説明

ニードルレスサンプリングポート

【課題】かさばらないニードルレスサンプリングポートを提供する。
【解決手段】サンプリングポート100は、筐体110とバルブアセンブリ130とを含む。筐体110は、流体が通り抜ける内部通路を含み、内部通路と流体連通するポートを画定する。バルブアセンブリ130は、筐体のポートに隣接して取り付け可能であり、貫通するチャンネル124を有するベゼル120と、ベゼル120に隣接して取り付けられた嚢150とを含む。嚢150は、嚢ベースと、嚢ベースから延在し、ベゼルのチャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる嚢ステムとを含む。嚢ステムは、ベゼル120のチャンネル124内において、バルブアセンブリ130を通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、流体経路がバルブアセンブリ130を通して確立され、該流体経路が筐体の該内部通路と流体連通する第2の位置との間で可動である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は概して、流体サンプリングポートに関し、より詳細には、ニードルレス流体サンプリングポートに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
実験室での分析のために患者の膀胱をドレーンして尿サンプルを収集するカテーテル処置は、当該技術分野で周知である。尿収集システムは通常、収集/排液デバイスに接続される尿カテーテルを含む。一部の場合、実験室での分析のためのサンプルを取得するために、サンプルは、注射器または皮下ニードルを使用して抜き取られ、これら注射器または皮下ニードルは、ドレーンチュービングの壁を通して挿入される。他の場合においては、サンプルは、収集バッグのゴムポートを突き通すことによって、または出口ポートを介して収集バッグから流体をドレーンすることによって取得される。このようなサンプリング技術は、医療職員をニードル刺し傷および尿との接触に晒す可能性がある。さらに、このようなサンプリング技術は、収集システム内において流体が汚染され、したがって患者を感染に晒すという危険が伴う可能性がある。
【0003】
さらに、様々なニードルレスサンプリングポートが使用され得る。しかしながら、これらのニードルレスサンプリングポートは多くの部品を含み、これら多くの部品は故障することがあり、より複雑であり、製造に費用がかさむ。また、このようなニードルレスサンプリングポートは、かさばる傾向があり、使用中に物体に当ったりまたはもつれたりし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本開示の実施形態に従って、生物学的流体配分システムにおける使用のためのサンプリングポートが提供され、このサンプリングポートは筐体を含み、この筐体は、生物学的流体が通り抜ける内部通路を有し、該内部通路と流体連通するポートを画定する。該サンプリングポートはさらに、該筐体の該ポートに隣接して取り付け可能なバルブアセンブリを含む。バルブアセンブリは、ベゼルであって、該ベゼルを貫通するチャンネルを有するベゼルと、該ベゼルに隣接して取り付けられた嚢とを含む。該嚢は、外周嚢ベースと、該嚢ベースから延在する内側嚢ステムとを含む。該内側嚢ステムは、該ベゼルの該チャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる。該嚢ステムは、該ベゼルの該チャンネル内において、該バルブアセンブリを通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、流体経路が該バルブアセンブリを通して確立され、該流体経路が該筐体の該内部通路と流体連通し、それによって該ポートを通る流体サンプルの取り出しを可能にする第2の位置との間で可動である。該嚢ベースは少なくとも1つの開口部を含み、該少なくとも1つの開口部は、嚢ステムが該嚢ステムの第2の位置にある場合に該流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさとされる。
【0005】
一実施形態において、前記嚢ステムが前記第1の位置にある場合、前記嚢ベースは、前記ベゼルと少なくとも部分的に接触する関係にあり得、それによって、前記少なくとも1つの開口部が該ベゼルに対して実質的に閉じられている。しかしながら、前記嚢ステムが前記第2の位置ある場合、前記嚢ベースは、少なくとも部分的に変位しており、それによって、前記少なくとも1つの開口部が、前記ベゼルから間隔が置かれ、流体が該少なくとも1つの開口部を通り抜けることを可能にする。
【0006】
一実施形態において、前記ベゼルは、少なくとも1つの内部リブを含み得、該少なくとも1つの内部リブは、前記チャンネルを取り囲み、前記嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する。前記嚢ステムはノッチ付きセグメントを含み得、該ノッチ付きセグメントは、該嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記内部リブと流体連通することによって、前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にする。さらに、前記嚢ベースは弾性材料を含み得、前記嚢ステムが該嚢ステムの第2の位置に向かって移動すると伸びるような大きさと適合性を有している。
【0007】
別の実施形態において、前記ベゼルの前記チャンネルは、注射器の先端セグメントを受け入れるような大きさを有する。該注射器の先端セグメントは、前記嚢ステムと係合して、該嚢ステムを該嚢ステムの前記第2の位置に移動させる。前記嚢ベースは複数の開口部を含み得、該複数の開口部は、前記嚢ステムが該嚢ステムの第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する。前記嚢ベースと前記ベゼルとは、前記嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体を収容するためのリザバを画定し得る。前記筐体は、前記ポートに隣接した筐体窪みセグメントを含み得る。前記バルブアセンブリは、該筐体窪みセグメント内に少なくとも部分的に受け入れられる。
【0008】
一実施形態において、前記ベゼルは、前記バルブアセンブリに隣接した第1の内側表面と、第2の外側表面とを含み得る。前記チャンネルは、該内側表面および外側表面を貫通する。前記ベゼルの前記内側表面は外周窪みを含み得、前記嚢ベースは、該外周窪み内に受け入れられるための大きさを有する外周リングを含み得る。
【0009】
本開示の別の局面に従って、生物学的流体配分システムにおける使用のためのサンプリングポートが提供され、このサンプリングポートは、筐体であって、長手方向の軸を画定し、生物学的流体が通り抜ける内部の長手方向の通路を有する筐体と、該内部の通路と流体連通するポートを画定するバルブ筐体セグメントとを含む。該サンプリングポートはさらに、該筐体の該バルブ筐体セグメント内に取り付け可能なバルブアセンブリを含む。該バルブアセンブリは、ベゼルと嚢とを含む。該ベゼルは、第1の内側表面と、相対する第2の外側表面とを含む。さらに、該ベゼルはチャンネルを画定し、該チャンネルは、配分システムの注射器の先端の受け入れのために、第1の表面および第2の表面を貫通する。該ベゼルはさらに、複数の軸方向の窪みを画定し、該複数の軸方向の窪みは、該チャンネルの軸の周りに同軸に配列され、かつ該第1の内側表面に隣接して配置される。嚢は、該ベゼルの該第1の内側表面に隣接して取り付けられた外周嚢ベースと、該ベゼルの該第2の外側表面に向かって該嚢ベースから延在し、該ベゼルの該チャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる内側嚢ステムとを含む。該嚢ベースは、該嚢ベースを貫通する複数の開口部を含む。該嚢ステムは、ステム壁を含み、該嚢ベースから離された該ステム壁内のノッチを有する。該嚢ステムは、該ベゼルの該チャンネル内において、注射器の先端を受け入れると、実質的に流体の流れを妨げる第1のシール位置から、第2の開いた位置へ可動であり、該第2の位置において、該嚢ベースの該開口部を通り、該ベゼルの該軸方向の窪みを通り、そして該嚢ステムの該ノッチを通る流体経路が確立されることにより、該注射器の先端を通る流体サンプリングの取り出しが可能となる。
【0010】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
【0011】
(項目1)
筐体であって、流体が通り抜ける内部通路を有し、該内部通路と流体連通するポートを画定する筐体と、
該筐体の該ポートに隣接して取り付け可能なバルブアセンブリと
を備えている、サンプリングポートであって、
該バルブアセンブリは、
ベゼルであって、該ベゼルを貫通するチャンネルを有するベゼルと、
該ベゼルに隣接して取り付けられた嚢とを含み、該嚢は、外周嚢ベースと、該嚢ベースから延在し、該ベゼルの該チャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる内側嚢ステムとを含み、該嚢ステムは、該ベゼルの該チャンネル内において、該バルブアセンブリを通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、流体経路が該バルブアセンブリを通して確立され、該流体経路が該筐体の該内部通路と流体連通し、それによって該ポートを通る流体サンプルの取り出しを可能にする第2の位置との間で可動であり、該嚢ベースは少なくとも1つの開口部を含み、該少なくとも1つの開口部は、該嚢ステムが該嚢ステムの該第2の位置にある場合に該流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、
サンプリングポート。
【0012】
(項目2)
上記嚢ステムが上記第1の位置にある場合、上記嚢ベースは、上記ベゼルと少なくとも部分的に接触する関係にあり、それによって、上記少なくとも1つの開口部が該ベゼルに対して実質的に閉じられている、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0013】
(項目3)
上記嚢ステムが上記第2の位置ある場合、上記嚢ベースは、少なくとも部分的に変位しており、それによって、上記少なくとも1つの開口部が、上記ベゼルから間隔が置かれ、流体が該少なくとも1つの開口部を通り抜けることを可能にする、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0014】
(項目4)
上記ベゼルは、上記チャンネルを取り囲む少なくとも1つの内部リブを含み、該少なくとも1つの内部リブは、上記嚢ステムが上記第2の位置にある場合に上記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0015】
(項目5)
上記嚢ステムはノッチ付きセグメントを含み、該ノッチ付きセグメントは、該嚢ステムが上記第2の位置にある場合に上記少なくとも1つの内部リブと流体連通し、上記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にする、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0016】
(項目6)
上記嚢ベースは弾性材料を含み、該嚢ベースは、上記嚢ステムが該嚢ステムの上記第2の位置に向かって移動すると伸びるような大きさと適合性を有している、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0017】
(項目7)
上記ベゼルの上記チャンネルは、注射器の先端セグメントを受け入れるような大きさを有し、該先端セグメントは、上記嚢ステムと係合して、該嚢ステムを該嚢ステムの上記第2の位置に移動させる、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0018】
(項目8)
上記嚢ベースは複数の開口部を含み、該複数の開口部は、上記嚢ステムが該嚢ステムの上記第2の位置にある場合に上記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0019】
(項目9)
上記嚢ベースと上記ベゼルとは、上記嚢ステムが上記第2の位置にある場合に上記流体経路の構成要素として流体を収容するためのリザバを画定する、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0020】
(項目10)
上記筐体は、上記ポートに隣接した筐体窪みセグメントを含み、上記バルブアセンブリは、該筐体窪みセグメント内に少なくとも部分的に受け入れられる、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0021】
(項目11)
上記ベゼルは、上記嚢に隣接した内側表面と、外側表面とを含み、上記チャンネルは、該内側表面および該外側表面を貫通する、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0022】
(項目12)
上記ベゼルの上記内側表面は外周窪みを含み、上記嚢ベースは、該外周窪み内に受け入れられるための大きさを有する外周リングを含む、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0023】
(項目13)
上記ベゼルは複数の軸方向の窪みを画定し、該複数の軸方向の窪みは、上記チャンネルの軸の周りに同軸に配列され、かつ上記内側表面に隣接して配置され、上記嚢ステムが上記第2の位置にある場合に上記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にする大きさを有する、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0024】
(項目14)
上記嚢ステムは、ステム壁を含み、かつ上記嚢ベースから離された該ステム壁内のノッチを有し、該嚢ステムは、上記チャンネル内で注射器の先端を受け入れると、上記ベゼルの該チャンネル内において、実質的に流体の流れを妨げる第1のシール位置から、第2の開いた位置へ可動であり、該第2の位置において、該嚢ベースの上記少なくとも1つの開口部を通り、該ベゼルの上記軸方向の窪みを通り、そして該嚢ステムの該ノッチを通る流体経路が確立されることにより、該注射器の先端を通る流体サンプリングの取り出しが可能となる、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0025】
(項目15)
上記嚢ベースは、上記嚢ステムが上記第1の位置にある場合に上記ベゼルの上記内側表面と少なくとも部分的に接触する関係にあり、それによって、上記開口部は、上記第1の内側表面に対して実質的に閉じられており、該嚢ベースは、該嚢ステムが上記第2の位置にある場合に該ベゼルの該内側表面から少なくとも部分的に変位され、それによって、該少なくとも1つの開口部は、該ベゼルから間隔が置かれることにより、該少なくとも1つの開口部を流体が通過することを可能にする、上記項目のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【0026】
(摘要)
サンプリングポートは、筐体とバルブアセンブリとを含む。筐体は、流体が通り抜ける内部通路を含み、内部通路と流体連通するポートを画定する。バルブアセンブリは、筐体のポートに隣接して取り付け可能であり、そして、ベゼルであって、該ベゼルを貫通するチャンネルを有するベゼルと、ベゼルに隣接して取り付けられた嚢とを含む。嚢は、嚢ベースと、嚢ベースから延在し、ベゼルのチャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる嚢ステムとを含む。嚢ステムは、ベゼルのチャンネル内において、バルブアセンブリを通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、流体経路がバルブアセンブリを通して確立され、該流体経路が筐体の該内部通路と流体連通する第2の位置との間で可動である。
【0027】
本開示の上記の目的および特徴および他の目的および特徴は、添付の図面と連係する所与の実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本開示による、サンプリングポートを取り込む生物学的流体収集デバイスの斜視図である。
【図2】図2は、図1の収集デバイスとの使用のためのサンプリングポートの斜視図である。
【図3】図3は、様々な構成要素が分離された図2のサンプリングポートの斜視図である。
【図4】図4は、図2のサンプリングポートの側面図である。
【図5】図5は、図2のサンプリングポートの側断面図である。
【図6A】図6A〜図6Cは、動作の様々な段階または位置における、本開示の実施形態に従うサンプリングポートの嚢の斜視図である。
【図6B】図6A〜図6Cは、動作の様々な段階または位置における、本開示の実施形態に従うサンプリングポートの嚢の斜視図である。
【図6C】図6A〜図6Cは、動作の様々な段階または位置における、本開示の実施形態に従うサンプリングポートの嚢の斜視図である。
【図7】図7は、本開示の別の局面による、図2のサンプリングポートのベゼルの斜視図である。
【図8】図8は、図2のサンプリングポートの筐体の斜視図である。
【図9】図9は、注射器に取り付けられた図5のサンプリングポートの側断面図である。
【図10】図10は、図9のサンプリングポートの部分的に拡大された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(詳細な説明)
ここで、本開示の生物学的流体収集システムの様々な実施形態が、図面を参照して詳細に記述されるが、これらの図面においては、同様の参照番号は類似の、または同一の要素を識別する。図面および図面に続く説明においては、用語「近似の」は、オペレータに最も近いデバイスまたはシステムの端を指し、一方、用語「遠位の」は、オペレータから最も遠いデバイスまたはシステムの端を指す。
【0030】
生物学的流体収集デバイスが図1に示され、参照番号10によって示される。流体収集デバイス10は、カテーテルを挿入された患者から流体を収集するために使用される。生物学的流体収集デバイス10は、サンプリングポート100と、流体収集バッグ20と、サンプリングポート100と流体収集バッグ20とを流体的に相互接続するドレーンチューブ30とを含む。流体は、移送チューブ(図示されず)を経由してサンプリングポート100を通り抜け、そしてドレーンチューブ30を経由して流体収集バッグ20の中に入る。ドレーンチューブ30は、抗逆流バルブ32を含み得、抗逆流バルブ32は、流体が収集バッグ20からドレーンチューブ30の中に逆流することを制限する。抗逆流バルブ32は、収集バッグ20に固定されることができる。流体収集バッグ20は、収集バッグ20から流体を選択的にドレーンするために放出バルブ22をさらに含み得る。さらに、収集バッグ20からの流体のドレーンを容易にするために、通気口24が提供され得、収集バッグ20の中に空気を入れる。
【0031】
ここで、図2〜4を参照すると、サンプリングポート100は、筐体110と、筐体110に取り付け可能なバルブアセンブリ130とを含む。筐体110は、長手方向の、または筐体の軸「k」および生物学的流体が筐体110を通り抜けることを可能にする長手方向のチャンネル112を画定する。筐体110は、入口端114と出口端116とを含み、各々は、流体収集デバイス10の一部分であるチュービングを受け入れるためのものである。入口端114および出口端116は、チュービングとの摩擦係合を向上させるために、隆線付きの表面を含み得るか、または段付きとされ得る。入口端114および出口端116のいずれかまたは両方は、チュービングの端を受け入れるための円周方向の壁セグメントを含み得る。
【0032】
筐体110はさらに、バルブアセンブリ130を受け入れるバルブ筐体セグメント140を含む。組み立てられた状態においては、ベゼル120は、バルブ筐体セグメント140の中の嚢150を取り囲む。バルブ筐体セグメント140は、中心ポート142を画定するように構成された横方向の環状壁118と、長手方向の壁セグメント144とを含む。中心ポート142は、筐体110の長手方向のチャンネル112と流体的に結合可能である。バルブ筐体セグメント140はさらに、長手方向の壁セグメント144内に円周方向の窪み118aを含む。円周方向の窪み118aは、バルブアセンブリ130をバルブ筐体セグメント140に取り付けることを容易にする。
【0033】
ここで、図3、図5、図6Aおよび図7を参照すると、バルブアセンブリ130は、嚢150とベゼル120とを含む。嚢150は、図6Aに最も良く示されるように、嚢ベース152と、嚢ベース152から延在する嚢ステム154とを含む。嚢ベース152は、外側リング156と、嚢ステム154と境を接する内側嚢セグメント157とを含む。少なくとも嚢ベース152の内側嚢セグメント157は、エラストマー材料または膜を含み、内側嚢セグメント157が、その組み立ておよび使用の間に伸びることを可能にする。嚢ベース152は、内側嚢セグメント157を貫通する1つ以上の開口部158を含む。開口部158は、筐体110の長手方向のチャンネル112からの流体が通ることを可能にする。嚢ステム154は、外側壁153および嚢ステム154のリモート端を貫通する流体ノッチ155を画定する。嚢ステム154は、嚢ベース152よりも硬く、注射器によって係合させられてバルブアセンブリ130を作動させるような大きさとされる。嚢ステム154は円筒状として示されるが、嚢ステム154は、下に説明されるように、嚢ステム154が、作動させられていないとき少なくとも部分的にベゼル120と係合することを可能する任意の形状であり得る。例えば、嚢ステム154は、切頭円錐(frusto−conical)または段付きであり得る。
【0034】
図3および図7に最もよく見られるように、ベゼル120は、概ねディスク状の部材であり、この概ねディスク状の部材は、内側表面125と外側表面128とを含み、内側表面125と外側表面128との間に延びる中心チャンネル124を有する。内側表面125は、外周窪み126と、外周窪み126から内向きに延在する内部エリア123とを含む。内部エリア123は、先細りとなり得るか、またはバルブの軸「v」に対して斜めに配置され得る。外周窪み126は、構成要素が組み立てられた状態にあるとき、嚢ベース152の外側リング156を収容する(図5を参照)。複数の軸方向の内部窪み127が、内側表面125近くの中心チャンネル124の周りに配置され得る。下に論議されるように、軸方向の内部窪み127は、バルブアセンブリ130が作動させられた位置にあるときの流体経路の構成要素である。あるいは、嚢ステム154が異なる形状、例えば段付き、または切頭円錐である場合、軸方向の内部窪み127は、バルブアセンブリ130が作動させられた位置にあるときの流体経路を提供する必要がないことがあり得る。
【0035】
ベゼル120および筐体110は、硬い材料、例えば、プラスチック(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS))、または金属から作られる。ベゼル120および筐体110を同じ材料、例えばABSから作ることによって、ベゼル120および筐体110は、共に超音波的に溶接され得る。あるいは、ベゼル120および筐体110は、任意の適切な手段、例えば化学溶接または接着剤によって接続され得る。筐体110は、例えばCovidien SAFEGUARDTM尿サンプリングポートの筐体に画定された長手方向のチャンネル112を流体が通過することを可能にする任意の硬い構造であることができる。
【0036】
ここで、図6A〜図6Cを参照すると、嚢またはバルブ150が詳細に論議される。嚢150は、空気または液体で満たされる要素であり得、設計目的に依存して、所定の流体体積で選択的に満たされ得る。嚢150は、実質的に中実であり得ることも構想されている。嚢150は、例えば射出成形ゴム部品であり得るが、しかし、例えばシリコーンおよびラテックスのようなゴムの特性を備えた任意の他の材料が、嚢150に対して使用され得る。上に論じられたように、嚢150は、嚢ベース152と、嚢ベース152の中心部分から延びる嚢ステム154とを含む。嚢ベース152は、内側嚢セグメント157と、内側嚢セグメント157の外周を囲み、補強する外側リング156とを含む。嚢ベース152の少なくとも内側嚢セグメント157は、弾性材料、例えばエラストマーを含み、内側嚢セグメント157が、バルブアセンブリ130の作動の間、伸びることを可能にする。内側嚢セグメント157は、嚢ステム154の半径方向周囲に一様に分散された複数の開口部158を画定し得る。下に論議されるように、外側リング156は、ベゼル120の内側表面125の外周窪み126およびバルブ筐体セグメント140の円周方向の窪み118a内に配置され、バルブ筐体セグメント140における嚢150の確実な位置決めを容易にする。
【0037】
図6A〜図6Cを引き続き参照すると、少なくとも内側嚢セグメント157の弾性は、嚢150が様々な位置を取ることを可能にし、それによって、嚢ステム154は、ベゼル120の中心チャンネル124内において、バルブアセンブリ130を通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、バルブアセンブリ130を通り抜け、かつ筐体110の長手方向のチャンネル112と流体連通する流体経路が確立され、それによってバルブ筐体セグメント140の中心ポート142を通る流体サンプリングの取り出しを可能にする第2の位置との間で可動となる。図6Aに示されるように、例えば、例示的な筐体110に対して嚢150を取り付ける前の、嚢150に及ぼされる力がないようなニュートラル位置においては、中実の円筒状嚢ステム154の底部分159と嚢ベース152とは、嚢ベース152の外側リング156に対して実質的に同一平面である。下で詳細に説明されるように、図6Bに示される第1の位置において、嚢150が、筐体110の例示的なバルブ筐体セグメント140内に配置され、そしてベゼル120の内側表面125に対して実質的に接触したとき、わずかな下向きの力が、ベゼル120によって内側嚢セグメント157に対して及ぼされ得る。第1の位置において、嚢ステム154の底部分159は、嚢150の外側リング156よりわずかに下に位置決めされ、内側嚢セグメント157は、わずかに伸びて、円錐形状を形成する。しかしながら、図6Bに示されるように、嚢ステム154の流体ノッチ155は、外側リング156よりも上に配置されたままである。第2の位置においては、図6Cに示されるように、内側嚢セグメント157は、嚢ステム154を介して嚢150に及ぼされる下向きの力により、逆円錐の形状を取る。このような位置のもとでは、嚢ステム154の流体ノッチ155は、外側リング156と実質的に整列するか、または外側リング156よりもわずかに下に位置する。図9および図10に最も良く示されるように、複数の開口部158と連携する嚢150の内側嚢セグメント157の可撓性は、生物学的流体が、嚢ベース152とベゼル120の内側表面125との間で嚢150の逆円錐構成によって画定されたリザバ160の中に流れ込むことを可能にする。下でより詳細に説明されるとおり、このように、嚢150が図6Cに示されるような第2の位置にあるとき、嚢150は、流体がそこを通過することを可能にし、そして、嚢150が図6Bに示されるような第1の位置にあるとき、ベゼル120と連携する嚢150は、流体がそこを通過することを遮る。嚢ステム154、流体ノッチ155、および外側リング156の特定の相対的位置が開示されるが、他の相対的位置が本発明の範囲内であり、ベゼル120および嚢150の特定の構成に依存することが理解されることができる。
【0038】
本開示の別の局面に従って、ベゼル120が図3および図7に示される。ベゼル120は、筐体、例えば図示される筐体110に取り付けられることができる継手であるか、または他の筐体、例えばCovidien SAFEGUARDTM尿サンプリングポート筐体に適合するように修正される。ベゼル120は、流体密な態様で嚢150をバルブ筐体セグメント140の中で取り囲む。上で論議されたように、ベゼル120の内側表面125は、半円形の断面を有する外周窪み126を画定し得る。外周窪み126は、嚢ベース152の外側リング156を部分的に受け入れる。かくして、バルブ筐体セグメント140の円周方向の窪み118aと連携するベゼル120の外周窪み126は、嚢150の外側リング156全体を受け入れる大きさとされた円形の断面を有する外周溝を形成する。
【0039】
さらに、ベゼル120は、例示的な嚢150の中実の円筒状嚢ステム154を受け入れるような構成、大きさとされた中心チャンネル124を提供する。図5に最も良く示されるように、嚢150は、バルブ筐体セグメント140の円周方向の窪み118aとベゼル120の外周窪み126とに着座する外側リング156によって補佐されたベゼル120、およびベゼル120の中心チャンネル124内に位置決めされた中実の円筒状嚢ステム154によってバルブ筐体セグメント140内に確実に位置決めされる。嚢ステム154の上部は、組み立てられたとき、ベゼル120の上部と同一平面にある。ベゼル120の中心チャンネル124は、注射器の先端セグメントを受け入れるような大きさとされ、それによって、注射器の先端セグメントは嚢ステム154と係合して、嚢ステム154を嚢150の第2の位置へ動かす。
【0040】
図5および図7を引き続き参照すると、ベゼル120の内側表面125は、中心チャンネル124の方に向かって内向きかつ下向きに先細りとなり、より詳細には、外周窪み126から中心チャンネル124の底部分の方へ内向きかつ下向きに先細りとなる。取り付け時に、ベゼル120の先細りの内側表面125は、嚢150の内側嚢セグメント157を下向きに伸ばし、張力を作る。張力は、嚢150の第1の位置において、嚢150が、先細りの内側表面125を圧してシールすることが可能になるように補佐し、嚢ステム154が、中心チャンネル124を通って下方に押し下げられた後に第1の位置に完全に戻ることを可能にする。
【0041】
図3および図7を参照すると、ベゼル120は、複数の軸方向の窪み127を画定し得、複数の軸方向の窪み127は、中心チャンネル124の軸「v」の周りに同軸に配列され、かつ内側表面125の近くに配置される。代替においては、ベゼル120は少なくとも1つの内部リブを含み得、この少なくとも1つの内部リブは、中心チャンネル124を取り囲み、嚢ステム154が第2の位置にあるとき、流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさとされる。特に、下により詳細に説明されるように、注射器によって作成される負圧によって内側嚢セグメント157の開口部158を通って引き込まれる生物学的流体は、複数の軸方向の窪み127を通って、嚢ステム154の上部の流体ノッチ155へ進む。図4および図5に示されるように、ベゼル120はさらに、係合部分129を含み、係合部分129は、ベゼル120の外側表面128から延びる。係合部分129は、そこを通って中心チャンネル124と連通するチャンネルを画定する。さらに、係合部分129は円錐状の先細り構成を有し得、この円錐状の先細り構成は、例えば(標準的注射器に使用されるような)ISO594適合ルアーに緊密にシールされた取り付けを可能にする。さらに、係合部分129の外部表面は、ISO594適合ルアーロックねじ129aを含み得、それによって、標準的ISO594適合ルアーロック注射器は、それにねじ込まれることができる。円錐状の先細りと連携するルアーロックねじ129aは、ISO594と完全に適合する継手を提供し得る。
【0042】
図3および図5に戻ってこれらを参照して、筐体110とバルブアセンブリ130とを含むサンプリングポート100の組み立てが説明される。最初に、図6Aで上述されたような変形されていない嚢150が、バルブ筐体セグメント140に配置される。特に、嚢150の外側リング156が、筐体110の円周方向の窪み118aに部分的に受け入れられる。このとき、嚢150は中心ポート142を取り囲み、中心ポート142は、生物学的流体が通り抜ける長手方向のチャンネル112への導管として役立つ。さらに、中実の円筒状嚢ステム154は、中心ポート142と共軸的に整列する。その後、先細りの内側表面125を有するベゼル120が、嚢150の上に配置され、嚢ベース152の外側リング156は、バルブ筐体セグメント140の円周方向の窪み118aとベゼル120の外周窪み126との間に配置される。嚢150の中実の円筒状嚢ステム154は、ベゼル120の中心チャンネル124内で可動的に位置決めされる。嚢ステム154は、バルブアセンブリ130を通る流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、バルブアセンブリ130を通って筐体110の長手方向のチャンネル112と流体連通する流体経路が確立され、それによって、中心ポート142を通る流体サンプリングの取り出しが可能となる第2の位置との間で、ベゼル120の中心チャンネル124内で移動することができる。ベゼル120の先細りの内側表面125は、嚢150の内側嚢セグメント157を下方に伸ばして中心ポート142の中に入れ、張力を作り、図6Bに示される第1の位置に嚢150を配置する。中実の円筒状嚢ステム154の上部は、ベゼル120の係合部分129の上部の近くにある。内側嚢セグメント157は、先細りの内側表面125に圧されて伸ばされ、かつ支持される。ベゼル120の内側表面125の滑面は、嚢150の内側嚢セグメント157に画定された開口部158に対するシールを提供し得る。下に詳細に説明されるように、内側嚢セグメント157に張力を提供することは、嚢150が、休止時にシールを提供することを可能にし、そして嚢ステム154が、中心チャンネル124を通って下方に押し下げられた後にその第1の位置に完全に戻ることを助け得る。
【0043】
図5に示されるように、嚢150が組み立てられた状態では、ダブルシールが、サンプリングポート100内において、長手方向のチャンネル112とベゼル120の中心チャンネル124の上部の開口部との間で作成され得る。第1のシールは、ベゼル120の先細りの内側表面125の滑面が嚢ベース152に押し当てられることによって作成され得る。詳細には、ベゼル120がバルブ筐体セグメント140に取り付けられると、内側嚢セグメント157は、ベゼル120の内側表面125によって伸ばされる。伸ばされた内側嚢セグメント157は、内側表面125の滑面に対して押し当てられる。この結果、内側嚢セグメント157に画定された開口部158を通る流体経路は、長手方向のチャンネル112内の常圧から高圧に及ぶ状態のもとで遮られる。第2のシールは、嚢150の中実の円筒状嚢ステム154とベゼル120の中心チャンネル124との間で作成される。嚢ステム154および中心チャンネル124は、常圧状態のもとで流体の流れを遮る長いフラッシュフィット(flush fit)を提供するような大きさとされる。嚢150の流体ノッチ155が、ベゼル120の中心チャンネル124の軸の周りに同軸に配列された複数の軸方向の内部窪み127の近くに位置決めされたとき、流体連通が確立される。
【0044】
動作においては、サンプリングポート100を含む生物学的流体収集システム10は、当業者によって知られた方法に従って使用される。筐体110の段付き部分は、移送チューブ(図示されず)に接続され、移送チューブは、患者の膀胱内に位置決めされたカテーテルに接続され、切頭円錐部分は、流体収集バッグ20に接続される。サンプリングポート100は、図5に示されるように組み立てられ、筐体110とバルブアセンブリ130とを含む。上に論議されたように、嚢150が第1の位置にあるとき、ダブルシールが、サンプリングポート100の内側において、長手方向のチャンネル112とベゼル120の中心チャンネル124の上部の開口部との間で維持され得る。サンプルを引き抜くために、先端50aを有する注射器50が、図9および図10に示されるように、サンプリングポート100に接続される。例えば、ISO594適合ルアー継手(ルアースリップまたはルアーロック注射器)の先端50aが、ベゼル120の中に挿入される。
【0045】
引続き図9および図10を参照すると、注射器50のガイド52の内側表面が、ベゼル120の外側表面128から延びる係合部分129の外側表面のネジ129aと嵌合すると、先端50aがベゼル120の中心チャンネル124の中に挿入され、そして中実の円筒状嚢ステム154を中心ポート142を通して下方へ、長手方向のチャンネル112の底面まで、またはこの近くまで押し下げる。外側リング156は、バルブ筐体セグメント140の円周方向の窪み118aおよびゼベル120の外周窪み126内に確実に正しい位置に固着され、かつベゼル120によって取り囲まれているので、嚢ステム154は下方に動かされてチャンネル112の中に入り、嚢150の内側嚢セグメント157は、今や長手方向のチャンネル112の底面に、またはこの近くに着座している嚢ステム154によって伸ばされている。この結果、嚢150はこのとき、逆円錐の形状を有し、中実の円筒状嚢ステム154と内側嚢セグメント157との間にリザバ160を作成する。
【0046】
特に、内側嚢セグメント157に画定された開口部158は今、長手方向のチャンネル112内に位置決めされ、したがって、生物学的流体の流れ内にある。この過程の間、ベゼル120の滑らかな先細りの内側表面125に押し当てられ、それによってシールを形成していた開口部158は今や、長手方向のチャンネル112内に位置決めされ、そして、長手方向のチャンネル112とリザバ160との間で流体連通を提供する。
【0047】
なおも図9および図10を参照すると、先端50aが、嚢150の嚢ステム154を押して長手方向のチャンネル112の中に入れる場合、少なくとも嚢ステム154の上部が、ベゼル120の中心チャンネル124の内側に残る。しかしながら、流体ノッチ155を含む嚢ステム154の上部は今や、中心チャンネル124の底部分に提供された複数の軸方向の内部窪み127と整列している。この結果、嚢150の流体ノッチ155は、複数の軸方向の内部窪み127を介してリザバ160と流体連通する。
【0048】
このとき、負圧が、プランジャ54の使用により注射器50によって中心チャンネル124に対して及ぼされる。筐体110の長手方向のチャンネル112を通って流れる生物学的流体は、今や長手方向のチャンネル112と連通している開口部158を通り抜ける。流体は次に、流体ノッチ155と連通しているリザバ160を満たす。リザバ160内の流体は次に、ベゼル120の中心チャンネル124の軸方向の内部窪み127を通って上方に引かれ、嚢ステム154の上部の流体ノッチ155を通り続け、注射器50の中に入る。注射器50に収集された流体は、実験室での分析のためのサンプルとして使用されることができる。
【0049】
注射器50がサンプリングポート100から外され、先端50aが、中心チャンネル124から除去されたとき、嚢150は、その第1の位置に戻り、サンプリングポート100内でダブルシール状態を再開し、長手方向のチャンネル112からの流体が開口部158および流体ノッチ155を通って流れることを妨げる。
【0050】
本開示のサンプリングポート100は、薄型構成を提供する。薄型設計は、臨床的設定において有利である。なぜならば、使用中に他の物体に当たる可能性が少なくなるからである。さらに、患者を煩わせる可能性が少なくなり、それによって、患者の負傷または不快感を低減する。さらに、医療処置の間、臨床医への障害となる可能性が少なくなる。さらに、サンプリングポート100はまた、他の公知の生物学的流体サンプリングポートよりも少ない部品を必要とするという利点も提供する。このような設計は、製造コストを低減し得る。
【0051】
本開示のサンプリングポートの実施形態に対しては、様々な変更がなされ得ることが理解される。したがって、上の説明は、限定するものとしてではなく、実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本開示の範囲および精神内で他の変更に想到する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体であって、流体が通り抜ける内部通路を有し、該内部通路と流体連通するポートを画定する、筐体と、
該筐体の該ポートに隣接して取り付け可能なバルブアセンブリと
を備えているサンプリングポートであって、該バルブアセンブリは、
ベゼルであって、該ベゼルを貫通するチャンネルを有するベゼルと、
該ベゼルに隣接して取り付けられた嚢と
を含み、該嚢は、外周嚢ベースと、該嚢ベースから延在し、該ベゼルの該チャンネル内に少なくとも部分的に受け入れられる内側嚢ステムとを含み、該嚢ステムは、該ベゼルの該チャンネル内において、該バルブアセンブリを通り抜ける流体の流れを実質的に妨げる第1の位置と、流体経路が該バルブアセンブリを通して確立され、該流体経路が該筐体の該内部通路と流体連通することによって該ポートを通る流体サンプルの取り出しを可能にする第2の位置との間で可動であり、該嚢ベースは少なくとも1つの開口部を含み、該少なくとも1つの開口部は、該嚢ステムが、該嚢ステムの第2の位置にある場合に該流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、サンプリングポート。
【請求項2】
前記嚢ステムが前記第1の位置にある場合、前記嚢ベースは、前記ベゼルと少なくとも部分的に接触する関係にあり、それによって、前記少なくとも1つの開口部が該ベゼルに対して実質的に閉じられている、請求項1に記載のサンプリングポート。
【請求項3】
前記嚢ステムが前記第2の位置ある場合、前記嚢ベースは、少なくとも部分的に変位しており、それによって、前記少なくとも1つの開口部が、前記ベゼルから間隔が置かれ、流体が該少なくとも1つの開口部を通り抜けることを可能にする、請求項2に記載のサンプリングポート。
【請求項4】
前記ベゼルは、前記チャンネルを取り囲む少なくとも1つの内部リブを含み、該少なくとも1つの内部リブは、前記嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、請求項3に記載のサンプリングポート。
【請求項5】
前記嚢ステムはノッチ付きセグメントを含み、該ノッチ付きセグメントは、該嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記少なくとも1つの内部リブと流体連通し、前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にする、請求項4に記載のサンプリングポート。
【請求項6】
前記嚢ベースは弾性材料を含み、該嚢ベースは、前記嚢ステムが該嚢ステムの前記第2の位置に向かって移動すると伸びるような大きさと適合性を有している、請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項7】
前記ベゼルの前記チャンネルは、注射器の先端セグメントを受け入れるような大きさを有し、該先端セグメントは、前記嚢ステムと係合して、該嚢ステムを該嚢ステムの前記第2の位置に移動させる、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項8】
前記嚢ベースは複数の開口部を含み、該複数の開口部は、前記嚢ステムが該嚢ステムの前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にするような大きさを有する、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項9】
前記嚢ベースと前記ベゼルとは、前記嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体を収容するためのリザバを画定する、請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項10】
前記筐体は、前記ポートに隣接した筐体窪みセグメントを含み、前記バルブアセンブリは、該筐体窪みセグメント内に少なくとも部分的に受け入れられる、請求項1〜請求項9のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項11】
前記ベゼルは、前記嚢に隣接した内側表面と、外側表面とを含み、前記チャンネルは、該内側表面および該外側表面を貫通する、請求項1〜請求項10のうちのいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項12】
前記ベゼルの前記内側表面は外周窪みを含み、前記嚢ベースは、該外周窪み内に受け入れられるための大きさを有する外周リングを含む、請求項11に記載のサンプリングポート。
【請求項13】
前記ベゼルは複数の軸方向の窪みを画定し、該複数の軸方向の窪みは、前記チャンネルの軸の周りに同軸に配列され、かつ前記内側表面に隣接して配置され、前記嚢ステムが前記第2の位置にある場合に前記流体経路の構成要素として流体の通過を可能にする大きさを有する、請求項11または請求項12のいずれか一項に記載のサンプリングポート。
【請求項14】
前記嚢ステムは、ステム壁を含み、かつ前記嚢ベースから離された該ステム壁内のノッチを有し、該嚢ステムは、前記チャンネル内で注射器の先端を受け入れると、前記ベゼルの該チャンネル内において、実質的に流体の流れを妨げる第1のシール位置から、第2の開いた位置へ可動であり、該第2の位置において、該嚢ベースの前記少なくとも1つの開口部を通り、該ベゼルの前記軸方向の窪みを通り、そして該嚢ステムの該ノッチを通る流体経路が確立されることにより、該注射器の先端を通る流体サンプリングの取り出しが可能となる、請求項13に記載のサンプリングポート。
【請求項15】
前記嚢ベースは、前記嚢ステムが前記第1の位置にある場合に前記ベゼルの前記内側表面と少なくとも部分的に接触する関係にあり、それによって、前記開口部は、前記第1の内側表面に対して実質的に閉じられており、該嚢ベースは、該嚢ステムが前記第2の位置にある場合に該ベゼルの該内側表面から少なくとも部分的に変位され、それによって、該少なくとも1つの開口部は、該ベゼルから間隔が置かれることにより、該少なくとも1つの開口部を流体が通過することを可能にする、請求項14に記載のサンプリングポート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−58242(P2012−58242A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−195032(P2011−195032)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】