説明

ナビサーバ、ナビ装置、ナビシステム

【課題】車両に搭載されたナビ装置を通じて災害が車両の走行に与える影響の程度を当該車両のユーザに認識させることができるナビサーバ等を提供する。
【解決手段】ナビシステムによれば、車両2の現在位置(または出発位置)P1および目的位置P2を結ぶ支援ルートRと、この支援ルートR上の1次災害注意地点POI1に配置された1次災害発生標識M1とをナビ装置200に表示させることができる。また、災害発生エリアSを構成する災害発生メッシュを色彩により識別可能な形でナビ装置200に表示させることができる。災害発生メッシュの色彩は災害レベルの高低を表わしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されているナビ装置との通信によって、ナビ装置による車両の誘導を支援するためのナビサーバ等に関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時に災害に関する情報を車両に提供する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−046000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、災害が発生したからといって一概に車両の走行安全性が損なわれるわけではないので、車両の走行に与える影響の程度が不明確なままだとユーザにいらぬ心配をかけさせてしまう可能性がある。
【0004】
そこで、本発明は、車両に搭載されたナビ装置を通じて、災害が車両の走行に与える影響の程度を当該車両のユーザに認識させることができるナビサーバ等を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明のナビサーバは、車両に搭載されているナビ装置との通信によって、前記ナビ装置による前記車両の誘導を支援するためのナビサーバであって、道路配置を表わす支援マップ情報が格納されている支援マップ格納手段と、前記ナビ装置との通信により前記車両の現在位置または出発位置および目的位置を認識した上で、前記支援マップ格納手段に格納されている前記支援マップ情報に基づき、前記現在位置または前記出発位置および前記目的位置を結ぶ前記車両の支援ルートを探索し、前記ナビ装置との通信により前記ナビ装置に前記支援ルートを表示させる第1支援手段と、災害が発生した場合、1次災害内容、災害発生エリアおよび前記災害発生エリアを構成するメッシュとしての災害発生メッシュごとの災害レベルを表わす1次災害情報を認識し、前記第1支援手段により探索された前記支援ルートにおいて前記車両の現在位置から前記災害発生エリアへの進入点としての1次災害注意地点がある場合、前記ナビ装置との通信により、前記災害レベルの高低に応じた色彩が付された前記災害発生メッシュと、前記1次災害注意地点に配置された前記1次災害内容を表わす1次災害標識とを前記ナビ装置に表示させる第2支援手段とを備えていることを特徴とする。
【0006】
第1発明のナビサーバによれば、車両の現在位置または出発位置および目的位置を結ぶ支援ルートと、この支援ルート上の1次災害注意地点に配置された1次災害発生標識とをナビ装置に表示させることができる。1次災害注意地点は支援ルートの災害発生エリアへの進入点である。1次災害標識は1次災害内容を表わしている。これにより、車両が支援ルートにしたがってその目的位置まで移動する途中で災害の影響を被る可能性があることと、1次災害内容とを車両の運転者等のユーザに認識させることができる。また、災害発生エリアを構成する災害発生メッシュを色彩により識別可能な形でナビ装置に表示させることができる。災害発生メッシュの色彩は災害レベルの高低を表わしている。これにより、ユーザに支援ルートを包含する災害発生メッシュまたはその周辺の災害発生メッシュごとの災害レベルの高低を認識させることができる。
【0007】
なお、本願発明の構成要素である各手段が情報を「認識する」とは、外部情報源から情報を受信すること、データベースから情報を検索すること、記憶装置またはメモリから情報を読み出すこと、受信または検索等した基礎信号を演算処理することにより情報を測定、算定、推定、判定、設定、決定等すること、算定等された情報を記憶装置またはメモリに保存すること等、当該情報を必要とする演算処理のために当該情報を準備するためのあらゆる演算処理の実行を意味する。
【0008】
第2発明のナビサーバは、第1発明のナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記災害発生エリアにおいて2次災害が発生する可能性がある2次災害注意地点、および、2次災害内容を表わす2次災害情報をさらに認識し、前記支援ルートを包含する前記災害発生メッシュまたはこれに隣接する前記災害発生メッシュに前記2次災害注意地点が存在する場合、前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害内容を表わす2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0009】
第2発明のナビサーバによれば、2次災害注意地点に配置された2次災害標識をナビ装置に表示させることができる。2次災害注意地点は、災害発生エリア、特に、支援ルートに重なる災害発生メッシュまたはこれに隣接する災害発生メッシュにおいて2次災害が発生する可能性がある点を表わしている。2次災害発生標識は2次災害の内容を表わしている。これにより、車両が支援ルートにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性の高低を、当該車両のユーザに認識させることができる。
【0010】
第3発明のナビサーバは、第2発明のナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記支援ルートの周辺にある複数の前記2次災害注意地点のうち、前記支援ルートに最も近い前記2次災害注意地点のみを選定した上で、前記ナビ装置との通信により選定された前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0011】
第3発明のナビサーバによれば、支援ルートの周辺にある2次災害注意地点のうち、支援ルートに最も近い一の2次災害注意地点に配置された2次災害標識のみをナビ装置に表示させることができる。これにより、ナビ装置に2次災害標識を表示させるための通信情報量の削減を図り、かつ、ナビ装置における2次災害標識の表示過多を回避しながら、車両が支援ルートにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性の高低を、当該車両のユーザに認識させることができる。
【0012】
第4発明のナビサーバは、第2発明のナビサーバにおいて、前記第2支援手段が複数の前記2次災害注意地点のうち、前記車両の進行方向について前記車両の現在位置に最も近い前記2次災害注意地点を逐次選定した上で、前記ナビ装置との通信により最近選定された前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0013】
第4発明のナビサーバによれば、支援ルートの周辺にある複数の2次災害注意地点のうち、車両の進行方向について車両の現在位置に最も近い一の2次災害注意地点に配置された2次災害標識をナビ装置に表示させることができる。これにより、車両が一の2次災害注意地点またはその近傍を通過した後、新たに選定された他の2次災害注意地点に配置された新たな2次災害標識がナビ装置に表示される。したがって、ナビ装置における2次災害標識の表示過多を回避しながら、車両が支援ルートにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性がある地点のうち、時系列的に変化する車両の現在位置に最も近い地点を当該車両のユーザに逐次認識させることができる。
【0014】
第5発明のナビサーバは、第1〜第4発明のうちいずれか1つのナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記1次災害内容が同じ一方、前記災害発生エリアが異なる複数の前記1次災害情報を認識し、かつ、位置が異なる前記1次災害注意地点を認識した場合、前記車両の現在位置に最も近い前記1次災害注意地点に前記1次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0015】
第5発明のナビサーバによれば、1次災害内容が同一である一方、災害発生エリアが異なる1次災害情報が並存するために位置が異なる1次災害注意地点が並存する場合、車両の現在位置または出発位置に最も近い1次災害注意地点に配置された1次標識のみをナビ装置に表示させることができる。これにより、災害情報の錯綜によって災害の影響を被る可能性があるまたは高いエリアであることを車両のユーザに認識させる観点から、1次災害標識の表示位置が不適当になる事態が回避されうる。
【0016】
第6発明のナビサーバは、第1〜第5発明のうちいずれか1つのナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記支援ルートにおいて一の前記災害発生エリアから前記災害レベルが異なる他の前記災害発生エリアへの進入位置がある場合、前記ナビ装置との通信により前記進入位置に前記1次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0017】
第6発明のナビサーバによれば、災害レベルが異なる隣接する災害発生エリアの境界において1次災害標識をナビ装置に表示させることができる。これにより、車両が支援ルートにしたがって移動する途中において災害の影響を被る可能性の高低が変化することをナビ装置を通じて車両のユーザに認識させることができる。
【0018】
第7発明のナビサーバは、第1〜第6発明のうちいずれか1つのナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記災害の発生後または発生前後の前記災害発生メッシュにおける車両の交通量を認識した上で、前記交通量の多少に応じて前記災害発生メッシュごとの前記災害レベルを認識することを特徴とする。
【0019】
第7発明のナビサーバによれば、災害が車両の走行に与える影響の高低が、災害発生後または発生前後の車両の交通量に基づいて推定されうることに鑑みて、災害発生メッシュごとの災害レベルが適当に評価されうる。そして、前記のように災害発生メッシュを色彩により識別可能な形でナビ装置に表示させることにより、ユーザに支援ルートを包含する災害発生メッシュまたはその周辺の災害発生メッシュごとの災害レベルの高低を認識させることができる。
【0020】
第8発明のナビサーバは、第1〜第7発明のうちいずれか1つのナビサーバにおいて、前記第2支援手段が前記災害レベルが高いほど、または、前記災害レベルが高い前記災害発生メッシュに近いほど優先的に指定数の前記災害発生メッシュを選定し、前記ナビ装置との通信により、選定された前記指定数の前記災害発生メッシュにより構成されているエリアを他のエリアから識別可能な形態で前記ナビ装置に表示させることを特徴とする。
【0021】
第8発明のナビサーバによれば、災害発生エリアのうち特に車両が災害の影響を被る可能性が高いエリアを、ナビ装置を通じて車両のユーザに認識させることができる。
【0022】
第9発明のナビ装置は、車両に搭載され、請求項1記載のナビサーバとの通信により、前記ナビサーバに支援されながら前記車両を誘導するナビ装置であって、前記ナビサーバとの通信により前記車両の現在位置または出発位置および目的位置を前記第1支援手段に認識させ、前記第1支援手段により探索された前記支援ルートを認識かつ画像表示装置に出力する第1ナビ手段と、前記ナビサーバとの通信により前記1次災害内容、前記災害発生メッシュ、および前記1次災害発生位置を認識した上で、前記災害レベルの高低に応じた色彩が付された前記災害発生メッシュと、前記1次災害発生位置に配置された前記1次災害標識とを前記画像表示装置に出力する第2ナビ手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
第9発明のナビ装置によれば、災害発生エリアを構成する災害発生メッシュを災害レベルの高低を表わす色彩により識別可能な形で表示することができる。したがって、ユーザに支援ルートを包含する災害発生メッシュまたはその周辺の災害発生メッシュごとの災害レベルの高低を認識させることができる。
【0024】
第10発明のナビサーバは、第1〜第8発明のうちいずれか1つのナビサーバと、第9発明のナビ装置とにより構成されていることを特徴とする。
【0025】
第10発明のナビシステムによれば、ナビサーバとナビ装置との連携によって、災害発生エリアを構成する災害発生メッシュを災害レベルの高低を表わす色彩により識別可能な形でナビ装置に表示させることができる。したがって、ユーザに支援ルートを包含する災害発生メッシュまたはその周辺の災害発生メッシュごとの災害レベルの高低を認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のナビ装置、ナビサーバおよびナビシステムの実施形態について図面を用いて説明する。まず、本発明のナビシステムの構成について図1を用いて説明する。図1に示されているナビシステムはナビサーバ100と、車両(四輪自動車)2に搭載されているナビ装置200とにより構成されている。
【0027】
ナビサーバ100は一または複数のサーバコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O回路、A/D回路等により構成されている。)により構成されている。ナビサーバ100は、支援データベース102と、第1支援手段110と、第2支援手段120とを備えている。
【0028】
支援データベース(支援マップ格納手段)102には道路およびメッシュの配置等を表わす支援マップ情報が保存または格納されている。道路またはこれを構成するリンク(交差点や右折点、左折点等の道路における任意の2つの点を結ぶ道路要素を意味する。)は、(緯度、経度)または(緯度、経度、高度)により位置が定められている点群により配置態様が表わされている。メッシュは緯度および経度により配置が定められている線分により画定されている。支援データベース102には一または複数の災害情報サーバ(図示略)からサーバ100に送信された災害情報も保存される。支援データベース102に保存されている支援マップ情報および災害情報は適宜更新されうる。なお、支援データベース102は、ナビサーバ100とは別個のデータベースサーバにより構成されていてもよい。
【0029】
第1支援手段110はナビ装置200との通信により車両2の現在位置(または出発位置)P1および目的位置P2を認識する。第1支援手段110は支援データベース102に格納されている支援マップ情報に基づき、現在位置P1および目的位置P2を結ぶ車両2の支援ルートRを探索する。そして、第1支援手段110はナビ装置200との通信によりこのナビ装置200に支援ルートRを表示させる。第2支援手段120は災害が発生した場合、1次災害内容、災害発生エリアおよび災害発生エリアSを構成するメッシュとしての災害発生メッシュごとの災害レベルを表わす1次災害情報を認識する。第2支援手段120は第1支援手段110により探索された支援ルートRにおいて車両2の現在位置P1から災害発生エリアへの進入点としての1次災害注意地点POI1がある場合、ナビ装置200との通信により、災害レベルの高低に応じた色彩が付された災害発生メッシュと、1次災害注意地点に配置された1次災害内容を表わす1次災害標識M1とをナビ装置200に表示させる。第2支援手段120は災害発生エリアにおいて2次災害が発生する可能性がある2次災害注意地点POI2と、2次災害内容とをさらに認識する。第2支援手段120は支援ルートRを包含する災害発生メッシュまたはこれに隣接する災害発生メッシュに2次災害注意地点POI2が存在する場合、2次災害注意地点POI2に配置された2次災害内容を表わす2次災害標識M2をナビ装置200に表示させる。
【0030】
ナビ装置200は車両2に搭載されたハードウェアとしてのECU(電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM,I/O等により構成されている。))により構成されている。ナビ装置200は入力装置201と、出力装置202と、ナビ記憶装置204と、第1ナビ手段210と、第2ナビ手段220とを備えている。
【0031】
入力装置201は車両2のセンターコンソール等に配置された入力スイッチまたはマイクロホン等により構成され、ユーザによる入力スイッチの操作態様またはマイクロホンに検知される発話に応じて目的位置P2等の入力を可能としている。出力装置202は車両2のセンターコンソール等に配置された画像表示装置またはスピーカ等により構成され、視覚または聴覚を通じて認識可能な形態で情報を出力する。ナビ記憶装置204にはナビマップ情報等が格納されている。ナビマップ情報により道路またはリンクの配置態様等が示され、このナビマップ情報は画像表示装置に表示される。支援マップ情報におけるリンクと、ナビマップ情報におけるリンクとには共通のリンク識別情報が付されている。
【0032】
第1ナビ手段210は車両2の現在位置P1および目的位置P2を認識した上でナビサーバ100との通信により第1支援手段110に認識させる。第1ナビ手段210は第1支援手段110により探索された支援ルートRを認識かつ出力装置201に出力させる。第2ナビ手段220はナビサーバ100との通信により災害内容、災害発生メッシュ、災害内容および1次災害発生位置POI1を認識する。第2ナビ手段220は災害レベルの高低に応じた色彩が付された災害発生メッシュと、1次災害発生位置POI1に配置された1次災害内容を表わす1次災害標識M1とを出力装置201に出力させる。第2ナビ手段220はナビサーバ100との通信により2次災害内容および2次災害発生位置POI2を認識した上で、2次災害発生位置POI1に配置された2次災害内容を表わす2次災害標識M2とを出力装置201に出力させる。
【0033】
前記構成のナビシステムの機能について説明する。なお、ナビサーバ100およびナビ装置200の通信に際して、ナビ装置200または車両2を識別するための情報が付加的に送受信されることにより送信元または送信先であるナビ装置200が識別される。
【0034】
まず、ナビ装置200において、第1ナビ手段210により車両2の現在位置P1および目的位置P2が認識される(図2/STEP211)。車両2の現在位置P1はナビ装置200のGPS受信機により受信されたGPS信号、または、車両2の方位または進行方向に応じたジャイロセンサの出力信号等に基づいて測定される。車両2の目的位置P2は入力装置201を構成するボタンのユーザによる操作態様、または、マイクロホンにより検知されたユーザの音声または発話内容に基づいて認識される。さらに、第1ナビ手段210により、車両2の(目的位置P2の入力時点における)現在位置P1および目的位置P2を表わすデータがナビ装置200からナビサーバ100に送信される。
【0035】
ナビサーバ100において、第1支援手段110により車両2の現在位置P1および目的位置P2が認識され(図2/S112)、かつ、支援データベース102から支援マップ情報が読み出された上で、現在位置P1および目的位置P2を結ぶ一または複数の支援ルートRが探索される(図2/STEP114)。これにより、たとえば図3(a)に示されているように車両2の現在位置P1および目的位置P2を結ぶ支援ルートRが探索される。車両2の予測走行時間もしくは走行距離が短い一もしくは複数のルート、または、車両2の予測燃費がよい一もしくは複数のルートが支援ルートRとして優先的に探索されうる。また、第1支援手段110によりVICSセンター等の交通情報センターからナビサーバ100に配信された交通情報、および、フローティングカーから収集されたFCD(フローティングカーデータ。フローティングカーの位置の時間変化態様、または、これに加えてフローティングカーの燃費を表わす。)が第1支援手段110により支援データベース102から読み出された上で、支援ルートRの探索基礎とされうる。
【0036】
ナビサーバ100において、第2支援手段120により支援データベース102における過去一定時間以内に発生した災害に関する「1次災害情報」の有無が判定される(図2/STEP121)。「1次災害情報」により、災害内容(災害発生時刻、地震、大雨または火事などの災害種類)、災害発生エリア(緯度および経度により範囲が画定される)S、災害発生エリアを構成する災害発生メッシュごとの災害レベル(震度、降水量、火の燃え広がる速さなど)が表わされている。なお、災害レベルは災害発生後または発生前後におけるFCDに基づいて補正または評価されてもよい。たとえば、災害発生後のFCDに基づいて算定される車両交通量が少ないほど、または、災害発生前を基準として災害発生後のFCDに基づいて算定される車両交通量が減少しているほど、災害が車両走行に与える影響が大きいと推測されるので、災害レベルが高く評価されうる。これにより、最初は災害レベルが同じであった災害発生メッシュであっても車両交通量の多少に応じてその後の災害レベルの高低が異なる場合がありうる。
【0037】
1次災害情報があると判定された場合(図2/STEP121‥YES)、第2支援手段120により1次災害注意地点POI1の有無がさらに判定される(図2/STEP122)。1次災害注意地点POI1は支援ルートRにおける災害発生エリアSへの進入点である。たとえば、図3(a)に示されているように災害発生エリアS1またはS2が支援ルートRに重なっている場合、1次災害注意地点POI1があると判定される一方、災害発生エリアSが支援ルートRに重なっていない場合、1次災害注意地点POI1がないと判定される。
【0038】
第2支援手段120により1次災害情報がないと判定された場合(図2/STEP121‥NO)、または、1次災害注意地点M1がないと判定された場合(図2/STEP122‥NO)、第1支援手段110により支援ルートRを表わすデータがナビサーバ100からナビ装置200に送信される。これに応じてナビ装置200において、第1ナビ手段210により図3(b)に示されているように支援ルートRが出力装置202に表示される(図2/STEP214)。なお、支援ルートRに代えて、第1ナビ手段210により支援ルートRに基づいて探索されたナビルートr(図示略)が出力装置202に表示されてもよい。
【0039】
第2支援手段120により1次災害注意地点POI1があると判定された場合(図2/STEP122‥YES)、指定数の災害発生メッシュが選定される(図2/STEP123)。具体的には、災害レベルが高い災害発生メッシュであるほど優先的に選定される。災害レベルが最高の災害発生メッシュがすべて選定されてもその数が指定数未満である場合、災害レベルが2番目に高く、かつ、災害レベルが最高の災害発生メッシュに近い災害発生メッシュほど優先的に選定される。以降、災害レベルがn番目に高い災害発生メッシュがすべて選定されてもその数が指定数未満である場合、災害レベルがn+1番目に高く、かつ、災害レベルがn番目に高い災害発生メッシュに近い災害発生メッシュほど優先的に選定される。これにより、図3(a)に示されているように災害レベルが高い第1の災害発生エリアS1および災害レベルが低い第2の災害発生エリアS2が存在する場合、図3(b)に示されているように第1の災害発生エリアS1を構成する複数の第1の災害発生メッシュf(S1)と、第2の災害発生エリアS2を構成する複数の第2の災害発生メッシュf(S2)とが、その総数が指定数になるように選定される。なお、災害発生エリアが狭く、これを構成する災害発生メッシュが最初から指定数以下である場合にはメッシュ選定処理は省略される。
【0040】
第2支援手段120により支援データベース102における「2次災害情報」の有無が判定される(図2/STEP124)。「2次災害情報」は、2次災害内容(落石、土砂崩れ、洪水など)および2次災害が発生する可能性がある2次災害注意地点(緯度、経度により表わされる。)POI2を表わす。2次災害情報がないと判定された場合(図2/STEP124‥NO)、第1支援手段110により支援ルートRを表わすデータがナビサーバ100からナビ装置200に送信される。また、第2支援手段120により「1次災害注意喚起情報」がナビサーバ100からナビ装置200に送信される。「1次災害注意喚起情報」は、1次災害内容、選定された災害発生メッシュ、災害レベルおよび1次災害注意地点POI1を表わす。これに応じてナビ装置200において、第1ナビ手段210により図3(b)に示されているように支援ルートRが出力装置202に表示される。また、第2ナビ手段220により1次災害注意地点POI1に配置され、1次災害内容を表わす1次災害標識M1および災害レベルに応じた色彩が付された災害発生メッシュが出力装置202に表示される(図2/STEP222)。これにより、たとえば図3(b)に示されているように1次災害注意地点POI1に配置され、地震などの1次災害内容を表わす1次災害標識M1と、橙色が付された第1の災害発生メッシュf(S1)および黄色が付された第2の災害発生メッシュf(S2)とが出力装置202に表示される。選定された災害発生メッシュ以外のメッシュには、当該災害発生メッシュとは異なる色彩が付されている。災害レベルおよび色彩に関するテーブルがナビ装置200のメモリに格納され、1次災害注意喚起情報に基づき、このテーブルにしたがって各災害発生メッシュに付される色彩が指定される。ナビサーバ100において、第2支援手段120により災害レベルに応じた災害発生メッシュの色彩が指定され、当該指定色彩が災害レベルの高低を表わす情報として1次災害注意喚起情報に含まれていてもよい。なお、1次災害標識M1に代えてまたは加えて、図3(b)に示されているように1次災害のより詳細な内容を示す標識MM1が出力装置202に表示されてもよい。
【0041】
2次災害情報があると判定された場合(図2/STEP124‥YES)、第2支援手段120により2次災害注意地点POI2が選定される(図2/STEP125)。具体的には、支援ルートRを包含する災害発生メッシュおよびこれに隣接する災害発生メッシュに位置する2次災害注意地点POI2が抽出される。これにより、図4(a)に○印または●印で示されているように支援ルートRの周辺に存在する複数の2次災害注意地点POI2が抽出される。また、抽出された2次災害発生地点POI2がグループ分けされる。これにより、図4(a)に一点鎖線で囲まれているひとまとまりの2次災害発生地点POI2のグループが形成される。そして、各グループにおいて支援ルートRに最も近い2次災害注意地点POI2が選定される。これにより、図4(a)に●印で示されている支援ルートRから比較的遠い2次災害注意地点POI2は選択されない一方、○印で示されている支援ルートRに比較的近い2次災害注意地点POI2が選択される。
【0042】
そして、第1支援手段110により支援ルートRを表わすデータがナビサーバ100からナビ装置200に送信される。また、第2支援手段120により「1次災害注意喚起情報」に加えて「2次災害注意喚起情報」がナビサーバ100からナビ装置200に送信される。「2次災害注意喚起情報」は、2次災害内容、選定された2次災害注意地点POI2を表わす。これに応じてナビ装置200において、前記のように支援ルートR、1次災害内容を表わす1次災害標識M1および災害レベルに応じた色彩が付された災害発生メッシュが出力装置202に表示される(図2/STEP214,STEP222、図3(b)参照)。さらに、第2ナビ手段220により、図4(b)に示されているように選定された2次災害注意地点POI2に配置され、落石などの2次災害内容を表わす2次災害標識M2が出力装置202に表示される(図2/STEP224)。なお、2次災害標識M2に代えてまたは加えて、図4(b)に示されているように2次災害のより詳細な内容を示す標識MM2が出力装置202に表示されてもよい。
【0043】
前記機能を発揮するナビシステムによれば、車両2の現在位置(または出発位置)P1および目的位置P2を結ぶ支援ルートRと、この支援ルートR上の1次災害注意地点POI1に配置された1次災害発生標識M1とをナビ装置200に表示させることができる(図2/STEP222,図3(b)参照)。1次災害注意地点POI1は支援ルートRの災害発生エリアへの進入点である。1次災害標識M1は地震、大雨等の1次災害内容を表わしている。これにより、車両2が支援ルートにしたがってその目的位置P2まで移動する途中で災害の影響を被る可能性があることと、1次災害内容とを車両2の運転者等のユーザに認識させることができる。また、災害発生エリアSを構成する災害発生メッシュを色彩により識別可能な形でナビ装置200に表示させることができる(図2/STEP222,図3(b)参照)。災害発生メッシュの色彩は災害レベルの高低を表わしている。災害が車両の走行に与える影響の高低は、災害の発生後または発生前後の車両交通量に基づいて推定されうることに鑑みて、災害発生メッシュごとの災害レベルが適当に評価されている。これにより、ユーザに、支援ルートRを包含する災害発生メッシュまたはその周辺の災害発生メッシュごとの災害レベルの高低を認識させることができる。さらに、災害発生エリアを構成する災害発生メッシュのうち、災害レベルが高い災害発生メッシュが優先的に選定される(図2/STEP123,図3(b)参照)。これにより、災害発生エリアのうち特に車両2が災害の影響を被る可能性が高いエリアを、ナビ装置200を通じて車両2のユーザに認識させることができる。
【0044】
また、2次災害注意地点POI2に配置された2次災害標識M2をナビ装置200に表示させることができる(図2/STEP224,図4(b)参照)。2次災害注意地点POI2は、災害発生エリア、特に、支援ルートRに重なる災害発生メッシュまたはこれに隣接する災害発生メッシュにおいて2次災害が発生する可能性がある点を表わしている。2次災害発生標識M2は落石、洪水等の2次災害の内容を表わしている。これにより、車両2が支援ルートRにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性の高低を、当該車両2のユーザに認識させることができる。さらに、ひとまとまりの2次災害注意地点POI2のうち、支援ルートRに最も近い一の2次災害注意地点POI2に配置された2次災害標識M2のみをナビ装置200に表示させることができる(図2/STEP125,図4(a)(b)参照)。これにより、ナビ装置200に2次災害標識を表示させるための通信情報量の削減を図り、かつ、ナビ装置200における2次災害標識M2の表示過多を回避しながら、車両2が支援ルートRにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性の高低を、当該車両2のユーザに認識させることができる。
【0045】
なお、第2支援手段120が、災害内容が同じ一方、災害発生エリアが異なる複数の1次災害情報を認識し、かつ、位置が異なる1次災害注意地点POI1を認識した場合、車両2の現在位置P2に最も近い1次災害注意地点POI1に1次災害標識M1をナビ装置200に表示させてもよい。当該構成のナビサーバ100によれば、たとえば図5(a)に示されているように災害内容が同一である一方、災害発生エリアSaおよびSbが異なる1次災害情報が並存するために位置が異なる1次災害注意地点POI1(Sa)およびPOI1(Sb)が並存する場合、図5(b)に示されているように車両2の現在位置P1に最も近い1次災害注意地点POI1(Sa)に配置された1次標識M1のみをナビ装置200に表示させることができる。これにより、災害情報の錯綜によって災害の影響を被る可能性があるまたは高いエリアであることを車両2のユーザに認識させる観点から、1次災害標識の表示位置が不適当になる事態が回避されうる。
【0046】
また、第2支援手段120が支援ルートRにおいて一の災害発生エリアから災害レベルが異なる他の災害発生エリアへの進入位置がある場合、ナビ装置200との通信によりこの進入位置に1次災害標識M1をナビ装置200に表示させてもよい。当該構成100のナビサーバによれば、前記のように図6(a)に示されているように支援ルートRにおける災害発生エリアS1への進入点である1次災害注意地点POI(S1)に、図6(b)に示されているように1次災害標識M11が出力装置202に出力される。これに加えて、図6(a)に示されているように災害レベルが異なる隣接する災害発生エリアS1およびS2の境界POI1(S2)において、図6(b)に示されているように1次災害標識M12をナビ装置200に表示させることができる。これにより、車両2が支援ルートRにしたがって移動する途中において災害の影響を被る可能性の高低が変化することをナビ装置200を通じて車両2のユーザに認識させることができる。
【0047】
第2支援手段120が複数の2次災害注意地点POI2のうち、車両2の進行方向について車両2の現在位置P1に最も近い2次災害注意地点POI2を逐次選定した上で、ナビ装置200との通信により最近選定された2次災害注意地点POI2に配置された2次災害標識M2をナビ装置200に表示させてもよい。当該構成のナビサーバ100によれば、支援ルートRの周辺にある複数の2次災害注意地点のうち、車両2の進行方向について車両2の現在位置P1に最も近い一の2次災害注意地点POI2に配置された2次災害標識M2をナビ装置200に表示させることができる。これにより、車両2が一の2次災害注意地点POI2またはその近傍を通過した後、新たに選定された他の2次災害注意地点POI2に配置された新たな2次災害標識M2がナビ装置200に表示される。したがって、ナビ装置200における2次災害標識M2の表示過多を回避しながら、車両2が支援ルートRにしたがって走行した場合に2次災害の影響を被る可能性がある地点のうち、時系列的に変化する車両2の現在位置P1に最も近い地点を当該車両のユーザに逐次認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のナビシステムの構成説明図
【図2】本発明のナビシステムの機能を示すフローチャート
【図3】災害発生メッシュの選択および1次災害標識の表示に関する説明図
【図4】異なる災害発生エリアが並存する場合の1次災害標識の表示に関する説明図
【図5】災害レベルに応じた1次災害標識の表示に関する説明図
【図6】2次災害標識の表示に関する説明図
【符号の説明】
【0049】
2‥車両、100‥ナビサーバ、102‥支援データベース、110‥第1支援手段、120‥第2支援手段、200‥ナビ装置、210‥第1ナビ手段、220‥第2ナビ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されているナビ装置との通信によって、前記ナビ装置による前記車両の誘導を支援するためのナビサーバであって、
道路配置を表わす支援マップ情報が格納されている支援マップ格納手段と、
前記ナビ装置との通信により前記車両の現在位置または出発位置および目的位置を認識した上で、前記支援マップ格納手段に格納されている前記支援マップ情報に基づき、前記現在位置または前記出発位置および前記目的位置を結ぶ前記車両の支援ルートを探索し、前記ナビ装置との通信により前記ナビ装置に前記支援ルートを表示させる第1支援手段と、
災害が発生した場合、1次災害内容、災害発生エリアおよび前記災害発生エリアを構成するメッシュとしての災害発生メッシュごとの災害レベルを表わす1次災害情報を認識し、前記第1支援手段により探索された前記支援ルートにおいて前記車両の現在位置から前記災害発生エリアへの進入点としての1次災害注意地点がある場合、前記ナビ装置との通信により、前記災害レベルの高低に応じた色彩が付された前記災害発生メッシュと、前記1次災害注意地点に配置された前記1次災害内容を表わす1次災害標識とを前記ナビ装置に表示させる第2支援手段とを備えていることを特徴とするナビサーバ。
【請求項2】
請求項1記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記災害発生エリアにおいて2次災害が発生する可能性がある2次災害注意地点、および、2次災害内容を表わす2次災害情報をさらに認識し、前記支援ルートを包含する前記災害発生メッシュまたはこれに隣接する前記災害発生メッシュに前記2次災害注意地点が存在する場合、前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害内容を表わす2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項3】
請求項2記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記支援ルート周辺に存在する複数の前記2次災害注意地点のうち、前記支援ルートに最も近い前記2次災害注意地点のみを選定した上で、前記ナビ装置との通信により選定された前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項4】
請求項2記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が複数の前記2次災害注意地点のうち、前記車両の進行方向について前記車両の現在位置に最も近い前記2次災害注意地点を逐次選定した上で、前記ナビ装置との通信により最近選定された前記2次災害注意地点に配置された前記2次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記1次災害内容が同じ一方、前記災害発生エリアが異なる複数の前記1次災害情報を認識し、かつ、位置が異なる前記1次災害注意地点を認識した場合、前記車両の現在位置に最も近い前記1次災害注意地点に前記1次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記支援ルートにおいて一の前記災害発生エリアから前記災害レベルが異なる他の前記災害発生エリアへの進入位置である前記1次災害注意地点がある場合、前記ナビ装置との通信により前記1次災害注意地点に前記1次災害標識を前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記災害の発生後または発生前後の前記災害発生メッシュにおける車両の交通量を認識した上で、前記交通量の多少に応じて前記災害発生メッシュごとの前記災害レベルを認識することを特徴とするナビサーバ。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載のナビサーバにおいて、
前記第2支援手段が前記災害レベルが高いほど、または、前記災害レベルが高い前記災害発生メッシュに近いほど優先的に指定数の前記災害発生メッシュを選定し、前記ナビ装置との通信により、選定された前記指定数の前記災害発生メッシュにより構成されているエリアを他のエリアから識別可能な形態で前記ナビ装置に表示させることを特徴とするナビサーバ。
【請求項9】
車両に搭載され、請求項1記載のナビサーバとの通信により、前記ナビサーバに支援されながら前記車両を誘導するナビ装置であって、
前記ナビサーバとの通信により前記車両の現在位置または出発位置および目的位置を前記第1支援手段に認識させ、前記第1支援手段により探索された前記支援ルートを認識かつ画像表示装置に出力する第1ナビ手段と、
前記ナビサーバとの通信により前記1次災害内容、前記災害発生メッシュ、および前記1次災害発生位置を認識した上で、前記災害レベルの高低に応じた色彩が付された前記災害発生メッシュと、前記1次災害発生位置に配置された前記1次災害標識とを前記画像表示装置に出力する第2ナビ手段とを備えていることを特徴とするナビ装置。
【請求項10】
請求項1〜8のうちいずれか1つに記載のナビサーバと、請求項9記載のナビ装置とにより構成されていることを特徴とするナビシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−54386(P2010−54386A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220547(P2008−220547)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】