説明

ナースコールシステムとそのナースコール親機

【課題】呼出確認の誤認識を防止すると共に、無線区間における無線干渉の発生及びトラフィックの増加を抑制して信頼性のさらなる向上を図る。
【解決手段】ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から送信された呼出データが複数の通信経路を介してナースコール親機NCに伝送された場合に、ナースコール親機NCにおいて、上記複数の通信経路の中から伝送品質がしきい値以上でかつ優先順位が最も高い通信経路を選択する。そして、上記呼出データに対する呼出確認データを、上記選択された通信経路を逆に経由して呼出元のワイヤレス呼出ボタンT11〜T22に向け返送するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤレス呼出ボタンを備えるナースコールシステムとそのナースコール親機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナースコールシステムは、各病室又は病床に呼出ボタンを有するナースコール子機をそれぞれ設置すると共に、ナースセンタにナースコール親機を設置している。そして、患者が呼出ボタンを操作した場合に、呼出子機からナースコール親機へ呼出信号を送信し、ナースコール親機において鳴音を発生すると共にアイコン等を表示することにより呼び出しの発生を報知する。また、看護師が携帯端末を所持している場合には、ナースコール親機から交換機を介して上記携帯端末へ呼出信号を転送し、これにより呼び出しの発生を看護師に直接報知するように構成されている。
【0003】
このようなシステムであれば、看護師はナースセンタにいてもまた巡回中においても呼び出しの発生を知ることができ、大変便利であると共に迅速な対応が可能となる。しかしこの種のシステムは、ナースコール子機を構成する子機本体と呼出ボタンとがコードにより接続されていることから、操作性に難点があり、患者にとっては必ずしも使いやすいものではない。また、ベッドの移動時や患者の誤用により呼出ボタンが子機本体から外れてしまったり、呼出ボタンの過度の引っ張りによるコードの断線や子機本体の破損を生じることもあり、信頼性の点でも問題がある。
【0004】
そこで、呼出ボタンのワイヤレス化が提案されている。例えば、呼出ボタン及び子機本体にそれぞれ無線回路を設けると共にIDコードを割り当てる。そして、呼出ボタンの操作に応じて当該呼出ボタンからIDコードにより変調された呼出電波を送信し、この呼出電波を子機本体で受信復調してそのIDコードを子機本体のIDコードと照合する。そして、両IDコードが一致した場合に、子機本体から呼出ボタンに対し確認電波を返送すると共に、ナースコール親機へ呼出信号を送信する。確認電波が受信されると呼出ボタンでは、IDコードの照合が行われたのち呼出確認灯が点灯される。
【0005】
また、上記子機本体に加えて廊下灯及び増設アダプタにも無線回路と上記呼出ボタンのIDコードを持たせ、呼出ボタンからの呼出電波を廊下灯及び増設アダプタにおいても受信可能とする。このような構成であれば、コードが無くなるので呼出ボタンの操作性及び信頼性の向上が期待できる。また、子機本体ばかりでなく廊下灯及び増設アダプタでも呼出電波を受信できるので、患者が子機本体から離れた場所で呼出操作を行ったときでも、この呼び出しをナースコール親機へ転送することが可能となる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−282596公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、このような従来提案されているシステムには以下のような改善すべき課題があった。すなわち、子機本体、廊下灯及び増設アダプタは、呼出ボタンからの呼出電波を受信しIDコードが一致すると、ナースコール親機の応答の有無を確認せずにそのまま呼出ボタンへ確認電波を返送するようにしている。確認電波が受信されると呼出ボタンでは呼出確認灯が点灯される。このため、例えば子機本体、廊下灯及び増設アダプタとナースコール親機との間の回線障害等により呼出信号がナースコール親機に伝送されなかった場合に、患者は看護師が呼び出しを確認したものと誤認識してしまう心配がある。
【0008】
また、子機本体に加え、廊下灯及び増設アダプタにおいても呼出電波を受信できるようにしている。このため、呼出ボタンから送信された呼出電波が子機本体、廊下灯及び増設アダプタで同時に受信されると、同一の複数の呼出信号がナースコール親機へ伝送されることになる。この場合ナースコール親機は、呼出応答信号を上記送信元の子機本体、廊下灯及び増設アダプタにそれぞれ返送してしまうため、呼出ボタンへは子機本体、廊下灯及び増設アダプタからそれぞれ呼出応答信号が送信されることになり、この結果無線区間において無線干渉の発生や無線トラフィックの増加が発生する。
【0009】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、呼出確認の誤認識を防止すると共に、無線区間における無線干渉の発生及びトラフィックの増加を抑制して信頼性のさらなる向上を図ったナースコールシステムとそのナースコール親機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためにこの発明は、ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が上記複数の中継器により受信されてこれらの中継器からナースコール親機にそれぞれ伝送される場合、つまり呼出元が同一の呼出信号が複数の通信経路を介してナースコール親機にそれぞれ伝送される場合において、ナースコール親機に、上記複数の中継器(通信経路)に対し与えられた優先順位を記憶する手段と、返送のための中継器(通信経路)を選択する手段と、返送手段とを備える。そして、ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が上記複数の中継器(通信経路)を介して受信された場合に、これらの中継器(通信経路)の中から上記記憶された優先順位が最も高い中継器(通信経路)を選択し、上記受信された呼出信号に応答するための呼出確認信号を上記選択された中継器(通信経路)を介して上記送信元のワイヤレス呼出ボタンに向け返送するようにしたものである。
【0011】
したがってこの発明によれば、呼出確認信号は中継器からそのまま返送されることはなく、必ずナースコール親機から返送される。このため、子機本体や廊下灯、増設アダプタ等の中継器とナースコール親機との間で回線障害等が発生した場合には呼出確認信号は返送されず、患者は看護師が呼び出しを確認したものと誤認識する心配はない。
【0012】
また、ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が複数の中継器で受信されてそれぞれナースコール親機に伝送されたとしても、ナースコール親機において優先順位の最も高い中継器(通信経路)が選択されて、この選択された中継器(通信経路)を介して呼出確認信号が返送される。このため、複数の中継器とワイヤレス呼出ボタンとの間の無線区間において、無線干渉の発生は防止され、またトラフィックも抑制される。
なお、上記中継器(通信経路)に対する優先順位は、呼出ボタンの定常位置から近い順に高くなるように設定するとよい。このようにすると、無線品質の良い通信経路を使用する確率を高くすることができる。
【0013】
またこの発明は、ナースコール親機において、ワイヤレス呼出ボタンから伝送される呼出信号の受信履歴を記憶する。そして、記憶された受信履歴に基づいて複数の通信経路の利用頻度をそれぞれ計算し、この利用頻度に基づいて上記複数の通信経路に対し与えられる優先順位を更新する手段を備えることも特徴とする。
このように構成すると、複数の通信経路に対する選択優先順位がその利用頻度に応じて適応的に可変設定される。例えば、利用頻度の高い通信経路が優先的に選択されるように優先順位が設定される。一般に、利用頻度の高い通信経路(中継器)ほどワイヤレス呼出ボタンとの距離が近い経路である。このため、上記したように利用頻度の高い通信経路を優先的に選択することにより、呼出確認信号をより確実に返送することができる。
【0014】
さらにこの発明は、ナースコール親機において、ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が複数の通信経路を介して受信された場合に、これらの呼出信号をもとに上記複数の通信経路の伝送品質を推定し、この推定された伝送品質をもとに上記伝送品質が一定値以上の通信経路を先ず選択する。そして、この選択された伝送品質が一定値以上の通信経路の中から、上記記憶された優先順位が最も高い通信経路を選択することも特徴とする。
このようにすると、呼出信号が複数の通信経路を介して受信された場合に、先ず伝送品質が一定値以上の通信経路が選択され、この選択された通信経路の中で優先順位が最も高い通信経路が選択される。このため、優先順位が最も高い通信経路が無条件に選択される場合に比べ、呼出確認信号を伝送誤り等を生じることなく高品質に返送することができる。
【0015】
なお、呼出信号が伝送された通信経路の伝送品質がいずれも一定値に満たない場合には、優先順位を参照せずに、上記通信経路のうち最も伝送品質が良好な通信経路を選択し、この通信経路を介して呼出確認信号を返送する。このようにすると、伝送品質が劣化している条件下においても、その中で最良の伝送条件のもとで呼出確認信号を返送することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
要するにこの発明では、ナースコール親機において、ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が複数の中継器(通信経路)を介して受信された場合に、これらの中継器(通信経路)の中から予め設定された優先順位が最も高い中継器(通信経路)を選択し、呼出確認信号を上記選択された中継器(通信経路)を介して上記送信元のワイヤレス呼出ボタンに向け返送するようにしている。
【0017】
したがってこの発明によれば、呼出確認の誤認識を防止すると共に、無線区間における無線干渉の発生及びトラフィックの増加を抑制して信頼性のさらなる向上を図ったナースコールシステムとそのナースコール親機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
図1は、この発明に係わるナースコールシステムの一実施形態を示す概略構成図である。このシステムは、ナースセンタに設置されるナースコール親機NCと、病室ごとに設置される複数の病室ユニットR1,R2と、各病室の入り口に設置される複数の廊下灯F1,F2とを備える。
【0019】
病室ユニットR1,R2は、病床に対応付けて設けられる複数のナースコール子機を備える。これらのナースコール子機はそれぞれ、子機本体P11〜P22と、この子機本体P11〜P22に対し無線チャネルを介して接続されるワイヤレス呼出ボタンT11〜T22とから構成される。子機本体P11〜P22はそれぞれ、子機線路E1,E2を介して対応する上記廊下灯F1,F2に接続される。廊下灯F1,F2は、廊下灯線路Lを介してナースコール親機NCに接続される。
【0020】
また、このシステムは増設アダプタADを備える。この増設アダプタADは共用部等に設置されるもので、上記廊下灯F1,F2と同様に廊下灯線路Lを介してナースコール親機NCに接続される。
ナースコール親機NCは、図示しない構内交換機を介して公衆ネットワークNWに接続されると共に、上記構内交換機を介して看護師が所持する携帯端末に接続可能となっている。また、ナースコール親機NCは院内に敷設されたLAN(Local Area Network)にも接続され、このLANを介して看護支援サーバSVや、プリンタPR等のオフィス機器に接続可能となっている。
【0021】
ところで、上記ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22は次のように構成される。図2はその構成を示すブロック図である。すなわち、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22は、例えばマイクロコンピュータからなる制御回路10と、押しボタンスイッチ20と、IDコードメモリ14とを備える。IDコードメモリ14には、当該ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22に割り当てられた固有識別コード(以後IDコードと称する)が記憶されている。
【0022】
押しボタンスイッチ20が押下されると、制御回路10がIDコードメモリ14からIDコードを読み出して送信回路(TX)15に与える。送信回路15は、上記IDコードにより搬送波を変調する。そして、この変調された搬送波を無線呼出信号としてアンテナ共用器(DUP)12を介してアンテナ11から送信する。
【0023】
一方、子機本体P11〜P22、廊下灯F1,F2及び増設アダプタADから無線呼出確認信号が送信されると、この無線呼出確認信号はアンテナ11で受信されたのちアンテナ共用器12を介して受信回路(RX)13に入力される。受信回路13は、上記入力された無線呼出確認信号を復調してIDコードを再生し、この再生された受信IDコードを制御回路10に入力する。制御回路10は、上記入力された受信IDコードをIDコードメモリ14に記憶された自己のIDコードと照合し、両IDコードが一致すると呼出確認灯16を一定期間点滅させる。
【0024】
また、ナースコール親機NCから呼出応答操作に伴う応答データが送信され、この応答データが上記子機本体P11〜P22、廊下灯F1,F2及び増設アダプタADのいずれかを経由して受信されると、制御回路10は上記応答データに含まれるIDコードを自己のIDコードと照合する。そして、両IDコードが一致すると、ナースコール親機NCとワイヤレス呼出ボタンT11〜T22との間に通話リンクを形成すると共に、スピーカ17及びマイクロホン18を駆動し、これによりナースコール親機NCと呼出元の患者との間で通話を可能にする。
【0025】
なお、21はバッテリ、22は上記バッテリ21の出力電圧をもとに動作電圧Vccを生成する電源回路である。また、制御回路10は上記動作電圧Vccの電圧監視機能を備えており、動作電圧Vccがしきい値未満に低下すると、ブザー19から低電圧警報音を発生させる。
【0026】
一方、廊下灯F1,F2及び子機本体P11〜P22は次のように構成される。図3はその構成を示すブロック図である。
先ず廊下灯F1,F2は、マイクロコンピュータからなる制御回路30と、IDコードメモリ34を備える。IDコードメモリ34には、当該廊下灯F1,F2に対応する病室ユニットR1,R2に属するワイヤレス呼出ボタンのすべてのIDコードが記憶されている。
【0027】
ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から無線呼出信号が送信されると、この無線呼出信号はアンテナ31で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)32を介して受信回路(RX)33に入力される。受信回路33は、上記入力された無線呼出信号を復調してIDコードを再生し、この再生された受信IDコードを制御回路30に入力する。制御回路30は、上記入力された受信IDコードを上記IDコードメモリ34に記憶された各IDコードと照合する。そして、受信IDコードが上記記憶されたIDコードのいずれかと一致すると、上記受信IDコード及び当該廊下灯の識別コードを含む呼出データを生成し、この生成された呼出データをインタフェース回路(I/F)39からナースコール親機NCへ向け送信する。
【0028】
これに対しナースコール親機NCから呼出確認データが返送されると、この呼出確認データはインタフェース回路39を介して制御回路30に取り込まれる。制御回路30は、上記取り込んだ呼出確認データから返送先のワイヤレス呼出ボタンのIDコードを抽出し、この抽出したIDコードをIDコードメモリ34に記憶されているIDコードと照合する。その結果、抽出したIDコードが記憶されているIDコードのいずれかと一致すると、呼出確認灯36を点滅させると共に、上記抽出したIDコードを送信回路35へ出力する。送信回路35は、上記IDコードにより搬送波を変調し、この変調された搬送波を無線呼出確認信号としてアンテナ31からワイヤレス呼出ボタンに向け送信する。
【0029】
また、ナースコール親機NCから呼出応答操作に伴う応答データが送信されると、制御回路30は上記応答データに含まれるIDコードを自己のIDコードと照合する。この結果、受信されたIDコードが記憶されているIDコードのいずれかと一致すると、インタフェース回路39によりナースコール親機NCとの間に通話リンクを形成すると共に、スピーカ37及びマイクロホン38を駆動し、これによりナースコール親機NCと当該廊下灯F1,F2との間で通話を可能にする。
【0030】
子機本体P11〜P22も、上記廊下灯F1,F2と同様にマイクロコンピュータからなる制御回路40と、IDコードメモリ44とを備える。IDコードメモリ44には、当該子機本体P11〜P22に対応するワイヤレス呼出ボタンのIDコードが記憶されている。
【0031】
ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から無線呼出信号が送信されると、この無線呼出信号はアンテナ41で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)42を介して受信回路(RX)43に入力されここで復調される。制御回路40は、上記復調により再生された受信IDコードを、上記IDコードメモリ44に記憶された各IDコードと照合する。そして、両IDコードが一致すると、上記受信IDコード及び当該子機本体の識別コードを含む呼出データを生成する。そして、この生成された呼出データを子機線路E1,E2を介して上記廊下灯F1,F2のインタフェース回路39に送り、このインタフェース回路39からナースコール親機NCへ送信させる。
【0032】
これに対しナースコール親機NCから呼出確認データが返送されると、この呼出確認データは廊下灯F1,F2のインタフェース回路39を介して制御回路40に取り込まれる。制御回路40は、上記取り込んだ呼出確認データから返送先のワイヤレス呼出ボタンのIDコードを抽出し、この抽出したIDコードをIDコードメモリ44に記憶されているIDコードと照合する。その結果、抽出したIDコードが記憶されているIDコードと一致すると、呼出確認灯46を点滅させる。またそれと共に、上記抽出したIDコードを送信回路45へ出力する。送信回路45は、上記IDコードにより搬送波を変調し、この変調された搬送波を無線呼出確認信号としてアンテナ41からワイヤレス呼出ボタンに向け送信する。
【0033】
また、ナースコール親機NCから呼出応答操作に伴う応答データが送信されると、制御回路40は上記応答データに含まれるIDコードを自己のIDコードと照合する。この結果、受信されたIDコードが記憶されているIDコードと一致すると、廊下灯F1,F2のインタフェース回路39によりナースコール親機NCとの間に通話リンクを形成すると共に、スピーカ47及びマイクロホン48を駆動し、これによりナースコール親機NCと当該子機本体P11〜P22との間で通話を可能にする。
【0034】
なお、増設アダプタADも上記廊下灯F1,F2と同一の構成を備えるが、IDコードメモリにすべてのワイヤレス呼出ボタンのIDコードが記憶されている点が異なる。すなわち、増設アダプタADは院内のすべてのワイヤレス呼出ボタンから送信される無線呼出信号の受信と、すべてのワイヤレス呼出ボタンに対する無線呼出確認信号の送信が可能である。
【0035】
次に、ナースコール親機NCは次のように構成される。図4はその構成を示すブロック図である。すなわち、ナースコール親機NCは、制御部として例えばマイクロコンピュータを使用する中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)50を備える。このCPU50には、プログラムメモリ51及びデータメモリ52が接続されており、さらに通信インタフェース53,54と、LANインタフェース55と、通話インタフェース56と、入出力インタフェース57がそれぞれ接続されている。
【0036】
このうち通信インタフェース53は、CPU50の制御の下、上記廊下灯F1,F2、増設アダプタAD及び各病室ユニットR1,R2との間で通話データ及び各種制御データの送受信を行う。同様に通信インタフェース54は、CPU50の制御の下、公衆ネットワークNWとの間で通信データの送受信を行う。LANインタフェース55は、CPU50の制御の下、LANに接続された看護支援サーバSVや各種オフィス機器PRとの間でデータの送受信を行う。
【0037】
通話インタフェース56には、看護師が患者との間で通話を行うために使用するマイクロホン59及びスピーカ58が接続されている。通話インタフェース56は、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22、子機本体P11〜P22、廊下灯F1,F2及び増設アダプタADとの間に通話リンクが形成された状態で、マイクロホン59から出力された看護師の送話信号を符号化してCPU50へ出力すると共に、CPU50から出力された受話データを復号して受話信号を再生し、この受話信号をスピーカ58から拡声出力する。またスピーカ58は、患者から呼び出しが発生した時に鳴音やメロディを出力する際にも使用される。
【0038】
入出力インタフェース57には、タッチパネル/表示器60が接続される。タッチパネル/表示器60は、例えばLCD表示器の表示画面上に透明感圧シートを貼付したもので、情報の表示機能と入力機能とを併せ持っている。入出力インタフェース57は、CPU50から供給された表示情報を上記タッチパネル/表示器60に表示すると共に、タッチパネル/表示器60において入力された操作情報をCPU50に供給する。
【0039】
データメモリ52には、この発明を実施するために必要なデータを記憶するデータベースとして、IDコードデータベース52aと、優先順位データベース52bが設けられている。IDコードデータベース52aには、すべてのワイヤレス呼出ボタンのIDコードが格納される。
【0040】
優先順位データベース52bには、呼出データの伝送経路として想定される複数の通信経路に対し与えられた優先順位が格納される。例えば、ワイヤレス呼出ボタンT11から送信された呼出データがナースコール親機NCに伝送されるまでに経由する可能性がある通信経路としては、子機本体P11を経由する通信経路と、廊下灯F1を経由する通信経路と、増設アダブタADを経由する通信経路が想定される。そして、これらの通信経路に対し、ワイヤレス呼出ボタンT11の定常位置からの距離が近い順に高い優先順位が設定される。この設定された優先順位は、上記想定される各通信経路の識別コード、つまり子機本体P11、廊下灯F1及び増設アダブタADの識別コードに対応付けられて、優先順位データベース52bに格納される。
【0041】
プログラムメモリ51には、この発明を実施するためのプログラムとして、呼出受信制御プログラム51aと、返送経路選択プログラム51bと、呼出確認返送制御プログラム51cが格納されている。
呼出受信制御プログラム51aは、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から送信される呼出データを通信インタフェース53を介して受信し、この受信された呼出データに含まれる呼出元のIDコードをIDコードデータベース52aに記憶された各IDコードと照合する。そして、上記受信された呼出元のIDコードが上記記憶されたIDコードのいずれかと一致すると、スピーカ58から呼出音を発生させると共に、呼出元の患者名をタッチパネル/表示器60に点滅表示させる。
【0042】
返送経路選択プログラム51bは、上記呼出データが受信された場合に、当該呼出データが複数の通信経路を介して受信されたか否かを判定する。そして、複数の通信経路を介して受信されたと判定された場合には、これらの通信経路の中から、伝送品質がしきい値以上でかつ優先順位が最も高い通信経路を選択する。なお、伝送品質がしきい値以上の通信経路が存在しない場合には、優先順位を参照せずに、伝送品質が最も良い通信経路を選択する。
【0043】
呼出確認返送制御プログラム51cは、上記呼出受信制御プログラム51aにより呼出データの受信処理が行われた場合に、当該呼出データに対する呼出確認データを生成する。そして、この生成された呼出確認データを、上記返送経路選択プログラム51bにより選択された返送経路を使用して呼出元のワイヤレス呼出ボタンに向け返送する。
【0044】
なお、上記ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22と、子機本体P11〜P22、廊下灯F1,F2及び増設アダプタADとの間の無線通信方式としては、Bluetooth(登録商標)等の近距離データ通信規格や無線LAN(Local Area Network)が使用される。
【0045】
次に、以上のように構成されたナースコールシステムの動作を、ナースコール親機NCの制御手順に従い説明する。図5はナースコール親機NCの制御手順と制御内容を示すフローチャートである。
いま例えば、患者がワイヤレス呼出ボタンT12の押しボタンを押下したとする。そうするとワイヤレス呼出ボタンT12からそのIDコードにより変調された無線呼出信号が送信される。この無線呼出信号は、患者がベッドに寝ている状態であれば子機本体P12のみで受信されるが、患者が自身のベッドから離れているときには子機本体P12ばかりでなく、廊下灯F1や増設アダプタADでも受信される。
【0046】
この場合、子機本体P12、廊下灯F1及び増設アダプタADではそれぞれ、上記無線呼出信号が受信されるとIDコードの照合が行われる。そして、呼出元のワイヤレス呼出ボタンT12の正当性が確認されると、呼出データが生成されてこの呼出データがナースコール親機NCへ向け送信される。すなわち、この場合上記ワイヤレス呼出ボタンT12の呼出信号は、子機本体P12を経由する通信経路と、廊下灯F1を経由する通信経路と、増設アダプタADを経由する通信経路をそれぞれ介してナースコール親機NCに伝送されることになる。なお、上記呼出データには、呼出元のワイヤレス呼出ボタンのIDコードと、中継した子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADの識別コードが含まれる。
【0047】
これに対しナースコール親機NCでは、上記呼出データが伝送されると以下のように呼出受信制御処理、返送経路の選択処理、及び呼出確認制御処理が実行される。すなわち、ナースコール親機NCはCPU50により呼出データの到来を監視している(ステップ5a)。この状態で、通信インタフェース53により呼出データが受信されると、CPU50はステップ5bにより、上記受信された呼出データから呼出元のIDコードを抽出し、この抽出されたIDコードをIDコードデータベース52aに記憶された各IDコードと照合する。そして、上記受信された呼出元のIDコードが上記記憶されたIDコードのいずれかと一致すると、スピーカ58から呼出音を発生させると共に呼出元の患者名をタッチパネル/表示器60に点滅表示させる。
【0048】
またそれと共にCPU50は、ステップ5cにより、上記受信された呼出データが複数の経路を介して伝送されたものか否かを判定する。この判定は、呼出データに含まれる呼出元のIDコードと中継した機器の識別コードを分析することにより行われる。例えば、一定の時間範囲内に受信された複数の呼出データに含まれる呼出元のIDコードが同一であり、かつ中継した機器の識別コードが異なっていれば、当該複数の呼出データは同一の呼出データが複数の異なる通信経路を介して伝送されたものと判定される。
【0049】
そして、上記呼出データが一つの通信経路により伝送されたものと判定されると、CPU50はステップ5iに移行してここで上記受信された呼出データに対応する呼出確認データを生成する。そして、この生成された呼出確認データを、ステップ5jにおいて、上記呼出データの伝送経路とは逆の経路を介して呼出元のワイヤレス呼出ボタンT12に向け返送する。
【0050】
一方、上記呼出データが複数の通信経路を介して伝送されたものと判定されると、CPU50はステップ5dにより、上記受信された各呼出データの伝送誤りの量をもとに上記複数の通信経路の伝送品質を判定する。そして、この判定結果をもとに、ステップ5eにより伝送品質がしきい値に満たない通信経路を排除する。続いてCPU50は、ステップ5fにより伝送品質がしきい値以上の通信経路の有無を判定し、伝送品質がしきい値以上の通信経路が存在すれば、ステップ5gに移行してここで優先順位データベース52bから優先順位を読み出す。そして、ステップ5hにおいて、上記伝送品質がしきい値以上の通信経路の中から優先順位が最も高い通信経路を選択し、この選択された通信経路を介して呼出確認データを返送する。
【0051】
すなわち、呼出元が共通の呼出データが複数の通信経路を経由して伝送された場合、ナースコール親機NCでは上記複数の通信経路の中から伝送品質がしきい値以上でかつ優先順位が最も高い通信経路が一つ選択され、この通信経路を逆に経由して呼出確認データが伝送される。
【0052】
これに対し、上記ステップ5fによる判定の結果、伝送品質がしきい値以上の通信経路が一つもなかったとする。この場合CPU50はステップ5kに移行し、ここで伝送品質が最も良い通信経路を一つ選択する。そして、この選択した通信経路を逆方向に介して呼出確認データを返送する。すなわち、いずれの通信経路も伝送品質がしきい値に満たない状況下においては、優先順位を参照せずに、上記各通信経路の中で伝送品質が最も良い通信経路が選択され使用される。
【0053】
ナースコール親機NCから呼出確認データが送信されると、この呼出確認データは子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADで受信される。そして、IDコードの照合により呼出確認データの正当性が確認されると、当該子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADにおいて呼出確認灯が点滅されると共に、ワイヤレス呼出ボタンT12に向け無線呼出確認信号が送信される。
【0054】
例えば、ナースコール親機NCから、呼出確認データが子機本体P12を経由する通信経路を介して返送された場合には、当該呼出確認データは子機本体P12で受信されたのち、この子機本体P12からワイヤレス呼出ボタンT12に向け無線送信される。一方、呼出確認データが廊下灯F1を経由する通信経路を介して返送された場合には、当該呼出確認データは廊下灯F1で受信されたのち、この廊下灯F1からワイヤレス呼出ボタンT12に向け無線送信される。同様に、呼出確認データが増設アダプタADを経由する通信経路を介して返送された場合には、当該呼出確認データは増設アダプタADで受信されたのち、この増設アダプタADからワイヤレス呼出ボタンT12に向け無線送信される。
【0055】
ワイヤレス呼出ボタンT12では、上記子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADから無線呼出確認信号が送信されると、この無線呼出確認信号に含まれるIDコードが自身のIDコードと照合される。そして、両IDコードが一致すると呼出確認灯16が一定期間点滅する。かくして、患者は自身の操作による呼び出しがナースコール親機NCに届いたことを確認することができる。
【0056】
またナースコール親機NCでは、上記呼出報知に応答して看護師が応答操作を行うと、受信された呼出データに対応する応答データが生成される。そして、この応答データが、先に述べた呼出確認データと同様に、上記選択された通信経路を逆に経由して呼出元のワイヤレス呼出ボタンに向け送信される。
【0057】
上記応答データが送られると、ワイヤレス呼出ボタンT12では通話リンクを確立するための処理が行われ、以後ナースコール親機NCとの間で音声通話が可能となる。また、上記応答データの返送経路に位置する子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADにおいても通話リンクを確立するための処理が行われる。したがって、患者は必要に応じて子機本体P12、廊下灯F1又は増設アダプタADを使用してナースコール親機NCとの間で通話を行うことが可能となる。
【0058】
以上述べたようにこの実施形態では、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から送信された呼出データが複数の通信経路を介してナースコール親機NCに伝送された場合に、ナースコール親機NCにおいて、上記複数の通信経路の中から伝送品質がしきい値以上でかつ優先順位が最も高い通信経路を選択する。そして、上記呼出データに対する呼出確認データを、上記選択された通信経路を逆に経由して呼出元のワイヤレス呼出ボタンT11〜T22に向け返送するようにしている。
【0059】
したがって、呼出確認データは子機本体P11〜P22、廊下灯F1,F2又は増設アダプタADから直接返送されずに、必ずナースコール親機NCから返送される。このため、子機本体P11〜P22や廊下灯F1,F2、増設アダプタADとナースコール親機NCとの間で回線障害等が発生した場合には、呼出確認データが発信元のワイヤレス呼出ボタンT11〜T22に返送されることはない。したがって、患者は看護師が呼び出しを確認したものと誤認識する心配はない。
【0060】
また、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から送信された呼出データが複数の通信経路を経由してナースコール親機NCに伝送されたとしても、ナースコール親機NCにおいて、上記複数の通信経路の中から伝送品質がしきい値以上でかつ優先順位が最も高い通信経路が選択され、この選択された通信経路を介して呼出確認データが返送される。このため、子機本体P11〜P22や廊下灯F1,F2、増設アダプタADとワイヤレス呼出ボタンT11〜T22との間の無線区間において、無線干渉が発生する心配はなくなり、また無線チャネルのトラフィックも抑制される。
【0061】
さらにこの実施形態では、呼出データが伝送されたいずれの通信経路も伝送品質がしきい値に満たない状況下においては、優先順位を参照せずに、上記各通信経路の中で伝送品質が最も良い通信経路が選択され使用される。このため、全体的に伝送品質が劣化している条件下においても、その中で最良の伝送条件のもとで呼出確認データを返送することが可能となる。
【0062】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では想定される複数の通信経路に対し選択優先順位を固定設定した場合を例にとって説明したが、優先順位を適応的に可変設定するようにしてもよい。例えば、ナースコール親機NCにおいて、ワイヤレス呼出ボタンT11〜T22から伝送される呼出データの受信履歴を記憶する。そして、記憶された受信履歴に基づいて複数の通信経路の利用頻度をそれぞれ計算し、この利用頻度に基づいて上記複数の通信経路に対し与えられる優先順位を更新する。
【0063】
このようにすると、複数の通信経路に対する選択優先順位がその利用頻度に応じて適応的に可変設定される。例えば、利用頻度の高い通信経路が優先的に選択されるように優先順位が設定される。一般に、利用頻度の高い通信経路ほどワイヤレス呼出ボタンT11〜T22との間の距離が近い経路である。このため、患者が病室内又は院内を移動する場合でも、当該患者の移動の傾向性に応じて通信経路に対する優先順位を適応的に可変設定することができ、これにより呼出確認データをより確実に返送することができる。
【0064】
また、通信経路を選択するためのその他のアルゴリズムとしては、ナースコール親機NCにおける呼出データの受信タイミングが最も早いものを選択するようにしてもよい。さらに、その際各通信系路の伝送品質を考慮し、伝送品質がしきい値以上の通信経路の中で受信タイミングが最も早いものを選択するようにしてもよい。
【0065】
その他、ナースコール親機の構成や制御手順、子機本体や廊下灯の構成、無線通信方式の種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明に係わるナースコールシステムの一実施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示したナースコールシステムのワイヤレス呼出ボタンの構成を示すブロック図。
【図3】図1に示したナースコールシステムの廊下灯及び子機本体の構成を示すブロック図。
【図4】図1に示したナースコールシステムのナースコール親機の構成を示すブロック図。
【図5】図4に示したナースコール親機の制御手順と制御内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0067】
NC…ナースコール親機、F1,F2…廊下灯、AD…増設アダプタ、R1,R2…病室ユニット、L…廊下灯線路、E1,E2…子機線路、P11〜P22…子機本体、T11〜T22…ワイヤレス呼出ボタン、10,30,40…制御回路、11,31,41…アンテナ、12,32,42…アンテナ共用器(DUP)、13,33,43…受信回路、14,34,44…IDコードメモリ、15,35,45…送信回路、16,36,46…呼出確認灯、17,37,47…通話用スピーカ、18,38,48…通話用マイクロホン、19…ブザー、20…呼出ボタン、21…バッテリ、22…電源回路、39…インタフェース回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナースコール親機と、ワイヤレス呼出ボタンと、前記ナースコール親機と前記ワイヤレス呼出ボタンとの間に介在配置される複数の中継器とを具備し、
前記ワイヤレス呼出ボタンは、
当該ワイヤレス呼出ボタンを使用する呼出者の固有識別情報を記憶する手段と、
前記呼出者の呼出操作に応じて前記記憶された固有識別情報を含む無線呼出信号を前記中継器に向け送信する手段と、
前記中継器から返送される無線確認信号を受信し、この受信された無線確認信号に含まれる固有識別情報を前記記憶された固有識別情報と照合する手段と、
前記照合の結果、両固有識別情報が一致した場合に前記呼出者に対し呼出確認を報知する手段と
を備え、
前記複数の中継器の各々は、
中継対象となる呼出者の固有識別情報を記憶する手段と、
前記ワイヤレス呼出ボタンから送信された無線呼出信号を受信し、この受信された無線呼出信号に含まれる固有識別情報を再生する手段と、
前記再生された固有識別情報を前記記憶された固有識別情報と照合する手段と、
前記照合の結果両固有識別情報が一致した場合に、当該固有識別情報及び中継器識別情報を含む呼出信号を生成し、この生成された呼出信号を前記ナースコール親機へ送信する手段と、
前記ナースコール親機から自己宛の確認信号が返送された場合に、前記無線確認信号を生成して呼出元のワイヤレス呼出ボタンに向け送信する手段と
を備え、
前記ナースコール親機は、
前記複数の中継器に対し与えられた優先順位を記憶する手段と、
前記複数の中継器から同一の固有識別情報を含む複数の呼出信号が受信された場合に、これらの呼出信号の送信元となる複数の中継器の中から前記記憶された優先順位が最も高い中継器を選択する手段と、
前記受信された呼出信号に応答するための前記確認信号を生成し、この生成された確認信号を前記選択された中継器に向け返送する手段と
を備えることを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記ナースコール親機は、
前記複数の中継器から送信される呼出信号の受信履歴を記憶する手段と、
前記記憶された受信履歴に基づいて、前記複数の中継器に対し与えられる優先順位を更新する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記ナースコール親機は、
前記複数の中継器から同一の固有識別情報を含む複数の呼出信号が受信された場合に、これらの呼出信号の各々について伝送誤りを検出する手段と、
前記受信された呼出信号のうち前記伝送誤りが一定値未満の呼出信号を選択する手段と、
前記選択された伝送誤りが一定値未満の呼出信号の送信元となる中継器の中から、前記記憶された優先順位が最も高い中継器を選択する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【請求項4】
ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が複数の通信経路を介してナースコール親機に伝送されるナースコールシステムで使用される前記ナースコール親機において、
前記複数の通信経路に対し与えられた優先順位を記憶する手段と、
前記ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が前記複数の通信経路を介して受信された場合に、これらの通信経路の中から前記記憶された優先順位が最も高い通信経路を選択する手段と、
前記受信された呼出信号に応答するための呼出確認信号を生成し、この生成された呼出確認信号を前記選択された通信経路を介して前記送信元のワイヤレス呼出ボタンに向け返送する手段と
を具備することを特徴とするナースコール親機。
【請求項5】
前記ワイヤレス呼出ボタンから伝送される呼出信号の受信履歴を記憶する手段と、
前記記憶された受信履歴に基づいて前記複数の通信経路の利用頻度を判定し、この利用頻度に基づいて前記複数の通信経路に対し与えられる優先順位を更新する手段と
を、さらに備えることを特徴とする請求項4記載のナースコール親機。
【請求項6】
前記通信経路を選択する手段は、
前記ワイヤレス呼出ボタンから送信された呼出信号が前記複数の通信経路を介して受信された場合に、これらの呼出信号をもとに前記複数の通信経路の伝送品質を推定する手段と、
前記推定された伝送品質をもとに、前記伝送品質が一定値以上の通信経路を選択する手段と、
前記選択された伝送品質が一定値以上の通信経路の中から、前記記憶された優先順位が最も高い通信経路を選択する手段と
を備えることを特徴とする請求項4記載のナースコール親機。
【請求項7】
前記通信経路を選択する手段は、
呼出信号が伝送された通信経路の伝送品質がいずれも一定値に満たない場合には、優先順位を参照せずに、上記通信経路のうち最も伝送品質が良好な通信経路を選択する手段を、さらに備えることを特徴とする請求項6記載のナースコール親機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−279437(P2006−279437A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94525(P2005−94525)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】