説明

ナビサーバ、ナビ装置およびナビシステム

【課題】エネルギー経済の観点から移動装置をその目的位置までより適当なルートに沿って案内しうるナビシステム等を提供する。
【解決手段】本発明のナビシステムによれば、第2補助処理部120が各リンクにおける第1移動装置Q1の作動情報と、第2移動装置Q2の識別情報とに基づき、評価関数にしたがって当該各リンクにおける第2移動装置Q2のエコ指数ECOを評価する。また、当該各リンクにおけるエコ指数ECOが第2移動装置Q2に搭載されているナビ装置200に送信され、当該ナビ装置200において複数の推奨ルート候補のうちエコ指数ECOの総和ΣECOが最高の推奨ルート候補が推奨ルートとして出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動装置に搭載されているナビ装置との連携によって当該移動装置を案内するための情報を管理するナビサーバ、当該ナビ装置、および当該ナビサーバおよびナビ装置より構成されているナビシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境の保全やエネルギー資源の有効活用に関する世間の意識が強まる中、自動車の燃費低減は重要な課題となっている。
【0003】
そこで、従来、車両のエコ指数を地図情報の各地点または各路線に対応させてデータベースに記憶させておき、ユーザにより指定された地点または路線のエコ指数をデータベースから検索し、検索されたエコ指数を地図情報に重畳させてユーザ端末のディスプレイに表示させる技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、データベースに登録されている燃費データに鑑みて自動車の燃費が最低になると予測されるルートが情報センターによって探索され、自動車に搭載されているナビゲーション装置が探索結果を情報センターから受信して表示する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−350152号公報 第0077段落〜第0079段落
【特許文献2】特開2005−163584号公報 第0072段落〜第0075段落
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、自動車の識別情報が同一で、かつ、道路が同一でも当該自動車の加速および減速パターン等、自動車の作動状態に応じて燃費が変動する。このため、個々の自動車の走行状態が考慮されないままルートが探索または設定されたとしても、低燃費での自動車の走行の観点から当該ルートが実際には不適当なものである可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、自動車等の移動装置のエネルギー経済の観点から当該移動装置をその目的位置までより適当なルートに沿って案内することに寄与しうるナビサーバ、ナビ装置、および当該ナビサーバと当該ナビ装置とによって構成されるナビシステムを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための第1発明のナビサーバは、移動装置に搭載されているナビ装置との連携によって当該移動装置を案内するための情報を管理するナビサーバであって、第1移動装置との通信によって当該第1移動装置が通過した各リンクにおける当該第1移動装置の速度および加速度または減速度を作動情報として認識する第1補助処理部と、第2移動装置との通信によって当該第2移動装置の識別情報を認識し、当該第2移動装置の識別情報と、該第1補助処理部により認識された当該各リンクにおける当該第1移動装置の作動情報とに基づき、任意の移動装置の速度および加速度または減速度を独立変数とし、かつ、エネルギー指数を従属変数とする評価関数にしたがって、当該各リンクにおける当該第2移動装置の該エネルギー指数を評価し、かつ、当該各リンクにおける該エネルギー指数または当該エネルギー指数に応じた交通情報を当該第2移動装置に搭載されているナビ装置に送信する第2補助処理部とを備えていることを特徴とする。
【0008】
第1発明のナビサーバによれば、第1補助処理部が第1移動装置との通信によって当該第1移動装置の通過した各リンクにおける当該第1移動装置の「作動情報」を認識する。移動装置の「作動情報」は当該移動装置の速度および加速度または減速度を特定するものである。移動装置との通信とは移動装置に搭載されている通信機器または通信機能を有する機器との通信を意味している。「リンク」とは交差点や分岐点等、道路における任意の二点間をつなぐ道路要素を意味している。「作動情報」には交通状況(渋滞の程度、所要移動時間)や道路の種類(高速道路、一般道路、上り坂、下り坂など)に応じて変動しうるあらゆる移動装置の状態量が含まれうる。
【0009】
続いて、第2補助処理部が第2移動装置との通信によって当該第2移動装置の「識別情報」を認識する。また、第2補助処理部は当該第2移動装置の識別情報と、第1補助処理部により認識された各リンクにおける第1移動装置の作動情報とに基づき、評価関数にしたがって当該各リンクにおける第2移動装置の「エネルギー指数」を評価する。さらに、第2補助処理部は、当該各リンクにおけるエネルギー指数または当該エネルギー指数に応じた交通情報を第2移動装置に搭載されているナビ装置に送信する。
【0010】
なお、本発明の構成要素が情報を「認識する」とは、当該構成要素が情報を受信すること、情報をデータベースやメモリから検索または読み出すこと、受信等した基礎情報に基づいて演算処理によって情報を算定、推定、測定、設定、決定すること、パケットをデコードして情報を顕在化させること、さらには算定等した情報をメモリに保存すること等、他の情報処理のために当該情報を準備するためのあらゆる情報処理を実行することを意味している。また「エネルギー指数」とはエネルギーコストの高低に応じて変動する変数を意味する。さらに「評価規則」は任意の移動装置の識別情報、作動情報およびエネルギー指数の関係を規定する規則を意味する。
【0011】
前記のように各リンクにおける第1移動装置の最新の速度および加速度または減速度が反映されることで、エネルギー指数が移動装置の速度の高低、および加速度もしくは減速度の高低に応じて変動することに鑑みて、当該各リンクにおける第2移動装置のエネルギー指数が適当に評価されうる。また、速度および加速度または減速度は測定が容易なので、エネルギー指数が簡易に評価されうる。したがって、第2移動装置のエネルギー経済の観点から、当該第2移動装置をその目的位置まで案内するための適当な推奨ルート等の交通情報をナビ装置に出力させることができる。これにより、第2移動装置の運転者に、ナビディスプレイに表示された推奨ルートにしたがうことで、第1移動装置から得られた最新の作動情報、ひいては最新の交通状況等(または移動装置が当該各リンクに到達するまでの予測時間に応じた過去の交通状況等)が反映されたエネルギー経済の観点から適当に当該第2移動装置をその目的位置まで移動させることができる。
【0012】
また、第2発明のナビサーバは、第1発明のナビサーバにおいて、前記第1補助処理部が前記第1移動装置との通信によって当該第1移動装置が通過した各リンクにおける当該第1移動装置の所定時間ごとの位置を認識し、当該所定時間ごとの位置に基づいて前記作動情報を認識することを特徴とする。
【0013】
第2発明のナビサーバによれば、第1移動装置の所定時間ごとの位置が認識されることにより、すなわち、第1移動装置が断続的に追跡されることにより、各リンクにおける第2移動装置のエネルギー指数が適当に評価されうる。
【0014】
さらに、第3発明のナビサーバは、第1または第2発明のナビサーバにおいて、前記第2補助処理部が、前記識別情報ならびに前記任意の移動装置の速度および加速度または減速度に応じた係数を有し、当該速度または加速度もしくは減速度を独立変数とする、1次または2次以上の関数を前記評価関数として、前記各リンクにおける前記第2移動装置の前記エネルギー指数を評価することを特徴とする。
【0015】
第3発明のナビサーバによれば、第1移動装置の速度および加速度または減速度に応じて評価関数の係数が設定されることで、速度、または加速度もしくは減速度を独立変数とし、エネルギー指数を従属変数とする評価関数が設定される。これにより、第1移動装置の作動情報としての速度等に基づき、当該表関数にしたがって第2移動装置のエネルギー指数が適当に評価されうる。
【0016】
また、前記課題を解決するための第4発明のナビ装置は、前記第2移動装置に搭載され、当該移動装置を初期または現在位置から目的位置まで案内するための推奨ルートをナビディスプレイに表示する機能を有するナビ装置であって、前記第2移動装置の前記初期または現在位置および目的位置を認識し、当該初期または現在位置および目的位置を結ぶ複数の推奨ルート候補を設定する第1処理部と、第1〜第3発明のうちいずれか1つのナビサーバとの通信により前記各リンクにおける前記エネルギー指数を認識し、当該各リンクにおける該エネルギー指数に基づき、該第1処理部により設定された当該複数の推奨ルート候補のそれぞれについてエネルギー指数を総合評価し、当該総合評価が最高となる該推奨ルート候補を前記推奨ルートとして設定する第2処理部とを備えていることを特徴とする。
【0017】
第4発明のナビ装置によれば、第1〜第3発明のうちいずれか1つのナビサーバとの連携によって、前記のように各リンクにおける第1移動装置の実際の作動情報に基づいて評価されたエネルギー指数に基づき、初期または現在位置と目的位置とをつなぐ複数のリンクにおけるエネルギー指数の総合評価に鑑みて最適な推奨ルートが設定かつ出力されうる。
【0018】
前記課題を解決するための第5発明のナビシステムは、第1〜第3発明のうちいずれか1つのナビサーバおよび第4発明のナビ装置により構成されていることを特徴とする。
【0019】
第5発明のナビシステムによれば、第1、第2または第3発明のナビサーバと、第4発明のナビ装置との連携によってエネルギー経済の観点から適当に第2移動装置がその目的位置まで案内されうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のナビサーバ、ナビ装置、ナビプログラム、ナビ装置の構築方法、サーバおよびナビシステムの実施形態について図面を用いて説明する。
【0021】
図1は本発明のナビシステムの構成説明図であり、図2〜図5は本発明のナビシステムの機能説明図である。
【0022】
本発明のナビシステムの構成について図1を用いて説明する。
【0023】
図1に示されているナビシステムはナビサーバ100と、自動車(移動装置)Qに搭載されているナビ装置200とにより構成されている。なお、移動装置には四輪自動車のほか、二輪自動車等、ユーザによる操作等に応じて移動する機能を有するあらゆる装置が含まれ得る。
【0024】
ナビサーバ100は、一または複数のサーバコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O等により構成されている。)により構成されており、第1補助処理部110と、第2補助処理部120とを備えている。
【0025】
第1補助処理部110は第1自動車(第1移動装置)Q1との通信によって当該第1自動車Q1の所定時間ごとの位置(経度,緯度)p(t)を認識する。また、第1補助処理部110は第1自動車Q1の所定時間ごとの位置p(t)に基づいて当該第1自動車Q1が通過した各リンクを認識し、かつ、当該各リンクにおける当該第1自動車Q1の速度vおよび加速度αを「作動情報」として算定または認識する。
【0026】
第2補助処理部120は第2自動車(第2移動装置)Q2との通信によって当該第2自動車Q2の識別情報IDを認識する。また、第2補助処理部120は当該識別情報IDと、第1補助処理部110により算定された各リンクにおける第1自動車Q1の速度vおよび加速度αとに基づき、評価関数fを設定する。さらに、第2補助処理部120は第1自動車Q1の速度vおよび加速度αに基づき、当該評価関数fにしたがって当該各リンクにおけるエコ指数(エネルギー指数)ECOを評価する。また、第2補助処理部120は当該リンクにおけるエコ指数ECOを当該第2自動車Q2に搭載されているナビ装置200に送信する。
【0027】
ナビ装置200は自動車Qに搭載されたハードウェアとしてのECUまたはコンピュータ(CPU,ROM,RAM,I/O等により構成されている。)と、メモリに格納され、当該コンピュータに諸機能を付与するソフトウェアであるナビプログラムとにより構成されている。なお、ナビプログラムは最初から車載コンピュータのメモリ(ROM)に格納されていてもよいが、車載コンピュータからのリクエストがあったとき等の任意のタイミングでこのプラグラムの一部または全部がサーバ(図示略)からネットワークや衛星放送を介して当該車載コンピュータにダウンロードされ、そのメモリ(RAM)等に格納されてもよい。
【0028】
ナビ装置200はナビディスプレイ202と、第1処理部210と、第2処理部220とを備えている。
【0029】
第1処理部210は自動車Qの現在位置TP(または初期位置)および目的位置TPを認識し、当該現在位置PPおよび目的位置TPを結ぶ複数の「推奨ルート候補」を設定する。
【0030】
第2処理部220はナビサーバ100との通信により各リンクにおけるエコ指数ECOを認識し、当該エコ指数ECOに基づき、第1処理部210により設定された複数の推奨ルート候補のそれぞれについてエコ指数を総合評価する。また、第2処理部220は複数の推奨ルート候補のうち当該エコ指数に基づく総合評価が最高となる推奨ルート候補を推奨ルートとして設定する。
【0031】
なお、任意の自動車Qに搭載されているナビ装置200は、第1自動車Q1に搭載されているナビ装置200としてその現在位置を認識してナビサーバ100に送信する機能を有している。また、任意の自動車Qに搭載されているナビ装置200は、第2自動車Q2に搭載されているナビ装置200としてその識別情報をナビサーバ100に認識させ、当該ナビサーバ100との通信によって各リンクにおけるエコ指数を認識し、推奨ルートを設定等する機能を有している。
【0032】
前記構成のナビシステムの機能について図2〜図5を用いて説明する。
【0033】
ナビサーバ100において第1補助処理部110が次に説明するような「第1補助処理」を実行する(図2/S110)。
【0034】
第1補助処理部110は第1自動車Q1から、当該第1自動車Q1の所定時間ごとの位置(経度および緯度により特定される)p(t)を受信する(図1/矢印A1)。第1自動車Q1の現在位置p(t)は、そこに搭載されているナビ装置200によってGPS機能やジャイロセンサの出力等に基づいて測定されうる。また、第1補助処理部110はメモリからサーバマップ情報を読み取り、当該サーバマップ情報および第1自動車Q1の時系列的な位置p(t)に基づいて当該第1自動車Q1が通過した各リンクを認識する(図2/S111)。サーバマップ情報により、緯度および軽度の組合せが、当該マップに含まれる多数のリンクのうちどのリンク上の点に該当するかが特定されうる。また、第1補助処理部110は各リンクにおける第1自動車Q1の時系列的な位置p(t)に基づいて当該各リンクにおける第1自動車Q1の速度vおよび加速度αを作動情報として算定する(図2/S112)。加速度αは「+」で加速度、「−」で減速度として定義される。なお、第1補助処理部110は、第1自動車Q1に搭載されている速度センサ等の出力に基づいて測定された速度vおよび加速度αを、当該第1自動車Q1から受信して、これを各リンクにおける速度vおよび加速度αとして認識してもよい。
【0035】
第2自動車Q2に搭載されているナビ装置200において、たとえばユーザにより目的位置TPが設定されたことに応じて、第1処理部210は次に説明するような「第1処理」を実行する(図2/S210)。
【0036】
第1処理部210は第2自動車Q2の現在位置TP(または初期位置)および当該設定された目的位置TPを認識する(図2/S211)。また、第1処理部210はメモリからナビマップ情報を読み取り、当該ナビマップ情報に基づいて当該現在位置PPおよび目的位置TPを結ぶ複数の「推奨ルート候補」を設定する(図2/S212)。これにより、たとえば図3に示されているように第2自動車Q2の現在位置PPおよび目標位置TPを結ぶ複数の推奨ルート候補R1〜R3が設定される。
【0037】
ナビ装置200における第1処理の実行開始に応じて第2自動車Q2の識別情報IDが当該ナビ装置200からナビサーバ100に送信され(図2/矢印A2)、これに応じて第2補助処理部120が次に説明するような「第2補助処理」を実行する(図2/S120)。
【0038】
第2補助処理部120は第2自動車Q2の当該識別情報IDを認識した上で、当該識別情報IDと、第1補助処理部110により算定された各リンクにおける第1自動車Q1の速度vおよび加速度αとに基づき、評価関数fを設定する(図2/S121)。評価関数fは次式(1)で表されるように速度vおよび加速度αを独立変数とし、エコ指数ECOを従属変数とする関数である。評価関数fはエコ指数ECOが、自動車Qの燃費が低いほど高く評価されるように定義されうる。なお、評価関数fはエコ指数ECOが、これとは逆に自動車Qの燃費が低いほど低く評価されるように定義されてもよい。
【0039】
ECO=f(v,α) ‥(1)
より具体的には、次式(2)で表されるように速度vおよび加速度αを独立変数とする従属変数として係数ckが設定され、次式(3)で表されるように当該係数ckを有する、速度vのk次関数(k=2,‥)として評価関数fが設定または定義される。
【0040】
k=ck(v,α) ‥(2)
f(v,α)≡ckk+ck-1k-1+‥+c0 ‥(3)
続いて、第2補助処理部120は速度vおよび加速度αに基づき、当該評価関数fにしたがってエコ指数ECOを評価する(図2/S122)。これにより、速度vおよび加速度αに応じてたとえば図4に示されているような特性を有するエコ指数ECOが評価される。図4に示されている特性曲線(評価関数)によれば、エコ指数ECOは加速度αが高くなるほど低く評価され、かつ、おおまかには速度vが高くなるほど低く評価される。
【0041】
そして、第2補助処理部120は各リンクについて評価したエコ指数ECOを前記識別情報IDにより識別される第2自動車Q2に搭載されているナビ装置200に送信する(図2/矢印A3)。
【0042】
ナビサーバ100から送信されたエコ指数ECOがナビ装置200により受信されたことに応じて、第2処理部220は次に説明するような「第2処理」を実行する(図2/S220)。
【0043】
第2処理部220はナビサーバ100との通信により各リンクにおけるエコ指数ECOを認識し、当該エコ指数ECOに基づき、第1処理部210により設定された複数の推奨ルート候補のそれぞれについてエコ指数ECOを総合評価する(図2/S221)。また、第2処理部220は複数の推奨ルート候補のうち当該エコ指数に基づく総合評価が最高となる推奨ルート候補を「推奨ルート」として設定し、かつ、出力する(図2/S222)。これにより、図3に示されている複数の推奨ルート候補R1〜R3のうち、たとえばエコ指数ECOの総和ΣECOが最高となる推奨ルート候補R3が推奨ルートとしてナビディスプレイ202に表示される。
【0044】
なお、推奨ルートR3と、推奨ルート候補R1およびR2とが色彩等により相互に識別可能な形態でナビディスプレイ202に表示され、各ルートR1〜R3のそれぞれのエコ指数ECOの総和ΣECOが併せてナビディスプレイ202に表示されてもよい。
【0045】
前記機能を発揮するナビシステムによれば、前記のように各リンクにおける第1自動車Q1の所定時間ごとの位置p(t)、ひいては速度vおよび加速度αが反映されることで、エネルギー指数ECOが任員の自動車Qの速度vの高低および加速度αの高低に応じて変動することに鑑みて、当該各リンクにおける第2自動車Q2のエコ指数ECOが適当に評価されうる(図2/S110,S120参照)。また、自動車Qの速度vおよび加速度αは測定が容易なので、エネルギー指数ECOが簡易に評価されうる。したがって、第2自動車Q2のエネルギー経済の観点から、当該第2自動車Q2を目的位置TPまで案内するための適当な推奨ルートをナビ装置200に出力させることができる(図2/S222,図3参照)。これにより、第2自動車Q2の運転者に、ナビディスプレイ202に表示された推奨ルートにしたがうことで、第1自動車Q1から得られた最新の速度vおよび加速度α、ひいては最新の交通状況等(または第2自動車Q2が当該各リンクに到達するまでの予測時間に応じた過去の交通状況等)が反映されたエネルギー経済の観点から適当に当該第2自動車Q2をその目的位置まで移動させることができる。
【0046】
なお、リンクが選定、当該選定リンクにおけるエコ指数ECOのみがナビサーバ100からナビ装置200に送信されてもよい。たとえば第2補助処理部120が、ナビ装置200との通信により図5に示されているような推奨ルート候補R1〜R3を認識し、当該推奨ルート候補R1〜R3の一部を包含するメッシュ(斜線が付されている。)を特定し、当該特定エリアに含まれるリンクを選定した上で、当該選定リンクにおけるエコ指数ECOのみをナビ装置200に送信してもよい。これにより、ナビサーバ100およびナビ装置200のそれぞれにおいてエコ指数ECOの通信および保存に要する情報処理資源が節約されうる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の交通情報管理システムの構成説明図
【図2】本発明の交通情報管理システムの機能説明図
【図3】本発明の交通情報管理システムの機能説明図
【図4】本発明の交通情報管理システムの機能説明図
【図5】本発明の交通情報管理システムの機能説明図
【符号の説明】
【0048】
100‥ナビサーバ、110‥第1補助処理部、120‥第2補助処理部、200‥ナビ装置、202‥ナビディスプレイ、210‥第1処理部、220‥第2処理部、Q‥自動車(移動装置)、Q1‥第1自動車(第1移動装置)、Q2‥第2自動車(第2移動装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動装置に搭載されているナビ装置との連携によって当該移動装置を案内するための情報を管理するナビサーバであって、
第1移動装置との通信によって当該第1移動装置が通過した各リンクにおける当該第1移動装置の速度および加速度または減速度を作動情報として認識する第1補助処理部と、
第2移動装置との通信によって当該第2移動装置の識別情報を認識し、当該第2移動装置の識別情報と、該第1補助処理部により認識された当該各リンクにおける当該第1移動装置の作動情報とに基づき、任意の移動装置の速度および加速度または減速度を独立変数とし、かつ、エネルギー指数を従属変数とする評価関数にしたがって、当該各リンクにおける当該第2移動装置の該エネルギー指数を評価し、かつ、当該各リンクにおける該エネルギー指数または当該エネルギー指数に応じた交通情報を当該第2移動装置に搭載されているナビ装置に送信する第2補助処理部とを備えていることを特徴とするナビサーバ。
【請求項2】
前記第1補助処理部が前記第1移動装置との通信によって当該第1移動装置が通過した各リンクにおける当該第1移動装置の所定時間ごとの位置を認識し、当該所定時間ごとの位置に基づいて前記作動情報を認識することを特徴とする請求項1記載のナビサーバ。
【請求項3】
前記第2補助処理部が、前記識別情報ならびに前記任意の移動装置の速度および加速度または減速度に応じた係数を有し、当該速度または加速度もしくは減速度を独立変数とする、1次または2次以上の関数を前記評価関数として、前記各リンクにおける前記第2移動装置の前記エネルギー指数を評価することを特徴とする請求項1または2記載のナビサーバ。
【請求項4】
前記第2移動装置に搭載され、当該移動装置を初期または現在位置から目的位置まで案内するための推奨ルートをナビディスプレイに表示する機能を有するナビ装置であって、
前記第2移動装置の前記初期または現在位置および目的位置を認識し、当該初期または現在位置および目的位置を結ぶ複数の推奨ルート候補を設定する第1処理部と、
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載のナビサーバとの通信により前記各リンクにおける前記エネルギー指数を認識し、当該各リンクにおける該エネルギー指数に基づき、該第1処理部により設定された当該複数の推奨ルート候補のそれぞれについてエネルギー指数を総合評価し、当該総合評価が最高となる該推奨ルート候補を前記推奨ルートとして設定する第2処理部とを備えていることを特徴とするナビ装置。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載のナビサーバおよび請求項4記載のナビ装置により構成されていることを特徴とするナビシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−45992(P2008−45992A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221778(P2006−221778)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】