ニューマチックケーソン及びニューマチックケーソン工法
【課題】短い工期で完成させることができ、かつ全体の剛性を高く確保できるニューマチックケーソンを提供する。
【解決手段】本発明に係るニューマチックケーソン1は、地盤Gに貫入する刃口6と作業室スラブ7とがコンクリートで一体的に打設されてなり、作業室スラブ7の下側に前記地盤G掘削用の作業室8が形成されたケーソン基部2と、ケーソン基部2の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体10を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体10の間を複数の補強部材11,12,13で連結して構築され、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従って高さが延長されるケーソン中間部3と、ケーソン中間部3の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分21が建造されるケーソン頂部4とを備えてなることを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るニューマチックケーソン1は、地盤Gに貫入する刃口6と作業室スラブ7とがコンクリートで一体的に打設されてなり、作業室スラブ7の下側に前記地盤G掘削用の作業室8が形成されたケーソン基部2と、ケーソン基部2の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体10を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体10の間を複数の補強部材11,12,13で連結して構築され、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従って高さが延長されるケーソン中間部3と、ケーソン中間部3の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分21が建造されるケーソン頂部4とを備えてなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の基礎等に用いられるニューマチックケーソン及びニューマチックケーソン工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋脚基礎構造などの構築に用いられる工法として、鉄筋コンクリート製のケーソンを水底地盤中に沈設するニューマチックケーソン工法が知られている。ニューマチックケーソン工法では、筒状のケーソン躯体の下端に地盤に貫入する刃口を設けるとともに、ケーソン躯体の内周側に作業室スラブを形成し、刃口の内周側かつ作業室スラブの下方に掘削用の作業室を隔成して、この作業室内に圧縮空気を供給しながら、その内部地盤を掘削してケーソン躯体を地盤中に沈設する。
【0003】
ケーソン躯体は数段に亘って形成され、最下部に位置するケーソン基部に刃口と作業室スラブと作業室とが設けられ、このケーソン基部が地盤中に沈設されると、その上にケーソン基部と同じ外周形状をなす環状のケーソンロットが一段増設され、更にこの一段目のケーソンロットの高さまでが地盤中に沈設されると、その上に二段目のケーソンロットが増設される、という具合に、地盤の掘削と、ケーソン基部及びケーソンロットの沈設と、ケーソンロットの増設とが順次繰り返され、最終的にケーソン躯体が建造物の基礎として地中の所定の深さに埋設される。
【0004】
ケーソン基部及び各ケーソンロットは、それぞれケーソン埋設現場で、足場組み、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠及び足場の解体、という工程を経て建造される。因みに各ケーソンロットの高さは数メートルである。
【0005】
ところが、このようにケーソン基部のみならず、大きなケーソンロットも埋設現場にてコンクリート打設により建造しなければならないため、多大な手間と時間が掛かり、工期が長引く原因となっていた。特に、橋梁等の基礎の施工は一般に渇水期になされるが、上記理由により渇水期間中に施工が完了しない懸念が生じる。
【0006】
そこで、特許文献1に開示されているように、ケーソンロットをコンクリート打設により建造する代わりに、ケーソンロットの側壁に該当する部分を、鉛直方向に延びる鋼製の筒状体を連続的に環状に配列して連結することにより形成し、さらにこれらの筒状体の外側を囲むように鋼製の外壁板で覆い、その後、筒状体の内部空間及び筒状体と外壁板との間の空間にモルタル等の充填材を充填する工法が開発されている。
【0007】
この工法によれば、ケーソンロットがコンクリート打設式ではなく、鋼製の筒状体を主部品とする組立式であることから、ケーソンロットの構築に掛かる時間を短縮し得る。
【特許文献1】特開第3993430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の工法では、ケーソンロットの形状が、従来からある既存のコンクリート打設型のものとほぼ同形状であったために、例えばケーソンの全体規模が大きくなると、ケーソンロットの周長及び埋設面積の拡大ならびに埋設深さの増大に伴い、ケーソンロットの部品点数が著しく増加して施工時間が長びき、渇水期間中に橋梁等の基礎施工を完了させるという目標を達成し得ない虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、短い工期で完成させることができ、かつ全体の剛性を高く確保することができるニューマチックケーソン及びニューマチックケーソン工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、地盤に貫入する刃口と作業室スラブとがコンクリートで一体的に打設されてなり、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部と、前記ケーソン基部の上面に、鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結して構築され、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って高さを延長可能なケーソン中間部と、前記ケーソン中間部の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分が建造されるケーソン頂部とを備えてなるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、前記柱状体は、複段の柱状ロットが軸方向に連結されて形成され、前記各柱状ロットには、その工場製造時において前記補強部材の接続具が設けられるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加え、前記補強部材が、前記複数の柱状体の間にトラス状に構築されるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの構成に加え、平面視における前記ケーソン中間部の外周輪郭線が、前記ケーソン基部の上面の外周輪郭線よりも内側にあるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に記載の発明は、地盤に貫入する刃口と作業室スラブとが一体的に形成され、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部を前記地盤の上に設置するケーソン基部設置工程と、前記作業室の内部地盤を掘削して前記ケーソン基部を前記地盤中に沈下させる掘削沈下工程と、前記ケーソン基部の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結してケーソン中間部を構築し、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを延長していくケーソン中間部構築工程と、前記ケーソン中間部の上端部に、その上面に建造物の橋脚部分が一体的に建造されるケーソン頂部を形成するケーソン頂部形成工程と、を有するニューマチックケーソン工法としたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記ケーソン中間部構築工程では、前記柱状体を構成すると共に予め前記補強部材の接続具が設けられた柱状ロットを水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状ロットの前記接続具同士を前記補強部材で連結する作業を繰り返すことにより、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを段階的に延長していくニューマチックケーソン工法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ケーソン基部の上に構築されるケーソン中間部が、鉛直方向に延びる複数の柱状体と、これらの柱状体の間を連結する補強部材とから構築されるため、ケーソン中間部をコンクリート打設により形成する必要がなく、しかも組立式であるケーソン中間部は高い剛性を確保しつつ素早く構築することができるため、これらにより剛性の高いニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、工場製造時において補強部材の接続具が設けられた柱状ロットをケーソン基部上に運搬して設置し、これに補強部材を連結していくだけでケーソン中間部が完成するため、ケーソン中間部の組立を容易にしてニューマチックケーソンの工期を短縮することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、補強部材が柱状体の間でトラス構造をなすため、ケーソン中間部の剛性、ひいてはニューマチックケーソンの全体剛性を高めることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、ケーソンの全体規模が大きくなっても、ケーソン中間部の周長及び埋設面積が多大に拡大することがないため、ケーソン中間部の部品点数が増加しにくく、これによりニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、ケーソン中間部をコンクリートで打設して形成する手間を省いてニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができると共に、ケーソン中間部の剛性を高めることができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、工場製造時において補強部材の接続具が設けられた柱状ロットをケーソン基部上に運搬して設置し、これに補強部材を連結していくだけでケーソン中間部が完成するため、ケーソン中間部の組立を容易にしてニューマチックケーソンの工期を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[発明の実施の形態1]
【0023】
図1は、本発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図であり、図2は図1のII-II線に沿う横断面図である。
【0024】
このニューマチックケーソン1は、ケーソン基部2と、ケーソン中間部3と、ケーソン頂部4とを備えて構成されている。
【0025】
ケーソン基部2は、地盤Gに貫入する刃口6と作業室スラブ7とが鉄筋コンクリートで一体的に打設されてなり、作業室スラブ7の下側に地盤G掘削用の作業室8が形成されている。ここではケーソン基部2の水平断面形状が円形であるが、例えば楕円形や角形等でも良い。このケーソン基部2の構造は一般のニューマチックケーソンにおける刃口及び作業室付近の構造と同様である。
【0026】
一方、ケーソン中間部3は、ケーソン基部2の上面に籠状に構築され、鉛直方向に沿って延びる例えば8本の柱状体10と、これらの柱状体10の間をケーソン基部2の周方向及び径方向に連結する複数の補強部材11,12,13とを備えて構成されている。柱状体10及び補強部材11,12,13は共に鉄鋼材料により形成される。このケーソン中間部3は、後述するが、ケーソン基部2が地盤Gに沈下するに従って上方に長さ(高さ)が延長されて構築されていく。
【0027】
なお、柱状体の材質は、鉄鋼材料が好適であるが、例えばダクタイル製でもよく、プレキャストコンクリートでもよい。また、柱状体の形状は、直管状でも良いが、節状でもよく、荷重条件にあわせてテーパー状をなしてもよい。
【0028】
8本の柱状体10は、平面視で円をなすように水平方向(周方向)に等しい間隔を置いて設置され、各々の柱状体10が、それぞれ直管状の鋼管である柱状ロット10aを数段繋ぎ合わせて形成されている。この実施形態では、例えば3本の柱状ロット10aが溶接により連結されて1本の柱状体10が構成されている。一段目の柱状ロット10aの下端部はケーソン基部2の作業室スラブ7に図示しないアンカーや埋め込み治具等で固定される。なお、例えば各柱状ロット10aの両端に締結フランジを設け、柱状ロット10a同士をボルト締結やリベット締結により連結して柱状体10を形成してもよい。
【0029】
補強部材11は、その断面が例えばH型、I型、ロ型、コ型等をした鋼材であり、各柱状体10の間に水平な梁状に架設され、各柱状体10の間を周方向に連結している。また、補強部材12は補強部材11よりも細い鋼材であり、上下の補強部材11の間をX字型(筋交状)に連結している。このため、隣合う柱状体10の間に、補強部材11と補強部材12とによるトラス構造が構築されている。また、補強部材13は、補強部材11と同等な太さ及び断面形状を備えた鋼材であり、対向する柱状体10同士の間を径方向に連結している。
【0030】
これらのため、柱状体10同士の間と、補強部材11,12,13同士の間と、柱状体10と補強部材11,12,13との間とに、それぞれ空隙S(図1参照)が設けられている。なお、図示はしないが、上下に重なる補強部材13の間も補強部材12でX字型に連結してトラス構造を構築してもよい。本実施形態では、各柱状体10の間が、6段の補強部材11及び補強部材13と、5段の補強部材12とで連結されているが、これら補強部材11,12,13の段数は、ニューマチックケーソン1の規模や工事環境等に応じて適宜設定される。
【0031】
図2及び図3に示すように、各柱状ロット10aには、その工場製造時においてブラケット状の接続具15,16,17が溶接等により一体に設けられる。そして、接続具15に補強部材11が、接続具16に補強部材12が、接続具17に補強部材13が、それぞれボルトやリベット等の締結要素により締結固定される。
【0032】
図2に示すように、平面視におけるケーソン中間部3の外周輪郭線L1は、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2よりも内側にある。つまり、ケーソン中間部3は、ケーソン基部2上面の外周輪郭線L2からはみ出さないように構築されている。
【0033】
他方、ケーソン頂部4は、ケーソン中間部3の上端部に鉄筋コンクリートを打設することにより、厚みのある平板的な形状に構築され、その上面に橋梁等の建造物の橋脚部分21が一体的に建造される。なお、このケーソン頂部4の下面の外周輪郭線L3は、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2よりも内側にあり、ケーソン中間部3の外周輪郭線L1は、ケーソン頂部4の下面の外周輪郭線L3よりもさらに内側にある。
【0034】
ケーソン基部2とケーソン中間部3とケーソン頂部4と橋脚部分21の内部には、作業室8に作業員が出入りするためのマンシャフト24と、作業室8にて掘削された掘削土を外部に搬出するためのマテリアルシャフト25とが垂設されている。
【0035】
ケーソン中間部3の部分においては、図2に示すように、平面視で柱状体10と補強部材11,12,13とに囲まれる空間H1とH2とに、それぞれマンシャフト24とマテリアルシャフト25が垂設されている。マンシャフト24とマテリアルシャフト25の下端はそれぞれ作業室8に連通し、各々の上端には、マンロック26とマテリアルロック27とが設けられる。
【0036】
さらに、マンシャフト24とマテリアルシャフト25を囲むように、筒状のケーシング29,30が設けられる。このケーシング29,30は、マンシャフト24とマテリアルシャフト25を保護するものである。ケーシング29,30はマンシャフト24とマテリアルシャフト25の全長に亘って設けてもよいが、マンシャフト24とマテリアルシャフト25が外部に晒されるケーソン中間部3の内部空間のみに設けてもよい。
【0037】
以上のような構成のニューマチックケーソン1を構築するためのニューマチックケーソン工法は、下記の通り、ケーソン基部設置工程A、掘削沈下工程B、ケーソン中間部構築工程C、ケーソン頂部打設工程Dの4つの工程を有して施工される。
【0038】
A.ケーソン基部設置工程
【0039】
まず、図4に示すように、ニューマチックケーソン1を埋設する地盤Gの地盤面にケーソン基部2を設置する。一般には地盤面で足場を組み、鉄筋を組み立てて型枠を形成し、型枠の中にコンクリートを打設して、刃口6と作業室スラブ7と作業室8とを備えたケーソン基部2を完成させる。このケーソン基部2にはケーシング29,30が内蔵され、作業室8に連通するマンシャフト24とマテリアルシャフト25が挿通する形で取り付けられる。
【0040】
B.掘削沈下工程
【0041】
次に、図5に示すように、ケーソン基部2の作業室8内において内部地盤Gを掘削し、ケーソン基部2をその自重により地盤G中に沈下させる。
【0042】
C.ケーソン中間部構築工程
【0043】
ケーソン基部2が所定の深さまで沈下したならば、図6に示すように、ケーソン基部2の上面にて籠状のケーソン中間部3の構築を開始する。まずは、柱状体10の柱状ロット10aを1段分設置し、各柱状ロット10aの間を補強部材11,12,(13)により連結して、ケーソン中間部3の一段目を完成させる。
【0044】
次に、再び掘削沈下工程としてケーソン基部2の作業室8内において地盤Gを掘削し、図7に示すように、1段目のケーソン中間部3(柱状ロット10a)が地盤G中に沈下するまでケーソン基部2を沈下させる。この掘削沈下工程Bとケーソン中間部構築工程Cとを交互に繰り返すことにより、ケーソン基部2が地盤G中に沈下した分だけケーソン中間部3の高さを延長していき、図8に示すように3段目のケーソン中間部3までを地盤G中に沈下させる。
【0045】
なお、図7と図8に示すように、ケーソン基部2及びケーソン中間部3の沈下に従い、籠状に構築されたケーソン中間部3の周囲及び内部の空間を土やコンクリート等で地盤Gの地盤面G´まで埋め戻す埋め戻し作業が行われる。
【0046】
D.ケーソン頂部打設工程
【0047】
次に、図9(又は図1)に示すように、ケーソン中間部3の上端部にケーソン頂部4をコンクリートで打設する。このケーソン頂部4の上面には、建造物の橋脚部分21が一体的に建造されるが、ケーソン頂部4と橋脚部分21の一部又は全部を同時にコンクリート打設しても、あるいは橋脚部分21の一部又は全部を後で別途打設してもよい。なお、本実施例では、ケーソン頂部4の断面積が橋脚部分21の断面積よりも広くなっているが、ケーソン頂部4と橋脚部分21の断面積が同じ場合も考えられる。
【0048】
ところで、ケーソン頂部4及び橋脚部分21の形成時においても、ケーソン基部2及びケーソン中間部3を地盤G中へ沈下させる場合があるが、その場合には、沈下の都度、ケーソン頂部4及び橋脚部分21の周囲を図9中に示す地盤面G´まで埋め戻す。なお、ケーソン頂部4及び橋脚部分21を形成する時点までに沈下を完了させてしまう場合もある。
【0049】
そして、ケーソン基部2が所定の深さまで沈下したら、図10に示すように作業室8内にコンクリートを打ち込んで作業室8を埋め、さらに、マンシャフト24、マテリアルシャフト25、マンロック26、マテリアルロック27、ケーシング29,30を撤去し、ケーシング29,30の抜けた後の孔内に土やコンクリート等を充填する。
【0050】
ところで、本実施形態では、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従ってケーソン中間部3の周囲及び内部の空間を地盤面G´まで埋め戻すようにしているが、この埋め戻し作業は、ニューマチックケーソン1の設置場所によっては行わない場合もある(例えば海底等)。
【0051】
以上のように構成されたニューマチックケーソン1によれば、ケーソン基部2の上に構築されるケーソン中間部3が、鉛直方向に延びる複数の柱状体10と、これらの柱状体10の間を連結する補強部材11,12,13とから構築されるため、コンクリート打設により形成する必要があるのはケーソン基部2とケーソン頂部4だけでよく、しかも鉄鋼材料からなる組立式のケーソン中間部3は高い剛性を確保しつつ素早く組み立てられるため、これらによりニューマチックケーソン1に高い剛性を持たせつつ、短い工期で完成させることができる。
【0052】
また、ケーソン中間部3を形成する柱状体10同士の間及び補強部材11,12,13同士の間、ならびに柱状体10と補強部材11,12,13との間に、それぞれ空隙Sが設けられ、ケーソン中間部3が籠状に形成されているため、埋め戻し作業時において土やコンクリートがケーソン中間部3の内部に入りやすく、これによりケーソン中間部3自体の剛性と、埋め戻された土やコンクリートによる強度向上効果とにより、ニューマチックケーソン1を非常に丈夫に構成することができる。
【0053】
しかも、数段の柱状ロット10aを軸方向に連結することにより柱状体10を構成し、各柱状ロット10aには、その工場製造時において補強部材11,12,13の接続具が設けられているため、ケーソン中間部3の建造時には、既に接続具が設けられた柱状ロット10aをケーソン基部2上に運搬して設置し、これに補強部材11,12,13を連結していくだけでケーソン中間部3が完成する。このため、ケーソン中間部3の組立を容易にして基礎や橋脚等の工期を従来よりも大幅に短縮することができる。
【0054】
その上、柱状ロット10aが直管状であるため、柱状ロット10aの剛性を高めると共に、柱状ロット10aの工場製造を容易にし、ひいてはニューマチックケーソン1全体の強度を高めると共に工期を短縮することができる。
【0055】
また、柱状体10と、補強部材11,12とがトラス構造をなすため、ケーソン中間部3の剛性、即ちニューマチックケーソン1の全体剛性をより効果的に高めると共に、ニューマチックケーソン1の軽量化に多大に貢献することができる。
【0056】
一方、ケーソン中間部3の内部において、柱状体10と補強部材11,12,13とに囲まれる空間H1,H2に、マンシャフト24とマテリアルシャフト25とが配設されているため、柱状体10と補強部材11,12,13とによりマンシャフト24とマテリアルシャフト25を効果的に保護することができ、これによりニューマチックケーソン1の工期を短縮することができる。
【0057】
しかも、マンシャフト24とマテリアルシャフト25の周囲を囲むケーシング29,30を設けたため、ケーシング29,30によりマンシャフト24とマテリアルシャフト25をより効果的に保護することができる。
【0058】
さらに、平面視において、ケーソン中間部3の外周輪郭線L1が、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2及びケーソン頂部4の外周輪郭線L3よりも内側にあるため、ニューマチックケーソン1の全体規模が大きくなっても、ケーソン中間部3の周長及び埋設面積が多大に拡大することがない。このため、ケーソン中間部3の部品点数が増加しにくく、これによりニューマチックケーソン1を短い工期で安価に完成させることができる。
【0059】
そして、このような構成のニューマチックケーソン1を、前述したように、基部設置工程Aと、掘削沈下工程Bと、ケーソン中間部構築工程Cと、ケーソン頂部4打設工程Dとを有するニューマチックケーソン工法によって地盤G中に沈設することにより、ケーソン中間部3をコンクリートで打設して形成する手間を省き、剛性が高くて軽量なニューマチックケーソン1を非常に短い工期で完成させることができる。
[発明の実施の形態2]
【0060】
図11は、本発明の実施の形態2に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【0061】
このニューマチックケーソン41では、そのケーソン基部42の形状は実施の形態1に係るニューマチックケーソン1のケーソン基部2と同様であるが、ケーソン中間部43の構成が異なっており、実施の形態1では円をなすように8本配設されていた柱状体10が、ここでは正方形をなすように配設されている。
【0062】
8本の柱状体10の間は、実施の形態1と同様に補強部材11,(12),13により連結され、ケーソン中間部43は籠状(トラス構造状)に構築されている。そして、ここでも、平面視におけるケーソン中間部43の外周輪郭線L4が、ケーソン基部42の上面の外周輪郭線L5よりも内側にある。
【0063】
マンシャフト24とマテリアルシャフト25及びケーシング29,30は、ケーソン中間部43の内部にて補強部材13に囲まれて隣り合う四角形の空間H3,H4に配設されている。これらの部材の構成ならびに機能等は実施の形態1と同様である。
【0064】
このように、本発明に係るニューマチックケーソンによれば、ケーソン基部42の形状の形状に対し、ケーソン中間部43の断面形状を適宜設定することができるため、設計の自由度が高い。
[発明の実施の形態3]
【0065】
図12は、本発明の実施の形態3に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部3における横断面図である。
【0066】
このニューマチックケーソン51では、ケーソン基部52の形状が長円形であり、ケーソン中間部53を構成する12本の柱状体10と補強部材11,(12),13とが、ケーソン基部52の長円形状に沿う長方形の横断面形状を構成するように配列されている。
【0067】
平面視におけるケーソン中間部53の外周輪郭線L6は、ケーソン基部52の上面の外周輪郭線L7よりも内側にある。マンシャフト24とマテリアルシャフト25及びケーシング29,30は、ケーソン中間部53の内部にて補強部材13に囲まれて隣り合う四角形の空間H5,H6に配設されている。これらの部材の構成ならびに機能等は実施の形態1と同様である。
【0068】
このように、ケーソン基部52の平面形状を長円形とし、ケーソン中間部53の横断面形状を、ケーソン基部52の長円形状に沿う長方形とすることにより、橋脚等に適したニューマチックケーソン51とすることができる。
[発明の実施の形態4]
【0069】
図13は、本発明の実施の形態4に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【0070】
このニューマチックケーソン61において、ケーソン基部2とケーソン中間部3とケーソン頂部4の構成は、実施の形態1に記載したニューマチックケーソン1と同様であるため、各構成部に同符号を付して説明は省略する。
【0071】
ケーソン頂部4の上面に建造されている橋脚部分62は、例えば鉄骨トラス構造の鉄橋用橋脚である。詳しくは、複数の縦骨64と横骨65とが直角に交差し、その間がX字状のクロスメンバー66により補強され、最上部には道床材69が敷設され、上下に補強材71,72,73が設けられた構造である。
【0072】
ここでも、実施の形態1と同様に、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従い、ケーソン中間部3とケーソン頂部4と橋脚部分62の周囲及び内部とが地盤Gの地盤面G´まで埋め戻される。
【0073】
このように、橋脚部分62をトラス構造とした場合、橋脚部分62をコンクリート打設により建造した場合に比べて、高い剛性を確保しつつ素早く組み立てることができ、全体の工期をさらに大幅に短縮することができる。
【0074】
なお、言うまでもなく、上記実施の形態1乃至4に記載された形状に限らず、ケーソン基部、ケーソン中間部、ケーソン頂部、橋脚部分等の形状は他の形状にすることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【図2】同実施の形態1に係る図1のII-II線に沿う横断面図である。
【図3】同実施の形態1に係る図1のIII部を拡大した図である。
【図4】ケーソン基部設置工程において、地盤の地表にケーソン基部が設置された状態を示す図である。
【図5】掘削沈下工程において、ケーソン基部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図6】ケーソン中間部構築工程において、ケーソン基部の上面に1段目のケーソン中間部が設置された状態を示す図である。
【図7】1段目のケーソン中間部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図8】3段目のケーソン中間部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図9】ケーソン頂部打設工程において、ケーソン中間部の上端部にケーソン頂部がコンクリート打設された状態を示す図である。
【図10】ケーソン中間部の周囲及び内部の空間とケーソン頂部及び橋脚部分の周囲とが土で埋め戻された状態を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ニューマチックケーソン
2 ケーソン基部
3 ケーソン中間部
4 ケーソン頂部
6 刃口
7 作業室スラブ
8 作業室
10 柱状体
10a 柱状ロット
11,12,13 補強部材
15,16,17 接続具
21 橋脚部分
24 マンシャフト
25 マテリアルシャフト
29,30 ケーシング
L1 ケーソン中間部の外周輪郭線
L2 ケーソン基部の上面の外周輪郭線
G 地盤
H1,H2 空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の基礎等に用いられるニューマチックケーソン及びニューマチックケーソン工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋脚基礎構造などの構築に用いられる工法として、鉄筋コンクリート製のケーソンを水底地盤中に沈設するニューマチックケーソン工法が知られている。ニューマチックケーソン工法では、筒状のケーソン躯体の下端に地盤に貫入する刃口を設けるとともに、ケーソン躯体の内周側に作業室スラブを形成し、刃口の内周側かつ作業室スラブの下方に掘削用の作業室を隔成して、この作業室内に圧縮空気を供給しながら、その内部地盤を掘削してケーソン躯体を地盤中に沈設する。
【0003】
ケーソン躯体は数段に亘って形成され、最下部に位置するケーソン基部に刃口と作業室スラブと作業室とが設けられ、このケーソン基部が地盤中に沈設されると、その上にケーソン基部と同じ外周形状をなす環状のケーソンロットが一段増設され、更にこの一段目のケーソンロットの高さまでが地盤中に沈設されると、その上に二段目のケーソンロットが増設される、という具合に、地盤の掘削と、ケーソン基部及びケーソンロットの沈設と、ケーソンロットの増設とが順次繰り返され、最終的にケーソン躯体が建造物の基礎として地中の所定の深さに埋設される。
【0004】
ケーソン基部及び各ケーソンロットは、それぞれケーソン埋設現場で、足場組み、鉄筋組立、型枠組立、コンクリート打設、型枠及び足場の解体、という工程を経て建造される。因みに各ケーソンロットの高さは数メートルである。
【0005】
ところが、このようにケーソン基部のみならず、大きなケーソンロットも埋設現場にてコンクリート打設により建造しなければならないため、多大な手間と時間が掛かり、工期が長引く原因となっていた。特に、橋梁等の基礎の施工は一般に渇水期になされるが、上記理由により渇水期間中に施工が完了しない懸念が生じる。
【0006】
そこで、特許文献1に開示されているように、ケーソンロットをコンクリート打設により建造する代わりに、ケーソンロットの側壁に該当する部分を、鉛直方向に延びる鋼製の筒状体を連続的に環状に配列して連結することにより形成し、さらにこれらの筒状体の外側を囲むように鋼製の外壁板で覆い、その後、筒状体の内部空間及び筒状体と外壁板との間の空間にモルタル等の充填材を充填する工法が開発されている。
【0007】
この工法によれば、ケーソンロットがコンクリート打設式ではなく、鋼製の筒状体を主部品とする組立式であることから、ケーソンロットの構築に掛かる時間を短縮し得る。
【特許文献1】特開第3993430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の工法では、ケーソンロットの形状が、従来からある既存のコンクリート打設型のものとほぼ同形状であったために、例えばケーソンの全体規模が大きくなると、ケーソンロットの周長及び埋設面積の拡大ならびに埋設深さの増大に伴い、ケーソンロットの部品点数が著しく増加して施工時間が長びき、渇水期間中に橋梁等の基礎施工を完了させるという目標を達成し得ない虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、短い工期で完成させることができ、かつ全体の剛性を高く確保することができるニューマチックケーソン及びニューマチックケーソン工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、地盤に貫入する刃口と作業室スラブとがコンクリートで一体的に打設されてなり、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部と、前記ケーソン基部の上面に、鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結して構築され、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って高さを延長可能なケーソン中間部と、前記ケーソン中間部の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分が建造されるケーソン頂部とを備えてなるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加え、前記柱状体は、複段の柱状ロットが軸方向に連結されて形成され、前記各柱状ロットには、その工場製造時において前記補強部材の接続具が設けられるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加え、前記補強部材が、前記複数の柱状体の間にトラス状に構築されるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの構成に加え、平面視における前記ケーソン中間部の外周輪郭線が、前記ケーソン基部の上面の外周輪郭線よりも内側にあるニューマチックケーソンとしたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に記載の発明は、地盤に貫入する刃口と作業室スラブとが一体的に形成され、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部を前記地盤の上に設置するケーソン基部設置工程と、前記作業室の内部地盤を掘削して前記ケーソン基部を前記地盤中に沈下させる掘削沈下工程と、前記ケーソン基部の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結してケーソン中間部を構築し、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを延長していくケーソン中間部構築工程と、前記ケーソン中間部の上端部に、その上面に建造物の橋脚部分が一体的に建造されるケーソン頂部を形成するケーソン頂部形成工程と、を有するニューマチックケーソン工法としたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記ケーソン中間部構築工程では、前記柱状体を構成すると共に予め前記補強部材の接続具が設けられた柱状ロットを水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状ロットの前記接続具同士を前記補強部材で連結する作業を繰り返すことにより、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを段階的に延長していくニューマチックケーソン工法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ケーソン基部の上に構築されるケーソン中間部が、鉛直方向に延びる複数の柱状体と、これらの柱状体の間を連結する補強部材とから構築されるため、ケーソン中間部をコンクリート打設により形成する必要がなく、しかも組立式であるケーソン中間部は高い剛性を確保しつつ素早く構築することができるため、これらにより剛性の高いニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、工場製造時において補強部材の接続具が設けられた柱状ロットをケーソン基部上に運搬して設置し、これに補強部材を連結していくだけでケーソン中間部が完成するため、ケーソン中間部の組立を容易にしてニューマチックケーソンの工期を短縮することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、補強部材が柱状体の間でトラス構造をなすため、ケーソン中間部の剛性、ひいてはニューマチックケーソンの全体剛性を高めることができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、ケーソンの全体規模が大きくなっても、ケーソン中間部の周長及び埋設面積が多大に拡大することがないため、ケーソン中間部の部品点数が増加しにくく、これによりニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、ケーソン中間部をコンクリートで打設して形成する手間を省いてニューマチックケーソンを短い工期で完成させることができると共に、ケーソン中間部の剛性を高めることができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、工場製造時において補強部材の接続具が設けられた柱状ロットをケーソン基部上に運搬して設置し、これに補強部材を連結していくだけでケーソン中間部が完成するため、ケーソン中間部の組立を容易にしてニューマチックケーソンの工期を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[発明の実施の形態1]
【0023】
図1は、本発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図であり、図2は図1のII-II線に沿う横断面図である。
【0024】
このニューマチックケーソン1は、ケーソン基部2と、ケーソン中間部3と、ケーソン頂部4とを備えて構成されている。
【0025】
ケーソン基部2は、地盤Gに貫入する刃口6と作業室スラブ7とが鉄筋コンクリートで一体的に打設されてなり、作業室スラブ7の下側に地盤G掘削用の作業室8が形成されている。ここではケーソン基部2の水平断面形状が円形であるが、例えば楕円形や角形等でも良い。このケーソン基部2の構造は一般のニューマチックケーソンにおける刃口及び作業室付近の構造と同様である。
【0026】
一方、ケーソン中間部3は、ケーソン基部2の上面に籠状に構築され、鉛直方向に沿って延びる例えば8本の柱状体10と、これらの柱状体10の間をケーソン基部2の周方向及び径方向に連結する複数の補強部材11,12,13とを備えて構成されている。柱状体10及び補強部材11,12,13は共に鉄鋼材料により形成される。このケーソン中間部3は、後述するが、ケーソン基部2が地盤Gに沈下するに従って上方に長さ(高さ)が延長されて構築されていく。
【0027】
なお、柱状体の材質は、鉄鋼材料が好適であるが、例えばダクタイル製でもよく、プレキャストコンクリートでもよい。また、柱状体の形状は、直管状でも良いが、節状でもよく、荷重条件にあわせてテーパー状をなしてもよい。
【0028】
8本の柱状体10は、平面視で円をなすように水平方向(周方向)に等しい間隔を置いて設置され、各々の柱状体10が、それぞれ直管状の鋼管である柱状ロット10aを数段繋ぎ合わせて形成されている。この実施形態では、例えば3本の柱状ロット10aが溶接により連結されて1本の柱状体10が構成されている。一段目の柱状ロット10aの下端部はケーソン基部2の作業室スラブ7に図示しないアンカーや埋め込み治具等で固定される。なお、例えば各柱状ロット10aの両端に締結フランジを設け、柱状ロット10a同士をボルト締結やリベット締結により連結して柱状体10を形成してもよい。
【0029】
補強部材11は、その断面が例えばH型、I型、ロ型、コ型等をした鋼材であり、各柱状体10の間に水平な梁状に架設され、各柱状体10の間を周方向に連結している。また、補強部材12は補強部材11よりも細い鋼材であり、上下の補強部材11の間をX字型(筋交状)に連結している。このため、隣合う柱状体10の間に、補強部材11と補強部材12とによるトラス構造が構築されている。また、補強部材13は、補強部材11と同等な太さ及び断面形状を備えた鋼材であり、対向する柱状体10同士の間を径方向に連結している。
【0030】
これらのため、柱状体10同士の間と、補強部材11,12,13同士の間と、柱状体10と補強部材11,12,13との間とに、それぞれ空隙S(図1参照)が設けられている。なお、図示はしないが、上下に重なる補強部材13の間も補強部材12でX字型に連結してトラス構造を構築してもよい。本実施形態では、各柱状体10の間が、6段の補強部材11及び補強部材13と、5段の補強部材12とで連結されているが、これら補強部材11,12,13の段数は、ニューマチックケーソン1の規模や工事環境等に応じて適宜設定される。
【0031】
図2及び図3に示すように、各柱状ロット10aには、その工場製造時においてブラケット状の接続具15,16,17が溶接等により一体に設けられる。そして、接続具15に補強部材11が、接続具16に補強部材12が、接続具17に補強部材13が、それぞれボルトやリベット等の締結要素により締結固定される。
【0032】
図2に示すように、平面視におけるケーソン中間部3の外周輪郭線L1は、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2よりも内側にある。つまり、ケーソン中間部3は、ケーソン基部2上面の外周輪郭線L2からはみ出さないように構築されている。
【0033】
他方、ケーソン頂部4は、ケーソン中間部3の上端部に鉄筋コンクリートを打設することにより、厚みのある平板的な形状に構築され、その上面に橋梁等の建造物の橋脚部分21が一体的に建造される。なお、このケーソン頂部4の下面の外周輪郭線L3は、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2よりも内側にあり、ケーソン中間部3の外周輪郭線L1は、ケーソン頂部4の下面の外周輪郭線L3よりもさらに内側にある。
【0034】
ケーソン基部2とケーソン中間部3とケーソン頂部4と橋脚部分21の内部には、作業室8に作業員が出入りするためのマンシャフト24と、作業室8にて掘削された掘削土を外部に搬出するためのマテリアルシャフト25とが垂設されている。
【0035】
ケーソン中間部3の部分においては、図2に示すように、平面視で柱状体10と補強部材11,12,13とに囲まれる空間H1とH2とに、それぞれマンシャフト24とマテリアルシャフト25が垂設されている。マンシャフト24とマテリアルシャフト25の下端はそれぞれ作業室8に連通し、各々の上端には、マンロック26とマテリアルロック27とが設けられる。
【0036】
さらに、マンシャフト24とマテリアルシャフト25を囲むように、筒状のケーシング29,30が設けられる。このケーシング29,30は、マンシャフト24とマテリアルシャフト25を保護するものである。ケーシング29,30はマンシャフト24とマテリアルシャフト25の全長に亘って設けてもよいが、マンシャフト24とマテリアルシャフト25が外部に晒されるケーソン中間部3の内部空間のみに設けてもよい。
【0037】
以上のような構成のニューマチックケーソン1を構築するためのニューマチックケーソン工法は、下記の通り、ケーソン基部設置工程A、掘削沈下工程B、ケーソン中間部構築工程C、ケーソン頂部打設工程Dの4つの工程を有して施工される。
【0038】
A.ケーソン基部設置工程
【0039】
まず、図4に示すように、ニューマチックケーソン1を埋設する地盤Gの地盤面にケーソン基部2を設置する。一般には地盤面で足場を組み、鉄筋を組み立てて型枠を形成し、型枠の中にコンクリートを打設して、刃口6と作業室スラブ7と作業室8とを備えたケーソン基部2を完成させる。このケーソン基部2にはケーシング29,30が内蔵され、作業室8に連通するマンシャフト24とマテリアルシャフト25が挿通する形で取り付けられる。
【0040】
B.掘削沈下工程
【0041】
次に、図5に示すように、ケーソン基部2の作業室8内において内部地盤Gを掘削し、ケーソン基部2をその自重により地盤G中に沈下させる。
【0042】
C.ケーソン中間部構築工程
【0043】
ケーソン基部2が所定の深さまで沈下したならば、図6に示すように、ケーソン基部2の上面にて籠状のケーソン中間部3の構築を開始する。まずは、柱状体10の柱状ロット10aを1段分設置し、各柱状ロット10aの間を補強部材11,12,(13)により連結して、ケーソン中間部3の一段目を完成させる。
【0044】
次に、再び掘削沈下工程としてケーソン基部2の作業室8内において地盤Gを掘削し、図7に示すように、1段目のケーソン中間部3(柱状ロット10a)が地盤G中に沈下するまでケーソン基部2を沈下させる。この掘削沈下工程Bとケーソン中間部構築工程Cとを交互に繰り返すことにより、ケーソン基部2が地盤G中に沈下した分だけケーソン中間部3の高さを延長していき、図8に示すように3段目のケーソン中間部3までを地盤G中に沈下させる。
【0045】
なお、図7と図8に示すように、ケーソン基部2及びケーソン中間部3の沈下に従い、籠状に構築されたケーソン中間部3の周囲及び内部の空間を土やコンクリート等で地盤Gの地盤面G´まで埋め戻す埋め戻し作業が行われる。
【0046】
D.ケーソン頂部打設工程
【0047】
次に、図9(又は図1)に示すように、ケーソン中間部3の上端部にケーソン頂部4をコンクリートで打設する。このケーソン頂部4の上面には、建造物の橋脚部分21が一体的に建造されるが、ケーソン頂部4と橋脚部分21の一部又は全部を同時にコンクリート打設しても、あるいは橋脚部分21の一部又は全部を後で別途打設してもよい。なお、本実施例では、ケーソン頂部4の断面積が橋脚部分21の断面積よりも広くなっているが、ケーソン頂部4と橋脚部分21の断面積が同じ場合も考えられる。
【0048】
ところで、ケーソン頂部4及び橋脚部分21の形成時においても、ケーソン基部2及びケーソン中間部3を地盤G中へ沈下させる場合があるが、その場合には、沈下の都度、ケーソン頂部4及び橋脚部分21の周囲を図9中に示す地盤面G´まで埋め戻す。なお、ケーソン頂部4及び橋脚部分21を形成する時点までに沈下を完了させてしまう場合もある。
【0049】
そして、ケーソン基部2が所定の深さまで沈下したら、図10に示すように作業室8内にコンクリートを打ち込んで作業室8を埋め、さらに、マンシャフト24、マテリアルシャフト25、マンロック26、マテリアルロック27、ケーシング29,30を撤去し、ケーシング29,30の抜けた後の孔内に土やコンクリート等を充填する。
【0050】
ところで、本実施形態では、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従ってケーソン中間部3の周囲及び内部の空間を地盤面G´まで埋め戻すようにしているが、この埋め戻し作業は、ニューマチックケーソン1の設置場所によっては行わない場合もある(例えば海底等)。
【0051】
以上のように構成されたニューマチックケーソン1によれば、ケーソン基部2の上に構築されるケーソン中間部3が、鉛直方向に延びる複数の柱状体10と、これらの柱状体10の間を連結する補強部材11,12,13とから構築されるため、コンクリート打設により形成する必要があるのはケーソン基部2とケーソン頂部4だけでよく、しかも鉄鋼材料からなる組立式のケーソン中間部3は高い剛性を確保しつつ素早く組み立てられるため、これらによりニューマチックケーソン1に高い剛性を持たせつつ、短い工期で完成させることができる。
【0052】
また、ケーソン中間部3を形成する柱状体10同士の間及び補強部材11,12,13同士の間、ならびに柱状体10と補強部材11,12,13との間に、それぞれ空隙Sが設けられ、ケーソン中間部3が籠状に形成されているため、埋め戻し作業時において土やコンクリートがケーソン中間部3の内部に入りやすく、これによりケーソン中間部3自体の剛性と、埋め戻された土やコンクリートによる強度向上効果とにより、ニューマチックケーソン1を非常に丈夫に構成することができる。
【0053】
しかも、数段の柱状ロット10aを軸方向に連結することにより柱状体10を構成し、各柱状ロット10aには、その工場製造時において補強部材11,12,13の接続具が設けられているため、ケーソン中間部3の建造時には、既に接続具が設けられた柱状ロット10aをケーソン基部2上に運搬して設置し、これに補強部材11,12,13を連結していくだけでケーソン中間部3が完成する。このため、ケーソン中間部3の組立を容易にして基礎や橋脚等の工期を従来よりも大幅に短縮することができる。
【0054】
その上、柱状ロット10aが直管状であるため、柱状ロット10aの剛性を高めると共に、柱状ロット10aの工場製造を容易にし、ひいてはニューマチックケーソン1全体の強度を高めると共に工期を短縮することができる。
【0055】
また、柱状体10と、補強部材11,12とがトラス構造をなすため、ケーソン中間部3の剛性、即ちニューマチックケーソン1の全体剛性をより効果的に高めると共に、ニューマチックケーソン1の軽量化に多大に貢献することができる。
【0056】
一方、ケーソン中間部3の内部において、柱状体10と補強部材11,12,13とに囲まれる空間H1,H2に、マンシャフト24とマテリアルシャフト25とが配設されているため、柱状体10と補強部材11,12,13とによりマンシャフト24とマテリアルシャフト25を効果的に保護することができ、これによりニューマチックケーソン1の工期を短縮することができる。
【0057】
しかも、マンシャフト24とマテリアルシャフト25の周囲を囲むケーシング29,30を設けたため、ケーシング29,30によりマンシャフト24とマテリアルシャフト25をより効果的に保護することができる。
【0058】
さらに、平面視において、ケーソン中間部3の外周輪郭線L1が、ケーソン基部2の上面の外周輪郭線L2及びケーソン頂部4の外周輪郭線L3よりも内側にあるため、ニューマチックケーソン1の全体規模が大きくなっても、ケーソン中間部3の周長及び埋設面積が多大に拡大することがない。このため、ケーソン中間部3の部品点数が増加しにくく、これによりニューマチックケーソン1を短い工期で安価に完成させることができる。
【0059】
そして、このような構成のニューマチックケーソン1を、前述したように、基部設置工程Aと、掘削沈下工程Bと、ケーソン中間部構築工程Cと、ケーソン頂部4打設工程Dとを有するニューマチックケーソン工法によって地盤G中に沈設することにより、ケーソン中間部3をコンクリートで打設して形成する手間を省き、剛性が高くて軽量なニューマチックケーソン1を非常に短い工期で完成させることができる。
[発明の実施の形態2]
【0060】
図11は、本発明の実施の形態2に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【0061】
このニューマチックケーソン41では、そのケーソン基部42の形状は実施の形態1に係るニューマチックケーソン1のケーソン基部2と同様であるが、ケーソン中間部43の構成が異なっており、実施の形態1では円をなすように8本配設されていた柱状体10が、ここでは正方形をなすように配設されている。
【0062】
8本の柱状体10の間は、実施の形態1と同様に補強部材11,(12),13により連結され、ケーソン中間部43は籠状(トラス構造状)に構築されている。そして、ここでも、平面視におけるケーソン中間部43の外周輪郭線L4が、ケーソン基部42の上面の外周輪郭線L5よりも内側にある。
【0063】
マンシャフト24とマテリアルシャフト25及びケーシング29,30は、ケーソン中間部43の内部にて補強部材13に囲まれて隣り合う四角形の空間H3,H4に配設されている。これらの部材の構成ならびに機能等は実施の形態1と同様である。
【0064】
このように、本発明に係るニューマチックケーソンによれば、ケーソン基部42の形状の形状に対し、ケーソン中間部43の断面形状を適宜設定することができるため、設計の自由度が高い。
[発明の実施の形態3]
【0065】
図12は、本発明の実施の形態3に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部3における横断面図である。
【0066】
このニューマチックケーソン51では、ケーソン基部52の形状が長円形であり、ケーソン中間部53を構成する12本の柱状体10と補強部材11,(12),13とが、ケーソン基部52の長円形状に沿う長方形の横断面形状を構成するように配列されている。
【0067】
平面視におけるケーソン中間部53の外周輪郭線L6は、ケーソン基部52の上面の外周輪郭線L7よりも内側にある。マンシャフト24とマテリアルシャフト25及びケーシング29,30は、ケーソン中間部53の内部にて補強部材13に囲まれて隣り合う四角形の空間H5,H6に配設されている。これらの部材の構成ならびに機能等は実施の形態1と同様である。
【0068】
このように、ケーソン基部52の平面形状を長円形とし、ケーソン中間部53の横断面形状を、ケーソン基部52の長円形状に沿う長方形とすることにより、橋脚等に適したニューマチックケーソン51とすることができる。
[発明の実施の形態4]
【0069】
図13は、本発明の実施の形態4に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【0070】
このニューマチックケーソン61において、ケーソン基部2とケーソン中間部3とケーソン頂部4の構成は、実施の形態1に記載したニューマチックケーソン1と同様であるため、各構成部に同符号を付して説明は省略する。
【0071】
ケーソン頂部4の上面に建造されている橋脚部分62は、例えば鉄骨トラス構造の鉄橋用橋脚である。詳しくは、複数の縦骨64と横骨65とが直角に交差し、その間がX字状のクロスメンバー66により補強され、最上部には道床材69が敷設され、上下に補強材71,72,73が設けられた構造である。
【0072】
ここでも、実施の形態1と同様に、ケーソン基部2が地盤G中に沈下するに従い、ケーソン中間部3とケーソン頂部4と橋脚部分62の周囲及び内部とが地盤Gの地盤面G´まで埋め戻される。
【0073】
このように、橋脚部分62をトラス構造とした場合、橋脚部分62をコンクリート打設により建造した場合に比べて、高い剛性を確保しつつ素早く組み立てることができ、全体の工期をさらに大幅に短縮することができる。
【0074】
なお、言うまでもなく、上記実施の形態1乃至4に記載された形状に限らず、ケーソン基部、ケーソン中間部、ケーソン頂部、橋脚部分等の形状は他の形状にすることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【図2】同実施の形態1に係る図1のII-II線に沿う横断面図である。
【図3】同実施の形態1に係る図1のIII部を拡大した図である。
【図4】ケーソン基部設置工程において、地盤の地表にケーソン基部が設置された状態を示す図である。
【図5】掘削沈下工程において、ケーソン基部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図6】ケーソン中間部構築工程において、ケーソン基部の上面に1段目のケーソン中間部が設置された状態を示す図である。
【図7】1段目のケーソン中間部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図8】3段目のケーソン中間部が地盤中に沈下した状態を示す図である。
【図9】ケーソン頂部打設工程において、ケーソン中間部の上端部にケーソン頂部がコンクリート打設された状態を示す図である。
【図10】ケーソン中間部の周囲及び内部の空間とケーソン頂部及び橋脚部分の周囲とが土で埋め戻された状態を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るニューマチックケーソンのケーソン中間部における横断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るニューマチックケーソンの全容を示す側面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 ニューマチックケーソン
2 ケーソン基部
3 ケーソン中間部
4 ケーソン頂部
6 刃口
7 作業室スラブ
8 作業室
10 柱状体
10a 柱状ロット
11,12,13 補強部材
15,16,17 接続具
21 橋脚部分
24 マンシャフト
25 マテリアルシャフト
29,30 ケーシング
L1 ケーソン中間部の外周輪郭線
L2 ケーソン基部の上面の外周輪郭線
G 地盤
H1,H2 空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に貫入する刃口と作業室スラブとがコンクリートで一体的に打設されてなり、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部と、
前記ケーソン基部の上面に、鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結して構築され、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って高さを延長可能なケーソン中間部と、
前記ケーソン中間部の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分が建造されるケーソン頂部と、
を備えてなることを特徴とするニューマチックケーソン。
【請求項2】
前記柱状体は、複段の柱状ロットが軸方向に連結されて形成され、前記各柱状ロットには、その工場製造時において前記補強部材の接続具が設けられることを特徴とする請求項1に記載のニューマチックケーソン。
【請求項3】
前記補強部材は、前記複数の柱状体の間にトラス状に構築されることを特徴とする請求項1又は2に記載のニューマチックケーソン。
【請求項4】
平面視における前記ケーソン中間部の外周輪郭線が、前記ケーソン基部の上面の外周輪郭線よりも内側にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニューマチックケーソン。
【請求項5】
地盤に貫入する刃口と作業室スラブとが一体的に形成され、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部を前記地盤の上に設置するケーソン基部設置工程と、
前記作業室の内部地盤を掘削して前記ケーソン基部を前記地盤中に沈下させる掘削沈下工程と、
前記ケーソン基部の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結してケーソン中間部を構築し、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを延長していくケーソン中間部構築工程と、
前記ケーソン中間部の上端部に、その上面に建造物の橋脚部分が一体的に建造されるケーソン頂部を形成するケーソン頂部形成工程と、
を有することを特徴とするニューマチックケーソン工法。
【請求項6】
前記ケーソン中間部構築工程では、前記柱状体を構成すると共に予め前記補強部材の接続具が設けられた柱状ロットを水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状ロットの前記接続具同士を前記補強部材で連結する作業を繰り返すことにより、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを段階的に延長していくことを特徴とする請求項5に記載のニューマチックケーソン工法。
【請求項1】
地盤に貫入する刃口と作業室スラブとがコンクリートで一体的に打設されてなり、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部と、
前記ケーソン基部の上面に、鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結して構築され、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って高さを延長可能なケーソン中間部と、
前記ケーソン中間部の上端部に形成され、その上面に建造物の橋脚部分が建造されるケーソン頂部と、
を備えてなることを特徴とするニューマチックケーソン。
【請求項2】
前記柱状体は、複段の柱状ロットが軸方向に連結されて形成され、前記各柱状ロットには、その工場製造時において前記補強部材の接続具が設けられることを特徴とする請求項1に記載のニューマチックケーソン。
【請求項3】
前記補強部材は、前記複数の柱状体の間にトラス状に構築されることを特徴とする請求項1又は2に記載のニューマチックケーソン。
【請求項4】
平面視における前記ケーソン中間部の外周輪郭線が、前記ケーソン基部の上面の外周輪郭線よりも内側にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のニューマチックケーソン。
【請求項5】
地盤に貫入する刃口と作業室スラブとが一体的に形成され、前記作業室スラブの下側に前記地盤掘削用の作業室が形成されたケーソン基部を前記地盤の上に設置するケーソン基部設置工程と、
前記作業室の内部地盤を掘削して前記ケーソン基部を前記地盤中に沈下させる掘削沈下工程と、
前記ケーソン基部の上面に、鉄鋼材料からなり鉛直方向に延びる複数の柱状体を水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状体の間を複数の補強部材で連結してケーソン中間部を構築し、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを延長していくケーソン中間部構築工程と、
前記ケーソン中間部の上端部に、その上面に建造物の橋脚部分が一体的に建造されるケーソン頂部を形成するケーソン頂部形成工程と、
を有することを特徴とするニューマチックケーソン工法。
【請求項6】
前記ケーソン中間部構築工程では、前記柱状体を構成すると共に予め前記補強部材の接続具が設けられた柱状ロットを水平方向に間隔を置いて設置し、これらの柱状ロットの前記接続具同士を前記補強部材で連結する作業を繰り返すことにより、前記ケーソン基部が地盤中に沈下するに従って前記ケーソン中間部の高さを段階的に延長していくことを特徴とする請求項5に記載のニューマチックケーソン工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−150818(P2010−150818A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330332(P2008−330332)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)
[ Back to top ]