ナフチル酢酸
本発明は、式Iの化合物[式中、W、X、Y、及びR1〜R7は、詳細な説明及び特許請求の範囲で定義されたとおりである]、並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造及び使用の方法並びにこのような化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体のアンタゴニスト又は部分アゴニストであって、その受容体と関連している疾患及び障害(例えば喘息)を処置する上で有用でありうる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化165】
[式中、
Wは、C(H)2、C(H)2−C(H)2、C(H)(CH3)、CH2−C(H)(CH3)、又はC(H)(CH3)−CH2であり;
Xは、
(1)O、
(2)N(H)、
(3)N(CH3)、
(4)S、
(5)S(O)、及び
(6)S(O)2
からなる群より選択され;
Yは、炭素又は窒素であり;
R1は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)フルオロで場合により置換されているメチル、
(4)フルオロで場合により置換されている低級アルコキシ、
(5)シアノ、及び
(6)低級アルキルスルホニル
からなる群より選択され;
R2は、水素、フルオロ、クロロ、低級アルキル、又は低級アルコキシであり;
R3は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はメチルであり;
R4は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、
(4)低級シクロアルキル、及び
(5)エテニル
からなる群より選択され;
R5及びR6は、互いに独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)低級アルキル、
(4)シアノ、及び
(5)低級シクロアルキル
からなる群より選択され;
R7は、シアノ又はS(O)2−R8
(ここでR8は、
(1)低級アルキル、
(2)低級シクロアルキル、
(3)(a)ハロゲン、(b)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、又は(c)低級アルコキシで場合により置換されているフェニル、
(4)低級アルキルアミノ、
(5)低級ジアルキルアミノ、
(6)ハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシカルボニルで場合により置換されている低級ヘテロシクロアルキル、及び
(7)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される)である]の化合物、又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステル。
【請求項2】
Wが、C(H)2である、請求項1の化合物。
【請求項3】
Xが、Oである、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項4】
Xが、N(H)である、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
Xが、S、S(O)又はS(O)2である、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
Wが、C(H)2であり、Xが、Oであり、Yが、炭素であり、そしてR7が、S(O)2−R8である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Wが、C(H)2であり、Xが、Oであり、Yが、窒素であり、そしてR7が、S(O)2−R8である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R2が、水素である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
R1が、ハロゲンである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
R1が、フルオロであり、そしてR2が、水素である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
R3が水素、フルオロ、又はメチルであり、好ましくは、R3が、水素である、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
R4が、水素、フルオロ、又はメチルであり、好ましくは、R4が、メチルである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
R5及びR6が、互いに独立して、(1)水素、(2)フルオロ、(3)クロロ、(4)メチル、及び(5)シアノからなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
少なくともR5又はR6のうちの1つが水素である、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
R5及びR6が共に水素である、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
R7がS(O)2−R8であり、R8が:
(1)メチル、
(2)エチル、
(3)プロピル、
(4)イソプロピル、
(5)ブチル、
(6)シクロプロピル、
(7)シクロブチル、
(8)シクロペンチル、
(9)ジメチルアミノ、
(10)ジエチルアミノ、
(11)ピロリジン−1−イル、
(12)モルホリン−4−イル、
(13)4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、
(14)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び
(15)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イル
からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が:
(1)メチル、(2)エチル、(3)イソプロピル、(4)ブチル、(5)ジメチルアミノ、(6)ジエチルアミノ、(7)ピロリジン−1−イル、(8)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び(9)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が:
(1)エチル、
(2)プロピル、
(3)イソプロピル、
(4)シクロプロピル、
(5)ブチル、及び
(6)シクロペンチル
からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が、エチルである、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
以下からなる群より選択される、請求項1記載の化合物:
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(2−シアノ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{4−[4−(ブタン−1−スルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−ジメチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[4−(4−ジエチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン−6−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸。
【請求項21】
請求項20記載の化合物の薬学的に許容されうる塩。
【請求項22】
請求項20記載の化合物の薬学的に許容されうるエステル。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の治療有効量及び薬学的に許容されうる担体を含む、医薬組成物。
【請求項24】
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性炎症、及びアトピー性皮膚炎の治療又は予防のための薬剤の調製のための請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項25】
特に、新規化合物、中間体、医薬、使用及び方法に関連して、本明細書に記載された発明。
【請求項1】
式I:
【化165】
[式中、
Wは、C(H)2、C(H)2−C(H)2、C(H)(CH3)、CH2−C(H)(CH3)、又はC(H)(CH3)−CH2であり;
Xは、
(1)O、
(2)N(H)、
(3)N(CH3)、
(4)S、
(5)S(O)、及び
(6)S(O)2
からなる群より選択され;
Yは、炭素又は窒素であり;
R1は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)フルオロで場合により置換されているメチル、
(4)フルオロで場合により置換されている低級アルコキシ、
(5)シアノ、及び
(6)低級アルキルスルホニル
からなる群より選択され;
R2は、水素、フルオロ、クロロ、低級アルキル、又は低級アルコキシであり;
R3は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はメチルであり;
R4は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、
(4)低級シクロアルキル、及び
(5)エテニル
からなる群より選択され;
R5及びR6は、互いに独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)低級アルキル、
(4)シアノ、及び
(5)低級シクロアルキル
からなる群より選択され;
R7は、シアノ又はS(O)2−R8
(ここでR8は、
(1)低級アルキル、
(2)低級シクロアルキル、
(3)(a)ハロゲン、(b)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、又は(c)低級アルコキシで場合により置換されているフェニル、
(4)低級アルキルアミノ、
(5)低級ジアルキルアミノ、
(6)ハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシカルボニルで場合により置換されている低級ヘテロシクロアルキル、及び
(7)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される)である]の化合物、又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステル。
【請求項2】
Wが、C(H)2である、請求項1の化合物。
【請求項3】
Xが、Oである、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項4】
Xが、N(H)である、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
Xが、S、S(O)又はS(O)2である、請求項1又は2のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
Wが、C(H)2であり、Xが、Oであり、Yが、炭素であり、そしてR7が、S(O)2−R8である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Wが、C(H)2であり、Xが、Oであり、Yが、窒素であり、そしてR7が、S(O)2−R8である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R2が、水素である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
R1が、ハロゲンである、請求項1〜8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
R1が、フルオロであり、そしてR2が、水素である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
R3が水素、フルオロ、又はメチルであり、好ましくは、R3が、水素である、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
R4が、水素、フルオロ、又はメチルであり、好ましくは、R4が、メチルである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
R5及びR6が、互いに独立して、(1)水素、(2)フルオロ、(3)クロロ、(4)メチル、及び(5)シアノからなる群より選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
少なくともR5又はR6のうちの1つが水素である、請求項1〜13のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
R5及びR6が共に水素である、請求項1〜14のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
R7がS(O)2−R8であり、R8が:
(1)メチル、
(2)エチル、
(3)プロピル、
(4)イソプロピル、
(5)ブチル、
(6)シクロプロピル、
(7)シクロブチル、
(8)シクロペンチル、
(9)ジメチルアミノ、
(10)ジエチルアミノ、
(11)ピロリジン−1−イル、
(12)モルホリン−4−イル、
(13)4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、
(14)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び
(15)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イル
からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が:
(1)メチル、(2)エチル、(3)イソプロピル、(4)ブチル、(5)ジメチルアミノ、(6)ジエチルアミノ、(7)ピロリジン−1−イル、(8)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び(9)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が:
(1)エチル、
(2)プロピル、
(3)イソプロピル、
(4)シクロプロピル、
(5)ブチル、及び
(6)シクロペンチル
からなる群より選択される、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
R7が、S(O)2−R8であり、R8が、エチルである、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
以下からなる群より選択される、請求項1記載の化合物:
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(2−シアノ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{4−[4−(ブタン−1−スルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−ジメチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[4−(4−ジエチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン−6−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸。
【請求項21】
請求項20記載の化合物の薬学的に許容されうる塩。
【請求項22】
請求項20記載の化合物の薬学的に許容されうるエステル。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の治療有効量及び薬学的に許容されうる担体を含む、医薬組成物。
【請求項24】
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性炎症、及びアトピー性皮膚炎の治療又は予防のための薬剤の調製のための請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項25】
特に、新規化合物、中間体、医薬、使用及び方法に関連して、本明細書に記載された発明。
【公表番号】特表2012−508714(P2012−508714A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535981(P2011−535981)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064810
【国際公開番号】WO2010/055004
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064810
【国際公開番号】WO2010/055004
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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