説明

ニップを開放する方法及び装置

【課題】ベルトカレンダにおいてニップの迅速開放動作を、ベルトを損傷することなくベルトに優しく行うことができる方法を提供する。
【解決手段】ニップ3が、少なくとも2つのガイドローラ11,12,13に巻き掛けられて循環するベルト4と対向ローラ5とによって形成され、ベルト4が5°よりも大きな巻掛け角にわたって、対向ローラ5の周面に密着しており、繊維ウェブ2がニップの前におけるセンサ6を用いて、亀裂又は折れに関して監視され、亀裂又は折れの発生時にはセンサ6が制御装置7を介して信号を切離し装置8に送る形式の、繊維ウェブ2を処理するニップ3を開放する方法において、切離し装置8が離反動作中に少なくとも1つのガイドローラ11を、モータによって0.9秒以内にベルトの引張り応力を維持しながら、ベルト4が離反動作後に対向ローラ5から間隔を有するように、移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維ウェブを処理するニップを開放する方法であって、ニップが、少なくとも2つのガイドローラに巻き掛けられて循環するベルトと対向ローラとによって形成され、ベルトが5°よりも大きな巻掛け角にわたって、対向ローラの周面に密着しており、繊維ウェブがニップの前におけるセンサを用いて、亀裂又は折れに関して監視され、亀裂又は折れの発生時にはセンサが制御装置を介して信号を切離し装置に送る形式の方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、繊維ウェブを処理するために働くニップを開放する装置であって、ニップが、少なくとも2つのガイドローラに巻き掛けられて循環するベルトと対向ローラとによって形成されており、ベルトが5°よりも大きな巻掛け角にわたって、対向ローラの周面に密着している形式のものに関する。
【背景技術】
【0003】
ニップは、循環する2つの処理面の間における接触面であって、両処理面の間において繊維ウェブを処理することができる。以下においては本発明を説明するために、間において紙ウェブ又は板紙ウェブがカレンダ仕上げもしくは艶出しされるカレンダニップについて述べる。通常、接触面のうちの1つは、比較的軟らかい表面を備えており、他の処理面は、極めて平滑でかつ加熱可能な硬い処理面によって形成される。ニップはウェブ走行方向において極めて種々異なった長さを有することができる。これは例えばカレンダの形式と、どのような圧力下で処理面が互いに押し付けられるかに依存している。処理面が軟らかいプラスチック層を備えている場合には、第2の加熱される処理面が、プラスチック層と直に接触しないように、そして常に両処理面の間に、放出された熱を運び去る紙ウェブが存在するように、注意が払われねばならない。つまりウェブが裂けた場合には、例えば両方の処理面を迅速に互いに離反させるようにしなくてはならない。
【0004】
しかしながらまたウェブに折れもしくは皺が存在する場合にも、迅速開放動作が行われ、さもないと、弾性的な表面がマーキングされてしまうことがある。表面におけるこのようなマーキングは、紙ウェブ又は板紙ウェブに繰り返し押し込まれてしまい、このようなウェブは売り物にならなくなってしまう。
【0005】
以下においては先行技術について述べる。EP1176252B1に開示された第1の公知の構成は、通常比較的短いニップ長さを有しているローラカレンダに関する。この先行技術文献には、少なくとも1つの別のローラと共にニップを形成している下側のローラを、障害発生時に液圧シリンダを介して迅速に下降させることができる、ということが開示されている。この公知の構成では、下降動作は巧妙に制動され、これによってローラの急激な着地、及びこれに関連した振動を回避できるようになっている。
【0006】
このような液圧シリンダは、例えばライトバリアが繊維ウェブにおける亀裂を確認した場合に、作動させられる。
【0007】
長いニップを備えたカレンダ、業界において知られているシューカレンダのためには、WO02/040771A1に別の迅速開放動作が記載されている。
【0008】
極めて長いニップを備えた最新のカレンダは、ベルトカレンダである。このベルトカレンダでは、紙ウェブ又は板紙ウェブは循環するベルトを用いて、大きな巻掛け角にわたって、加熱された対向ローラに押し付けられる。この場合ベルトはベルト引張り応力下に保たれるので、湾曲部の合力に基づいてウェブに対する接触圧も生ぜしめられる。ベルトがプラスチック製の場合には、このようなベルトカレンダにおいても、ウェブに亀裂が存在する場合にはベルトの過熱するおそれがある。それに対してベルトが金属から、つまり通常薄い鋼薄板から成っている場合には、折れもしくは皺が存在する場合にウェブが損傷するおそれが極めて大きい。ウェブはこのようなカレンダでは回転する対向ローラと、当て付けられていて循環するベルトとによって、間に引き込まれるので、ベルトが損傷するおそれはさらに高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP1176252B1
【特許文献2】WO02/040771A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ゆえに本発明の課題は、ベルトカレンダにおいてニップの迅速開放動作を、ベルトを損傷することなくベルトに優しく行うことができる方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために本発明の方法では、切離し装置が離反動作中に少なくとも1つのガイドローラを、モータによって0.9秒以内にベルトの引張り応力を維持しながら、ベルトが離反動作後に対向ローラから間隔を有するように、移動させるようにした。
【発明の効果】
【0012】
上記において「モータによって」というのは、電気式、液圧式又は空気圧式に回転運動又は往復動によってローラを移動させることができる、可能なすべての駆動装置の協力を意味する。場合によってはこのような複数の駆動装置が必要なこともある。0.9秒という時間は、約1000〜2000m/分の今日のウェブ速度において、容認可能な値であり、このような値では一方では、ウェブにおける亀裂又は折れもしくは皺を検出する、業界において知られているセンサを、カレンダの前の適宜な領域に配置することができ、かつ他方では、ウェブにおける欠陥箇所が制御装置及びモータ式の切離し装置に達する前に、該制御装置及び切離し装置に、カレンダニップを分離するのに十分な時間が残っている。ウェブは対向ローラの外周部に少なくとも5°にわたって巻き掛けられており、これによってベルト応力に基づく力が、十分に大きな圧着圧を生ぜしめることができる。
【0013】
ベルト及び対向ローラが例えば、対向ローラの持上げによって互いに離されるようになっていると、ベルトにはもはや必要なベルト引張り応力が加えられず、ベルトははためいてしまう。その結果として生じる危険は極めて大きい。つまり薄い金属薄板から成っているベルトの亀裂が、人間及び機械に大きな危険を及ぼすおそれがある。本発明によって、このような危険を排除する方法が見出された。本発明の方法では、ベルトガイドローラのうちの少なくとも1つのガイドローラを移動させて、ベルトの引張り応力を保つようにした。離反動作中に短時間ベルト応力が0に低下しても、ベルト応力が離反動作の直後に、なおガイドローラが回転している場合、再び形成されると、これによって危険な状態の発生しないことが判明した。
【0014】
ベルトを、離反動作中又は離反動作直後に緊張エレメントを用いて緊張させると、有利である。このような緊張エレメントを使用することは、ベルト応力つまりベルトの緊張状態を得るための簡単な方法である。
【0015】
緊張エレメントがベルトの引張り応力を離反動作時に少なくともほぼ一定に保つと、有利である。対向ローラの切離しと対向ローラに対する巻掛けの減少とによって生ぜしめられるベルト引張り応力損失は、この場合緊張エレメントによって補償される。
【0016】
本発明によるニップの開放動作によって、特にプラスチック部分を備えたベルトが使用されている場合でも、対向ローラを、130℃を上回る表面温度に加熱することが、可能であり、かつ有利である。これによって、カレンダ仕上げもしくは艶出し後におけるウェブ品質が高められる。
【0017】
切離し装置が1つのガイドローラを、円弧状の経路に沿って対向ローラから離反運動させると、有利である。つまりガイドローラは、旋回可能なレバーに支承されていることができ、このようになっていると、ガイドローラ支承部がリニアガイドである場合に比べて、離反動作時に極めて僅かな摩擦損失しか生じない。
【0018】
次に前記課題を解決するための装置について述べると、前記課題を解決するために本発明による装置の構成では、冒頭に述べた形式の、繊維ウェブを処理するために働くニップを開放する装置において、少なくとも1つのガイドローラが切離し装置を介して移動可能に支承されているようにした。このような構成によって得られる利点は、上において方法の発明において記載したのと同じである。
【0019】
緊張エレメントがローラを有していると、有利である。引張り応力を形成するためにベルトに対して作用するローラは、ベルト速度と同じ周速度で回転する。これによって接触摩擦、ひいては摩耗が回避される。
【0020】
装置を簡単化するために、1つのガイドローラがベルトを緊張させるために設けられていると、つまりガイドローラのうちの1つがベルトを緊張させるために働くと、付加的な緊張ローラを省くことができる。この場合ガイドローラは可動に支承され、かつ力発生装置によって負荷可能に構成されねばならないが、この構成によって、構造空間もしくは所要スペースを著しく節減することができる。
【0021】
対向ローラが位置固定に支承されていると有利である。通常、しばしば加熱可能である対向ローラは、ベルトカレンダにおいて最大かつ最重量のローラである。ニップを開放するためにこのようなローラを移動させることは、たとえその移動距離が短くても、大きなエネルギを消費することになる。対向ローラのローラ軸線が位置固定であると、対向ローラへの加熱媒体の供給路を位置固定に設置することができ、チューブ結合部におけるようなシールの問題がほとんど生じなくなる。
【0022】
すべてのガイドローラがいかなる運転条件下においても、ベルトとウェブの厚さの和よりも大きな間隔を対向ローラに対して有していると、有利である。このように構成されていると、ガイドローラから対向ローラに対して接触圧が加えられることはなくなる。そしてガイドローラのうちの1つだけが切離しのために対向ローラから離反運動させられると、ベルトは迅速に対向ローラと接触しなくなる。
【0023】
切離し装置がサーボモータを有していると、有利である。このようなモータを用いて、ガイドローラの運動を所望のように制御することができる。この場合モータというのは、電気式、液圧式及び空気圧式の調節機構のことである。モータとして例えば単純な液圧シリンダが選択されると、例えばEP1176252B1に開示されているように、ピストンの制動された運動制御を実現することができる。
【0024】
また、少なくとも1つのガイドローラが、レバーに支承されていて回転軸線を中心にして旋回可能であると、有利である。このように構成されていることによって得られる利点は、既に方法の発明に関連して述べた。さらに、前記回転軸線が第2のガイドローラの軸線であると、特に有利である。このように構成されていると、第2のガイドローラの支承部を節約して、既存の軸線、つまり1つのベルトガイドローラの軸線を、回転軸線として使用することができる。これにより、空間及び材料を節減することができる。
【0025】
さらにまた、制御装置が設けられていて、該制御装置が、センサを介して検出された、走行する繊維ウェブのエラーに基づいて、切離し装置を作動させるようになっていると、有利である。このように構成されていると、ニップの開放を自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】運転状態においてニップを開放する装置を備えたカレンダを示す概略図である。
【図2】運転状態においてニップを開放する装置の別の実施形態を示す概略図である。
【図3】図2に示された装置を開放状態において示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1に示されたベルトカレンダ1は、主として、3つのガイドローラ11,12,13に巻き掛けられて循環するベルト4から成っており、このベルト4は5°を上回る巻掛け角(巻掛け角>5°)にわたって対向ローラ5と接触している。ベルトは例えば図示されていない形式で、対向ローラ5もしくは繊維ウェブ2の周速度が得られるまで、3つのガイドローラ11,12,13のうちの1つを介して駆動される。実地においてこのようなベルトは10mまでの幅を有することができる。繊維ウェブ2は、ベルト4と対向ローラ5との間においてニップ3を貫通走行する。ニップ3はつまり、ベルト4と対向ローラ5との間におけるコンタクトゾーンであり、このコンタクトゾーンはウェブ走行方向において繊維ウェブ形式に応じて、100〜1000mmの値を有することができる。
【0029】
対向ローラ5は図示されていない形式で、130℃を上回る表面温度に加熱されて、位置固定に支承されている。加熱のためには伝熱流体が適しており、この伝熱流体は、ローラ内部を通して導かれるか、又は外部の加熱装置を通して導かれ、この外部の加熱装置は誘導式あるいは容量式に又は高温空気吹き付けによって働く。図示の実施形態では、付加ローラ18によって得られる付加ニップ19が、対向ローラ5のところに形成され、この付加ニップ19は、本発明とは直接的な関係がないが、カレンダに大きな艶出しポテンシャル(Satinagepotenzial)を与える。
【0030】
すべてのベルトガイドローラ11,12,13は、ハウジング17内に収容されている1つの共通のフレーム20に支承されている。ガイドローラ11,12,13の直径は400〜1000mmの値を有している。ガイドローラ11とガイドローラ12との間においてベルト4に対向ローラ5が進入していることによって、ベルト4にはベルト引張り応力が加えられる。この場合ガイドローラ11及びガイドローラ12がそれぞれ対向ローラ5に対して有している間隔は、ベルト厚さとウェブ厚さとの和よりも大きい。フレーム20にはサーボモータ9が係合作用し、このサーボモータ9はガイドローラ11,13を、同時にガイドローラ12の軸線でもある回転軸線16を中心にして回転させることができる。フレーム20の一部であるレバー15はつまり、ガイドローラ11が円弧に沿って対向ローラ5から離反運動できるようにするために働く。これによってベルト4もまた対向ローラ5から持ち上がるもしくは離れる。
【0031】
このような運動は、センサ6が繊維ウェブ2においてエラーを確認した場合に、センサ6によって開始される。このようなエラーは例えば繊維ウェブ2における亀裂や折れもしくは皺である。センサ6から信号(破線参照)は制御装置7に送られ、この制御装置7によってサーボモータ9の運動が惹起される。この運動によりガイドローラ11は対向ローラ5から離反旋回させられ、この際にベルト4は、繊維ウェブ2におけるエラー箇所が認識された後、遅くとも0.9秒後に、対向ローラ5に対してもはや接触しなくなる。
【0032】
緊張エレメント10は特別な利点を提供する。つまりこの緊張エレメント10は、対応ベルト5を中心にしたベルト4の失われた円弧を補償するために働き、これによりベルト4は引張り応力を維持することができる。緊張エレメント10は主として圧力発生器21と、ベルトの内面を押圧するローラ14とから成っている。図1の実施形態では、ローラ14はガイドローラ11と同一である。図2には択一的に別体のローラ14が示されており、このローラ14は圧力発生器21とレバー装置22とを介してベルトを押圧することができ、これによって離反動作時又は離反動作直後にベルトの引張り応力を形成することができる。圧力発生器21は両実施形態において液圧シリンダである。この液圧シリンダはポジション調整されて及び/又は圧力調整されて制御される。液圧シリンダ内には終端位置緩衝装置(図示せず)が設けられている。応力形成のために適宜な装置としては、液圧シリンダの他に、スピンドル、リニア駆動装置、空気圧シリンダ、重量負荷による緊張装置又はこれに類したものが挙げられる。
【0033】
本発明をさらに説明するために図3には、ニップ3が開放された状態でカレンダ1が示されている。図3から明らかなように、ベルト4は対応ベルトともはや接触していないが、この場合においても、緊張エレメント10を用いて緊張させられている。
【0034】
ベルト4は有利にはプラスチック、例えばPU、PEEK、PFD、テフロン、ゴム、並び、ガラス、アラミド又は金属織布製の繊維を備えた混合物から成っている。ベルトはまた金属製の薄い下側層を備えたプラスチックから製造されていることができる。ベルトのための別の材料は、金属又は、プラスチック製の下側層を備えた金属である。後者の場合、ベルトは付加的に加熱可能である。そのために例えば図示されていない形式で、ガイドローラは加熱されることができ、又はベルトは誘導加熱されることができる。有利にはベルトは、1.0μm未満の表面粗さを有しており、特に有利には0.5μm未満の表面粗さを有している。ベルトは0.5〜10mm、有利には0.8〜5mmの厚さを有している。
【0035】
本発明の基本思想を逸脱することなしに、図示以外の種々様々な実施形態が可能である。特にベルト4は艶出し効果(Satinageeffekt)を提供する必要はなく、ウェブ2が本来の光沢及び平滑化を高めるために付加ニップ19を通過する前に、加熱された対向ローラ5においてウェブ2を効果的に加熱するためだけに働くこともできる。ベルト4の下にウェブ2のための予加熱区間を有し又は、場合によっては類似のベルト構造を備えたニップの後ろに後加熱区間をも有しているカレンダ1において、ベルト4は0.1〜1MPaの圧力で対向ローラ5に押し付けられ、これによって対向ローラ5の温度もしくは熱を、紙もしくは板紙内に深く浸透させることができ、ひいては平滑化を改善することができる。これによって付加ニップ19の直前又は直後においてベルト処理ゾーンが得られる。このような平滑化方法もしくはこのような装置の利点は、水及び蒸気を透過するベルトが使用され、その結果水分がベルト処理ゾーンにおいてはウェブ2から逃げられない、という事実に基づいている。つまり水分はベルトの低温側に移動させられるが、しかしながらそこで蓄えられたままになる。そしてベルト処理ゾーンの後で初めて、水分は紙ウェブから周囲に出ることができる。
【0036】
図示のカレンダ1は多種多様な形式で、多ローラカレンダ又は他のカレンダとの組合せが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 カレンダ、 2 繊維ウェブ、 3 ニップ、 4 ベルト、 5 対向ローラ、 6 センサ、 7 制御装置、 8 切離し装置、 9 サーボモータ、 10 緊張エレメント、 11,12,13 ガイドローラ、 14 ローラ、 15 レバー、 16 回転軸線、 17 ハウジング、 18 付加ローラ、 19 付加ニップ、 20 フレーム、 21 圧力発生器、 22 レバー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブ(2)を処理するニップ(3)を開放する方法であって、ニップ(3)が、少なくとも2つのガイドローラ(11,12,13)に巻き掛けられて循環するベルト(4)と対向ローラ(5)とによって形成され、ベルト(4)が5°よりも大きな巻掛け角にわたって、対向ローラ(5)の周面に密着しており、繊維ウェブ(2)がニップの前におけるセンサ(6)を用いて、亀裂又は折れに関して監視され、亀裂又は折れの発生時にはセンサ(6)が制御装置(7)を介して信号を切離し装置(8)に送る形式の方法において、切離し装置(8)が離反動作中に少なくとも1つのガイドローラ(11)を、モータによって0.9秒以内にベルトの引張り応力を維持しながら、ベルト(4)が離反動作後に対向ローラ(5)から間隔を有するように、移動させることを特徴とする、ニップを開放する方法。
【請求項2】
ベルト(4)を、離反動作中又は離反動作直後に緊張エレメント(10)を用いて緊張させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
緊張エレメント(10)がベルトの引張り応力を離反動作時に少なくともほぼ一定に保つ、請求項2記載の方法。
【請求項4】
対向ローラ(5)が、130℃を上回る表面温度に加熱される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
切離し装置(8)が1つのガイドローラ(11)を、円弧状の経路に沿って対向ローラ(5)から離反運動させる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
繊維ウェブ(2)を処理するために働くニップ(3)を開放する装置であって、ニップ(3)が、少なくとも2つのガイドローラ(11,12,13)に巻き掛けられて循環するベルト(4)と対向ローラ(5)とによって形成されており、ベルト(4)が5°よりも大きな巻掛け角にわたって、対向ローラ(5)の周面に密着している形式のものにおいて、少なくとも1つのガイドローラ(11,13)が切離し装置を介して移動可能に支承されていることを特徴とする、ニップを開放する装置。
【請求項7】
緊張エレメント(10)が設けられていて、該緊張エレメント(10)が、離反動作中にベルト(4)に該ベルトを緊張させる力を負荷可能である、請求項6記載の装置。
【請求項8】
緊張エレメント(10)が1つのローラ(14)を有している、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記ローラ(14)がガイドローラのうちの1つのガイドローラ(11)である、請求項8記載の装置。
【請求項10】
対向ローラ(5)が位置固定に支承されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
すべてのガイドローラ(11,12,13)がいかなる運転条件下においても、ベルトとウェブの厚さの和よりも大きな間隔を対向ローラ(5)に対して有している、請求項6から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
切離し装置(8)がサーボモータ(9)を有している、請求項6から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
少なくとも1つのガイドローラ(11)が、レバー(15)に支承されていて回転軸線(16)を中心にして旋回可能である、請求項6から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
前記回転軸線(16)が、第2のガイドローラ(12)の軸線である、請求項13記載の装置。
【請求項15】
制御装置(7)が設けられていて、該制御装置(7)が、センサ(6)を介して検出された、走行する繊維ウェブ(2)のエラーに基づいて、切離し装置(8)を作動させる、請求項6から14までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−94286(P2011−94286A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241318(P2010−241318)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506408818)フォイト パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (52)
【氏名又は名称原語表記】VOITH PATENT GmbH
【住所又は居所原語表記】St. Poeltener Str. 43, D−89522 Heidenheim, Germany
【Fターム(参考)】