説明

ナンドロロン17β−カーボネート



式(I)の化合物が開示される;ここで、Rは、1個以上のC−Cシクロアルキル基でさらに置換されていてもよいC−C30アルキルであるか、あるいは1個以上のC−C30アルキル基で任意に置換され得るC−C12シクロアルキルであり、R’は水素又は低級アルキルであり、R”はC−C30アルキル又はハロであり、かつC14とC15との間の結合は単結合又は二重結合であり得る。また、このような化合物を含む医薬組成物及びそれらの使用方法もまた、開示する。これら化合物は、性腺機能低下症、性腺機能亢進症、骨粗鬆症、及び貧血症などの多数の病気又は状態の治療、ホルモン療法及び避妊薬の提供、タンパク同化薬として、並びに黄体形成ホルモンなどのホルモンの放出の抑制に使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、特に19−ノルテストステロンの17β−カーボネートであるアンドロゲン化合物、医薬組成物、及びそれらの使用方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アンドロゲンは、ホルモン療法に使用される。プロゲステロン性ステロイド又はGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)類似体による、下垂体−性腺軸の抑制が、精巣の配偶子形成及び内分泌機能の両方に影響を与えることから、アンドロゲンは任意のホルモン性男性避妊薬の一種として投与される。アンドロゲンは、原因とは無関係に性腺機能低下症の治療に適応され、男性女性の両方に対するホルモン置換療法(HRT)において強い興味の対象となってきている。
【0003】
重要な男性ホルモンであるテストステロンは、男性の体格形成、二次性徴、性欲及び性的能力並びに精子形成過程に重要な役割を果たす。テストステロンは、精巣で形成されるステロイドで、極めて短い半減期を示す。経口投与では、弱い活性しか得られない。その結果、天然のホルモンは、アンドロゲンの補充が所望される場合に治療的な医薬として使用するには限界がある。
【0004】
一回の筋肉内注射後、活性の多様な持続時間を示す遊離アルコールのエステルを含む、多くの合成アンドロゲンが、この50年間に調製されてきた。これらのなかで特筆すべきものは、テストステロンエナンテートであり、これは性腺機能低下症の男性の置換療法用及び、いくつかの実験的な男性避妊薬のアンドロゲン成分として広く使用されている。しかし、テストステロンレベルを正常範囲に維持するために、隔週間隔で投与しなければならない。他のテストステロンの17−エステルは、長時間機能する注射可能なアンドロゲンとして開発されてきた。テストステロンエナンテートと同様に、このような生成物は、油状ビヒクルの形態で投与され、作用持続期間が限られている。
【0005】
アンドロゲン性ステロイドの経口製剤の開発は、あまり成功してこなかった。商業的調製として最も広く使用されているのは、メチルテストステロンであるが、残念なことに、長期投与により肝毒性を伴う。置換療法のためのアンドロゲンの治療的使用は、通常長期間の治療を必要とするので、したがって毒性を伴う17−アルキル化ステロイドの使用は除外される。テストステロンウンデカノエートも、経口アンドロゲンとして市販されてきたが、テストステロン同様に、肝臓で急速に代謝されて、1日に数回投与されなければならず、これは患者にとって不便であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
長時間機能する活性、特に長時間機能する経口活性を有するアンドロゲン薬が必要であることを、先の記載は示している。本発明の利点及び発明の特徴は、本願中に提供した本発明の記載から明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の簡単な要旨
本発明は、アンドロゲン化合物、特に式
【0008】
【化1】

【0009】
(ここで、Rは、1個以上のシクロアルキル基でさらに置換されていてもよいアルキルであるか、あるいは1個以上のアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキルであり;R’は水素又は低級アルキルであり;R”はアルキル又はハロであり;かつC14とC15との間の結合は単結合又は二重結合であり得る)のナンドロロンカーボネートを提供する。
【0010】
本発明は、このような化合物を含む医薬組成物及びそれらの使用方法もまた提供する。本発明の化合物は、性腺機能低下症、性腺機能亢進症、骨粗鬆症及び貧血症のような多くの病気又は状態の治療において、ホルモン治療及び避妊の提供、タンパク同化薬として、並びに黄体形成ホルモンのようなホルモンの放出の抑制に使用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、ある態様において、式(I)の化合物を提供する:
【0012】
【化2】

【0013】
ここで、Rは、1個以上のC−Cシクロアルキル基でさらに置換されていてもよいC−C30アルキルであるか、あるいは1個以上のC−C30アルキル基で置換されていてもよいC−C12シクロアルキルであり;R’は水素又は低級アルキルであり;R”はC−C30アルキル又はハロであり;かつC14とC15との間の結合は単結合又は二重結合であり得る。R’が水素の場合、C7には立体化学は存在しない。
【0014】
特に、RはC−C18アルキルであり、より具体的にはC−C12アルキルであり得る。ある態様においては、R”はC−C30アルキルであり、具体的にはC−Cアルキルであり、より具体的にはメチル又はエチルである。ある態様においては、R’は、例えばC−Cアルキル基を有する低級アルキル、特にメチル又はエチルであり得る。
【0015】
本発明にしたがうと、アルキル基は、直鎖又は分枝鎖であり得る。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどが含まれる。
【0016】
本発明にしたがうと、シクロアルキル基は、単環、2環、又は3環であり得る。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ボルニル、ノルボルニル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、アダマンチル、トリシクロデカニルなどが含まれる。
【0017】
特定の態様において、本発明はR’がメチル又はエチルである(例えばR’がメチル又はエチルであり、R”がC−C30アルキルである)化合物を提供する。
【0018】
本発明のある態様においては、RはC−C30アルキルであり、具体的にはC−C18アルキルであり、より具体的にはC−C12アルキルである。別の態様においては、Rはアルキル基で置換されていてもよいシクロアルキル基であり、例えば、ブチル基で置換されたシクロヘキシル基(例えば、トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)である。
【0019】
本発明の態様にしたがうと、C14とC15との間の結合は、単結合である。例えば、C14とC15との間の結合は単結合であり、R’は水素である。本態様の化合物の例には、11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、及び11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネートが含まれる。
【0020】
本発明の別の態様において、R”は、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードのような、ハロゲンである。例えば、C14とC15との間の結合は単結合であり、特にRがC−C12アルキルであるときに、R”はハロゲンである。本態様の化合物の例には、11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、及び11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネートが含まれる。
【0021】
本発明の別の態様にしたがうと、R’はメチル又はエチルであり、R” はメチル又はエチルであり、かつ特にRがC−C12アルキル基、又は任意でアルキル基で置換されるC−Cシクロアルキル基であるときに、C14とC15との間の結合は単結合である。このような化合物の例には、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネート、及び7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートが含まれる。
【0022】
本発明のまた別の態様にしたがうと、R’はメチルであり、R” はハロゲンであり、かつ特にRがC−C12アルキルであるときに、C14とC15との間の結合は単結合である。このような化合物の例には、7α−メチル,11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−メチル,11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α−メチル,11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、及び7α−メチル,11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネートが含まれる。
【0023】
別の態様にしたがうと、R’は水素であり、R” はハロゲンであり、かつ特にRがアルキルで置換されたシクロアルキル基であるときに、C14とC15との間の結合は単結合である;例えば、化合物は、11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートである。
【0024】
本発明のさらなる態様にしたがうと、C14とC15との間の結合は単結合であり、Rはデシル又はドデシルである。本発明の別の態様にしたがうと、C14とC15との間の結合は単結合であり、R”はメチル又はエチルである。本発明のさらに別の態様にしたがうと、C14とC15との間の結合は単結合であり、R”はハロゲン、特にはクロロ又はフルオロである。
【0025】
ある態様にしたがうと、本発明は、RがC−C12シクロアルキルであり、特にシクロアルキルがC10トリシクロアルキルのようなトリシクロアルキルである化合物を提供する。これらの化合物の特定の態様においては、C14とC15との間の結合は二重結合である。このような化合物の例には、7α,11β−ジメチル−14−デヒドロ−19−ノルテストステロン−17−アダマンチルカーボネートがある。
【0026】
本発明の特定の態様においては、C14とC15との間の結合は二重結合であり、RはC−C18アルキル、特にはC−C12アルキル(例えば、メチル又はデシル)である。
【0027】
本発明にしたがうと、シクロアルキル基で置換されたアルキル基の例は、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルエチル、ノルボルニルメチル、アダマンチルメチル、ノルボルニルエチル、アダマンチルエチルなどであり得る。
【0028】
本発明にしたがうと、アルキル基で置換されたシクロアルキル基の例は、メチルシクロペンチル、エチルシクロペンチル、プロピルシクロペンチル、ブチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシルなどであり得る。
【0029】
本発明は、さらに本発明の化合物及び医薬上許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0030】
本願中で記載される医薬上許容可能な担体、例えば、ビヒクル、アジュバント、賦形剤、又は希釈剤は、当業者には周知であり、公に入手可能である。医薬上許容可能な担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であり、使用状況下で有害な副作用も毒性も示さないものであることが好ましい。
【0031】
担体の選択は、特定の化合物(活性薬)及び組成物を投与するのに使用される特定の方法によって部分的に決定されるだろう。したがって、本発明の医薬組成物には多種多様な適切な製剤がある。経口、エアロゾル、非経口、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹膜内、くも膜下腔内、直腸内、及び膣内投与用の以下の製剤は、単なる例であり、限定されるものではない。
【0032】
医薬上許容可能な担体は、必要とする患者に対する化合物の投与を容易にするために各々の活性薬と有利に組み合わされる。例えば、錠剤、カプセル、カプレット、及び柔らかいジェルキャップ(油性担体を有する)のような経口及び頬投薬形態に適切な担体は周知であり、化合物と共に使用され得る。好ましくは、活性薬経口投薬製剤は経口投与すると活性薬の利点が強調されることがわかっているので、この製剤は油性担体を含み、柔らかいジェルキャップ形態で提供される。油性担体を提供するのに使用され得る油性物質の例には、植物油(例えば、オリーブオイル、紅花油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、椿油、米糠油、大豆油、胡麻油、小麦胚芽油、ココナッツ油、ピーナッツ油、アブラナ油など)、魚油(例えば、イカ油、タラ油など)、肝油(例えば、サメ肝油、タラ肝油など)、脂肪油(例えば、アザラシ油、シロナガスクジラ油など)、貝油(例えば、アワビ油、カキ油など)、薬用油性物質(例えば、ヒマシ油、脂肪酸グリセリド、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンKなど)、ポリエチレングリコールなど、並びにそれらの混合物が含まれるが、これに限定されない。
【0033】
経口投与に適した製剤には、(a)有効量の化合物が、水、生理食塩水、又はオレンジジュースのような希釈剤に溶解したような、液体溶液;(b)カプセル、サシェ、錠剤、飴錠剤、及びトローチ剤、各々は予め決定された量の活性成分を、固形又は顆粒として含む;(c)粉末;(d)適切な液体中の懸濁液;並びに(e)適切なエマルジョンが含まれ得る。液体製剤には、医薬上許容可能な界面活性剤、懸濁剤、又は乳化剤の添加を伴う又は添加なしのいずれかで、水及びアルコール(例えばエタノール、ベンジルアルコール、及びポリエチレンアルコール)のような希釈剤が含まれ得る。カプセル形態は、例えば、界面活性剤、滑沢剤、及び不活性充填剤(乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、及びコーンスターチなど)を含む通常の硬殻又は軟殻ゼラチンタイプであり得る。錠剤形態には、1種類以上の乳糖、ショ糖、マンニトール、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、及び他の賦形剤、着色料、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、香料、及び医薬上適応可能な担体が含まれ得る。飴錠剤形態は、香料(通常、ショ糖及びアカシア又はトラガカントゴム)中に活性成分を含み得、芳香錠は不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアカシア)中に活性成分を含み、エマルジョン、ゲルなどは、活性成分に加えて、当該分野で公知の担体などを含む。
【0034】
本発明の化合物は、単独で又は他の適切な成分と共に、吸入により投与されるエアロゾル製剤に作成され得る。これらのエアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などのような加圧された許容可能な噴霧剤中に置かれ得る。これらは、ネブライザー又はアトマイザーのような非加圧調製の薬剤としても製剤化されうる。
【0035】
非経口投与用に、本願に記載される本発明の利点を保持する任意のタイプの担体が使用され得る。好ましくは、本発明の化合物は、注射に適した水性担体中に懸濁される。水性担体の水成分は、重量パーセントを基準にして、少なくとも水性担体の半分、好ましくは少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%を構成するべきである。好ましい非経口製剤の例は、水性担体約1ml中に懸濁された化合物を300mgまで含むものである。水性担体の1例は、以下を合わせて調製され得る:1gベンジルアルコール、0.5gカルボキシエチルセルロースナトリウム50、0.376gリン酸水素二ナトリウム二水和物、1.495gリン酸二水素ナトリウム二水和物に、水性担体の容量が100ml量になるまで注射用の水(WFI)を添加。
【0036】
非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び意図される受容者の血液と等張な製剤にするための溶質を含み得る水性及び非水性の等張無菌注射液、並びに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び保存剤を含みうる水性及び非水性の無菌懸濁液が含まれる。化合物は、水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖溶液、エタノール、イソプロパノール、又はヘキサデシルアルコールのようなアルコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールのようなグリコール、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールのようなグリセロールケタール、ポリ(エチレングリコール)400のようなエーテル、油、脂肪酸、脂肪酸エステル又はグリセリド、あるいはアセチル化脂肪酸グリセリドを含む、無菌の液体又は液体の混合物のような医薬担体中で、石鹸又は洗剤のような医薬上許容可能な界面活性剤、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースなどの懸濁剤、あるいは乳化剤並びに他の医薬的なアジュバントの添加を伴う又は伴わずに、生理的に許容可能な希釈剤中にて投与され得る。
【0037】
非経口製剤中に使用され得る油には、石油、動物、植物、又は合成油が含まれる。油の具体例には、ピーナツ、大豆、胡麻、綿実、コーン、オリーブ、ワセリン、及び鉱物が含まれる。非経口製剤に使用される適切な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、及びイソステアリン酸が含まれる。オレイン酸エチル、及びミリスチン酸イソプロピルは、適切な脂肪酸エステルの例である。非経口製剤に使用される適切な石鹸には、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びトリエタノールアミン塩が含まれ、適切な洗剤には、(a)例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、及びアルキルピリジニウムハロゲン化物のような陽イオン性洗剤、(b)例えば、アルキル、アリール、及びオレフィンのスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテル、及びモノグリセリドのスルホン酸塩、並びにスルホサクシネート、のような陰イオン性洗剤、(c)例えば、脂肪アミン酸化物、脂肪酸アルカノールアミド、及びポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマーのような非イオン性洗剤、(d)例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート、及び2−アルキル−イミダゾリン四級アンモニウム塩のような両性洗剤、並びに(e)それらの混合物が含まれる。適切な保存剤及び緩衝剤が、このような製剤に使用され得る。注射部位への刺激を最少化又は排除するために、このような組成物は1種類以上の非イオン性界面活性剤を含み得る。このような製剤中の界面活性剤の量は、典型的には約5から約15重量%の範囲である。適切な界面活性剤には、モノオレイン酸ソルビタンのようなポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコールとプロピレン酸化物を縮合して形成される疎水性塩基を有するエチレン酸化物の高分子量付加物が含まれる。非経口製剤は、アンプル及びバイアルのような、シールされた単回投与又は複数回投与容器中に調製され得、使用直前に、例えば水のような注射用の無菌液体担体を添加することだけが必要なフリーズドライ(凍結乾燥)状態にて保存され得る。先に記載された種類の、無菌粉末、顆粒、及び錠剤から、即席の注射溶液及び懸濁液が調製され得る。
【0038】
本発明の化合物は、注射可能な製剤として作成され得る。注射可能な組成物用の有効な医薬担体の要件については、当業者に周知である。Pharmaceutics and Pharmacy Practice、J.B.Lippincott Co.,Philadelphia,PA,Banker and Chalmers,eds.,pages 238−250(1982)、及びASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.,pages 622−630(1986)を参照。
【0039】
注射可能用に製剤化する場合には、化合物は、例えば、凍結乾燥、再構成用の乾燥粉末、すぐに使用できる液体などの任意の適切な形態にて、並びに例えばバイアル、予め充填したシリンジなど任意の適切な容器にて提供され得る。化合物は、経皮又は皮下投与もされ得る。経皮送達装置は、周知である。例示的な経皮装置は、米国特許第5,635,203号及び第6,024,976号に記載されている。経皮送達装置が使用される場合には、治療用装置に含まれる活性薬の量は、本願中に記載したように、非経口投与量の約5%から約25%の範囲で、好ましくは投与量の約10%から約20%であるべきである。
【0040】
さらに、本発明の化合物は、乳化性基剤又は水溶性基剤のような様々な基剤と混合して坐薬にし得る。膣内投与に適した製剤は、活性成分に加えて、当該分野で適切であることが公知の担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレー製剤として提供され得る。
【0041】
特定の態様においては、医薬組成物は、経口又は投与に適している。例えば、医薬組成物は、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート及び医薬上許容可能な担体を含み、この組成物は経口投与に適している。さらなる例において、医薬組成物は、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート又は7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート及び医薬上許容可能な担体であり、この組成物は皮下注射に適している。別の例においては、医薬組成物は7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネートの水性結晶懸濁液を含み、この組成物は皮下注射に適している。
【0042】
適切な投与量及び投薬量レジメンは、当業者に既知の従来の範囲決定技術によって決定され得る。一般に、治療は化合物の最適投与量よりも少ない、少量の投薬量で開始する。次いで、その状況下での最適の効果に達するまで、少しずつ投薬量を増加させる。便宜的には、1日投薬量の全量を分割して、所望によりその日のあいだに少しずつ投与され得る。ある化合物の妥当な投与量及び適切な投与において、本発明は、広い反応範囲を提供する。典型的には、投薬量は、1日あたり約0.001から約1000mg/kg治療される動物の体重の範囲である。好ましい投薬量は、約0.01から約10mg/kg体重/日の範囲であり、さらに好ましくは、投薬量は、約0.01から約1mg/kg体重/日の範囲である。
【0043】
本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む性腺機能低下症の男性患者の治療方法をさらに提供する。任意の適切な性腺機能低下症を治療し得、例えば、性腺機能低下症は、低ゴナドトロピン性類宦官症、妊性宦官症候群、思春期前汎下垂体機能低下症、及び思春期後下垂体不全、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0044】
本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む性腺機能亢進症の男性患者の治療方法をさらに提供する。任意の適切な性腺機能亢進症を治療し得、例えば、性腺機能亢進症は、クラインフェルター症候群、ライフェンスタイン症候群、機能性思春期前性腺摘除症候群、男性「ターナー症候群」、セルトリ細胞遺残、成人精細管不全、及び成人ライディッヒ細胞不全、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0045】
本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む、患者にホルモン療法を提供する方法をさらに提供する。本発明は、本発明の化合物を有効量男性に投与することを含む、男性に避妊薬を提供する方法もまた提供する。本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む、骨粗鬆症患者を治療する方法もまた提供する。本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む、貧血症患者を治療する方法をさらに提供する。本発明は、本発明の化合物を有効量投与することを含む、タンパク同化薬を必要とする患者を治療する方法もまた提供する。タンパク同化薬を必要とする患者は、例えばAIDSのような筋萎縮症に罹患した患者であり得、又はタンパク同化薬を必要とする患者は、低筋量を有する患者であり得、又は患者は癌に罹患している。本発明は、本発明の化合物、特に7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、を有効量哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の黄体形成ホルモンの放出を抑制する方法もまた提供する。ホルモンの血清レベルは、薬剤投与の間どちらの動物群についても、抑制されたままである。薬剤投与を中断すると、予想されるように、ホルモンレベルが以前のように跳ね上がり、エステル薬の治療前のレベル(−1週又は0週)を超えて増大する。したがって、例えばホルモンレベルは、例えば約2から約20週以上、数週間にわたって抑制され得る。これは、例えば、黄体形成ホルモンの抑制の持続又はホルモン置換療法を得ることにおいて、有利な臨床的含みを有し得る。さらに、これは、本発明のカーボネートの錠剤又はカプセルのような経口組成物を使用する、ホルモンレベルの抑制における簡便な治療を提供することによる利点を有し得る。このような治療は、エステル薬のような薬剤の非経口(例えば皮下)投与を含む治療に比較して有利であり得る。患者のコンプライアンスは、注射よりも経口製剤のほうが良いものであり得る。
【0046】
ほんの1例として、活性薬の治療的使用に限定するように意図することなく、例えば、低ゴナドトロピン性類宦官症(完全、不完全、思春期の遅れ)、妊性宦官症候群、思春期前汎下垂体機能低下症、思春期後下垂体不全(選択的、汎下垂体機能低下症)のような、性機能低下症男性の治療に化合物が使用され得る。化合物は、雄動物の生殖能力抑制を誘導及び維持するために、又はフィードバック用のアンドロゲン成分として(単独であるいはより有効には1種類以上のステロイド性プロゲスチン又はエストロゲンと共に)もまた投与され得る。さらに、それらのタンパク同化特性により、化合物は筋肉の増殖及び維持を促進及び維持するために投与され得る。これらの特性は、AIDSのような筋萎縮症に罹患する人には特に重要であり得るが、典型的に比較的低い筋量を有する老人に対してより一般に適応可能である。さらに、化合物は、例えば男性及び女性の乳癌の対症療法などの癌治療、骨粗鬆症、貧血症、タンパク同化、ホルモン置換療法(男性及び女性)並びに性腺機能亢進状態(例えば、クラインフェルター症候群、ライフェンスタイン症候群、機能性思春期前性腺摘除症候群、男性ターナー症候群、セルトリ細胞遺残、成人精細管不全(例えば、ムンプス性精巣炎、放射線照射、特発性、筋緊張性ジストロフィー)、及び成人ライディッヒ細胞不全)の治療に使用され得る。
【0047】
一般的に、例えば性腺機能低下症の治療のような、アンドロゲンを必要とする任意のホルモン置換療法用の任意の化合物の有効な経口投薬量は、同様の効果を提供するのに必要な標準の量(例えば、同様の効果を提供するのに必要なメチルテストステロンの経口投与量)に対するその効力比の逆数であろう。例えば、性腺機能低下症の場合、化合物は治療上有効量にて経口投与され得る。例えば、経口投薬量は、約1mg/日から約75mg/日であり、例えば約2mg/日から約50mg/日であり、具体的には約1mg/日から約25mg/日の範囲であり得る。癌治療用には、例えば女性の乳癌では、投与される化合物量は様々であり得るが、少なくとも約10mg/日であり、具体的には少なくとも約25mg/日であり、より具体的には少なくとも約50mg/日の範囲であり得る。
【0048】
男性避妊用に化合物を使用する場合には、このような治療を提供するのに有効量が投与され得る。一般に、有効な経口投与量は様々であるが、1日あたり約1から約50mgの範囲であり得る。もちろん、相対的効力が増大するにつれて、投与量は減少する、例えば、有効な経口投与量は、約1mg/日から約25mg/日であり、都合良くは約2mg/日から約20mg/日であり、約15mg/日までである。
【0049】
性腺機能低下症のように、長期にわたるホルモン療法が必要な状態の場合には、化合物は、水性ビヒクル中に分散させ得、テストステロンエナンテート(油性担体中)及びテストステロンブシクレートの両方に比較してより低い投与量にて、比較的長い間隔で、水性製剤として投与され得る。さらに具体的には、さらなる比較例として、水性製剤中に分散させた場合には、化合物の投与量は一般に、実質的に同質の治療効果を提供するのに必要なテストステロンエナンテート(胡麻油担体中に提供される)投与量の約3分の1から約4分の3の範囲であり得、後者の投与量の約2分の1から約3分の2の間が好ましい。
【0050】
アンドロゲン活性が長時間機能するので、特に有効量で水性担体中にて非経口投与される場合には、化合物は、約2週間又はそれより長い間隔で投与され得る。より具体的には、約1ヶ月の間隔で投与され得、好ましくは約2ヶ月、より好ましくは約3ヶ月毎又は約2から4ヶ月毎に一度投与され得る。さらに頻繁に治療用の注射を必要とする現在のレジメンに比較して、これは患者に有意な利点を提供する。
【0051】
例えば、性腺機能低下症の治療において、これらの化合物は水性担体中に処方され得、約2週間毎に約lmgから約100mgまで、都合良くは同じ期間の間に約25から約75mg;約1ヶ月毎に約200mgまで、都合良くは同じ期間の間に約50mgから約150mg;約2ヶ月毎に約400mgまで、都合良くは同じ期間の間に約100から約300mg;並びに約3ヶ月毎に約600mgまで、都合良くは同じ期間の間に約150mgから約450mgの範囲の量投与した場合に、長時間にわたる治療利益を提供し得る。これらの投薬量は、都合良くは各々の期間の最初に単回注射によって提供され、同じ期間にわたって同様の治療効果を提供するのに使用され得るテストステロンエナンテート及びテストステロンブシクレートの投薬量よりも少ない。
【0052】
さらなる例として、非経口投与により男性避妊に有効な本発明の化合物の投与量は、単独で使用した場合には、約25mg/週から約200mg/週までであり、都合良くは約150mg/週までであり、好ましくは約50mg/週から約100mg/週の範囲であり得る。より典型的な方法、すなわち、エストロゲン及び/又はプロゲスチンと共に使用する場合には、先に記載した活性薬の非経口投薬量は、約2週間毎に約1mgから約100mgまでであり、2週間毎で都合良くは約2mgから約75mgまでであり、及び好ましくは約50mgまでの範囲であり得る。もちろん、これらの活性薬の長時間機能する活性に起因して、上記に記載した期間を超えた活性が所望される場合には、これらの投薬量は、実質的に線形ベースで投与され得る。
【0053】
本発明の化合物の有効性が増したことにより、患者の心地よさと金銭面から所望されるように、有効量が単回注射により投与され得るというさらなる利点が都合よく可能になった。テストステロンエナンテートを使用して同等の治療結果を得るには、複数回注射が必要になるだろう。もちろん、本発明の活性薬の比較的低い投与量の複数回注射は、必要な場合又は所望される場合には投与され得る。例えば、比較的高い効力にもかかわらず、油性担体中に製剤化された活性薬は、その担体中における特定の活性薬の効力に基づいて調節される投与量にて、所望される治療を得るためにより頻繁に投与される必要がある。
【0054】
ジメタンドロロンの合成は、国際特許公開番号第WO 01174839 A2号に記載されている。
【0055】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するものであるが、もちろん、発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【実施例】
【0056】
実施例1
本実施例は、本発明の態様にしたがう、化合物を調製する方法を例示する。
【0057】
ジメタンドロロンの17β−メチル、ヘキシル、デシル及びドデシルカーボネートの合成は、以下に記載するように、ジクロロメタン中のピリジン存在下において、ジメタンドロロン及び対応するアルキルクロロホルメートの処理により、以下に記載する手法に従って行った。
【0058】
17β−メトキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(2a、CDB−4718):窒素下で乾燥CHCl(50mL)中のジメタンドロロン(1(図1)、1.0g、3.31mmol)溶液を、氷槽中で0℃まで冷却した。ピリジン(1mL、12.4mmol)、次いでメチルクロロホルメート(1mL、12.9mmol)を添加して、混合物を0℃で約15分間攪拌して、室温まで温めた。1時間室温で反応混合物を攪拌し、その後、TLC(CHCl中、5%アセトン)が約60%の反応を示した。反応混合物を0℃まで冷却し、さらにピリジン(1mL)及びメチルクロロホルメート(1mL)で処理した。室温まで温めると、気体の発生が観察された。室温で一晩攪拌した後に、TLC(CHCl中、5%アセトン)が約80%の反応を示した。溶媒を乾燥窒素流下にて真空中で除去し、残渣をCHClに溶解して、HO(3×)で洗浄した。有機画分を無水NaSOを通してろ過し、合わせて、真空中で濃縮して、1.3gの黄色い泡状の残渣を得た。この物質を、フラッシュクロマログラフィー(CHCl中、3%アセトン)で精製して、メタノールから結晶化し、収率62%にて純粋生成物2aが>0.74g得られた;m.p.=153〜154℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、CHCN:HOが7:3の比率で溶出した、Waters Assoc NovaPak C−18カラムによるHPLC解析により、化合物2aは、保持時間4.62分で、>99%純粋であることが示された。FTIR(ATR)、vmax2958、2939、2883、1739、1663及び1620cm−1H NMR(300MHz、CDCl):δ0.786(d、3H、J=6.97Hz、C7α−CH)、0.953(s、3H、Cfl8−CH)、1.062(d、3H、J=7.2Hz、C11β−CH)、3.775(s、3H、−C(O)OCH)、4.479(dd、1H、J、=9Hz、J、=7.4Hz、C17α−H)及び5.852(s、1H、C4−CH=)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ12.881(C7−CH)、15.117(C18−CH)、17.084(C11β−CH)、22.642、26.404、27.175、28.416、30.726、36.638、36.781、38.702、42.669、43.255、44.571、45.736、47.635、54.594(OCH)、87.352(C17)、126.585(C4)、155,773(O−C=O)、165.533(C5)、及び199.421(C3)ppm。MS(El)m/z(相対強度):360(M+、53)、284(99)、175(100)、及び147(49)。C2232について分析計算値:C,73.30;H,8.95。実測値:C,73.21;H,9.01。
【0059】
17β−ヘキシルオキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(2b、CDB−4731):2a調製用の上記の手法と同様の手法にしたがって、乾燥CHCl(50mL)中のジメタンドロロン(1、1.0g、3.31mmol)を、ピリジン(1mL、12.4mmol)存在下でヘキシルクロロホルメート(2mL、12.2mmol)と反応させて、1.6gの粗ヘキシルカーボネート(2b)を得た。CHCl中の2%アセトンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した後に、ペンタンから結晶化することにより、収率84.3%にて、1.2gの純粋生成物2bを得た;m.p.=60.4〜61.1℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて100%CHCNで溶出した、Waters Assoc NovaPak C−18カラムによるHPLC解析によると、化合物2bは保持時間3.1分であり、>99%純粋であることが示された。FTIR(ATR)、vmax2948、2914、2880、2854、1740、1666及び1613cm−1H NMR(300MHz、CDCl):δ0.785(d、3H、J=7.2Hz、C7α−CH)、0.895(t、3H、J16.9Hz、ヘキシル−CH)、0.956(s、3H、C18−CH)、1.062(d、3H、J=7.8Hz、C11β−CH)、4.114(t、2H、J=6.9Hz、ヘキシル−OCH−)、4.476(dd、1H、J、=9.3Hz、J2=7.2Hz、C17α−CH)及び5.850(s、1H、C4−CH=)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ12.884(C7−CH)、13.991(ヘキシル−CH)、15.215(C18)、17.121(C11−CH)、22.537、22.648、25.382、26.428、27.201、28.430、28.663、30.755、31.434、B6.649、36.796、38.734、42.727、43.284、44.644、45.763、47.694、68.065(ヘキシル−OCH−)、87.087(C17)、126.585(C4)、155.402(OC(=O)−)、165.537(C5)及び199.423(C3)ppm。MS(El)m/z(相対強度):430(M+、15)、302(18)、284(83)、173(100)、159(38)及び147(44)。C2742について分析計算値:C,75.32;H,9.83。実測値:C,75.47;H,9.86。
【0060】
17β−デシルオキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(2c、CDB−4719);2aを合成するために使用した手法と同様にして、乾燥CHCl(50mL)中のジメタンドロロン(1、1.0g、3.31mmol)を、ピリジン(1mL、12.4mmol)存在下でデシルクロロホルメート(2mL、8.66mmol)と反応させた。CHCl中の1%アセトンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにより精製した後に、熱ヘキサンから結晶化することにより、収率74.6%にて、1.2gの純粋生成物2cを得た;m.p.=66〜68℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて100%CHCNで溶出した、Waters Assoc.NovaPak C−18カラムによるHPLC解析によると、化合物2cは保持時間6.62分であり、>99%純粋であることが示された。FTIR(ATR)、vmax2954、2918、2849、1743、1666及び1613cm−1H NMR(300MHz、CDCl):δ0.784<d、3H、J=6.6Hz、C7α−CH3)、0.880(t、J=6.6Hz、3H、デシル−CH)、0.955(s、3H、C18−CH)、1.062(d、3H、J=7.5Hz、C11β−CH)、4.110(t、2H、J=6.9Hz、デシル−OCH−)、4.473(dd、J、=9Hz、J2=7.2Hz、C17α−CH)、及び5.848(s、1H、C4−CH=)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl)δ12.904(C7−CH)、14.130(デシル−CH)、15.237(C18)、17.116(C11−CH)、22.654、22.689、25.710、26,434、27.204、28.443、28.695、29.252、29.312、29.500、30.759、31.906、36.653、36.814、38.725、42.708、43.270、44.640、45.768、47.704、68.090(デシル−OCH−)、87.107(C17)、126.569(C4)、155.410(OC=O)、165.589(C5)及び199.475(C3)ppm。MS(El)m/z(相対強度):486(M+、34)、284(87)、175(100)、及び147(52)。C3150・1/4 C14について分析計算値:C,76.80;H,10.61。実測値:C,77.02;H,10.42。
【0061】
17β−ドデシルオキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4−エン−3−オン(2d、CDB−4730);2aを合成するために使用した手法と同様にして、CHCl(50mL)中のジメタンドロロン(1、1.0g、3.31mmol)を、ピリジン(1mL、12.4mmol)存在下でドデシルクロロホルメート(2mL、7.4mmol)と反応させて、2.1gの粗生成物2dを得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中、1%アセトン)により精製した後に、熱ヘキサンから結晶化することにより、収率76%にて、1.3gの純粋生成物2dを得た;m.p.=52.7〜53.7℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、100%CHCNで溶出した、Waters Assoc.NovaPak C−18カラムによるHPLC解析によると、化合物2dは保持時間8.65分であり、>99%純粋であることが示された。FTIR(ATR)、vmax2953、2920、2851、1743、1668及び1615cm−1HNMR(300MHz、CDCl):δ0.785(d、3H、J=7.2Hz、C7α−CH)、0.882(t、J=6.8Hz、3H、ドデシル−CH)、0.956(s、3H、C18−CH)、1.062(d、3H、J=7.5Hz、C11β−CH)、4.110(t、2H、J=7.1Hz、デシル−OCH−)、4.473(dd、J、=9Hz、J2=7.4Hz、C17α−CH)、及び5.848(s、1H、C4−CH=)ppm。13C NMR(300MHz、CDCl):δ12.870(C7−CH)、14.122(デシル−CH)、15.204(C18)、17.104(C11−CH)、22.657、22.694、25.726、26.438、27.212、28.471、28.713、29.246、29.356、29.498、29.549、29.627、30.766、31.932、36.671、36.837、38.757、42.745、43.276、44.662、45.767、47.729、68.078(ドデシル−OCH−)、87.111(C17)、126.602(C4)、155.411(OC−O)、165.477(C5)、及び199.477(C3)ppm。MS(El)m/z(相対強度):514(M、50)、284.2(81)、175.1(100)及び57.0(75)。C3354について分析計算値:C,77.04;H,10.51。実測値:C,77.15;H,10.54。
【0062】
Δ14−ジメタンドロロン(3すなわち7α,11β−ジメチルエストラ−4,14−ジエン−3−オン)の合成は、米国特許公開番号第20030130243 Al号に記載されている。Δ14−ジメタンドロロンの17β−メチル、17β−デシル及び17β−アダマンチルカーボネートの合成は、上記に記載したようなジメタンドロロン 17−カーボネートの手法と同様の方法にしたがって行った。図2もまた参照。
【0063】
17β−メトキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4,14−ジエン−3−オン(4a、CDB−4748):CHCl(7mL)及びピリジン(0.2mL)中のΔ14−ジメタンドロロン(3、150mg、0.50mmol)溶液を、氷槽中で0℃まで冷却して、メチルクロロホルメート(0.096mL、1.25mmol)で処理した。溶液を室温まで温めて、5時間攪拌した。反応混合物を冷水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出物を、水で洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させて、182mgの油を得た。この物質をCHCl中の5%アセトンを使用したクロマトグラフィーにかけて、安定な泡として収率77%にて、138mgの4aを得た。出発物質3(35mg)は、収率23%で回収した。様々な溶媒系から4aを再結晶化することを試みたが、固体を得ることはできなかった。FTIR(ATR)、vmax2954、1742、1667、1618、及び1261cm−1H NMR(300MHz、CDCl)δ0.849(d、3H、J=7.2Hz、C7α−CH)、1.113(s、3H、C18−CH)、1.119(d、J=7.2Hz、C11β−CH)、3.793(s、3H、−OCH)、4.780(t、1H、J=7.8Hz、C17α−H)、5.166(br s 1H、C15−H)、及び5.876(s、1H、C4−CH=)ppm。MS(EI)m/z(相対強度):358(M、3.1)、282(100)、190(22.1)、173(41.3)、157(28.1)及び147(48.8)。
【0064】
17β−デシルオキシカルボニルオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4,14−ジエン−3−オン(4b、CDB−4749):4aを合成するために使用した手法と同様の手法にしたがって、CHCl(7mL)中のΔ14−ジメタンドロロン(3、150mg、0.50mmol)を、ピリジン(0.20mL)存在下でデシルクロロホルメート(0.290mL、1.25mmol)と反応させた。ワークアップし、CHCl中の2%アセトンを使用したクロマトグラフィーにかけたところ、246.3mgの4bが透明な油として得られ、様々な溶媒から再結晶化することはできなかった。FTIR(ATR)、vmax2922、2853、1740、1671、1618、1254及び977cm−1。HNMR(300MHz、CDCl)δ0.849(d、3H、J=7.2Hz、C7α−CH)、0.882(t、3H、J=8.0Hz、−O(CHCH)、1.115(s、3H、C18−CH)、1.117(d、J=7.2Hz、C11β−CH)、4.129(t、J=8.0Hz、−OCH(CHCH)4.780(t、1H、J=7.8Hz、C17α−H)、5.166(br s 1H、C15−H)、及び5.876(s、1H、C4−CH=)ppm。MS(EI)m/z(相対強度):484(M+、2.5)、282(100)、190(12.5)、172(31.9)、147(46.9)及び145(21.9)。
【0065】
17β−アダマンチルオキシカルボキシオキシ−7α,11β−ジメチルエストラ−4,14−ジエン−3−オン(4c、CDB−4650):3(280mg、0.93mmol)のピリジン(35mL)溶液を、アダマンチルフルオロホルメート(740mg、3.73mmol)で処理して、溶液を18時間加熱還流した。溶液を氷槽中で冷却して、冷水で希釈した。水性混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。酢酸エチル抽出物を水及びブラインで洗浄して、合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させると、970mgの半固体が得られた。この物質を2%アセトン/ジクロロメタンを使用してクロマトグラフィーにかけ、330mgの4cを安定な泡として得た。この物質をエタノール(約4mL)中に溶解して、激しく攪拌しながら冷水(約40mL)に滴下した。生じた固体をフィルターにかけて、水で洗浄し、真空中で乾燥して白い粉末として303mgの4cを得た:m.p.=97〜100℃。NMR(CDCl)δ0.847(d、3H、J=7Hz、C7α−Me)、1.100(s、3H、C18−Me)、1.116(d、3H、J=7Hz、C11β−Me)、4.730(t、1H、J=8Hz、C17α−H)、5.150(br.s、1H、C15−CH=)、5.827(s、1H、C4−CH=)ppm。FTIR(ATR):2908、2851、1723、1670、1610、1238、1041cm−1。MS(EI)m/z(相対強度):478(M)、300、282(塩基)、190、172、147、135。
【0066】
メチル、エチル、クロロ及びフルオロのような、11β置換された19−ノルテストステロンの多くは、米国特許第3,983,144号;第3,325,520号;第3652606号;第4,292,251号及びSteroids,30,481−510(1977)にて公知である。
【0067】
11β−メチル−17β−ドデシルオキシカルボキシオキシエストラ−4−エン−3−オン(8a、CDB−4754)(図3):11β−メチル 17β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン(5a)は、11β−エチル 17β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン(5b)の調製についての、Muddana et al.,J.Med.Chem.,47,4985−4988(2004)に記載された手法と同様にして調製した。
【0068】
11β−アルキル−Δ−19−ノル−テステロン(testerone)誘導体:アンドロゲン受容体の高親和性リガンド及び強力な部分アゴニスト。(1)11β−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン(7a、CDB−4746、図3)。
【0069】
3,3−エチレンジオキシ−5α,10α−エポキシ−17β−ヒドロキシエストラ−9(11)−エン(4’):30%過酸化水素(6.7mL、65.1mmol)を、ヘキサフルオロ−アセトン三水和物(13.15g、65.1mmol)の氷冷CHCl(70mL)溶液に添加した。リン酸水素二ナトリウム(3.9g、27.47mmol)を添加して、混合物を0℃で2時間攪拌した。3,3−エチレンジオキシ−17β−ヒドロキシエストラ−5(10),9(11)−ジエン(3’、6.85g、21.69mmol)のCHCl(70mL)液を添加して、混合液を0〜4℃にて一晩攪拌した。10%硫酸ナトリウム溶液(100mL)を添加して、反応を終了させた。水性混合液を、CHClで抽出した。CHCl抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、定量的な収率で安定な泡として、7.75gのエポキシドを得た。物質のNMR解析により、5α,10α−/5β,10β−エポキシドの比率が約5:1の混合物であることが示された。さらに精製しないで、この物質を以下の反応に使用した。NMR(300MHz、CDCl)δ0.744(s、3H、C18−Me)、3.747(t、1H、J=7Hz、C17α−H)、3.928(m、4H、3−ケタール)、5.836(m、5β,10β−エポキシドのC11β−H)及び6.038(m、5α,10α−エポキシドのC11α−H)。
【0070】
11β−メチル−17β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン(5a):臭化メチル−マグネシウム溶液(1.4M THF/トルエン)を、95mLのTHFに添加して、1.9gの塩化銅(I)を添加した。室温で2時間攪拌した後に、5α,10α−エポキシド(=3,3−エチレンジオキシ−5α,10α−エポキシ−17β−ヒドロキシエストラ−9(11)−エン(10g、0.035mol)のTHF溶液を、5分間滴下した。混合液を室温で3時間攪拌した。混合液を飽和塩化アンモニウム液で希釈して、Cu(I)からCu(II)に酸化するために、2時間混合物に泡状空気を送った。水性混合液をエーテル(3×)で抽出した。エーテル抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、9.83gの黄色い固体が得られた。
【0071】
この固体をメタノール(400mL)中に溶解して、10%HCl溶液(40mL)を添加した。溶液を3時間加熱還流した。溶媒を真空中で蒸発させて、残渣を水で希釈して、エーテル(3×)で抽出した。エーテル抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、9.83gの黄色い固体が得られた。
【0072】
この固体をメタノール(400mL)中に溶解して、40mLの10%HClを添加した。溶液を3時間加熱還流した。溶媒を真空中で蒸発させて、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で処理した。水性混合液をCHClで抽出した。CHCl抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、82%の収率で、安定な泡として、8.3gの粗5aが得られた。11%アセトン/CHClで溶出することにより、粗物質をクロマトグラフィーにかけて、6.1gの5aを得た。アセトン/ヘキサンから固体5aを再結晶化して、47%の収率で、3回の収集で4.03gの黄色い結晶固体を得た:m.p.=194〜195℃。IR(ATR):vmax3394、2939、1641及び1576cm−1。NMR(300MHz、CDCl):δ0.979(s、3H、C18−CH)、1.170(d、3H、C11β−CH)、3.642(t、1H、C17β−H)ppm。
【0073】
11β−メチル 17β−ヒドロキシエストラ−5(10)−エン−3−オン(6a):アルゴン雰囲気下にて、リチウム線(270mg、38.9mmol)を短く切って、無水アンモニア(200mL)に添加して、還流しながら2時間攪拌した。リチウム/アンモニア混合物を−78℃に冷却して、t−ブタノール(1.24mL)を含むジエノン(5a、4.03g、14.07mmol)THF溶液を15分間にわたって添加した。混合液を−78℃で15分間攪拌し、その後、過剰のリチウムをイソプレン(1.5mL)で破壊した。反応は、固体の塩化アンモニウム(16g、296.3mmol)を添加して終了させた。一定量の窒素流下でアンモニアを蒸発させた。THF層をHO及びブラインで洗浄した。水性洗浄液を(2×200mL)のエーテルで抽出した。有機抽出物を合わせて、NaSOで乾燥して、溶媒を蒸発させると、100%の収率で、白い固体として4.25gの6aが得られた。NMR(300MHz、CDCl):δ0.889(s、3H、C18−CH)、0.916(d、3H、C11p−CH)、及び3.655(t、1H、C17β−H)ppm。
【0074】
11β−メチル 17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン(7a、CDB−4746):白い固体(6a、4.25g、14.73mmol)をメタノール(400mL)に溶解して、10%HClの40%を添加した。溶液を3時間加熱還流した。溶媒を真空中で蒸発させて、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で希釈して、CHCl(3×500mL)で抽出した。塩化メチレン抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させると、99%の収率で、黄色い結晶性固体が4.20g得られた。粗物質をアセトン/ヘキサンから再結晶化して、35%の収率で、2回の収集で1.49gの固体(7a、CDB−4746)を得た。m.p.=160〜161℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、50%水性CHCNで抽出した、Waters Associate NovaPak C18カラム上の逆相HPLC解析から、保持時間がt=3.2分の100%純粋な7aが示された。FTIR(ATR):vmax3404、2939、2898、1637、及び1435cm−1。NMR(300MHz、CDCl)δ0.887(s、3H、C18−CH)、1.008(d、3H、C11β−CH)、3.615(t、1H、C17_−H)、及び5.851(s、1H、C4−C H=)ppm。MS(EI)m/z(相対強度):288(M、100)、270(28)、246(25)、229(25)、179(22)、161(28)、133(29)、109(50)及び90(22)。C1928について分析計算値:C 79.05,H 9.70,実測値:C 79.05,H,9.78。
【0075】
11β−メチル−17β−ドデシルオキシカルボキシオキシエストラ−4−エン−3−オン(8a、CDB−4754):ドデシルクロロホルメート(1.23g、4.94mmol)を、0℃に冷却した7a(950mg、3.39mmol)のCHCl(50mL)及びピリジン(1.30g、5当量)溶液に滴下した。添加後、氷槽から出して、室温で4時間攪拌した。反応は、薄層クロマトグラフィー(TLC)(2%アセトン/CHCl)でモニターした。有機層をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、2.67gの固体を得た。この物質を、シリカでクロマトグラフィーにかけ(2%アセトン/CHCl)、ペンタンから2回再結晶化して、43%の収率で、1.11gの微細な白い結晶性粉末(8a、CDB−4754)を回収した。m.p.=54.7〜55.4℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、CHCN中、50%HOで溶出した、Waters Associate NovaPak C18カラムによる逆相HPLCによる解析により、保持時間がt=12.13分の、100%純粋な8aが示された。FTIR(ATR):vmax2899、2848、1727、1616、及び1253cm−1。NMR(300MHz、CDCl)δ0.881(s、3H、C18−CH)、1.052(d、3H、C11β−CH)、4.109(t、1H、C17β−H)、及び5.848(s、1H、C4−C H=)ppm。MS(EI)m/z(相対強度):500.52(M、57)、271(44)、270(48)、161(100)、160(70)、147(41)、119(34)、及び110(65)。C3252について分析計算値:C 76.68,H 10.38、実測値:C 76.44,H,10.37。
【0076】
11β−メチル−17−デシルオキシカルボキシオキシエストラ−4−エン−3−オン(8b、CDB−4757):デシルクロロホルメート(7.6mL、2当量)を、−4℃に冷却した7a(5.0g、17.33mmol)のCHCl(250mL)及びピリジン(6.9g、5当量)溶液にシリンジにより滴下した。デシルクロロホルメートの添加が完了した後、氷槽を除去して、反応混合液を室温で5時間攪拌した。反応は、TLC(3%アセトン/CHCl)でモニターした。反応混合液を蒸留した冷HOに注ぎ;下層の有機層をHO及びブラインで洗浄した。全ての水性洗浄液は、CHClから抽出した。合わせたCHClを無水NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、8.9gの白い固体を得た。白い粗固体をペンタンから2回再結晶化して、47.6%の収率で、3.9gの白い結晶性粉末を得た。m.p.=48.9〜49.3℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、100%CHCNで溶出した、Waters Associate NovaPak C18カラムによる逆相HPLCによる解析により、保持時間がt=6.99分、100%純粋な8b(8b、CDB−4757)が示された。FTIR(ATR):vmax2919、2848、1727、1621、1379、1253及び960cm−1。NMR(300MHz、CDCl):δ0.880(s、3H、C18−CH)、1.052(d、3H、C11β−CH)、4.108(t、1H、C17β−H)、及び5.847(s、1H、C4−C H=)ppm。MS(EI)m/z(相対強度):472(M、27)、270(41)、161(100)、145(36)、119(31)、及び110(21)。C3048について分析計算値:C 76.16,H 10.15、実測値:C 76.05,H,10.29。
【0077】
11β−エチル−17β−ドデシルオキシカルボキシオキシエストラ−4−エン−3−オン(9b、CDB−4722)を、7bから調製した。(1)11β−エチル−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン(7b、CDB−4758、図3)を、以下のように5bから調製した:3,3−エチレンジオキシ−5α,10α−エポキシ−17β−ヒドロキシエストラ−9(11)−エン:30%過酸化水素(6.7mL、65.1mmol)を、ヘキサフルオロ−アセトン三水和物(13.15g、65.1mmol)の氷冷CHCl(70mL)溶液に添加した。リン酸水素二ナトリウム(2.8g、19.74mmol)を添加して、混合液を0℃で2時間攪拌した。3,3−エチレンジオキシ−17β−ヒドロキシエストラ−5(10),9(11)−ジエン(6.85g、21.69mmol)のCHCl(70mL)液を添加して、混合液を0〜4℃で一晩攪拌した。反応は、10%硫酸ナトリウム溶液(100mL)を添加して、終了させた。水性混合液をCHClで抽出した。CHCl抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、定量的な収率にて安定な泡として、7.75gのエポキシドを得た。物質のNMR解析により、5α,10α−/5β,10β−エポキシドの約5:1の混合物であることが示された。さらに精製しないで、この物質を以下の反応に使用した。NMR(300MHz、CDCl)δ0.744(s、3H、C18−Me)、3.747(t、1H、J=7Hz、C17α−H)、3.928(m、4H、3−ケタール)、5.836(m、5β,10β−エポキシドのC11β−H)及び6.038(m、5α,10α−エポキシドのC11α−H)。
【0078】
11β−エチル−17β−ヒドロキシエストラ−4,9−ジエン−3−オン(5b):臭化エチルマグネシウム(1.0M/THF、19.5mL、19.5mmol)を、0℃に冷却して、乾燥エーテル(19.5mL)で希釈した。攪拌しながら、塩化銅(193.6mg.1.95mmol)を2時間にわたって添加して、混合液を45分間攪拌した。上記に記載した手法に従って調製したエポキシド(1.0g、3.01mmol)のTHF(50mL)液を、混合液に2時間にわたって添加した。反応混合液を0℃で3時間攪拌して、次いで飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)を添加して注意深く終了させた。攪拌しながら、Cu(I)からCu(II)に酸化するために、空気を混合液に入れた。混合液は、エーテルで抽出した。エーテル抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、1.24gの安定な泡を得た。2回の同じ反応から得た上記の生成物(2.58g)をメタノール(200mL)に溶解して、10%HCl溶液(20mL)を添加した。溶液は、一晩室温で攪拌した。メタノールを真空中で蒸発させて、残渣を水で希釈した。水性混合液をCHClで抽出した。CHCl抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、1.73gを得た。粗物質を12%アセトン/で溶出したクロマトグラフィーにかけて、71%の収率で、安定な泡として、660mgのジエン−オン5bを得た。様々な溶媒からこの物質を結晶化することを繰り返し試みたが、失敗した。TLC及びNMR解析により、物質は均一であり、1種類のエピマーのみからなることが示された。NMR(300MHz、CDCl):δ0.931(t、3H、J=7.2Hz、−CHCH)、0.963(s、3H、C18−CH)、3.645(t、1H、J=7Hz、C17α−H)、及び5.683(s、1H、C4−CH=)ppm。
【0079】
11β−エチル−17β−ヒドロキシエストラ−4−エン−3−オン(7b、CDB−4758)(2):リチウム線(45.74mg、6.59mmol)を短く切って、無水アンモニア(約20mL)に添加した。混合液を−35℃で20分間攪拌した。反応混合液を−78℃に冷却後、ジエン−オン(5b、660mg、2.22mmol)のTHF(20mL/t−ブタノール(0.21mL、2.22mmol)溶液を10分間にわたって滴下した。15分間攪拌した後に、過剰のリチウムをイソプレン(1.0mL)の添加により破壊して、塩化アンモニウム(2.64g)を添加した。アンモニアを窒素流下で蒸発させた。残渣をリン酸緩衝液(0.1M、pH=7.0、50mL)で希釈した。水性混合液をエーテルで抽出した。エーテル抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、850mgを得た。上記の粗物質をメタノール(125mL)に溶解して、10%HCl溶液(12.5mL)を添加した。溶液を4時間加熱還流した。溶媒を真空中で蒸発させて、残渣をHOで希釈した。水性混合液をCHClで抽出した。CHCl抽出物をHO及びブラインで洗浄して、合わせて、NaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させて、安定な泡として、720mgを得た。3%MeOH/CHClを使用して、物質をクロマトグラフィーにかけて、60%の収率で、400mgを得た。この物質をアセトン/ヘキサンから再結晶化し、27%の収率で、182mgの白い結晶性粉末として、純粋な7bを得た。m.p.=147〜148℃。流速1mL/分及びλ=240nmにて、50%水性CHCNで溶出した、Waters Associate NovaPak C18カラムによる逆相HPLC解析により、保持時間がt=4.62分の98%純粋な8a(CDB−4757)が示された。FTIR(ATR):vmax3433、2958、2858、1651、1613、1447、1262、1212、1070、974及び889cm−1H NMR(300MHz、CDCl)δ0.888(s、3H、C18−CH)、0.992(t、3H、J=7.2Hz、C11β−CHCH)、3.627(t、1H、J=7Hz、C17β−H)、及び5.846(s、1H、C4−C H=)ppm。13C NMR(CDCl)δ12.741、13.359、20.645、23.086、25.947、30.131、35.265、35.912、37.415、38.036、42.849、52.022、53.595、82.750、124.200、168.043、及び199.928ppm。MS(EI)m/z(相対強度):302.6(M,)、284.6(M−18、9)、193(26)、175(11)、147(18)、133(24)、123(38)、及び110(100)。C2030について分析計算値 C 79.46,H 9.81、実測値:C 79.42,H,10.00。
【0080】
11β−エチル−17β−ドデシルオキシカルボキシオキシエストラ−4−エン−3−オン(9b、CDB−4722)を以下のように調製した:窒素下で、11β−エチルエストラ−4−エン−17β−オール(7b、0.1g、0.33mmol)の乾燥CHCl(5mL)溶液を氷槽で0℃に冷却した。ピリジン(0.1mL、97.8mg、1.24mmol)に続いてドデシルクロロホルメート(0.2mL、1.84mg、0.74mmol)を添加して、混合液を0℃で約15分間攪拌して、室温まで温めた。反応液を室温で一晩攪拌して、その後、TLC(CHCl中、2%アセトン)により反応の完了が示された。混合液をさらなるCHCl(50mL)で希釈して、水(1×)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×)及び水(1×)で洗浄した。有機画分を無水NaSOでフィルターにかけて、合わせて、真空下で濃縮して、透明な油として0.3gの残渣を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中、2%アセトン)で精製して、94%の収率で、0.16gの、結晶化しない、透明な油を得た。
【0081】
流速1mL/分及びλ=240nmにて、100%CHCNで溶出したWaters Assoc.NovaPak C−18によるHPLC解析により、保持時間(t)が12.37分である、99%純粋な化合物9bが示された。FTIR(ATR)vmax2923、2853、1740、1674及び1526cm−1H NMR(300MHz、CDCl)δ0.882(t、3H、J=6.8Hz、ドデシル CH)、0,956(s、3H、C18−CH)、0.981(t、3H、J=7.4Hz、C11β−CHCH)、4.119(t、2H、J=6.8Hz、ドデシル−OCH−)、4.468(dd、1H、J1=9Hz、J2=7.2Hz、C17α−CH)、及び5.858(s、1H、C4−CH=)。13C NMR(75MHz、CDCl)δ12.818(C11β−CHCH)、14.124(ドデシル−CH)、14.344(C18)、20.743、22.681、23.117、25.693、26.0690、27.288、28.680、29.239、29.339、29.492、29.555、29.621、31.410、31.913、35.019、35.225、36.243、37.624、37.959、38.024、42.675、51.756、53.446、68.022(ドデシル−OCH−)、87.134(C17)、124.426(C4)、155.361(カーボネート C=O)、167.444(C5)及び199.652(C3)ppm。C3354について分析計算値:C 77.04,H 10.51。
【0082】
実施例2
本実施例は、本発明の態様にしたがった化合物の生物活性をいくつか実証する。アンドロゲン活性は、以下のように試験した(Hershberger et al.,Proc.Soc.Exptl.Biol.Med.,83:175−180(1953)参照)。スプラーグドーリー系統の未成熟な雄ラット(およそ21日齢)を、METOFANE(登録商標)麻酔下で睾丸切除して、各々の投与量レベルの試験物質及びビヒクルコントロールについて、10動物ずつの群にランダムに割り振った。動物は標準的な飼育条件下で維持し、食料と水は自由に得ることができた。照明は、14時間の明期と、10時間の暗期に制御した。試験化合物を10%エタノール/胡麻油中に溶解して、外科手術した日に開始して連続した7日間、胃管栄養(経口)又は皮下注射によって毎日投与した。最終投与の24時間後に動物を犠牲にし、前立腺腹葉及び精嚢を切り出して、脂肪及び結合組織を除去して、湿ったフィルターペーパーの上に乗せて、重量を測定すると、0.1mg近くであった。前立腺腹葉は、アンドロゲン刺激に対してより感受性の高い器官であることから、前立腺腹葉の重量を、エンドポイントとして使用した。
【0083】
SUN Microsystems OS 4.1.1にて動作するPROPHETデータマネージメントシステムを使用する、従来の方法により、統計解析を行った(例えば、Bliss,Cl(1952)The Statistics of Bioassay,New York,Academic Press;Hollister,C(1988),Nucleic Acids Research,16:1873−1875を参照)。
【0084】
アンドロゲン活性の持続時間は、以下のように決定した。スプラーグドーリーCD系統の未熟な雄ラット(22日齢)を、METOFANE麻酔下で睾丸切除して、40動物以上ずつの群にランダムに割り振った。動物は標準的な飼育条件下で維持し、食料と水は自由に得ることができた。照明は、14時間の明期と、10時間の暗期に制御した。水性懸濁ビヒクル(ASV)中の0.6mg試験化合物及び/又は油性ビヒクル(10%エタノール/胡麻油、保存料としての5mg/mlのクロロブタノール又はオレイン酸エチルを含む胡麻油)を、外科手術した日に、動物に単回皮下注射した。コントロールはビヒクルのみを注射した。胡麻油中のテストステロンエナンテートを、標準として使用した。試験物質が室温で固体でない、すなわちワックス又は油の場合には、ビヒクルとして10%エタノール/胡麻油又はオレイン酸エチルを使用した。各々の群から5ラットずつを、1週間又は2週間に1度の間隔で犠牲にして、精嚢及び前立腺腹葉を切り出して、付着している脂肪及び結合組織を除去して、重量を測定すると、0.1mg近くであった。前立腺腹葉は、アンドロゲン刺激に対してより感受性の高い器官であることから、前立腺腹葉の重量を、エンドポイントとして使用した。曲線の下の面積(AUC)を、台形法にしたがって計算した。
【0085】
テストステロン及びCDB−1321の血清レベルは、以下のように決定した。アンドロゲン活性の持続時間研究のラットを剖検時に採血して、血液を室温で凝固させることで血清を調製して、次の放射免疫アッセイ用に試料を凍結した。3−カルボキシメチルオキシム−BSA複合体に対してウサギで作成した抗血清を使用し、トレーサーとしてヨウ素化用の対応するヒスタミン複合体を使用する、遊離アルコール7a、11β−ジメチル−19−ノルテストステロン用の放射免疫アッセイを開発した。アッセイは、ラットの血清について確認して、遊離アルコールであるCDB−1321に対して高い特異性を示した。
【0086】
CDB−4718(2a)、4719(2c)、4730(2d)、及び4731(2b)のアンドロゲンアッセイの結果を、図5及び6に示す。各々のデータポイントは、各々の投与量レベルについての前立腺重量の平均(n=10)及び標準誤差(SEM)を示す。効力比及び95%信頼指数を、以下に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
適合させた線:
O CDB−4718:Y=31.31log(x)+41.95
Δ CBD−4719:Y=44.41log(x)+53.7
□ CBD−110B:Y=27.45log(x)+31.77
【0089】
【表2】

【0090】
CDB−4718、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン 17−メチルカーボネート(2a)は、標準であるメチルテストステロンの経口活性の約2.5倍の活性を示したが、胡麻油ビヒクル中で皮下注射すると、テストステロンの10.4〜47.5倍であった。テストステロン及びそのエステルは、経口投与ではほとんど活性がないことから、これらの発見は全く予想外だった。皮下注射後の強い活性も、水性ビヒクル中での単回皮下注射後の活性持続時間が短いことを考えると、驚くべきものであった。皮下の標準であるテストステロンは、予想通りの活性を示した。エンドポイントとして精嚢重量を使用して、どちらの投与経路についても、同様の発見が観察された。
【0091】
CDB−4719、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン 17−デシルカーボネート(2c)は、メチルテストステロンの経口活性の5から9倍の活性を示したが、皮下注射ではテストステロン標準よりも強力ではなかった。一方で、活性持続時間試験ではテストステロンよりもさらに強力であった。
【0092】
CDB−4730、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン 17−ドデシルカーボネート(2d)は、メチルテストステロン標準の経口活性の0.97〜3.82倍を示したが、皮下標準であるテストステロンの効力の5%のみしか示さなかった。しかし、アンドロゲン活性持続時間試験では、さらに強力であった。
【0093】
CDB−4731、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン 17−ヘキシルカーボネート(2b)は、メチルテストステロンの経口活性の1.18〜3.27倍を示したが、皮下標準であるテストステロンの効力の32倍の効力を示した。
【0094】
エステルは消化管での分解及び/又は肝臓による急速な代謝から保護され得るという事実により、強力な経口活性が部分的に説明され得る。ある種のエステル(特にデシルカーボネート)の親油性により、胸部リンパから吸収されるので、門脈系に直接進入して肝臓で「初回通過」代謝されなくてすむ可能性もある。これらのエステルの経口活性は予想できないが、直接的なインビボの生体アッセイにより決定されなければならない。ある範囲の炭素鎖長内において、親油性となんらかの関連がおそらくあるのだろう。
【0095】
標準的なハーシュバーガー試験において、デシルカーボネート及びドデシルカーボネートの強い皮下活性がみられないことは、7日にわたる投与期間に注射部位から薬剤がゆっくりと放出されること(及び代謝の可能性)をおそらく反映している。これは、水性ビヒクル中での非経口投与によって長時間機能する活性を伝達するのにまさに適した特徴である。
【0096】
アンドロゲン活性の持続時間試験の結果を、図7〜8に示す。各々のデータポイントは、各々の期間における前立腺重量の平均(n=5)及び標準誤差(SEM)を示している。図7は、水性微結晶性懸濁液としてジメタンドロロン 17−メチルカーボネート(CDB−4718)及びジメタンドロロン 17−デシルカーボネート(CDB−4719)を0.6及び1.2mg単回皮下注射した後、14週間にわたる、週間隔での前立腺腹葉重量を示す。図8において、標準として、水性懸濁液中のテストステロンウンデカノエート及び胡麻油中のテストステロンエナンテートのヒストリカルデータと共に、1.2mg投与量群のデータを示す。テストステロンウンデカノエート及びテストステロンエナンテートはどちらも、市販されている。水性懸濁ビヒクル中のCDB−4719(2c)は、もっとも劇的な前立腺腹葉重量の増加及び維持を示し、14週の観察期間の曲線下面積(AUC)による維持は、2764mg×週であると計算された。これは、市販製剤の胡麻油中のテストステロンエナンテート(AUC=760)よりも3倍より大きく、テストステロンウンデカノエート(AUC=494)よりも5倍より大きい。
【0097】
CDB−4731(2b)、ヘキシルカーボネートではなく、CDB−4730(2d)、ドデシルカーボネートは、同様の長時間機能する活性を示した。CDB−4719(2c)及び4730(2d)は、微結晶性水性懸濁液として投与した後に注射部位に留まり、デポを形成して、ここから薬剤がゆっくりと漏出する。組織特異的なアンドロゲン受容体に結合して、転写及び薬理学的な活性が開始する前に、対応する遊離アルコールへの加水分解がおそらく起こるであろう。
【0098】
図9は、水性懸濁ビヒクル中のCDB−4718(2a、白丸、0.6mg;黒丸、1.2mg)、CDB−4719(2c、白四角、0.6mg;黒四角、1.2mg)の1.2mgの、去勢スプラーグドーリーラットへの単回皮下注射の後の、ジメタンドロロン及び免疫反応性代謝物の血清濃度を図示する(n=5)。AUC(曲線下面積、mg×週)は以下の通りであった:白丸、2848;黒丸、3336;白四角、4151;及び黒四角、6010。「F」は、AUCが1590mg×週である、水性コントロールビヒクルである。
【0099】
剖検時に採取したラットの血清試料は、特異性の高い放射免疫アッセイにより測定される遊離アルコールの存在を示し、これは14週の観察期間で経時的に減少した(図10A−B)。遊離アルコールそのものは、最初の3週間の間、検出限界である63pg/mlをわずかに超える血清レベルを生じた。
【0100】
図11は、CDB−4757、11β−メチル−19−ノルテストステロン 17β−デシルカーボネート投与量の関数として、アンドロゲン活性(前立腺腹葉重量)を示す。CDB−4756(ジメタンドロロンデカノエート)及びCDB−110B(メチルテストステロン標準)のアンドロゲン活性もまた示す。効力比及び95%信頼指数を以下に示す。
【0101】
【表3】

【0102】
図12は、週0に水性懸濁ビヒクル中で皮下注射により単回投与量投与した後の、8週間にわたるCDB−4719(2c)及び4730(2d)のアンドロゲン活性の持続時間を示す。
【0103】
図13は、週0に皮下注射により単回投与量投与した後の、14週間にわたるCDB−4754(8a)及び4750A(4c?)のアンドロゲン活性の持続時間を示す。AUC(mg×週)は以下の通りであった:CDB−4754、0.6mg、564;CDB−4754、1.2mg、974;CDB−4750A、0.6mg、326;及びCDB−4750A、1.2mg、759。
【0104】
本発明のカーボネートは、態様においては、長期間にわたり哺乳動物において、黄体形成ホルモンを抑制するために使用され得る。これは図14に例示され、この図は本発明のカーボネートの投与を停止した後でさえも、数週間の間、ホルモンの血清レベルが抑制されたままであることを示す。CDB−4719A(ジメタンドロロン 17β−デシルカーボネート)を、去勢雄ラットに毎日12mg/kgの経口投与量で投与して、CDB−4521C(ジメタンドロロン 17β−ウンデカノエート)を、0〜13日目に、10%エタノール/胡麻油中にて投与した。薬剤を投与している間、ホルモンの血清レベルはどちらの動物群においても抑制されたままであった。薬剤の投与をやめると、予想通りにホルモンレベルは元に戻り、エステル薬剤で処理する前のレベル(−1又は0週)を超えて増加した。しかし、カーボネートについては、予想外で驚くべきことに、ホルモンレベルは数週間抑制されたままであった。この観察は、例えば、黄体形成ホルモンの抑制維持又はホルモン置換療法を得ることにおいて、有利な臨床的関連を有し得る。さらに、これは、ホルモンレベルを抑制する際に、本発明のカーボネートの錠剤又はカプセルのような、経口組成物を使用した容易な治療を提供することによる利点を有し得る。このような治療は、エステル薬剤のような薬剤の非経口投与(例えば皮下)を含む治療に比較して有利であり得る。患者のコンプライアンスは、注射よりも経口製剤のほうが良い。
【0105】
図15は、CDB−4719A(ジメタンドロロン 17β−デシルカーボネート)及びCDB−4521C(ジメタンドロロン 17β−ウンデカノエート)の比較を提供する。0日に水性懸濁ビヒクル中で皮下注射にて、去勢雄ラットに、化合物の単回投与量(12mg/kg)を、投与した。血清のrLH濃度を22週間以上モニターした。投与後16週までは、血清レベルは抑制されたままであった。ウンデカノエートについては、16週後血清ホルモンレベルは上昇したが、カーボネートについては、16週が過ぎても血清ホルモンレベルはそのままであった。血清レベルは、22週でさえも、抑制されたままであった。
【0106】
別の実験において、水性懸濁ビヒクル中のCDB−4730(ジメタンドロロン 17β−ドデシルカーボネート)の単回皮下投与量の投与後に、CDB−1321(ジメタンドロロン)及び免疫反応性代謝物の血清レベルをモニターした。図16は、予想通り、時間とともにジメタンドロロン及び免疫反応性代謝物の血清レベルが減少することを示す。
【0107】
本願中に引用した、刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての引用文献は、あたかも各引用文献が個々に具体的に参照によって取り込まれて、その全体が本願中で説明されているのと同じ程度まで、参照によって取り込まれている。
【0108】
本発明を記載する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)、用語「ひとつの(a)」、及び「ひとつの(an)」及び「その(the)」及び同様の指示対象の使用は、本願中で違うように示されるか、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するように解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含む(containing)」は、違うように言及されない限り、オープン・エンドな用語(すなわち、「含むが、限定されない」という意味)として解釈されるべきである。本願中の値の範囲の列挙は、本願中に違うように示されていない限り、範囲内の個々の異なる値に対してそれぞれ言及する速記的方法としての役割を意図されているのみであり、個々の異なる値は、あたかもそれぞれが本願中に列挙されるかのように、本明細書中に取り込まれている。本願中に提供された全ての方法は、本願中で違うように示されるか、又は文脈と明らかに矛盾していない限り、任意の適切な順序において、遂行されうる。本願中に提供された任意及び全ての例、又は例示的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明を単により明らかにすることを意図されているものであり、違うように特許請求されていない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の用語は、任意の特許請求していない要素を本発明の実施に必須なものとして示すとして解釈すべきではない。
【0109】
本発明の好ましい態様が、本願中に記載され、本発明を遂行するために発明者らが知っている最良の形態を含む。それらの好ましい態様の変形は、前記の記載を読めば、当業者に明らかであろう。発明者らは、当業者がこのような変形を必要に応じて使用することを予期しており、発明者らは本願中に具体的に記載されているものとは違うように本発明が遂行されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容される限り、本明細書に添えた特許請求の範囲に列挙された事柄の全ての改変及び均等物を含む。さらに、これら全ての可能な変形において、本願中に違うように示されない、又は文脈と明らかに矛盾していない限り、先に記載した要素の任意の組み合わせが、本発明に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、本発明の態様にしたがう、ジメタンドロロンカーボネート2a〜2dを調製するための反応スキームを図示する。化合物1は、ジメタンドロロンである。
【図2】図2は、本発明の態様にしたがう、ジメタンドロロンカーボネート4a〜4cを調製するための反応スキームを図示する。化合物3は、Δ14−ジメタンドロロンである。
【図3】図3は、本発明の態様にしたがう、ナンドロロンカーボネート8a〜8b及び9a〜9bを調製するための反応スキームを図示する。
【図4】図4は、本発明の態様にしたがう、ナンドロロンカーボネート11a〜11c及び12a〜12cを調製するための反応スキームを図示する。
【図5】図5は、本発明の態様にしたがう、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの10%エタノール/胡麻油中での経口投与後の、CDB−4730(2d、白丸)、CDB−4731(2b、白四角)、CDB−4718(2a、黒丸)、及びCDB−4719(2c、黒四角)化合物のハーシュバーガー試験におけるアンドロゲン活性を図示する。CDB−110B(メチルテストステロン標準):白三角、CDB−4730及びCDB−4731に対する標準、並びに黒三角、CDB−4718及びCDB−4719に対する標準。‘A’は、CDB−4730及び4731に対するビヒクルコントロールである。‘B’は、CDB−4718及び4719に対するビヒクルコントロールである。
【図6】図6は、本発明の態様にしたがう、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの水性懸濁ビヒクル中の化合物の皮下注射後の、CDB−4718(2d、黒丸)、CDB−4719(2c、黒四角)、CDB−4730(2d、白丸)、及びCDB−4731(2b、白四角)化合物のハーシュバーガー試験におけるアンドロゲン活性を図示する。CDB−111C(テストステロン標準):黒三角CDB−4718、4730及び4731に対する標準;並びに白三角CDB−4719に対する標準。‘C’は、平均的なビヒクルコントロールである。
【図7】図7は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの化合物の単回皮下注射後の、CDB−4718(2a、白丸、0.6mg;黒丸、1.2mg)及びCDB−4719(2c、白四角、0.6mg;黒四角、1.2mg)のアンドロゲン活性の持続時間を時間の関数として図示する。AUC(mg×週)は、以下の通りであった:白丸、581;黒丸、789;白四角、1417;及び黒四角、2764。‘D’は、AUCが126mg×週のビヒクルコントロールである。
【図8】図8は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの水性懸濁ビヒクル中の化合物1.2mgの単回皮下注射後の、CDB−4718(2a、黒ひし形)、CDB−4719(2c、黒丸)のアンドロゲン活性の持続時間を図示する。CDB−3122E(テストステロンウンデカノエート、白丸)及びCDB−112(胡麻油中のテストステロンエナンテート、白三角)も、1.2mgにて試験して、比較用に示す。AUC(mg×週)は、以下の通りであった:白丸、494;白三角、760;黒ひし形、789;及び黒丸、2764。‘E’は、AUCが126mg×週の水性ビヒクルコントロールである。
【図9】図9は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの、水性懸濁ビヒクル中の1.2mgのCDB−4718(2a、白丸、0.6mg;黒丸、1.2mg)、CDB−4719(2c、白四角、0.6mg;黒四角、1.2mg)を単回皮下注射後の、ジメタンドロロン及び免疫反応性代謝物の血清濃度を図示する(n=5)。AUC(mg×週)は、以下の通りであった:白丸、2848;黒丸、3336;白四角、4151;及び黒四角、6010。‘F’は、AUCが1590mg×週の水性ビヒクルコントロールである。
【図10A】図10Aは、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの、水性結晶懸濁液としてのCDB−4730(2d)の単回皮下注射後、14週間にわたる、ジメタンドロロン及び免疫反応性代謝物及び黄体形成ホルモン(rLH)の血清濃度を図示する。白丸、ジメタンドロロン及び免疫反応性代謝物、左側のY軸に対する;白三角は、rLHの血清レベルを示し、右側のY軸に対する。点線‘F’は、rLHについてのビヒクルコントロールを示す。rLH及びジメタンドロロンの検出限界は、0.18ng/mlであった;n=5。
【図10B】図10Bは、14週間にわたるアンドロゲン活性を図示する。
【図11】図11は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの、10%エタノール/胡麻油中の化合物の経口投与後の、CDB−4757(8b、白三角)のアンドロゲン活性を図示する。白丸はジメタンドロロンデカノエートを表し、白三角はメチルテストステロン標準を表す。‘G’は、ビヒクルコントロールである。
【図12】図12は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの、0週で水性懸濁ビヒクルにて皮下注射によって単回投与量(1.2mg)投与した後の、8週にわたるCDB−4719(2c)及び4730(2d)のアンドロゲン活性の持続時間を示す。三角は、ビヒクルコントロール(水性懸濁ビヒクル)を表す。
【図13】図13は、去勢スプラーグドーリー雄ラットへの、0週で水性懸濁ビヒクルにて皮下注射によって単回投与量(0.6mg又は1.2mg)投与した後の、14週にわたるCDB−4754(8a)及び4750A(4c)、Δ14−ジメタンドロロン−17β−アダマンチルカーボネート)のアンドロゲン活性の持続時間を示す。黒丸はCDB−4754、1.2mgを表す。黒四角はCDB−4750A、1.2mgを表す。白丸はCDB−4754、0.6mgを示す。白四角はCDB−4750A、0.6mgを表す。白三角は、水性懸濁ビヒクルコントロールを表す。AUC(mg×週)は以下の通りであった:CDB−4754 0.6mg、564;CDB−4754 1.2mg、974;CDB−4750A、0.6mg 326;及びCDB−4750A、1.2mg、759。
【図14】図14は、動物群2及び4について、時間の関数としてrLHの血清レベルを図示する。0〜13日目に、10%エタノール/胡麻油中のCDB−4719A(ジメタンドロロン 17β−デシルカーボネート、黒丸、群2)又はCDB−4521C(ジメタンドロロン 17β−ウンデカノエート、白三角、群4)の1日12mg/kgの経口投与量を14回与えた後に、血清rLHを去勢した雄ラット由来の血液にて測定した。−1週から6週のサンプル、又は7週から9週のサンプル及び繰り返しを、[I125]−rLHを使用したMEL−480AD又は[I125]−rLHを使用したMEL−480AE、AGプロトコールに記載されたようにアッセイした。点線として示した検出限界又はEC90は、チューブあたり血清200μlに基づいて、第1アッセイにおいては0.13、0.14又は0.16、アッセイの第2シリーズにおいては0.17、0.22又は0.21ng/mlの平均値であった。
【図15】図15は、動物群1及び3について、時間の関数としてrLHの血清レベルを図示する。0日目に、水性懸濁ビヒクル中のCDB−4719A(ジメタンドロロン 17β−デシルカーボネート、黒丸、群1)又はCDB−4521C(ジメタンドロロン 17β−ウンデカノエート、白三角、群3)を単回12mg/kg皮下注射した後に、血清rLHを、去勢した雄ラット由来の血液にて測定した。−1週から6週のサンプル、又は7週から22週のサンプル及び繰り返しを、[I125]−rLHを使用したMEL−480AD又は[I125]−rLHを使用したMEL−480AE、AG、AHプロトコールに記載されたようにアッセイした。点線として示した検出限界又はEC90は、チューブあたり血清200μlに基づいて、第1アッセイにおいては0.13、0.14又は0.16、アッセイの第2シリーズにおいては0.17、0.22又は0.21ng/mlの平均値であった。
【図16】図16は、水性懸濁ビヒクル中のCDB−4730(ジメタンドロロン 17β−ドデシルカーボネート)をラットあたり0.6(黒丸)又は1.2mg(白三角)の単回皮下投与量与えられた去勢した未成熟雄ラット由来のジメタンドロロン(CDB−1321)及び免疫反応性代謝物の血清レベルを図示する。点線で示した検出限界は、1週及び14週由来のビヒクルコントロールサンプル(n=10)の平均±3SDから計算した82.0pg/ml(チューブあたり血清100μl)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(式中、Rは、1個以上のC−Cシクロアルキル基でさらに置換されていてもよいC−C30アルキルであるか、あるいは1個以上のC−C30アルキル基で置換されていてもよいC−C12シクロアルキルであり;R’は水素又は低級アルキルであり;R”はC−C30アルキル又はハロであり;かつC14とC15との間の結合は単結合又は二重結合であり得る)。
【請求項2】
R’がメチル又はエチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R”がC−C30アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R”がC−Cアルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R”がメチル又はエチルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
RがC−C30アルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
RがC−C18アルキルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
RがC−C12アルキルである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
C14とC15との間の結合が単結合である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
R’が水素である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、及び11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R”がハロゲンである、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項13】
11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、及び11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−メチル,11β−エチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、及び7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネートからなる群から選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項15】
7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−エチル,11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α,11β−ジエチル−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、11β−メチル−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネート、及び7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項16】
R’がメチル又は水素であり、R”がハロゲンである、請求項9に記載の化合物。
【請求項17】
7α−メチル,11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、7α−メチル,11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、7α−メチル,11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネート、及び7α−メチル,11β−クロロ−19−ノルテストステロン−17−ドデシルカーボネート、及び11β−フルオロ−19−ノルテストステロン−17−(トランス−4−n−ブチルシクロヘキシル)カーボネートからなる群から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Rがデシル又はドデシルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項19】
R”がメチル又はエチルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項20】
R”がハロゲンである、請求項9に記載の化合物。
【請求項21】
R”がクロロ又はフルオロである、請求項9に記載の化合物。
【請求項22】
RがC−C12シクロアルキルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
シクロアルキルがトリシクロアルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
トリシクロアルキルがC10トリシクロアルキルである、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
C14とC15との間の結合が二重結合である、請求項1〜8のいずれか1項又は請求項22〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
7α,11β−ジメチル−14−デヒドロ−19−ノルテストステロン−17−アダマンチルカーボネートである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
RがC−C18アルキルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
RがC−C12アルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Rがメチルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
Rがデシルである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物及び医薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項32】
経口投与に適している、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
非経口投与に適している、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項34】
組成物が経口投与に適している、請求項11に記載の化合物及び医薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項35】
化合物が7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネートである、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
皮下注射に適している、請求項11に記載の化合物及び医薬上許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項37】
化合物が7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−メチルカーボネート又は7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−ヘキシルカーボネートである、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
組成物が皮下注射に適している、請求項11に記載の化合物の水性結晶懸濁液を含む、医薬組成物。
【請求項39】
化合物が7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネートである、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、性腺機能低下症の男性患者を治療する方法。
【請求項41】
性腺機能低下症が、低ゴナドトロピン性類宦官症、妊性宦官症候群、思春期前汎下垂体機能低下症、及び思春期後下垂体不全、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、性腺機能亢進症の男性患者を治療する方法。
【請求項43】
性腺機能亢進症が、クラインフェルター症候群、ライフェンスタイン症候群、機能性思春期前性腺摘除症候群、男性「ターナー症候群」、セルトリ細胞遺残、成人精細管不全、及び成人ライディッヒ細胞不全、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、患者にホルモン療法を提供する方法。
【請求項45】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量男性に投与することを含む、男性に避妊薬を提供する方法。
【請求項46】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、骨粗鬆症患者の治療方法。
【請求項47】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、貧血症患者の治療方法。
【請求項48】
請求項1〜30のいずれか1項に記載の化合物を有効量投与することを含む、タンパク同化薬が必要な患者の治療方法。
【請求項49】
タンパク同化薬が必要な患者が、筋萎縮症に罹患している、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
筋萎縮症がAIDSである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
患者が低筋量を有する、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
患者が癌に罹患している、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
7α,11β−ジメチル−19−ノルテストステロン−17−デシルカーボネートの有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物中の黄体形成ホルモンの放出を抑制する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2008−530007(P2008−530007A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554134(P2007−554134)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/002436
【国際公開番号】WO2006/083618
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(304048296)アメリカ合衆国 (18)
【Fターム(参考)】