説明

ニコチン様物質受容体のモジュレーターとしてのガランタミンおよびリコラミンの類似物

【課題】ニコチン様受容体の調節剤の提供。
【解決手段】ガランタミンおよびリコラミンの類似物は、ヒトや他の動物のニコチン様受容体を調節することで有用である。こうした受容体の調節は、注意力異常に対する治療、禁煙の手助け、およびパーキンソン病の治療を含有する多くの症状の治療または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、ガランタミンおよびリコラミンの類似物によるニコチン様物質受容体を調節する方法に関する。こうした受容体の調節は、それに附随する諸機能、沈痛、ニコチンおよびその類似物によるアディクション(耽溺)、不安や抑圧の治療、アルツハイマーやパーキンソン病の治療および進行沮止、神経変性症に対する神経保護、アルコールやグルタミン酸その他の毒物効果及び分裂病の治療、などに有用である。
【0002】
[発明の背景]
ガランタミンは、マツユキソウ(galanthus nivalis)から最初に単離されたアルカロイドの一つで、それは長い間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤として使用されてきた。ヒトにおける主な使用は神経−筋相関遮断の術後の回復であった。それはまた多くの神経−筋相関疾患に投与されてきた。筋肉の活性化のために、ガランタミンの抗コリンエステラーゼ活性と筋肉における攣縮増強の誘導との間に存在する相関を決定することに興味がもたれた。
【0003】
生きたネコの腓腹筋の直接的な電気刺激による痙攣活動電位が、ネオスティグミン、フィソスティグミンおよびガランタミンの静脈注射後に測定された(Ueda M, Matsumoto S, Kimoto S, Matsuda S, Studies on the anticholinesterase and twitch potentiation activities of galanthamine. コリンエステラーゼとガランタミンの攣縮増強活性に関する研究。J.ap J Pharmacol 12:111−119, 1962)。ガランタミンはネオスティグミンの1/10.5倍、フィソスチグミンの1/3. 5倍の活性を持つ(p114)。ラットの脳、赤血球および腓腹筋ホモジネート中で測定したコリンエステラーゼ活性のIC 50は、ネオスティグミンではガランタミンに対して200倍の範囲の低い値で、フィソスティグミンにたいしては50倍低い値である(表4。P115)。これは攣縮増強活性の強度と酵素活性の間に不釣り合いを生み出している。著者らは、“ガランタミンの抗コリンエステラーゼ活性はネオスティグミンやフィソスティグミンのそれの1/10であるけれども、ガラタミン投与による筋肉における攣縮増強はそれらの1/10である。つまり、ガラタミンによる痙攣増強に関しては抗コリンエステラーゼ活性以外の要素の関与が推測される”と記している。
【0004】
その考察において、著者等はこの点を以下のように概括している。
“ガランタミンの抗コリンエステラーゼ活性はネオスティグミンやフィソスティグミンのそれの1/100であるけれども、ガラタミン投与による神経−筋肉標品における攣縮増強はそれらの約1/10である。こうした攣縮増強と抗コリンエステラーゼ活性との間の矛盾はガランタミンによる筋組織に対する直接的な効果あるいは実験動物の種の違いという説明によっても解決されない。”
著者らは、ガランタミンの効果は抗コリンエステラーゼ活性も表していないし、脱分極剤から予期されるような直接的な効果も表していないと考察する。著者らはこれまでの研究者達の論争点、すなわち、神経−筋接合部におけるアセチルコリンの蓄積という古典的な考えは以下のような点と両立しないことを引用する。(1)強力な脱分極は必ずしも顕著な攣縮増強を示さない(2)ネオスティグミンのような抗コリンエステラーゼによって生じた攣縮増強は、化合物の投与後直ちに出現する。このように、電気刺激によって放出される内在性伝達物質の活性の高まりは、抗コリンエステラーゼの時間依存性(タイムコース)や強度とも一致しないし、直接的な脱分極に帰することもできない。したがって、攣縮増強は酵素阻害あるいは直接的な作用ではなく、運動神経終末に対する作用に帰するのがもっともありそうなことである。
【0005】
運動神経終末、すなわち、神経−筋接合部は、ニコチン性コリン作動性受容体を介して作用する。こうした受容体はガングリオンにも見られる。KostowskiとGomulka(Note on the ganglionic and central actions of galanthamine, ガランタミンのガングリオンおよび中枢神経での作用に関する記載。Int. J. Neuropharmacol, 7: 7−14, 1968)は、ネコのガングリオン神経伝達におけるガランタミンおよびフィソスティグミンの効果を研究した。この薬剤は動脈内注射によって投与され、脱分極は側頭頸ガングリオン(superior cervical ganglion)の表面で記録された。フィソスティグミンおよびガランタミンは、サリチルフィソスティングミンの分子量を413、ガランタミンヒドロブロマイドの分子量を366として、ほぼ等しいモル濃度となる250マイクログラムという相互に比較可能なドースで投与された。上記のように、これはフィソスティグミンに対してはるかに強い抗コリンエステラーゼ強度を表している。図1A, p9、に示されたように、フィソスティングミンではなく、ガランタミンはヘキサメソニウム(C6)によって引き起こされるガングリオン伝導遮断を基本的に抑制した。実際の記録は、図2、p10、に示され、そこではフィソスティグミンではなく、ガランタミンで処理したガングリオンの表面電位の保護が観察された。著者らは、異なる透過性がこれらの結果に寄与していることも考察しているが、しかし以下のようにも考察している。
【0006】
“ガングリオンのコリン感受性部位に対する薬剤の直接作用における相違は考慮されるべきであろう。ネコの側頭頸ガングリオン(superior cervical ganglion)においては二つの異なる興奮性コリン感受性部位が記載されている...
一つはニコチン、テトラメチルアンモニウム(TMA)で刺激され、クラーレ、あるいはヘキサメソニウム様薬剤によって阻害される。一方、2番目のはムスカリンおよびアセチル−b−メチルコリン興奮に対する感受性とアトロピンによる遮断にたいする感受性に特徴をもっている。両方のタイプのコリン感受性部位、ムスカリン様およびニコチン様部位はアセチルコリンによって活性化されうる...
C6誘導ガングリオン伝導遮断を防止するガランタミンの作用は、この効果がニコチン様コリン作用性部位の興奮によることを示唆している...
ガランタミンで処理したガングリオンの表面電位の増加は、そうした機構がいくつかの抗コリンエステラーゼの作用に含まれることをも示唆する”。
【0007】
最近の観察結果は、こうしたこれまでの研究者らによって提案された機構と一致する。株化されたラット褐色細胞腫(PC12)細胞を用いて、Storchらは30年以上も前のuedaらの結論を確認した(Storch A, Schrattenholz A, Cooper JC, Abdel Gharni EM, Gutbrod O, Weber K−H, Reinhardt S, Lobron C, Hermsten B, Soskic V, Periera EFR, Albuquerque EX, Methfessel C, Maelicke A. Physostigmine, galanthamine and codeine act as ‘noncompetitive nicotinic receptter agonists’ on clonal rat pheochromocytoma cells. フィソスティグミン、ガランタミンおよびコデインは、ラット褐色細胞腫において非競争的ニコチン様受容体アゴニストとして作用する、Eur. J Pharmacol Mol Pharmacol Sect 290:207−219,1995)。
【0008】
これらの著者は、“フィソスティグミン、ガランタミンおよびコデインは大きな全細胞電流は惹起しないが、それは低い開チャネルの可能性、遅い応答の開始と不活性化による”と記している。これらの薬剤が効果を示すためには、直接のアゴニストによって起こるように、開かれたイオンチャネルを必要とする。フィソスティグミンおよびガランタミンは、しかしながら、PC12細胞のインサイドアウトのパッチにおける一定のチャネル活性化を引き起こす。この活性化はアセチルコリンによっても生じる。競争的ニコチン様アンタゴニストであるメチルリカコニチンはアセチルコリンによる活性化を抑制するが、コリンエステラーゼ阻害剤によっては起こらない(図2、p211)。従って、ガランタミンとフィソスティングミンはアゴニスト部位に結合しない。反対に、フィソシチングミンに対する競争的なモノクローナル抗体であるFK1存在下で保温したあとでは、フィソスティグミンもガランタミンも、単一チャネル活性を誘導できなかったが、アセチルコリンはそれを誘導できた。著者らは、こう結論した。“別の言い方をすれば、(−)フィソスティングミン(およびガランタミン)[この括弧内の字句は著者らの付加したものである] は、PC12細胞のニコチン様受容体に非競争的アゴニストとして作用する“(p213)。
【0009】
このように、運動神経終末の活性化を亢進し、アセチルコリンによって誘導されたガングリオン脱分極を増強し、ヘキサメソニウムに対して保護する(それらはニコチン様受容体の活性昂進をしめしているが)、ガランタミンの活性能力は、パッチクランプおよび抗体技術といったより新しい方法で確認されてきた。
【0010】
[発明の概要]
本発明は、効果的な濃度のガランタミン類似物あるいはリコラミン類似物をそれの必要な患者に投与することによってニコチン様作用を調節する方法を提供する。
【0011】
[発明の詳細な説明]
本発明において使用されるガランタミン類似物は、良性のニコチン様性質を持つものである。KostowskiとGomulka (op cit) によって使われたような古典的な神経化学的技術がニコチン様性質を持った化合物を同定するために使用される。このうち電位または生物活性のようなコリン作用性として知られる結果の測定は、ヘキサメソニウムのような非脱分極剤によって遮断される。海馬スライスにおけるパッチクランプ記録のようなより新しい技術 (Alkondon M, Pereira EF, Eisenberg HM, Albuquerque EX. Choline and selective agonists identify two subtypes of nicotinic acethylcholine receptors in rat hippocampal interneurons that modulate GABA release from CA. コリンおよび選択的アゴニストはCAからのGABA放出を調節するラット海馬内在ニューロンにおけるニコチン様アセチルコリン受容体の2つのサブタイプを同定する。J.Neurosci 19(7): 2693−2705, 1999), 電流および電位差クランプモード(Frazier CL, Rollins YD, Breese CR, Leonard S, Freedman R, Dunwiddie TV. Acetylcholine activates an alpha−bungatotoxin−sennsitive nicotinic current in rat hippocampal interneurons, but not pyramidal cells. アセチルコリンはアルファブンガロトキシン感受性のニコチン様電流を、ピラミッド細胞ではなく、ラット海馬の内在ニューロンにおいて活性化する。J Neurosci 18(4):1187−1195, 1998)、あるいは電子生理学的記録(Stevens KE, Kern WR, Freedman R. Selective alpha 7 nicotinic receptor stimulation normalizes chronic cocaine−induced loss of hippocampal sensory inhibition of C3H mice. 選択的なアルファ7ニコチン様受容体刺激は慢性的なコカイン誘導によるC3Hマウスの海馬感覚神経阻害の損失を正常化する。 Biol Psychiatry 46(10):1443−50, 1999)、あるいは上述のStorchらによって使われた技術もまた、適当な安全性、薬物動態学的、あるいは最終のヒトにおける臨床治験での候補化合物を特定するために使用される。それに加えて、ヘキサメソニウムメカミラミン、メチルリアコニチンジヒドロベータエリスロイジンなどのニコチン様受容体阻害剤を使用しての薬理学的回復試験もニコチン様作用機序を同定するために使用される。
【0012】
こうした化合物はガランタミンおよびリコラミンの少なくとも一つのメトキシ、ヒドロキシあるいはメチル基が次のように置換された誘導体を含有する。
メトキシ基が、1から6の炭素原子を持つ別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基あるいは置換されたベンゾイルオキシ基、カルボネート基あるいはカルバメート基、あるいはトリアルキルシリルオキシ基、によって置換されたもの;
ヒドロキシ基が、1から6の炭素原子を持つアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基あるいは置換されたベンゾイルオキシ基、カルボネート基あるいはカルバメート基、によって置換されたもの;
N−メチル基が、水素、アルキル基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基あるいは置換されたまたは置換されていないベンゾイルオキシ基、によって置換されたもの。
【0013】
その他の適当な類似物は、たとえば国際パテント刊行物Wo88/08708およびBoresとKosleyによるDrugs of the Future 21:621−631(1996)にでた論文中に見つかるであろう。
【0014】
本発明で使用される化合物中にあるアルカノイルオキシ基、カルバメート基およびカルボネート基は典型的には10炭素原子までを含有する。置換基は、典型的には1から6の炭素原子を持つアルキル基あるいはアルコキシ基、ハロ基、およびトリフルオロメチル基のようなハロアルキル基から選択される。文脈が許す限りアルキル基に言及される時には、その用語はアダマンチル基を含めたシクロアルキル基かそれを含む基を含有する。アリル基は典型的にはフェニル基かナフチル基であるが、モルフォリノ基のようなヘテロアリル基を含有しててもよい。カルバメート基は、モノあるいはジ置換体であり、非置換体カルバメート基の場合には、それらの基はそのまま特定される。たとえば、ジメチルカルバメート基が使用される。
【0015】
ガランタミンは次の構造を持つ。
【化1】

【0016】
リコラミンは同様な構造であるが、3位−4位間は単結合のみを持つ。
【0017】
本発明で使用されるガランタミンおよびリコラミンの特に有用な類似物は、それらのヒドロキシ基またはメトキシ基がカルバメート基に置換された化合物、たとえば2−n−ブチルカルバメートを含有する。
【0018】
ここで使用されるその他の化合物は、ガランタミンおよびリコラミンのメトキシ基が、水素あるいは、1から6の炭素原子を持つアルコキシ基あるいは、たとえばアルカノイルオキシまたはベンゾイル基のような1から7の炭素原子を持つ、より好ましくは2から7の炭素原子を持つ、アシルオキシ基によって置換されたものである。その他の興味ある化合物は、それらのメトキシ基がモノあるいはジアルキルカルバメートまたはカルボネート基で、それらのアルキル基は1から8の炭素原子、より好ましくは4から6の炭素原子を持つもの、で置換された化合物か、あるいはメトキシ基が、アリルカルバメート基またはカルボネート基で置換されたもので、そこでは上記のアリル基はフェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基とナフチル基とその置換は、1から6の炭素原子を持つアルキリ基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択されている。しかしながらこうした13−カルバメートでは、使用上での毒性問題がないことを確かめる注意が必要とされる。
【0019】
ここでのその他の有用な化合物は、メトキシ基が置換されたかどうかには無関係に、ヒドロキシ基が、1から6の炭素原子を持つアルコキシ基、水素、たとえば典型的には1から7の炭素原子を持つアルカノイルオキシ基のようなアルコキシ基、ベンゾイル基またはその置換が1から6の炭素原子を持つアルキル基およびアルコキシ基から選択された置換されたベンゾイル基、トリフルオロメチル基およびハロ基、またはカルボネート基、好ましくはカルバメート基、それらのメトキシ基がモノあるいはジアルキルカルバメートまたはカルボネート基で、それらのアルキル基は1から8の炭素原子、より好ましくは4から6の炭素原子を持つもの、あるいは上記のアリル基はフェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基とナフチル基とその置換は、1から6の炭素原子を持つアルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択されている。
【0020】
ガランタミンの類似物は、コリンエステラーゼ阻害能力に関連してニコチン様受容体の調節を高めるように開発される。こうしたことはLeanとChangeuxによって概説された多数の条件下で有用となりうる(Lena C, ChangeuxJ −P, Pathological mutations of nicotinic receptors and nicotin−based therapies for brain disorders. ニコチン様受容体の病理的変異およびニコチンをベースにした脳性疾患の治療。 Current Opinions in Neurobiology 7:674−682, 1997)。先天性筋無力症、そのいくつかの症例は筋肉のニコチン様受容体の機能昂進によるが、それらに対してはアロステリック阻害の性質を持つ誘導体が役立つであろう。ニコチン様受容体における機能的な点変異を伴うその他の疾患は、常染色体性優性前頭葉癲癇およびヒトの遺伝的hyperekolexiaである。
【0021】
アルツハイマー病ではニコチンは認知力を高めることが示されている。更に、人口統計学的および実験的証拠は、アルツハイマー病やパーキンソン病におけるニコチンの神経保護的な性質が示唆されており、そこではグルタミン酸投与、神経成長因子除去およびエタノール投与などの神経毒性的な処置に対してその治療効果も報告された(以下の文献も参照されたい、Court JA, Lloyd S, Perry RH, Griffiths M, Morris C, Jhonson J, Mckeith IG, Perry EK,. The nicotinic cholinergic system and beta−amyloidosis, in Alzheimer Disease: From Molecular Biology to Therapy, アルツハイマー病におけるニコチン作用系およびベータアミロイドーシス;分子生物学から治療まで。Becker R and Giacobini E.編集 Birkhauser, Boston, 1996; Kihara T, Shimohama S, Akaike A, Nicotinic receptor stimulation protects neurons against glutamate− and amyloid−beta−induced cytotoxicity, in Alzheimer’s Disease and Related Disorders, ニコチン様受容体刺激は、アルツハイマー病やその関連疾患においてグルタミン酸およびベータアミロイドによって引き起こされる細胞毒性を保護する。Iqbal K, Swaab DF, Winblad B, Wisnieski HM編集Wiley & Sons Ltd, Chichester, 1999; Yamashita H, Nakamura S. Nicotine rescues PC12 cells from death induced by nerve growth factor dceprivation. 神経成長因子除去によってひき起こされるPC12細胞の細胞死をニコチンが救う。Neuroscience letters 213:145−147, 1996; Li Y, Meyer EM, King MA, Nicotinic receptor mediated signal transduction against ethanol and amyloid cytotoxicity, ニコチン様受容体はエタノールおよびアミロイド細胞毒性に対してのシグナル伝達を仲介する。Abstract No. 394.17, Society for Neuroscience, Vol 25, 1999).)。このように、ニコチン様受容体の機能昂進は、アルツハイマー病およびパーキンソン病の機能的改善を生み出し、神経変性を軽減させる。
【0022】
喫煙者におけるニコチン依存性を取り除いたり軽減させたりできる化合物も有用である。ニコチン様薬剤はまたツーレット症候群の治療に価値があり、注意力を改善させる。一般に分裂病において、またその第一級親族の50%において見られる特殊な注意力欠損、聴覚ゲイティング(他のパラダイムの同様な結果を示すけれども)もニコチン様物質によって改善される。このように、ニコチン様性質を持った類似物は、注意力機能を正常化したり改善したりすることが望まれる多くの状況で使用される。
【0023】
適当な薬物の投与量は、たとえば、Benjamin CalesnickによるDrill’s Pharmacoligy in Medicine (第4版、Joseph R. DiPalma,編集 , McGraw−Hill, 1971)の6章,またはB. E. RoddaらによるBiopharmaceutical Statistics for Drug Development (Karl E. Peace編集, Marcel Dekker, 1988)の6章に提起されているような標準的な技術で決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
効果的な量のガランタミン類似物もしくはリコラミン類似物を調節の必要な患者に投与することによってニコチン様活性を調節する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ガランタミン類似物もしくはリコラミン類似物が、ガランタミンもしくはリコラミンのメトキシ基、ヒドロキシ基もしくはメチル基の少なくとも一つが次のように置換されたものである方法:
メトキシ基が、1から6の炭素原子を持つ別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換されたベンゾイルオキシ基、カルボネート基もしくはカルバメート基、またはトリアルキルシリルオキシ基によって置換されたもの;
ヒドロキシ基が、1から6の炭素原子を持つアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基もしくは置換されたベンゾイルオキシ基、カルボネート基もしくはカルバメート基によって置換されたもの;
N−メチル基が、水素、アルキル基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基、または置換もしくは無置換のベンゾイルオキシ基によって置換されたもの。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、存在するアルカノイルオキシ基、カルバメート基およびカルボネート基の何れもが、最大10までの炭素原子を含有する方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記アルカノイルオキシ基、カルバメート基、またはカルボネート基が、一つまたはそれ以上のハロ基によって任意に置換された、炭素数1から6のアルキル基またはアルコキシ基を含む方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、前記類似物がガランタミン類似物である方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、前記類似物がリコラミン類似物である方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、前記類似物がn−ブチルカルバメートである方法。
【請求項8】
請求項2に記載の方法であって、ガランタミンもしくはリコラミンのメトキシ基が、水素、ヒドロキシ基、または2から6の炭素原子を持つアルコキシ基、またはアシルオキシ基、またはアルキル基が1から8の炭素原子を持つモノもしくはジアルキルカルバメートもしくはカルボネート基により置換されている方法。
【請求項9】
請求項2に記載の方法であって、ガランタミンもしくはリコラミンのヒドロキシ基が、1から6の炭素原子を持つアルコキシ基、水素、アシルオキシ基、あるいはアルキル基が1から8の炭素原子を持つモノもしくはジアルキルまたはアリールカルバメートまたはカルボネートであり得るカルボネート基またはカルバメート基により置換されている方法。
【請求項10】
請求項2に記載の方法であって、使用される化合物が、ガランタミンもしくはリコラミンのヒドロキシ基が、2から7の炭素原子を持つn−アルカノイル基、アルキル基あたり1から8の炭素原子を持つモノもしくはジアルキルカルバメート基、モノもしくはジアリールカルバメート、アルキル基において1から6の炭素原子を持つアルキルカルボネート基、またはアリールカルボネート基により置換されたものである方法。
【請求項11】
請求項2または請求項10に記載の方法であって、使用される化合物が、ガランタミンもしくはリコラミンのメトキシ基が、2から6の炭素原子を持つアルコキシ基、または1から6の炭素原子を持つカルボネート基、アルキル基において1から6の炭素原子を持つアルキルカルボネート基、またはアリールカルボネート基により置換されたものである方法。

【公開番号】特開2012−246297(P2012−246297A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−162957(P2012−162957)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2001−544638(P2001−544638)の分割
【原出願日】平成12年12月7日(2000.12.7)
【出願人】(501204927)
【Fターム(参考)】