説明

ニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストの組合せ剤

【課題】精神疾患の処置のための適当な組合せ剤を提供することが本願発明の課題である。
【解決手段】精神疾患の処置において使用するための、少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび(a)慣用の抗精神病剤(b)非定型抗精神病剤(c)認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤(d)抗鬱剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、組合せ剤を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精神疾患の処置のための適当な組合せ剤に関する。
【発明の概要】
【0002】
驚くべきことに、本発明により、精神疾患の処置において、少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび(a)慣用の抗精神病剤(b)非定型抗精神病剤(c)認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤(d)抗鬱剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む組合せ剤の効果が、組合せの付加的効果よりも大きいことを見いだした。
【0003】
したがって、本発明は、同時に、個別にまたは連続して使用するための、少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび(a)慣用の抗精神病剤、(b)非定型抗精神病剤および(c)認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(該活性成分は両方とも遊離形または薬学的に許容される塩形で存在する。)、ならびに所望により少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む、組合せ剤、例えば組合せ製剤または医薬組成物に関する。
【0004】
本明細書で使用される“精神疾患”なる用語は、限定すべきではないが、統合失調症、不安障害、鬱病および双極性障害を含む。好ましくは、本明細書に記載の組合せ剤で処置される精神疾患は、統合失調症、より好ましくは組合せパートナーの1種のみを使用する単剤療法に対して難治性の統合失調症である。
【0005】
本明細書で使用される“ニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニスト”なる用語は、限定すべきではないが、WO01/085727、WO2004/022556、WO01/060821、WO01/29034およびWO2004/016608に記載の化合物を含む。これらの文献の内容を出典明示により本明細書の一部とする。
【0006】
好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、遊離塩基形または酸付加塩形の(WO01/085727に記載のとおりの)式(Ia)
【化1】

[式中、nは1または2であり、
、RおよびRは独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、そしてAは式
【化2】

{式中、mは1、2または3であり、XはO、S、NHまたはCHであり、そしてRおよびRは独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチルまたはフェニルである。}
の基である。]
の化合物からなる群から選択される。
【0007】
さらに、好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、遊離塩基形または酸付加塩形の(WO04/022556に記載のとおりの)式(Ib)
【化3】

[式中、
XはCHまたは単結合であり;
Yは式
【化4】

の基であり、
Rは置換もしくは非置換C−C10アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロ−C−C10アリール、N(R)(R)またはN(R)(CHR)であり;
、RおよびR各々は独立してH、C−CアルキルまたはCFであり;
は置換または非置換C−C10アリールまたは置換または非置換ヘテロ−C−C10アリールである。]
の化合物からなる群から選択される。
【0008】
さらに、好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、(WO01/60821に記載のとおりの)式(Ic)
【化5】

[式中:
Aは
【化6】

を示し、
Dは酸素または硫黄を示し;
Eは単結合、酸素、硫黄またはNR10を示し;
Rは水素またはメチルを示し;
Ar1は0から3個の窒素原子、0から1個の酸素原子および0から1個の硫黄原子を含む5−または6−員芳香族性環またはヘテロ芳香環を示し:
Ar2は0から3個の窒素原子、0から1個の酸素原子および0から1個の硫黄原子を含む5−または6−員芳香族性環またはヘテロ芳香環、または;
0から3個の窒素原子、0から1個の酸素原子および0から1個の硫黄原子を含む8−、9−または10−員縮合芳香族性環系またはヘテロ芳香環系を示し;
ここでAr2が非置換フェニルのときAr1はピラゾリルではなく;
該芳香環Ar1およびAr2は、所望によりハロゲン、Cアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、CN、NO、NR1R2、CHNR1’R2、OR3、CHOR3、COR4およびCFから選択される1から3個の置換基で置換されているが、Ar1がフェニルでありそしてAr2がキノリニルであるとき、Ar2はCアルキル、Cアルケニル、Cアルキニル、CN、NO、NR1R2、CHNR1’R2、OR3、CHOR3およびCOR4から選択される0、1、2または3個の置換基で置換されており;
R1、R2およびR3は独立してC1−4アルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)R5、C(O)NHR6、C(O)R7、SOR8であるか、またはR1およびR2は一緒になって、Gが酸素、硫黄、NR9または結合である(CH)jG(CH)kであり得;
jは2から4であり;
kは0から2であり;
R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は独立してCアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
ただし、
Dが酸素を示し、Eが単結合を示し、Aが:
【化7】

を示し、そしてAr1またはAr2のいずれかがピラゾール環を示すとき、ピラゾール環のすべての任意の置換基は水素であり;そしてAr1がピリジン環を示し、Ar2がアリール環を示し、そしてAが:
【化8】

を示すとき、ピラゾール環のすべての任意の置換基は当然水素となり、そして、式Iは
【化9】

を示さない。]
の化合物またはそのエナンチオマー、および薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。
【0009】
さらに、好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、(WO01/29034に記載のとおりの)式(Id)
【化10】

[式中、
Aは
【化11】

を示し
Rは水素またはメチルを示し;
R1およびR2は独立して水素またはC−Cアルキルであり;
R3およびR4は独立して水素、C−CアルキルまたはSArであり、ただしR3およびR4の少なくとも1個がSArを示し;
Arは0から3個の窒素原子、0から1個の酸素原子および0から1個の硫黄原子を含む5−または6−員芳香族性環またはヘテロ芳香環または0から4個の窒素原子、0から1個の酸素原子および0から1個の硫黄原子を含む8−、9−または10員縮合芳香族性環系またはヘテロ芳香環系(これらは所望により水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、アリール、ヘテロアリール、−COR5、−CN、−NO、−NR6R7、−CF、−OR8−から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。)を示し、
R5、R6、R7およびR8は独立して水素、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)R9、−C(O)NHR’O、−C(O)R”、−SOR12であるか、または
R6およびR7は一緒になって、QがO、S、NR13または結合である(CHQ(CH)kであり得;
jは2から7であり;
kは0から2であり;
R9、R10、R11、R12およびR13は独立してC−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリールである。]
の化合物またはそのエナンチオマー、および薬学的に許容されるそれらの塩からなる群から選択される。
【0010】
さらに、好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、(WO04/016608に記載のとおりの)式(Ie)
【化12】

[式中、
−−−−は任意に二重結合を示し;
nは1、2または3であり;
Xは−O−、−O−CH−、−O−CH−CH−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−、−S−CH−CH−、−CH−、−C(=CH)−、−NH−、−N(アルキル)−、−C(=O)−、−C(=S)−、
【化13】

から選択されるリンカーを示し、
そして
Aは所望によりアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルコキシ−アルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルコキシ−アルキル、シクロアルコキシ−アルコキシ、ハロ、CF、CN、NO、NH、カルボキシ、カルバモイル、アミド、スルファモイルおよびフェニルからなる群から選択される置換基、または他の単環式または多環式の、炭素環式基またはヘテロ環式基で1またはそれ以上で置換されている単環式または多環式の、炭素環式基またはヘテロ環式基(さらにこれら単環式または多環式の、炭素環式基またはヘテロ環式基は所望によりアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキルからなる群から選択される置換基で1またはそれ以上で置換されていてもよい。)を示すが、
しかしXがOまたはSを示すとき、Aはビフェニル基である。]
の化合物、そのエナンチオマー、もしくはそのエナンチオマーの混合物、または薬学的に許容されるそれらの付加塩、またはそれらのオニウム塩からなる群から選択される。
【0011】
特に好ましいニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストは、下記の化合物
I.1 (S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチルエステル
I.2 (R)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(R)−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル
I.3 (S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−フェニル−エチルエステル
I.4 (R)−3−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.5 (R)−3−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.6 (R)−3−(6−p−トリル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.7 (R)−3−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.8 (R)−3−(6−p−トリル−ピリダジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.9 (R)−3−[5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.10 (2S,3R)−3−[6−(1H−インドール5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.11 (2S,3R)−2−メチル−3−[6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.12 3−[6−(2,3−ジメチル−1H−インドール5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.13 3−[6−(1H−インドール5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン
I.14 4−[5−(1H−インドール5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
I.15 4−[5−(1H−インドール5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン
I.16 5−ベンゾフラン−5−イルエチニル−1−メチル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン
I.17 1−メチル−5−フェニルエチニル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン
I.18 1−メチル−5−(1−メチル−1H−インドール5−イルエチニル)−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン
I.19 5−(3−アミノ−フェニルエチニル)−1−メチル−3−ピペリジン−1−イルメチル−ピロリジン−2−オン
からなる群から選択される。
【0012】
さらに特に好ましいニコチン性α7受容体アゴニストは、下記の化合物:
【化14】

からなる群から選択される。
【0013】
“慣用の抗精神病剤”なる用語は、主にドーパミン受容体D2拮抗作用を介する精神病の処置において有効である化合物を意味する。本明細書で使用される“慣用の抗精神病剤”は、限定すべきではないが、ハロペリドール、ドロペリドール、モリンドン、フルフェナジン、チオチキセン、フルペンチキソール、プロマジン、ピモジド、クロロプロマジン、メトトリメプラジン、ピポチアジン、トリフルオペラジン、チオリダジン、アセトフェナジン、クロルプロチキセンおよびメソリダジンを含む。
【0014】
“非定型抗精神病剤”なる用語は、ドーパミン受容体2拮抗作用に加えておよび/または異なるメカニズムを介する病の処置において有効である化合物を意味する。本明細書で使用される“非定型抗精神病剤”は、限定すべきではないが、クロザリル、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、セルチンドール、ペルフェナジン、メソリダジン、プロクロルペラジン、ナプロキセンおよびロキサピンを含む。
【0015】
“認識増強剤”なる用語は、任意の種類の記憶および注意(短期間、長期間、作業記憶、黙示的なおよび/または明示的な記憶、エピソード一次および二次記憶)を改善する化合物を意味する。本明細書で使用される認識増強剤は、限定すべきではないが、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤および/またはブチリルエステラーゼ阻害剤(リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、ヒューペルジン)のようなコリン作動性化合物、アンパカイン(例えばCX614、CX516)、ムスカリンモジュレーター(例えばムスカリン受容体アゴニスト)、NMDA−受容体のモジュレーター(例えば陽性のモジュレーター、アンタゴニスト、メマンチン)、ニコチン性アセチルコリン受容体のアゴニストおよび/または陽性のモジュレーター、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えばPDE4阻害剤)、ヒデルギン、オクシラセタム、アニラセタム、アセチル−L−カルニチンのような向知性化合物、イチョウ由来化合物、p−アミノ安息香酸およびジエチルアミノエタノールならびにそれらの誘導体のような老化防止剤を含む化合物、およびメチルフェニデート、トモキセチンおよびモダフィニルのような注意を調節する化合物を含む。
【0016】
“抗鬱剤”なる用語は、抑鬱症状を改善することが示された薬剤を意味する。本明細書で使用される“抗鬱剤”は、限定すべきではないが、下記の群:1)イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、ドクサピン、マプロチリンのようなヘテロ環式;2)フェネルジン、イソカルボキサジド、トラニルシプロミン、モクロベマイドのような可逆性MAO−阻害剤を含むモノアミンオキシダーゼ阻害剤;3)フルオキセチン、セルトラリン、レボキセチン、デュロキセチン、パロキセチンおよびブプロピオンのような(特異的、2機能性または3機能性の)モノアミン吸収阻害剤;4)CRFモジュレーター(例えばCRFアンタゴニスト)、グルココルチコイド受容体モジュレーター(例えばGRアンタゴニスト)、ミネラルコルチコイドモジュレーター(例えばMRアンタゴニスト)のようなHPA系調節化合物;5)ガラニン受容体モジュレーター(例えばGalR3アンタゴニスト、GalR1アゴニスト、GalR2アゴニスト)、バソプレシン受容体モジュレーター(例えばV1a、V1bアンタゴニスト)、ソマトスタチン受容体モジュレーター(例えばSSTR1および/またはSSTR3アンタゴニスト)、NK1および/またはNK2受容体モジュレーター(例えばNK1アンタゴニスト)のようなタキキニンモジュレーター、NPY受容体モジュレーターのような神経ペプチドモジュレーター;6)電位依存性カルシウムチャネルモジュレーター(例えばガバペンチン);7)シグマ部位モジュレーター;8)メラトニン化合物(例えばメラトニン、アゴメラチン);9)代謝型グルタミン酸受容体のモジュレーター(例えばmGluR5アンタゴニスト、mGluR7アンタゴニスト);10)ミトコンドリアのベンゾジアゼピン受容体のモジュレーター(例えばMDRのアゴニスト);11)ニコチン性アセチルコリン受容体のモジュレーター(例えばアンタゴニストを含むα4β2および/またはα3β4サブタイプ);12)リチウム;13)睡眠剥奪療法、電気ショック療法のような抗鬱処置;14)西洋オトギリソウの抽出物および誘導体のような天然産物を含む。
【0017】
“抗不安剤”なる用語は、不安および/または感情的緊張を阻止または緩和し、臨床的に不安な個体をそのレベルの不安を十分に許容できるように回復する、および/または不安の発症への進行を予防する化合物を意味する。“抗鬱剤”の下に記載の大部分の化合物および薬理学的原則は、“抗不安剤”においても指示される。本明細書で使用される“抗不安剤”は、さらに、限定すべきではないが、ベンゾジアゼピン、アザピロン(azapirones)、メプロバメート、バルビツール酸およびある抗ヒスタミン剤、例えばジフェンヒドラミンおよびヒドロキシジン、さらにクロルジアゼポキシド、デモキセパム、クロラゼプ酸、メダゼパム、ジアゼパム、テマゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、アルプラゾラム、ブスピロン、ゾルピデム、フルラゼパム、ロラゼパム、トリアゾラム、クアゼパム、クロナゼパムを含む。
【0018】
好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび1種の慣用の抗精神病剤を含む。
【0019】
好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび1種の非定型抗精神病剤を含む。
【0020】
好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび1種の認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤を含む。
【0021】
好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび1種の抗鬱剤を含む。
【0022】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(A)およびアゴメラチン、アザピロン(azapirones)、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン(rochlorperazine)、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0023】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(B)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0024】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(C)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0025】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(D)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0026】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(E)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0027】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(F)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0028】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(G)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0029】
特に好ましい態様において、本発明の組合せ剤は、化合物(H)およびアゴメラチン、アザピロン、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、アリピプラゾール、アセトフェナジン、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸、ブスピロン、ブプロピオン;クロルジアゼポキシド、クロラゼプ酸、クロナゼパム、クロロプロマジン、クロザリル、CX614、CX516、クロルプロチキセン、ジフェンヒドラミンヒドロキシジン、デモキセパム、ジアゼパム、ドロペリドール、デュロキセチン、ドネペジル、ドクサピン、デシプラミン、フルラゼパム、フルフェナジン、フルオキセチン、フルペンチキソール、ガバペンチン、メラトニン、イチョウ由来化合物、ガランタミン、ハロペリドール、ヒデルギン、ヒューペルジン、イソカルボキサジド、イミプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、メプロバメート、メダゼパム、モクロベマイド;モリンドン、マプロチリン;モダフィニル、メマンチン、メチルフェニデート、メソリダジン、メソリダジン、メトトリメプラジン、ノルトリプチリン、ナプロキセン、オキサゼパム、オクシラセタム、オランザピン、プラゼパム、パロキセチン、フェネルジン、ピポチアジン、ペルフェナジン、プロマジン、ピモジド、PDE4阻害剤、クアゼパム、クエチアピン、レボキセチン、リバスチグミン、プロクロロペラジン、リスペリドン、セルトラリン、セルチンドール、テマゼパム、トリアゾラム、トラニルシプロミン、トモキセチン、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ゾルピデム、ジプラシドンからなる群から選択される、1種またはそれ以上の、好ましくは1種の化合物を含む。
【0030】
“精神疾患”なる用語は、当業者に既知であり、当分野における当業者が考慮するであろうすべての疾患を含む。特に、統合失調症、不安障害および双極性障害を含む。
【0031】
さらなる態様において、本発明の組合せ剤は、組合せパートナーの1種のみを使用する単剤療法に対して難治性である統合失調症を処置するために使用できる。
【0032】
コードナンバー、一般名または商標名により同定される活性成分の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から得ることができる。それらの対応する内容を出典明示により本明細書の一部とする。当業者は、容易にこれらの参考文献に基づいて活性成分を同定でき、そして同様に製造し、インビトロおよびインビボ両方の標準試験モデルにおいて、医薬の適応および特徴を試験できる。
【0033】
ハロペリドールは、例えば商標名Haloperidol STADATMの下に販売されている形で投与できる。フルフェナジンは、例えば商標名ProlixinTMの下に販売されているとおりのジヒドロクロライドの形で投与できる。チオチキセンは、例えば商標名NavaneTMの下に販売されている形で投与できる。これは例えばUS 3,310,553に記載のとおりに製造できる。フルペンチキソールは、例えばそのジヒドロクロライドの形、例えば商標名EmergilTMの下に販売されている形、または例えばそのデカンサンエステルの形、例えば商標名DepixolTMの下に販売されている形で投与できる。これは、例えばBP 925,538に記載のとおりに製造できる。クロザリルは、例えば商標名LeponexTMの下に販売されている形で投与できる。これは例えばUS 3,539,573に記載のとおりに製造できる。リスペリドンは、例えば商標名RisperdalTMの下に販売されている形で投与できる。オランザピンは、例えば商標名ZyprexaTMの下に販売されている形で投与できる。クエチアピンは、例えば商標名SeroquelTMの下に販売されている形で投与できる。ジプラシドンは、例えば商標名GeodonTMの下に販売されている形で投与できる。これは、例えばGB 281,309に記載のとおりに製造できる。アリピプラゾールは、例えば商標名AbilifyTMの下に販売されている形で投与できる。これは、例えばUS 5,006,528に記載のとおりに製造できる。
【0034】
本明細書で使用される“組合せ製剤”なる用語は、上記定義のとおりの第1および第2の活性成分を独立して、または異なる量の成分を有する様々な固定された組合せ剤の使用により、すなわち同時にまたは異なる時点で投与できるという意味で、とりわけ“複数パーツのキット”と定義する。次いで複数パーツのキットのパーツは、例えば、同時にまたは異なる時点で、すなわち、異なる時点で、かつ任意の複数パーツのキットのパーツと等しいまたは異なる時間間隔で投与できる。より好ましくは、時間間隔は、パーツの組合せた使用で処置される疾患に対する効果が、任意の1種のみの活性成分の使用により得られる効果よりも大きいように選択する。組合せ製剤において投与される活性成分1と活性成分2の全量の比率は、例えば、処置される患者亜母集団の必要性または、患者の年齢、性別、体重などにより異なる必要性が起こり得る単独の患者の必要性に対処するために変化できる。好ましくは、少なくとも1種の有益な効果、例えば第1および第2の活性成分の効果の相互の増強、特に相乗効果、例えば相加よりも大きい効果、さらなる効果、少ない副作用、非有効量の第1および第2の活性成分の1種または両方の組合せ治療効果、および、とりわけ第1および第2の活性成分の強い相乗効果がある。
【0035】
当然のことながら、方法の議論において、活性成分の言及は薬学的に許容される塩も含むことを意味する。これらの活性成分が例えば少なくとも1種の塩基性中心を有するとき、それらは酸付加塩を形成できる。所望により、対応する酸付加塩はまた、さらに塩基性中心の存在を有するように形成できる。酸性基(例えばCOOH)を有する活性成分はまた、塩基と塩を形成できる。活性成分または薬学的に許容されるそれらの塩はまた、水和物形で使用され得、または結晶化のために使用される他の溶媒を含み得る。
【0036】
少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニスト(“化合物i)”)および(a)慣用の抗精神病剤および(b)非定型抗精神病剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(“化合物ii)”)(該活性成分は両方とも遊離形、または少なくとも1種の塩形成基が存在するとき薬学的に許容される塩形で存在する。)を含む組合せ剤は、「本発明の組合せ剤」として下記する。
【0037】
驚くべきことに、「本発明の組合せ剤」の投与は、「本発明の組合せ剤」において使用される薬学的に活性成分の1種のみを使用する単剤療法と比較して、有益な、とりわけ相乗的な治療効果または他の驚くべき有益な効果、例えば少ない副作用をもたらすことを見いだした。
【0038】
例えば、「本発明の組合せ剤」の治療ポテンシャルは、例えば本明細書に言及または記載されている方法のような既知の前臨床試験において証明され得る。
【0039】
「本発明の組合せ剤」の抗精神病ポテンシャルは、標準試験、例えばケタミン誘導過剰移動運動試験もしくは物体認識試験または臨床試験で示すことができる。
【実施例】
【0040】
ケタミン誘導過剰移動運動
ケタミン誘導過剰移動運動の阻害は、抗統合失調症活性、とりわけ統合失調症で観察される陽性症状に関するスクリーニングパラダイムをして既知である。
雄ラットを使用する。原則として、下記の8種の処置群を形成する:
1)自発運動におけるニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストの効果を試験するためにニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニスト、その後に溶媒2および溶媒3。
2)自発運動における組合せパートナーの効果を試験するために溶媒1、組合せパートナーおよび溶媒3。
3)過剰自発運動の誘発を試験するために溶媒1、溶媒2、その後にケタミン(1mg/kg)。
4)ニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニスト、その後に溶媒2およびケタミン。
5)溶媒1、その後に組合せパートナーおよびケタミン(1mg/kg)。
6)「本発明の組合せ剤」(ほぼ閾値の用量での各活性成分の用量)、その後に溶媒3。
7)「本発明の組合せ剤」(ほぼ閾値の用量での各活性成分の用量)、その後にケタミン(1mg/kg)。
8)溶媒1−溶媒2−溶媒3。
【0041】
ラットはこれらの前処理群に無作為に割り当てる(n=10/投薬群)。ケタミン15分前に、薬剤を皮下(s.c.)投与する。動物がケタミンを受けるとすぐに、60分間の活動モニターに置く。自発運動は最初の30分にわたって分析する。
【0042】
運動はビデオトラッキングシステムで記録する。動物は06:00に点灯する標準12/12時間、昼−夜サイクル下である。実験は07:00から15:00に薄暗い部屋で行う。動物を灰色のポリ塩化ビニルプラスチックで作られた円形の領域(直径42cm、高さ32cm)に置く。カメラを、4匹の動物(領域あたり1匹)を同時に記録できるように設置する。
【0043】
ケタミンを1mg/mlとして生理食塩水に溶解させ、1ml/kgの量でs.c.投与する。「本発明の組合せ剤」は必要なとき溶解させる。それは、1ml/kgの量でs.c.投与する。
群間の比較は、ボンフェローニ法を使用して複数の試験について補正したスチューデントt検定で行う。
【0044】
物体認識試験
「本発明の組合せ剤」の抗精神病ポテンシャルを証明する他の適当な前臨床試験は、物体認識試験、例えば下記の試験である。下記の試験において、正(例えば褒美のエサ)の強化でも負(例えばショック)の強化でもない物体認識試験(ORT)を使用して、マウスにおける注意および/または記憶における効果に関する「本発明の組合せ剤」のポテンシャルを、組合せパートナーのポテンシャルと比較できる。
【0045】
方法。新規物体を調べるとき、齧歯類は繰り返して特徴的な態度(その物体に直接向かう、伸びて関心を示す態度(SAP))をとる。物体認識試験は、3回連続して(0分、10分および24時間)、3分間ホームケージに置かれたPVCディスクに向かって、単独で収容されたマウスにより示されるSAPの数を記録する。薬剤処置後の何らかの運動障害の可能性または行動の減少を試験するため、すべてのマウスに、さらに24時間目に10分間、新規PVCコーンを与える。
【0046】
臨床試験
さらに、「本発明の組合せ剤」の薬理学的活性は、例えば、臨床試験において証明し得る。本発明の一つの態様において、このような臨床試験は、好ましくは統合失調症を有する患者における無作為、二重盲検、臨床試験である。このような試験は、特に、「本発明の組合せ剤」の活性成分の相乗効果を証明する。統合失調症における有益な効果は、これらの試験の結果を通して、または当業者に既知である試験デザインに変化により、直接証明できる。本試験は、特に活性成分を使用する単剤療法の効果と「本発明の組合せ剤」の効果を比較するために適当である。
【0047】
一つの態様において、「本発明の組合せ剤」は、特に、統合失調症および/または精神病の陽性症状、陰性症状、気分症状および/または認知的症状の処置において利益を提供する。さらに、いくつかの「本発明の組合せ剤」は、統合失調症患者の衝動的なおよび/または暴力的な行為の制御において有益な効果を示す。
【0048】
さらなる利益は、「本発明の組合せ剤」の活性成分を、例えば必要な用量がしばしばより少なくなるだけでなく適用する頻度もまた少なくなる低用量で使用できること、または副作用の発生を減少するために使用できることである。これは処置される患者の願望および要求に一致する。
【0049】
精神疾患に対して一緒になって治療有効量の「本発明の組合せ剤」および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供することは本発明の一つの目的である。この組成物において、第1および第2の活性成分は、一緒に、交互に、または別々に一つの組合せた単位投与形でもしくは二つの別々の単位投与形で投与できる。該単位投与形はまた、固定された組合せ剤であり得る。
【0050】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で製造でき、治療有効量の少なくとも1種の薬理学的活性成分を単独でまたは1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体と組合せて含み、ヒトへの経腸、例えば経口または経直腸、および非経腸投与が適当であり、とりわけ経腸または非経腸適用が適当であるものである。本発明の投与形の好ましい投与経路は経口である。
【0051】
新規医薬組成物は、例えば、約10%から約100%、好ましくは約20%から約60%の活性成分を含む。経腸または非経腸投与のための組合せ治療の医薬製剤は、例えば、単位投与形、例えば糖衣錠、錠剤、カプセルまたは座薬、およびさらにアンプルであるものである。他に記載のない限り、これらはそれ自体既知の方法、例えば慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥法の手段により製造する。必要な有効量は複数の単位投与により達成できるため、各投与形の個々の用量を含む活性成分(複数も含む)の単位量がそれ自体で有効量の構成要素となる必要はないと理解されよう。
【0052】
経口投与形のための組成物の製造において、任意の慣用の医薬用媒体を使用でき、例えば、粉末、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤の場合、例えば、水、グリコール、油またはアルコール;または担体、例えばデンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用し得る。これらの投与の容易さのおかげで、錠剤およびカプセルは、もっとも有利な経口単位投与形を代表し、この場合、固体医薬担体を当然使用する。
【0053】
さらに、本発明は、統合失調症の処置用医薬の製造のための、少なくとも1種の慣用の抗精神病剤または少なくとも1種の非定型抗精神病剤を少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストと一緒に含む「本発明の組合せ剤」の使用に関する。
【0054】
さらに、精神疾患に対して一緒になって治療有効量であり、そしてその中の化合物は薬学的に許容されるそれらの塩形でも存在できる「本発明の組合せ剤」を含む本発明は、少なくとも1種の精神疾患を有するヒト患者の処置法を提供する。
【0055】
さらに、本発明は、活性成分として「本発明の組合せ剤」を、精神疾患の処置における、同時に、個別にまたは連続して使用するための指示書と一緒に含む、市販用パッケージを提供する。
【0056】
特に、「本発明の組合せ剤」の治療有効量の各活性成分は、同時にまたは任意の順に連続して投与され得、該成分は個別にまたは固定された組合せ剤として投与され得る。例えば、本発明の統合失調症の処置法は、同時にまたは任意の順に連続して、一緒になって治療有効量、好ましくは相乗的に有効量、例えば本明細書に記載の対応する一日用量の(i)遊離形または薬学的に許容される塩形の第1の活性成分の投与および(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形の第2の活性成分の投与を含み得る。「本発明の組合せ剤」の個々の活性成分は、治療期間に異なる時点で個別に、または分割してもしくは単一の組合せ形で同時に投与できる。さらに、投与なる用語はまた、活性成分のプロドラッグ(インビボで活性成分に変化する)の使用を含む。したがって、本発明は、すべての同時のまたは別々の処置のレジメンを含むと理解されるべきであり、したがって“投与”なる用語はそれに合わせて解釈するべきである。
【0057】
本発明の一つの好ましい態様において、「本発明の組合せ剤」は、単剤療法では難治性の統合失調症の処置のために使用する。
【0058】
「本発明の組合せ剤」において使用される有効用量の各活性成分は、特に使用される化合物または医薬組成物、投与経路、処置される状態の重症度に依存して変化し得る。したがって、「本発明の組合せ剤」の投与レジメンは、投与経路および患者の腎臓および肝臓機能を含む様々な要因にしたがって選択する。通常の医師、臨床医または獣医は、容易に状態の進行を予防、阻止または阻害するために必要な有効量の単一の活性成分を決定し、処方できる。毒性のない有効性を生む範囲内の活性成分の濃度での最適精度は、標的部位への活性成分の有効性の動力学に基づくレジメンが必要である。これは活性成分の分配、平衡および排出の考慮を含む。
【0059】
「本発明の組合せ剤」を使用する組合せパートナーを単一の薬剤として販売されているとおりの形で適用するとき、他に記載のない限り、本明細書に記載の有益な効果をもたらすために、これらの用量および投与経路は販売されている各薬剤の添付文書で提供される情報にしたがって行うことができる。
【0060】
特に、クロザリルは約300から約900mgの全一日用量で成人患者に投与され得る。
ハロペリドールは約2.5から約30mgの全一日用量で患者に投与され得る。
オランザピンは約2.5から約20mgの全一日用量で患者に投与され得る。
クエチアピンは約500から約600mgの全一日用量で患者に投与され得る。
リスペリドンは約2から約6mgの全一日用量で患者に投与され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)1種またはそれ以上のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよびii)(a)慣用の抗精神病剤(b)非定型抗精神病剤(c)認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤(d)抗鬱剤の群から選択される1種またはそれ以上の化合物を含む、組合せ剤。
【請求項2】
組合せた製剤または医薬組成物である、請求項1に記載の組合せ剤。
【請求項3】
精神疾患の処置のために同時に、個別にまたは連続して使用するための、請求項1から2のいずれかに記載の組合せ剤。
【請求項4】
該疾患が統合失調症である、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項5】
該疾患が不安障害または双極性障害である、請求項3に記載の組合せ剤。
【請求項6】
精神疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1または2に記載の組合せ剤の使用。
【請求項7】
統合失調症の処置用医薬の製造のための、請求項1または2に記載の組合せ剤の使用。
【請求項8】
不安障害または双極性障害の処置用医薬の製造のための、請求項1または2に記載の組合せ剤の使用。
【請求項9】
有効量の請求項1に記載の組合せ剤を患者に投与することを含む、処置を必要とする患者の精神疾患の予防、処置または進行の遅延の方法。
【請求項10】
有効量の請求項1に記載の組合せ剤を患者に投与することを含む、処置を必要とする患者の統合失調症の予防、処置または進行の遅延の方法。
【請求項11】
有効量の請求項1に記載の組合せ剤を患者に投与することを含む、処置を必要とする患者の不安障害または双極性障害の予防、処置または進行の遅延の方法。
【請求項12】
請求項1または2に記載の組合せ剤と精神疾患の処置における同時に、個別にまたは連続して使用するための指示書を一緒に含む、市販用パッケージ。
【請求項13】
同時に、個別にまたは連続して使用するための、少なくとも1種のニコチン性アセチルコリンα7受容体アゴニストおよび(a)慣用の抗精神病剤(b)非定型抗精神病剤(c)認識増強剤、注意増強剤および/または記憶増強剤(d)抗鬱剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(該活性成分は両方とも遊離形または薬学的に許容される塩形で存在する。)、ならびに所望により少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む、組合せ剤。
【請求項14】
少なくとも1種の精神疾患に対する、一緒になって治療有効量の請求項1または2に記載の医薬組合せ剤および少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。

【公開番号】特開2012−255039(P2012−255039A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220444(P2012−220444)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2007−538364(P2007−538364)の分割
【原出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】