説明

ナビゲーション装置

【課題】自動料金収受車載装置と通信してこの通信結果に基づいて報知手段によりメッセージを報知する制御手段を備えたナビゲーション装置において、自動料金収受車載装置(ETC車載器)にETCカードが挿入されていないのに、自動料金収受車載装置(ETC車載器)にETCカードが挿入されていると運転者へ誤認識しないようにすることにある。
【解決手段】制御手段(11)は、経路探索手段(9)により探索された経路に有料道路が含まれている場合に、自動料金収受車載装置(2)にETCカード(4)が挿入されている場合と挿入されていない場合とで異なるメッセージを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置に係り、特にETCカードの挿入忘れを防止するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、自動料金収受車載装置(ETC車載器)とナビゲーション装置とを搭載し、そして、この自動料金収受車載装置とナビゲーション装置とを連動させ、ETCカードの自動料金収受車載装置への挿入忘れを防止するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−271474号公報
【特許文献2】特開2001−235344号公報
【0004】
特許文献1に係るナビゲーション装置および自動料金収受車載装置は、自動料金収受車載装置(ETC車載器)とナビゲーション装置とを連動させ、目的地までの経路に有料道路が含まれ且つ自己診断機能により自動料金収受車載装置又はETCカードが使用不可と判断された場合に、ETCシステムを使用できないことを、運転手に音声で警告するものである。
特許文献2に係るカーナビゲーション装置および記録媒体は、自動料金収受車載装置(ETC車載器)とナビゲーション装置とを連動させ、目的地までの経路に有料道路が含まれ且つETCカ−ドが未挿入の場合に、ETCカードを挿入するように、運転手に音声で警告するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の特許文献1、2では、自己診断機能が正常に作動せず、音声による警告が行われない場合に、適切な警告ができなくなるという不都合があった。
また、従来では、ETCカードが挿入されている場合に、音声による警告が行われなくなり、このため、ETCカードが挿入されており、自動料金収受車載装置(ETC車載器)が正常に動作している場合(料金所通過可能)と、自動料金収受車載装置(ETC車載器)が何らかの原因で正常に作動せず、その機能を停止してしまっている場合(料金所通過不可能)との判別が難しく、この結果、車両が、料金所に進入したものの、通過できないという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、自動料金収受車載装置(ETC車載器)にETCカードが挿入されていないのに、自動料金収受車載装置にETCカードが挿入されていると運転者へ誤認識しないようにすることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、目的地までの経路を探索する経路探索手段と、運転者にメッセージを報知する報知手段と、自動料金収受車載装置と通信してこの通信結果に基づいて前記報知手段によりメッセージを報知する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記経路探索手段により探索された経路に有料道路が含まれている場合に、前記自動料金収受車載装置にETCカードが挿入されている場合と挿入されていない場合とで異なるメッセージを報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明のナビゲーション装置は、自動料金収受車載装置(ETC車載器)にETCカードが挿入されていないのに、自動料金収受車載装置にETCカードが挿入されていると運転者が誤認識しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は自動料金収受車載装置とナビゲーション装置とのシステム構成図である。(実施例)
【図2】図2はナビゲーション装置の制御のフローチャートである。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、自動料金収受車載装置(ETC車載器)にETCカードが挿入されていないのに、自動料金収受車載装置にETCカードが挿入されていると運転者へ誤認識しないようにする目的を、探索された経路に有料道路が含まれている場合に、ETCカードが挿入されている場合と挿入されていない場合とで異なるメッセージを報知して実現するものである。
【実施例】
【0011】
図1、図2は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は車両、2は車両1に搭載される自動料金収受車載装置(ETC車載器)、3は車両1に搭載されて自動料金収受車載装置2と連動するナビゲーション装置である。
自動料金収受車載装置2は、ETCカード4を挿入させるカード挿入口5と、ETCカード4が挿入されているかどうかの確認やナビゲーション装置3との通信を行う制御手段である車載側制御手段6と、道路側アンテナ7と無線通信を行う無線手段8とを備える。
ナビゲーション装置3は、目的地までの経路を探索する経路探索手段9と、運転者にメッセージを報知する報知手段10と、自動料金収受車載装置2と通信してこの通信結果に基づいて報知手段10によりメッセージを報知する制御手段であるナビ側制御手段11と、GPS衛星からの情報を受けるGPS受信手段12と、各種情報を検出するセンサ類の検出手段13と、目的地の設定や、目的地までの経路表示を行わせる入出力手段14とを備える。
GPS受信手段12と検出手段13とは、車両1の現在地を特定させるものである。報知手段10は、経路に有料道路が含まれている場合に、音声によるメッセージを報知(アナウンス)する。
【0012】
ナビ側制御手段11は、経路探索手段9により探索された経路に有料道路が含まれている場合に、自動料金収受車載装置2にETCカード4が挿入されている場合と挿入されていない場合とで異なるメッセージを報知する。
このような構成により、自動料金収受車載装置2とナビゲーション装置3との通信不良やナビゲーション装置3の誤作動があってメッセージが報知されない場合、運転者は、自動料金収受車載装置2にETCカード4が挿入されていないのに自動料金収受車載装置2にETCカード4が挿入されていると誤認識しないようにすることができる。
【0013】
次に、この実施例に係る制御を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2に示すように、ナビ側制御手段11のプログラムが開始すると(ステップA01)、目的地を取得し(ステップA02)、現在位置を特定し(ステップA03)、経路を探索し(ステップA04)、そして、経路上に有料道路が存在するか否かを判断する(ステップA05)。
このステップA05がYESの場合には、ETCカード4が挿入されているか否かを判断する(ステップA06)。
このステップA06がYESの場合には、ETCカード4が挿入されていることを報知(アナウンス)する(ステップA07)。
一方、このステップA06がNOの場合には、ETCカード4が挿入されていないことを報知(アナウンス)する(ステップA08)。
前記ステップA05がNOの場合、前記ステップA07の処理後、又は、前記ステップA08の処理後は、プログラムを終了すると(ステップA09)
【0014】
即ち、この実施例では、ナビゲーション装置3が目的地までの経路に有料道路が含まれていると判断した場合には、ETCカード4が自動料金収受車載装置2に挿入されているかいないかを問わず、音声によるアナウンスを行う。ETCカード4が自動料金収受車載装置2に挿入されている場合は、ETCカード4が挿入されており料金所を通過できることをアナウンスする。ETCカード4が自動料金収受車載装置2に挿入されていない場合は、ETCカード4を挿入するように、アナウンスで警告を行う。これにより、自動料金収受車載装置2が正常に動作している場合と機能停止している場合とを区別することができ、料金所に車両1が進入したものの通過できないという問題を未然に防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
この発明に係るナビゲーション装置を、各種車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 車両
2 自動料金収受車載装置(ETC車載器)
3 ナビゲーション装置
4 ETCカード
9 経路探索手段
10 報知手段
11 ナビ側制御手段(制御手段)
12 GPS受信手段
13 検出手段
14 入出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を探索する経路探索手段と、運転者にメッセージを報知する報知手段と、自動料金収受車載装置と通信してこの通信結果に基づいて前記報知手段によりメッセージを報知する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記経路探索手段により探索された経路に有料道路が含まれている場合に、前記自動料金収受車載装置にETCカードが挿入されている場合と挿入されていない場合とで異なるメッセージを報知することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−36853(P2013−36853A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173077(P2011−173077)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】