説明

ニトロ脂肪酸を含有する栄養補助物

活性化脂肪酸、活性化脂肪酸を含む栄養補助組成物、さまざまな疾患を治療するために活性化脂肪酸を使用する方法、および活性化脂肪酸の調製方法について、本明細書に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「ニトロ脂肪酸を含有する栄養補助物」と題する米国仮出願番号第61/141,844号(出願日:2008年12月31日、その全体を参照により本明細書に組み込む)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
一酸化窒素(NO)は、血管恒常性の維持、酸素ラジカル反応の調整、炎症細胞機能、翻訳後のタンパク質の修飾、および遺伝子発現の調節に関係している、内生的に生じた脂溶性シグナリング分子である。加えて、一酸化窒素由来の種は、別個かつ独特の薬理学的特性を示しており、特に、例えば不飽和脂肪酸などの生体分子の酸化およびニトロ化を媒介することができる。
【0003】
さまざまな反応が、標的分子の酸化、ニトロソ化およびニトロ化を協調的に行うことのできる生成物を生む。例えば、一酸化窒素はスーパーオキシド(O)と反応して、ペルオキシ亜硝酸(ONOO)およびその共役酸、ペルオキシ亜硝酸(ONOOH)を生むことがあり、後者は均等開裂を行って二酸化窒素(・NO)およびヒドロキシルラジカル(・OH)を形成することがある。一部の場合において、生物学的状況によって、ニトロソ過酸化炭酸(ONOOCO)を生むONOOのCOとの反応が好まれる場合があり、これはNOおよびCOへのホモリシスまたは転位によって、急激に・NOおよび炭酸塩(・CO)ラジカルを生む。炎症中、好中球ミエロペルオキシダーゼおよびミオグロビンやシトクロムcなどのヘムタンパク質が、亜硝酸(NO)の・NOへのH依存性酸化を触媒し、結果として触媒ヘムタンパク質の空間配分によって影響を受けた生物分子酸化およびニトロ化が生じる。・NOのOとの反応はまた、ニトロソ化およびニトロ化のための基質または反応物であり得る生成物を生む。例えば、分子半径の小さいこと、・NOおよびOの非荷電な性質および脂溶性によって、生体「分子レンズ」効果と呼ばれる過程において生体膜へのこれらの種の集中が促進される。疎水性細胞コンパートメント内における・NOとOの溶媒和によって誘発された集中の増加は、通常、・NOのOとのゆっくりした反応を加速させてNとNを生む。最後に、環境要因もまた、光化学空気汚染やタバコの煙の結果として・NOを生む。
【0004】
・NOによる脂肪酸のニトロ化は、幾つかの方法によって起こり得る。例えば、基底細胞のシグナリング中および組織の炎症状態において、・NOは膜およびリポタンパク質脂質と反応してもよい。生体内および生体外システムの両方において、・NOは、ビスアリル炭素からの水素引抜によって多価不飽和脂肪酸のラジカル鎖自動酸化を開始し、ニトロ酸および共鳴安定化したビスアリルラジカルを生むことが示されてきた。ラジカル環境によるが、脂質ラジカル種は分子の酸素と反応してペルオキシラジカルを形成することができ、これがさらに反応して脂質ヒドロペルオキシドを、次に酸化脂質を形成する。炎症または虚血中、Oレベルがより低い時には、脂質ラジカルは・NOとより大きく反応して単独ニトロ化、ニトロヒドロキシ−およびジニトロ脂肪酸付加物を含む複数のニトロ化生成物を生成することができる。これらの生成物は、水素引抜、二重結合全体にわたる・NOの直接添加、またはその両方によって生成されてもよく、また一部の場合においてかかる反応の後に形成された中間体生成物のさらなる反応が続く場合がある。水素引抜は二重結合の転位を引き起こして共役ジエンを形成するが、但し、・NOの添加はメチレン中断型ジエン構成を維持して単独ニトロ化された多価不飽和脂肪酸を生む。
【0005】
多価不飽和脂肪酸の酸性化亜硝酸塩(HNO)との反応は、ビスアリル結合配置を維持する単独ニトロ化生成物の生成を含めて、・NOとの直接反応により形成された生成物と類似した複雑な混合物である生成物を生成する。NOの酸化は、不安定な種であるHNOを作成することができ、これはN、・NOおよび・NOを含めた二次産物と均衡状態を保つものであり、そのすべてがニトロ化反応に参加することができる。脂肪酸ニトロ化のメカニズムとしてのこの経路の関連性は、NOが低いpH(例:<pH 4.0)に置かれている場合に生理学的状態や病態によって具現化される。これは、エンドソームまたはファゴリソソーム酸化後に胃腸コンパートメントにおいて、または虚血再かん流後に組織において発生することが考えられる。
【0006】
ニトロ化リノール酸(LNO)は、通常、その性質が抗炎症性である力強い細胞シグナリング活性を示してきた。合成的LNOは、cAMP依存性メカニズムによってヒト血小板機能を阻害することができ、非cAMP、非cGMP依存性メカニズムによって好中球Oの生成、カルシウム流入、エラスターゼの放出、CD11b発現および脱顆粒を阻害する。LNOはまた、cGMP依存性メカニズムによって部分的には血管弛緩を誘発してもよい。概して、合成脂肪酸から由来するこれらのデータは、脂肪酸(NO−FA)のニトロ誘導体が新しいクラスの脂質由来のシグナリング伝達物質に相当することを示唆している。今日まで、臨床検出とニトロ化脂肪酸の構造的特性の間のギャップによって、NO−FA誘導体を、・NOおよび酸化脂質シグナリング経路を収束させる生物関連の脂質シグナリング伝達物質として定義することには限りがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書で示す本発明の実施形態は、栄養補給食品または栄養補助食品、軟膏およびローションなどの局所製剤、および例えば、ニトロ脂肪酸などの一つ以上の活性化脂肪酸を含むその他の栄養補助組成物を対象としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一部の実施形態において、栄養補助食品および局所製剤は、一つ以上のビタミン、一つ以上のミネラル、植物抽出物または油、米ぬか油、酵素処理した安定化米ぬか、米ぬか油の可溶性画分およびその誘導体、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、ユッカ濃縮物、ブドウ種子エキス、ベータカロチン、マオウ、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、緑茶抽出物、およびエキナセアなどのニトロ脂肪酸以外の一つ以上の栄養補助物を含んでもよい。活性化脂肪酸は、魚油または植物油などの天然資源から分離されても、天然資源から由来する脂肪酸を用いて調製してもよく、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、リノール酸、α−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸または誘導体あるいはその組み合わせから由来してもよい。特定の実施形態において、栄養補助物はさらに非ニトロ化脂肪酸を含んでもよい。特定の実施形態において、また栄養補助食品および栄養補給食品の実施形態について、栄養補助物はジェルカプセルとして、また特定の実施形態においては風味のあるジェルカプセルとして提供されてもよい。一部の実施形態において、栄養補給食品は食品の添加剤でもよい。
【0009】
局所製剤については、組成物は皮膚科学的に許容できる賦形剤を、また特定の実施形態においては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、グルコサミン、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、緑茶抽出物、シアバター、ブドウ種子エキス、アロエ抽出物、またはその混合物などの別の栄養補助物を含んでもよい。
【0010】
一部の実施形態は、一つ以上の活性化脂肪酸のために成分強化された脂肪酸、および栄養補助上許容できる添加剤を含む栄養補助食品を対象としている。一部の実施形態において、活性化脂肪酸はオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、およびその組み合わせから由来してもよい。別の実施形態において、活性化脂肪酸はニトロ脂肪酸またはケト脂肪酸であってもよく、また特定の実施形態において、活性化脂肪酸はニトロ−リノール酸、ニトロ−α−リノール酸、ニトロ−γ−リノール酸、ニトロ−オレイン酸、ニトロ−エイコサペンタエン酸、ニトロ−ドコサヘキサエン酸、ケト−リノール酸、ケト−α−リノール酸、ケト−γ−リノール酸、ケト−オレイン酸、ケト−エイコサペンタエン酸、ケト−ドコサヘキサエン酸または誘導体あるいはその組み合わせであってもよい。また別の実施形態において、栄養補助食品はまた、リノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはその誘導体の一つ以上を含んでもよい。一部の実施形態において、栄養補助食品はさらに、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物、亜麻仁油、ルリジサ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、およびその誘導体から選択される一つ以上の栄養補助物を含んでもよい。
【0011】
特定の実施形態において、栄養補助食品はジェルカプセルでもよく、また一部の実施形態において、一つ以上の活性化脂肪酸はジェルカプセル全体の約5重量%〜約95重量%であってもよい。
【0012】
特定の実施形態において、栄養補助食品はニトロ−リノール酸、ケト−リノール酸、ニトロ−オレイン酸、およびケト−オレイン酸から選択される一つ以上の活性化脂肪酸のための成分強化された第一の脂肪酸、およびリノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはその誘導体から選択される一つ以上の非活性化脂肪酸を持つ第二の脂肪酸成分を含んでもよく、また一部の実施形態において、栄養補助食品はさらにビタミンEまたはその誘導体を含んでもよい。別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物、亜麻仁油、ルリジサ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、およびその誘導体(これらを含むが、これに限定されるものではない)から選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよい。一部の実施形態において、栄養補助食品は、ポリコサノール、グッグル脂質、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、および紅麹エキスから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、また、かかる栄養補助食品は健康な心臓および循環系の促進を目的に調合されてもよい。別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、およびエキナセアから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は健康な細胞増殖の促進を目的に調合されてもよい。また別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、およびβ−カロチンから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は健康な目の促進を目的に調合されてもよい。なおも別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、マオウ、緑茶抽出物、およびユッカ濃縮物から選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は認知健康の促進を目的に、または神経保護剤として調合されてもよい。
【0013】
別の実施形態は、一つ以上の活性化脂肪酸および中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層のために成分強化された脂肪酸を持つ中核部分を含むジェルカプセルを対象としている。一部の実施形態において、ジェルカプセルは風味付けされてもよく、また特定の実施形態において、着香料はベリー、イチゴ、チョコレート、ココア、レモン、バター、アーモンド、カシュー、マカデミアナッツ、ココナッツ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、桃、レモン、ライム、ミント、オレンジ、バナナ、チリペッパー、ペッパー、シナモン、およびパイナップルから選択される風味料であってもよい。一部の実施形態において、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つは少なくとも一つの着香料を含み、また別の実施形態において、中核部分は少なくとも一つの着香料を含んでもよい。さらなる実施形態において、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つは腸溶性コーティングでもよく、またさらなる実施形態において、中核部分はさらに可溶化剤、安定剤、着色剤、可塑剤、希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性賦形剤、水溶性賦形剤、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、モイスチャライザー、抗酸化剤、または防腐剤から選択される一つ以上の薬剤を含んでもよい。一部の実施形態において、中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つ、またはその組み合わせはさらに一つ以上の二次薬剤を含む。
【0014】
特定の実施形態において、かかるジェルカプセルは、約10mg〜約500mgの一つ以上の活性化脂肪酸、約10mg〜約100mgのビタミンC、および中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を持つ中核部分を含むよう調合されてもよく、その中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つまたはその組み合わせは、約0.25重量%〜約3.0重量%の一つ以上の着香料を含んでもよい。別の実施形態において、かかるジェルカプセルは、約10mg〜約500mgの一つ以上の活性化脂肪酸、約2mg〜約50mgのビタミンE、および中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を持つ中核部分を含むよう調合されてもよく、その中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つまたはその組み合わせは、約0.25重量%〜約3.0重量%の一つ以上の着香料を含んでもよい。
【0015】
なおも別の実施形態は、ジェル見本成分の混合、液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解、液化ジェル見本と一つ以上の活性化脂肪酸のために強化された脂肪酸成分との混合、およびジェルカプセルを形成するための脂肪酸成分のカプセル化の手順を含む、ジェルカプセルの準備方法を対象としている。一部の実施形態において、方法はさらに、ジェルカプセルの乾燥、ジェルカプセルの洗浄、およびジェルカプセルの包装を含んでもよい。特定の実施形態において、ジェル見本成分は、例えば、ゼラチンまたはゼラチン代替物、加工でんぷんまたは別の適したゼラチン代替物、軟化剤、グリセロール、ソルビトールまたは別の適したポリオール、着香料、着色剤、ケラチンおよびその組み合わせを含んでもよい。
【0016】
さらなる実施形態は、一つ以上の活性化脂肪酸のために成分強化された脂肪酸、および栄養補助上許容できる添加剤を含む栄養補助食品を個人に投与することによって個人の健康を改善する方法を対象としている。特定の実施形態において、栄養補助食品はニトロ−リノール酸、ケト−リノール酸、ニトロ−オレイン酸、およびケト−オレイン酸から選択される一つ以上の活性化脂肪酸のための成分強化された第一の脂肪酸、およびリノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはその誘導体から選択される一つ以上の非活性化脂肪酸を持つ第二の脂肪酸成分を含んでもよく、また特定の実施形態において、栄養補助食品はさらにビタミンEまたはその誘導体を含んでもよい。一部の実施形態において、栄養補助食品はさらに、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物、亜麻仁油、ルリジサ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、およびその誘導体から選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよい。一部の実施形態において、栄養補助食品は、ポリコサノール、グッグル脂質、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、および紅麹エキスから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、また、かかる栄養補助食品は健康な心臓および循環系の促進を目的に調合されてもよい。別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、およびエキナセアから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は健康な細胞増殖の促進を目的に調合されてもよい。また別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、およびβ−カロチンから選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は健康な目の促進を目的に調合されてもよい。なおも別の実施形態において、栄養補助食品は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、マオウ、緑茶抽出物、およびユッカ濃縮物から選択される一つ以上の二次薬剤を含んでもよく、かかる栄養補助食品は認知健康の促進を目的に、または神経保護剤として調合されてもよい。
【0017】
本発明のさまざまな実施形態はまた、一つ以上のニトロ脂肪酸を持つ中核部分と、中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を含む組成物を対象としている。かかる実施形態において、一つ以上のニトロ脂肪酸はジェルカプセル全体の約10重量%〜約95重量%を占めてもよい。上述のように、組成物は、例えば、米ぬか油、酵素処理安定化米ぬか、米ぬか油の可溶性画分、およびその誘導体、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、ユッカ濃縮物、ブドウ種子エキス、ベータカロチン、マオウ、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、緑茶抽出物、およびエキナセアなどの一つ以上の追加的な二次成分を含んでもよい。活性化脂肪酸は、オメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、リノール酸、α−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸または誘導体あるいはその組み合わせから由来してもよく、非活性化脂肪酸を含んでもよい。
【0018】
組成物はジェルカプセルでもよく、またかかるジェルカプセルは一つ以上のコーティング層を少なくとも一つの着香料および/または中核部分を少なくとも一つの着香料で提供することで風味を付けてもよい。着香料は実施形態によって異なってもよく、ベリー、イチゴ、チョコレート、ココア、レモン、バター、アーモンド、カシュー、マカデミアナッツ、ココナッツ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、桃、レモン、ライム、ミント、オレンジ、バナナ、チリペッパー、ペッパー、シナモン、およびパイナップルから選択される風味料であってもよく、一部の実施形態においては、ジェルカプセルは腸溶性コーティングであってもよい。中核部分は、可溶化剤、安定剤、着色剤、可塑剤、希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性賦形剤、水溶性賦形剤、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、モイスチャライザー、抗酸化剤、防腐剤またはその組み合わせなどのその他の薬剤をさらに含んでもよい。
【0019】
また別の実施形態において、中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つ、またはその組み合わせはさらに、例えば、抗酸化剤、スタチン、スクアレン合成阻害剤、アゼチジノンベースの化合物、低密度リポタンパク質(LDL)異化作用活性剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)拮抗薬または作動薬、抗不整脈薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)およびその栄養補助同等物などの一つ以上の二次薬剤をさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の実施形態はまた、ニトロ脂肪酸の魚油または植物油からの分離によりニトロ−脂肪酸を準備する方法、ジェル見本成分の混合によりジェルカプセルを準備する方法、液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解、液化ジェル見本とニトロ脂肪酸との混合、ジェルカプセルを形成するためのニトロ脂肪酸のカプセル化、ジェルカプセルの乾燥、ジェルカプセルの洗浄、およびジェルカプセルの包装の方法を含む。
【0021】
ニトロ脂肪酸を準備するための別の方法は、既存の不飽和脂肪酸組成物をニトロ含有化合物と接触させ、既存の不飽和脂肪酸をニトロ含有化合物と反応させてニトロ脂肪酸を形成する手順を含む。ジェルカプセルを準備する方法は、ジェル見本成分の混合、液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解、液化ジェル見本とニトロ脂肪酸との混合、ジェルカプセルを形成するためのニトロ脂肪酸のカプセル化、ジェルカプセルの乾燥、ジェルカプセルの洗浄、およびジェルカプセルの包装の手順を含む。
【0022】
一つ以上の活性化脂肪酸を含むジェルカプセルを準備するその他の方法は、不飽和脂肪酸を水銀塩およびセレン化合物と接触させる手順、手順1から生じる中間体を電子求引基の供与試薬と接触させる手順、手順2から生じる中間体を酸化剤と反応させる手順、ジェル見本成分の混合、液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解、液化ジェル見本とニトロ脂肪酸との混合、ジェルカプセルを形成するためのニトロ脂肪酸のカプセル化、ジェルカプセルの乾燥、ジェルカプセルの洗浄、およびジェルカプセルの包装の手順を含む。
【0023】
一つ以上の活性化脂肪酸を含むジェルカプセルを準備するためのなおも別の方法は、塩基の存在下で第一の中間体を形成するための、一端に電子求引基を持つ脂肪族炭化水素を少なくとも含む第一の成分と、もう一方の一端にアルデヒドを持つ脂肪族炭化水素鎖を少なくとも含む第二の成分との混合、第一の中間体からのアルケンの精製、ジェル見本成分の混合、液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解、液化ジェル見本とニトロ脂肪酸の混合、ジェルカプセルを形成するためのニトロ脂肪酸のカプセル化、ジェルカプセルの乾燥、ジェルカプセルの洗浄、およびジェルカプセルの包装の手順を含む。
ジェル見本成分は、ゼラチンまたはゼラチン代替物、加工でんぷんまたは別の適したゼラチン代替物、軟化剤、グリセロール、ソルビトールまたは別の適したポリオール、着香料、着色剤、ケラチンおよびその組み合わせから選択されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本組成物および方法について記載する前に、本発明は記載される特定の過程、組成物、または方法に限定されないことを理解されたい。また、説明において使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明することのみを目的としており、添付の請求項にのみ制限される本発明の範囲を制限することを意図したものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、当業者が一般に理解しているものと同じ意味を持つ。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および物質を本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、好適な方法、装置、および物質について以降で説明する。本明細で言及される出版物はすべて、その全体が参照により組み込まれる。本明細書のいかなる内容も、本発明が先願発明を理由としてかかる開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されないものとする。
本明細書(原文)で使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈で別途明確に指示されない限り複数の意味も含む。そのため、例えば「細胞」という場合には、一つ以上の細胞および当業者に知られているその同等物を意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は使用されている数値の±10%を意味する。そのため、約50%とは45%〜55%の範囲を意味する。
【0025】
治療手段と併せて使用される場合の「投与」とは、標的組織内部または当該組織上に直接治療薬を投与する、または薬剤を患者に投与することで、薬剤が標的となっている組織に肯定的な影響を与えることを意味する。そのため、本明細書で使用される場合、ニトロ化脂質と併せて使用される場合の「投与」という用語は、例えば、静脈注射によって被験者の全身にニトロ化脂質を提供することで薬剤が標的組織に到達できることを含むがこれに限定はされない。組成物の「投与」は、例えば、注射、経口投与、局所性投与、またはその他の既知の技法と組み合わせた方法によって達成されてもよい。かかる組み合わせ技法は、加熱、放射線、超音波および送達剤の使用を含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、「動物」という用語は、ヒトおよび野生、家畜および牧場動物などのヒト以外の脊椎動物を含むがこれらに限定はされない。
「改善する」という用語は、本発明が、提供、塗布または投与の対象である組織の特性および/または身体特性のいずれかを変化させることを伝えるために使用される。「改善する」という用語はまた、病状の兆候が「改善」したときに病状に関連する症状や身体的特徴が減退、減少または除去されるような病状と併せて使用されてもよい。
「阻害」という用語は、兆候の開始の予防や、兆候の緩和、または疾患、状態または障害の除去のための本発明の化合物の投与を含む。
「製薬上許容できる」とは、担体、希釈剤または添加剤が調合物のその他の成分と互換性があり、その受領者にとって有害であってはならないことを意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「栄養補助物」という用語は、食事の補助に使用されうる病気予防や健康促進を含む、生理学的利益を提供する天然、生物活性のある化合物を一般に意味する。栄養補助物は、バイオエンジニアリング方法の使用によって精製または濃縮されてもよく、遺伝子学的な方法によって強化されてもよく、これは高レベルの天然物質を含む場合がある。栄養補助物の例には、少なくとも下記の成分の一つを一般に含む分離された栄養素やハーブ製品を含む:ビタミン、ミネラル、ハーブまたは別の植物、アミノ酸、代謝産物、成分、抽出物、またはこれらの成分の組み合わせ。栄養補助物の一般的な例には、ベータカロチン、マオウ、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、緑茶抽出物、およびエキナセアがある。本明細書に記載の栄養補助物は、例えば、健康な関節、皮膚、目および脳機能、心臓および循環系、および一般的な健康の維持およびサポートにとって有益でありうる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「薬剤」、「活性薬剤」、「治療剤」または「治療薬」という用語は、患者の望まれない状態または疾患を治療、闘病、改良、予防または改善するために使用される化合物または組成物を意味する。部分的には、本発明の実施形態は炎症、肥満、肥満関連病、代謝疾患、心血管疾患および心臓関連疾患、脳血管疾患および神経変性疾患、認知障害、癌または細胞の異常増殖、および同類のものに影響を与えることを対象としている。
【0029】
組成物の「治療効果のある量」または「有効量」とは、例えば、細胞の活性、移動、または増殖を阻害、遊走または逆転させるなどの望ましい効果を達成するために計算された所定量である。本明細書に記載の方法によって意図される活性は、該当する場合は医療治療および/または予防治療の両方を含み、本発明の組成物は記載した何らかの状態を改善するために使用されてもよい。また、本明細書に記載の組成物は、兆候を示していないが特定の障害が進行するリスクを持つ健康な被験者または個人に投与されうることが考えられる。治療効果および/または予防効果を得るために本発明に従い投与される化合物の特定投与量は、当然のことながら、例えば投与される化合物、投与経路、治療対象の病状を含む特定の状況によって決定される。但し、選ばれた用量域は、いかなる方法でも本発明の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。本発明の化合物の治療効果のある量は通常、生理学的に許容できる添加剤の組成物で投与された場合に、組織への効果的な全身濃度または局所濃度を十分達成するような量である。
【0030】
本明細書で使用される「治療」「治療された」、または「治療する」という用語は、治療と予防策の両方を意味し、望まれない生理学的状態、障害または疾患を予防または鈍化(軽減)させること、または有益または望ましい臨床結果を得ることが目的である。本発明において、有益または望ましい結果は、兆候の緩和、状態、障害または疾患の程度の減退、状態、障害または疾患の安定化(即ち、悪化していない)、状態、障害または疾患の開始の遅延または進化の鈍化、状態、障害または病状の改善、および検知可能または不可能を問わない寛解(部分的または全体的を問わない)、または状態、障害または疾患の強化または改善を含むがこれらに限定はされない。治療には、過剰な程度の副作用を起こさずに臨床的に有意な反応を誘発することが含まれる。治療はまた、治療を受けていない場合の予想生存期間と比べて生存を長引かせることも含まれる。
【0031】
本明細書で使用される場合、および添付の請求項における「強化された」という用語は、組成物または組成物の一部が、組成物において自然に発生する成分量よりも大きな特定された成分の濃度を含むことを意味するものとする。例えば、活性化脂肪酸に関して、活性化脂肪酸のために強化された組成物は少なくとも50nM以上の活性化脂肪酸を含んでもよい。そのため、活性化脂肪酸のために強化された組成物は、少なくとも0.05重量%の活性化脂肪酸、少なくとも0.1重量%の活性化脂肪酸、少なくとも0.15重量%の活性化脂肪酸、少なくとも0.25重量%の活性化脂肪酸、少なくとも0.5重量%の活性化脂肪酸、少なくとも1.0重量%の活性化脂肪酸、少なくとも2重量%の活性化脂肪酸などであってもよい。
【0032】
本明細書に記載する本発明の実施形態は、一般には活性化脂肪酸、特に活性化した不飽和脂肪酸を対象としている。本明細書で使用される場合、「活性化脂肪酸」という用語は、脂肪酸の飽和または不飽和の脂肪族鎖に共有結合された少なくとも一つの電子求引基を持つ脂肪酸を意味する。かかる活性化脂肪酸は、炭化水素鎖上の任意の数の位置で任意の数の電子求引基によって置換されてもよく、電子求引基は、二重結合でcis(シス型)またはtrans(トランス型)構造のいずれかに、またはspキラル/立体中心でRまたはSの絶対的立体化学のいずれかにおいて位置付けられてもよい。例えば、一つの実施形態において、活性化脂肪酸は一つの電子求引基を持ち、別の実施形態においては、活性化脂肪酸は炭化水素鎖に沿って複数の位置において複数の電子求引基で置換されてもよい。本発明の活性化脂肪酸は、カルボキシ末端炭素から末端メチル(ω)の間で脂肪族炭化水素鎖に沿って任意の炭素に位置付けられた電子求引基を持ち、一部の実施形態において、電子求引基はカルボキシ末端炭素の約1個の炭素以内に、また末端メチルから約1個の炭素以内に位置付けられてもよい。別の実施形態において、電子求引基は、カルボキシ末端炭素および/またはメチル末端炭素のいずれかの約3個の炭素以内に位置付けられてもよく、またなおも別の実施形態において、電子求引基はカルボキシ末端炭素および/またはメチル末端炭素のいずれかの5個の炭素以内に位置付けられてもよい。
【0033】
特定の実施形態において、電子求引基は、「電子求引基ビニル」基を形成する活性化脂肪酸の二重結合に直接付着した炭素上に位置付けられてもよい。かかるビニル基の電子求引基は、二重結合の一方の側に存在してもよい。本発明の実施形態によって網羅される脂肪酸は、脂肪族炭化水素鎖上の任意の炭素において一つ以上の電子求引基ビニル基を持ってもよく、不飽和脂肪酸が一つの電子求引基を持ちうる方法は幾つか存在する。一つの実施形態において、18個の炭素であり、6番目(C−9)および7番目(C−10)の炭素の間に一つの二重結合(「18:1」と表示)のあるω−6脂肪酸である活性化オレイン酸(オクタデカン−9−エン酸)は、C−9またはC−10のいずれかに電子求引基を持ってもよい。別の代表的な実施形態において、18個の炭素であり、6番目(C−13)と7番目(C−12)の炭素および9番目(C−10)と10番目(C−9)の炭素の間に二つの二重結合(「18:2」と表示)のあるω−6脂肪酸である活性化リノール酸(オクタデカ−9,12,−ジエン酸)は、C−9またはC−10またはC−12またはC−13に電子求引基を持ってもよい。同様に、3、4、5、6以上の二重結合を持つ別の多価不飽和脂肪酸は、位置のすべての可能な置換および電子求引基を含めて、任意の二重結合炭素上に位置付けられうる一つの電子求引基を持ってもよい。
【0034】
別の実施形態において、一価または多価の不飽和脂肪酸は二つの電子求引基を持ってもよく、不飽和脂肪酸が二つの電子求引基を持ちうる方法は幾つか存在する。例えば、一つの実施形態において、18個の炭素であり、6番目(C−13)および7番目(C−12)の炭素の間に一つの二重結合(「18:1」と表示)のあるω−6脂肪酸である活性化オレイン酸(オクタデカン−9−エン酸)は、C−13およびC−12の両方に電子求引基を持ってもよい。別の代表的な実施形態において、18個の炭素であり、6番目(C−13)と7番目(C−12)の炭素および9番目(C−10)と10番目(C−9)の炭素の間に二つの二重結合(「18:2」と表示)のあるω−6脂肪酸である活性化リノール酸(オクタデカ−9,12,−ジエン酸)は、C−9、C−10、C−12またはC−13のうちの任意の二つの位置に電子求引基を持ってもよく、以下の可能な置換を備えている:C−9およびC−10、C−9およびC−12、C−9およびC−13、C−10およびC−12、C−10およびC−13、またはC−12およびC−13。同様に、3、4、5、6以上の二重結合を持つ別の多価不飽和脂肪酸は、位置のすべての可能な置換および電子求引基を含めて、二重結合炭素上の二つの位置で二つの電子求引基を持ってもよい。
【0035】
一つの電子求引基または二つの電子求引基を持つ化合物についての前文の説明と同等に、三つ、四つ、五つ以上の電子求引基を持つことも可能である。上述と同じ論理に従い、一つの電子求引基または二つの電子求引基を持つ化合物の前文の説明において、3、4、5、6以上の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸は、すべての可能な位置の置換および電子求引基を含めて、二重結合炭素上の任意の位置で、複数の電子求引基(置換に利用できる位置がある場合に三つ、四つ、五つ以上)を持ってもよい。
【0036】
「電子求引基」という用語は当技術分野において認知されており、置換基が価電子を隣接する原子から引きつける、即ち置換基が隣接する原子に関して電気陰性である傾向を表す。電子求引能力のレベルの定量化は、ハメットシグマ(σ)定数(例えばJ. March, Advanced Organic Chemistry, McGraw Hill Book Company, New York,(1977年版)pp. 251−259を参照)によって与えられる。ハメット定数の値は、一般に電子供与基では陰性、電子求引基では陽性である。例えば、パラ置換NH(σ[P])のハメット定数は約−0.7であり、ニトロ基のσ[P]は約0.8である。
【0037】
本発明の実施形態は、任意の既知の電子求引基を網羅している。例えば、電子求引基は、アルデヒド(−COH)、アシル(−COR)、カルボニル(−CO)、カルボン酸(−COOH)、エステル(−COOR)、ハロゲン化物(−Cl、−F、−Br、など)、フルオロメチル(−CF)、シアノ(−CN)、スルホニル(−SO)、スルホン(−SOR)、スルホン酸(−SOH)、1、2および3アンモニウム(−NR)、およびニトロ(−NO)を含むがこれらに限定はされない。一部の実施形態において、電子求引基は、σが少なくとも約0.2である強力な電子求引基であってもよく、特定の実施形態において、電子求引基は双極子を形成してもよい。例えば、特定の実施形態において、電子求引基はニトロ、アンモニウムまたはスルホニルであってもよい。別の実施形態において、本発明の活性化脂肪酸は、例えば、アルコール(−OH)、リバースエステル(−OOCR)、アルキル、アルケニル、アルキニル、1および2アミン(−NR)、硝酸(−ONO)、ニトリト(−ONO)などを含む非電子求引基または電子供与基によってさらに置換されてもよい。
【0038】
実施形態の脂肪酸は、当技術分野で既知の不飽和および多価不飽和の脂肪酸であってもよい。「脂肪酸」という用語は、脂肪族モノカルボン酸を説明する。さまざまな実施形態は、特定された自然に発生する脂肪酸と同一または類似の脂肪族炭化水素鎖を持つニトロ化脂肪酸を含む。例えば、既知の自然に発生する脂肪酸から得られる脂肪族炭化水素鎖は一般に分岐しておらず、約4〜約24個の偶数の炭素を含む。本発明の実施形態は、奇数の炭素および/または自然に発生しないリンカーを持つ脂肪酸を網羅する。本発明の一部の実施形態は、4〜22個の炭素を持つ脂肪酸を含み、別の実施形態では脂肪族炭化水素鎖において12〜18個の炭素を持つ脂肪酸を含む。また別の実施形態において、脂肪酸は、脂肪族炭化水素鎖上で24個以上の炭素を持ってもよい。本発明の脂肪酸はまた、炭化水素鎖に沿って一つ以上の場所で分岐していてもよく、さまざまな実施形態において、各分岐は1〜24個の炭素、2〜20個の炭素または4〜18個の炭素からの脂肪族炭化水素鎖を含んでもよい。
【0039】
さまざまな実施形態の脂肪酸の脂肪族炭化水素鎖は、不飽和または多価不飽和でもよい。「不飽和」という用語は、少なくとも一つの二重結合および/または置換基を含む脂肪族炭化水素鎖を持つ脂肪酸を意味する。対照的に、「飽和」炭化水素鎖は、二重結合または置換基を含まない。そのため、炭化水素鎖の各炭素は「飽和」しており、最大数の水素を持つ。「多価不飽和」は一般に、二つ以上の二重結合を持つ炭化水素鎖を持つ脂肪酸を意味する。さまざまな実施形態の不飽和または多価不飽和の脂肪酸の二重結合は、脂肪族炭化水素鎖に沿った任意の場所でもよく、cis(シス型)またはtrans(トランス型)構造でもよい。「cis」という用語は、二重結合に隣接した炭素が同じ側に存在する二重結合を意味し、「trans」という用語は、二重結合に隣接した炭素が反対側に存在する二重結合を意味する。通常、「cis」はZと同じ、および「trans」はEと同じであるが、時として化合物命名のIUPAC規則がこれと反対の内容を提供することがあり、ニトロアルケン類ではこれが典型的である。例えば、ニトロアルケンは二つの炭素基「cis」を持ちうるが、化合物の命名の優先権を持つ二つの基(アルケンの一個の炭素上のニトロ基、アルケンの別の炭素上の炭素基)は反対側にあるためEである。そのため「cis」二重結合のニトロアルケン類似体は、実際にはEニトロアルケンである。同様に、「trans」二重結合のニトロアルケン類似体は、実際にはZニトロアルケンである。論理に拘束されることは望まないが、炭素鎖に沿ったcis構造での二重結合(cis炭素鎖だがEニトロアルケン)は、炭化水素鎖の湾曲を誘発する場合がある。炭素鎖に沿った「trans」構造での二重結合(trans炭素鎖だがZニトロアルケン)は、炭化水素鎖の湾曲を引き起こさない場合がある。
【0040】
多くの不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸が特定され、自然発生することが知られている。かかる天然由来の不飽和脂肪酸または多価不飽和脂肪酸は、一般に、その脂肪族炭化水素鎖に偶数の炭素を含む。例えば、天然の不飽和脂肪酸または多価不飽和脂肪酸は、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22個等といった炭素を持ち、オメガ(ω)−3、ω−5、ω−6、ω−7、ω−9脂肪酸などを含んでもよい。かかる脂肪酸は本発明の実施形態において有益であり得る。「ω」という記号は、脂肪族炭化水素鎖の末端メチル炭素を意味するために使用される。ω−X脂肪酸の二重結合の配置は、ω炭素からのX個の炭素の炭素−炭素結合である。例えば、ω−6脂肪酸は、ω炭素から逆に数えて6番目と7番目の炭素の間に二重結合を持ち、ω−3脂肪酸はω炭素から逆に数えて3番目と4番目の炭素の間に二重結合を持つ。さまざまな本発明の実施形態は、リノレン酸、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびステアリドン酸を含むがこれらに限定はされないニトロ化ω−3脂肪酸、ミリストレイン酸を含むがこれらに限定はされないニトロ化ω−5脂肪酸、リノール酸、γ−リノール酸、ジホモ−γ−リノール酸およびアラキドン酸を含むがこれらに限定はされないニトロ化ω−6脂肪酸、パルミトレイン酸を含むがこれらに限定はされないニトロ化ω−7脂肪酸、およびオレイン酸およびエルカ酸を含むがこれらに限定はされないニトロ化ω−9脂肪酸を含む。当然のことながら、本発明の脂肪酸はまた、二重結合の配置がカルボキシ酸の炭素から数えて決定されるIUPAC命名を使って呼ばれることもあり、「C−X」はXがカルボン酸から数えた炭素の数であるIUPAC命名を用いた脂肪族炭化水素における炭素を表す。本発明の実施形態はまた、自然に発生する脂肪酸およびその誘導体の合成同等物を含む。
【0041】
特定の実施形態において、本発明の実施形態において使用される脂肪酸はオメガ−3脂肪酸であってもよい。本明細書で使用される場合、「オメガ−3脂肪酸」または「ω−3脂肪酸」という用語は、天然または合成オメガ−3脂肪酸、または製薬上許容できるエステル、誘導体、共役(例えば米国公開番号2004/0254357(Zaloga et al.に交付)および米国特許番号第6,245,811号(Horrobin et al.に交付)を参照、それぞれの全体を参照により本明細書に組み込む)、前駆物質またはその塩およびその混合物を含んでもよい。ω−3脂肪酸油の例には、ω−3多価不飽和、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、およびα−リノレン酸などの長鎖脂肪酸、モノ−、ジ−およびトリグリセリドなどのグリセロールを伴うω−3脂肪酸のエステル、ω−3脂肪酸および脂肪酸メチルエステルや脂肪酸エチルエステルなどの第1級、第2級または第3級アルコールのエステルを含むがこれらに限定はされない。特定の実施形態において、ω−3脂肪酸油は、EPAまたはDHA、そのトリグリセリド、そのエチルエステルおよびその混合物などの長鎖脂肪酸でもよい。例えば、一部の実施形態において、脂肪酸は、リン脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、その他同様のものなどのより複雑なグリセロ脂質にエステル化されてもよい。ω−3脂肪酸またはそのエステル、誘導体、共役、前駆物質、塩およびその混合物は、純度の高い形、または魚油や植物油、好ましくは精製された魚油または植物油濃縮物などの油の一成分として使用されうる。
【0042】
さまざまな魚油がω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸の供給源として知られており有益であり、任意のかかる油を本発明の実施形態で使用してもよい。例えば、ニシン、イワシ、サバ、レイクトラウト、ヒラメ、ビンナガマグロ、オキアミ、およびサケから由来する油は、ω3、ω−6、およびω−9脂肪酸の有益な供給源である。別の実施形態において、本発明に適した市販されているω−3脂肪酸は、Incromega F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(Croda International PLC、英国ヨークシャー)、およびEPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、K85TG、K85EE、K80EEおよびEPAX7010EE(Pronova Biocare a.s.、1327 Lysaker、ノルウェー)を含むがこれらに限定はされない。特定の実施形態において、ω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸は、EPAおよびDHA ω−3脂肪酸の組み合わせであるOMACORTMオメガ−3脂肪酸など、幾つかのω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸の混合物であってもよく、米国特許番号第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号で記載されており、その全体を参照により本明細書に組み込む。
【0043】
同様に、さまざまな植物油がω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸の供給源として知られており有益であり、かかる油を本発明の実施形態で使用してもよい。例えば、オリーブ油、ピーナッツ油、ブドウ種子油、シーバックソーン油、ゴマ油、およびケシ油はω−3、ω−6、およびω−9脂肪酸、およびオレイン酸などの特にω−9脂肪酸の有益な供給源である(http://en.wikipedia.org/wiki/Oleic_acid−cite_note−pmid17093176−2#cite_note−pmid17093176−2)。
【0044】
本発明の別の実施形態は、例えば、5、7、9、11、13、15、17、19、20、21など奇数の炭素を持つ不飽和または多価不飽和の自然に発生しない脂肪酸を含む。自然に発生する脂肪酸と同様に、自然に発生しない脂肪酸に関連する一つ以上の二重結合は、脂肪族炭化水素鎖に沿った任意の位置に存在してもよく、二重結合はcisまたはtrans構造のいずれかであってもよい。なおも別の実施形態において、自然に発生しない脂肪酸は、脂肪族炭化水素鎖を中断する一つ以上のリンカー基を持つ。例えば、一部の実施形態において、活性化脂肪酸は、脂肪族炭化水素鎖以内での任意の位置で、例えば、エステル、エーテル、ビニルエーテル、アミノ、イミンなどの一つ以上の非炭素−炭素結合を持ってもよい。
【0045】
例えば、本発明の実施形態は一般化学式IおよびIIの化合物を含む。
【0046】
【化1】

【0047】
ここでRおよびRは独立して、−Hならびに-COH、-COR、−CO、−COOH、−COOR、−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−CN、−SO、−SOR、−SOH、−NH、−NH、−NHR、−NRおよび−NOを含むがこれらに限定されない電子求引基から選択され、ここで少なくともRおよび Rの一つは電子求引基であり、mおよびnは独立して1−20である。一部の実施形態は、一般化学式IIIの化合物を含む。
【0048】
【化2】

【0049】
ここでR、R、mおよびnは上述のとおりであり、RおよびRは、独立して、−H、-COH、-COR、−CO、−COOH、−COOR、−Cl、−F、−Br、−I、−CF、−CN、−SO、−SOR、−SOH、−NH、−NH、−NHR、−NRおよび−NOから選択され、kおよびpは独立して0〜5であり、xおよびyは独立して0〜3であり、ここで、各二重結合はcisまたはtrans構造のいずれかである。また別の実施形態において、m、n、kまたはpに関連付けられる任意の炭素が置換されてもよい。
【0050】
上述の活性化脂肪酸は、製薬上許容できる調合物として調製されてもよい。「製薬上許容できる」という用語は、化合物が医薬品における使用に適していることを意味するために本明細書で使用される。例えば、製薬上許容できる陽イオンには、金属イオンおよび有機イオンを含む。より好適な金属イオンには、適切なアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびその他の生理学的に許容できる金属イオンを含むがこれらに限定はされない。代表的なイオンには、通常の原子価でのアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛を含む。好適な有機イオンには、プロトン化第3級アミンおよび第4級アンモニウム陽イオンを含み、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインを一部含む。代表的な製薬上許容できる酸には、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸、グルクロン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ベンゾイン酸などを含むがこれらに限定はされない。
【0051】
本発明の活性化脂肪酸の異性体および互変異性型の他、これらの化合物の製薬上許容できる塩もまた、本発明で網羅されている。代表的な製薬上許容できる塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エムボン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸、β−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸から調製される。
【0052】
本発明の活性化脂肪酸に関連して使用される、適した製薬上許容できる塩基添加塩には、金属イオン塩および有機イオン塩を含む。代表的な金属イオン塩には、適切なアルカリ金属(基Ia)塩、アルカリ土類金属(基IIa)塩およびその他の生理学的に許容できる金属イオンを含むがこれらに限定はされない。かかる塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛のイオンから作成してもよい。好適な有機イオンは、第3級アミンおよび一部分を含めて第4級アンモニウム塩、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカインから作成されてもよい。上述の塩はすべて、当業者であれば本発明の呼応する化合物から従来の手段によって調製できるものである。
【0053】
上述の本発明のさまざまな実施形態において記載してきた活性化脂肪酸は、多数の急性・慢性両方の炎症および代謝状態を治療、改善および/または予防するために個人に投与されてもよい。特定の実施形態において、活性化脂肪酸は、一般炎症、動脈狭窄、臓器移植拒絶および火傷を含む急性症状、および慢性肺損傷および呼吸困難、糖尿病、高血圧、肥満、リウマチ、リウマチ性関節炎、神経変性障害およびさまざまな皮膚障害を含む慢性症状を治療するために使用されてもよい。但し、別の実施形態において、活性化脂肪酸は、例えば、リウマチ性関節炎、紅斑性狼瘡、ライム病、痛風、敗血症、異常高熱、潰瘍、腸炎、骨粗しょう症、ウィルスまたは細菌感染、サイトメガロウイルス、歯周病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、肺疾患、肺炎症、肺線維症、喘息、後天性呼吸困難症候群、タバコが誘発する肺疾患、肉芽腫形成、肝線維症、移植片対宿主病、手術後炎症、心臓疾患、高血圧、高血圧症、再かん流症候群、冠動脈バイパス・グラフト(CABG)、急性および慢性白血病、Bリンパ球白血病、腫瘍性疾患、動脈硬化、アテローム性動脈硬化、心筋炎症、乾癬、免疫不全、播種性血管内凝固症候群、全身性硬化、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳脊髄炎、浮腫、炎症性大腸炎、高IgE症候群、癌転移または成長、適合性免疫療法、放射線による火傷、脱毛症などの、慢性または急性炎症を含む兆候を持つ状態の治療のために使用されてもよい。
【0054】
例えば、一つの実施形態において、活性化脂肪酸は、活性化脂肪酸が過剰投与された場合であっても、個人の血圧を正常レベル以下に低下させることなく、正常レベルに血圧を低下させることで、高血圧を治療するために投与されてもよい。そのため、論理に拘束されることを望むものではないが、本発明の活性化脂肪酸は、従来の医薬品を用いた過剰投与または過剰治療に関連付けられる否定的な影響なく、個人への治療を提供し得る。
【0055】
なおもさらなる実施形態において、活性化脂肪酸は、虚血プレコンディショニングまたは血管けいれんまたは血管閉塞を理由とする虚血性傷害から心臓を保護する上で有益であり得る。例えば、虚血状態下で、細胞中でミトコンドリアによって生成されたニトロ化脂肪酸は、虚血状態下での細胞存続を高める多数の生理学的変化を細胞内で生じさせる。活性化脂肪酸を個人に提供することで、例えば、虚血状態下における心臓組織または移植のために実用性と機能を最適化するために保存された臓器の生存延長を実現させて、類似の虚血プレコンディショニングまたは保護を達成してもよい。特定の実施形態において、活性化脂肪酸を含む栄養補助物は、疾患の兆候を低下または軽減させるために、また例えば、心臓発作、不整脈、または動脈細動が生じた場合に存命の可能性を高めるために、またはより一般に心臓または循環系機能を改善するために、心臓疾患、心臓発作、心臓不全、血管閉塞、不整脈、心房細動、心臓弁疾患、心筋症などのリスクを抱えている個人に提供されてもよい。
【0056】
加えて、活性化脂肪酸の投与は、細胞シグナリングにとって重要な多数のその他の要因を活性化させる上で有益であり得る。例えば、一つの実施形態において、活性化脂肪酸は、ヘムオキシゲナーゼ−1(HO−1)の遺伝子発現および組織活性を誘発するために投与されてもよいが、これは炎症中に適合性および保護反応を媒介することが示されており、HOによって媒介された適合性または保護炎症反応は、アテローム性動脈硬化、急性腎不全、血管再狭窄、移植拒絶、および敗血症を含むがこれらに限定されない炎症疾患の治療に有益な場合がある。そのため、活性化脂肪酸は、手術、怪我または感染から生じる一般炎症の治療にとって有益であり得る。
【0057】
本発明の栄養補助物は、活発な任意の経路からいかなる従来の方法で投与されてもよい。投与は全身または局所であってもよい。例えば、投与は非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮的、経口、口腔、眼球、膣内、または吸引を含むがこれらに限定されない。特定の実施形態において、投与は非経口であってもよい。一部の実施形態において、栄養補助物は、全身摂取の延長、組織半減期、および細胞内送達を助ける安定化のための添加剤の存在下または存在しない中で調製されてもよい。そのため、本発明の化合物の投与方法(単独またはその他の医薬品との併用)は注射可能(皮下注射または筋肉内注射された短期間作用型、デポ、移植およびペレットの形)なものであってもよい。一部の実施形態において、活性化脂肪酸を含む注射製剤は、関節鏡検査法、血管形成術、ステント配置、バイパス手術などを理由とする、例えば、手術部位または炎症部位などの怪我または炎症の部位に注入されてもよい。
【0058】
他の実施形態において、本発明の組成物は炎症箇所に直接塗布される軟膏またはローションとして局所塗布されてもよい。例えば、一部の実施形態において、本発明の活性化脂肪酸を含むローションまたは軟膏は、火傷、放射線による火傷、皮膚障害の部位、浮腫、リウマチ性関節または同類の症候用に調製され塗布されてもよい。かかる軟膏およびローションは、皮膚科学的に許容できる賦形剤において一つ以上の活性化脂肪酸の局所製剤を含んでもよく、特定の実施形態において、局所製剤は例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、コラーゲングルコサミン、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ビタミンC、緑茶抽出物、シアバター、ブドウ種子エキス、アロエ抽出物、またはその混合物を含む栄養補助軟膏またはローションであってもよい。
【0059】
本発明のさまざまな実施形態はまた、活性化脂肪酸の投与方法も対象としている。特定の投与方法はさまざまであり、適応次第である。特定の投与経路および投薬計画の選択は、最適な反応を得るための既知の方法に従って調節または用量漸増されてもよい。投与される化合物の量は、治療効果のある量である。投与量は、治療を受ける被験者の特性(例:特定の治療動物、年齢、体重、健康状態、併用療法および治療の頻度)に依存し、当業者によって容易に決定することができる。当業者であれば、投与量は、例えばGoodman & GoldmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutic,Ninth Edition(1996),Appendix II,pp.1707−1711またはGoodman & GoldmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutic,Tenth Edition(2001),Appendix II,pp.475−493からの指針に従って決定できることが理解され、いずれもその全体を参照により本明細書に組み込む。従来のプレニル化酵素阻害剤に関して、指針は、例えば、J.E.Karp,et al.,Blood,97(11):3361−3369(2001)およびA.A.Adjei,et al.,Cancer Research,60:1871−1877(2000)(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載の当技術分野で認知されている投与量から得られる。
【0060】
さまざまな実施形態において、栄養補助物の各投与サイクル中に送達される活性化脂肪酸の有効量の範囲は、約10mg/m/日〜約1000mg/m/日でもよい。一部の実施形態において、有効量は約20mg/m/日〜約700mg/m/日でもよく、また別の実施形態において、有効量は約30mg/m/日〜約600mg/m/日でもよい。特定の実施形態において、有効量は約50mg/m/日、約400mg/m/日、約500mg/m/日、または約600mg/m/日でもよい。なおも別の実施形態において、活性化脂肪酸の有効量は、治療の進行に応じて変化してもよい。例えば、投薬計画は、投与サイクルを通して治療の進行に応じて増減してもよく、または毎日の投与量を投与全体にわたって増減させてもよい。追加的な実施形態において、より高い投与量の活性化脂肪酸であっても通常、患者は許容することができ、望ましくない生理作用が生まれないため、1000mg/m/日超を投与してもよい。
【0061】
一部の実施形態において、投与される活性化脂肪酸は、活性化脂肪酸の一つ以上の種の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%または少なくとも100重量%を含んでもよい。特定の実施形態において、活性化脂肪酸の単一の種は、投与される合計活性化脂肪酸の少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも50%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%を占めてもよく、別の実施形態において、活性化脂肪酸の単一の種は投与される脂肪酸の約5%〜約100重量%、約25%〜約75重量%、または約40%〜約55重量%を占めてもよい。特定の実施形態において、活性化脂肪酸と非活性脂肪酸の比率は、約99:1〜約1:99、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、または約1:2〜約2:1でもよい。
【0062】
例えば、一部の実施形態において、活性化脂肪酸はEPAまたはDHAの一つ、またはEPAおよびDHAの組み合わせから調製されてもよい。投与される組成物は、活性化EPAおよび/または活性化DHAの約5%〜約100重量%、約25%〜約75重量%、または約30%〜約60重量%から構成され、残りの物は非活性化EPAおよび/またはDHAから構成されてもよい。活性化EPAおよび活性化DHAの両方を含む組成物において、活性化EPAおよび活性化DHAは、99:1〜1:99、1:4〜4:1、1:3〜3:1、1:2〜2:1、または1:1の重量比で存在してもよい。活性化EPAおよび/または活性化DHAの他に非活性化EPAおよび/またはDHAも含む組成物において、活性化:非活性化の重量比は、99:1〜1:99、1:4〜4:1、1:3〜3:1または1:2〜2:1でもよい。上述の実施形態において、重量の割合は遊離酸またはエステル形態に基づくが、その他の形態が本発明に従って使用される場合であっても、ω−3脂肪酸のエチルエステル形態に基づくことがより好適である。
【0063】
また別の実施形態において、活性化脂肪酸は、塩基脂肪酸が組み合わされる非活性化脂肪酸とは違う塩基脂肪酸から調製されてもよい。例えば、一部の実施形態において、活性化脂肪酸は、活性化したリノール酸、活性化オレイン酸、またはその組み合わせでもよく、これらの活性化脂肪酸は非活性化EPAおよび/またはDHAと組み合わされてもよい。かかる実施形態において、活性化リノール酸および/または活性化オレイン酸と非活性化EPAおよび/またはDHAの比率は約99:1〜1:99、1:4〜4:1、1:3〜3:1、1:2〜2:1、または1:1でもよい。特定の実施形態において、活性化リノール酸またはオレイン酸はEPAおよびDHAと組み合わされ、三つの成分の各自が約1:1:1、2:1:1、1:2:1、1:1:2、2:2:1、1:2:2、3:1:1、および同様の比率で提供されてもよい。
【0064】
一部の実施形態において、上述の投薬計画は、二次治療形態または二次薬剤と組み合わされてもよい。例えば、上述したものなどの活性化脂肪酸は、抗酸化剤、スタチン、スクアレン合成阻害剤、アゼチジノンベースの化合物、低密度リポタンパク質(LDL)異化作用活性剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)拮抗薬または作動薬、抗不整脈薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)および同類のもの、およびその組み合わせと組み合わされてもよい。
さまざまな実施形態の抗酸化剤は、トコフェロール、大豆油および部分的に水素化された植物油などの油、およびやし油などの潤滑剤、レシチンおよび前記の混合物など当技術分野で既知の酸化剤を含んでもよい。
【0065】
スタチンは、ヒドロキシメチルグルタリルCoA(HMG−CoA)レダクターゼを阻害することで血中コレステロールレベルを低下させる薬物である。スタチン化合物の例には、ピタバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトロバスタチン、フルバスタチンおよびその塩を含む。特定の実施形態において、自然に発生する供給源からスタチンを使用してもよい。例として、ポリコサノールおよびグッグル脂質などの天然スタチンは、例えば、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、または紅麹エキスに含まれている。
【0066】
アゼチジノンベースの化合物は、コレステロール吸収を阻害でき、例えば、エゼチミブ、エゼチミブフェノールグルクロニド、またはその立体異性混合物、そのジアステレオマーに強化された、ジアステレオマーに純度の高い、鏡像異性的に強化されたまたは鏡像異性的に純度の高い異性体、またはかかる化合物のプロドラッグ、その混合物または異性体、または化合物、混合物、異性体またはプロドラッグの製薬上許容できる塩を含む。本発明で使用される二つのその他のエゼチミブ関連類似体およびコレステロール吸収阻害剤は、例えば、1)SCH 58053または(+)−7−(4−クロロフェニル)−2−(4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−3R−(4−ヒドロキシフェニル)−−2−アザスピロ[3,5]ノナン−1−オン)(J.Lipid Res.43:1864−1873(2002)を参照)および2)SCH 48461または(3R)−3フェニルプロピル)−1,(4S)−bis(4−メトキシフェニル)−2−アゼチジノン(J.Med.Chem.,41:973−980(1998)を参照)として文献で言及されている。
LDL異化作用エンハンサーは、LDL(低密度リポタンパク質)受容体の数を増加させることで血中コレステロールレベルを低下させる薬物であり、日本国特許出願番号117(1995)−316144(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載の化合物を含むがこれらに限定はされない。
【0067】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)作動薬および/または拮抗薬は、例えば、PPAR−α、PPAR−γ、PPAR−δ、PPAR−β、およびこれらの種類の二つ以上の組み合わせを含むがこれらに限定はされない。PPAR−α作動薬は、フィブラート化合物を含み、肝臓でのトリグリセリドの合成と分泌を阻害することで血中コレステロールレベルを低下させ、リポタンパク質リパーゼを活性化させる薬物である。フィブラート化合物の例には、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、フェノフィブリン酸、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シンフィブラート、テオフィブラート、ならびに同類のもの、およびその組み合わせを含む。PPAR−γ作動薬および/または拮抗薬には、例えば、チアゾリジンジオン、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾンを含む。PPAR−α/γ作動薬および/または拮抗薬は、例えば、一部の非チアゾリジンジオン、ナビグリチザルおよびマルグリタザーを含む。PPAR作動薬および/または拮抗薬のあらゆる種類の受容体(即ちパンアゴニスト)に対する活性には、例えばネトグリタゾンを含む。
【0068】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、本発明のさまざまな調合物に含んでもよい。特定の実施形態において、NSAIDは下記のどれでもよい:イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、オキサプロジン、ジクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、ピロキシカム、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、エトドラク、ケトロラク、コリンマグネシウムサリチル酸、アスピリン、ジフルニサル、サルサレート、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ピルプロフェン、チアプロフェン酸、ロキソプロフェン、インドプロフェン、フェンブフェン、カルプロフェン、スプロフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、デラコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブまたはメロキシカム。
【0069】
実施形態はさらに、上述の任意の薬剤および一つ以上の活性化脂肪酸に対する栄養補助同等物を含む栄養補助物を含む。そのため、特定の実施形態において、栄養補物は、一つ以上の他の栄養補助化合物または一つ以上の他の二次薬剤を組み合わせた一つ以上の活性化脂肪酸を含んでもよい。成分のさまざまな組み合わせを含む栄養補助物は、当技術分野において周知であり、任意の既知の栄養補助物を一つ以上の活性化脂肪酸と組み合わせて栄養補助物の組み合わせを生成してもよい。例えば、さまざまな実施形態において、活性化脂肪酸は、ビタミンA、ビタミンB−1、B−2、B−6、B−12を含むビタミンB、ビタミンC、ビタミンD3を含むビタミンD、およびビタミンEなどを含むビタミン類、およびその誘導体、セレンなどのミネラル、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス抽出物、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物などの植物抽出物、ならびに亜麻仁油、ルリジサ種子油などの栄養補助油、およびコエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸などのその他の既知の栄養補助成分と組み合わされてもよい。そのため、論理に拘束されることを望むものではないが、ほぼすべての栄養補助物は、本明細書に記載する栄養補助物を含む活性化脂肪酸に組み入れることができる。
【0070】
特定の実施形態において、一つ以上の追加的な成分は、特定の疾患または適応の治療または予防のために栄養補助物を生成するよう提供されてもよい。例えば、一部の実施形態において、活性化脂肪酸は、加齢および癌を治療するために栄養補助物を生成するために、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、セレンなどの抗酸化剤として作用することができるその他の栄養補助物の活性成分と組み合わされてもよい。別の実施形態において、眼科疾患の治療または予防のための栄養補助物は、活性化脂肪酸を例えば、ビタミンAおよび/またはβ−カロチンと組み合わせることで調製されてもよく、また別の実施形態において、神経保護活性のある、または認知能力を強化する栄養補助物は、例えば、イチョウ葉粉末薬と組み合わせることで調製されてもよい。なおも別の実施形態において、心臓または循環疾患を治療または予防するための栄養補助物は、活性化脂肪酸をポリコサノール、グッグル脂質、米ぬか抽出物、酵素処理安定化米ぬか、米ぬか油の可溶性画分、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、および/またはスタチン様活性を示すことが知られている別の栄養補助物と組み合わせることで調製されてもよい。さらなる実施形態において、さまざまな活性を持つ成分を組み合わせてもよい。抗酸化剤は効果的な神経保護剤でもあることが知られているため、例えば、神経保護的活性のある栄養補助物は、イチョウ葉粉末薬とともにビタミンC、ビタミンE、またはセレンなどの一つ以上の抗酸化剤を含んでもよい。なおも別の実施形態において、活性化脂肪酸を安定させ、栄養補助物の保存性を向上するために、本明細書に記載の栄養補助物にビタミンEを用いてもよい。
【0071】
脂肪酸および一つ以上の追加的な栄養補助活性成分を持つ栄養補助物は、既知の方法によって単回投与製剤に組み合わせてもよい。例えば、一部の実施形態において、脂溶性のある追加的な栄養補助活性成分を活性化脂肪酸に直接組み合わせてもよい。別の実施形態において、活性化脂肪酸は、例えば、単一のカプセルに組み合わせる別個の中核部分を準備することで、または非脂溶性の追加的な栄養補助活性成分を一つ以上のコーティング層に組み入れることで、非脂溶性の追加的な栄養補助活性成分から分離されてもよい。
【0072】
活性化脂肪酸が二次形態の治療と組み合わされる実施形態において、各治療が別個に提供されるように活性化脂肪酸は二次薬剤から別個の投与単位で投与されてもよい。別の実施形態において、活性化脂肪酸は、一つ以上の二次薬剤と同じ投与単位で提供されてもよい。一般的に、一つ以上の二次薬剤はそれぞれ、当技術分野における知識、連邦政府の推奨などに基づいて提供されてもよい。当業者はそのようにして、上述の任意の二次活性薬剤の適切な量を決定することが可能である。一部の代表的な実施形態において、活性化脂肪酸は重量で約1:1000〜約1000:1、または重量で約200:1〜約200:1の一つ以上の二次薬剤を組み合わせてもよい。その他の代表的な実施形態において、活性化脂肪酸は約1mg〜約3000mg、または約10mg〜約2000mgの量で存在してもよく、一つ以上の二次薬剤はそれぞれ、約1mg〜約1000mg、約5mg〜約500mg、および約5mg〜約100mgの量で存在してもよい。特定の実施形態において、単回投与単位は、一つ以上の活性化したω−3脂肪酸を約500mg〜約2000mgまたは約1000mg、およびスタチン化合物を約1mg〜約150mg、または約5mg〜約100mg、フィブラート化合物またはその組み合わせを約1mg〜約300mg、または10〜約100mg含んでもよい。
【0073】
さまざまな実施形態の活性化脂肪酸は、当技術分野で既知の任意の方法によって調製されてもよい。例えば、特定の実施形態において、活性化脂肪酸は、例えば活性化脂肪酸を含む魚油および植物油などの天然資源から由来してもよく、特に、魚油から分離、精製または濃縮されうるニトロ脂肪酸およびケト−脂肪酸を含む。別の実施形態において、活性化脂肪酸は自然に発生する不飽和脂肪酸を一つ以上のニトロ含有化合物、ニトロ化薬剤、および/または酸素化剤と接触させることで調製されてもよく、また活性化脂肪酸はその結果得られる油から分離、精製または濃縮されてもよく、また一部の実施形態において、かかる方法は一つ以上の補因子および/または触媒の存在する中で実行されてもよい。例えば、特定の実施形態において、活性化脂肪酸は、不飽和脂肪酸を米国特許番号第4,599,430号に記載の一つ以上のニトロ化薬剤および/または酸素化剤(アンモニアなど)、または第1級アミン、分子酸素および酸化触媒と組み合わせてもよく、前記特許の全体を参照により本明細書に組み込む。
【0074】
一部の実施形態において、活性化脂肪酸の分離、精製、または濃縮化は、さまざまな固相のクロマトグラフ戦略を用いて達成されてもよく、これが、極性が増減する溶媒の勾配の影響を受ける場合がある。特定の実施形態において、親和性に基づくまたは共有結合的付加の戦略を用いてもよい。例えば、一部の代表的な実施形態において、固定化チオール含有化合物またはクロマトグラフビーズは、天然油または処理油からの活性化脂肪酸を濃縮するために使用されてもよい。なおも別の実施形態において、天然油または処理油、または濃縮、分離、または精製された活性化脂肪酸は、有害な副産物および酸化脂肪酸を除去するためにさらに処理されてもよい。
【0075】
特定の実施形態において、活性化脂肪酸は下記の手順を含む方法によって調製されてもよい。
a)不飽和脂肪酸を水銀塩およびセレン化合物と接触させる手順、
b)手順a)で得られる中間体を、電子求引基を導入することのできる試薬、酵素、または反応物と接触させる手順、および
c)手順b)で得られる中間体を酸化剤と接触させる手順。
【0076】
論理に拘束されることを望むものではないが、例えば、PhSeBr、PhSeCl、PhSeOCCF、PhSeOH、PhSeCNなどのセレン化合物は、下記の反応の手順Iに記載するように、例えば、HgCl、Hg(NO、Hg(OAc)などの水銀塩によって促進されうる反応において、不飽和脂肪酸の一つ以上の炭素−炭素二重結合に反応して、脂肪酸上で三員環中間体を形成してもよい。
【0077】
【化3】

【0078】
不飽和脂肪酸は、当技術分野で既知の任意の不飽和脂肪酸であってもよい。例えば、一部の実施形態において、不飽和脂肪酸は、例えば、医薬品または栄養補助グレードのω−3脂肪酸などの医薬品または栄養補助グレードの脂肪酸であってもよい。別の実施形態において、不飽和脂肪酸は、不飽和脂肪酸を濃縮させるための分別魚油によって得られる場合も得られない場合もある魚油から由来してもよい。また別の実施形態において、不飽和脂肪酸は、当技術分野で既知の方法によって製造される合成脂肪酸でもよい。
【0079】
電子求引基の供給源は、例えば、NaNO、AgNO、HSOOHなど、活性化脂肪酸に組み込まれうる電子求引基を生むことのできる、当技術分野で既知の任意の化合物でもよい。論理に拘束されることを望むものではないが、電子求引基(上記反応スキームではX)は、例えば、上記で提供する反応スキームの手順IIに記載するセレン化合物に関連した臭素を置換させることで炭化水素鎖に結合されるようになってもよい。電子求引基はまた、手順Iに示す、臭素が攻撃として示されている位置で、三員環エピセレノニウムイオンと直接反応してもよいことに注意されたい。最後に、上記の反応スキームの手順IIIに記載するように、酸化剤は分子の転位およびZSeOHの削除を行って炭化水素鎖上での電子求引基ビニル(ニトロビニルとして記載される)の生成につながる再活性セレン−オキソ官能基を形成する。上記反応スキームのZは、任意の数の基でもよい。例えば、特定の実施形態において、Zはフェニル基でもよい。
【0080】
別の実施形態において、活性化脂肪酸は、ヘンリー反応などの修飾アルドール凝縮を用いて調製されてもよい。ヘンリー反応およびヘンリー法に関連した方法の考察は、例えば、Frederick A.Luzzio,F.A.『The Henry reaction:recent examples』Tetrahedron 2001,57,915−945(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。既知のヘンリー反応の変化はまた、活性化脂肪酸の調製において有益で有りえ、すべてのかかる方法が本明細書で具現化されている。例えば、一部の実施形態において、ヘンリー反応の変化は、ウィッティヒのようなバリエーションのヘンリー反応、ホーナー・ワズワース・エモンズのバリエーションのヘンリー反応、およびピーターソン・オレフィン化のバリエーションのヘンリー反応を含むがこれらに限定はされない。かかる方法において、二重結合は、反応物として一時的には含まれるが生成物には含まれない基の援助を用いて形成される。例えば、ウィッティヒ反応は、カルボニルとの凝縮反応および脱水反応においてリンイリドを用いてアルケン類を形成する。凝縮および脱水手順として、ホーナー・ワズワース・エモンズ反応はスルホン酸エステルを、ピーターソン・オレフィン化はシリコン試薬を用いる。ウィッティヒ反応、ホーナー・ウィッティヒ、ホーナー・ワズワース・エモンズを含めて、官能化試薬のカルボニル化合物との反応による主要なアルケンを形成する名称の反応についての考察は、例えば、Peterson,Johnson,and Julia reactions.Blakemore,P.R.『The modified Julia olefination:alkene synthesis via the condensation of metallated heteroarylalkylsulfones with carbonyl compounds』J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,2002,2563-2585(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0081】
ヘンリーの「ニトロ−アルドール」反応は、ニトロ−アルド生成物を新しく形成されたβ−ヒドロキシニトロアルキル基によって形成するための、アルデヒドまたはケトンカルボニル含有化合物とニトロアルカンの凝縮である。ニトロ−アルドール生成物からの脱水(水の損失)は、ニトロアルケン類の生成につながる。ニトロ−アルドールを作成するためのニトロアルカン−カルボニル凝縮反応の実施方法は多数存在し、脱水反応によってニトロアルケン類を形成する方法も多数存在する。かかる方法の例は、例えば、高い純度で通常は化学収率の高い一つの位置異性体および二つの可能なアルケンcis/transまたはZ/Eジアステレオマーの一つを提供する、Woodcock,S.R.;Marwitz,A.J.V.Bruno,P.;Branchaud,B.P.『Synthesisof Nitrolipids.All Four Possible Diastereomers of Nitrooleic Acids:(E)−and(Z)−,9−and 10−Nitro−octadec−9−enoic Acids』Organic Letters,2006,8,3931−3934(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0082】
エナンチオ選択性ヘンリー反応もまた可能であり、反応のために一つ以上の触媒を使用する必要がある場合があり、本発明の実施形態では、ニトロアルケン類の立体特異的異性体を調製するかかる方法の使用を含む。例えば、Boruwa,J.;Gogoi,N.;Saikia,P.P.;and Barua,N.C.『Catalytic Asymmetric Henry Reaction』Tetrahedron:Asymmetry 2006,17,3315−3326(その全体を参照により本明細書に組み込む)では、ニトロアルケン類の立体特異的異性体を調製する方法を記載している。
【0083】
また別の実施形態において、アルケン類(オレフィン類)は、カルボニル化合物上への凝縮による金属媒介性クロスカップリング反応(二つの分子を結合して一つの新しい分子を形成する)によって調製されてもよい。かかる方法は、電子求引性置換基によるニトロアルケン類の生成またはその他のアルケン類の生成には適用されてこなかったが、かかる方法を電子求引性置換基によるアルケン類の合成に適応させることができる。例えば、ヘック、スズキおよびスティル式カップリングなどの命名されたクロスカップリング反応は、他の反応とともに、活性化脂肪酸の調製に使用されてもよい。かかる方法は当技術分野でよく知られている。かかる反応の考察は、例えば、Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions de Meijere、Armin/Diederich、Francois(eds.)Wiley−VCH、Weinheim 2004。XXII、ISBN−10:3−527−30518−1およびISBN−13:978−3−527−30518−6(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されている。
【0084】
活性化脂肪酸を調製する方法のさまざまな実施形態の例は、少なくとも下記の手順を含む。
i)塩基の存在下で、一端に電子求引基を持つ脂肪族炭化水素を少なくとも含む第一の成分と、一端にアルデヒドを持つ脂肪族炭化水素鎖を含む第二の成分を混合させて、第一の中間体を形成する手順、および
ii)第一の中間体からアルケンを生成する手順。
代表的な反応を下記のスキームIおよびIIに示す。
【0085】
【化4】

【0086】
反応スキームIおよびIIにおいて、変数Xは電子求引基を示すか、または当技術分野で既知の本明細書に前出の任意の電子求引基であってもよい。変数nおよびmは、脂肪族炭化水素鎖の炭素原子の数を示し、nおよびmは任意の数であってもよい。例えば、開始化合物(出発原料)の脂肪族炭化水素鎖の長さは2〜20個の炭素であってもよい。さらに、二重結合の位置および二重結合に関連した電子求引基の配置は具体的に決定されてもよく、特定の活性化脂肪酸は高収率で作成されてもよい。例えば、オレイン酸は、mが10の第一の基質とnが2の第二の基質を混合して、スキームIの反応によって生成されてもよい。
【0087】
本発明の実施形態はまた、活性化脂肪酸を含有したジェルカプセルを含み、一部の実施形態において、一つ以上の二次薬剤および/または非活性化脂肪酸およびかかるジェルカプセルを調製する方法を含む。実施形態のジェルカプセルは、柔らかいジェルカプセルまたは硬いジェルカプセル形態であってもよく、任意の数の層を含んでもよい。例えば、一部の実施形態において、ジェルカプセルは、コーティング層によってカプセル化された一つ以上の活性化脂肪酸を含んでもよい。かかる実施形態において、一つ以上の活性化脂肪酸は、カプセルの中核部分を占め、通常はジェルカプセル全体の約10重量%〜約95重量%である。但し、一部の実施形態において、中核部分はカプセルの合計重量の約40重量%〜約90重量%でもよい。特定の実施形態において、一つ以上の活性化脂肪酸は、例えば、抗酸化剤、ビタミンE、ビタミンC、β−カロチン、小麦胚芽油などの一つ以上の安定剤と混合されてもよく、また一部の実施形態において、カプセルに含まれる一つ以上の活性化脂肪酸は、例えば、界面活性剤、親水性または疎水性溶媒、油またはその組み合わせなどの一つ以上の可溶化剤と混合されてもよい。
【0088】
例えば、一部の実施形態において、可溶化剤は、α−,β−,γ−、d−、ζ1−、ζ2−およびε−トコフェロール、そのdI、dおよびI形態、およびトコトリエノールなどのその構造的類似体、呼応する誘導体、有機酸とともに生成されたエステル、およびその混合物を含む(但し、これらに限定はされない)ビタミンEまたはビタミンE誘導体を含む。特定の実施形態において、ビタミンE誘導体の可溶化剤は、トコフェロール、トコトリエノール、および酢酸、プロピオン酸、胆汁酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、ベンゾイン酸、桂皮酸、マンデル酸、コハク酸ポリエチレングリコールおよびサリチル酸などの有機酸とのトコフェロール誘導体を含んでもよい。
【0089】
別の実施形態において、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、6〜22個の炭素原子の脂肪酸、胆汁酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、ベンゾイン酸、桂皮酸、マンデル酸およびサリチル酸などの有機酸の一価アルコールエステル、またはエタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、脂肪アルコール、フェノール、クレゾール、ベンジルアルコールまたはシクロアルキルアルコールなどを含む一価アルコールを可溶化剤として使用してもよい。特定の実施形態において、この基の可溶化剤は、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチルおよびその混合物などのクエン酸トリアルキル、ならびにオレイン酸エチル、エチルリノール酸、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルおよびその混合物などの低アルコール脂肪酸エステル、およびラクトン類、ε−カプロラクトン、d−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、その異性体およびその混合物を含んでもよい。
【0090】
また別の実施形態において、可溶化剤は、例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−アルキルピロリドン、N−ヒドロキシアルキルピロリドン、N−アルキルピペリドン、N−アルキルカプロラクタムおよびその混合物などの窒素含有溶媒でもよく、ここでアルキルはC1−12分岐または直線鎖アルキルであってもよい。特定の実施形態において、窒素含有溶媒は、N−メチル2−ピロリドン、N−エチル2−ピロリドンまたはその混合物を含んでもよい。別の方法として、窒素含有溶媒は、ポリビニルピロリドンなどのポリマーの形態であってもよい。
【0091】
なおも別の実施形態において、可溶化剤は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、レシチン、リソレシチン、リソホスファチジルコリン、ポリエチレングリコール化されたリン脂質/リゾリン脂質、レシチン/リソレシチンおよびその混合物などのリン脂質を含んでもよい。
【0092】
また別の実施形態において、酢酸グリセロールおよびアセチル化グリセロール脂肪酸エステルおよびグリセロール脂肪酸エステルは、可溶化剤として使用されてもよい。かかる実施形態において、酢酸グリセロールは、アセチン、ジアセチン、トリアセチンおよびその混合物を含んでもよい。アセチル化グリセロール脂肪酸エステルは、アセチル化モノグリセリド、アセチル化ジグリセリドおよび約6〜約22個の炭素原子である脂肪酸成分を持つその他の混合物を含んでもよい。グリセロール脂肪酸エステルは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、約6〜12個の炭素を持つ脂肪酸を備えた中鎖モノグリセリド、約6〜12個の炭素を持つ脂肪酸を備えた中鎖ジグリセリド、約6〜12個の炭素を持つ脂肪酸を備えた中鎖トリグリセリドおよびその混合物であってもよい。
【0093】
さらなる実施形態は、プロピレングリコールエステルまたはエチレングリコールエステルであってもよい可溶化剤を含む。かかる実施形態において、プロピレングリコールエステルは、例えば、プロピレン炭酸塩、プロピレングリコール一酢酸、プロピレングリコール二酢酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アセチル化プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびその混合物を含んでもよい。別の方法として、プロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコール脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸ジエステルまたはその混合物であってもよく、特定の実施形態において、プロピレングリコールエステルは、プロピレングリコールモノカプリラート、プロピレングリコールジカプリラート、ジカプリン酸プロピレングリコール、プロピレングリコールジカプリラート/ジカプリン酸およびその混合物であってもよい。エチレングリコールエステルは、モノエチレングリコール一酢酸、ジエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエステル、エチレングリコール一酢酸、エチレングリコール二酢酸、エチレングリコール脂肪酸モノエステル、エチレングリコール脂肪酸ジエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルおよびその混合物を含んでもよい。かかる実施形態において、脂肪酸は約6〜約22個の炭素原子を持ってもよい。可溶化剤の別の群は:
可溶化剤として使用されうる親水性溶媒はまた、例えば、アルコール(例えば、エタノールまたはグリセロールなどの水混和性アルコール)、1,2−プロピレングリコールなどのグリコール、ポリアルキレングリコールなどのポリオール、例えばポリエチレングリコールを含む。別の方法として、親水性溶媒は、N−メチルピロリドン、クエン酸トリエチル、ジメチルイソソルビド、カプリル酸酸またはプロピレン炭酸塩などのN−アルキルピロリドンを含んでもよい。
【0094】
中核部分を含む活性化脂肪酸は、一つ以上のコーティング層で被覆されてもよい。例えば、一部の実施形態において、ジェルカプセルは、コーティング層と活性化脂肪酸の中核部分の間に水溶性ジェル層を含んでもよい。別の実施形態において、ジェルカプセルは、例えば、即効型コーティング、保護コーティング、腸溶性または緩効型コーティング、持続放出性コーティング、バリアコーティング、およびその組み合わせなどカプセル上に多数の追加的なコーティングを含んでもよい。一部の実施形態において、一つ以上の二次薬剤または非活性化脂肪酸は、活性化脂肪酸と混合され、および/またはコーティング層、水溶性ジェル層、または追加的なコーティング層のいずれかに存在する。加えて、さまざまな実施形態において、本発明の活性化脂肪酸および/または一つ以上の二次薬剤は、可溶化剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤、乳化剤、増粘剤、分散剤、および防腐剤を含むがこれらに限定されない一つ以上の追加的な医薬不活性成分とともに調合されてもよい。一部の実施形態において、活性化脂肪酸は、米国特許番号第6,531,150号(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載するようなゼラチンから調製されたコーティング内にカプセル化されてもよい。ゼラチン層はさらに、一つ以上の他の非ゼラチンタンパク質および/または、例えば、アルブミン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン、寒天などの一つ以上の多糖、および/または例えば、腸溶性物質、可塑剤、防腐剤などの一つ以上の添加剤を含んでもよい。本発明の実施形態で使用される腸溶性物質は、ジェルカプセルが経口投与されたときには腹部で溶解しない物質を含み、これにはペクチン、アルギン酸、カルボキシルメチルセルロースおよび酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース、EudragitTM、アクリル共重合体を含むがこれらに限定はされない。論理に拘束されることを望むものではないが、腸溶性コーティングの添加は、活性化脂肪酸の放出を腹部に制限することで活性化脂肪酸の風味を隠す手段を提供してもよい。可塑剤には、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールを含む。上述の実施形態において、各コーティング層の厚さは約0.001〜約5.00mm、または0.01〜1.00mmでもよい。
【0095】
さまざまな実施形態のコーティングはさらに、潤滑剤、充填剤、抗接着剤、抗酸化剤、緩衝剤、可溶化剤、染料、キレート剤、崩壊剤、および/または吸収エンハンサーなどの一つ以上の膜形成物質および/または結合剤および/またはその他の従来の添加剤を含んでもよい。界面活性剤は、可溶化剤および吸収エンハンサーの両方として作用してもよい。加えて、コーティングは、当技術分野で既知の方法に従い、即効性、緩効性、遅延放出性、腸溶性放出性、または持続放出性で調合されてもよい。従来のコーティング技法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science, 18th Ed.(1990)(参照により本明細書に組み込む)に記載されている。本発明に従って使用されるべき追加的なコーティングは、例えば、一つ以上の即効型コーティング、保護コーティング、腸溶性または緩効性コーティング、持続放出性コーティング、バリアコーティング、およびその組み合わせを含むがこれらに限定はされない。一部の実施形態において、即効型コーティングは、製品の上品さを改善する他、湿気バリア、および味や臭みを隠すために使用されてもよい。胃腸媒質での膜の急激な破壊は重要であり、効果的な崩壊と溶解につながる。
【0096】
カプセル物質(即ち、活性化脂肪酸を含有した中核部分および/または一つ以上のコーティング層)は、さらに一つ以上の防腐剤、着色剤および乳白剤、香味料および甘味料、砂糖、胃腸抵抗物質、またはその組み合わせを含んでもよい。適した防腐剤および着色剤は当技術分野で既知であり、例えば、ベンゾイン酸、パラオキシベンゾエート、カラメル着色剤、クチナシ着色剤、カロチン着色剤、タール着色剤などを含む。特定の実施形態において、一つ以上の着香料は、ゼラチンカプセルの中核部分の内容物として、またはカプセルの一つ以上のコーティング層に、またはその組み合わせにおいて含まれてもよい。例えば、活性化脂肪酸ジェルカプセルに快い風味をつけることは、水溶性風味のある風味付けコーティング層を形成することで達成してもよい。かかる実施形態において、当該コーティング層の約0.25重量%〜約1.50重量%は水溶性香味でもよい。当技術分野で既知の適した風味は、ベリー、イチゴ、チョコレート、ココア、バニラ、レモン、ナッツ、アーモンド、カシュー、マカデミアナッツ、ココナッツ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、桃、レモン、ライム、ミント、ペパーミント、オレンジ、バナナ、チリペッパー、ペッパー、シナモン、およびパイナップルなどのコーティング層に提供されてもよい。一部の実施形態において、油溶性香味は、カプセル内でカプセル化された活性化脂肪酸の中核部分と混合されてもよい。かかる実施形態において、当該中核部分の約0.25重量%〜約1.50重量%は油溶性香味であってもよい。かかる油溶性香味は、カプセルの風味の味と類似して(例:イチゴ味とイチゴ味)いても、または油香味の味はカプセル香味に対して補足的(例:バナナ味とイチゴ味)であってもよい。かかる着香料および香味を、脂肪酸を含有するカプセルに提供する方法は、米国特許番号第6,346,231号および第6,652,879号(その全体を参照により本明細書に組み込む)に見出すことができる。
【0097】
一部の実施形態において、実施形態のジェルカプセルは、一つ以上の二次薬剤を含む少なくとも一つのコーティング層を含んでもよい。かかる実施形態において、一つ以上の二次薬剤を含む層は、一つ以上の二次薬剤の酸化的分解を防止するのに十分な厚さであってもよい。例えば、一部の実施形態において、この層の厚さは約5〜約400ミクロン、約10〜約200ミクロン、約20〜約100ミクロンであってもよく、または特定の実施形態において、約40〜約80ミクロンであってもよい。別の実施形態において、かかる層の厚さは、カプセルの合計重量に基づく増量の割合から表現されてもよい。例えば、一つ以上の二次薬剤を含む層は、約0.05〜約20%、約0.1〜約10%、約0.1〜約5%の増量、および特定の実施形態において約0.25〜約1%の増量を生んでもよい。特定の実施形態において、一つ以上の二次薬剤を含むコーティング層はさらに、酸化的分解を防止するために少なくとも一つの化合物を含んでもよい。例えば、一部の実施形態において、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース水性分散およびその組み合わせ、好適にはヒドロキシプロピル セルロース、エチルセルロース、およびその混合物などのセルロース誘導体を含むがこれらに限定はされない少なくとも一つのポリマーは、重量で約1:20〜約20:1または重量で約1:5〜約10:1のポリマー:二次薬剤の比率でコーティング層に添加されてもよい。特に、二次薬剤の量が約15mg未満の場合、ポリマーの量は約1:2〜約5:1、または約1:1〜約4:1であってもよく、二次薬剤の量が約15mg以上の実施形態において、ポリマーの量は約1:4〜約4:1、または約1:3〜約2:1であってもよい。
【0098】
一つ以上の二次薬剤がコーティング層に塗布される実施形態において、二次薬剤は製薬上許容できる溶媒中で均質コーティング溶液または不均質懸濁液として提供されてもよい。かかる製薬上許容できる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、アセトン、またはその混合物などの水性または有機溶媒であってもよい。別の実施形態において、製薬上許容できる溶媒は、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ならびに例えば、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール900、ポリエチレングリコール540、ポリエチレングリコール1450、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール8000などのポリエチレングリコール、ならびに例えば、プロピレングリコール、エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、ベンジルアルコール、グリセロール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400などの室温で液体である製薬上許容できるアルコール、ならびに例えば、ポリオキシエチレングリセロール トリリシノリエートまたはポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセロールオキシステアリン酸、RH 40(ポリエチレングリコール40水素化ヒマシ油)またはRH 60(ポリエチレングリコール60水素化ヒマシ油)などのポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ならびに飽和ポリグリコール化グリセリド、例えば、セトマクロゴール1000などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ならびに例えば、PEG−6ステアリン酸、PEG−8ステアリン酸、ポリオキシル40ステアリン酸NF、ポリオキシエチル50ステアリン酸NF、PEG−12ステアリン酸、PEG−20ステアリン酸、PEG−100ステアリン酸、PEG−12ジステアリン酸、PEG−32ジステアリン酸、PEG−150ジステアリン酸などのポリオキシエチレンステアリン酸、ならびにオレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピルなど、ならびにジメチルイソソルビド、N−メチルピロリジノン、パラフィン、コレステロール、レシチン、坐剤の基剤、例えば、カルナバろう、黄ろう、白ろう、微結晶ろう、乳化ろうなどの製薬上許容できるろう、製薬上許容できるシリコン流体、ならびにラウリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、ならびに製薬上許容できる飽和脂肪または製薬上許容できる飽和油、例えば、水素化ヒマシ油(グリセリル−tris−12−ヒドロキシステアリン酸)、セチルエステルろう(主に融解範囲が約43〜47℃のC14−C18飽和エステルC14−C18飽和脂肪酸の混合物)、グリセリルモノステアリン酸などを含むがこれらに限定はされない。
【0099】
当技術分野で既知のジェルカプセルを調製する任意の方法が、本発明のさまざまな実施形態において使用されてもよい。例えば、一つの実施形態において、カプセルは、外部コーティング層のシートおよびその他の層の一つ以上のシートを調製する手順、シートをラミネートする手順、ラミネートされたシートを乾燥させて乾燥層を得る手順、回転する充填剤上で一つ以上の活性化脂肪酸、または一つ以上の活性化脂肪酸および一つ以上の二次薬剤をカプセル化してシームのあるカプセルを形成する手順を含む方法によって生成されてもよい。別の実施形態において、シームレスカプセルは、同心円状に配置された二つ以上のノズルを備えた機器を用いて生成されてもよい。別の実施形態において、ゼラチンカプセルは、例えば、ツーピースで、シールまたはシール無しの硬いゼラチンカプセルで製造されてもよい。
【0100】
別の実施形態において、ニトロ脂肪酸を含むゼラチンカプセルは、ゼラチンカプセル中での一つ以上のニトロ脂肪酸の投与量のカプセル化によって形成されてもよい。かかる実施形態において、ゼラチンカプセルは、例えば、ゼラチン、グリセロール、水、香味、着色剤およびその組み合わせから形成されてもよく、ニトロ脂肪酸の投与量は、例えば、180mgのニトロ化EPAおよび120mgのニトロ化DHAでもよい。かかる実施形態の過程には、ジェル見本成分の混合、液化ジェル見本の融解と形成、液化ジェル見本およびニトロ脂肪酸のカプセル充填機への供給、ニトロ脂肪酸の投与量のカプセル化、カプセル化された投与量の乾燥、カプセル化された投与量の洗浄と出荷のためのニトロ脂肪酸カプセルの包装という手順を含んでもよい。ジェル見本成分は、例えば、ゼラチンや加工でんぷんまたは当技術分野で既知の別の適したゼラチン代替物などのゼラチンカプセル、グリセロールやソルビトールまたは別の適したポリオールまたは当技術分野で既知の別のゼラチン軟化剤などの軟化剤、イチゴ風味Firmenich #52311Aまたは当技術分野で既知の別の適したゼラチンカプセル香味などの着香料、およびケラチンまたは当技術分野で既知の別の適したゼラチンカプセル着色剤などの随意での着色剤などのゼラチンカプセルの生成に有益な本明細書に記載の任意の成分を含んでもよい。
【0101】
特定の実施形態において、ジェルカプセルは、ゼラチンの重量で約45パーツ、グリセロールの重量で約20パーツ、水の重量で約35パーツ、香味の重量で約0.5パーツ以上のパーツのジェル見本混合物から形成されてもよい。ジェル見本成分は、約60℃〜70℃で加熱し、エーテルと混合させて液化ジェル見本を形成してもよい。液化ジェル見本およびニトロ脂肪酸は次に、カプセル充填機中に注入されてもよい。カプセル充填機は次に、ニトロ脂肪酸の投与量をゼラチンカプセルへとカプセル化することでニトロ脂肪酸カプセルを形成する。
【0102】
カプセルは次に、例えば、約20℃の温度で乾燥されうる。カプセルの水含有量は乾燥手順中に蒸発によって低下する場合がある。カプセルは次に洗浄されて、包装、販売または出荷のための準備体制が整えられる。一部の実施形態において、甘味料または着香料は、浸漬法を通してカプセルに添加されてもよい。浸漬過程において、ゼラチンカプセルは甘味料/香味溶液に浸漬され、次に乾燥されて、甘味料がカプセル外部の周りにコーティングを形成するようになる。一部の実施形態において、甘味料または着香料は腸溶性コーティング過程を通してカプセルに添加されてもよく、別の実施形態において、液化甘味料または着香料はゼラチンカプセルの外側に吹き付けてから乾燥させてもよい。ゼラチンカプセルを作る別の方法も当技術分野で既知であり熟考されている。
【0103】
さまざまな実施形態において、カプセル上への一つ以上のコーティングは、パンコーティング、液体コーティングまたは吹き付けコーティングを含むがこれらに限定されない当技術分野で既知の技法によって塗布されてもよく、また、例えば、溶液、懸濁、吹き付け、粉塵または粉末など一つ以上のコーティングが塗布されてもよい。例えば、一部の実施形態において、高分子コーティングは、水性溶液、有機溶液または一部の実施形態においては一つ以上の二次薬剤を含む分散体として塗布されてもよい。かかる実施形態において、ポリマー含有液滴は、活性化脂肪酸を含む中核部分に吹き付けられる空気または不活性ガスで霧化されてもよく、また一部の実施形態において、加熱された空気または不活性ガスは溶媒の蒸発および膜形成を促進するために添加されてもよい。柔らかいゼラチンカプセルの場合、吹き付け率および層温度の処理パラメータは、可溶化およびカプセル凝集を制限するよう制御されなければならない。加えて、高い層温度は、カプセルシェルからの残留水の蒸発を招き、カプセルが脆くなる場合がある。加えて、コーティングされた活性化脂肪酸の含有物の分散および蓄積の正確さを含むコーティングの均一性についても評価する必要がある。
【0104】
本発明のさまざまな実施形態のジェルカプセルは、丸型、楕円形、円筒形、長方形、ねじ切り型、または非標準形状(例:動物、木、星、ハートなど)を含むがこれらに限定はされない任意の形状でもよく、カプセルの大きさはその中に含まれることが意図される充填組成物の量に従いさまざまであってもよい。例えば、一部の実施形態において、硬いまたは柔らかいゼラチンカプセルは、標準カプセル形状から構成される単体として従来の方法を用いて製造されてもよい。単体の柔らかいゼラチンカプセルは通常、例えば、大きさが3〜22ミニム(1ミニム=0.0616ml)および楕円形、長方形またはその他の形状で提供されてもよい。同様に、硬いジェルカプセルは、最大数が最小サイズに呼応する(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)、および(5)と指定される標準形状でさまざまな標準サイズで、従来の方法を用いて製造されてもよい。また、非標準形状を使用してもよい。
【0105】
本発明の化合物および適した担体を含む別の製剤は、本発明の活性化脂肪酸の有効量を含む固体、溶液、粉末、液体乳剤、液体懸濁、半固体、および乾燥粉末を含む(但し、これらに限定はされない)さまざまな形態であってもよい。また、活性成分が、製薬上許容できる希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性賦形剤、水溶性賦形剤、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、モイスチャライザー、可溶化剤、抗酸化剤、防腐剤などによって、かかる製剤に含まれうることも、当技術分野では知られている。投与の手段および方法は当技術分野で既知であり、当業者はさまざまな薬理学の参考文献を参照して指針を求めることができる。例えば、Modern Pharmaceutics, Banker & Rhodes,Marcel Dekker,Inc.(1979)、およびGoodman & Gilman’s,The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, 6th Edition,MacMillan Publishing Co.,New York(1980)(その両方の全体を参照により本明細書に組み込む)を参考にしてもよい。
【0106】
本発明の別の実施形態は、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒を含む経口投与のために固形剤として調合された上述のように調製された活性化脂肪酸を含む。かかる実施形態において、活性化合物は、蔗糖、ラクトース、またはでんぷんなどの一つ以上の不活性の希釈剤と添加されてもよい。かかる剤形はまた、通常実用されているように、不活性の希釈剤以外の追加物質(例:ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤)を含んでもよい。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでも、さらに腸溶性コーティングで調製されてもよい。
【0107】
固形剤での活性化脂肪酸はさまざまに異なる。例えば、一つの実施形態において、活性化脂肪酸の液体またはゼラチン製剤は、活性化脂肪酸を上述のものなどの一つ以上の脂肪酸希釈剤と組み合わせ、増粘剤を液体混合物と混合させてゼラチンを形成することで調製されてもよい。ゼラチンは次に、単位剤形でカプセル化してカプセルを形成してもよい。別の代表的な実施形態において、上述のように調製された活性化脂肪酸の油性製剤は、一つ以上の製薬上許容できる添加剤、担体または希釈剤と混合して錠剤を形成するために固体については真空状態で凍結乾燥されてもよく、また別の実施形態において、油性製剤の活性化脂肪酸は結晶化されて固体を形成してもよく、これは製薬上許容できる添加剤、担体または希釈剤と混合されて錠剤を形成してもよい。
【0108】
活性化脂肪酸の経口投与に有益なさらなる実施形態には、液剤を含む。かかる実施形態において、液剤は、水など当技術分野で一般に使用される不活性の希釈剤を含む製薬上許容できる乳剤、溶液、懸濁、シロップ、およびエリキシル剤を含んでもよい。かかる組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、および甘味剤、香味、および香料剤などの補助剤を含んでもよい。そのため、例えば、化合物は、適した高分子または疎水性物質(例えば、許容できる油中の乳剤として)またはイオン交換樹脂とともに調合されてもよく、難溶性塩などの難溶性誘導体として調合されてもよい。別の適した希釈剤は、以下に記載するものを含むがこれらに限定はされない。
【0109】
植物油:本明細書で使用される場合、「植物油」という用語は、植物油のエトキシル化から形成された化合物、または化合物の混合物を含み、ここでポリエチレングリコールの少なくとも一つの鎖は植物油に共有結合される。一部の実施形態において、脂肪酸は約12個の炭素〜約18個の炭素を持つ。一部の実施形態において、エトキシル化の量は、エチレングリコール反復単位の約2〜約200、約5〜100、約10〜約80、約20〜約60、または約12〜約18とさまざまである。植物油は、水素化でも不水素化であってもよい。適した植物油は、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、ゴマ油、コーン油、ピーナッツ油、オリーブ油、ひまわり油、紅花油、大豆油、安息香酸ベンジル、ゴマ油、綿実油、およびパーム油を含むがこれらに限定はされない。別の適した植物油には、MiglyolTM 810および812(Dynamit Nobel Chemical、スウェーデンから市販)NeobeeTM M5(Drew Chemical Corp.から市販)、AlofineTM(Jarchem Industriesから市販)、LubritabTM シリーズ(JRS Pharmaから市販)、SterotexTM(Abitec Corp.から市販)、SoftisanTM 154(Sasolから市販)、CroduretTM(Crodaから市販)、FancolTM(Fanning Corp.から市販)、CutinaTM HR(Cognisから市販)、SimulsolTM(CJ Petrowから市販)、EmConTM CO(Amisol Co.から市販)、LipvolTM CO、SES、およびHS−K(Lipoから市販)、およびSterotexTM HM(Abitec Corp.から市販)を含むがこれらに限定はされない、市販の合成油を含む。ゴマ油、ヒマシ油、コーン油、および綿実油を含む別の適した植物油としては、R.C.Rowe and P.J.Shesky,Handbook of Pharmaceutical Excipients,(2006),5th ed.(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されるものを含む。適したポリエトキシ化植物油は、CremaphorTM ELまたはRHシリーズ(BASFから市販)、EmulphorTM EL−719(Stepan製品から市販)、およびEmulphorTM EL−620P(GAFから市販)を含むがこれらに限定はされない。
【0110】
ミネラル油:本明細書で使用される場合、「ミネラル油」という用語は、未精製および精製(軽)ミネラル油の両方を意味する。適したミネラル油は、AvatechTM級(Avatar Corp.から市販)、DrakeolTM級(Penrecoから市販)、SiriusTM級(Shellから市販)、およびCitationTM級(Avater Corp.から市販)を含むがこれらに限定はされない。
【0111】
ヒマシ油:本明細書で使用される場合、「ヒマシ油」という用語は、ヒマシ油のエトキシル化によって形成された化合物を意味し、ここでポリエチレングリコールの少なくとも一つの鎖はヒマシ油に共有結合される。ヒマシ油は、水素化でも不水素化であってもよい。ポリエトキシ化ヒマシ油の同義語には、ポリオキシルヒマシ油、水素化ポリオキシルヒマシ油、マクロゴールグリセロリ・リシノレアス、マクロゴールグリセロリ・ヒドロキシステアラス、ポリオキシル35ヒマシ油、およびポリオキシル40水素化ヒマシ油を含むがこれらに限定はされない。適したポリエトキシ化ヒマシ油には、Nikkol HCO−30、HC−40、HC−50、およびHC−60(ポリエチレングリコール−30水素化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−40水素化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−50水素化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール−60水素化ヒマシ油)などのNikkolTM HCOシリーズ(日光ケミカルズ株式会社から市販)、EmulphorTM EL−719(ヒマシ油40モル−エトキシレート、Stepan Productsから市販)、Cremophore RH40、RH60、およびEL35(それぞれポリエチレングリコール−40水素化ヒマシ油、ポリエチレングリコール−60水素化ヒマシ油、およびポリエチレングリコール−35水素化ヒマシ油)を含むCremophoreTMシリーズ(BASFから市販)、およびEmulgin(登録商標) ROおよびHREシリーズ(Cognis PharmaLineから市販)を含むがこれらに限定はされない。その他の適したポリオキシエチレンヒマシ油誘導体には、R.C.Rowe and P.J.Shesky,Handbook of Pharmaceutical Excipients,(2006),5th ed.(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されるものを含む。
【0112】
ステロール:本明細書で使用される場合、「ステロール」という用語は、ステロール分子のエトキシル化から由来する化合物、または化合物の混合物を意味する。適したポリエトキシレート化ステロールは、PEG−24コレステロールエーテル、SolulanTM C−24(Amercholから市販)、PEG−30コレスタノール、NikkolTM DHC(日光ケミカルズ株式会社から市販)、フィトステロール、GENEROLTM シリーズ(Henkelから市販)、PEG−25フィトステロール、NikkolTM BPSH−25(日光ケミカルズ株式会社から市販)、PEG−5ソヤステロール、NikkolTM BPS−5(日光ケミカルズ株式会社から市販)、PEG−10ソヤステロール、NikkolTM BPS−10(日光ケミカルズ株式会社から市販)、PEG−20ソヤステロール、NikkolTM BPS−20(日光ケミカルズ株式会社から市販)、およびPEG−30ソヤステロール、NikkolTM BPS−30(日光ケミカルズ株式会社から市販)を含むがこれらに限定はされない。本明細書で使用される場合、「PEG」という用語はポリエチレングリコールを意味する。
【0113】
ポリエチレングリコール:本明細書で使用される場合、「ポリエチレングリコール」または「PEG」という用語は、化学式−O−CH−CH−のエチレングリコールのモノマー単位を含むポリマーを意味する。適したポリエチレングリコールは、ポリマー分子のそれぞれの一端に遊離ヒドロキシル基であっても、メチル基などの低アルキルでエーテル化された一つ以上のヒドロキシル基を持っていてもよい。また、適しているのは、エステル化可能なカルボキシ基を持つポリエチレングリコールの誘導体である。本発明で有益なポリエチレングリコールは、任意の長さの鎖または分子量の高分子であってもよく、また分岐を含んでもよい。一部の実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約200〜約9000である。一部の実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約200〜約5000である。一部の実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約200〜約900である。一部の実施形態において、ポリエチレングリコールの平均分子量は約400である。適したポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール−200、ポリエチレングリコール−300、ポリエチレングリコール−400、ポリエチレングリコール−600、およびポリエチレングリコール−900を含むがこれらに限定はされない。名称におけるダッシュの後の数は、ポリマーの平均分子量を意味する。一部の実施形態において、ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール−400である。適したポリエチレングリコールには、CarbowaxTMおよびCarbowaxTM Sentryシリーズ(Dowから市販)、LipoxolTMシリーズ(Brenntagから市販)、LutrolTMシリーズ(BASFから市販)、およびPluriolTMシリーズ(BASFから市販)を含むがこれらに限定はされない。
【0114】
プロピレングリコール脂肪酸エステル:本明細書で使用される場合、「プロピレングリコール脂肪酸エステル」という用語は、プロピレングリコールまたはポリプロピレングリコールおよび脂肪酸の間で形成されるモノエーテルまたはジエステル、またはその混合物を意味する。プロピレングリコール脂肪アルコールエーテル由来において有益な脂肪酸は、本明細書で定義されるものを含むがこれらに限定はされない。一部の実施形態において、モノエステルまたはジエステルはプロピレングリコールから由来する。一部の実施形態において、モノエステルまたはジエステルは約1〜約200オキシプロピレン単位を持つ。一部の実施形態において、分子のポリプロピレングリコール部分は約2〜約100のオキシプロピレン単位を持つ。一部の実施形態において、モノエステルまたはジエステルは約4〜約50オキシプロピレン単位を持つ。一部の実施形態において、モノエステルまたはジエステルは約4〜約30オキシプロピレン単位を持つ。適したプロピレングリコール脂肪酸エステルは、下記のラウリン酸プロピレングリコール類を含むがこれらに限定はされない:LauroglycolTM FCCおよび90(Gattefosseから市販)、カプリル酸プロピレングリコール類:CapryolTM PGMCおよび90(Gattefosseから市販)、およびプロピレングリコールジカプリロカプレート:LabrafacTM PG(Gattefosseから市販)。
【0115】
ステアロイルマクロゴールグリセリド:ステアロイルマクロゴールグリセリドは、主にステアリン酸から合成されたポリグリコール化グリセリド、または主にステアリン酸から由来する化合物を意味するが、その他の脂肪酸またはその他の脂肪酸から由来する化合物もまた、合成に使用されてもよい。適したステアロイルマクロゴールグリセリドには、Gelucire(登録商標)50/13(Gattefosseから市販)を含むがこれらに限定はされない。
【0116】
一部の実施形態において、希釈剤成分はマンニトール、ラクトース、蔗糖、マルトデキストリン、ソルビトール、キシリトール、粉末セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、でんぷん、グリコール酸でんぷんナトリウム、アルファ化でんぷん、リン酸カルシウム、金属炭酸塩、酸化金属、または金属アルミノケイ酸の一つ以上を含む。
【0117】
固形剤および/または液剤において使用される代表的な添加剤または担体には、下記を含むがこれらに限定はされない。
ソルビトール:適したソルビトールには、PharmSorbidex E420(Cargillから市販)、Liponic 70−NCおよび76−NC(Lipo Chemicalから市販)、Neosorb(Roquetteから市販)、Partech SI(Merckから市販)、およびSorbogem(SPI Polyolsから市販)を含むがこれらに限定はされない。
でんぷん、グリコール酸でんぷんナトリウム、およびアルファ化でんぷんには、R.C.Rowe and P.J.Shesky,Handbook of Pharmaceutical Excipients,(2006),5th ed.(その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載するものを含むがこれらに限定はされない。
崩壊剤:崩壊剤には、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、イオン交換樹脂、食品の酸上の発泡システムおよびアルカリ炭酸塩成分、粘土、タルク、でんぷん、アルファ化でんぷん、グリコール酸でんぷんナトリウム、セルロースフロック、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸カルシウム、金属炭酸塩、重炭酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、またはリン酸カルシウムの一つ以上を含んでもよい。
【0118】
またさらに本発明の実施形態には、かかる組み合わせが本明細書に記載する方法の望ましい効果を達成するにあたって望ましいまたは有利であると考えられる、例えば補助剤、プロテアーゼ阻害剤、または別の相溶性薬物または化合物などのその他の活性と組み合わせて投与される活性化脂肪酸を含む。
【実施例】
【0119】
本発明は、その特定の好適形態を参照してかなり詳細に記述されているが、他のバージョンも可能である。従って、添付の請求項の精神と範囲は、この明細書に含まれる説明および好適バージョンに限定されないものとする。本発明のさまざまな態様が、下記の非限定的な例に関して図示される。
【0120】
実施例1〜9
代表的なジェルカプセルは、表1に記載される成分を含めて上述されるように調製されてもよい。
【0121】
【表1】

【0122】
実施例10
ジェルカプセル栄養補助剤は下記を含むように調製されてもよい:ルリジサ油150mg、ニトロ化γリノレン酸30 mg、魚油1,000mg、ニトロ化EPA 180mg、DHA 120mg、ローズマリー抽出物5mg、レモン風味20mg、ビタミンE 5 IU、およびコエンザイムQ−10 5mcg。
【0123】
実施例11
ジェルカプセル栄養補助剤は下記を含むように調製されてもよい:ルリジサ油150mg、ニトロ化γリノレン酸30mg、オレイン酸75mg、オリーブ油75mg、液体大豆レシチン25mg、植物ステロールエステル133mg、魚油400mg、ニトロ化EPA 72mg、ニトロ化DHA 48mg、DHA 12mg、ビタミンE 33 IU、パーム油0.5mg、ラズベリー油0.5mg、クランベリー油0.5mg、米ぬか油8.5mg、トコトリエノール1.7mg、コエンザイムQ−10 20mg、および天然レモン風味10mg。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養補助食品であって、
一つ以上の活性化脂肪酸のために強化された脂肪酸成分と、
栄養補助として許容できる添加剤を含む栄養補助食品。
【請求項2】
活性化脂肪酸がオメガ−3脂肪酸、オメガ−6脂肪酸、オメガ−9脂肪酸、およびその組み合わせから由来する、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項3】
活性化脂肪酸がニトロ−脂肪酸またはケト−脂肪酸である、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項4】
活性化脂肪酸がニトロ−リノール酸、ニトロ−α−リノール酸、ニトロ−γ−リノール酸、ニトロ−オレイン酸、ニトロ−エイコサペンタエン酸、ニトロ−ドコサヘキサエン酸、ケト−リノール酸、ケト−α−リノール酸、ケト−γ−リノール酸、ケト−オレイン酸、ケト−エイコサペンタエン酸、ケト−ドコサヘキサエン酸または誘導体あるいはその組み合わせである、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項5】
さらにリノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはその誘導体の一つ以上を含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項6】
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物、亜麻仁油、ルリジサ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、およびその誘導体から選択される一つ以上の栄養補助物をさらに含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項7】
栄養補助食品がジェルカプセルである、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項8】
一つ以上の活性化脂肪酸がジェルカプセル全体の約5重量%〜約95重量%から構成される、請求項7に記載の栄養補助食品。
【請求項9】
前記栄養補助食品が、
ニトロ−リノール酸、ケト−リノール酸、ニトロ−オレイン酸、およびケト−オレイン酸から選択される一つ以上の活性化脂肪酸のために強化された第一の脂肪酸成分と、
リノール酸、α−リノール酸、γ−リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはその誘導体から選択される一つ以上の非活性化脂肪酸を持つ第二の脂肪酸成分と、を含む請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項10】
ビタミンEまたはその誘導体をさらに含む、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項11】
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β−カロチン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子エキス、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、紅麹エキス、ステビア葉抽出物、亜麻仁油、ルリジサ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルサルフォニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、およびその誘導体から選択される一つ以上の二次薬剤をさらに含む、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項12】
ポリコサノール、グッグル脂質、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、蜜ろう、および紅麹エキスから選択される一つ以上の二次薬剤をさらに含み、栄養補助食品が健康な心臓および循環系の促進のために調合される、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項13】
ビタミンB−1、ビタミンB−2、ビタミンB−6、ビタミンB−12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、およびエキナセアから選択される一つ以上の二次薬剤をさらに含み、栄養補助食品が健康な細胞増殖の促進のために調合される、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項14】
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、およびβ−カロチンから選択される一つ以上の二次薬剤をさらに含み、栄養補助食品が健康な目の促進のために調合される、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項15】
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレン、イチョウ葉粉末薬、ヒドラスチス、吉草根、朝鮮人参、エキナセア、マオウ、緑茶抽出物、およびユッカ濃縮物から選択される一つ以上の二次薬剤をさらに含み、栄養補助食品が認知健康の促進のために調合される、または神経保護剤として調合される、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項16】
ジェルカプセルとして調合され、前記ジェルカプセルが、
一つ以上の活性化脂肪酸のために強化された脂肪酸成分を持つ中核部分と、
中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項17】
ジェルカプセルが風味付きである、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項18】
着香料の風味がベリー、イチゴ、チョコレート、ココア、レモン、バター、アーモンド、カシュー、マカデミアナッツ、ココナッツ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、桃、レモン、ライム、ミント、オレンジ、バナナ、チリペッパー、ペッパー、シナモン、およびパイナップルから選択される、請求項17に記載の栄養補助食品。
【請求項19】
一つ以上のコーティング層の少なくとも一つが、少なくとも一つの着香料を含む、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項20】
中核部分が少なくとも一つの着香料を含む、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項21】
一つ以上のコーティング層の少なくとも一つが、少なくとも一つ腸溶性コーティングを含む、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項22】
中核部分が可溶化剤、安定剤、着色剤、可塑剤、希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性賦形剤、水溶性賦形剤、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、モイスチャライザー、抗酸化剤、または防腐剤から選択される一つ以上の薬剤をさらに含む、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項23】
中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つ、またはその組み合わせが一つ以上の二次薬剤をさらに含む、請求項16に記載の栄養補助食品。
【請求項24】
前記栄養補助食品が、
約10mg〜約500mgの一つ以上の活性化脂肪酸、および約10mg〜約100mgのビタミンCを持つ中核部分と、
中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を含み、
ここで、中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つ、またはその組み合わせが一つ以上の着香料の約0.25重量%〜約3.0重量%を含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項25】
前記栄養補助食品が、
約10mg〜約500mgの一つ以上の活性化脂肪酸、および約2 mg〜約50mgのビタミンEを持つ中核部分と、
中核部分をカプセル化する一つ以上のコーティング層を含み、
ここで、中核部分、一つ以上のコーティング層の少なくとも一つ、またはその組み合わせが一つ以上の着香料の約0.25重量%〜約3.0重量%を含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項26】
ジェルカプセルを調製する方法であって、
ジェル見本成分の混合と、
液化ジェル見本を形成するためのジェル見本成分の融解と、
液化ジェル見本と一つ以上の活性化脂肪酸のために強化された脂肪酸成分の混合と、
ジェルカプセルを形成するための脂肪酸成分のカプセル化を含む方法。
【請求項27】
前記方法が、
ジェルカプセルの乾燥と、
ジェルカプセルの洗浄と、
ジェルカプセルの包装をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ジェル見本成分がゼラチンまたはゼラチン代替物、加工でんぷんまたは別の適したゼラチン代替物、軟化剤、グリセロール、ソルビトールまたは別の適したポリオール、着香料、着色剤、ケラチンおよびその組み合わせから選択される、請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2012−513774(P2012−513774A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544624(P2011−544624)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/069930
【国際公開番号】WO2010/078504
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511159842)ニトロメガ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】