説明

ヌクレオチド及びヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(テノホビル及びラミブジン)を剤形の異なる部分に含む医薬組合せ

HIV治療用医薬製剤を提供する。該製剤は、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、及びヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤の組合せである。該組合せは、先行技術の組合せ療法よりも高い安定性を有する。また、本発明は、該製剤を含む医薬品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療用薬剤に関する。特に、本発明は、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤とヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤とを含む医薬製剤、及び該医薬製剤と非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤とを含む医薬品に関する。さらに、本発明は、該医薬製剤の製造方法、及び治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症及び関連疾患は、今日の世界においてメジャーかつグローバルな問題である。HIVは、後天性免疫不全症候群又はAIDSとして知られている免疫系の進行性抑制又は破壊、並びに中枢及び末梢神経系の変性を含む、複雑な疾患の病原体である。また、HIVにより、対象が致命的な日和見感染症に罹患しやすくなる。
【0003】
HIVの遺伝物質は、RNAの形態で保存されている。この遺伝物質は、宿主細胞DNAに組み込まれるため、このウイルスRNAはウイルスDNAに形質転換される必要がある。HIVは、RNAをDNAに複製する能力を有するので、レトロウイルスとして知られている。逆転写酵素は、この反応に必要な酵素である。そのウイルスのDNAを構築するため、HIVは宿主細胞の細胞質のヌクレオチドを使用する。
【0004】
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs)は、3'-ヒドロキシル基を欠くヌクレオシド類似体である。これらのヌクレオシド類似体が(対応するヌクレオチドに)リン酸化された後、成長DNA鎖に組み込まれ得る。これらの類似体は、3'-ヒドロキシル基を欠いているため、新たに作られるDNA鎖は早期遮断され、逆転写酵素による重合が停止する。これらのNRTIsの活性は、HIV逆転写酵素にのみ制限されず、他のレトロウイルスに対しても使用することができる。
【0005】
テノホビルは、他の抗レトロウイルス薬と組み合わせた、最近、米国で認可されたHIV-I感染症治療用の新しいヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤である。ヌクレオチド類似体は、プレリン酸化を除き、ヌクレオシド類似体と非常に類似しており、従って、体内での処理を必要とすることはほとんどない。テノホビルDF(フマル酸ジソプロキシル)は、米国特許第5,935,946号、第5,922,695号、第5,977,089号、第6,043,230号、及び6,069,249号に記載されている。一方、PMPA又はテノホビルDFは、米国特許第4,808,716号、第5,733,788号、及び第6,057,305号に記載されている。
【0006】
US2004/0224917は、テノホビルDFとエムトリシタビンとの組合せを記載している。
レトロウイルス複製の共通した特徴は、ウイルスにコードされたプロテアーゼにより、ポリタンパク質前駆体が多くの翻訳後処理を受け、ウイルス構築及び機能にとって必要である成熟ウイルスタンパク質を生成することである。この処理の阻害は、通常、感染ウイルスの生成を抑制する。論文により、HIVコード化プロテアーゼの遺伝的不活性化が、未成熟な非感染ウイルス粒子の生成をもたらすことが報告されている。これらの結果は、HIVプロテアーゼの阻害が、AIDSの治療、及びHIVによる感染症の予防又は治療の実行可能な方法であることを示している。
【0007】
AIDSの治療において、1つの実質的かつ不変の問題は、疾患の治療に使用した個々の治療剤に対して耐性を発現するHIVウイルスの能力である。
今日、この目的に利用可能な様々な組合せが構成されており、組合せ投与計画を考案する幾つかの試みが行われている。一例には、GlaxoSmithKlineの登録商標Combivirとして商業的に入手可能な、合成ヌクレオシド類似体ラミブジン(150mg)とジドブジン(300mg)との組合せがある。別の当該組合せには、Glaxoの特許出願第WO 03/101467号に記載されている、ヌクレオシド類似体アバカビルとラミブジンとの組合せがある。
【0008】
ラミブジン(3TCとしても知られている)、及びウイルス感染症の治療及び予防におけるその使用は、US 5,047,407に記載されている。ラミブジン及びHIVに対するその使用は、WO 91/17159及びEP 0382526に記載されている。ラミブジンの結晶形態は、WO 92/21676に記載されている。
ラミブジンと他のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、特にジドブジンAZTとの組合せは、WO 92/20344、WO 98/18477、及びWO99/55372に記載されている。
【0009】
デラビルジン、カプラビリン、エファビレンツ、及びネビラピンなどの様々な非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs)が知られている。NNRTISは、抗レトロウイルス薬未処置のHIV感染患者の療法における共通した構成要素であり、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTIs)との相乗活性を提供する。
【0010】
エファビレンツは、化学的に(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オンとして知られている。エファビレンツは、HIV-1特異的非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である。エファビレンツは、HIVの治療に有用であり、体内のHIVの複製を阻害することが報告されている。
エファビレンツは、HIVの治療のために、SUSTIVA(登録商標)の名称でBristol-Myers Squibb Coから商業的に入手可能であり、例えば、米国特許第5,519,021号、第5,663,1699号、第5,811,423号、及び第6,238,695号に記載されている。
【0011】
ネビラピン、化学的に11-シクロプロピル-5,11-ジヒドロ-4-メチル-6H-ジピリド[3,2- b:2',3'-e][1,4]ジアゼピン-6-オンは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である。ネビラピン及び関連化合物、並びにこれらの調製物の治療的用途は、米国特許第5,366,972号に記載されている。ネビラピンは、200mgの錠剤、及び240ml中50mg/5mlの経口懸濁液として商業的に入手可能である。これは、VIRAMUNE(登録商標)の名称で販売されている。
組合せ療法は、患者に摂取する一日の投与量を少なくし、かつ投与スケジュールを単純化する。従って、患者コンプライアンスを向上する。また、組合せ療法は、薬剤効果を増大する。組合せ療法の使用は、毒性を減らすと共に同等の抗ウイルス作用を得ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そのような組合せがあるにもかかわらず、まだ、救急治療用及び耐性HIVウイルスのための組合せの開発が必要とされている。従って、本発明の目的は、医薬品組成物、とりわけ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、及び場合によってはAIDSをもたらす関連障害の治療に役立つ医薬品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、先行技術の問題を解決又は緩和する有効な組合せを提供する。特に、本発明は、患者コンプライアンスを向上し、かつ安定性を改善した単一単位剤形の医薬製剤を提供する。第一の態様において、本発明は、単一単位剤形の医薬製剤であって、該剤形が、
(a)ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体、及び
(b)ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体を含み、
該ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、該剤形において、該ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体と異なる領域内に提供されている、前記医薬製剤を提供する。
【0014】
第二の態様において、本発明の医薬製剤を含み、さらに非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を含む、医薬品を提供する。
第三の態様において、
i)ラミブジン、
ii)ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、及び
iii)非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
を含む医薬品を提供する。
【0015】
別の態様において、感染個体のHIV感染症状又は作用を治療又は予防するための単位剤形医薬品の製造における、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体、及びヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体の使用であって、該ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、該剤形において、該ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体と異なる領域内に提供される、前記使用を提供する。
【0016】
別の態様において、感染個体のHIV感染症状又は作用を治療又は予防するための薬剤の製造における、本発明の医薬製剤の使用を提供する。
本発明は、さらに、ウイルス感染症の治療又は予防における、同時、別個、又は逐次的使用のための医薬組成物を提供する。特に、本発明は、同時、別個、又は逐次的使用のための、本発明の医薬製剤及び非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を含む医薬品を提供する。
従って、本発明は、耐性の発現のなく長期間、患者のHIVレベルを検出不可能なくらいに低下させ、かつCD4細胞数を上昇させる、AIDSの有効かつ長期持続療法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の組合せ療法は、AIDS治療の有効性を向上させ、かつ個々の治療剤に対する耐性発現を妨げるために、技術的に一歩進んだものである。
本発明の第一の態様において、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、好ましくは、ラミブジン、アバカビル、エムトリシタビン、ジドブジン、スタブジン、又はそれらの生理的機能性誘導体から選択される。好ましくは、ラミブジンを使用する。ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤は、好ましくは、テノホビルDF、又はアデホビルから選択され、好ましくはテノホビルDFである。
【0018】
本発明の第二の態様において、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、好ましくは、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、又はそれらの生理的機能性誘導体から選択される。好ましくは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、エファビレンツである。
第三の態様において、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤は、好ましくは、テノホビルDF、又はアデホビル、或いはそれらの生理的機能性誘導体から選択される。好ましくはテノホビルDFを使用する。非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、好ましくは、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、又はそれらの生理的機能性誘導体から選択される。好ましくは、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、エファビレンツである。
【0019】
経口剤形として組成物を提供することができる。
本発明の組成物又は医薬品は、ウイルス感染症、特にヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びAIDSをもたらす関連障害を含み得るレトロウイルス感染症の治療に有用であり得る。
本明細書で使用するように、用語「生理的機能性誘導体」は、本発明に従って投与される場合、指定された活性と同等又はほぼ同等の生理的機能を有する、医薬として活性な化合物を意味する。本明細書で使用するように、用語「生理的機能性誘導体」は、ヌクレオシド-、ヌクレオチド-、又は非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤の任意の、医薬として許容し得る塩、溶媒和物、エステル、プロドラッグ、誘導体、鏡像異性体、又は多形体を含む。
【0020】
本明細書で使用するように、層状錠剤(二層状、三層状など)は、2層以上の活性物質が連続的に圧縮されている錠剤を指す。また、前記錠剤は、積層状錠剤としても知られている。活性物質の両層、又は全ての層は露出している(しかし、錠剤をさらにコーティングすることができる。)。これは、第一活性物質のコアが囲われ、別の活性物質のコーティング層により錠剤の外部から隠れている、コア又はコーティングコア錠剤とは異なる。
【0021】
さらに、本発明は、レトロウイルス感染症、特に哺乳動物のHIV感染症を治療、緩和、又は阻害する方法を提供する。該方法は、安全かつ有効量の本発明の医薬製剤又は医薬品をヒトに投与することを含む。
本明細書で使用するように、単語「治療」の言及は、確立された疾病、感染、又はその症状の予防及び治療の双方にまで及ぶ。
【0022】
HIVは、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び慢性神経障害など、様々な臨床症状を引き起こす。複数の薬剤体制は、HIV感染患者の治療を劇的に改善する。
単一薬剤の治療計画は、通常、長期的な治療を必要とし、好ましくない副作用の徴候を増加させる。さらに、単一薬剤の療法は、HIV種の変異に対して特に無防備であり、HIVの薬剤耐性変異体が生じる。
【0023】
複数薬剤の療法の使用は、HIVの薬剤耐性株の発現を減らすことができる。なぜならば、通常は、ある薬剤が、他の薬剤に対する変異を無効にするためである。複数薬剤の療法は、体内からHIVを排除するのに十分な期間、HIVウイルスの複製をも阻害する。しかし、全ての薬剤の組合せは、等しく有効ではなく、幾つかの組合せは、効果がなく、又は望ましくない副作用を示すことがある。さらに、特定の薬剤組合せは、安定性に乏しいことがある。
【0024】
HIVに有効な複数薬物の療法は、多くの場合、1日に多くの異なる薬剤の投与、食事に対する慎重な注意とともに正確な時間間隔での投与を必要とし、複雑な治療計画と厳密なコンプライアンスとが求められる。HIVの治療において、患者のノンコンプライアンスは、そのような複雑な治療計画に付随するよく知られた問題である。なぜならば、そのようなノンコンプライアンスは、HIVの複数の薬剤耐性株を生じ、かつ療法中に治療を放棄することがあるためである。
従って、本発明の組合せ療法は、AIDS治療の有効性を向上させ、個々の治療剤に対する耐性の発現を抑制する方法を提供する。
【0025】
従って、本発明の医薬組合せ、特に、好ましくはラミブジン、テノホビルDF、又はそれらの生理的機能性誘導体、及びエファビレンツ又はその生理的機能性誘導体の組合せは、先行技術よりも有意な利益を提供することは明らかである。都合よいことには、該組合せは、単位剤形の別個の医薬製剤として提供される。この観点において、本発明は、(i)1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤とともにラミブジン、及び1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤とともにテノホビルDF又はその生理的機能性誘導体を含む第一医薬製剤;及び(ii)1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤とともにエファビレンツ又はその生理的に許容し得る塩を含む第二医薬製剤を包含した、ウイルス感染症の治療又は予防において個別又は逐次的使用のための、医薬キット又は医薬品を提供する。
【0026】
該医薬キット又は医薬品は、患者用パックで提供され、任意に、該キット/医薬品の使用指示書を含む情報掲載物を含む。
ラミブジン(3TCとしても知られている)は、合成ヌクレオシド類似体であり、化学的には(2R,cis)-4-アミノ-1-(2-ヒドロキシメチル-1,3-オキサチオラン-5-イル)-(1H)-ピリミジン-2-オン(Epivir(登録商標))として知られている。ラミブジンは、HIV、及びHBVなどの他のウイルスに対して抗ウイルス活性を示す。
【0027】
細胞内では、ラミブジンは、その活性5'-三リン酸代謝産物であるラミブジン三リン酸(L-TP)にリン酸化される。L-TPの主要な作用様式は、ヌクレオシド類似体がウイルスDNAに組込まれた後に、DNA鎖遮断を介してHIV-1逆転写酵素(RT)を阻害することである。L-TPは、哺乳動物DNAポリメラーゼ(アルファ)及び(ベータ)、並びにミトコンドリアDNAポリメラーゼ(ガンマ)の弱い阻害剤である。
【0028】
また、ラミブジンは、(-)-1-[(2R,5S) 2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル]シトシン、(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル]シトシンと呼ばれ、それは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びB型肝炎などの他のウイルスに対して、抗ウイルス活性を示す。ラミブジンは、Glaxo Wellcome IncからEPIVIRの商品名で商業的に入手可能である。
【0029】
また、フマル酸テノホビルジソプロキシルは、PMPAとして知られている。テノホビルDF(テノホビルのプロドラッグ)は、テノホビルのビス-イソプロポキシカルボニルオキシメチルエステル誘導体のフマル酸塩である。フマル酸テノホビルジソプロキシルは、9-[(R)-2-[[ビス[[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ]ホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンフマレート(1:1)である。フマル酸テノホビルジソプロキシルは、最初に、テノホビルに変換するためのジエステル加水分解、続いて細胞酵素による二リン酸テノホビル形成のためのリン酸化を必要とする。二リン酸テノホビルは、天然基質デオキシアデノシン5'-三リン酸との競合、DNAへの組込み後のDNA鎖遮断により、HIV逆転写酵素活性を阻害する。二リン酸テノホビルは、哺乳動物DNAポリメラーゼアルファ及びベータの弱い阻害剤、並びにミトコンドリアDNAポリメラーゼの弱い阻害剤である。
【0030】
フマル酸テノホビルジソプロキシルは、アデホビル類似体であり、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NtRTI)に分類される。テノホビルDFは、他の天然型ヌクレオチドの競合阻害剤であり、その最終的な生物活性は、ウイルスDNA鎖遮断である。テノホビルDFは、HIV及びHBV、双方に対して抗ウイルス活性を有する、新規ヌクレオチド類似体である。テノホビルDFの機序は、ヌクレオシド類似体の機序と類似し、逆転写酵素に干渉し、ウイルス遺伝物質のウイルスDNAへの翻訳を抑制する。ヌクレオシド類似体とは異なり、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤は、リン酸基の存在により化学的にプレ活性化されている。リン酸化段階が必要ないので、ヌクレオチド類似体は、ヌクレオシド類似体よりも速く、ウイルスDNA鎖に組み込まれ得る。さらに重要なことは、これが、ヌクレオシド耐性のウイルス機序を回避することである。テノホビルDFは、Gilead Science Inc.からVIREADO(登録商標)の商品名で商業的に入手可能である。
【0031】
医薬製剤の活性成分の化学的安定性は、該製剤の外観、及び時間がたつにつれてどのように変化するかに関して、重要な関係がある。本発明の発明者らは、意外にも、ラミブジンとテノホビルDFとを錠剤(単層状)を形成するようによく混合した場合、安定性試験において望ましくない特性が示されることを発見した。錠剤の外観は、制御室温下(25℃)、及び上昇温度下(40℃)で褐色に変化した。しかし、本発明者らは、意外にも、二層状錠剤では上記外観変化が現れないことを発見した。
【0032】
【表1】

【0033】
NRTI及びNtRTIを含む二層状錠剤に構成された本発明の医薬製剤を用いて、HIV及び他のウイルスに対する治療計画を、単純な投与治療を提供することによる患者コンプライアンスの向上を目的として、単純化することができる。
また、個別又は逐次的投与のための単位剤形において、本発明に使用されるNRTIs及びNtRTIsのいずれか2つを、NNRTIを含む剤形と組み合わせることが可能である。好ましくは実施態様において、典型的な単位剤形は、ラミブジン及びテノホビルDF又はそれらの生理的機能性誘導体を含むことができ、さらに単位剤形は、エファビレンツ又はその生理的機能性誘導体を含むことができる。この点において、本発明は、(i)1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤とともにラミブジン及びテノホビルDF又はそれらの生理的機能性誘導体を含む、任意に二層状錠剤の形態である第一医薬製剤;及び(ii)1種以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤とともにエファビレンツ又はその生理的機能性誘導体を含む第二医薬製剤を含有した、ウイルス感染症、特にレトロウイルス感染症、とりわけ感染動物のHIV感染又は作用の治療又は予防において個別又は逐次的使用のための、医薬品を提供する。
【0034】
本発明の医薬品及び製剤は、安全かつ治療的有効量の少なくとも2種の治療的活性薬剤、好ましくは少なくとも3種の治療的活性薬剤、例えば安全かつ治療的有効量の2',3'-ジデオキシ-3'-チアシチジン(ラミブジン)又はその生理的機能性誘導体、安全かつ治療的有効量のテノホビルDF, (R)-9-(2-ホスホニルメトキシプロピル)アデニン又はその生理的機能性誘導体などと、任意に安全かつ治療的有効量のエファビレンツ又はその生理的機能性誘導体と、該剤形の均一性を維持するための安全かつ有効量の医薬として許容し得る賦形剤との組合せを使用する。
【0035】
該組合せは、錠剤、又はカプセルの形態で提供してもよい。
本発明の医薬品は、都合よく、各化合物について固有の投与量範囲を含む経口剤形において、3種の活性化合物を含む個別又は逐次的投与で、医薬配合剤の投与が可能である。好ましくは、NRTI及びNtRTIを含む単位剤形を提供する。好ましくは、個別又は逐次的投与のために、NNRTIを含む追加の剤形を提供する。
【0036】
好ましくは、ラミブジンは、1単位剤形あたり5〜600mg、好ましくは300mgの範囲で提供され得る。
好ましくは、テノホビルDFは、1単位剤形あたり75〜600mg、好ましくは300mgの範囲で提供され得る。
好ましくは、エファビレンツは、1単位剤形あたり50〜600mg、好ましくは600mgの範囲で提供され得る。
【0037】
本発明の製剤及び医薬品は、剤形に有益な特性を与えるために、さらに医薬賦形剤を含むことができる。典型的な賦形剤には、希釈剤又は膨張性薬剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、コーティング物質、及び湿潤剤などがある。
有する場合、錠剤サイズを大きくするために、希釈剤又は膨張性薬剤を選択することができる。当業者は、医薬としての有利性に必須な硬度、破砕性、及び崩壊時間を提供する膨張性薬剤を選択するため、公知の方法を利用することができる。適切な希釈剤には、微結晶性セルロース、及びラクトースなどがある。希釈剤は、好ましくは、製剤の5重量%〜50重量%の量で存在する。
【0038】
本発明での使用に適した充填剤は、1種以上の糖、糖アルコール、デンプン、及びカオリンなどの不活性物質を含むことができ、製剤の本体に加えられる。
本発明での使用に適した崩壊剤は、1種以上のセルロース、及びそれらの誘導体、アルギン酸塩、寒天、特定の複合ケイ酸塩(complex silicilates)、デンプン、改質デンプン及びそれらの誘導体、ポリビニルピロリドンなどを含むことができる。好ましい崩壊剤には、デンプングリコール酸ナトリウム、及び/又はクロスカルメロースナトリウムがある。好ましくは、崩壊剤は、剤形の0.5重量%〜30重量%の量で存在する。
【0039】
結合剤は、1以上の天然及び合成ゴム、セルロース、デンプン、ゼラチン、及びポビドンなどを含むことができるが、制限されない。好ましくは、結合剤は、デンプン、マルトデキストリン、HPMC、HPC、及び/又はポビドンを含む。好ましくは、結合剤は、剤形の1重量%〜50重量%の量で存在する。
【0040】
本発明での使用に適した潤滑剤は、1種以上の滑石、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、デキストリン、ステアリルフマル酸ナトリウム、水素化植物油、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体、ラウリル硫酸ナトリウムなどを含むことができる。好ましくは、潤滑剤は、1種以上のステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及びステアリルフマル酸ナトリウムを含む。さらに好ましくは、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。好ましくは、潤滑剤は、剤形の0.25重量%〜3重量%の量で存在する。
【0041】
錠剤は、水分からの保護を提供する目的でコーティングしてもよい。コーティング物質は、当該技術において周知の数ある適切なコーティング物質のうち、1種以上のセルロース及びそれらの誘導体、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体、ステアリン酸及びそれらの誘導体などの脂肪酸、並びに蝋から選択され得る。
【0042】
当業者は、ポリソルベート80、SLS、スクロースエステル、ポリエチレングリコール、ルトロール(lutrol)、クレモホール(cremophor)などの湿潤剤を含むことができる。有する場合、湿潤剤は、好ましくは、剤形の0.1重量%〜5重量%の量で存在する。
好ましい実施態様において、製剤は、二層状錠剤の形態である。別の好ましい実施態様において、医薬品は、二層状錠剤及び形成された単位錠剤製剤の形態である。
【0043】
これらの実施態様において、前記二層状錠剤の第一層は、好ましくは、約5〜55重量%のラミブジン又はその生理的機能性誘導体、約1〜50重量%の希釈剤、約1〜50重量%の結合剤、約1〜30重量%の崩壊剤、及び約0.25〜3.0重量%の潤滑剤を含む。
さらに好ましくは、本発明の製剤又は医薬品において、ラミブジン又はその生理的機能性誘導体を含む錠剤の第一層は、5〜55重量%のラミブジン、約10〜50重量%の微結晶性セルロース、約2〜30重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約1〜10重量%のデンプン、及び約0.25〜2.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0044】
これらの実施態様において、前記二層状錠剤の第二層は、好ましくは、約10〜85重量%のテノホビルDF又はその生理的機能性誘導体、約1〜50重量%の希釈剤、約1〜50重量%の結合剤、約0.5〜30重量%の崩壊剤、及び約0.25〜3重量%の潤滑剤を含む。
さらに好ましくは、該錠剤の第二層は、約35〜85重量%のテノホビルDF、約5〜50重量%のラクトース又は微結晶性セルロース、約1〜10重量%のデンプン、約1〜20重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、及び約0.2〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0045】
本発明の好ましい医薬品において、少なくとも1種の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体を含む、単位錠剤投与を提供する。本発明の好ましい医薬品において、前記単位剤形は、約10〜50重量%のエファビレンツ又はその生理的機能性誘導体、約1〜50重量%の希釈剤、約1〜50重量%の結合剤、約0.5〜30重量%の崩壊剤、及び約0.2〜3重量%の潤滑剤を含む。
【0046】
顆粒剤を構築するために、当該技術において公知である別の方法を使用することができる。本発明の好ましい実施態様において、前記二層状錠剤の第一層のための医薬組成物の製造方法は、好ましくは、希釈剤及び崩壊剤をラミブジンとともに混合する段階;さらに水及び適切な結合剤を用いて、それを顆粒化する段階;得られた顆粒を乾燥する段階;該顆粒を分粒し、かつ潤滑する段階を含む。
【0047】
前記二層状錠剤の第二層のための医薬組成物の製造方法は、好ましくは、希釈剤をテノホビルDFとともに混合する段階;さらに水及び適切な結合剤を用いて、それを顆粒化する段階;得られた顆粒を乾燥し、かつ分粒する段階;適切な着色剤及び崩壊剤を用いて再度混合する段階;該顆粒を潤滑する段階を含む。
次に、適切な圧縮装置を用いて、両層の潤滑化顆粒を共に圧縮する。
両層は、任意に着色剤を含むことができる。
【0048】
単位錠剤の好ましい製造方法は、好ましくは、希釈剤をエファビレンツとともに混合する段階;さらに水及び適切な結合剤を用いて、それを顆粒化する段階;得られた顆粒を乾燥し、かつ分粒する段階;適切な着色剤(必要に応じて)及び崩壊剤を用いて混合する段階;該顆粒を潤滑する段階を含む。
【0049】
本発明は、典型的に患者に投与することができる多層状錠剤製剤、好ましくは二層状錠剤製剤として配合されることができ、HIVによる感染症の予防又は治療、及び結果生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の予防又は治療に有効な医薬として活性な薬剤の送達を可能にする又は達成することができる。
【0050】
二層状錠剤として配合された本発明は、当業者に公知の適切な賦形剤を含む分散性錠剤として作用するように、さらに改質することができる。
本発明の錠剤の各部分は、湿式造粒法、又は直接的圧縮、又は乾式造粒法により製造することができる。比較的高投与量のラミブジンを考慮して、湿式造粒法を使用することが好ましい。
【0051】
また、本発明の製剤は、三層状錠剤として配合され得る。この実施態様において、NNRTとNtRTI層との間の中間層としてプラセボ層を使用することができる。好ましくは、プラセボ層は、医薬賦形剤を含み、いずれの活性成分をも含まない。一つの適切なプラセボは、シリカゲルである。これは、例えば異なる層中のラミブジン及びテノホビルDFを含む錠剤の安定性を、さらに増加させることができる。
【0052】
本発明の好ましい実施態様において、医薬品は、HIVの治療に有効な医薬として活性な物質を含む形成された単位錠剤製剤について二層状領域を含む。特に、本発明の医薬品は、好ましくは、少なくとも1種のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、任意に医薬賦形剤をさらに含む第一層、及び少なくとも1種のヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、任意に医薬賦形剤をさらに含む第二層を含有した二層状製剤;並びに非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を含む製剤を含む。ここで、該二層状製剤は、医薬として安定な調製物を共に含む。
これから、特定の実施態様のみであり、本発明の範囲を限定しない下記実施例に準拠して、本発明をさらに記載する。
【実施例】
【0053】
(実施例1)
【表2】

【表3】

【0054】
(二層状錠剤の製造方法)
層Iの調製は、希釈剤、崩壊剤、及び任意に適切な着色剤をラミブジンとともに混合する段階、次にその混合物を潤滑する段階を含む。層IIの調製は、希釈剤をテノホビルDFとともに混合する段階;顆粒を得るために、さらに水及び適切な結合剤を用いて、それを顆粒化する段階;得られた顆粒を乾燥し、かつ該顆粒を分粒する段階;前記顆粒を適切な着色剤及び崩壊剤とともに再度混合する段階;及び該顆粒を潤滑する段階を含む。適切な圧縮装置を用いて、両層の潤滑化顆粒を共に圧縮する。
【0055】
エファビレンツ錠剤の調製は、希釈剤をエファビレンツとともに混合する段階;顆粒を得るために、さらに水及び適切な結合剤を用いて、それを顆粒化する段階;得られた顆粒を乾燥し、かつ該顆粒を分粒する段階;前記顆粒を適切な着色剤及び崩壊剤とともに再度混合する段階;該顆粒を潤滑する段階を含む。
【0056】
(実施例2)
【表4】

【0057】
(テノホビル層の製造方法)
テノホビル及びラクトースを予め混合したものを調製する。これを、クロスカルメロースナトリウム及びデンプンと乾燥混合する。精製水中のデンプン及びポリソルベート80の結合剤溶液を調製する。その結合剤溶液を用いて、乾燥混合物を顆粒化し、湿顆粒を乾燥し、分粒し、潤滑する。
【0058】
(ラミブジン層について)
ラミブジン、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、及び着色剤の乾燥混合物を調製する。これを、結合剤溶液(デンプンペースト)を用いて顆粒化する。その顆粒を分粒し、乾燥し、潤滑する。
その錠剤を圧縮し、着色レディミックス溶液(colour redimix solution)を用いてコーティングする。
本発明が改質できることは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一単位剤形の医薬製剤であって、該剤形が、
(a)ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体、及び
(b)ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体を含み、
該ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、該剤形において、ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体と異なる領域内に提供されている、前記医薬製剤。
【請求項2】
前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、前記剤形の第一領域内に提供され、かつ前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、前記剤形の第二領域内に提供され、該第一領域はヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を含まない又は実質的に含まず、かつ該第二領域はヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を含まない又は実質的に含まない、請求項1記載の医薬製剤。
【請求項3】
経口投与の形態である、請求項1又は2記載の医薬製剤。
【請求項4】
多層状錠剤又はコーティングコア錠剤の形態である、請求項1、2、又は3記載の医薬製剤。
【請求項5】
多層状錠剤の形態であり、前記錠剤の第一層が前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体を含み、かつ前記錠剤の第二層が前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体を含む、請求項4記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記多層状錠剤が、二層状錠剤又は三層状錠剤である、請求項5記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記多層状錠剤が、二層状錠剤である、請求項6記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記多層状錠剤が三層状錠剤であり、かつ前記錠剤の第三層が前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤及び前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を含まない又は実質的に含まない、請求項6記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記第三層が、医薬として活性な薬剤を含まない又は実質的に含まない、請求項8記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記第三層が、前記第一層と第二層との中間にある、請求項8又は9記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記コーティング錠剤が、前記第一領域又は第二領域のうちの一方を含むコア、及び前記第一領域又は第二領域のうちの他方を含むコーティング層から形成されている、請求項4記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記コーティング錠剤が、前記コアとコーティング層との間に中間層を含む、請求項11記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記錠剤の中間層が、前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤及び前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を含まない又は実質的に含まない、請求項12記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記中間層がプラセボ又は医薬として活性でない薬剤を含む、請求項13記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が、ラミブジン、アバカビル、エミトリシタビン、ジドブジン、又はスタブジン、或いはそれらの生理的機能性誘導体である、請求項1〜14のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤がラミブジン又はその生理的機能性誘導体である、請求項15記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤が、テノホビルDF又はアデホビル、或いはそれらの生理的機能性誘導体である、請求項1〜16のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤がテノホビルDFである、請求項17記載の医薬製剤。
【請求項19】
前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤がラミブジンであり、かつ前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤がテノホビルDFである、請求項1〜18のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項20】
単位剤形あたり、前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を50mg〜600mg含む、請求項1〜19のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項21】
単位剤形あたり、前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を150mg〜450mg含む、請求項1〜20のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項22】
単位剤形あたり、前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を約300mg含む、請求項1〜21のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項23】
単位剤形あたり、前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を75mg〜600mg含む、請求項1〜22のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項24】
単位剤形あたり、前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を150mg〜450mg含む、請求項1〜23のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤を約300mg含む、請求項1〜24のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記第一層及び/又は第二層が少なくとも1種の医薬として許容し得る賦形剤をさらに含む、請求項5又は8記載の医薬製剤。
【請求項27】
前記医薬として許容し得る賦形剤が、少なくとも1種の希釈剤、充填剤、膨張性薬剤、崩壊剤、結合剤、又は潤滑剤を含む、請求項26記載の医薬製剤。
【請求項28】
錠剤の形態、任意に二層状錠剤の形態であり、前記錠剤がコーティングされている、請求項1〜27のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記第一層が、5〜55重量%のヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、0.5〜30重量%の希釈剤、1〜30重量%の崩壊剤、1〜50重量%の結合剤、及び0.25〜3.0重量%の潤滑剤を含む、請求項5〜10のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項30】
前記第一層が、5〜55重量%のラミブジン又はその生理的機能性誘導体、0.5〜30重量%の希釈剤、1〜30重量%の崩壊剤、1〜50重量%の結合剤、及び0.25〜3.0重量%の潤滑剤を含む、請求項5〜10又は29のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項31】
前記第二層が、10〜85重量%のヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、1〜50重量%の希釈剤、1〜50重量%の結合剤、0.5〜30重量%の崩壊剤、及び0.25〜3重量%の潤滑剤を含む、請求項5〜10、29又は30のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記第二層が、35〜85重量%の、5〜50重量%の希釈剤、1〜10重量%の結合剤、及び0.2〜2重量%の潤滑剤を含む、請求項5〜10又は29のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤がテノホビルDFである、請求項29〜32のいずれか1項記載の医薬製剤。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれか1項記載の医薬製剤を含み、さらに非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤を含む、医薬品。
【請求項35】
前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が、エファビレンツ、ネビラピン、又はデラビルジン、或いはそれらの生理的機能性誘導体である、請求項34記載の医薬品。
【請求項36】
前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤がエファビレンツである、請求項34又は35記載の医薬品。
【請求項37】
i)ラミブジン
ii)ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤、及び
iii)非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
を含む、医薬品。
【請求項38】
前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤がテノホビルDFである、請求項37記載の医薬品。
【請求項39】
前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤がエファビレンツである、請求項37又は38記載の医薬品。
【請求項40】
前記ラミブジン及び前記ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤が、請求項1〜33のいずれか1項記載の医薬製剤として配合されている、請求項37、38又は39記載の医薬品。
【請求項41】
前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が第一剤形として配合され、前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤及び前記ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が第二の別個の単位剤形として配合されている、請求項34〜36、又は40のいずれか1項記載の医薬品。
【請求項42】
前記別個の剤形が、10〜50重量%の前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、1〜50重量%の希釈剤、1〜50重量%の結合剤、0.5〜30重量%の崩壊剤、及び0.2〜3重量%の潤滑剤を含む、請求項41記載の医薬品。
【請求項43】
前記非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤がエファビレンツである、請求項41又は42記載の医薬品。
【請求項44】
前記別個の剤形が、錠剤、カプセル中の粉末又は錠剤、錠剤中の錠剤、ペレット剤、顆粒剤、経口粉末剤、液剤、又は懸濁剤の形態である、請求項41、42又は43記載の医薬品。
【請求項45】
感染個体のHIV感染症状又は作用を治療又は予防するための薬剤の製造における、請求項1〜33のいずれか1項記載の医薬製剤の使用。
【請求項46】
前記薬剤が非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤をさらに含む、請求項45記載の使用。
【請求項47】
感染個体のHIV感染症状又は作用を治療又は予防するための単位剤形医薬品の製造における、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体、及びヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体の使用であって、該ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体が、該剤形において、該ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤又はその生理的機能性誘導体と異なる領域内に提供される、前記使用。

【公表番号】特表2009−519311(P2009−519311A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545090(P2008−545090)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004687
【国際公開番号】WO2007/068934
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(501312451)シプラ・リミテッド (56)
【Fターム(参考)】