説明

ナースコールシステム

【課題】末端に接続されている廊下灯を特定したり、システムの動作を停止させたりせずに、親機と末端の廊下灯との間の配線の距離を提示できるようにする。
【解決手段】測定信号生成部26にて生成された測定信号に対して、各廊下灯10では、応答信号生成部14にて生成された応答信号を出力する。測定信号を出力してから応答信号を入力するまでの時間を測定し、応答信号を最も遅く入力した時間と基準時間あたりの距離とに基づいて、親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を演算して提示する。これにより、末端に接続された廊下灯10からの応答信号の返送時間が最も遅くなるので、末端に接続された廊下灯10を特定することなく、末端の廊下灯10までの配線の距離を求めることができる。また、応答信号の返送時間によって配線の距離が演算されるので、システムの動作を停止させることなく配線の距離を求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者がナースコール子機を用いてナースステーションに設置されたナースコール親機などにより看護師などの医療従事者を呼び出すナースコールシステムに関し、特に、有線にて配線されているナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナースコールシステムは、呼出ボタンなどにより構成される呼出操作部を有するナースコール子機を各病室内の各病床の近傍に設置するとともに、看護師などの医療従事者が常駐するナースステーションにナースコール親機を設置している。そして、患者がナースコール子機の呼出ボタンを操作した場合に、ナースコール子機からナースコール親機へ呼出信号を出力し、呼出信号を入力したナースコール親機にて呼び出しを報知するように構成されている。ここで、ナースコールシステムは、病院だけではなく、介護施設などでも使用される。
【0003】
ナースコール親機には、LED(light-emitting diode)などの表示灯と患者氏名を表示する表示欄とを備えた選局部を患者の数に応じて組み合わせたボード形のものが知られている。ボード形のナースコール親機は、ナースステーションの壁面などに取り付けられ、ナースステーション内の医療従事者がボード形親機に表示された情報を閲覧することが可能である。ここで、ナースコール子機から出力された呼出信号を入力したナースコール親機では、呼出信号に含まれ、ナースコール子機を識別するための子機識別情報により呼び出しを行ったナースコール子機を特定する。そして、特定されたナースコール子機を使用している患者に対応する選局部の表示灯を点灯または点滅させることで呼び出しを報知している。また、同時にナースコール親機に設けられたスピーカーから報知音を出力する。
【0004】
ナースコール親機にて呼び出しが報知されると、これに気付いた医療従事者が応答する必要がある。そのため、ナースコール親機には、呼び出しの報知に応答するためのハンドセットが設けられている。呼び出しの報知が行われている場合に、医療従事者がハンドセットをオフフックすると、呼び出しの報知が停止し、ナースコール親機とナースコール子機(またはナースコール子機が設置された病室)との間で通話路が形成される。ここで、ナースコール子機(または病室)には、通話用のスピーカーやマイクが設けられているため、患者と医療従事者との間で通話が可能となる。
【0005】
また、上述したナースコール子機とナースコール親機との間には、ナースコール子機からの呼び出しを表示したり、病室内の患者の氏名などを表示したりする廊下灯が接続されている。また、ナースコール親機と廊下灯との間には、ナースコール子機とナースコール親機との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う制御機が接続されている。
【0006】
ところで、上述したナースコールシステムでは、ナースコール子機とナースコール親機との間は有線にて接続されていることが一般的である。この場合、ナースコール親機と各病室の廊下に設置されている廊下灯とが渡り配線によって接続され、各廊下灯に各病室内に設置されているナースコール子機が設置されることも一般的である(例えば、特許文献1などに記載)。このようにナースコールシステムの配線が接続されると、ナースコール親機と末端に接続された廊下灯との間の配線の距離が長距離化すると、信号が減衰するなどして、ナースコールシステムに不具合が発生してしまうことがある。そのため、ナースコールシステムでは、ナースコール親機と末端に接続された廊下灯との配線の距離を所定の距離以下とすることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−202712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、設計時と比べて実際の配線の長さが長くなってしまうことにより、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離が所定の距離以上となってしまうという問題があった。この場合、配線の距離を起因として不具合が発生すると、既にナースコールシステムが設置された後であるため、ナースコール親機と廊下灯との間の配線が施設の壁面などに埋設されており、配線の様子を容易に確認することができず、ナースコール親機と廊下灯との間の配線の距離を保守担当者などが把握することは困難になってしまうという問題があった。
【0009】
そのため、末端に接続されている廊下灯にてその配線を短絡させ、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の抵抗値を測定することで、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を求め、それを確認することが行われていた。
【0010】
しかしながら、上述した従来技術では、末端に接続されている廊下灯を特定しなければ、どの廊下灯の配線を短絡させなければならないかがわからないため、どの廊下灯が末端に接続されているのかを事前に登録するなどして把握しておかなければならないという問題があった。また、この場合に、他の廊下灯を誤って登録してしまうと、末端に接続されている廊下灯を特定できなくなってしまい、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を求めることができなくなってしまうという問題もあった。
【0011】
また、ナースコールシステムは、病院に入院している患者によって使用されているため、常時動作していることが好ましいが、上述した従来技術では、末端に接続されている廊下灯の配線を短絡させているため、ナースコールシステムの動作を一時的に停止させなければならないという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ナースコール親機と複数の廊下灯とが有線にて接続されている場合に、末端に接続されている廊下灯を特定したり、ナースコールシステムの動作を停止させたりせずに、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を提示することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明では、ナースコール親機と複数の廊下灯とが有線にて接続されているナースコールシステムにおいて、ナースコール親機は測定信号を出力し、測定信号を入力した各廊下灯は、応答信号を出力するようにしている。ナースコール親機は、測定信号を出力してから、応答信号を入力するまでの時間を測定し、応答信号を最も遅く入力した時間を示す時間情報と基準時間あたりの距離を示す基準距離情報とに基づいて、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を求めて提示するようにしている。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した本発明によれば、末端に接続された廊下灯から出力された応答信号の戻りが最も遅くなるので、末端に接続された廊下灯を特定することなく、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を求めることができる。また、ナースコール親機から出力された測定信号に対する応答信号の戻り時間によって、ナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離が求められるので、ナースコールシステムの動作を停止させる必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態によるナースコールシステムのハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図である。図1に示すナースコールシステムは、患者の病床近傍に設置され、病室内に居る患者によって使用されるナースコール子機1と、医療従事者が常駐するナースステーションなどに設置され、医療従事者によって使用されるナースコール親機20と、ナースコール子機1とナースコール親機20とが通信を行うために、病室内に設置されているナースコール子機1を接続するとともに、ナースコール親機20と有線にて接続され、ナースコール子機1により呼び出しが行われたことを点灯表示する廊下灯10とを備えて構成されている。ここで、ナースコール子機1は、各病室内に病室内の病床数に応じて設置されている。また、ナースコール子機1と廊下灯10との接続は、有線または無線にて行われるが、本実施例では有線にて接続されている。また、廊下灯10は、各病室に設置されており、ナースコール親機20は、複数の廊下灯10を接続している。
【0017】
また、ナースコール子機1は、子機制御部2、呼出操作部3、子機インターフェース4を備えて構成されている。また、廊下灯10は、廊下灯制御部11、廊下灯インターフェース12、表示灯13、応答信号生成部14を備えて構成されている。また、ナースコール親機20は、親機制御部21、親機インターフェース22、記憶部23、報知部24、測定開始操作部25、測定信号生成部26、タイマー27、測定部28、演算部29、提示部30を備えて構成されている。
【0018】
また、図2は、本実施形態によるナースコールシステムのハードウェア構成例を示す図であり、ナースコール子機1と廊下灯10とナースコール親機20との接続状態を示している。ここで、ナースコール親機20は、LEDなどの表示灯と患者氏名を表示する表示欄とを備えた選局部を患者の数に応じて備えている。また、ナースコール親機20は、呼び出しの報知に応答するためのハンドセットが設けられている。呼び出しの報知が行われている場合に、医療従事者がハンドセットをオフフックすると、呼び出しの報知が停止し、ナースコール親機20と呼び出しを行ったナースコール子機1との間で通話路が形成される。ここで、ナースコール子機1には、通話用のスピーカーやマイク(ともに図示せず)が設けられているため、患者と医療従事者との間で通話が可能となる。
【0019】
また、ナースコール親機20のハンドセットの上部には、測定開始操作部25が設けられており、その上部には提示部30が設けられている。なお、測定開始操作部25および提示部30については後述する。また、ナースコール親機20と廊下灯10との間には、ナースコール子機1とナースコール親機20との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う制御機(図示せず)が接続されている。
【0020】
廊下灯10には、病室の番号を表示する表示欄や患者の氏名を表示する表示欄とともに、廊下灯10に接続されているナースコール子機1が呼び出しを行った場合に、点灯(または点滅)する表示灯13が側面に取り付けられている。
【0021】
次に、ナースコール子機1の各構成要素について説明する。子機制御部2は、ナースコール子機1の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)などにより構成されている。呼出操作部3は、患者が医療従事者を呼び出す際に操作するためのものであり、呼出ボタンなどにより構成されている。患者は、医療従事者を呼び出したい場合に、呼出操作部3を操作する。すると、子機制御部2は、呼出信号を生成する。ここで、呼出信号には、このナースコール子機1を他のナースコール子機1と識別するための子機識別情報が含まれる。また、子機識別情報としては、ベッド番号などの情報を用いる。
【0022】
子機インターフェース4は、ナースコール子機1とナースコール親機20との間の通信を、廊下灯10を介して行うためのものである。ここで、子機インターフェース4は、子機制御部2により生成された呼出信号をナースコール親機20に出力する。また、ナースコール子機1とナースコール親機20との間で通話路が形成されている場合に、子機インターフェース4は、ナースコール子機1に入力された音声を音声信号に変換してナースコール親機20へ出力するとともに、ナースコール親機20から音声信号を入力する。
【0023】
次に、廊下灯10の各構成要素について説明する。廊下灯制御部11は、廊下灯10の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、例えばCPUなどにより構成されている。廊下灯インターフェース12は、廊下灯10が設置されている病室内に設置されているナースコール子機1を接続するとともに、ナースコール親機20を接続して、通信を行うためのものである。表示灯13はLEDなどにより構成されており、廊下灯インターフェース12がナースコール子機1から呼出信号を入力した場合に、廊下灯制御部11は、表示灯13を点灯(または点滅)させる。
【0024】
応答信号生成部14は、廊下灯インターフェース12を介して後述する測定信号を入力した場合に、応答信号を生成して廊下灯制御部11に出力する。ここで、廊下灯インターフェース12が測定信号を入力すると、廊下灯制御部11は、廊下灯インターフェース12から測定信号を入力し、応答信号生成部14へ出力する。測定信号を入力した応答信号生成部14は、応答信号を生成して廊下灯制御部11へ出力する。応答信号を入力した廊下灯制御部11は、廊下灯インターフェース12を介してナースコール親機20へ応答信号を出力する。
【0025】
次に、ナースコール親機20の各構成要素について説明する。親機制御部21は、ナースコール親機20の各構成要素を後述するように制御するためのものであり、例えばCPUなどにより構成されている。親機インターフェース22は、ナースコール親機20と廊下灯10とを接続して通信を行うとともに、ナースコール親機20とナースコール子機1とを接続して通信を行うためのものである。ここで、親機インターフェース22は、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力する。また、ナースコール子機1とナースコール親機20との間で通話路が形成されている場合に、親機インターフェース22は、ナースコール子機1へ音声信号を出力し、ナースコール子機1から音声信号を入力する。また、親機インターフェース22は、後述する測定信号を廊下灯10へ出力するとともに、廊下灯10から応答信号を入力する。
【0026】
記憶部23は、メモリやハードディスクドライブなどの記憶装置により構成されており、ナースコール親機20に接続されているナースコール子機1の子機識別情報(ベッド番号情報)と選局部の位置を示す位置情報とを関連付けて記憶している。また、記憶部23は、後述する演算部29にて使用される基準距離情報を記憶している。報知部24は、ナースコール子機1からの呼び出しを報知するためのものであり、スピーカーや表示灯などによって構成されている。親機インターフェース22がナースコール子機1から呼出信号を入力すると、親機制御部21は報知部25を動作させて、スピーカーから報知音を出力させたり、表示灯を点灯(または点滅)させたりして報知を行わせる。報知部25によって報知が行われている場合に、医療従事者がハンドセットなどによって応答すると、ハンドセットがオフフックされてナースコール親機20とナースコール子機1との間で通話路が形成される。
【0027】
測定開始操作部25は、ボタンなどにより構成されており、保守担当者などがナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を調べる際に操作される。測定信号生成部26は、測定開始操作部25が操作されると、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を測定するための測定信号を生成して親機制御部21へ出力する。タイマー27は、時間を計測するためのものである。親機制御部21が測定信号生成部26から測定信号を入力すると、親機制御部21は、その測定信号を、親機インターフェース22を介して各廊下灯10へ出力する。また、親機制御部21は、タイマー27を動作させる。
【0028】
測定部28は、親機制御部21が測定信号を出力してから親機インターフェース22が各廊下灯10から応答信号を入力するまでの時間をタイマー27により測定して時間情報として出力する。ここで、ナースコール親機20に対して近距離に設置されている廊下灯10からは応答信号が比較的早く返送され、ナースコール親機20に対して遠距離に設置されている廊下灯10からは応答信号が比較的遅く返送されることになる。また、親機インターフェース22は、複数の廊下灯10から応答信号を入力するため、複数の時間情報を出力することになる。
【0029】
演算部29は、測定部28から時間情報を入力するとともに、記憶部23から基準距離情報を取得する。そして、応答信号を最も遅く入力した時間を示す時間情報と基準距離情報とに基づいて、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を演算する。ここで、基準距離情報とは、基準時間あたりに測定信号や応答信号が配線を伝わる距離を示すものである。例えば、測定信号や応答信号は、4.5ナノ秒(ns)あたりに1メートルの距離を伝わるものとする。また、応答信号を最も遅く入力した時間を示す時間情報とは、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離の最大値(例えば200メートルなど)に基づいて決定される。例えば、最大距離が200メートルである場合、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線距離は往復で400メートルとなり、ナースコール親機20が測定信号を出力してから1800ナノ秒で応答信号を入力する計算となる。従って、ナースコール親機20は、1秒程度の時間を待てば、全ての廊下灯10からの応答信号を入力することができる。
【0030】
次に、演算部29による具体的な距離の計算例を説明する。例えば、応答信号を最も遅く入力した時間情報が1890ナノ秒であった場合、演算部29は、1890ナノ秒を4.5ナノ秒で除算し、420メートルの結果を得る。この距離が往復であるため、演算部29は420メートルを2で除算し、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との距離は210メートルとの距離情報を得る。
【0031】
提示部30は、ナースコール親機20と末端に接続された廊下灯10との間の配線の距離を提示するためのものであり、表示装置などにより構成されている。測定開始操作部25が操作され、演算部29が距離情報を演算すると、提示部30は、演算部29にて得られた距離情報を提示する。この距離情報を見た保守担当者は、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との距離を把握することができる。
【0032】
以上詳しく説明したように、本実施形態によれば、ナースコール親機20と複数の廊下灯10とが有線にて接続されているナースコールシステムにおいて、ナースコール親機20の測定信号生成部26が測定信号を生成し、親機制御部21が測定信号を出力している。この測定信号を入力した各廊下灯10では、応答信号生成部14が応答信号を生成し、廊下灯制御部11が応答信号を出力している。ナースコール親機20の測定部28は、測定信号を出力してから応答信号を入力するまでの時間をタイマー27にて測定し、演算部28は、応答信号を最も遅く入力した時間を示す時間情報と基準時間あたりの距離を示す基準距離情報とに基づいて、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を求めて、提示部30へ提示するようにしている。
【0033】
これにより、ナースコール親機20から出力された測定信号に対して、末端に接続された廊下灯10によって出力された応答信号の返送時間が最も遅くなるので、末端に接続された廊下灯10を特定することなく、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を求めることができる。また、ナースコール親機20から出力された測定信号に対する応答信号の返送時間によって、ナースコール親機20と廊下灯10との間の配線の距離が演算されるので、ナースコールシステムの動作を停止させることなくナースコール親機20と廊下灯10との間の配線の距離を求めることができる。
【0034】
なお、上述した本実施形態では、ナースコール親機20とナースコール子機1との間に廊下灯10を設置しているが、これに限定されない。例えば、廊下灯10の代わりに表示灯や部屋番号表示欄、患者氏名表示欄を持たない機器を設置するようにしても良い。
【0035】
また、上述した本実施形態では、提示部30は、ナースコール親機20と末端に接続されている廊下灯10との間の配線の距離を表示する表示装置により構成されているが、これに限定されない。例えば、配線の距離を音声にて通知する音声出力装置により提示部30を構成するようにしても良い。
【0036】
その他、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 廊下灯
11 廊下灯制御部
12 廊下灯インターフェース
13 表示灯
14 応答信号生成部
20 ナースコール親機
21 親機制御部
22 親機インターフェース
23 記憶部
24 報知部
25 測定開始操作部
26 測定信号生成部
27 タイマー
28 測定部
29 演算部
30 提示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病室内に設置され、患者によって使用されるナースコール子機と、医療従事者が常駐するナースステーション内に設置され、医療従事者によって使用されるナースコール親機と、前記ナースコール子機と前記ナースコール親機とが通信を行うために、病室内に設置された前記ナースコール子機を接続するとともに、前記ナースコール親機と有線にて接続される複数の廊下灯とを備えたナースコールシステムであって、
前記廊下灯は、ナースコール親機から出力された測定信号を入力すると、応答信号を生成する応答信号生成部と、前記応答信号生成部により生成された応答信号を出力する廊下灯制御部とを備え、
前記ナースコール親機は、このナースコール親機と末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を測定するための測定信号を生成する測定信号生成部と、時間を計測するタイマーと、前記測定信号生成部により生成された測定信号を前記廊下灯へ出力するとともに、前記タイマーを動作させる親機制御部と、前記測定信号に対する応答信号を入力するまでの時間を前記タイマーにて測定して時間情報として出力する測定部と、前記応答信号を最も遅く入力した時間を示す時間情報と基準時間あたりの距離を示す基準距離情報とに基づいて前記ナースコール親機と前記末端に接続されている廊下灯との間の配線の距離を示す距離情報を演算する演算部と、前記距離情報を提示する提示部とを備えたことを特徴とするナースコールシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−115316(P2012−115316A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265338(P2010−265338)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(591253593)株式会社ケアコム (493)
【Fターム(参考)】