ナビゲーション装置
【課題】複数の運転者によって交替して運転する場合に、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを簡単に認識することができ、また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内をするナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。
【解決手段】複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の移動体で使用されるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の移動体には、その移動体の現在位置をGPS等で検出し、その位置を表示画面に道路地図と共に表示して、運転者が容易に目的地に到達できるように経路案内を行うナビゲーション装置が搭載されている。また、携帯型のナビゲーション装置を自動車等の移動体に乗り込む際に持ち込んで使用できるものもある。
【0003】
これらのナビゲーション装置において、目的地までの経路案内を行うだけでなく、運転者に対して効果的な案内を行うものが、提案されている。
例えば、特許文献1には、複数の運転者に対して、各運転者の運転技量、年齢、性別等を考慮して、運転者毎に適切なタイミングで休憩案内と運転交替案内を行うことができるナビゲーション装置が記載されている。
また、例えば特許文献2には、渋滞発生時に適切な迂回路の経路案内を行うと共に、迂回路の走りやすさ等を表示して、迂回路を選択するか否かを判断できるナビゲーション装置が記載されている。
また、例えば特許文献3には、合流地点において、運転者の運転技量に対応した案内内容を提示する(運転者の運転技量に応じて案内の詳しさを変更して提示する)ナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4412026号公報
【特許文献2】特開2001−227965号公報
【特許文献3】特開2009−115717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来のナビゲーション装置においては、複数の運転者が同乗している場合に、運転技量に自信のない者が、運転経路の難易度が高い区間を運転せずに済むような配慮はなされていなかった。そのため、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転しなければいけなくなり、危険を伴う上に激しい疲労や緊張状態に陥るという課題があった。また逆に、運転技量の高い運転者が難易度の高い区間を運転するようにすると、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることになり、疲労がたまる上に、疲労回復のための休憩をとる必要が生じ、効率が悪くなるという課題もあった。さらに、複数の運転者によって交替して運転する場合に、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを簡単に認識することができない、という課題もあった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の運転者によって交替して運転する場合に、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを簡単に認識することができ、また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内をするナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明のナビゲーション装置は、移動体の現在位置を検出する位置検出部と、使用者により目的地および前記移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、地図情報を記録した地図データベースと、前記位置検出部により検出した移動体の現在位置、前記入力部により入力された目的地および複数の運転者を特定する情報と運転技量、並びに、前記地図データベースに記録された地図情報に基づいて、前記目的地までの運転経路を算出するとともに、前記複数の運転者それぞれが運転を交替する運転交替地点と、当該運転交替地点で区分けされた各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する制御部と、前記制御部により算出された前記目的地までの運転経路を案内するとともに、前記入力部により入力された複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記制御部により決定された前記複数の運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示する表示部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明のナビゲーション装置によれば、複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明におけるナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】この発明におけるナビゲーション装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】各運転候補者の名前と運転技量とを対応付けたテーブルである。
【図4】運転技量のランクと運転難易度が高いと考えられる場面についての、ランク付け表である。
【図5】運転難易度が高いと考えられる場面について、それぞれの難易度を設定したテーブルの例である。
【図6】全体のルートの各区間ごとの、運転難易度を示すテーブルである。
【図7】運転技量に対するコスト値換算のための係数を示すテーブルである。
【図8】各区間ごと、および、各運転候補者ごとのコスト値を示すテーブルである。
【図9】運転者選出用コスト値が最小となる場合の運転交替地点と各区間の運転者を、地図と共に表示した運転交替案内画面の一例である。
【図10】運転交替案内画面の別の例である。
【図11】次の運手交替地点までに遭遇する高運転難易度の場面を表示する表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の概略構成図である。このナビゲーション装置は、自動車や自動二輪車等の移動体に搭載されている。また、移動体に乗り込む際に持ち込んで使用される携帯型のものであってもよい。
このナビゲーション装置は、図1に示すように、移動体の現在位置をGPS等により検出する位置検出部1と、使用者が目的地や運転者情報等を入力する入力部2と、地図および地図に関連したリンク情報(道路、地形、施設等の各種情報)を含む地図情報を記録した地図データベース3と、移動体の位置を地図と共に表示したり、運転経路案内ほか各種案内や各種情報およびTV番組等の表示を行う表示部4と、各種案内等を音声出力する音声出力部5と、各種データを記憶するためのメモリ6と、各種放送信号やVICS(道路交通情報システム)情報を受信する通信部7と、上記位置検出部1、入力部2、地図データベース3、表示部4、音声出力部5、メモリ6および通信部7を制御して各種処理を実行する制御部8とを備えている。
【0011】
ここで、地図データベース3は、このナビゲーション装置のハードディスクに記憶されていてもよいし、DVD、CD−ROM、メモリ、メモリカード等の記録媒体を用いてもよいし、通信部7を経由して外部のサーバからデータを得られるようにしてもよい。また、運転者情報については、入力部2により入力された情報をメモリ6に記録するようにしてもよいし、あらかじめメモリ6に記憶させておいてもよい。
【0012】
また、制御部8は、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器1により検出された位置情報から移動体の現在位置を算出し、地図データベース3に記録されている情報とに基づいて、移動体の現在位置を地図と共に表示部4に表示したり、入力部2により入力された目的地までの最適な運転経路を算出し、後述するコスト値算出を行った上で最適な休憩案内や運転交替案内を行う等の、各種処理を実行する。
【0013】
図2は、このナビゲーション装置の処理を示すフローチャートである。まず初めに、使用者により各運転候補者の運転技量(移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量)が入力部2により入力される(ステップST1)。この実施例では、運転者が3人いる場合について説明する。
図3は、ステップST1における入力の結果、メモリ6に記憶された、各運転候補者の名前と運転技量とを対応付けたテーブルである。なお、ここでは、各運転者を特定する情報として、各運転候補者の名前を入力するようにしたが、運転候補者の氏名、ニックネーム、識別番号など、各運転者を特定できる情報であれば、どのようなものでもよい。また、運転技量が星3つの者は、運転技量が高いことを表し、星2つの者は、運転技量が中くらいであり、星1つの者は、運転技量があまり高くないことを表している。
【0014】
また、図4は、運転技量のランクと運転難易度が高いと考えられる場面についての、ランク付け表である。ここで、ステップST1により入力される各運転候補者の運転技量(図3参照)は、この図4のようなランク付け表に対応させて入力されるものである。また、運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、高度な運転技量が必要であるものを運転難易度が「高」であるとし、多少の運転技量が必要であるものを運転難易度「中」、あまり運転技量が必要でないものを運転難易度「小」と、大まかに分類しておくこととする。そして図4は、それぞれの運転技量と、その運転難易度場面とに対応させて、運転技量を考慮した設定が必要であるか否かを設定したランク付け表である。
【0015】
次に、同じく入力部2より、目的地と、必要であれば経由地が入力される(ステップST2)。これに基づいて、制御部8がルート検索を行い(ステップST3)、目的地までの最適な運転経路を算出する。この際、天候や渋滞情報等も加味した上で、候補となるルートごとに目的地に到達するまでにかかる時間等を数値に換算して、最適な運転経路を算出する。これについては、通常のルート検索の手法であるので、ここでは説明を省略する。
【0016】
また、地図データベース3に記録されている地図情報から、ルート沿いにある運転交替に適した場所(サービスエリアやドライブイン等の休憩地点)を検索し、運転交替候補地点とする(ステップST4)。さらに、使用者が目的地に加えて経由地を設定している場合には、経由地が駐停車禁止場所でなければ、運転交替候補地点に加える。
そして、目的地までの全体のルート(運転経路)を、運転交替候補地点で区分けした運転区間ごとおよび各運転候補者ごとに、後述する各運転区間ごとの運転難易度数(運転難易度を数値化した合計ポイント)と各運転者ごとの運転技量とに基づいて、運転者選出用のコスト値を算出する(ステップST5)。
【0017】
このステップST5の処理について、詳細に説明する。
図5は、運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、それぞれの難易度を設定したテーブルの例である。この運転難易度については、例えば、レーン情報(レーン変更の要否など)、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合、目的地または経由地や運転交替地点が反対車線側か否かといった、地図に関連したリンク情報により決定してもよいし、例えば、事故多発場所であるか否か、夜間であるか否か、渋滞情報、天候情報等の各種放送信号やVICS情報により決定してもよい。ここでは、地図に関連したリンク情報(少なくとも、レーン情報、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合といった情報を含む)および各種放送信号やVICS情報により、他の車の流れに合わせたレーン変更が必要である、道幅が狭い、急カーブがある、カーブが連続する、目的地または経由地が反対車線側である、繁華街を通る、事故多発場所を通る、夜間である、渋滞している、悪天候である等の、運転難易度が高いと考えられる場面について、各運転難易度をポイントと呼ばれる数値で表している。また、難易度が高い箇所ほど高いポイントが付与されている。
【0018】
ここで、図5に示すテーブルの内容は、運転前に毎回設定してもよいが、このような設定を毎回行うことは面倒であるため、あらかじめデータベースに登録してメモリ6に記憶させておいてもよい。また、それぞれの運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、図5の一番右の列に示したとおり、大まかに分類した運転難易度(高度な運転技量が必要であるものを「高」、多少の運転技量が必要であるものを「中」、あまり運転技量が必要でないものを「小」)についても設定しておくとよい。
【0019】
なお、この実施例では、図3に示すとおり、3人の運転候補者の運転技量がそれぞれ、星3つ、星2つ、星1つであるが、星3つの者が存在しない場合には、目的地までのルート検索の際に、高難易度場面を通らない運転経路が検索される。すなわち、高難易度場面を通るのであれば、少なくとも1人は星2つ以上の者がいることが必要であり、中難易度場面を通るのであれば、少なくとも1人は星1つ以上の者がいることが必要であり、そうでなければ、運転候補者の運転技量に合わせて、目的地までのルートがあまり難易度の高くない運転経路に変更される。
【0020】
図6は、目的地までのルート(運転経路)全体の各運転区間(区間(1)〜(5))ごとに、図5に示す運転難易度(ポイント)を合計して算出した運転難易度数(運転難易度を数値化した合計ポイント)と、各運転区間ごとの運転難易度が「高」「中」「小」のどの分類にグループ分けされているかを示すテーブルである。なお、この実施例では、計算と説明を簡単にするために、前述のステップST4で検索された運転交替候補地点が運転交替地点として決定され、目的地までのルート(運転経路)全体が(1)〜(5)の5区間に区分けされたという前提で説明する。
【0021】
まず初めに、各運転区間ごとに、その運転区間の中に図5に示すような運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)がある度に運転難易度のポイントが加算され、その運転区間の合計ポイント(運転難易度を数値化した運転難易度数)が算出される。また、運転難易度「高」「中」「小」のグループ分けについては、その区間の中に1箇所でも高難易度場面(図5の一番右の列で「高」に設定された場面)があれば「高」、高難易度場面がなく1箇所でも中難易度場面(図5の一番右の列で「中」に設定された場面)があれば「中」、高難易度場面も中難易度場面もなく1箇所でも小難易度場面(図5の一番右の列で「小」に設定された場面)があれば「小」と決定している。
これについては、大まかな運転難易度の分類(図5の一番右の列の設定)によらず、例えば、その区間の中に1箇所でもポイント20以上の場面があれば「高」、高難易度場面がなく1箇所でもポイント10以上の場面があれば「中」、高難易度場面も中難易度場面もなく1箇所でもポイント0より大きい場面があれば「小」と決定するようにしてもよいし、各区間ごとの合計ポイント値が例えば50以上であれば「高」、20以上50未満であれば「中」、0より大きく20未満であれば「小」と決定するようにしてもよい。
【0022】
図7は、各運転候補者の運転技量に応じて、各運転区間の運転難易度ごとに、運転者選出用のコスト値に換算するための係数を示すテーブルである。図4に示すとおり、例えば高難易度区間について、運転技量が星3つの者については運転技量が「考慮不要」であるため、係数「0」が設定されており、運転技量が星2つの者は「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」方がよいため、係数「1」が設定されている。また、運転技量が星1つの者および無印の者の高難易度区間の係数は「−」となっているが、これは、高難易度区間をこの者が「必ず避ける」(運転することがない)ように設定されることを意味する。また、中難易度区間については、運転技量が星3つの者は「考慮不要」で係数「0」、星2つの者、星1つの者は「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」でそれぞれ係数「1」、「2」が設定され、無印の者には「−」が設定されている。さらに、小難易度区間については、運転技量が星3つの者については「考慮不要」で係数は「0」であり、星2つの者、星1つの者、無印の者については、「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」でそれぞれ係数「1」、「2」、「3」が設定されている。
【0023】
この図7に示すように、運転者選出用の係数を設定しておき、前述のステップST5では、図6に示すような各運転区間ごとに算出された運転難易度数(合計ポイント)と、図7に示すような運転者選出用の係数とを掛け合わせることにより、各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとの、運転者選出用のコスト値を計算する。
【0024】
図8は、このようにして計算された各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとのコスト値を示すテーブルである。
次に、図8のように算出された各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとのコスト値に基づいて、各運転区間の運転者の組合せを変えてみて、すなわち、各運転区間および運転者のすべての組合せについて、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値を計算する(ステップST6)。
【0025】
この目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値の計算に際し、この実施例では、運転者の疲労状態を考慮して、同じ者ばかりが運転することにならないよう、運転区間が変わっても同じ者が連続して運転することになる場合には、コスト値20を加えることとした。また、例えば今回の場合には5区間であるので、この5区間を3人の運転者で交替して運転することを考慮し、できるだけ3人の運転者それぞれの運転時間を均等に割り振ることができるよう、5区間の中で1人の者が3区間以上運転することになる場合には、さらにコスト値20を加えることとした。また、上記以外にも、必要に応じて適宜、適当なコスト値を加えるようにしてもよい。
【0026】
なお、この実施例では、目的地までのルート(運転経路)全体を5つに区切った各運転区間ごとに運転者を交替することを基本としているが、運転交替候補地点を多数とって、仮でルートを細かく区分けしておき、1人の者が複数の区間を連続して運転することを認めてもよい。ルートを細かく区分けすることで、運転難易度の高い箇所を含む区間と、あまり含まない区間とを、より確実に分けて、運転技量の高い者と、高くない者に運転を振り分けることができるといった利点がある。なお、この場合には、むやみに運転交替による停車を増やさないために、1人の者が連続して運転する時間が一定時間(例えば60分)に満たない場合、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加算すればよい。また逆に、運転者の疲労状態を考慮して、同じ者ばかりが運転することにならないよう、一定時間(例えば90分)を超えて連続して運転することになる場合(十分な間隔を置かずに再び運転者になる場合も含む)には、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加算すればよい。また、上記以外にも、必要に応じて適宜、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加えるようにすればよい。
また、この実施例では、運転難易度について、図4,図5および図7に示したようなポイントと係数とを使用したが、このポイントや係数の設定値次第でコスト値の計算結果は変わってくるので、これらのポイントや係数の値についても、使用者が必要に応じて適宜設定すればよい。
【0027】
以上のように、各運転区間および運転者のすべての組合せについて、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値を計算した結果、運転区間(1)〜(5)の順に、「B→A→B→C→A」という運転者の組合せが、コスト値55で最も低く、次いで「B→A→C→B→A」という運転者の組合せが、コスト値60で2番目に低かった。これにより、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値が最小となる運転区間および運転者の組合せは、「(1)B,(2)A,(3)B,(4)C,(5)A」と決定する(ステップST7)。そして、こうして求められた組合せにより、「運転区間(1)はBさん、運転区間(2)はAさん、運転区間(3)はBさん、運転区間(4)はCさん、運転区間(5)はAさん」のように、それぞれの運転交替地点で区分けされた各運転区間(1)〜(5)を、複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する。
【0028】
さらに、このように決定された運転区間および運転者の組合せ、すなわち、運転者選出用コスト値が最小となる場合の運転交替地点と各運転区間の運転者を、地図と共に表示部4に表示する(ステップST8)。
図9は、このようにして表示された運転交替案内画面の一例である。図9に示すように、運転交替案内には、複数の運転者を特定する情報と運転技量とが、その運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示されている。この図9では、具体的には、各運転区間を区分けしている運転交替地点(マークや名称)と、その各運転交替地点の間に、すなわち、各運転区間に対応させて、その運転区間を運転する運転者の名前と運転技量が表示されている。また、運転者を交替したい場合など、必要に応じて「変更」ボタンを押すことにより、予定されている運転者を変更することも可能である。なお、運転者を変更した場合には、それ以降のコスト値が再計算され、それ以降の運転者選出用コスト値が最小となる運転者の組合せが再度表示される。なお、この図9には示していないが、各区間における運転難易度(「高」「中」「小」)も表示するようにしてもよい。
【0029】
また、図10は、運転交替案内画面の図9とは別の例を示す図である。図10においても、複数の運転者を特定する情報と運転技量とが、その運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示されている。この図10では、具体的には、複数の運転者の名前と運転技量とが、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて、地図上に重ねて表示されている。この際、運転者の名前と運転技量は、吹き出しや引き出し線を用いて地図の邪魔にならない箇所に表示されている。なお、この図10では、各運転区間における運転難易度(「高」「中」「小」)も同時に表示している。また、運転者や運転技量、各運転区間における運転難易度などに応じて、色替えして表示するようにしてもよい。
【0030】
このように、運転者の名前と運転技量とを地図上に重ねて表示することにより、どの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、これにより、自分の運転技量を認識した上で、安心して旅行に出発することができるという効果もある。
さらに、運転者を決定するにあたり、各運転区間ごとに、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等も考慮したコスト値計算を行って、目的地までの全ルート(運転経路全体)でのコスト値が最小となるようにどの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを決定していることにより、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。また、これにより、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転する危険がなくなり、激しい疲労や緊張状態に陥ることもなくなるという効果もある。さらに、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることもなくなるため、疲労回復のための休憩をとる必要もなく、効率が良くなるという効果もある。
【0031】
そしてさらに、現在運転中の運転区間内、または、出発時や運転交替時点においてはその直後に運転する区間内において、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている高運転難易度場面を表示する(ステップST9)。
図11は、このようにして案内表示された、次の運転交替地点までに遭遇することになる高運転難易度の場面(箇所)を表示する表示画面の一例である。このような、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている高運転難易度場面は、制御部8により、自動車等の移動体の現在位置と、各運転区間ごとの運転難易度の高い場面(箇所)とに基づいて検出され、その表示の指示を受けて、表示部4により案内表示される。
【0032】
このように、この先遭遇することが予定されている高運転難易度場面を事前に表示することにより、この先遭遇する高運転難易度場面を運転者があらかじめ認識することができ、運転者にとって心構えができたり、より注意深くなる等の効果がある。また、運転者が高運転難易度場面の詳細を確認した結果、迂回することを指定できるようにしてもよい。
なお、図2に示すフローチャートにおいては、このステップST9を繰り返すようなフローとしては示していないが、このステップST9については、目的地に到着するまでの間、繰り返し行われる処理である。
【0033】
なお、この発明は、複数の運転者で運転することを想定しているが、1人で運転する場合であっても運転技量を設定することにより、その運転技量に合わせた経路案内が行われるとともに、出発時等に、この先遭遇する高運転難易度場面を案内することもできる。また、目的地が設定されていない場合であっても、移動体の現在位置付近一体に起きる気象情報等により、今後高運転難易度場面に遭遇することがわかった場合など、あらかじめ運転者が認識できるように案内することもできる。
【0034】
さらに、2台以上の移動体で連なり、移動体の台数よりも多い人数で運転を交替して旅行する場合など、移動体間で運転者を融通し合うように案内することも可能である。その場合には、移動体の台数と他の移動体に乗る者を含めた全運転候補者の運転技量を入力して、移動体の台数分の運転者選出用コスト値を計算すればよい。また、移動体の大きさや、特に自動車の場合には右ハンドルか左ハンドルかといった移動体の条件を追加した場合の運転候補者の運転技量を考慮して、運転者を決定することも可能である。この場合、移動体の条件の入力については、移動体間通信により自動的に行われるようにしてもよい。
【0035】
以上のように、この発明のナビゲーション装置によれば、複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、それにより自分の運転技量を認識した上で、安心して旅行に出発することができるという効果もある。
さらに、運転者を決定するにあたり、各運転区間ごとに、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等も考慮したコスト値計算を行って、目的地までの全ルート(運転経路全体)でのコスト値が最小となるようにどの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを決定していることにより、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。また、これにより、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転する危険がなくなり、激しい疲労や緊張状態に陥ることもなくなるという効果もある。さらに、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることもなくなるため、疲労回復のための休憩をとる必要もなく、効率が良くなるという効果もある。
また、この先遭遇することが予定されている高運転難易度場面を事前に表示することにより、この先遭遇する高運転難易度場面を運転者があらかじめ認識することができ、運転者にとって心構えができたり、より注意深くなる等の効果がある。
【0036】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 位置検出部、2 入力部、3 地図データベース、4 表示部、5 音声出力部、6 メモリ、7 通信部、8 制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の移動体で使用されるナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の移動体には、その移動体の現在位置をGPS等で検出し、その位置を表示画面に道路地図と共に表示して、運転者が容易に目的地に到達できるように経路案内を行うナビゲーション装置が搭載されている。また、携帯型のナビゲーション装置を自動車等の移動体に乗り込む際に持ち込んで使用できるものもある。
【0003】
これらのナビゲーション装置において、目的地までの経路案内を行うだけでなく、運転者に対して効果的な案内を行うものが、提案されている。
例えば、特許文献1には、複数の運転者に対して、各運転者の運転技量、年齢、性別等を考慮して、運転者毎に適切なタイミングで休憩案内と運転交替案内を行うことができるナビゲーション装置が記載されている。
また、例えば特許文献2には、渋滞発生時に適切な迂回路の経路案内を行うと共に、迂回路の走りやすさ等を表示して、迂回路を選択するか否かを判断できるナビゲーション装置が記載されている。
また、例えば特許文献3には、合流地点において、運転者の運転技量に対応した案内内容を提示する(運転者の運転技量に応じて案内の詳しさを変更して提示する)ナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4412026号公報
【特許文献2】特開2001−227965号公報
【特許文献3】特開2009−115717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来のナビゲーション装置においては、複数の運転者が同乗している場合に、運転技量に自信のない者が、運転経路の難易度が高い区間を運転せずに済むような配慮はなされていなかった。そのため、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転しなければいけなくなり、危険を伴う上に激しい疲労や緊張状態に陥るという課題があった。また逆に、運転技量の高い運転者が難易度の高い区間を運転するようにすると、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることになり、疲労がたまる上に、疲労回復のための休憩をとる必要が生じ、効率が悪くなるという課題もあった。さらに、複数の運転者によって交替して運転する場合に、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを簡単に認識することができない、という課題もあった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の運転者によって交替して運転する場合に、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを簡単に認識することができ、また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内をするナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明のナビゲーション装置は、移動体の現在位置を検出する位置検出部と、使用者により目的地および前記移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、地図情報を記録した地図データベースと、前記位置検出部により検出した移動体の現在位置、前記入力部により入力された目的地および複数の運転者を特定する情報と運転技量、並びに、前記地図データベースに記録された地図情報に基づいて、前記目的地までの運転経路を算出するとともに、前記複数の運転者それぞれが運転を交替する運転交替地点と、当該運転交替地点で区分けされた各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する制御部と、前記制御部により算出された前記目的地までの運転経路を案内するとともに、前記入力部により入力された複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記制御部により決定された前記複数の運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示する表示部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明のナビゲーション装置によれば、複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明におけるナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】この発明におけるナビゲーション装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】各運転候補者の名前と運転技量とを対応付けたテーブルである。
【図4】運転技量のランクと運転難易度が高いと考えられる場面についての、ランク付け表である。
【図5】運転難易度が高いと考えられる場面について、それぞれの難易度を設定したテーブルの例である。
【図6】全体のルートの各区間ごとの、運転難易度を示すテーブルである。
【図7】運転技量に対するコスト値換算のための係数を示すテーブルである。
【図8】各区間ごと、および、各運転候補者ごとのコスト値を示すテーブルである。
【図9】運転者選出用コスト値が最小となる場合の運転交替地点と各区間の運転者を、地図と共に表示した運転交替案内画面の一例である。
【図10】運転交替案内画面の別の例である。
【図11】次の運手交替地点までに遭遇する高運転難易度の場面を表示する表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるナビゲーション装置の概略構成図である。このナビゲーション装置は、自動車や自動二輪車等の移動体に搭載されている。また、移動体に乗り込む際に持ち込んで使用される携帯型のものであってもよい。
このナビゲーション装置は、図1に示すように、移動体の現在位置をGPS等により検出する位置検出部1と、使用者が目的地や運転者情報等を入力する入力部2と、地図および地図に関連したリンク情報(道路、地形、施設等の各種情報)を含む地図情報を記録した地図データベース3と、移動体の位置を地図と共に表示したり、運転経路案内ほか各種案内や各種情報およびTV番組等の表示を行う表示部4と、各種案内等を音声出力する音声出力部5と、各種データを記憶するためのメモリ6と、各種放送信号やVICS(道路交通情報システム)情報を受信する通信部7と、上記位置検出部1、入力部2、地図データベース3、表示部4、音声出力部5、メモリ6および通信部7を制御して各種処理を実行する制御部8とを備えている。
【0011】
ここで、地図データベース3は、このナビゲーション装置のハードディスクに記憶されていてもよいし、DVD、CD−ROM、メモリ、メモリカード等の記録媒体を用いてもよいし、通信部7を経由して外部のサーバからデータを得られるようにしてもよい。また、運転者情報については、入力部2により入力された情報をメモリ6に記録するようにしてもよいし、あらかじめメモリ6に記憶させておいてもよい。
【0012】
また、制御部8は、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器1により検出された位置情報から移動体の現在位置を算出し、地図データベース3に記録されている情報とに基づいて、移動体の現在位置を地図と共に表示部4に表示したり、入力部2により入力された目的地までの最適な運転経路を算出し、後述するコスト値算出を行った上で最適な休憩案内や運転交替案内を行う等の、各種処理を実行する。
【0013】
図2は、このナビゲーション装置の処理を示すフローチャートである。まず初めに、使用者により各運転候補者の運転技量(移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量)が入力部2により入力される(ステップST1)。この実施例では、運転者が3人いる場合について説明する。
図3は、ステップST1における入力の結果、メモリ6に記憶された、各運転候補者の名前と運転技量とを対応付けたテーブルである。なお、ここでは、各運転者を特定する情報として、各運転候補者の名前を入力するようにしたが、運転候補者の氏名、ニックネーム、識別番号など、各運転者を特定できる情報であれば、どのようなものでもよい。また、運転技量が星3つの者は、運転技量が高いことを表し、星2つの者は、運転技量が中くらいであり、星1つの者は、運転技量があまり高くないことを表している。
【0014】
また、図4は、運転技量のランクと運転難易度が高いと考えられる場面についての、ランク付け表である。ここで、ステップST1により入力される各運転候補者の運転技量(図3参照)は、この図4のようなランク付け表に対応させて入力されるものである。また、運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、高度な運転技量が必要であるものを運転難易度が「高」であるとし、多少の運転技量が必要であるものを運転難易度「中」、あまり運転技量が必要でないものを運転難易度「小」と、大まかに分類しておくこととする。そして図4は、それぞれの運転技量と、その運転難易度場面とに対応させて、運転技量を考慮した設定が必要であるか否かを設定したランク付け表である。
【0015】
次に、同じく入力部2より、目的地と、必要であれば経由地が入力される(ステップST2)。これに基づいて、制御部8がルート検索を行い(ステップST3)、目的地までの最適な運転経路を算出する。この際、天候や渋滞情報等も加味した上で、候補となるルートごとに目的地に到達するまでにかかる時間等を数値に換算して、最適な運転経路を算出する。これについては、通常のルート検索の手法であるので、ここでは説明を省略する。
【0016】
また、地図データベース3に記録されている地図情報から、ルート沿いにある運転交替に適した場所(サービスエリアやドライブイン等の休憩地点)を検索し、運転交替候補地点とする(ステップST4)。さらに、使用者が目的地に加えて経由地を設定している場合には、経由地が駐停車禁止場所でなければ、運転交替候補地点に加える。
そして、目的地までの全体のルート(運転経路)を、運転交替候補地点で区分けした運転区間ごとおよび各運転候補者ごとに、後述する各運転区間ごとの運転難易度数(運転難易度を数値化した合計ポイント)と各運転者ごとの運転技量とに基づいて、運転者選出用のコスト値を算出する(ステップST5)。
【0017】
このステップST5の処理について、詳細に説明する。
図5は、運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、それぞれの難易度を設定したテーブルの例である。この運転難易度については、例えば、レーン情報(レーン変更の要否など)、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合、目的地または経由地や運転交替地点が反対車線側か否かといった、地図に関連したリンク情報により決定してもよいし、例えば、事故多発場所であるか否か、夜間であるか否か、渋滞情報、天候情報等の各種放送信号やVICS情報により決定してもよい。ここでは、地図に関連したリンク情報(少なくとも、レーン情報、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合といった情報を含む)および各種放送信号やVICS情報により、他の車の流れに合わせたレーン変更が必要である、道幅が狭い、急カーブがある、カーブが連続する、目的地または経由地が反対車線側である、繁華街を通る、事故多発場所を通る、夜間である、渋滞している、悪天候である等の、運転難易度が高いと考えられる場面について、各運転難易度をポイントと呼ばれる数値で表している。また、難易度が高い箇所ほど高いポイントが付与されている。
【0018】
ここで、図5に示すテーブルの内容は、運転前に毎回設定してもよいが、このような設定を毎回行うことは面倒であるため、あらかじめデータベースに登録してメモリ6に記憶させておいてもよい。また、それぞれの運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)について、図5の一番右の列に示したとおり、大まかに分類した運転難易度(高度な運転技量が必要であるものを「高」、多少の運転技量が必要であるものを「中」、あまり運転技量が必要でないものを「小」)についても設定しておくとよい。
【0019】
なお、この実施例では、図3に示すとおり、3人の運転候補者の運転技量がそれぞれ、星3つ、星2つ、星1つであるが、星3つの者が存在しない場合には、目的地までのルート検索の際に、高難易度場面を通らない運転経路が検索される。すなわち、高難易度場面を通るのであれば、少なくとも1人は星2つ以上の者がいることが必要であり、中難易度場面を通るのであれば、少なくとも1人は星1つ以上の者がいることが必要であり、そうでなければ、運転候補者の運転技量に合わせて、目的地までのルートがあまり難易度の高くない運転経路に変更される。
【0020】
図6は、目的地までのルート(運転経路)全体の各運転区間(区間(1)〜(5))ごとに、図5に示す運転難易度(ポイント)を合計して算出した運転難易度数(運転難易度を数値化した合計ポイント)と、各運転区間ごとの運転難易度が「高」「中」「小」のどの分類にグループ分けされているかを示すテーブルである。なお、この実施例では、計算と説明を簡単にするために、前述のステップST4で検索された運転交替候補地点が運転交替地点として決定され、目的地までのルート(運転経路)全体が(1)〜(5)の5区間に区分けされたという前提で説明する。
【0021】
まず初めに、各運転区間ごとに、その運転区間の中に図5に示すような運転難易度が高いと考えられる場面(箇所)がある度に運転難易度のポイントが加算され、その運転区間の合計ポイント(運転難易度を数値化した運転難易度数)が算出される。また、運転難易度「高」「中」「小」のグループ分けについては、その区間の中に1箇所でも高難易度場面(図5の一番右の列で「高」に設定された場面)があれば「高」、高難易度場面がなく1箇所でも中難易度場面(図5の一番右の列で「中」に設定された場面)があれば「中」、高難易度場面も中難易度場面もなく1箇所でも小難易度場面(図5の一番右の列で「小」に設定された場面)があれば「小」と決定している。
これについては、大まかな運転難易度の分類(図5の一番右の列の設定)によらず、例えば、その区間の中に1箇所でもポイント20以上の場面があれば「高」、高難易度場面がなく1箇所でもポイント10以上の場面があれば「中」、高難易度場面も中難易度場面もなく1箇所でもポイント0より大きい場面があれば「小」と決定するようにしてもよいし、各区間ごとの合計ポイント値が例えば50以上であれば「高」、20以上50未満であれば「中」、0より大きく20未満であれば「小」と決定するようにしてもよい。
【0022】
図7は、各運転候補者の運転技量に応じて、各運転区間の運転難易度ごとに、運転者選出用のコスト値に換算するための係数を示すテーブルである。図4に示すとおり、例えば高難易度区間について、運転技量が星3つの者については運転技量が「考慮不要」であるため、係数「0」が設定されており、運転技量が星2つの者は「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」方がよいため、係数「1」が設定されている。また、運転技量が星1つの者および無印の者の高難易度区間の係数は「−」となっているが、これは、高難易度区間をこの者が「必ず避ける」(運転することがない)ように設定されることを意味する。また、中難易度区間については、運転技量が星3つの者は「考慮不要」で係数「0」、星2つの者、星1つの者は「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」でそれぞれ係数「1」、「2」が設定され、無印の者には「−」が設定されている。さらに、小難易度区間については、運転技量が星3つの者については「考慮不要」で係数は「0」であり、星2つの者、星1つの者、無印の者については、「自分より運転技量の高い者がいれば、なるべく替わってもらう」でそれぞれ係数「1」、「2」、「3」が設定されている。
【0023】
この図7に示すように、運転者選出用の係数を設定しておき、前述のステップST5では、図6に示すような各運転区間ごとに算出された運転難易度数(合計ポイント)と、図7に示すような運転者選出用の係数とを掛け合わせることにより、各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとの、運転者選出用のコスト値を計算する。
【0024】
図8は、このようにして計算された各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとのコスト値を示すテーブルである。
次に、図8のように算出された各運転区間ごとおよび各運転候補者ごとのコスト値に基づいて、各運転区間の運転者の組合せを変えてみて、すなわち、各運転区間および運転者のすべての組合せについて、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値を計算する(ステップST6)。
【0025】
この目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値の計算に際し、この実施例では、運転者の疲労状態を考慮して、同じ者ばかりが運転することにならないよう、運転区間が変わっても同じ者が連続して運転することになる場合には、コスト値20を加えることとした。また、例えば今回の場合には5区間であるので、この5区間を3人の運転者で交替して運転することを考慮し、できるだけ3人の運転者それぞれの運転時間を均等に割り振ることができるよう、5区間の中で1人の者が3区間以上運転することになる場合には、さらにコスト値20を加えることとした。また、上記以外にも、必要に応じて適宜、適当なコスト値を加えるようにしてもよい。
【0026】
なお、この実施例では、目的地までのルート(運転経路)全体を5つに区切った各運転区間ごとに運転者を交替することを基本としているが、運転交替候補地点を多数とって、仮でルートを細かく区分けしておき、1人の者が複数の区間を連続して運転することを認めてもよい。ルートを細かく区分けすることで、運転難易度の高い箇所を含む区間と、あまり含まない区間とを、より確実に分けて、運転技量の高い者と、高くない者に運転を振り分けることができるといった利点がある。なお、この場合には、むやみに運転交替による停車を増やさないために、1人の者が連続して運転する時間が一定時間(例えば60分)に満たない場合、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加算すればよい。また逆に、運転者の疲労状態を考慮して、同じ者ばかりが運転することにならないよう、一定時間(例えば90分)を超えて連続して運転することになる場合(十分な間隔を置かずに再び運転者になる場合も含む)には、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加算すればよい。また、上記以外にも、必要に応じて適宜、適当なコスト値を運転者選出用コスト値に加えるようにすればよい。
また、この実施例では、運転難易度について、図4,図5および図7に示したようなポイントと係数とを使用したが、このポイントや係数の設定値次第でコスト値の計算結果は変わってくるので、これらのポイントや係数の値についても、使用者が必要に応じて適宜設定すればよい。
【0027】
以上のように、各運転区間および運転者のすべての組合せについて、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値を計算した結果、運転区間(1)〜(5)の順に、「B→A→B→C→A」という運転者の組合せが、コスト値55で最も低く、次いで「B→A→C→B→A」という運転者の組合せが、コスト値60で2番目に低かった。これにより、目的地までのルート(運転経路)全体にかかる運転者選出用コスト値が最小となる運転区間および運転者の組合せは、「(1)B,(2)A,(3)B,(4)C,(5)A」と決定する(ステップST7)。そして、こうして求められた組合せにより、「運転区間(1)はBさん、運転区間(2)はAさん、運転区間(3)はBさん、運転区間(4)はCさん、運転区間(5)はAさん」のように、それぞれの運転交替地点で区分けされた各運転区間(1)〜(5)を、複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する。
【0028】
さらに、このように決定された運転区間および運転者の組合せ、すなわち、運転者選出用コスト値が最小となる場合の運転交替地点と各運転区間の運転者を、地図と共に表示部4に表示する(ステップST8)。
図9は、このようにして表示された運転交替案内画面の一例である。図9に示すように、運転交替案内には、複数の運転者を特定する情報と運転技量とが、その運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示されている。この図9では、具体的には、各運転区間を区分けしている運転交替地点(マークや名称)と、その各運転交替地点の間に、すなわち、各運転区間に対応させて、その運転区間を運転する運転者の名前と運転技量が表示されている。また、運転者を交替したい場合など、必要に応じて「変更」ボタンを押すことにより、予定されている運転者を変更することも可能である。なお、運転者を変更した場合には、それ以降のコスト値が再計算され、それ以降の運転者選出用コスト値が最小となる運転者の組合せが再度表示される。なお、この図9には示していないが、各区間における運転難易度(「高」「中」「小」)も表示するようにしてもよい。
【0029】
また、図10は、運転交替案内画面の図9とは別の例を示す図である。図10においても、複数の運転者を特定する情報と運転技量とが、その運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示されている。この図10では、具体的には、複数の運転者の名前と運転技量とが、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて、地図上に重ねて表示されている。この際、運転者の名前と運転技量は、吹き出しや引き出し線を用いて地図の邪魔にならない箇所に表示されている。なお、この図10では、各運転区間における運転難易度(「高」「中」「小」)も同時に表示している。また、運転者や運転技量、各運転区間における運転難易度などに応じて、色替えして表示するようにしてもよい。
【0030】
このように、運転者の名前と運転技量とを地図上に重ねて表示することにより、どの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、これにより、自分の運転技量を認識した上で、安心して旅行に出発することができるという効果もある。
さらに、運転者を決定するにあたり、各運転区間ごとに、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等も考慮したコスト値計算を行って、目的地までの全ルート(運転経路全体)でのコスト値が最小となるようにどの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを決定していることにより、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。また、これにより、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転する危険がなくなり、激しい疲労や緊張状態に陥ることもなくなるという効果もある。さらに、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることもなくなるため、疲労回復のための休憩をとる必要もなく、効率が良くなるという効果もある。
【0031】
そしてさらに、現在運転中の運転区間内、または、出発時や運転交替時点においてはその直後に運転する区間内において、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている高運転難易度場面を表示する(ステップST9)。
図11は、このようにして案内表示された、次の運転交替地点までに遭遇することになる高運転難易度の場面(箇所)を表示する表示画面の一例である。このような、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている高運転難易度場面は、制御部8により、自動車等の移動体の現在位置と、各運転区間ごとの運転難易度の高い場面(箇所)とに基づいて検出され、その表示の指示を受けて、表示部4により案内表示される。
【0032】
このように、この先遭遇することが予定されている高運転難易度場面を事前に表示することにより、この先遭遇する高運転難易度場面を運転者があらかじめ認識することができ、運転者にとって心構えができたり、より注意深くなる等の効果がある。また、運転者が高運転難易度場面の詳細を確認した結果、迂回することを指定できるようにしてもよい。
なお、図2に示すフローチャートにおいては、このステップST9を繰り返すようなフローとしては示していないが、このステップST9については、目的地に到着するまでの間、繰り返し行われる処理である。
【0033】
なお、この発明は、複数の運転者で運転することを想定しているが、1人で運転する場合であっても運転技量を設定することにより、その運転技量に合わせた経路案内が行われるとともに、出発時等に、この先遭遇する高運転難易度場面を案内することもできる。また、目的地が設定されていない場合であっても、移動体の現在位置付近一体に起きる気象情報等により、今後高運転難易度場面に遭遇することがわかった場合など、あらかじめ運転者が認識できるように案内することもできる。
【0034】
さらに、2台以上の移動体で連なり、移動体の台数よりも多い人数で運転を交替して旅行する場合など、移動体間で運転者を融通し合うように案内することも可能である。その場合には、移動体の台数と他の移動体に乗る者を含めた全運転候補者の運転技量を入力して、移動体の台数分の運転者選出用コスト値を計算すればよい。また、移動体の大きさや、特に自動車の場合には右ハンドルか左ハンドルかといった移動体の条件を追加した場合の運転候補者の運転技量を考慮して、運転者を決定することも可能である。この場合、移動体の条件の入力については、移動体間通信により自動的に行われるようにしてもよい。
【0035】
以上のように、この発明のナビゲーション装置によれば、複数の運転者によって交替して運転する場合に、複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、それぞれの運転者が運転する運転区間に対応させて表示するようにしたので、通常の目的地までの運転経路案内に加え、どの運転者がどの経路(区間)を運転するのかを、各運転者が容易に認識することができる。また、それにより自分の運転技量を認識した上で、安心して旅行に出発することができるという効果もある。
さらに、運転者を決定するにあたり、各運転区間ごとに、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等も考慮したコスト値計算を行って、目的地までの全ルート(運転経路全体)でのコスト値が最小となるようにどの運転者(運転技量がどれだけのどの人)がどの運転区間(どのような地形のどの箇所)を運転するのかを決定していることにより、複数の運転者の運転技量、運転経路の難易度、その他、疲労を起こしやすい条件等を考慮して、最適な運転者と運転交替地点を含む経路案内を行うことができる。また、これにより、あまり運転技量の高くない運転者が難易度の高い区間を運転する危険がなくなり、激しい疲労や緊張状態に陥ることもなくなるという効果もある。さらに、運転技量の高い運転者ばかりが長時間運転を続けることもなくなるため、疲労回復のための休憩をとる必要もなく、効率が良くなるという効果もある。
また、この先遭遇することが予定されている高運転難易度場面を事前に表示することにより、この先遭遇する高運転難易度場面を運転者があらかじめ認識することができ、運転者にとって心構えができたり、より注意深くなる等の効果がある。
【0036】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 位置検出部、2 入力部、3 地図データベース、4 表示部、5 音声出力部、6 メモリ、7 通信部、8 制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置を検出する位置検出部と、
使用者により目的地および前記移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記位置検出部により検出した移動体の現在位置、前記入力部により入力された目的地および複数の運転者を特定する情報と運転技量、並びに、前記地図データベースに記録された地図情報に基づいて、前記目的地までの運転経路を算出するとともに、前記複数の運転者それぞれが運転を交替する運転交替地点と、当該運転交替地点で区分けされた各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する制御部と、
前記制御部により算出された前記目的地までの運転経路を案内するとともに、前記入力部により入力された複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記制御部により決定された前記複数の運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示する表示部と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データベースに記録された地図情報には、少なくとも、レーン情報、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合といった地図に関連したリンク情報が含まれており、
前記制御部は、
前記各運転区間の運転難易度を、前記地図に関連したリンク情報により決定し、
前記各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを、前記複数の運転者の運転技量と前記各運転区間の運転難易度とに基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記運転難易度は、難易度が高い箇所ほど高いポイントが付与されており、
前記制御部は、
前記運転区間ごとに前記運転難易度のポイントを加算して前記運転区間ごとの運転難易度を数値化した運転難易度数を算出する一方、
前記複数の運転者の運転技量に応じて、前記各運転区間の運転難易度ごとに、運転者選出用の係数を設定し、
前記運転区間ごとに算出された運転難易度数と、前記運転者選出用の係数とを掛け合わせたコスト値を、各運転区間ごとおよび各運転者ごとに計算し、
さらに、前記目的地までの運転経路全体にかかるコスト値を、各運転区間および運転者のすべての組合せについて計算し、
前記目的地までの運転経路全体にかかるコスト値が最小となる各運転区間の運転者の組合せを求めることにより、前記各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する
ことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動体の現在位置と、前記運転区間ごとの運転難易度の高い箇所とに基づいて、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている運転難易度の高い箇所を検出し、
前記表示部は、前記検出された次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている運転難易度の高い箇所を案内表示する
ことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
使用者により目的地および複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、
前記入力部により入力された目的地までの運転経路案内を行うとともに、前記複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記複数の運転者それぞれが運転する運転経路に対応させて表示する表示部と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
移動体の現在位置を検出する位置検出部と、
使用者により目的地および前記移動体の複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、
地図情報を記録した地図データベースと、
前記位置検出部により検出した移動体の現在位置、前記入力部により入力された目的地および複数の運転者を特定する情報と運転技量、並びに、前記地図データベースに記録された地図情報に基づいて、前記目的地までの運転経路を算出するとともに、前記複数の運転者それぞれが運転を交替する運転交替地点と、当該運転交替地点で区分けされた各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する制御部と、
前記制御部により算出された前記目的地までの運転経路を案内するとともに、前記入力部により入力された複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記制御部により決定された前記複数の運転者それぞれが運転する運転区間に対応させて表示する表示部と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データベースに記録された地図情報には、少なくとも、レーン情報、道幅、カーブの曲がり具合や連続度合といった地図に関連したリンク情報が含まれており、
前記制御部は、
前記各運転区間の運転難易度を、前記地図に関連したリンク情報により決定し、
前記各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを、前記複数の運転者の運転技量と前記各運転区間の運転難易度とに基づいて決定する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記運転難易度は、難易度が高い箇所ほど高いポイントが付与されており、
前記制御部は、
前記運転区間ごとに前記運転難易度のポイントを加算して前記運転区間ごとの運転難易度を数値化した運転難易度数を算出する一方、
前記複数の運転者の運転技量に応じて、前記各運転区間の運転難易度ごとに、運転者選出用の係数を設定し、
前記運転区間ごとに算出された運転難易度数と、前記運転者選出用の係数とを掛け合わせたコスト値を、各運転区間ごとおよび各運転者ごとに計算し、
さらに、前記目的地までの運転経路全体にかかるコスト値を、各運転区間および運転者のすべての組合せについて計算し、
前記目的地までの運転経路全体にかかるコスト値が最小となる各運転区間の運転者の組合せを求めることにより、前記各運転区間を前記複数の運転者のうちのいずれの運転者が運転するかを決定する
ことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動体の現在位置と、前記運転区間ごとの運転難易度の高い箇所とに基づいて、次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている運転難易度の高い箇所を検出し、
前記表示部は、前記検出された次の運転交替地点までに遭遇することが予定されている運転難易度の高い箇所を案内表示する
ことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
使用者により目的地および複数の運転者を特定する情報と各運転者の運転技量が入力される入力部と、
前記入力部により入力された目的地までの運転経路案内を行うとともに、前記複数の運転者を特定する情報と運転技量とを、前記複数の運転者それぞれが運転する運転経路に対応させて表示する表示部と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−11450(P2013−11450A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142729(P2011−142729)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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