説明

ニーズ情報収集システム、ニーズ情報収集サーバ及びニーズ情報収集方法

【課題】企業や店舗側の出店計画とユーザ側のニーズとの適合を図り、出店計画の信頼性を向上させることを目的とする。
【解決手段】ネットワークよりユーザの属性情報を受信してDBサーバ4内のユーザ情報管理部4Aに記憶し、上記ネットワークよりユーザの出店希望地を含むニーズ情報を受信して地図情報と関係づけてDBサーバ4内のユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bに記憶する。次に、ニーズ情報の指定方法、出店希望地とユーザとの関係性、及びニーズ情報に対する賛同数の1以上の組合せに基づき予め設定された重み値を用いて、地図情報上の各エリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する。そして、指定されたエリアに対応する集計情報を、各エリアの集計情報の中から抽出し、該抽出した集計情報を地図情報上の指定されたエリアと合成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのニーズを効率よく収集して提供するためのニーズ情報収集システム、ニーズ情報収集サーバ、及びニーズ情報収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売業や飲食店、理髪店や語学教室、薬局など様々な店舗・施設配置型のサービス業態において新規出店を行う際、調査員による現地に出向いての周辺環境調査の結果や地図情報システム(エリアマーケティングツール)を用いて出店計画を立てている。
【0003】
エリアマーケティングツールでは、自社店舗や競合店舗、統計データを基に、主に次のようなことが実現できる。
・周辺競合店調査
出店候補地周辺の自社の競合となりうる業種や企業の出店状況の確認
・地域ポテンシャル調査
出店候補地周辺からの仮想的な商圏(円や任意エリア、道路商圏など)を作成し、そ
の商圏内の市場規模を、人口・世帯データや各種統計データ、駅乗降客数データなど
様々なデータを用いて分析
【0004】
例えば、新規店舗の出店にあたり、店舗開発員が収集した情報に加えて、地図情報システムを用いて集計される商圏情報を利用して、出店候補地の評価を行うことが可能な出店計画支援システムが、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−125955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の出店計画で実施する内容は、あくまでも出店する企業や店舗の側の計画であり、その出店予定地の周辺住民や、その場所へ通勤・通学する人の意見・希望(ニーズ)等は考慮されていない。出店計画と、店舗や施設を利用するユーザ側のニーズがマッチ(適合)していないために、出店後に利益が計画どおりに出ないことがしばしば生じてしまう。
【0007】
また、特許文献1に記載の出店計画支援システムも、地図情報システム(GIS)を用いて設定された商圏範囲の統計データから抽出される商圏情報を得て、予め物件情報及び商圏情報に対して定義されている評価条件情報に基づいて当該物件及び商圏情報の評価を行うものであり、出店候補地の周辺住民や、その場所へ通勤・通学する人のニーズ等は考慮されていない。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、企業や店舗側の出店計画とユーザ側のニーズとの適合を図り、出店計画の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、ユーザ情報及び出店希望地を含むニーズ情報を入力するための入力画面をネットワーク上に公開し、ユーザからの入力を受け付けるユーザニーズ登録手段と、このユーザニーズ登録手段で取得したユーザの属性情報及びニーズ情報を受信するニーズ情報収集手段とを有するニーズ情報収集システムを構築する。
上記ニーズ情報収集手段は、前記ネットワークを介してユーザニーズ登録手段より送信されたユーザの属性情報を記憶するユーザ情報管理部と、ユーザニーズ登録手段より送信されたユーザのニーズ情報を電子地図情報と関係づけて記憶するニーズ管理部と、ニーズ情報の指定方法、出店希望地とユーザとの関係性、及びニーズ情報に対する賛同数の1以上の組合せに基づき予め設定された重み値を記憶する重み情報管理部を備える。さらに、この重み情報管理部に記憶された重み値を用いて、電子地図情報上の任意のエリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する処理を、電子地図情報上の各エリアについて行うニーズ集計部と、このニーズ集計部より得られる各エリアの集計情報を記憶するニーズ集計情報管理部と、指定されたエリアに対応する集計情報を前記ニーズ集計情報管理部から抽出し、該抽出した集計情報を前記電子地図情報上の指定されたエリアと合成する地図生成部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、企業にとっては出店候補地の周辺住民や訪問者など、その土地、地域に関連性を持つ人々のニーズを把握することができる。また、ニーズ情報に対して予め設定された重み値を用いて、エリア内のニーズ情報の重み値を集計し、集計結果を電子地図情報上に反映するので、ユーザのニーズを容易に視認できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、企業の出店候補地に対して、周辺住民や訪問者など、その土地、地域に関連性を持つ人々のニーズを把握できるので、企業や店舗側の出店計画とユーザ側のニーズとの適合が図れる。したがって、出店計画の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。
本発明は、出店候補地の周辺住民やその場所へ通勤、通学する人など、ユーザの意見・希望を取り込むことにより、出店計画とユーザニーズとの適合を図るものである。
【0013】
まず、ユーザニーズをネットワーク経由で収集するためのサービス(ユーザが利用)について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るニーズ情報収集システムの構成例を示すものである。図1に示すように、ニーズ情報収集システムを、WWW(World Wide Web)サーバ2からなるユーザニーズ登録手段と、地図サーバ3及び情報収集データベースサーバ(以下、「DBサーバ」という)4からなるニーズ情報収集手段から構成する。ユーザ側及び企業側(店舗側)の端末装置1,5は、例えばインターネットよりなるネットワーク(電気通信回線)を介してWWWサーバ2にアクセスする。この端末装置1,5としては、表示機能とともに通信機能を備えたパーソナルコンピュータや携帯電話端末などが適用できる。
【0014】
なお、本明細書で言うシステムとは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。例えば、地図サーバ3とDBサーバ4は一体の構成でもよいし、あるいはWWWサーバ2、地図サーバ3及びDBサーバ4を一体の構成としてもよい。また、WWWサーバ2、地図サーバ3及びDBサーバ4の各サーバ間のデータ通信に、インターネットや無線LAN等のネットワークを利用してもよい。
【0015】
WWWサーバ(ウェブサーバ)2は、コンピュータを備え、図示しないROM(Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発メモリに記録されたプログラムに従って動作する。このWWWサーバ2は、入力フォームを設けたユーザニーズ登録サイト2Aをネットワーク上に公開し、端末装置1,5から入力されるユーザの属性情報(以下、「ユーザ情報」という。)及びユーザが希望する施設の情報等(ニーズ情報)を受け付ける。WWWサーバ2は、ユーザニーズ登録サイト2Aの入力フォームの表示にあたって、必要に応じて地図サーバ3に対し電子地図情報(以下、「電子地図」ともいう。)を要求して電子地図情報を取得し、取得した電子地図情報を利用する。そして、WWWサーバ2は、ユーザニーズ登録サイト2Aを通じて取得したユーザ情報及びニーズ情報を、地図サーバ3に送信する。
【0016】
さらに、WWWサーバ2は、地図サーバ3から取得した電子地図情報とDBサーバ4から取得したユーザニーズ集計情報を関連づけて、ユーザニーズ集計閲覧サイト2B上に公開する。
【0017】
地図サーバ3は、コンピュータを備え、図示しない不揮発メモリに記録されたプログラムに従って動作する。本実施形態において、このコンピュータは地図配信サービス部3Aとして機能する。地図配信サービス部3Aは、WWWサーバ2からの要求に応答してそれぞれの用途あるいは指定されたエリアなどに応じた電子地図情報をWWWサーバ2へ送信する。この地図配信サービス部3Aは、特許請求の範囲に記載された地図配信部の一例である。
【0018】
DBサーバ4は、コンピュータを備え、図示しない不揮発メモリに記録されたプログラムに従って動作する。本実施形態において、DBサーバ4は、ユーザ情報管理部4A、ユーザニーズエリア・位置情報管理部4B、重み情報管理部4C、町丁字/メッシュ単位集計部(ニーズ集計部)4D及びユーザニーズエリア・集計情報管理部(ニーズ集計情報管理部)4Eの各機能を備える。各管理部は、それぞれにデータベースを有しており、これらのデータベースに登録された情報の保存には不揮発メモリが利用される。以下、DBサーバ4についてさらに説明する。
【0019】
ユーザ情報管理部4Aは、端末装置1からWWWサーバ2のユーザニーズ登録サイト2Aを通じて入力されたユーザ情報を受信し、管理・記憶する。
【0020】
ユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bは、特許請求の範囲に記載したニーズ管理部の一例であり、端末装置1からWWWサーバ2のユーザニーズ登録サイト2Aを通じて入力されたニーズ情報を受信し、電子地図情報上の位置と関係づけて管理・記憶する。
【0021】
重み情報管理部4Cは、ニーズ情報の指定方法(入力方法)、入力エリア設定(出店希望地とユーザとの関係性)に応じて予め値が設定されている重み値を管理・記憶している。
【0022】
町丁字/メッシュ単位集計部4Dは、特許請求の範囲に記載したニーズ集計部の一例である。町丁字/メッシュ単位集計部4Dは、重み情報管理部4Cに記憶された重み値を用いて、電子地図情報上の任意のエリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する処理を、電子地図情報上の各エリアについて行う。本明細書でいうエリアとは、住所の町、丁、字、もしくは電子地図情報上のメッシュ状に区切られた区画で表される領域を指すものとする。各エリアについて集計処理が終了すると、各エリアについての集計結果(エリア単位集計情報)とそのときの詳細内容を示す集計データを、ユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eに送る。この集計方法の具体的な説明は後述する。
【0023】
ユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eは、特許請求の範囲に記載したニーズ集計情報管理部の一例である。ユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eは、各エリアについての集計結果(エリア単位集計情報)を地図サーバ3に送信するとともに、WWWサーバ2からの要求に応じて集計データをWWWサーバ2に送信する。
【0024】
ユーザは、所有する端末装置1,5をWWWサーバ2に接続し、ユーザニーズ登録サイト2A又はユーザニーズ集計閲覧サイト2Bにアクセスして、所望の情報を閲覧できる。一般のネットワークユーザは、ユーザニーズ登録サイト2Aの後述する入力画面を端末装置1に表示させ、マウスやキーボード等を用いてユーザ情報及びニーズ情報の登録が行える。一方、ユーザニーズ集計閲覧サイト2Bについては、事前にユーザ登録したユーザ(例えば企業側のユーザ)のみが閲覧を許可される。なお、図1に示したニーズ情報収集システムは、全体構成及び各サーバの機能を模式的に表したものであり、この例に限られない。
【0025】
次に、図2のフローチャートを参照して、ニーズ情報収集システムにおけるユーザニーズ登録/ニーズへの賛同処理について説明する。このユーザニーズ登録/ニーズへの賛同処理は、ユーザニーズをネットワーク経由で収集するためのものであり、一般ユーザ向けのサービスである。
【0026】
ユーザは、性別や年代、居住者、通勤/通学目的、買物、その他、後に出店候補地とユーザとの関係性を評価するのに用いられる情報を自分のプロファイルとして入力し、電子地図上で選択した場所に対して出店して欲しい施設の業種やサービス等のニーズ情報を入力する。あわせて、駐車場の有無や営業時間、出店希望時期(今すぐ、1年後、5年後など)等の要望も入力可とする。
【0027】
まず、ユーザは、端末装置1を用いてWWWサーバ2のユーザニーズ登録サイト2Aにアクセスする。端末装置1がユーザニーズ登録サイト2Aにアクセスすると、WWWサーバ2は、ユーザニーズ登録サイト2Aにアクセスしている端末装置1を利用するユーザが、既に本サービスの利用者に登録されているか否かを判定する(ステップS1)。ユーザが既に登録されている場合はステップS3に移行する。判定処理の一例として、例えば、WWWサーバ2が予めユーザごとに付与したID及びパスワードを入力させ、ユーザ情報管理部4Aに登録されているID及びパスワードと照合して判定する方法がある。
【0028】
ステップS1の判定処理において、ユーザが未登録の場合、WWWサーバ2は、ユーザ情報の登録を促すメッセージを端末装置1の表示画面に表示させる。ユーザは、図3に示すユーザ情報入力画面10の各入力欄に自分の情報を入力する。WWWサーバ2は、入力されたユーザ情報をDBサーバ4に送信し、ユーザ情報管理部4Aに保存する(ステップS2)。
【0029】
本例のユーザ情報入力画面10には、入力エリア設定欄11と、性別、年齢及び婚暦等の入力欄を設けている。入力エリア設定欄11は、ユーザのニーズ属性入力可能エリアを指定する入力フォームである。本例では下記の3つの条件を用意した。
【0030】
1.「下記情報をもとに入力可能エリアを確定する」
条件1では、ユーザが事前に住所や通勤/通学先、利用路線等を登録し、その情報により自動的にニーズ情報の入力可能なエリアを限定する。
2.「指定した場所を入力可能エリアとする」
条件2では、複数個所の都市名や市区町村を指定し、その場所のみ入力可能とする。
3.「エリアの制限をしない」
条件3では、入力エリアを限定せずに好きな場所に対して入力可能とする。
【0031】
どの条件を選択するかによってニーズ情報を登録できるエリアが変更されるとともに、入力したニーズ情報の信頼度が変化する。上記1〜3のどの条件で入力されたかに応じて、入力データに対する重み値を変化させ、データの信頼性を確保する。そして、重み値を集計して得られる集計情報に応じて、電子地図上のニーズ情報をシンボル(例えば記号、図形及び数字など)や色などで区別して表示する。
【0032】
ユーザ情報入力画面10で必要な情報を入力した後、アイコンで表示された設定ボタンを、マウス等を用いてクリックすると、図4に示すようなユーザ情報確認画面が表示される。ユーザ情報確認画面20には、上記ユーザ情報入力画面10で設定した入力エリアに応じて、ユーザがニーズ情報を入力可能なエリアの一覧が表示される。表示された内容で登録する場合は登録ボタンをクリックし、入力エリアを再設定する場合は再設定ボタンをクリックして他の条件で再設定する。
【0033】
上記ユーザ情報の登録が完了後、ユーザは、表示画面のメニュー表示(図示略)上で利用内容を選択する。つまり、「ニーズ情報を入力する」又は「既に入力されているニーズ情報を閲覧する」かのいずれかを選択する(ステップS3)。
【0034】
ここで、WWWサーバ2は、ユーザにより「ニーズ情報を入力する」が選択されたことを検出すると、図5に示すような電子地図31を含むユーザニーズ入力画面30を端末装置1に表示させる。WWWサーバ2は、初期地図として図3のユーザ情報入力画面10で指定された入力エリアに基づく電子地図もしくは任意のエリアの電子地図を地図サーバ3より取得し、端末装置1に送る。初期地図情報として、ユーザと関連性のあるエリアを表示するようにした場合、ユーザがニーズ情報を入力したいエリアに短い時間で到達できる。
【0035】
ユーザは、端末装置1に表示された電子地図31に自分のニーズ情報32、つまり施設を出店してほしい場所の位置情報を入力する(ステップS4)。ユーザは、電子地図上で次の方法により出店してほしい場所を指定(入力)する。
【0036】
1.クリック位置指定
電子地図上に表示されている建物や位置をクリックするピンポイントの指定
2.円指定
電子地図上でクリックした場所を中心として半径を指定した円
3.多角形指定
任意の頂点を指定した多角形によるエリア指定
4.町丁字指定
地図上のクリックした町丁字(メッシュ状区画の場合は一区画を指定)
5.駅指定
最寄り駅や乗降駅を中心としたエリア指定
【0037】
図5の例は、クリック位置指定により場所が指定されたニーズ情報32の表示例である。この例では、ユーザニーズ入力画面30の左側に指定方法を示すアイコンが配列されている。また、画面右側にはニーズ情報32の条件を示す詳細設定欄33が表示されている。詳細設定欄33の項目の例としては、場所との関連性(入力エリアとユーザとの関係性)、希望施設の業種、駐車場の有無、営業時間、出店希望時期、その他、公開/非公開33Aがある。公開/非公開33Aは、自分が入力したニーズ情報を他のユーザも閲覧できるかどうかの指定を可能とするものである。
【0038】
ユーザは、ニーズ情報32について、位置情報に加え、少なくとも出店して欲しい業種を1つ以上選択し入力する。WWWサーバ2は、登録ボタン33Bがクリックされたことを検出するとニーズ情報の登録を完了し、登録されたニーズ情報32の位置情報とニーズ属性情報をユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bに保存する(ステップS5)。
【0039】
ここで、ユーザの入力エリア設定(図3参照)及び指定方法(図5参照)によってニーズ情報の信頼度が変わるので、電子地図上に凡例で区別して表示するなど、視覚的に識別できるようにしておくことが望ましい。視覚的に容易に区別できるようにすることで、ニーズ情報の信頼性を直感的に把握できる。
【0040】
例えば、クリック位置指定の場合で、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能のとき星形35A、指定した場所のみ入力可能のとき三角形35B、そして入力エリア規制なしのとき四角形35Cなどように図形で表現する。
【0041】
また、それ以外の指定方法による場合には、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能のとき格子模様36A、指定した場所のみ入力可能のとき横線模様36B、そして入力エリア規制なしのとき斜線模様36Cなどのように模様で区別する。
【0042】
さらには、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能のとき「赤」、指定した場所のみ入力可能のとき「青」、そして入力エリア規制なしのとき「黄」というように、色分けするとより区別しやすくなる。
【0043】
他の例として、多角形指定によるエリア指定後の電子地図の表示例を図6に示す。図6の電子地図40上に表示されたニーズ情報41は、多角形かつ格子模様であるから、クリック位置指定以外の方法で入力され、かつ、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能であることを示している。多角形指定の場合、ポインタ42を電子地図上の任意の位置に移動させてクリックすることで角が指定される。そして、この処理を4回以上実施して3箇所以上の角を指定することにより多角形の指定が行える。ここで、最後のクリック位置は始点と一致しており、多角形を閉じる処理に相当している。なお、ニーズ情報41を登録した後は、ポインタ42を表示しないようにしてもよい。
【0044】
なお、ユーザニーズ入力画面30には、表示する電子地図の範囲を指定した方向へ移動可能にするカーソルキー34A、並びに、拡大及び縮小を可能にするズームキー34Bが配設されている。ユーザはこれらのキーを操作することにより、所望のエリアが所望の大きさで表示されるので、適切な出店候補地の指定が行える。これらカーソルキー34A及びズームキー34Bはいわゆるソフトウェアで実現されたキーである。
【0045】
チェックボックス37は、すべての公開ニーズ情報を表示するか否かを選択するためのものである。このチェックボックス37をチェックすると、現在表示している電子地図に含まれる他のユーザの公開を許可されたニーズ情報(公開ニーズ情報)を表示する。「自分の入力したニーズ情報のみ/全てのニーズ情報を表示する」を指定することにより表示切替を可能とする。
【0046】
WWWサーバ2は、ニーズ情報32の位置情報及びニーズ属性情報の登録が終了後、ニーズ情報32を入力画面ではない通常の電子地図上に表示し(ステップS6)、一連の処理を終了する。
【0047】
上記ステップS3の判定処理において、WWWサーバ2は、ユーザにより「既に入力されているニーズ情報を閲覧する」が選択されたことを検出すると、次に、端末装置1に対して自分のニーズ情報又は他ユーザのニーズ情報のいずれを表示するかを問うメッセージを送る(ステップS7)。
【0048】
ユーザが、自分のニーズ情報のみ表示することを選択した場合、WWWサーバ2は、ユーザ情報管理部4Aからそのユーザのみのユーザ情報と、ユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bから地図サーバ3を介してそのユーザが入力したユーザニーズエリア・位置情報を取得し、それぞれを端末装置1に送る。端末装置1は、WWWサーバ2からそのユーザのユーザ情報とそのユーザが入力したユーザニーズエリア・位置情報のみ電子地図上に表示する(ステップS8)。
【0049】
一方、ステップS7の判定処理において、ユーザが、チェックボックス37をチェックし他ユーザのニーズ情報を表示することを選択した場合、WWWサーバ2は、ユーザ情報管理部4Aから他ユーザのユーザ情報と、ユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bから地図サーバ3を介して他ユーザが入力したユーザニーズエリア・位置情報を取得し、それぞれを端末装置1に送る。端末装置1は、WWWサーバ2から他ユーザのユーザ情報と他ユーザが入力したユーザニーズエリア・位置情報を電子地図上に表示する(ステップS9)。
【0050】
図7に、「すべての公開ニーズ情報を表示する」をON(チェックボックス37をチェックする)にした電子地図の表示例を示す。本例の電子地図50には、ユーザが入力したニーズ情報32(星形)及びニーズ情報41(多角形)に加え、他のユーザが入力し「公開」可能なニーズ情報をすべて表示する。この例では、他のユーザが入力したニーズ情報51(円)と、1つの星形のニーズ情報、2つの三角形のニーズ情報、2つの四角形のニーズ情報が表示されている。
【0051】
WWWサーバ2は、電子地図50上の任意のニーズ情報がクリックされたことを検出すると、指定されたニーズ情報のニーズ属性情報をユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bから取得し、端末装置1に送る。端末装置1は受信したニーズ属性情報を電子地図上に表示する(ステップS10)。
【0052】
図8は、他ユーザのニーズ情報を表示したユーザ情報参照画面の表示例を示すものである。ユーザ情報参照画面60に表示された電子地図61に、他ユーザのニーズ情報62(星形)が指定されている。ここで、ニーズ情報62にポインタを合わせてクリックすると、ニーズ情報62と関連づけて登録されているニーズ属性情報63がポップアップ表示される。ニーズ属性情報63には、賛同ボタン63Aが設けられている。WWWサーバ2は、賛同ボタン63Aが押下されたかどうかを検出することで、表示しているニーズ情報に対する賛同の有無を判定する(ステップS11)。
【0053】
他人が入力した出店候補地のエリアに対して自分も同意見の場合、その位置情報に対する賛同ボタン63Aを表示し、ユーザはそれをクリックすることで同一データを入力する手間を省くことを可能とする。なお、重複を避けるため、一人のユーザが一つのニーズ情報に賛同できるのは一回だけにする。
【0054】
ユーザが他ユーザのニーズ情報に賛同して賛同ボタン63Aをクリックすると、WWWサーバ2は、表示されているニーズ情報62に対する賛同があったことを検知し、賛同数を+1としてユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bに保存する(ステップS12)。図8の例では、参加した数に2人とあるので、ニーズ情報62(位置情報及びニーズ属性情報(レンタルビデオ店、駐車場有、24時間営業))を希望するユーザが2人登録されていることがわかる。そして、ステップS11の判定処理から所定時間経過後、もしくは上記賛同処理が終了後、ニーズ属性情報を閉じて(ステップS13)、ステップS6のニーズ情報が表示された電子地図を表示する。
【0055】
図8のユーザ情報参照画面においても、図5と同様に、模様や色塗りによりニーズ情報を区別して表示する。賛同があるかどうかで電子地図上の凡例も変更する。例えば、賛同数が0の場合、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能のとき星形64A、指定した場所のみ入力可能のとき三角形64B、そして入力エリア規制なしのとき四角形64Cなどのように区別する。一方、賛同数が1つでもある場合、ニーズ情報を形成している図形の枠を太くして表示する。例えば、自宅・通勤/通学先周辺のみ入力可能のとき太線の星形65A、指定した場所のみ入力可能のとき太線の三角形65B、そして入力エリア規制なしのとき太線の四角形65Cなどのように表示する。さらに、色分けをするとより区別しやすくなる。
【0056】
DBサーバ4では、上述したユーザニーズ登録/ニーズへの賛同処理によってユーザ情報管理部4A及びユーザニーズエリア・位置情報管理部4Bのそれぞれに登録された、ユーザ情報及びユーザニーズエリア・位置情報と、さらに、予め設定されて重み情報管理部4Cに保存されている重み値を用いて、町丁字/メッシュ単位集計部4Dが町丁字又はメッシュ単位で重み値の集計を実施する。そして、得られた集計情報は、ユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eに保存される。このユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eは、町丁字/メッシュ単位集計情報(色塗り地図を構成するための情報)を、地図サーバ3の地図配信サービス部3Aに供給する。地図配信サービス部3AはWWWサーバ2の要求に応じて、町丁字/メッシュ単位集計情報と電子地図を合成してWWWサーバ2へ送信する。また、詳細集計情報(集計データ)は、WWWサーバ2からの要求に応じてDBサーバ4からWWWサーバ2へ随時送信される。
【0057】
次に、ユーザニーズを集計した閲覧用地図サービス(企業が利用)の提供について説明する。
本サービスは、ユーザが入力したニーズ情報を町丁字やメッシュ単位で集計を行い、集計により得られた情報(データ)を企業側などの特定のユーザが参照できるサービスを提供するものである。
【0058】
図9は、ニーズ情報収集システムにおけるユーザニーズ集計データ表示処理を示すフローチャートである。図2のユーザニーズ登録/ニーズへの賛同処理で入力されたユーザごとの出店希望状況を、町丁字やメッシュなど予め設定されたエリア(地図単位)ごとに希望数の集計を行う。そして、その集計された数値を用いてエリアごとに色分けを行った電子地図を企業側ユーザに提供する。
【0059】
まず、企業側ユーザは、端末装置5を用いてWWWサーバ2のユーザニーズ集計閲覧サイト2Bにアクセスする。端末装置5がユーザニーズ集計閲覧サイト2Bにアクセスすると、WWWサーバ2は、図10に示すような集計データ閲覧画面70を端末装置5に送る。端末装置5は受信した集計データ閲覧画面70を表示する。企業側ユーザは端末装置5に表示された集計データ閲覧画面70によりニーズ情報の条件を入力する(ステップS21)。例えば、集計データ閲覧画面70には設定項目として、業種(必須)、駐車場の有無、営業時間、出店希望時期、性別、年代、婚暦、入力期間等がある。
【0060】
企業側ユーザが集計データ閲覧画面70上の地図表示ボタン74をクリックすると、WWWサーバ2は入力された条件を端末装置5から取得し、その条件にあった町丁字/メッシュ単位集計情報が反映された電子地図(色塗り地図)を地図サーバ3へ要求する。そして、WWWサーバ2は、上記条件にあった色塗り地図を地図サーバ3から取得し、端末装置5へ送る。端末装置5は、地図サーバ3から取得した色塗り地図を表示画面に表示する(ステップS22)。
【0061】
ここで、町丁字/メッシュ単位集計について説明する。本実施形態では、任意のニーズ情報に対する集計データの信頼性を高めるため、地図単位の集計は、下記の項目を考慮した重み値を利用して集計される。
【0062】
(1)ニーズ情報(出店希望地)の指定方法
(2)登録ユーザと出店希望地との関連性(居住者、通勤/通学、その他等)
(3)ニーズ情報に対する他ユーザによる賛同数
【0063】
このように、予め各項目の重み値を設定しておき、設定した重み値の値は、重み情報管理部4Cに記憶させておく。
【0064】
例えば、項目(1)の出店希望地の指定方法に基づく重み値の優先順位としては、一例としてクリック位置指定による位置指定、駅指定、町丁字及びメッシュ単位の位置指定、円及び多角形による位置指定の順が考えられる。円指定と多角形指定はほぼ同レベルの重み値とする。なお、駅から何メートルという指定も円指定とほぼ一緒の重み値とする。
【0065】
また、項目(2)におけるニーズ情報を登録したユーザのその地域に対する関係度合い(居住者、通勤/通学、その他等)に基づく重み値の優先順位は、居住者、通勤/通学、その他の順とする。よりユーザの生活圏に近い場合に重み値を大きくする。
さらに、項目(3)のニーズ情報に対する他ユーザによる賛同数に基づく重み値は、賛同数が多い場合の重み値を大きくする。賛同数が所定の閾値を超えた場合、閾値以下の場合と比較して重み値の増加率を大きくするようにしてもよい。ただし、ユーザは生活圏外のニーズ情報に賛同することがあり、そのような場合には定期的な利用を見込めないこともある。したがって、出店候補地を生活圏外とするユーザによる賛同の場合、その重み値を小さくするようにしてもよい。
【0066】
上記項目(1)〜(3)を加味して重み値の集計を行うことにより、例えば、エリアを限定した位置指定がなされ、かつ、ユーザの生活圏に近く、賛同数の多いニーズ情報は、出店後のユーザの利用が高い確度で見込めるので重み値を大きくする等の設定が可能になる。
【0067】
そして、町丁字/メッシュ単位集計部4Dにおいて、上記重み値を考慮して対象とするニーズ情報の重み値を集計する。この重み値の集計処理をある一つのエリア(町丁字/メッシュ単位)に含まれる全ニーズ情報について行う。さらに、一つのエリアに含まる全ニーズ情報についての集計処理を、電子地図が網羅する各エリアについて行い、その集計した結果をユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eに保存する。
【0068】
円、多角形等の領域で指定されたニーズ情報(出店希望地)が複数のエリア(地図単位)にまたがる場合、上記領域と重なっている部分の各エリアの面積に応じて重み値を案分する。例えば、多角形指定されたニーズ情報がA町とB町という2つの町にまたがる場合を考える。このニーズ情報は、A町とB町のいずれにも含まれるため、A町とB町のいずれを選択しても当該ニーズ情報が表示され、2つの町において重み値の集計の対象となる。このような場合は、A町に含まれる多角形の面積と、B町に含まれる多角形の面積の比をとり、その面積比に応じて重み値をA町とB町に振り分けるようにするとよい。
【0069】
図9のフローチャートの説明に戻る。ステップS22の処理後、企業側ユーザは、重み値を用いた詳細な集計情報(集計データ)を表示するか否かを選択する(ステップS23)。WWWサーバ2は、いずれが選択されたかを判定し、重み値による集計データを表示する場合にはステップS24に進み、重み値による集計データを表示しない場合にはステップS27に移行する。
【0070】
企業側ユーザは、重み値を用いた詳細な集計情報(集計データ)を表示させたい場合、電子地図上の所望の町丁字、メッシュ(地図単位)にポインタを合わせてクリックする(ステップS24)。WWWサーバ2は、電子地図上の地図単位がクリックされたことを検出し、クリックされた地図単位に対応する集計データをDBサーバ4に要求する。WWWサーバ2は、DBサーバ4のユーザニーズエリア・集計情報管理部4Eから要求した集計データを取得して、端末装置5へ送る。端末装置5は、DBサーバ2から受信した集計データを現在表示している電子地図71に重ねて表示する(ステップS25)。
【0071】
図10の例では、集計データ閲覧画面70の電子地図71上に、選択された集計情報72と同時に集計データ73が吹き出し形式で表示されている。集計データ73は、集計情報72に含まれる複数のニーズ情報のすべてについて、指定方法及び入力エリアに応じて設定された重み値を集計して得られた結果の内訳である。
【0072】
WWWサーバ2は、他の地図単位の集計データを参照するかどうか、ユーザに問うメッセージを端末装置5に表示する(ステップS26)。WWWサーバ2は、いずれが選択されたかを判定し、他の地図単位の集計データを表示する場合にはステップS24に進み、重み値による集計データを表示しない場合にはステップS27に移行する。
【0073】
ステップS26の処理が終了後、ユーザは、入力画面70の左側に表示されたニーズ情報の条件を変更して新たな電子地図を表示するかどうかを判断する(ステップS27)。ニーズ情報の条件を変更して新たに電子地図を表示する場合、ステップS21に移行して表示したいニーズ情報の条件を入力する。また、ニーズ情報の条件の変更を希望しない場合は一連の処理を終了する。
【0074】
上記のように、企業側ユーザは、集計地図単位の各図形(町丁字やメッシュ等)ごとに集計データを参照することができる。
【0075】
なお、あるエリアに含まれる全ニーズについて重み値の集計を行うと説明したが、この例に限られるものではない。例えば、全ニーズ情報について重み値の集計を行うのではなく、任意のエリア内における所定の条件を満たすニーズ情報について重み値を集計し、これと同じ条件を他のエリアにも適用して全エリアのニーズ情報の重み値を集計するようにしてもよい。例えば、あるエリア内のニーズ情報のうち、位置指定されたニーズ情報に関して重み値の集計を行うと、位置指定されたニーズ情報について、「自宅周辺」、「特定地域」、「制限なし」の各条件の重み値が集計される。この場合、図10の集計データ閲覧画面70の集計データ73には、「指定方法」及び「入力エリア」の全条件が表示されるのではなく、位置指定に対する「自宅周辺」、「特定地域」、「制限なし」の各集計結果のみが表示される。
【0076】
また、上記集計情報(色塗り地図)及び集計データの絞り込み条件として、ユーザ情報(性別、年代、婚暦等)を指定すると、ユーザプロファイルとして登録されている属性ごとに集計することができる。また、集計期間の指定(いつからいつまでに入力された情報で集計するかの指定)をできるようにしてもよい。
【0077】
次に、電子地図と連動したアンケートサービス(企業が利用)の提供について説明する。
図11は、出店予定エリア入力画面の表示例を示すものである。企業側ユーザは、端末装置5を操作してWWWサーバ2のユーザニーズ集計閲覧サイト2Bにアクセスし、端末装置5に出店予定エリア入力画面80を表示させる。本実施形態に係る出店予定エリア入力画面80は、画面中央に電子地図81、画面左側に業種指定欄83、出店候補地指定方法選択欄84、アンケート対象ユーザ指定欄85、アンケート実施期間指定欄86及び設定内容を確定するための設定ボタン87という画面構成である。
【0078】
企業側ユーザは、出店予定エリア入力画面80に対し、自社の業種を選択するとともに、出店を計画している出店候補地82を電子地図81上で指定し、WWWサーバ2に公開する。本サービスでは、公開されている出店候補地について、入力した企業の業種の店舗が出店することによる賛否意見を、出店候補地の周辺住民や訪問者から収集できることが期待される。
【0079】
出店予定エリア入力画面80において、意見収集の対象ユーザをユーザの関連住所や利用する鉄道路線から絞り込み、そのユーザのみ意見を入力可能とすることで制限をかけることもできる。既に述べたように、ユーザは予め居住地や勤務先、利用する鉄道路線情報などを登録しておくことが望ましい。入力する住所は町丁字名レベルの精度でよい。アンケートを収集したい対象ユーザの条件を選択することにより、条件に一致したユーザの意見のみ収集することができる。条件に該当するユーザに対して、WWWサーバ2よりユーザが初期登録をしたメールアドレスにアンケート回答依頼を出すことができるようにしてもよい。
【0080】
また、本実施形態において、指定された出店候補地への出店に反対意見のユーザに対して、どの場所であればよいかを電子地図上で指定させる仕組みも提供するようにしてもよい。
【0081】
また、本サービスは出店候補地を登録する企業に対して利用料を徴収することも可能とする。また本仕組み自体を個別に個々の企業に対して販売できるものとしてもよい。
【0082】
出店候補地を登録した企業は随時アンケート回答状況を確認することができる。例えば、WWWサーバ2のユーザニーズ集計閲覧サイト2Bに各企業の専用ページを用意し、企業側ユーザが企業ごとに設けられた専用ページにてアンケートの集計状況を確認できるようにする。企業側は、収集されたアンケートを出店計画の参考資料とすることができる。
【0083】
図12は、アンケート回答画面の表示例である。企業が指定した条件に該当するユーザのみが回答する権利を持ち、電子メールもしくはウェブサイト上でアンケート回答依頼があることを通知することができる。
【0084】
本実施形態に係るアンケート回答画面90は、画面中央に電子地図91、画面上部にアンケート内容92、画面左側に賛成欄93、反対欄94及び回答内容を確定するためのアンケート回答ボタン95という画面構成となっている。反対欄94には、理由欄94A、代替出店候補地の入力方法指定欄94Bが設けられている。
【0085】
アンケート内容92を見たユーザは、アンケート内容92に対して賛成/反対を選択することができ、反対の場合はそれに対する理由及び他に出店を希望するエリアを電子地図91上で指定することができる。
【0086】
以上説明した実施形態によれば、企業にとっては出店候補地の周辺住民や訪問者など、その土地、地域に関連性をもつ人々の出店ニーズを把握することができれば、今までの事前調査として行われてきたエリアマーケティングによる検証結果に「ニーズ情報」という裏づけを付すことが可能となる。それによって、不要な出店を実施するという無駄がなくなる。
【0087】
本実施形態に係るニーズ情報収集システムによって得られたデータと、従来のエリアマーケティングを関連づけることにより新たな分析が可能になる。例えば、あるエリアにおいて、既に競合店が存在するにもかかわらす出店希望があれば、それは何らかの原因があるという考え方ができる。
【0088】
また、ユーザの生活圏に対する出店希望業種を電子地図上でユーザ自身が入力することが可能になるので、従来企業による一方的な店舗の出店であったのに対し、今後はネットワーク上で企業との仮想的な合意形成を行うことができる。
【0089】
また、ユーザは、「自分の街」に対する声や不便さをアピールし、地域商業活性化へ参加することができる。
【0090】
なお、本実施形態に係るシステムは民間企業の出店計画のみならず、公園や公民館などの公共施設の配置計画に対しても活用できることは勿論である。
【0091】
また、上述した実施形態例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置(サーバ)に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0092】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いることができる。
【0093】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態例の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係るニーズ情報収集システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るユーザニーズ登録/ニーズへの賛同処理例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係るユーザ情報入力画面例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るユーザ情報確認画面例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るユーザニーズ入力画面例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る多角形指定によるエリア指定後の電子地図例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る公開ニーズ情報を表示した電子地図例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るユーザ情報参照画面例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るユーザニーズ集計データ表示処理例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る集計データ閲覧画面例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る出店予定エリア入力画面例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るアンケート回答画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1…端末装置、2…WWWサーバ、2A…ユーザニーズ登録サイト、2B…ユーザニーズ集計閲覧サイト、3…地図サーバ、3A…地図配信サービス部、4…DBサーバ、4A…ユーザ情報管理部、4B…ユーザニーズエリア・位置情報管理部、4C…重み情報管理部、4D…町丁字/メッシュ単位集計部、4E…ユーザニーズエリア・集計情報管理部、10…ユーザ情報入力画面、11…入力エリア設定欄、20…ユーザ情報確認画面、21…設定可能エリア、30…ユーザニーズ入力画面、32…ニーズ情報(位置指定)、33…詳細設定欄、40…電子地図(ニーズ情報表示)、41…ニーズ情報(多角形)、50…電子地図(公開ニーズ情報表示)、51…ニーズ情報(円)、60…ユーザ情報参照画面、62…ニーズ情報(賛同あり)、63…ニーズ属性情報、70…集計データ閲覧画面、72…集計情報、73…集計データ(詳細集計情報)、80…出店予定エリア入力画面、82…出店候補地、90…アンケート回答画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性情報及び出店希望地を含むニーズ情報を入力するための入力画面をネットワーク上に公開し、ユーザからの入力を受け付けるユーザニーズ登録手段と、該ユーザニーズ登録手段に入力された各情報を収集するニーズ情報収集手段と、から構成されるニーズ情報収集システムにおいて、
前記ニーズ情報収集手段は、前記ネットワークを介して前記ユーザニーズ登録手段より送信されたユーザの属性情報を記憶するユーザ情報管理部と、
前記ユーザニーズ登録手段より送信された前記ユーザのニーズ情報を電子地図情報と関係づけて記憶するニーズ管理部と、
ニーズ情報の指定方法、出店希望地とユーザとの関係性、及びニーズ情報に対する賛同数の1以上の組合せに基づき予め設定された重み値を記憶する重み情報管理部と、
前記重み情報管理部に記憶された重み値を用いて、電子地図情報上の任意のエリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する処理を、前記電子地図情報上の各エリアについて行うニーズ集計部と、
前記ニーズ集計部より得られる各エリアの集計情報を記憶するニーズ集計情報管理部と、
指定されたエリアに対応する集計情報を前記ニーズ集計情報管理部から抽出し、該抽出した集計情報を前記電子地図情報上の前記指定されたエリアと合成する地図生成部と、
を備える、
ことを特徴とするニーズ情報収集システム。
【請求項2】
ネットワークを通じて入力されたユーザの属性情報を記憶するユーザ情報管理部と、
前記ネットワークを通じて入力された前記ユーザの出店希望地を含むニーズ情報を電子地図情報と関係づけて記憶するニーズ管理部と、
ニーズ情報の指定方法、出店希望地とユーザとの関係性、及びニーズ情報に対する賛同数の1以上の組合せに基づき予め設定された重み値を記憶する重み情報管理部と、
前記重み情報管理部に記憶された重み値を用いて、電子地図情報上の任意のエリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する処理を、前記電子地図情報上の各エリアについて行うニーズ集計部と、
前記ニーズ集計部より得られる各エリアの集計情報を記憶するニーズ集計情報管理部と、
指定されたエリアに対応する集計情報を前記ニーズ集計情報管理部から抽出し、該抽出した集計情報を前記電子地図情報上の前記指定されたエリアと合成する地図生成部と、を備える、
ことを特徴とするニーズ情報収集サーバ。
【請求項3】
前記集計された重み値に応じて前記電子地図情報上の各エリアの集計情報の表示形態を変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項4】
前記指定されたエリアの集計情報の詳細内容を、前記指定されたエリアと合成して表示された集計情報と同時に、前記電子地図情報上に表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項5】
前記電子地図情報上に領域で指定されたニーズ情報が複数のエリアにまたがる場合、前記領域と重なっている部分の各エリアの面積に応じて前記ニーズ情報の重み値を案分する、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項6】
少なくとも指定されたエリア情報に対応して前記電子地図情報上表示される各エリアの集計情報を切り換える、
ことを特徴とする請求項4に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項7】
入力された前記ユーザの属性情報に含まれる入力エリア情報に基づいて、前記ユーザが前記電子地図情報と関連づけて前記ニーズ管理部に記録できるニーズ情報のエリアを制限する、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項8】
ウェブサーバを通じて行われた任意のユーザからの要求に応じて、電子地図情報と関連づけて記憶された前記ユーザ以外のニーズ情報を、前記ニーズ管理部から読み出して要求元のウェブサーバに送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項9】
前記ユーザ以外のニーズ情報とともに該ニーズ情報に対する賛同情報を前記ウェブサーバに送信し、前記電子地図情報と関連づけられた前記ニーズ情報及び前記賛同情報をネットワーク上に公開させる、
ことを特徴とする請求項8に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項10】
前記ウェブサーバにより前記ネットワーク上に公開された入力画面に表示されるニーズ情報に対する賛同機能が選択されたことを受信した場合、前記ニーズ情報と前記賛同機能が選択された累積回数とを対応づけて前記ニーズ管理部に記憶する、
ことを特徴とする請求項9に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項11】
ウェブサーバに入力された出店予定情報を受信し、少なくとも前記出店予定情報に含まれる出店候補地とユーザとの関係度合いに応じて前記ニーズ管理部よりユーザを抽出して前記ウェブサーバに送信し、前記ウェブサーバに対し前記抽出したユーザにのみ回答権を付与したアンケートをネットワーク上に公開させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項12】
ウェブサーバに入力された出店予定情報を受信し、少なくとも前記出店予定情報に含まれる出店候補地とユーザとの関係度合いに応じて前記ニーズ管理部よりユーザを抽出して前記ウェブサーバに送信し、前記ウェブサーバに対し前記抽出したユーザの電子メールアドレスに宛てたアンケートの送信を行わせる、
ことを特徴とする請求項2に記載のニーズ情報収集サーバ。
【請求項13】
ネットワークを通じて入力されたユーザの属性情報をユーザ情報管理部に記憶するステップと、
前記ネットワークを通じて入力された前記ユーザの出店希望地を含むニーズ情報を電子地図情報と関係づけてニーズ管理部に記憶するステップと、
ニーズ情報の指定方法、出店希望地とユーザとの関係性、及びニーズ情報に対する賛同数の1以上の組合せに基づき予め設定された重み値を用いて、電子地図情報上の任意のエリアに含まれるニーズ情報の重み値を集計する処理を、前記電子地図情報上の各エリアについて行うステップと、
指定されたエリアに対応する集計情報を、各エリアの集計情報の中から抽出するステップと、
抽出した集計情報を前記電子地図情報上の前記指定されたエリアと合成するステップと、を備える、
ことを特徴とするニーズ情報収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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