説明

ナビゲーション装置

【課題】 所望の商品の購入機会を逸することがないナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 各店舗の商品情報を取得する商品情報取得部と、取得した商品情報を案内する商品情報案内部と、案内された商品情報に基づき、所望の前記商品を選択する商品選択部と、商品情報に基づき、選択された商品を販売している店舗を検索する店舗検索部と、地図情報に基づき、指定された目的地までの案内経路を探索する経路探索部と、を備え、店舗検索部により、選択された商品を販売している前記店舗が、探索された案内経路上にないと判定された場合、経路探索部は、検索された店舗を経由して目的地まで至る新たな案内経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関するものであり、特に、所望の商品を販売している店舗までの経路案内を行うナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車を利用して観光地に旅行する場合、移動経路の途中にあるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、あるいは、道の駅等に立ち寄り、地元の特産品等のお土産を購入したい要望がある。
【0003】
このような要望に対応可能なものとして、下記の特許文献1(特開2010−190863号公報)では、車両に搭載されたナビゲーション装置を利用して、ユーザが希望する商品を購入可能な小売店に立ち寄ることができ、移動経路を案内するナビゲーション装置及びナビゲーション方法を開示している。
【0004】
この特許文献1では、ナビゲーション装置から、車両の現在位置及び購入を希望する商品名を小売店情報提供装置に送信する。小売店情報提供装置は、車両の現在位置の付近にある当該商品を購入可能な小売店を特定し、その店舗名及び店舗位置に係る情報をナビゲーション装置に送信する。これらの情報を受信したナビゲーション装置は、現在位置から目的地に至る複数の移動経路を探索し、各移動経路上で購入可能な希望商品名を移動経路とともに表示する。そして、ユーザは、表示された複数の移動経路から、所望の商品を購入するための経路を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−190863号公報(段落[0117]、[0119]、[0128]、[0131]、[0137]〜[0139])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、所望のお土産を購入するため、移動経路を選択する必要がある。従って、ユーザが高速道路を走行している場合には、立ち寄ったサービスエリアやパーキングエリアで興味を持ったお土産品が、次のサービスエリアやパーキングエリアでも購入できるものと考えていたところ、次のサービスエリアやパーキングエリアでは販売されておらず、購入機会を逸するという問題点もあった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、所望の商品の購入機会を逸することなくなるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本願発明は、各店舗の商品情報を取得する商品情報取得部と、取得した前記商品情報を案内する商品情報案内部と、案内された前記商品情報に基づき、所望の前記商品を選択する商品選択部と、前記商品情報に基づき、選択された前記商品を販売している店舗を検索する店舗検索部と、地図情報に基づき、指定された目的地までの案内経路を探索する経路探索部と、を備え、前記店舗検索部により、選択された前記商品を販売している前記店舗が、探索された前記案内経路上にないと判定された場合、前記経路探索部は、検索された前記店舗を経由して前記目的地まで至る新たな案内経路を探索することを特徴とする。
【0009】
また、前記各店舗の前記商品情報を記憶する商品情報記憶部を備え、前記商品情報取得部は、前記商品情報記憶部から前記商品情報を取得することを特徴とする。
【0010】
また、前記商品情報取得部は、前記各店舗の前記商品情報を蓄積する商品情報蓄積サーバから前記商品情報を取得する通信部であることを特徴とする。
【0011】
また、前記ナビゲーション装置は、車載型ナビゲーション装置であることを特徴とする。
【0012】
また、前記ナビゲーション装置は、携帯型ナビゲーション装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明においては、各店舗の商品情報を取得する商品情報取得部と、取得した前記商品情報を案内する商品情報案内部と、案内された前記商品情報に基づき、所望の前記商品を選択する商品選択部と、前記商品情報に基づき、選択された前記商品を販売している店舗を検索する店舗検索部と、地図情報に基づき、指定された目的地までの案内経路を探索する経路探索部と、を備え、前記店舗検索部により、選択された前記商品を販売している前記店舗が、探索された前記案内経路上にないと判定された場合、前記経路探索部は、検索された前記店舗を経由して前記目的地まで至る新たな案内経路を探索する。
【0014】
このように構成することにより、案内経路上に所望の商品を販売している店舗が存在しない場合でも、所望の商品を販売する店舗を経由して目的地まで至る新たな案内経路の探索を行うので、ユーザは、当該商品を確実に購入することができる。
【0015】
また、商品情報記憶部から各店舗の商品情報を取得するので、所望の商品を購入できる店舗を知ることができる。
【0016】
また、商品情報は、通信部を介して接続される商品情報蓄積サーバから取得することができる。
【0017】
また、ナビゲーション装置を車載型ナビゲーション装置とすることにより、車両により移動する際、所望の商品を購入できるとともに、所望の案内経路に従って無駄なく移動することができる。
【0018】
また、ナビゲーション装置を携帯型ナビゲーション装置とすることにより、例えば、当該ナビゲーション装置を所持する歩行者が、所望の商品を購入できるとともに、所望の案内経路に従って無駄なく移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例である車両に搭載されるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施例であるナビゲーション装置による処理フローチャートである。
【図3】本発明の実施例であるナビゲーション装置により探索される案内経路及び案内経路上のサービスエリアの説明図である。
【図4】本発明の実施例であるナビゲーション装置で表示される案内画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の実施例である車両に搭載されるナビゲーション装置30の構成ブロック図である。
【0022】
なお、ナビゲーション装置30は、歩行者等のユーザが携帯して案内経路を探索できるポータブル型のナビゲーション装置(PND:Portable Navigation Device)であってもよい。
【0023】
ナビゲーション装置30は、制御部31(店舗検索部)、操作部32(商品選択部)、出力部33(商品情報案内部、商品選択部)、商品情報記憶部34、通信部35(商品情報取得部)、GPS受信部36、自律航法センサ37、地図情報記憶部38及び経路探索部39を備えて構成される。
【0024】
制御部31は、CPU40、RAM41及びROM42を備え、RAM41及び/又はROM42に記憶された制御プログラムをCPU40が実行することにより、下記に説明するナビゲーション装置30の各部の動作を制御・統括する。
【0025】
操作部32は、ユーザが出発地、目的地、経由地等の入力操作を行う手段であり、また、商品情報の表示指示や、商品を選択するための入力操作を行う手段である。
【0026】
出力部33は、地図画像とともに探索された車両の案内経路を表示し、また、SA、PA、道の駅等の道路サービス施設で販売されている商品の名称、価格、販売しているSA名等の商品情報を画面に表示し、必要に応じて音声で通知する手段である。
【0027】
出力部33は、例えば、液晶パネルやスピーカにより構成することができる。
【0028】
また、出力部33にタッチパネルを加える構成とすることで、操作部32としての機能を持たせることもできる。この場合、ユーザは、出力部33としての液晶パネルに表示された各種操作アイコンをタッチすることで所望の入力操作を行うことができる。
【0029】
商品情報記憶部34は、各SAで販売されている商品に係る商品情報が記憶されている。
【0030】
なお、商品情報は、予め商品情報記憶部34に記憶されているものでもよく、また通信部35及び通信網49を介して、外部の商品情報蓄積サーバ50から最新の商品情報を取得し、商品情報記憶部34に記憶させることもできる。
【0031】
GPS受信部36は、所定の時間間隔で地球上空を周回している複数のGPS衛星から時刻情報を含む電波(衛星信号)を受信し制御部31へ出力する。
【0032】
制御部31は、受信した衛星信号に基づき、ナビゲーション装置30を搭載した車両の現在位置、又は、ナビゲーション装置30を携帯する歩行者等の現在位置を算出する。
【0033】
自律航法センサ37は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等の自律航法手段であり、制御部31は、GPS受信部36により受信した衛星信号に基づいて算出した車両や歩行者等の現在位置を自律航法センサ37により検出された各種センサ信号に基づき補完する。
【0034】
地図情報記憶部38は、案内経路を探索するための道路データ、建物データ、背景データ、テキストデータから構成される地図情報が記憶されている。
【0035】
なお、地図情報は、商品情報と同様に、通信部35を介して外部の情報提供サーバ(図示せず)から取得し、最新の地図情報として地図情報記憶部38に記憶させるようにしてもよい。
【0036】
道路データは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータとから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標(緯度・経度)、交差点情報や交差点名称を示す情報等のノード属性、さらに接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。
【0037】
リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、高速道路や一般道や街路等を区別するための道路種別、ノード間の距離及び/又は所要時間、国道○号線のような道路名称のデータを含んで構成される。
リンクデータには、上記に加えて、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。
【0038】
建物データは、建物の少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、SA、PA、道の駅、鉄道駅、ビル、民家等の建物の種別、表示色のデータを含んで構成される。
また背景データは、海岸線、湖沼、河川形状、山林等の背景画像データとなる少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、表示色のデータを含んで構成される。
【0039】
テキストデータは、それぞれの地名や河川名等の文字(名称)、及びその座標(緯度・経度)のデータを含んで構成される。
【0040】
経路探索部39は、地図情報記憶部38に記憶された地図情報と、算出された車両等の現在位置、又は、操作部32から入力された出発地とに基づき、現在位置又は出発地から目的地までの最適な案内経路を探索する。
【0041】
本実施例のナビゲーション装置30は、基本的には以上のように構成される。
【0042】
次に、図2に示す処理フローチャートに従い、ナビゲーション装置30の動作について説明する。
【0043】
ユーザは、操作部32を操作し、目的地及び経由地、必要に応じて出発地を入力することで、ナビゲーション装置30に対して案内経路の探索を指示する。
【0044】
ナビゲーション装置30の制御部31は、経路探索の指示を受け付けると、経路探索部39に対し案内経路の探索を指示する。
【0045】
経路探索部39は、地図情報記憶部38に記憶されている地図情報と、入力された目的地、経由地、出発地又は現在位置とに基づき、案内経路を探索する(ステップS201)。
【0046】
探索された案内経路は、車両の現在位置とともに、出力部33に表示される。
【0047】
なお、車両の現在位置は、GPS受信部36により受信したGPS信号と、自律航法センサ37により検出した加速度や角速度の信号とに基づいて算出される。
【0048】
そして、ドライバは、表示された案内経路に従い、所望の目的地まで移動することができる。
【0049】
図3は、出力部33に表示されている地図情報である道路43と、車両44の現在位置と、経路探索部39により探索された案内経路45と、現在位置前方にあるサービスエリアSA1〜SA3(以下、SA1〜SA3と言う。)との位置関係を例示したものである。
【0050】
この例では、車両44は、現在SA1の手前(目的地方向に向かって)を走行中であり、案内経路は、SA2を通過した後、SA3に向かうことなく、分岐路46に沿って移動する案内経路45が設定されている。
【0051】
次に、ユーザがSAでお土産等を購入する目的で、ナビゲーション装置30の操作部32を操作し、商品情報の表示を指示すると(ステップS202:YES)、制御部31のCPU40は、商品情報記憶部34に記憶されている商品情報を読み出し、出力部33に図3に示す表示画面21を表示させる(ステップS203)。
【0052】
なお、ステップS203の処理において読み出される商品情報とは、現在位置から所定距離範囲内にあるSAの商品情報、又は商品情報記憶部34に記憶されているすべてのSAの商品情報等とすることができ、以下、本実施例における商品情報とは、現在位置から所定距離範囲内にあるSAの商品情報として説明を行う。
【0053】
次に、ユーザは、表示画面21に表示された商品情報から所望のSAを選択したのち、図4に示す表示画面21の商品選択欄23〜25に表示されている商品の中から、所望の商品を選択する。
【0054】
なお、分岐路46でなく、この地点が高速道路の出口であっても同様である。
【0055】
ユーザが所望の商品を選択すると(ステップS204:YES)、CPU40は、選択された商品に係る商品情報に基づき、当該商品を購入可能なSAが経路探索部39により探索された案内経路上(沿い)に存在するか否かを検索し(ステップS205)、その検索結果に基づき、案内経路上のSAにおいて当該商品を購入可能か否かを判定する(ステップS206)。
【0056】
ステップS206において、案内経路上のSAにおいて当該商品を購入可能であると判定された場合(ステップS206:YES)、CPU40は、表示画面21の購入可否通知欄29に、当該商品を購入可能な案内経路45上のSAの名称とともに、例えば、「選択された商品は、△△サービスエリアでも購入可能です」といった通知を表示する(ステップS207)。
【0057】
なお、通知の表示とともに、音声による通知を行うようにしてもよい。
【0058】
一方、ステップS206において、案内経路上のSAにおいて当該商品を購入できないと判定された場合(ステップS206:NO)、CPU40は、当該商品を購入可能なSAのうち現在位置から最も近いSA(進行方向前方に位置するSAのうち現在位置から最も近いSA)を検索し、経路探索部39に対し、検索したSAを経由して目的地まで至る新たな案内経路の探索を指示し、指示を受けた経路探索部39は、検索したSAを経由して目的地まで至る新たな案内経路を探索し、CPU40は、探索された新たな案内経路に基づき経路案内を開始する(ステップS208)。
【0059】
なお、上記説明では、検索したSAを経由した経路を探索するものとして説明をしたが、これに限るものではなく、例えば、検索したSAを通過する経路を探索する形態とすることもできる。このように、検索したSA自体を経由地としなくても、検索したSAを通過する経路とすれば、ユーザ自身の判断で検索したSAに立ち寄ることができる。
【0060】
なお、当該商品を購入可能なSAのうち現在位置から最も近いSAが現在位置から所定距離以上離れている場合、又は、元の案内経路と新たに探索された案内経路との目的地到着時刻が所定時間以上離れている場合(新たに探索された案内経路を走行した場合、元の案内経路を走行した場合より所定時間以上目的地への到着時刻が遅れる場合)は、新たな案内経路を探索するか否かをユーザに問う表示、及び/又は音声報知を行う形態とすることもできる。
【0061】
ステップS202の処理において、ユーザが商品情報の表示指示を行わない場合(ステップS202:NO)、又は、ユーザが商品を選択しない場合であって(ステップS204:NO)、ナビゲーション装置30の電源がOFFになると、処理が終了する。
【0062】
また、ナビゲーション装置30の電源がOFFにされない場合(ステップS209:NO)には、ステップS202における指示を待機する状態となる。
【0063】
このように、ユーザが選択した商品を購入可能なSAが案内経路上にない場合、当該商品を購入可能なSAを経由して目的地まで至る新たな案内経路を探索することで、ユーザは当該商品を確実に購入でき、且つ道に迷うことなく目的地まで向かうことができる。
【符号の説明】
【0064】
30・・・ナビゲーション装置
31・・・制御部
32・・・操作部
33・・・出力部
34・・・商品情報記憶部
35・・・通信部
36・・・GPS受信部
37・・・自律航法センサ
38・・・地図情報記憶部
39・・・経路探索部
40・・・CPU
41・・・RAM
42・・・ROM
43・・・道路
44・・・車両
45・・・案内経路
SA1〜SA3・・・サービスエリア
49・・・通信網
50・・・商品情報蓄積サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各店舗の商品情報を取得する商品情報取得部と、
取得した前記商品情報を案内する商品情報案内部と、
案内された前記商品情報に基づき、所望の前記商品を選択する商品選択部と、
前記商品情報に基づき、選択された前記商品を販売している店舗を検索する店舗検索部と、
地図情報に基づき、指定された目的地までの案内経路を探索する経路探索部と、を備え、
前記店舗検索部により、選択された前記商品を販売している前記店舗が、探索された前記案内経路上にないと判定された場合、
前記経路探索部は、検索された前記店舗を経由して前記目的地まで至る新たな案内経路を探索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記各店舗の前記商品情報を記憶する商品情報記憶部を備え、前記商品情報取得部は、前記商品情報記憶部から前記商品情報を取得することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記商品情報取得部は、前記各店舗の前記商品情報を蓄積する商品情報蓄積サーバから前記商品情報を取得する通信部であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ナビゲーション装置は、車載型ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、携帯型ナビゲーション装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−11535(P2013−11535A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145093(P2011−145093)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】