説明

ナースコールシステム

【課題】 来訪者が不審な行動を取ることなく訪問先の病室を訪問しているか否かをできるだけ正確に判断するようにする。
【解決手段】 病棟内の病棟出入口を通って目的地となる病室を訪れる来訪者にICタグ20を携行させ、来訪者と病室とICタグ20とを対応付けて受付を行う。受付装置10が設置されている場所と最もその場所に近い病室との間にICタグ20からICタグ識別情報を読み取る第一読取装置31と第二読取装置32とを基準距離を隔てて設置し、両者がICタグ識別情報を読み取った時間差から来訪者の移動速度を移動速度算出部41bにて算出する。また、病棟出入口から病室までの距離と来訪者の移動速度とから来訪者が病室に到着するまでの予測所要時間を予測所要時間算出部41cにて算出する。算出した予測所要時間が経過しても来訪者が病室に到着していない場合に、報知部45により報知している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院などで患者からの要求に応じて看護師などの医療従事者を呼び出すナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナースコールシステムは、病室内の患者の近辺(例えば、ベッド近傍など)に設置されたナースコール子機を患者が操作すると、看護師などの医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されたナースコール親機が呼び出しを報知することで医療従事者を呼び出している。
【0003】
また、ナースコールシステムの一機能として、来訪者(例えば、患者の見舞い客など)の入退出を管理する病室来訪者出退管理システムが知られている(例えば、特許文献1など)。特許文献1に記載の病室来訪者出退管理システムでは、病棟の出入口近傍に設置された受付装置にて来訪者が受付を行うと、訪問先の患者を示す患者情報を記憶したRFID(Radio Frequency Identification)カードが受付装置にて発券される。そして、来訪者がそのRFIDカードを、訪問先の患者が居る病室の出入口付近に設置された廊下灯のRFID認識部で認識させると、ナースコール親機は、来訪者が患者を訪問していることを表示部に表示している。
【特許文献1】特開2005−191713号公報
【0004】
ところで、病院では、個人情報の漏洩を防いだり、患者や医療従事者の安全を確保したりするために、病院内のセキュリティを強化している。特許文献1に記載の病室来訪者出退管理システムは、RFID認識部がRFIDカードを認識した場合に、来訪者による訪問の許可/不許可を判定することにより、来訪者に対して病棟へ入館することまたは病室へ入室することを制限させることができる。しかしながら、病棟へ入館することまたは病室へ入室することが許可されているRFIDカードをRFID認識部で一度認識させてしまえば、そのRFIDカードを所持している来訪者は、病院内を自由に移動することができてしまうという問題があった。
【0005】
一方、来訪者が建造物内に入館後、所定時間が経過しても退館しない場合に、警告を通知する部外者監視システムが知られている(例えば、特許文献2など)。特許文献2に記載の部外者監視システムでは、入館時に、受付担当者が来訪者の氏名や来訪目的、行き先などの情報を監視者端末に入力して入館を登録する。また、退館時に、受付担当者が来訪者の氏名などの情報を監視者端末に入力して退館を登録する。そして、所定時間が経過しても入館の登録に対する退館の登録がない場合に、警告手段は、受付の端末や建造物の管理者の端末、警備の端末、警備員が所持する携帯端末などに、来訪者が退館していないこと(換言すると、来訪者が不審な行動を取っていること)を示す警告を通知する。ここで、所定時間とは、30分などの予め設定しておいた時間を示す。システム管理者などは、来訪者が建造物内部で滞在するのに十分であると思われる滞在時間を推測し、推測した滞在時間を所定時間としている。
【特許文献2】特開2007−141184号公報
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の部外者監視システムでは、来訪者によって移動速度が異なるため、来訪者の移動速度が遅い場合には、退館の登録を行う前に所定時間が経過してしまうことがあった。このことから、移動速度の遅い来訪者が行き先以外の場所を立ち寄るなどの不審な行動を取っていなくても警告手段が警告を通知してしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献1に記載の技術に特許文献2に記載の技術を適用すると、受付してから所定時間が経過しても来訪者が訪問先の患者が居る病室へ到着しなかった場合に、ナースコール親機は、来訪者が不審な行動を取っていることを示す警告を報知することができる。しかしながら、来訪者の移動速度が遅い場合には、来訪者が行き先以外の場所を立ち寄ることなく移動をしていても、来訪者が不審な行動を取っていることを示す警告をナースコール親機が報知してしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、来訪者が不審な行動を取ることなく訪問先の病室を訪問しているか否かをできるだけ正確に判断するようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明のナースコールシステムでは、病棟内の所定の場所を通って目的地となる病室を訪れる来訪者に無線機を携行させ、来訪者と病室と無線機とを対応付けて受付を行う。受付が行われた場所と最もその場所に近い病室との間に無線機から識別情報を読み取る第一読取装置と第二読取装置とを基準距離を隔てて設置し、両者が識別情報を読み取った時間差から来訪者の移動速度を算出する。また、所定の場所から病室までの距離と来訪者の移動速度とから来訪者が病室に到着するまでの予測所要時間を算出する。そして、算出した予測所要時間が経過しても来訪者が病室に到着していない場合に、それを報知するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、来訪者がどこかに立ち寄る余地の無い基準距離と、来訪者が基準距離を普通に移動した場合の時間とから来訪者の移動速度を算出し、算出された移動速度と病室までの距離とから来訪者が訪問先の病室に到着するまでの予測所要時間を予測しているので、来訪者が不審な行動を取っている時間を含まず、来訪者が普通に病室に移動した場合の所要時間が正確に予測される。これにより、来訪者がその予測所要時間を超えても訪問先の病室を訪問していなければ、来訪者が不審な行動を取っていると考えられるので、医療従事者は、来訪者が不審な行動を取ることなく訪問先の病室を訪問しているか否かをできるだけ正確に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態によるナースコールシステムは、受付装置10、ICタグ20(特許請求の範囲の無線機に該当する)、第一読取装置31、第二読取装置32、第三読取装置33、第四読取装置34、ナースコール親機40、ナースコール子機50を備えて構成されている。
【0012】
また、受付装置10は、受付装置用制御部11、受付部12、受付装置用インターフェース(以下、I/Fとする)部13を備えて構成されている。また、ナースコール親機40は、制御部41、インターフェース(以下、I/Fとする)部42、記憶部43、タイマー部44、報知部45を備えて構成されている。また、制御部41は、日時取得部41a、移動速度算出部41b、予測所要時間算出部41cを備えて構成されている。
【0013】
図1において、受付装置10は、受付担当者などによって操作され、来訪者の訪問を受け付けるためのものである。ここで、受付装置10は、病棟の出入口付近に設置されており、ナースコール親機40に伝送線を介して接続されている。ICタグ20は、病棟内を移動する来訪者に対して受付装置10での受付完了後に受付担当者から来訪者に手渡されるものであり、来訪者によって常に携行される。ここで、ICタグ20は、名札や入館証などに取り付けられている。また、ICタグ20は、ICタグ20と第一読取装置31〜第四読取装置34のそれぞれとが無線通信可能となる距離に近づいた際に無線を介して第一読取装置31〜第四読取装置34と接続される。ここで、ICタグ20と第一読取装置31〜第四読取装置34のそれぞれとが無線通信可能となる距離は、少なくとも第一読取装置31〜第四読取装置34の前を来訪者が通過した場合にICタグ20と無線通信を確実に行うことができる距離(換言すると、第一読取装置31〜第四読取装置34のそれぞれが設置されている廊下の幅以上)であることが好ましい。
【0014】
第一読取装置31〜第四読取装置34は、所謂ICタグリーダであり、後述する病棟の各場所に設置されるものである。ここで、第一読取装置31〜第四読取装置34は、伝送線を介してナースコール親機40に接続されている。
【0015】
図2は、本実施形態のナースコールシステムを適用した病棟における各構成要素の設置例を示す図である。同図に示すように、病棟Wは、病棟出入口G、廊下P、スタッフルームS、複数の病室R(病室番号:201、202・・・20n、nは1以上の自然数)を内部に設けている。病棟出入口G付近には、受付装置10が設置されている。また、第一読取装置31および第二読取装置32は、受付装置10が設置された場所と受付装置10に最も近い病室R(病室番号:201)との間に設置される。そのうち、第一読取装置31は、第二読取装置32と比較して受付装置10が設置された場所に近い場所に設置される。一方、第二読取装置32は、第一読取装置31と比較して受付装置10が設置された場所に遠い場所に設置され、第一読取装置31とは基準距離aだけ離れている。ここで、基準距離aとは、後述する移動速度算出部41bにて来訪者の移動速度を算出するための距離である。また、基準距離aには、来訪者がどこかに立ち寄る余地の無い距離が設定されている。なお、基準距離aを示す基準距離情報は、後述する記憶部43に予め記憶されている。
【0016】
また、第三読取装置33は、病棟出入口G付近に設置されている。また、第四読取装置34は、患者が居る各病室Rの出入口付近にそれぞれ設置されている。ここで、来訪者の目的地は、ある患者が居る病室R(病室番号:202)である。また、第三読取装置33の設置場所から第四読取装置34の設置場所(病室R(病室番号:202)の出入口付近)までの距離bは、後述する記憶部43に予め記憶されている。また、第三読取装置33の設置場所から第四読取装置34の設置場所(他の病室Rの出入口付近)までの距離も記憶部43に予め記憶されている。なお、本実施形態では、第三読取装置33を病棟出入口G付近に設置しているが、これに限定されない。例えば、第一読取装置31が設置されている場所や第二読取装置32が設置されている場所に第三読取装置33を設置するようにしても良いし、第二読取装置32が設置されている場所と受付装置10に最も近い病室R(病室番号:201)との間に第三読取装置33を設置するようにしても良い。また、第一読取装置31が設置されている場所に第三読取装置33を設置する代わりに、第一読取装置31と第三読取装置33とを一つの読取装置としても良い。また、第二読取装置32が設置されている場所に第三読取装置33を設置する代わりに、第二読取装置32と第三読取装置33とを一つの読取装置としても良い。
【0017】
図1に戻り、ナースコール親機40は、医療従事者の居る部屋(例えば、図2に示すスタッフルームSなど)に設置されており、患者からの呼び出しに応答したり、所要時間を超えても来訪者が訪問先の病室を訪問していないことを医療従事者に通知したりするためのものである。ここで、ナースコール親機40には、受付装置10、第一読取装置31〜第四読取装置34、および複数のナースコール子機50が接続されている。ナースコール子機50は、病室内の患者の近辺(例えば、図2に示す病室R内のベッド近傍など)に設置されており、周知の方法により呼び出しを行うための呼出信号を出力する。ナースコール親機40とナースコール子機50との間には、図示しない制御機および廊下灯が設置されている。制御機は、ナースコールシステムの動作を制御する。また、廊下灯は、自装置に設けた表示灯を点灯または点滅させ、ナースコール子機50による呼び出しを報知する。
【0018】
受付装置用制御部11は、受付装置10の各構成要素を後述するように制御する。受付部12は、図示しないマウスやキーボードなどの入力装置を使用して、来訪者を識別するための来訪者情報(例えば、来訪者の氏名など)、目的地を示す目的地情報(例えば、訪問先の患者(田中次郎)やその患者が居る病室Rの病室番号(202)など)、および来訪者が使用するICタグ20を識別するためのICタグ識別情報(例えば、識別番号などであり、特許請求の範囲の無線機の識別情報に該当する)を入力するためのものである。ここで、来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報は、受付担当者などにより受付部12にて入力される。受付装置用I/F部13は、受付装置10がナースコール親機40との間で通信するためにナースコール親機40のI/F部42に接続されている。
【0019】
来訪者は、受付担当者などに自分の氏名、訪問先の患者の氏名を伝える。受付担当者は、その内容に基づいて、来訪者情報、目的地情報を受付部12にて入力し、来訪者に渡すICタグ20を用意して、ICタグ20のICタグ識別情報を受付部12にて入力する。そして、受付担当者は、ICタグ20を訪問者へ手渡す。受付部12での入力が完了すると、受付装置用制御部11は、各情報を対応付けて受付装置用I/F部13を介してナースコール親機40へ出力する。なお、本実施形態では、受付担当者が受付部12を操作しているが、これに限定されない。例えば、来訪者自身が受付部12を操作するようにしても良い。この場合、来訪者が来訪者情報および目的地情報を受付部12にて入力すると、受付装置10は、ICタグ20を自動的に発行し、発行したICタグ20のICタグ識別情報を自動的に入力する。また、このような場合において、来訪者が受付を行わずに病棟W内に侵入することを防止するために、ICタグ20により開錠する電気錠を病棟出入口Gに設けるようにしても良い。
【0020】
第一読取装置31〜第四読取装置34は、ICタグ20が読み取り可能な距離に近づいた場合に、ICタグ20と通信してICタグ20に記憶されているICタグ識別情報を読み取る。具体的には、来訪者が病棟出入口Gを通過すると、第三読取装置33は、来訪者が携行しているICタグ20と通信し、ICタグ識別情報を読み取って自装置を識別するための読取装置識別情報とともにナースコール親機40へ出力する。また、病棟出入口Gを通過した来訪者が病室R(病室番号:202)へ向かう途中、来訪者が第一読取装置31および第二読取装置32を通過すると、第一読取装置31および第二読取装置32は、来訪者が携行しているICタグ20と通信し、ICタグ識別情報を読み取って自装置の読取装置識別情報とともにナースコール親機40へそれぞれ出力する。また、来訪者が目的地である病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34を通過すると、第四読取装置34は、来訪者が携行しているICタグ20と通信し、ICタグ識別情報を読み取って自装置の読取装置識別情報とともにナースコール親機40へ出力する。
【0021】
制御部41は、ナースコール親機40の各構成要素を後述するように制御する。I/F部42は、ナースコール親機40が受付装置10との間で通信するために受付装置用I/F部13に接続されている。また、I/F部42は、ナースコール親機40が第一読取装置31〜第四読取装置34との間で通信するために図示しない読取装置用I/F部に接続されている。また、I/F部42は、ナースコール親機40がナースコール子機50との間で通信するために図示しない子機用I/F部に接続されている。ここで、I/F部42は、ナースコール子機50から出力された呼出信号を入力する。また、I/F部42は、受付装置10から出力された来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報を入力する。また、I/F部42は、第一読取装置41〜第四読取装置44から出力されたICタグ識別情報および読取装置識別情報を入力する。
【0022】
記憶部43は、I/F部42が入力した来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報を記憶する。また、記憶部43は、第一読取装置31〜第四読取装置34の読取装置識別情報を予め記憶しておく。従って、制御部41は、I/F部42が入力した読取装置識別情報により読取装置を特定することができる。また、記憶部43は、第一読取装置31と第二読取装置32との間の基準距離aを示す基準距離情報を予め記憶しておく。ここで、基準距離情報は、第一読取装置31および第二読取装置32を設置した際などに事前に測定される。また、記憶部43は、病棟出入口Gから各病室Rの出入口までの距離を示す距離情報を目的地情報に対応付けて予め記憶しておく。ここで、病棟出入口Gから各病室Rの出入口付近までの距離は事前に測定される。また、病棟出入口Gから各病室Rの出入口付近までの距離と病棟出入口Gから各病室Rまでの距離とは、ほぼ等しいものとする。
【0023】
また、記憶部43は、図3に示すように、患者氏名領域431、部屋番号領域432、距離領域433を格納している。また、記憶部43は、患者氏名領域431〜距離領域433をそれぞれ対応付けて記憶している。患者氏名領域431には、訪問先となる患者の氏名(例えば、山田太郎、田中次郎、佐藤花子など)が格納されている。部屋番号領域432には、患者が居る病室Rの部屋番号(山田太郎に対して201、田中次郎に対して202、佐藤花子に対して203など)が格納されている。ここで、訪問先の患者の氏名および訪問先の病室Rの部屋番号の少なくとも一方が目的地情報となる。距離領域433には、病棟出入口Gから患者が居る病室Rの出入口付近までの距離を示す距離情報(例えば、山田太郎に対して60m、田中次郎に対して45m、佐藤花子に対して80mなど)が格納されている。なお、本実施形態では、ナースコール親機40に記憶部43を設けているが、これに限定されない。例えば、ナースコール親機40とネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータに記憶部43を設けるようにしても良い。
【0024】
タイマー部44は時間を計測する。報知部45は、スピーカや表示ディスプレイ、表示灯などにより構成されており、スピーカから呼び出し音を出力させたり、表示ディスプレイに呼び出し表示を行わせたり、表示灯を点灯または点滅させたりして、患者による呼び出しの報知または予測所要時間を超えても来訪者が訪問先の病室R(病室番号:202)を訪問していないことを示す通知を行う。なお、報知部45は、患者がナースコール子機50を用いて呼び出しを行った場合と、予測所要時間を超えても来訪者が訪問先の病室R(病室番号:202)を訪問していないことを示す通知を行った場合とで、異なる呼び出し音を出力したり、異なる呼び出し表示を行ったり、点灯または点滅を異ならせたりしても良い。
【0025】
制御部41は、I/F部42がICタグ識別情報および読取装置識別情報を入力した場合に、記憶部43に記憶されているICタグ識別情報に対応付けられている目的地情報を特定するとともに、記憶部43に記憶されている読取装置識別情報を参照して読取装置を特定する。また、制御部41は、目的地情報に対応付けられている距離情報を記憶部43から取得する。日時取得部41aは、第一読取装置31および第二読取装置32がICタグ識別情報を読み取って、第一読取装置31および第二読取装置32の読取装置識別情報とICタグ識別情報とをI/F部42が入力した日時を日時情報として出力する。
【0026】
具体的には、I/F部42が入力したICタグ識別情報が同一のものについて、同時にI/F部42が入力した読取装置識別情報により特定される読取装置が第一読取装置31および第二読取装置32の何れかであると制御部41にて判断した場合に、日時取得部41aは、入力した日時を示す日時情報とともにICタグ識別情報および読取装置識別情報を出力する。ここで、日時取得部41aは、時計の機能を備えている。また、本実施形態では、読取装置識別情報およびICタグ識別情報をI/F部42が入力した日時と読取装置識別情報によって特定される読取装置がICタグ識別情報を読み取った日時とを同一の日時としている。なお、本実施形態では、ナースコール親機40に日時取得部41aを設けているが、これに限定されない。例えば、各読取装置に日時取得部41aを設けるようにしても良い。これにより、来訪者が第一読取装置31および第二読取装置32の何れかを通過した時間がより正確に取得される。
【0027】
また、第一読取装置31および第二読取装置32の両方が同一のICタグ識別情報を読み取ったと制御部41にて判断した場合に、移動速度算出部41bは、第一読取装置31がICタグ識別情報を読み取った日時を日時取得部41aから入力し、第二読取装置32がICタグ識別情報を読み取った日時を日時取得部41aから入力する。そして、移動速度算出部41bは、入力した各日時情報から日時の差分を算出する。また、移動速度算出部41bは、基準距離情報を記憶部43から取得し、取得した基準距離情報を算出した日時の差分で除算して、その来訪者の第一読取装置32から第二読取装置32までの移動速度を算出する。
【0028】
また、第一読取装置31および第二読取装置32の両方が同一のICタグ識別情報を読み取ったと制御部41にて判断しており、さらに第三読取装置33が同一のICタグ識別情報を読み取ったと制御部41にて判断した場合に、予測所要時間算出部41cは、制御部41が取得した距離情報を、移動速度算出部41bにて算出した来訪者の移動速度で除算して、ICタグ識別情報が第三読取装置33によって読み取られてから第四読取装置によって読み取られるまで(換言すると、来訪者が病棟出入口Gから訪問先の病室R(病室番号:202)に到着するまで)の予測所要時間を算出する。ここで、図2に示すように、第三読取装置33が設置されている場所が第一読取装置31および第二読取装置32が設置されている場所よりも受付装置10寄りであるので、予測所要時間算出部41cは、移動速度算出部41bにより移動速度が算出された後に、予測所要時間の算出処理を実行する。
【0029】
なお、本実施形態では、来訪者が病棟出入口Gから訪問先の病室R(病室番号:202)まで移動する際に、移動速度算出部41bにて算出した移動速度をその来訪者が維持していることを前提として、予測所要時間算出部41cが予測所要時間を算出しているが、これに限定されない。例えば、来訪者が病棟出入口Gから訪問先の病室R(病室番号:202)まで移動する際に、その来訪者が立ち止まることなどにより移動速度算出部41bにて算出した移動速度を維持していないことを考慮して、予測所要時間算出部41cが多少の余裕を持たせた予測所要時間を算出するようにしても良い。
【0030】
制御部41は、第三読取装置33がICタグ識別情報を読み取った場合に、そのICタグ識別情報に対してタイマー部44を動作させる。そして、制御部41は、タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した所要時間になるまでに、訪問先の患者が居る病室R(病室番号:202)に設置されている第四読取装置34が同一のICタグ識別情報を読み取ったか否かを判定する。
【0031】
タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した所要時間になるまでに、来訪者の訪問先の患者が居る病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34が同一のICタグ識別情報を読み取ったと制御部41にて判断した場合には、制御部41は、来訪者が予測所要時間内に訪問先の患者が居る病室R(病室番号:202)に到着したと判断し、タイマー部44の動作を停止させる。
【0032】
一方、タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した予測所要時間になっても、来訪者の訪問先の患者が居る病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34が同一のICタグ識別情報を読み取らなかったと制御部41にて判断した場合には、制御部41は、来訪者が所要時間内に訪問先の患者が居る病室R(病室番号:202)に到着しなかった(すなわち、来訪者が不審な行動を取っている)と判断し、ICタグ識別情報に対応する来訪者情報を記憶部43から取得して、報知部45を動作させる。ここで、報知部45の報知内容には、来訪者情報が含まれる。
【0033】
次に、本実施形態によるナースコールシステムの動作を説明する。図4および図5は、本実施形態によるナースコールシステムの動作を示すフローチャートである。本実施形態によるナースコールシステムの動作は、図4に示す受付装置10および各読取装置31〜34の動作と図5に示すナースコール親機40の動作とに分かれる。まず受付装置10の受付装置用制御部11は、来訪者情報、目的地情報(訪問先の患者が居る病室Rの病室番号(202)など)、およびICタグ識別情報が受付部12で入力されたか否かを判定する(ステップ401)。来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報が受付部12で入力されていないと受付装置用制御部11にて判断した場合には(ステップ401にてNO)、ステップ401の処理に戻り、来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報が受付部12で入力されるまで処理を継続する。一方、来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報が受付部12で入力されたと受付装置用制御部11にて判断した場合には(ステップ401にてYES)、受付装置用制御部11は、入力された各情報を対応付けてナースコール親機40へ出力する(ステップ402)。
【0034】
各読取装置31〜34は、病棟出入口Gを通過した来訪者が携行しているICタグ20と通信することでICタグ識別情報を読み取ったか否かを判定する(ステップ403)。ICタグ識別情報を読み取っていないと各読取装置31〜34にて判断した場合には(ステップ403にてNO)、ステップ403の処理を繰り返す。一方、ICタグ識別情報を読み取ったと各読取装置31〜34にて判断した場合には(ステップ403にてYES)、各読取装置31〜34は、読み取ったICタグ識別情報を自装置の読取装置識別情報とともにナースコール親機40へ出力する(ステップ404)。
【0035】
次に、ナースコール親機40の制御部41は、受付装置10から出力された来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報をI/F部42が入力したか否かを判定する(ステップ501)。受付装置10から出力された来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報をI/F部42が入力していないと制御部41にて判断した場合には(ステップ501にてNO)、ステップ501の処理へ戻り、受付装置10から出力された来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報をI/F部42が入力するまで処理を継続する。一方、受付装置10から出力された来訪者情報、目的地情報、およびICタグ識別情報をI/F部42が入力したと制御部41にて判断した場合には(ステップ501にてYES)、制御部41は、I/F部42が入力した各情報を記憶部43に記憶する(ステップ502)。
【0036】
制御部41は、I/F部42が各読取装置31〜34からICタグ識別情報および読取装置識別情報を入力し、それらの情報を解析することで、記憶部43に記憶されているICタグ識別情報と同一のICタグ識別情報をI/F部42が第三読取装置33から入力したか否かを判定する(ステップ503)。I/F部42が同一のICタグ識別情報を第三読取装置33から入力していないと制御部41にて判断した場合には(ステップ503にてNO)、ステップ503の処理を繰り返す。一方、I/F部42が同一のICタグ識別情報を第三読取装置33から入力したと制御部41にて判断した場合には(ステップ503にてYES)、制御部41は、タイマー部を動作させる(ステップ504)。
【0037】
制御部41は、I/F部42が各読取装置31〜34からICタグ識別情報および読取装置識別情報を入力し、それらの情報を解析することで、記憶部43に記憶されているICタグ識別情報と同一のICタグ識別情報をI/F部42が第一読取装置31から入力したか否かを判定する(ステップ505)。I/F部42が同一のICタグ識別情報を第一読取装置31から入力していないと制御部41にて判断した場合には(ステップ505にてNO)、ステップ505の処理を繰り返す。一方、I/F部42が同一のICタグ識別情報を第一読取装置31から入力したと制御部41にて判断した場合には(ステップ505にてYES)、日時取得部41aは、同一のICタグ識別情報を入力した日時を示す日時情報を取得する(ステップ506)。
【0038】
続いて、制御部41は、I/F部42が各読取装置31〜34からICタグ識別情報および読取装置識別情報を入力し、それらの情報を解析することで、記憶部43に記憶されているICタグ識別情報と同一のICタグ識別情報をI/F部42が第二読取装置32から入力したか否かを判定する(ステップ507)。I/F部42が同一のICタグ識別情報を第二読取装置32から入力していないと制御部41にて判断した場合には(ステップ507にてNO)、ステップ507の処理を繰り返す。一方、I/F部42が同一のICタグ識別情報を第二読取装置32から入力したと制御部41にて判断した場合には(ステップ507にてYES)、日時取得部41aは、同一のICタグ識別情報を入力した日時を示す日時情報を取得する(ステップ508)。
【0039】
移動速度算出部41bは、日時取得部41aが取得した各日時情報から日時の差分を算出し、記憶部43から基準距離情報を取得して、取得した基準距離情報を日時の差分で除算することで第一読取装置32から第二読取装置32までの来訪者の移動速度を算出する(ステップ509)。
【0040】
予測所要時間算出部41cは、制御部41が記憶部43から取得した距離情報を、移動速度算出部41bにて算出した来訪者の移動速度で除算することで、同一のICタグ識別情報が第三読取装置33によって読み取られてから第四読取装置によって読み取られるまで(換言すると、来訪者が病棟出入口Gから訪問先の病室R(病室番号:202)に到着するまで)の予測所要時間を算出する(ステップ510)。
【0041】
制御部41は、タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した予測所要時間になったか否かを判定する(ステップ511)。タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した予測所要時間になっていないと制御部41にて判断した場合には(ステップ511にてNO)、制御部41は、来訪者の訪問先の病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34から出力された同一のICタグ識別情報をI/F部42が入力したか否かを判定する(ステップ512)。来訪者の訪問先の病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34から出力された同一のICタグ識別情報をI/F部42が入力したと制御部41にて判断した場合には(ステップ512にてYES)、制御部41は、タイマー部44の動作を停止する(ステップ513)。一方、来訪者の訪問先の病室R(病室番号:202)の出入口付近に設置されている第四読取装置34から出力された同一のICタグ識別情報をI/F部42が入力していないと制御部41にて判断した場合には(ステップ512にてNO)、ステップ511の処理へ戻る。
【0042】
また、タイマー部44が計測した時間が予測所要時間算出部41cにて算出した予測所要時間になったと制御部41にて判断した場合には(ステップ511にてYES)、制御部41は、タイマー部44の動作を停止し、そのICタグ識別情報に対応する来訪者情報を記憶部43から取得する(ステップ514)。そして、制御部41は、報知部45を動作させて、取得した来訪者情報を通知内容に含ませて、予測所要時間を超えても来訪者が訪問先の病室R(病室番号:202)を訪問していないことを示す通知を行う(ステップ515)。
【0043】
報知部45が動作している際、制御部41は、医療従事者により復旧操作が行われたか否かを判定する(ステップ516)。医療従事者により復旧操作が行われていないと制御部41にて判断した場合には(ステップ516にてNO)、ステップ516の処理を繰り返す。一方、医療従事者により復旧操作が行われたと制御部41にて判断した場合には(ステップ516にてYES)、制御部41は、報知部45の動作を終了させ、通知を停止する(ステップ517)。
【0044】
以上、詳しく説明したように、本実施形態のナースコールシステムは、病棟内の病棟出入口Gを通って目的地となる病室R(病室番号:202)を訪れる来訪者にICタグ20を携行させ、来訪者と病室RとICタグ20とを対応付けて受付を行う。受付装置10が設置されている場所と最もその場所に近い病室R(病室番号:201)との間にICタグ20からICタグ識別情報を読み取る第一読取装置31と第二読取装置32とを基準距離aを隔てて設置し、両者がICタグ識別情報を読み取った時間差から来訪者の移動速度を移動速度算出部41bにて算出する。また、病棟出入口Gから病室R(病室番号:202)までの距離bと来訪者の移動速度とから来訪者が病室Rに到着するまでの予測所要時間を予測所要時間算出部41cにて算出する。そして、算出した予測所要時間が経過しても来訪者が病室R(病室番号:202)に到着していない場合に、報知部45により報知している。これにより、来訪者がその予測所要時間を超えても訪問先の病室(病室番号:202)を訪問していなければ、来訪者が不審な行動を取っていると考えられるので、医療従事者は、来訪者が不審な行動を取ることなく訪問先の病室を訪問しているか否かをできるだけ正確に判断することができる。
【0045】
なお、前述した実施形態では、来訪者は、ICタグ20を携行しているが、これに限定されない。例えば、来訪者は、無線機を携行するようにしても良い。その際、無線機は、無線機と第一読取装置31〜第四読取装置34のそれぞれとが無線通信可能となる距離に近づいた際に無線を介して第一読取装置31〜第四読取装置34と接続されるようにすれば良い。
【0046】
また、前述した実施形態では、制御部41は、病棟出入口Gから病室Rへ来訪者が到着するまでに、入室しても不審な行動を取る可能性が低いと考えられる場所(例えば、売店やトイレなど)に来訪者が立ち寄ったことを考慮しないで、来訪者が不審な行動を取っているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、制御部41は、病棟出入口Gから病室Rへ来訪者が到着するまでに、入室しても不審な行動を取る可能性が低いと考えられる場所に来訪者が立ち寄ったことを考慮して、来訪者が不審な行動を取っているか否かを判定するようにしても良い。
【0047】
具体的には、売店やトイレなどの出入口付近に第五読取装置を設置する。ICタグ20が発信するICタグ識別情報を読み取ることができる距離にICタグ20が近づいた場合に、第五読取装置は、他の読取装置と同様に、ICタグ識別情報を読み取る。そして、制御部41は、来訪者が第五読取装置を通過して売店やトイレに入ってから来訪者が再び第五読取装置を通過して売店やトイレを出るまでの時間をタイマー部44で測定する。制御部41は、予測所要時間算出部41cにて算出された予測所要時間に測定された時間を加算する。なお、本変形例では、来訪者が売店やトイレに居た時間を予測所要時間に加算するようにしているが、これに限定されない。例えば、来訪者が第五読取装置を通過したときにタイマー部44の動作を一時停止し、来訪者が再び第五読取装置を通過したときにタイマー部44の動作を再開するようにしても良い。
【0048】
これにより、医療従事者は、入室しても不審な行動を取る可能性が低いと考えられる場所に来訪者が移動中に立ち寄っても、来訪者が不審な行動を取っていないと判断することができる。
【0049】
また、前述した実施形態では、制御部41は、病棟出入口Gから病室Rへ来訪者が到着するまでの移動において、来訪者が不審な行動を取っているか否かを判定しているが、これに限定されない。例えば、制御部41は、病室Rから病棟出入口Gへ来訪者が到着するまでの移動において、来訪者が不審な行動を取っているか否かを判定するようにしても良い。その際、病棟出入口G付近に第四読取装置34を設けておき、その第四読取装置34を来訪者が通過した場合に、制御部41は、タイマー部44の動作を停止させるようにすれば良い。また、タイマー部44は、来訪者が訪問先の病室Rから病棟出入口Gまでかかる予測所要時間として、予測所要時間算出部41cにて算出した予測所要時間を用いるようにすれば良い。
【0050】
また、前述した実施形態では、受付装置10は、入力された来訪者情報、目的地情報、ICタグ識別情報をナースコール親機40へ出力しているが、これに限定されない。例えば、受付装置10は、入力された来訪者情報、目的地情報、ICタグ識別情報をICタグ20に記憶するようにしても良い。また、この場合、第一読取装置31から第四読取装置34は、来訪者情報、目的地情報、ICタグ識別情報を読み取るようにする。そして、ナースコール親機40は、それらの情報を取得して、前述の来訪者が不審な行動を取っているか否かを判定する。
【0051】
その他、ナースコールシステムの構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるナースコールシステムを適用した病棟における各構成要素の設置例を示す説明図である。
【図3】本実施形態によるナースコールシステムの記憶部の記憶内容例を示す説明図である。
【図4】本実施形態によるナースコールシステムの受付装置および各読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態によるナースコールシステムのナースコール親機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
10 受付装置
11 受付装置用制御部
12 受付部
13 受付装置用インターフェース(I/F)部
20 ICタグ
31 第一読取装置
32 第二読取装置
33 第三読取装置
34 第四読取装置
40 ナースコール親機
50 ナースコール子機
41 制御部
41a 日時取得部
41b 移動速度算出部
41c 予測所要時間算出部
42 インターフェース(I/F)部
43 記憶部
431 患者氏名領域
432 部屋番号領域
433 距離領域
44 タイマー部
45 報知部
W 病棟
G 病棟出入口
P 廊下
S スタッフルーム
R 病室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病棟内の所定の場所を通って目的地となる病室を訪れる来訪者によりそれぞれ携行され、識別情報を発信する無線機と、
前記所定の場所の手前に設置され、前記来訪者を識別するための来訪者情報、前記目的地を示す目的地情報、前記来訪者が使用する前記無線機の識別情報の入力を受け付け、前記来訪者情報、前記目的地情報、前記識別情報を対応付けて出力する受付装置と、
前記受付装置が設置された場所と前記受付装置に最も近い病室との間の前記受付装置が設置された場所に近い場所に設置され、前記無線機が発信する前記識別情報を読み取ることができる距離に前記無線機が近づいた場合に、前記識別情報を読み取る第一読取装置と、
前記受付装置が設置された場所と前記受付装置に最も近い病室との間の前記受付装置が設置された場所から遠い場所に設置され、前記無線機が発信する前記識別情報を読み取ることができる距離に前記無線機が近づいた場合に、前記識別情報を読み取る第二読取装置と、
前記所定の場所に設置され、前記無線機が発信する前記識別情報を読み取ることができる距離に前記無線機が近づいた場合に、前記識別情報を読み取る第三読取装置と、
前記病室の出入口近傍に設置され、前記無線機が発信する前記識別情報を読み取ることができる距離に前記無線機が近づいた場合に、前記識別情報を読み取る第四読取装置と、
前記所定の場所から前記病室までの距離を示す距離情報と前記目的地情報に対応付けて予め記憶するとともに、前記第一読取装置の設置場所から前記第二読取装置の設置場所までの基準距離を示す基準距離情報を予め記憶し、前記受付装置から入力した前記来訪者情報、前記目的地情報、前記識別情報を関連付けて記憶する記憶部と、
前記第一読取装置および前記第二読取装置が前記識別情報を読み取った日時をそれぞれ取得する日時取得部と、
前記第一読取装置および前記第二読取装置が前記識別情報を読み取った場合に、前記日時取得部が読み取った日時の差分と前記基準距離情報とから前記来訪者の移動速度を算出する移動速度算出部と、
前記第三読取装置が前記識別情報を読み取った場合に、読み取った前記識別情報に対応付けられている前記目的地情報および前記目的地情報に対応付けられている前記距離情報を前記記憶部から取得して、取得した前記距離情報と前記移動速度算出部にて算出された移動速度とから前記識別情報が前記第三読取装置によって読み取られてから前記第四読取装置によって読み取られるまでの予測所要時間を算出する予測所要時間算出部と、
時間を計測するタイマー部と、
前記識別情報に対応付けられている前記来訪者情報を前記記憶部から取得し、前記予測所要時間が経過しても前記来訪者が前記病室に到着していないことを報知する報知部と、
前記第三読取装置が前記識別情報を読み取った場合に、前記タイマー部を動作させるとともに、前記タイマー部が計測した時間が前記予測所要時間になっても前記第四読取装置が前記識別情報を読み取らなかった場合に、前記報知部を動作させる制御部と、
を備えたことを特徴とするナースコールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−290697(P2009−290697A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142811(P2008−142811)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】