説明

ニットウェア

【課題】量産性があり、かつ、デザインの個性化に十分対応可能なニットウェアを提供する。
【解決手段】ニットウェア10は、特定パターンに編まれた複数のモチーフピース14A〜14Lをニットピースとして備えており、各モチーフピース14A〜14Lが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。しかも、各モチーフピース14A〜14Lが正三角形を三等分したカイト形の特定パターンに編まれるため、デザインが格別に個性的となる。そして、各モチーフピース14A〜14Lが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のニットピースで構成されるニットウェアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニットウェアとして、前身頃、後身頃および2つの袖のパターンにそれぞれ編まれた4つのニットピースを相互につなぎ合わせて構成されるニットウェアが従来一般に知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、任意のパターンにそれぞれ編まれた複数のニットピースを相互につなぎ合わせて構成されるパッチワークニットウェアも従来一般に知られている(例えば非特許文献1、2参照)。
【0004】
ここで、「ニットピース」とは、任意のニット糸で所定のパターンや任意のパターンに編まれたニット地を意味するものとし、同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれた「モチーフピース」を含むものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−249902号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://item.rakuten.co.jp/eiho/junko/
【非特許文献2】http://www.asian-toybox.com/tyuni/1450/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されたニットウェアは、前身頃、後身頃および2つの袖のパターンにそれぞれ編まれた4つのニットピースで構成されるため、デザインが画一的であって個性に欠けるという問題がある。
【0008】
一方、非特許文献1または2に記載のパッチワークニットウェアにおいては、デザインの自由度があって個性的ではあるものの、パターンの異なる多種類のニットピースが必要であるため、量産性に欠けるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点に対応してなされたものであり、量産性があり、かつ、デザインの個性化に十分対応可能なニットウェアを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため、第1の発明に係るニットウェアは、複数のニットピースで構成されるニットウェアであって、ニットピースとして、正三角形を三等分したカイト形の特定パターンに編まれる同じ大きさの複数のモチーフピースを備えていることを特徴とする。また、この発明のニットウェアは、複数のモチーフピースが筒状につながれることを特徴とする。
【0011】
第1の発明に係るニットウェアは、特定パターンに編まれる複数のモチーフピースをニットピースとして備えており、各モチーフピースが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。しかも、各モチーフピースが正三角形を三等分したカイト形の特定パターンに編まれるため、デザインが格別に個性的となる。そして、各モチーフピースが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。
【0012】
第2の発明に係るニットウェアは、複数のニットピースで構成されるニットウェアであって、ニットピースとして、所定の挟角をなす二等辺を有する左右対称形の特定パターンに編まれる同じ大きさの複数のモチーフピースを備えていることを特徴とする。また、この発明のニットウェアは、複数のモチーフピースが筒状につながれることを特徴とする。
【0013】
第2の発明に係るニットウェアは、特定パターンに編まれる複数のモチーフピースをニットピースとして備えており、各モチーフピースが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。しかも、各モチーフピースが所定の挟角をなす二等辺を有する左右対称形の特定パターンに編まれるため、デザインが格別に個性的となる。そして、各モチーフピースが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明に係るニットウェアは、特定パターンに編まれる複数のモチーフピースをニットピースとして備えており、各モチーフピースが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。しかも、各モチーフピースが正三角形を三等分したカイト形の特定パターンに編まれるため、デザインが格別に個性的となる。そして、各モチーフピースが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。
【0015】
従って、第1の発明に係るニットウェアは、量産性およびデザインの個性化に十分対応することができる。
【0016】
また、第2の発明に係るニットウェアは、特定パターンに編まれる複数のモチーフピースをニットピースとして備えており、各モチーフピースが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。しかも、各モチーフピースが所定の挟角をなす二等辺を有する左右対称形の特定パターンに編まれるため、デザインが格別に個性的となる。そして、各モチーフピースが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。
【0017】
従って、第2の発明に係るニットウェアは、量産性およびデザインの個性化に十分対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るニットウェアの正面図である。
【図2】図1に示したニットウェアの展開図である。
【図3】図2に展開して示したニットウェアを各ニットピースに分解して示す分解展開図である。
【図4】図2および図3に示したモチーフピースの特定パターンである正三角形を三等分したカイト形の特定パターンを示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係るニットウェアの変形例を示す図1に対応した正面図である。
【図6】図5に示したニットウェアの展開図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るニットウェアの正面図である。
【図8】図7に示したニットウェアの展開図である。
【図9】第2実施形態に係るニットウェアの変形例を示す図7に対応した正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るニットウェアの正面図である。
【図11】図10に示したニットウェアの展開図である。
【図12】図11に展開して示したニットウェアを各ニットピースに分解して示す分解展開図である。
【図13】図11および図12に示したモチーフピースの特定パターンを示す平面図であり、(a)は正三角形を三等分する3つのモチーフピースを示し、(b)は正三角形を三等分したカイト形の1つのモチーフピースを示す。
【図14】第3実施形態に係るニットウェアの変形例を示す図10に対応した正面図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係るニットウェアの正面図である。
【図16】図14に示したニットウェアの展開図である。
【図17】図15に展開して示したニットウェアを各ニットピースに分解して示す分解展開図である。
【図18】図16に示したモチーフピースの形状を示す平面図である。
【図19】図15および図16に示した隣合うモチーフピースが編みつながれた変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明に係るニットウェアの第1実施形態〜第4実施形態を順次説明する。まず、図1〜図4を参照して第1実施形態に係るニットウェアを説明する。
<第1実施形態>
【0020】
図1に示すように、第1実施形態に係るニットウェア10は、襟ぐり11および袖口12A,12Bが開口したベストとして構成されている。このニットウェア10は、図2および図3に展開して示すように、前身頃の前立て部分の両側を構成する4つのニットピース13A〜13Dと、前身頃の残りの部分を構成する4つのモチーフピース14A〜14Dと、後身頃を構成する6つのモチーフピース14E〜14Jと、両側の裾部分を構成するモチーフピース14K,14Lとを備えて構成されている。
【0021】
4つのニットピース13A〜13Dおよび合計12ピースのモチーフピース14A〜14Lは、ウール、カシミヤ、アンゴラ、シルク、コットン等の任意のニット糸を編んでニット地としたものである。ニット糸は、濃色系の適宜の色と濃淡色系の適宜の色に着色されたものであり、その太さは、極太、並太、中細、極細から適宜選択される。また、ニット地の編み方は、種々の編み方から任意に選択される。
【0022】
ここで、モチーフピース14A〜14Lは、同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれている。例えばモチーフピース14F,14I,14K,14Lは、図4に拡大して示すように、正三角形を3等分した同じ大きさの同一形状の特定パターン、すなわち、カイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれている。他のモチーフピース14A〜14D,14E,14G,14H,14Jは、同様のカイト(西洋凧)形を上下逆向きに配置した特定パターンに編まれている(図3参照)。
【0023】
一方、4つのニットピース13A〜13Dは、例えば図4に示したモチーフピース14Fを縦方向に2等分した直角三角形に編まれている。すなわち、ニットピース13A,13Bは、モチーフピース14Fを縦方向に2等分した左側の直角三角形に編まれており、ニットピース13C,13Dは、モチーフピース14Fを縦方向に2等分した右側の直角三角形に編まれている。
【0024】
ここで、逆向きカイト形のモチーフピース14F,14I,14K,14Lは、例えば縦方向に2等分した左側の直角三角形の部分が濃色系の色に、右側の直角三角形の部分が淡色系の色に、それぞれ色分けされている。また、カイト形のモチーフピース14A〜14D,14E,14G,14H,14Jも、縦方向に2等分した左側の直角三角形の部分が濃色系の色に、右側の直角三角形の部分が淡色系の色に、それぞれ色分けされている。そして、ニットピース13A,13Bはモチーフピース14Fの左側と同様の濃色系の色とされ、ニットピース13C,13Dはモチーフピース14Fの右側と同様の淡色系の色とされている。
【0025】
これらのモチーフピース14A〜14Lおよびニットピース13A〜13Dは、図2に展開して示したように、濃色系の部分と淡色系の部分とが交互に位置するように相互に縫いつながれている。そして、左前身頃を構成するニットピース13C,13Dの前立て付近に例えば6つのボタンBが縫い止められ、右前身頃を構成するニットピース13A,13Bの前立て付近に6つのボタン掛けループ(図示省略)が縫い止められることで、図1に示したようなベストが構成されている。
【0026】
以上のようにベストとして構成された第1実施形態のニットウェア10は、右前身頃を構成するニットピース13A,13Bの前立て付近に縫い止められた6つのボタン掛けループ(図示省略)に、左前身頃を構成するニットピース13C,13Dの前立て付近に縫い止められた6つのボタンBがそれぞれ掛け止められることで、図1に示すようなベストとして着用される。
【0027】
このような第1実施形態のニットウェア10は、特定パターンに編まれた複数のモチーフピース14A〜14Lをニットピースとして備えており、これらのモチーフピース14A〜14Lが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。
【0028】
しかも、各モチーフピース14A〜14Lが正三角形を三等分した同じ大きさのカイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれているため、デザインが格別に個性的となる。
【0029】
そして、各モチーフピース14A〜14Lが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。従って、第1実施形態のニットウェア10は、量産化およびデザインの個性化に十分対応することができる。
<第1実施形態の変形例>
【0030】
図1に示した第1実施形態のニットウェア10は、図5および図6に示すように、台形状のパターンに編まれた立襟用のニットピース11A〜11Dが襟ぐり11に縫い繋がれた襟付きベストとして構成することができる。この場合、ニットピース11A〜11Dは、濃色部分と淡色部分とが交互に連続するように配置される。
<第2実施形態>
【0031】
つぎに、図7〜図8を参照して第2実施形態に係るニットウェアを説明する。図7に示すように、第2実施形態に係るニットウェア20は、第1実施形態のニットウェア10の袖口12A,12Bに袖が縫い繋がれた袖付きカーディガンとして構成されている。
【0032】
このニットウェア20は、図8に展開して示すように、前身頃の前立て部分の両側を構成する4つのニットピース23A〜23Dと、前身頃の残りの部分を構成する4つのモチーフピース24A〜24Dと、後身頃を構成する6つのモチーフピース24E〜24Jと、右側の裾部分を構成する前後2つのニットピース23E,23Fと、左側の裾部分を構成する前後2つのニットピース23G,23Hとを備えている。
【0033】
さらに、ニットウェア20は、右脇を構成する前後2つのモチーフピース24K,24Lと左脇を構成する前後2つのモチーフピース24M,24Nと、右袖を構成する前後2つのモチーフピース24O,24Pと、左袖を構成する前後2つのモチーフピース24Q,24Rと、右袖口の下側を構成する前後2つのニットピース23I,23Jと、左袖口の下側を構成する前後2つのニットピース23K,23Lと、右袖口の上側を構成する1つのニットピース23Mと、左袖口の上側を構成する1つのニットピース23Nとを備えている。そして、これらのモチーフピース24A〜24R、ニットピース23A〜23H、ニットピース23I〜23Lおよびニットピース23M,23Nにより、ニットウェア20が構成されている。
【0034】
モチーフピース24A〜24R、ニットピース23A〜23H、ニットピース23I〜23Lおよびニットピース23M,23Nは、前述した第1実施形態と同様に、任意の太さのニット糸を種々の編み方で編んでニット地としたものであり、ニット糸は、濃色系の適宜の色と濃淡色系の適宜の色に着色されている。
【0035】
モチーフピース24A〜24Rは、第1実施形態のモチーフピース14A〜14Lと同様に、正三角形を3等分した同じ大きさのカイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれており、縦方向に2等分した左側の直角三角形の部分と右側の直角三角形の部分とが濃色系の色と淡色系の色とにそれぞれ色分けされている。また、ニットピース23A〜23Hは、例えばモチーフピース24Aを縦方向に2等分した直角三角形に編まれており、それぞれ濃色系の色と淡色系の色とに色分けされている。
【0036】
ニットピース23M,23Nは、例えばモチーフピース24Aを縮小した相似形のカイト形にそれぞれ編まれており、濃色系の色と淡色系の色とに色分けされている。また、ニットピース23I,23Jは、ニットピース23Mの長辺に連続する斜辺を有する台形に編まれており、濃色系の色と淡色系の色とに色分けされている。同様に、ニットピース23K,23Lは、ニットピース23Nの長辺に連続する斜辺を有する台形に編まれており、濃色系の色と淡色系の色とに色分けされている。
【0037】
これらのモチーフピース24A〜24R、ニットピース23A〜23H、ニットピース23I〜23Lおよびニットピース23M,23Nは、図8に展開して示したように、濃色系の部分と淡色系の部分とが交互に位置するように相互に縫いつながれている。そして、左前身頃を構成するニットピース23C,23Dの前立て付近に例えば6つのボタンBが縫い止められ、右前身頃を構成するニットピース23A,23Bの前立て付近に6つのボタン掛けループ(図示省略)が縫い止められることで、図7に示したような袖付きカーディガンが構成されている。
【0038】
以上のように袖付きカーディガンとして構成された第2実施形態のニットウェア20は、同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれた複数のモチーフピース24A〜24Rをニットピースとして備えているため、量産性がある。しかも、各モチーフピース24A〜24Rが正三角形を三等分したカイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれているため、デザインが格別に個性的となる。
【0039】
そして、各モチーフピース24A〜24Rが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。従って、第2実施形態のニットウェア20は、量産化およびデザインの個性化に十分対応することができる。
<第2実施形態の変形例>
【0040】
図7に示した第2実施形態のニットウェア20は、図5に示した襟付きカーディガンと同様の襟付きカーディガンとして構成することができる。すなわち、図9に示すように、台形状のパターンに編まれた立襟用のニットピース21A,21Bが襟ぐり21に縫い繋がれたカーディガンとして構成することができる。この場合、ニットピース21A,21Bは、濃色部分と淡色部分とが交互に連続するように配置される。
<第3実施形態>
【0041】
続いて、図10〜図13を参照して第3実施形態に係るニットウェアを説明する。図10に示すように、第3実施形態に係るニットウェア30は、襟ぐり31および袖口32A,32Bが開口したベストとして構成されている。このニットウェア30は、図11および図12に展開して示すように、襟ぐり31を構成する左右のニットピース31A,31Bと、その両側の前肩部分を構成する左右のニットピース33,34と、前身頃および後身頃の両脇の裾部分を構成するニットピース35,36と、残りの前身頃および後身頃を構成する10ピースのモチーフピース37A〜37Jとを備えて構成されている。
【0042】
ニットピース31A,31B、ニットピース33,34、ニットピース35,36およびモチーフピース37A〜37Jは、ウール、カシミヤ、アンゴラ、シルク、コットン等の任意のニット糸を編んでニット地としたものである。ニット糸は、無着色あるいは任意の色に着色されたものであり、その太さは、極太、並太、中細、極細から適宜選択される。また、ニット地の編み方は、種々の編み方から任意に選択される。
【0043】
ここで、モチーフピース37A〜37Jは、同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれている。例えば前身頃および後身頃の右脇部分を構成するモチーフピース37A〜37Cは、図13の(a)に拡大して示すように、正三角形を三等分した同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれている。すなわち、図13の(b)に示すようなカイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれている。同様に、前身頃および後身頃の左脇部分を構成するモチーフピース37D〜37Fも正三角形を三等分した同じ大きさのカイト形の特定パターンに編まれている。
【0044】
また、後身頃を構成するモチーフピース37G〜37Iは、逆向きの正三角形を三等分した同じ大きさのカイト形の特定パターンに編まれている。そして、襟ぐり31の下方の胸部分を構成するモチーフピース37Jも後身頃を構成するモチーフピース37Gと同じ向きの同じ大きさのカイト形の特定パターンに編まれている。
【0045】
ここで、図11および図12に示すように、モチーフピース37Aには、右袖口32Aがスリット状に形成されている。同様に、モチーフピース37Dには、左袖口32Bがスリット状に形成されている。
【0046】
前肩部分を構成する左右のニットピース33,34は、図12に示すように、後身頃を構成するモチーフピース37H,37Iと同様のカイト形から両者の対向部分にホームベース形のネックホールを形成するようにそれぞれ左右対称に切り欠いた異形のパターンに編まれている。
【0047】
襟ぐり31を構成する左右のニットピース31A,31Bは、前肩部分を構成する左右のニットピース33,34の切欠き部分に架け渡される逆台形状のパターンに編まれており、このニットピース31A,31Bにより、浅いV字形の襟ぐり31が形成されている。
【0048】
前身頃および後身頃の右脇を構成するニットピース35は、モチーフピース37A〜37Cで構成される正三角形の底辺に対応した長さの長辺を有する横長の長方形のパターンに編まれている。同様に、前身頃および後身頃の左脇を構成するニットピース36は、モチーフピース37D〜37Fで構成される正三角形の底辺に対応した長さの長辺を有する横長の長方形のパターンに編まれている。
【0049】
これらのニットピース31A,31B、ニットピース33,34、ニットピース35,36およびモチーフピース37A〜37Jは、縫いつなぎにより相互につながれている(図11参照)。そして、前身頃および後身頃の右脇部分を構成するモチーフピース37A,37Bと、後身頃を構成するモチーフピース37I,37Gとが相互に筒状につながれ、また、前身頃および後身頃の右脇を構成するニットピース35の短辺と、前身頃および後身頃の左脇を構成するニットピース36の短辺とが相互に筒状に縫いつながれることにより、図10に示すようなベストが構成されている。
【0050】
以上のようにベストとして構成された第3実施形態のニットウェア30は、特定パターンに編まれる複数のモチーフピース37A〜37Jをニットピースとして備えており、これらのモチーフピース37A〜37Jが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。
【0051】
しかも、各モチーフピース37A〜37Jが正三角形を三等分した同じ大きさのカイト(西洋凧)形の特定パターンに編まれているため、デザインが格別に個性的となる。
【0052】
そして、各モチーフピース37A〜37Jが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。従って、第1実施形態のニットウェア30は、量産化およびデザインの個性化に十分対応することができる。
<第3実施形態の変形例>
【0053】
図10に示した第3実施形態のニットウェア30は、図14に示すように、太線で示すラインから切り離してボタン止めによる前あきのベストとして構成してもよい。
<第4実施形態>
【0054】
つぎに、図15〜図18を参照して第4実施形態に係るニットウェアを説明する。図15に示すように、第4実施形態に係るニットウェア40は、襟ぐり41および袖口42A,42Bが開口したベストとして構成されている。
【0055】
このニットウェア40は、図16および図17に展開して示すように、前身頃を構成するモチーフピース43A,43Bと、後身頃を構成するモチーフピース43C,43Dと、袖口42Aがスリット状に形成されるモチーフピース43Eと、袖口42Bがスリット状に形成されるモチーフピース43Fとからなる6ピースのモチーフピース43A〜43Fを備えて構成されている。
【0056】
モチーフピース43A〜43Fは、ウール、カシミヤ、アンゴラ、シルク、コットン等の任意のニット糸を編んでニット地としたものであり、その色柄や編み方は任意に選択される。
【0057】
ここで、モチーフピース43A〜43Fは、同じ大きさの同一形状の特定パターンに編まれている。例えば前身頃を構成するモチーフピース43Bは、図18に示すように、挟角が例えば30°の二等辺をなす斜辺と、これらの斜辺にそれぞれ直交する二つの底辺と、これらの底辺の間の中央部に位置する山形ないし逆V字形のノッチ44とを有する左右対称形の特定パターンに編まれている。換言すれば、先端角が例えば30°の矢じり形であって、基端部の中央部に山形ないし逆V字形のノッチ44を有する特定パターンに編まれている。
【0058】
これらのモチーフピース43A〜43Fは、図16に示す展開形状をなすように交互に逆向きに配置されて相互に縫いつながれている。ここで、前身頃を構成する一方のモチーフピース43Bには、その斜辺に沿って例えば6個のボタンホールHが開けられており、前身頃を構成する他方のモチーフピース43Aには、その斜辺に沿って例えば6個のボタンBが縫い止められている。
【0059】
また、襟ぐり41を構成するモチーフピース43E,43Fには、そのノッチ44の片側付近にそれぞれボタンホールHが開けられており、このボタンホールHにそれぞれ掛け止められるボタンBがモチーフピース43E,43Fのノッチ44の反対側付近の裏面にそれぞれ縫い止められている(図15参照)。
【0060】
以上のように構成された第4実施形態のニットウェア40は、前身頃を構成する一方のモチーフピース43Bに開けられた6個のボタンホールHに、前身頃を構成する他方のモチーフピース43Aに縫い止められた例えば6個のボタンBがそれぞれ掛け止められ、かつ、襟ぐり41を構成するモチーフピース43E,43Fに開けられた各ボタンホールHに、それぞれ対応するボタンBが掛け止められることで、図15に示すようなベストとして着用される。
【0061】
このような第4実施形態のニットウェア40は、特定パターンに編まれる複数のモチーフピース43A〜43Fをニットピースとして備えており、これらのモチーフピース43A〜43Fが同じ大きさの同一形状であるため、量産性がある。
【0062】
しかも、各モチーフピース43A〜43Fは、挟角が例えば30°の二等辺をなす斜辺と、これらの斜辺にそれぞれ直交する二つの底辺と、これらの底辺の間の中央部に位置する山形ないし逆V字形のノッチ44とを有する左右対称形の特定パターン、換言すれば、先端角が例えば30°の矢じり形であって、基端部の中央部に山形ないし逆V字形のノッチ44を有する特定パターンに編まれているため、デザインが格別に個性的となる。
【0063】
そして、各モチーフピース43A〜43Fが素材、色柄、編み方などの選択性に十分対応可能であるため、デザインの個性化に十分対応可能である。従って、第4実施形態のニットウェア40は、量産化およびデザインの個性化に十分対応することができる。
<第4実施形態の変形例>
【0064】
図15に示した第4実施形態のニットウェア40は、前身頃を構成するモチーフピース43A,43B(図15参照)のボタンBおよびボタンホールH(図16参照)を省略し、モチーフピース43A,43Bが相互に縫いつながれる構成としてもよい。
【0065】
また、図16および図17に示した各モチーフピース43A〜43Fは、ノッチ44のないパターンとしてもよい。さらに、矢じり形をなす各モチーフピース43A〜43Fの頂角は、30°に限らず適宜の角度に変更可能である。
【0066】
第4実施形態のニットウェア40において、相互に逆向きで隣り合うモチーフピース、例えば図16に示したモチーフピース43Bとモチーフピース43Fとは、図19に示すように編みつながれていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…ニットウェア
11…襟ぐり
11A〜11D…ニットピース
12A,12B…袖口
13A〜13D…ニットピース
14A〜14L…モチーフピース
20…ニットウェア
21A,21B…ニットピース
23A〜23N…ニットピース
24A〜24R…モチーフピース
30…ニットウェア
31A,31B…ニットピース
32…袖口
33,34…ニットピース
35,36…ニットピース
37A〜37J…モチーフピース
40…ニットウェア
41…襟ぐり
42A,42B…袖口
43A〜43F…モチーフピース
44…ノッチ
B…ボタン
H…ボタンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のニットピースで構成されるニットウェアであって、前記ニットピースとして、正三角形を三等分したカイト形の特定パターンに編まれる同じ大きさの複数のモチーフピースを備えていることを特徴とするニットウェア。
【請求項2】
複数のニットピースで構成されるニットウェアであって、前記ニットピースとして、所定の挟角をなす二等辺を有する左右対称形の特定パターンに編まれる同じ大きさの複数のモチーフピースを備えていることを特徴とするニットウェア。
【請求項3】
前記複数のモチーフピースが筒状につながれることを特徴とする請求項1または2に記載のニットウェア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−127241(P2011−127241A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285715(P2009−285715)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(303034218)
【Fターム(参考)】