利用態様によっては、例えば、遊園地やテーマパーク等のレジャー施設を目的地とした経路誘導によって当該レジャー施設に赴いた後に、当該レジャー施設の系列の宿泊施設に宿泊するために当該宿泊施設を新たに目的地に設定する場合がある。
【0006】
このような場合には、レジャー施設に該当する目的地の履歴情報と、当該レジャー施設の系列の宿泊施設に該当する目的地の履歴情報とが、ナビゲーション装置の記憶部にそれぞれ記録されることになる。
【0007】
ここで、このようなレジャー施設の系列の宿泊施設は、レジャー施設と同日に目的地に設定されるばかりでなく、レジャー施設の近隣に存在する場合や、その名称にレジャー施設の名称を含む場合(例えば、レジャー施設名「東京○○ランド」に対して宿泊施設名「東京○○ランドホテル」)、あるいは、地図データ上でレジャー施設と対応付けられている場合が珍しくない。
【0008】
すなわち、1つの地点(例えば、レジャー施設)に該当する目的地の履歴情報と、他の地点(例えば、レジャー施設の系列の宿泊施設)に該当する目的地の履歴情報とが、地点が目的地に設定された年月日が一致する関係、地点の位置が近い関係、地点の名称が部分的に一致する関係または地点の地図データ上での対応付けがなされている関係等の様々な態様で相互に関連性を有する場合がある。
【0009】
そして、このように互いに関連する複数の目的地の履歴情報が記録されている場合には、ユーザは、それらのうちの1つの履歴情報を削除する際には、これに関連する他の履歴情報も削除することを希望することが多い。
【0010】
しかるに、このように削除したい履歴情報が複数存在する場合であっても、従来は、削除対象とする履歴情報を該当する地点単位で1つずつ指定しなければならなかった。
【0011】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、互いに関連する複数の目的地の履歴情報を簡便かつ迅速に削除することができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、地図データを記憶する地図データ記憶手段と、この地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データに基づいて目的地の候補となる地点を検索可能とされた目的地検索手段と、この目的地検索手段によって検出された前記地点を前記目的地に設定する目的地設定手段と、この目的地設定手段によって前記目的地に設定された前記地点に関する所定の情報を、前記目的地の履歴情報として記憶する履歴記憶手段と、前記目的地検索手段に対して、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいた前記地点の検索を指示する検索指示手段と、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報のうちの削除すべき前記履歴情報を該当する前記地点単位で指定する削除対象履歴指定手段と、この削除対象履歴指定手段によって指定された前記履歴情報を前記履歴記憶手段から削除する履歴削除手段とを備え、前記目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うナビゲーション装置であって、前記削除対象履歴指定手段によって任意の前記地点に該当する前記履歴情報が指定された場合に、当該履歴情報と所定の関係を有する他の前記地点に該当する前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶されているか否かを判定する関連履歴有無判定手段を備え、前記履歴削除手段は、前記関連履歴有無判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、前記任意の地点に該当する前記履歴情報とともに、前記他の地点に該当する前記履歴情報を前記履歴記憶手段から削除することを特徴としている。
【0013】
そして、このような構成によれば、任意の地点に該当する目的地の履歴情報が削除対象として指定された場合であって、この履歴情報と所定の関係を有する他の地点に該当する目的地の履歴情報が存在する場合には、当該任意の地点に該当する履歴情報とともに、当該他の地点に該当する履歴情報をこの履歴情報の指定を要することなく削除することができるので、当該他の地点に該当する履歴情報を削除するための手間および時間を省くことができる。
【0014】
また、前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点が前記目的地に設定された年月日が互いに一致する関係を含んでもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、削除対象として指定された任意の地点に該当する履歴情報と目的地の設定年月日が同一の関係を有する他の地点に該当する履歴情報を、この履歴情報の指定を要することなく当該任意の地点に該当する履歴情報とともに削除することができる。
【0016】
さらに、前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点の位置が互いに近い関係を含んでもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、削除対象として指定された任意の地点に該当する履歴情報と地点の位置が近い関係を有する他の地点に該当する履歴情報を、この履歴情報の指定を要することなく当該任意の地点に該当する履歴情報とともに削除することができる。
【0018】
さらにまた、前記位置が互いに近いとみなされる場合の前記任意の地点からの前記他の地点の離間距離の最大値は、前記地点の種別に応じて異なってもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、削除対象として指定された任意の地点から近いか否かについての地点の種別に応じた妥当な判断基準を設けることができる。
【0020】
また、前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点の名称が互いに部分的に一致する関係を含んでもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、削除対象として指定された任意の地点に該当する履歴情報と地点の名称が部分的に一致する関係を有する他の地点に該当する履歴情報を、この履歴情報の指定を要することなく当該任意の地点に該当する履歴情報とともに削除することができる。
【0022】
さらに、前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点が前記地図データ上で互いに対応付けられている関係を含んでもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、削除対象として指定された任意の地点に該当する履歴情報と地点の地図データ上での対応付けがなされた関係を有する他の地点に該当する履歴情報を、この履歴情報の指定を要することなく当該任意の地点に該当する履歴情報とともに削除することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、互いに関連する複数の目的地の履歴情報を簡便かつ迅速に削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示す構成図
【図2】図1のナビゲーション装置のブロック図
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態において、目的地履歴情報の表示状態の一例を示す模式図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたGPSレシーバ3、自律航法センサ4、操作部5、ディスプレイ6およびスピーカ7とによって構成されている。
【0028】
ここで、GPSレシーバ3は、図示しないGPS衛星から配信されるGPS情報(時刻や軌道に関する情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。
【0029】
また、自律航法センサ4は、自車の車速、加速度(角速度)および自車方位等を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2側に出力するようになっている。この自律航法センサ4は、車速センサやジャイロセンサ等からなるものであってもよい。
【0030】
さらに、操作部5は、操作内容に応じた操作信号をナビゲーションメインユニット2に入力することによって、ナビゲーション装置1に対する種々の操作を行うことが可能とされている。この操作部5は、リモコン、ディスプレイ6のタッチパネル、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダまたは音声入力用のマイクロホン等であってもよい。
【0031】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、図1に示すように、ナビゲーションメインユニット2は、システムバス8にそれぞれ接続されたナビCPU10、地図データ記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)11、フラッシュメモリ12、RAM14、ユーザインターフェース(I/F)15、画像インターフェース(I/F)16および音声インターフェース(I/F)17を有している。
【0032】
ここで、ナビCPU10は、自車位置検出機能、地図表示機能、経路探索機能、経路誘導機能および検索機能等のナビゲーション装置1の各種の機能を実行するようになっている。
【0033】
また、ハードディスクドライブ11には、地図データが記憶されており、この地図データには、道路データ、背景データ、経路計算データ(換言すれば、道路ネットワークデータ)および検索データが含まれている。これらのうち、道路データは、道路地図の表示等に用いられるようになっており、リンク、ノード、形状補間点、セグメント、道路名称および交通看板等を基本データ要素としている。また、背景データは、河川や緑地等の背景地図の表示等に用いられるようになっており、点、ポリライン、ポリゴンおよびテキスト等を基本データ要素としている。さらに、経路計算データは、経路計算に用いられるようになっており、ノード、リンクおよび通行条件等を基本データ要素としている。さらにまた、検索データは、目的地の候補等の地点の検索に用いられるようになっており、エリア名称、住所、郵便番号およびPOI(Points Of Interest)の属性(名称、ジャンル、住所および位置等)を示すPOI情報等を基本データ要素としている。なお、検索データにおける同一の地点を特定するデータ要素同士は互いに対応付けられている。
【0034】
さらに、ハードディスクドライブ11には、ナビCPU10の実行プログラムが記憶されている。
【0035】
さらにまた、フラッシュメモリ12には、ナビゲーション装置1の起動とともにナビCPU10によってハードディスクドライブ11から読み出されたナビCPU10の実行プログラムが格納されるようになっており、この格納された実行プログラムがナビCPU10によって適宜実行されることによって、ナビゲーション装置1の各種の機能が適宜実行されるようになっている。
【0036】
また、RAM14は、ナビCPU10による処理結果等の各種のデータの一時的な保存等に用いられるようになっている。
【0037】
さらに、ユーザインターフェース15、画像インターフェース16および音声インターフェース17には、操作部5、ディスプレイ6およびスピーカ7がそれぞれ接続されている。
【0038】
次に、ナビCPU10について更に詳述すると、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての自車位置算出部18を有しており、この自車位置算出部18には、GPSレシーバ3から出力されたGPS情報および自律航法センサ4から出力された検出結果が入力されるようになっている。そして、自車位置算出部18は、GPSレシーバ3側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出(測位)する衛星航法を行うようになっている。また、自車位置算出部18は、自律航法センサ4側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前回の測位位置からの変化分である相対位置として算出する自律航法を行うようになっている。さらに、自車位置算出部18は、ハードディスクドライブ11に記憶されている地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって検出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。そして、自車位置算出部18は、マップマッチング処理が適正に行われた場合には、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0039】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、目的地検索手段としての目的地検索部19を有している。この目的地検索部19は、目的地の候補となる地点(以下、目的地候補地点と称する)を検索するための検索方法を指定可能とされた操作画面(以下、検索方法指定画面と称する)をディスプレイ6に表示するようになっている。
【0040】
ここで、検索方法の1つには、後述する目的地履歴情報に基づいて目的地候補地点を検索する目的地履歴検索が含まれている。また、この他にも、検索方法には、ハードディスクドライブ11に記憶されている検索データ(地図データ)における地点の住所データに基づいて目的地候補地点を検索する住所検索が含まれていてもよい。さらに、これらの他にも、検索方法には、当該検索データにおける地点の電話番号データに基づいて目的地候補地点を検索する電話番号検索が含まれていてもよい。さらにまた、これらの他にも、検索方法には、当該検索データにおけるPOIのジャンル(種別)データに基づいて目的地候補地点を検索するジャンル検索が含まれていてもよい。また、これらの他にも、検索方法には、当該検索データにおける地点の名称データに基づいて目的地を検索する50音検索が含まれていてもよい。
【0041】
そして、目的地検索部19は、表示した検索方法指定画面に対する操作部5を用いた操作によって指定された検索方法を用いて目的地候補地点を検索し、検索結果としての目的地候補地点をディスプレイ6に表示するようになっている。このとき、目的地検索部19は、検出された目的地候補地点を、この地点を目的地に設定するための操作部5を用いた操作(以下、目的地設定操作と称する)が可能な表示態様で表示するようになっている。また、このとき、検索方法指定画面に対する検索指示手段としての操作部5の操作によって、目的地履歴検索が指定(指示)された場合には、目的地検索部19は、検索結果として、目的地履歴情報を表示するようになっている。
【0042】
ここで、図3は、このような目的地履歴検索を行った場合の検索結果の表示例としての履歴一覧表示画面21を示している。この履歴一覧表示画面21においては、複数の地点にそれぞれ該当する目的地履歴情報(地点の名称および目的地に設定された年月日)21aを択一的に選択して目的地に設定することが可能とされている。
【0043】
図2に戻って、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、目的地設定手段としての目的地設定部20を有している。この目的地設定部20は、目的地検索部19によって検出された目的地候補地点を、目的地設定操作を待って目的地に設定するようになっている。
【0044】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての経路探索部22を有している。この経路探索部22は、ハードディスクドライブ11に記憶されている地図データにおける経路計算データに基づいて、自車位置算出部18によって算出された自車位置から目的地設定部20によって設定された目的地までの予め設定された経路探索条件に応じた最適経路を探索するようになっている。経路探索条件は、デフォルトで設定される場合もあるし、ユーザが操作部5を用いた入力操作によって設定する場合もある。そして、経路探索部22は、探索された最適経路を、ディスプレイ6への表示によって誘導経路の候補としてユーザに提示するようになっている。
【0045】
さらに、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての経路誘導部23を有している。この経路誘導部23は、経路探索部22によって提示された最適経路を誘導経路に設定するための操作部5を用いた入力操作が行われると、この最適経路を誘導経路に設定するようになっている。誘導経路の設定は、誘導経路に関する情報、例えばリンクおよび目的地等をRAM14等に保存することによって行うようにしてもよい。そして、経路誘導部23は、誘導経路の設定の後に、設定された誘導経路にしたがった経路誘導を開始するようになっている。経路誘導は、交差点拡大図をディスプレイ6に表示することや、スピーカ7を介して交差点右左折案内用の音声を出力すること等によって行われるようになっている。
【0046】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとしての履歴記録部25を有している。この履歴記録部25は、目的地設定部20によって目的地が設定された場合に、この目的地に設定された地点に関する所定の情報を、目的地履歴情報としてRAM14に記録するようになっている。したがって、本実施形態においては、RAM14が履歴記憶手段として機能して、目的地履歴情報を記憶するようになっている。
【0047】
なお、目的地履歴情報すなわち前記所定の情報は、図3に示したように、目的地に設定された地点の名称および当該地点が目的地に設定された年月日からなるものであってもよい。また、履歴記録部25は、目的地設定部20によって目的地に設定された地点についての目的地履歴情報を記録するか否かを選択するための選択画面をディスプレイ6に表示した上で、この選択画面に対して当該目的地履歴情報を記録する旨の操作部5を用いた操作が行われることを待って、当該目的地履歴情報の記録を行ってもよい。
【0048】
また、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、削除対象履歴指定手段としての削除対象履歴指定部27を有している。この削除対象履歴指定部27は、RAM14に記憶されている目的地履歴情報のうちの削除すべき目的地履歴情報を、操作部5の操作にしたがって目的地履歴情報に該当する地点単位(目的地単位)で指定するようになっている。この指定は、該当する目的地履歴情報に対して削除対象であることを示すフラグを設定することによって行ってもよい。
【0049】
このとき、削除対象履歴指定部27は、メニュー画面等において目的地履歴情報の削除への移行が操作部5の操作によって選択された場合に、図3と同様の目的地履歴情報の一覧表示画面を、これに含まれる目的地履歴情報を操作部5によって個別に選択可能な表示態様で表示した上で、当該一覧表示画面において選択された目的地履歴情報を削除対象として指定してもよい。ただし、この場合に、目的地履歴情報の選択操作を複数回行うことによって、複数の目的地履歴情報を削除対象として順次指定できるようにしてもよいことは勿論である。
【0050】
さらに、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、履歴削除手段としての履歴削除部28を有している。この履歴削除部28は、削除対象履歴指定部27によって指定された目的地履歴情報をRAM14から削除するようになっている。したがって、履歴削除部28によって削除された目的地履歴情報は、削除以後は、目的地履歴検索の際に目的地候補として表示されることはなくなる。
【0051】
さらにまた、図2に示すように、ナビCPU10は、その機能ブロックの1つとして、関連履歴有無判定手段としての関連履歴有無判定部30を有している。この関連履歴有無判定部30は、削除対象履歴指定部27によって任意の地点に該当する目的地履歴情報が指定された場合に、当該目的地履歴情報(以下、削除指定履歴情報と称する)と所定の関係を有する他の地点に該当する目的地履歴情報(以下、関連履歴情報と称する)がRAM14に記憶されているか否かを判定するようになっている。
【0052】
そして、本実施形態において、履歴削除部28は、関連履歴有無判定部30によって肯定的な判定結果が得られた場合には、削除指定履歴情報とともに関連履歴情報をRAM14から削除するようになっている。
【0053】
ここで、関連履歴情報に該当するための前記所定の関係は、目的地履歴情報に該当する地点が目的地に設定された年月日が互いに一致する関係を含んでもよい。すなわち、この場合には、関連履歴情報に該当する地点が目的地に設定された年月日が、削除指定履歴情報に該当する地点が目的地に設定された年月日と一致することになる。なお、当該年月日の情報は、目的地履歴情報自体に含まれている情報(年月日)として目的地履歴情報から直接的に取得してもよい。
【0054】
また、前記所定の関係は、目的地履歴情報に該当する地点の位置が互いに近い関係を含んでもよい。すなわち、この場合には、関連履歴情報に該当する地点の位置が、削除指定履歴情報に該当する地点の位置の近くとなる。ただし、位置が互いに近いとみなされる場合の削除指定履歴情報に該当する地点(前記任意の地点)からの関連履歴情報に該当する地点(前記他の地点)の離間距離の最大値は、地点の種別に応じて異なってもよい。例えば、当該最大値は、レジャー施設の場合には2kmとし、店舗の場合には1kmとしてもよい。なお、当該地点の位置の情報は、目的地履歴情報に含まれている情報(例えば、地点の名称)と地図データ(検索データ)上において対応付けられている情報として、目的地履歴情報に紐付けて地図データから取得してもよい。
【0055】
さらに、前記所定の関係は、目的地履歴情報に該当する地点の名称が互いに部分的に一致する関係を含んでもよい。すなわち、この場合には、関連履歴情報に該当する地点の名称が、削除指定履歴情報に該当する地点の名称と部分的に一致することになる。また、この場合に、関連履歴情報に該当する地点および削除指定履歴情報に該当する地点の両地点のそれぞれの名称の一部同士が一致してもよいし、両地点の名称のうちの一方が他方に完全に含まれてもよい。ただし、「ホテル」等の両地点の名称における識別力を有しない部分同士が一致する場合には、削除指定履歴情報と全く関連性を有しない目的地履歴情報が関連履歴情報に誤認されてしまう場合がある。このため、関連履歴情報の有無を目的地履歴情報に該当する地点の名称で判断する場合には、名称のうちの関連履歴情報の有無の判断に用いる部分(識別力を有する部分)を目的地履歴情報ごとに予め設定しておくことが望ましい。
【0056】
このように、関連履歴情報の有無を地点の名称で判断する場合には、例えば、削除指定履歴情報に該当する地点の名称がレジャー施設の名称の場合に、この名称の前または後に「ホテル」が付いた名称を有する地点に該当する目的地履歴情報は、関連履歴情報に該当することになる。
【0057】
なお、当該名称の情報は、目的地履歴情報自体に含まれている情報(名称)として目的地履歴情報から直接的に取得してもよい。
【0058】
さらにまた、前記所定の関係は、目的地履歴情報に該当する地点が地図データ上で互いに対応付けられた関係を含んでもよい。例えば、削除指定履歴情報に対応する地点がレジャー施設の場合に、このレジャー施設の系列のホテルに該当する目的地履歴情報は、関連履歴情報となる場合がある。
【0059】
また、これらの各所定の関係は、関連履歴情報の有無の判断に個別に適用してもよいし、または、各所定の関係のうちの2つ以上の関係を重複適用してもよい。すなわち、個別適用の場合には、各所定の関係のいずれか1つを満足する目的地履歴情報が関連履歴情報となる。一方、重複適用の場合には、適用される複数の所定の関係をいずれも満足する目的地履歴情報が関連履歴情報となる。
【0060】
次に、本実施形態の作用について図4を参照して説明する。なお、便宜上、図4の初期状態において、RAM14には、履歴記録部25によって目的地履歴情報が記録されているものとする。
【0061】
そして、初期状態から、まず、図4のステップ1(ST1)において、削除対象履歴指定部27により、操作部5の操作結果に基づいて、目的地履歴情報の削除への移行がメニュー選択されたか否かを判定する。そして、ステップ1(ST1)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ1(ST1)を繰り返す。
【0062】
次いで、ステップ2(ST2)において、削除対象履歴指定部27により、RAM14に記憶されている目的地履歴情報の一覧表示画面を、これに含まれる目的地履歴情報を操作部5の操作によって個別に選択可能な表示態様でディスプレイ6に表示する。
【0063】
次いで、ステップ3(ST3)において、削除対象履歴指定部27により、ステップ2(ST2)において表示された一覧表示画面の中から任意の目的地履歴情報を選択する操作部5の操作が行われたか否かを判定する。そして、ステップ3(ST3)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ4(ST4)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ3(ST3)を繰り返す。
【0064】
次いで、ステップ4(ST4)において、削除対象履歴指定部27により、ステップ3(ST3)において選択されたと判定された目的地履歴情報を削除指定履歴情報として指定する。
【0065】
次いで、ステップ5(ST5)において、関連履歴有無判定部30により、前述した判定手法に基づいて関連履歴情報の有無を判定する。そして、ステップ5(ST5)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ6(ST6)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ7(ST7)に進む。
【0066】
ここで、ステップ6(ST6)に進んだ場合には、このステップ6(ST6)において、履歴削除部28により、ステップ4(ST4)において指定された削除指定履歴情報とともに、ステップ5(ST5)において存在すると判定された関連履歴情報をRAM14から削除して処理を終了する。
【0067】
一方、ステップ7(ST7)に進んだ場合には、このステップ7(ST7)において、履歴削除部28により、ステップ4(ST4)において指定された削除指定履歴情報のみを削除して処理を終了する。
【0068】
以上述べたように、本実施形態によれば、関連履歴情報がRAM14に記憶されている場合には、削除指定履歴情報とともに関連履歴情報をRAM14から削除することができるので、関連履歴情報を削除するための手間および時間を省くことができる。
【0069】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0070】
例えば、目的地履歴情報として記録される目的地は、ナビゲーションにおける経由地を含む概念であってもよい。この場合には、ナビゲーションの経由地に設定された地点に関する所定の情報(当該地点の名称や当該地点が経由地に設定された年月日等)も目的地履歴情報としてRAM14に記録された上で目的地履歴検索に利用されることになる。
【符号の説明】
【0071】
1 ナビゲーション装置
11 ハードディスクドライブ
19 目的地検索部
20 目的地設定部
25 履歴記録部
27 削除対象履歴指定部
28 履歴削除部
30 関連履歴有無判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
この地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データに基づいて目的地の候補となる地点を検索可能とされた目的地検索手段と、
この目的地検索手段によって検出された前記地点を前記目的地に設定する目的地設定手段と、
この目的地設定手段によって前記目的地に設定された前記地点に関する所定の情報を、前記目的地の履歴情報として記憶する履歴記憶手段と、
前記目的地検索手段に対して、前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報に基づいた前記地点の検索を指示する検索指示手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報のうちの削除すべき前記履歴情報を該当する前記地点単位で指定する削除対象履歴指定手段と、
この削除対象履歴指定手段によって指定された前記履歴情報を前記履歴記憶手段から削除する履歴削除手段と
を備え、
前記目的地までの最適経路にしたがった経路誘導を行うナビゲーション装置であって、
前記削除対象履歴指定手段によって任意の前記地点に該当する前記履歴情報が指定された場合に、当該履歴情報と所定の関係を有する他の前記地点に該当する前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶されているか否かを判定する関連履歴有無判定手段を備え、
前記履歴削除手段は、前記関連履歴有無判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、前記任意の地点に該当する前記履歴情報とともに、前記他の地点に該当する前記履歴情報を前記履歴記憶手段から削除すること
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点が前記目的地に設定された年月日が互いに一致する関係を含むこと
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点の位置が互いに近い関係を含むこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記位置が互いに近いとみなされる場合の前記任意の地点からの前記他の地点の離間距離の最大値は、前記地点の種別に応じて異なること
を特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点の名称が互いに部分的に一致する関係を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記所定の関係は、前記履歴情報に該当する前記地点が前記地図データ上で互いに対応付けられている関係を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−2570(P2012−2570A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135967(P2010−135967)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】