説明

ネイルプリント装置および印刷制御方法

【課題】他人(有名人や友人など)の爪部に施されているネイルデザインを、簡易な手法で、そのままユーザ自身の爪部又はネイルチップシートに印刷することのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供する。
【解決手段】他人の複数の対象指Uの指爪画像及びユーザ自身の複数の対象指Uの指爪画像から検出された各対象指Uの種類と他人の爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5及びユーザ自身の爪部Tの爪画像G1〜G5とを対応付けて、人物別にそれぞれRAM53等に記憶しておく。そして、記憶されている他人の各爪部に施されているネイルデザインD1〜D5を含む爪画像Ga1〜Ga5を、本人であるユーザ自身の対応する対象指Uの爪画像G1〜G5に合わせて調整し、この調整された調整爪画像Ia1〜Ia5(他人のネイルデザインD1〜D5を含む)を、ユーザ自身の爪画像G1〜G5に対応する対象指Uの爪部T上に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネイルプリント装置および印刷制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人の指の爪部に文字や絵柄等のデザイン画像を印刷するネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ネイルプリント装置は、印刷しようとする爪部を撮影手段で撮影して印刷対象となる爪領域を検出し、この検出された爪領域にユーザが選択したデザイン画像をインクジェット方式の印刷ヘッド等を用いて印刷するものである。
【0003】
このような装置を用いれば、ネイルサロン等を利用することなく、簡易にネイルプリントを楽しむことができる。
また、直接自分の爪部に印刷を行うのではなく、ネイルチップシート上に自分の爪部の形状にあったネイルチップを印刷し、これを切り取ってユーザ自身の爪部上に貼り付けることで手軽にネイルアートを楽しむことも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のネイルプリント装置の場合、印刷可能なネイルデザインは予め装置側において設定された範囲で選択できるようになっており、ユーザ自身(以下、「本人」又は「自分」という場合もある。)が自由にデザインを選ぶことは難しかった。
仮に、ユーザが自分で自由にネイルデザインを設定できるようになっていても、希望するデザインをユーザ自身で作り込む等の作業が必要となり、ユーザにとって煩雑である。
【0006】
ユーザとしては、優れたネイルデザインを爪部に施している有名人や友人等、他人のネイルデザインを自分の爪部に施してみたいという要望があるが、このように他人のネイルデザインを真似したいと思っても、その他人のネイルデザインを設定し、自分の爪部上に再現するためには、複雑なスイッチ操作等を行わなければならず、煩雑な作業なしに気軽に楽しむことは難しいとの問題があった。
【0007】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、他人(有名人や友人など)の爪部に施されているネイルデザインを、簡易な手法で、そのままユーザ自身の爪部又はネイルチップシートに印刷することのできるネイルプリント装置及び印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のネイルプリント装置は、
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像を得る第1の画像取得手段と、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出手段と、
この検出手段により検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する指の爪部上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載のネイルプリント装置は、
第1の人物の爪部の第1の爪画像を得る第1の画像取得手段と、
第2の人物の爪部の第2の爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた前記第1の爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた前記第2の爪画像を、前記第1の人物及び第2の人物別にそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する前記第2の人物の爪部上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置において、
前記第1の爪画像及び前記第2の爪画像からそれぞれ爪部の第1の輪郭及び第2の輪郭を抽出する爪輪郭抽出手段を備え、
前記調整爪画像生成手段は、前記爪輪郭抽出手段により抽出された前記第1の輪郭と前記第2の輪郭とを比較し、前記第1の輪郭のサイズが前記第2の輪郭のサイズよりも大きい場合は、前記第1の輪郭が前記第2の輪郭内に収まるように前記第1の爪画像全体のサイズを縮小して調整爪画像を生成するものであり、
前記印刷制御手段は、前記調整爪画像生成手段により全体のサイズが縮小された前記調整爪画像を前記第2の爪画像に対応する爪部上に印刷するように制御するものであることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載のネイルプリント装置は、
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像指爪画像を得る第1の画像取得手段と、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像指爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出手段と、
この検出手段により検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像と前記第2の爪部の輪郭とを合成して合成爪画像を生成する合成爪画像生成手段と、
この合成爪画像生成手段により生成された合成爪画像を、ネイルチップシート上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5に記載のネイルプリント装置は、
第1の人物の爪部の第1の爪画像を得る第1の画像取得手段と、
第2の人物の爪部の第2の爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた前記第1の爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた前記第2の爪画像を、前記第1の人物及び第2の人物別にそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像と前記第2の人物の爪部の輪郭とを合成して合成爪画像を生成する合成爪画像生成手段と、
この合成爪画像生成手段により生成された合成爪画像を、ネイルチップシート上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6に記載の印刷制御方法は、
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像を得る第1の画像取得ステップと、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像を得る第2の画像取得ステップと、
前記第1の画像取得ステップにおいて得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得ステップにおいて得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出ステップと、
この検出手段において検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御ステップと、
この記憶制御ステップにおいて記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成ステップと、
この調整爪画像生成ステップにおいて生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する指の爪部上に印刷するように制御する印刷制御ステップと、
を含んでいることを特徴としている。
【0014】
また、請求項7に記載のネイルプリント装置は、
第1の爪部の第1の爪画像を含む指爪画像が記憶されている画像記憶手段と、
第2の爪部の第2の爪画像を含む指爪画像を得る画像取得手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている前記第1の爪画像または当該第1の爪画像に含まれているネイルデザインを、前記第2の画像取得手段により得られた第2の指爪画像に対応する第2の爪部及びネイルチップシートのいずれか一方に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項8に記載の印刷制御方法は、
第1の爪部の第1の爪画像を含む指爪画像が記憶されている画像記憶手段を備えているネイルプリント装置に用いられる印刷制御方法において、
第2の爪部の第2の爪画像を含む指爪画像を得る画像取得ステップと、
前記画像記憶手段に記憶されている前記第1の画像または当該第1の爪画像に含まれているネイルデザインを、前記画像取得手段により得られた第2の爪画像に対応する第2の爪部及びネイルチップシートのいずれか一方に印刷するように制御する印刷制御ステップと、
を含んでいることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの手を煩わせることなく、他人(有名人や友人など)の爪部に施されているネイルデザインを、簡易な手法で、そのままユーザ自身の爪部又はネイルチップシートに印刷することができる。このため、他人の優れたネイルデザインを気軽に真似ておしゃれを楽しむことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。
【図2】図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。
【図3】図2における装置本体を正面側から見た場合の断面図である。
【図4】図2における装置本体を右側から右側面側から見た場合の断面図である。
【図5】図1のネイルプリント装置を示したブロック図である。
【図6】RAMのメモリ構成図である。
【図7】(A)は、4本指用の指保持部材の側断面図であり、(B)は、4本指用の指保持部材の正面図であり、(C)は、親指用の指保持部材の側断面図であり、(D)は、親指用の指保持部材の正面図である。
【図8】(A)は、4本指用の指保持部材を裏返した状態の側断面図であり、(B)は、本実施形態のネイルチップシートの断面図であり、(C)は、ネイルチップシートに印刷後剥離層を剥離する状態を示す断面図であり、(D)は、切り離したネイルチップを指の爪上に貼り付けた状態を示す断面図である。
【図9】ネイル印刷処理のフローチャートである。
【図10】他人の指先撮影処理のフローチャートである。
【図11】自分の指先撮影処理のフローチャートである。
【図12】自分の指先撮影処理のフローチャートである。
【図13】爪部印刷処理のフローチャートである。
【図14】シート印刷処理のフローチャートである。
【図15】シート印刷処理のフローチャートである。
【図16】操作部と表示部のモード選択画面との一例を示す図である。
【図17】表示部の指挿入指示画面の一例を示す図である。
【図18】表示部の保持部材挿入指示画面の一例を示す図である。
【図19】図1のネイルプリント装置の印刷指固定部とその第1の指挿入部に挿入される4本指用の指保持部材とを示した側断面図である。
【図20】図1のネイルプリント装置の印刷指固定部の第1の指挿入部に4本指用の指保持部材が挿入された状態を示した側断面図である。
【図21】図1のネイルプリント装置の印刷指固定部の第1の指挿入部に親指用の指保持部材が挿入された状態を示した側断面図である。
【図22】表示部の保持部材取出指示画面の一例を示す図である。
【図23】表示部の保持部材挿入継続指示画面の一例を示す図である。
【図24】他人の爪部の爪画像を含む指爪画像の一例を示した図である。
【図25】ユーザ自身の爪部の爪画像を含む指爪画像の一例を示した図である。
【図26】(A)は、他人の爪部の輪郭と自分の爪部の輪郭とを比較する様子を示す説明図であり、(B)は、他人の爪部の爪画像を自分の爪部の輪郭に合わせて縮小する例を示す説明図であり、(C)は、調整爪画像の一例を示す図であり、(D)は、合成爪画像の一例を示す図である。
【図27】ユーザ自身の爪部に5本分の合成爪画像が印刷された状態を示した図である。
【図28】表示部のシート載置指示画面の一例を示す図である。
【図29】表示部の保持部材再挿入指示画面の一例を示す図である。
【図30】図1のネイルプリント装置の指保持部材を裏返した状態を示した斜視図である。
【図31】図1のネイルプリント装置の印刷指固定部の第1の指挿入部にネイルチップシートが載置された4本指用の指保持部材が挿入された状態を示した側断面図である。
【図32】5本分の合成爪画像が印刷されたネイルチップシートを示した図である。
【図33】図32のネイルチップシートから切り離された5つの爪用のネイルチップを示した図である。
【図34】本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。
【図35】第1の爪画像選択処理のフローチャートである。
【図36】第2の爪部の爪画像取得処理のフローチャートである。
【図37】爪部印刷処理のフローチャートである。
【図38】表示部のデザイン選択画面の一例を示す図である。
【図39】(A)は、ユーザ自身の指爪画像の一例を示す図であり、(B)は、(A)の指爪画像から抽出された爪画像及び輪郭を示す図であり、(C)は、第1の爪画像の輪郭とユーザ自身の爪部の輪郭とを重ね合わせる様子を示す説明図であり、(D)は、第1の爪画像をユーザ自身の爪部の輪郭に合わせて縮小した調整爪画像の一例を示す図であり、(E)は、(D)に示すデザインをユーザ自身の爪部上に印刷した例を示す図である。
【図40】図1のネイルプリント装置の一変形例を概念的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
先ず、図1から図33を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図であり、図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。
本実施形態においてネイルプリント装置1はユーザの爪部にネイルデザインを印刷可能であるとともに、指の爪部に貼り付けられるネイルチップ70(図33等参照)を生成可能な装置であって、図1に示すように、ネイルプリント装置1は、ケース本体2、蓋体4の他、印刷対象となる爪部に対応する指(対象指U)が挿入される指挿入部である第1の指挿入部20a等を備えるプリント装置本体10、この第1の指挿入部20aに挿脱可能に構成された指保持部材6等を備えている。
【0019】
ケース本体2及び蓋体4は、ケース本体2の上面後端部に設けたヒンジ3を介して、互いに連結されている。
上記ケース本体2は平面視で長円状に形成されている。このケース本体2の前側には開閉板2cが起倒可能に設けられている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面下端部に設けたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。この開閉板2cは、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。このケース本体2の前面が開放された状態で、ネイルプリント装置1は使用される。また、ケース本体2の天板2fには後述する操作部25が設置されている。さらに、蓋体4の内面には表示部26が設置されている。
【0020】
また、図2に示すように、ケース本体2にはネイルプリント装置1のプリント装置本体10が収容されている。このプリント装置本体10は、印刷指固定手段を構成している印刷指固定部20、撮影手段を構成している撮影部30、印刷手段を構成している印刷部40、制御手段を構成している制御装置50(図5参照)、操作部25及び表示部26を備えている。これらのうち印刷指固定部20、撮影部30、印刷部40及び制御装置50は機枠11に設けられている。
なお、機枠11は下部機枠11a及び上部機枠11bから構成されている。そして、下部機枠11aは箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置されている。一方、上部機枠11bは下部機枠11aの上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている。
【0021】
上記印刷指固定部20は、機枠11の中の下部機枠11aに設けられている。この印刷指固定部20は、下部機枠11aに設けられた第1の指挿入部20a、第2の指挿入部20b及び掴み部20cによって構成されている。
【0022】
本実施形態において、第1の指挿入部20aは、ユーザ(すなわち、第2の人物)の印刷対象となる爪部Tに対応する指(以下「対象指U」とする。図19等参照)を挿入するための指挿入部であるとともに、ユーザが自分の爪部に施したいネイルデザインを施している他人(すなわち、第1の人物.本実施形態では「他人a」(図6参照)を例とする。)の爪部Tに対応する指(以下「対象指U」とする。図19等参照)を挿入するための指挿入部である。
本実施形態では、対象指Uが後述する指保持部材6に保持された状態で第1の指挿入部20a内に挿入されるようになっている。なお、以下では、爪部Tのうち、親指の爪部をT1、人差し指の爪部をT2、中指の爪部をT3、薬指の爪部をT4、小指の爪部をT5とする(図25等参照)が、単に「爪部T」としたときは、これらの爪部Tを総称するものとする。また、対象指Uのうち、親指をU1、人差し指をU2、中指をU3、薬指をU4、小指をU5とする(図25等参照)が、単に「対象指U」としたときは、ユーザ自身の「対象指U」と他人の「対象指U」とを含み、親指U1〜小指U5までの全ての対象指Uを総称するものとする。
【0023】
また、第2の指挿入部20bは、対象指U以外の非対象指Nを挿入するための指挿入部である。
また、掴み部20cは、第1の指挿入部20aに挿入された対象指Uと、第2の指挿入部20bに挿入された非対象指Nとで挟持可能な部分である(図19から図21参照)。この掴み部20cは第1の指挿入部20aと第2の指挿入部20bとを仕切る隔壁21によって構成されている。
なお、上記第2の指挿入部20b及び上記掴み部20cを設けなくてもよいが、これらを設けることにより、第1の指挿入部20a内に挿入された指保持部材6及びこれに保持されている対象指Uをより安定させることができ、対象指Uを固定するために極めて有効である。
【0024】
上記隔壁21の上面は平坦な指保持部材載置面を構成している。この指保持部材載置面は第1の指挿入部20aに挿入された指保持部材6を載置するためのものである。なお、この指保持部材載置面は、上記第2の指挿入部20b及び上記掴み部20cを設けない場合には、上記第1の指挿入部20aの床面によって構成されることになる。
この隔壁21の指保持部材挿入側端部には膨出部22が形成されている(図19から図21参照)。この膨出部22は、第1の指挿入部20aに指保持部材6を深く挿入し、第2の指挿入部20bに非対象指Nを深く挿入した際に、対象指U及び非対象指Nの付け根が当接する部分に形成されている。この膨出部22は、対象指Uと非対象指Nとで隔壁21(掴み部20c)を挟持する際に、対象指Uと非対象指Nとの付け根で包持されるものである。ここで「包持」とは、対象指Uと非対象指Nとの付け根が当接し、膨出部22を掴めることである。この膨出部22の包持によって、手首の左右の振れや上下の振れが抑制されて、手先を安定させることができる。
この膨出部22は、図19から図21に示すように、指保持部材6の挿入方向に沿った断面で見た場合(側面視で)、隔壁21の下面から下方に向けて膨出するように円形となっている。なお、膨出部22の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形,断面多角形等の非円形であってもよい。要は、対象指Uと非対象指Nとの付け根で包持される形状であればよい。
なお、膨出部22の大きさ、すなわち、隔壁21の厚み方向の厚みは、対象指Uと非対象指Nとの付け根が膨出部22に十分に当接するように、1〜2cm程度が好ましく、隔壁21の厚みは、指先の腹が隔壁21にしっかりと圧接できるように、膨出部22の厚みよりも0.5〜1cm程度小さいことが好ましい。
【0025】
次に、撮影部30について説明する。この撮影部30は、図2から図4に示すように、機枠11の中の上部機枠11bに設けられている。
すなわち、上部機枠11bに設置された基板31の中央部下面には、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有するカメラ32が設置されている。また、基板31には、カメラ32を囲むように白色LED等の照明灯33が設置されている。
この撮影部30は、このカメラ32及び照明灯33を含んで構成されている。
本実施形態において、撮影部30は、照明灯33によって他人a(すなわち、第1の人物)の対象指Uを照明し、カメラ32によってその対象指Uを撮影して、他人a(第1の人物)の複数の爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5(図6参照)を含む指爪画像を得る第1の画像取得手段として機能する。
また、この撮影部30は、照明灯33によってユーザ自身(すなわち、第2の人物)の対象指Uを照明し、カメラ32によってその対象指Uを撮影して、ユーザ自身(第2の人物)の複数の爪部Tの爪画像G1〜G5(図6参照)を含む指爪画像を得る第2の画像取得手段として機能する。
この撮影部30は、後述する制御装置50の制御部51に接続され、該制御部51によって制御されるようになっている。また、撮影部30により取得された他人a(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5及びユーザ自身(第2の人物)の爪画像G1〜G5は、それぞれ指種類別にRAM53等の記憶手段に記憶される(図6参照)。
【0026】
また、印刷部40は、撮影部30によって撮影された他人(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5をユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指Uの爪画像G1〜G5に合わせて変形調整する等により生成された印刷用のデータに基づいて、ユーザの対象指Uの爪部T又はネイルチップ70を生成するためのネイルチップシート7(図8(B)等参照)に対して印刷を施す印刷手段であり、図2から図4に示すように、機枠11(主に上部機枠11b)に設けられている。
すなわち、上部機枠11bの両側板には2本のガイドロッド41が平行に架設されている。このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。また、主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。この副キャリッジ45の下面中央部に印刷ヘッド46が搭載されている。
本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、被印字媒体に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されず、感熱印刷方式などの他の各種の印刷方式が採用可能である。
【0027】
主キャリッジ42は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ43に連結され、モータ43の正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動ように構成されている。また、副キャリッジ45は動力伝達手段(図示せず)を介してモータ47に連結され、モータ47の正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。この主キャリッジ42及び副キャリッジ45の移動と、印刷ヘッド46からのインクの吐出とによって、指保持部材6に保持された対象指Uの爪部、又は指保持部材6のシート配置部65(図8(A)等参照)に載置されたネイルチップシート7への印刷が可能となる。
また、下部機枠11aには、印刷ヘッド46にインクを供給するためのインクカートリッジ48が設けられている。インクカートリッジ48は、図示しないインク供給管を介して印刷ヘッド46と接続されており、適宜印刷ヘッド46にインクを供給するようになっている。なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。
【0028】
印刷部40は、これらガイドロッド41、主キャリッジ42、モータ43、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、モータ47及びインクカートリッジ48等を備えて構成されている。この印刷部40のモータ43、印刷ヘッド46、モータ47は、後述する制御装置50の制御部51に接続され、該制御部51によって制御されるようになっている。
【0029】
操作部25は、ユーザが各種入力操作を行うための入力手段である。操作部25は、ケース本体2の天板2fに設けられており、本実施形態における操作部25には、電源キー25a、カメラキー25b、印刷キー25c、停止キー25d、文字入力キー25e、選択キー25f、カーソルキー25g及び決定キー25h等が設けられている。
ここで、文字入力キー25e、選択キー25f、カーソルキー25gは、各種動作モードの選択等に使用されるキーである。本実施形態では、図16に示すように、他人の指先撮影モード、自分(すなわちユーザ自身)の指先撮影モード、印刷モードの3つの動作モードが選択可能となっている。また、決定キー25hは、文字入力キー25e、選択キー25f、カーソルキー25gによって選択された動作モードの確定等を行うためのキーである。電源キー25aは、ネイルプリント装置1の電源をON/OFFするためのキーである。カメラキー25bは、撮影部30による撮影を開始させるためのトリガとなるキーである。また、印刷キー25cは、印刷処理の開始のためのトリガとなるキーである。また、停止キー25dは、印刷処理を停止させる際に使用されるキーである。
【0030】
表示部26は、例えば液晶パネル(液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display))等で構成され、印刷処理を行う際等に各種表示を行う表示手段である。なお、表示部26は液晶パネルで構成されるものに限定されない。
なお、表示部26の表面に、タッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、図示しないスタイラスペンや指先等により表示部26の表面をタッチすることによっても各種の入力を行うことができるように構成され、表示部26も操作部25と同様の機能を備える。
【0031】
本実施形態において、表示部26は、例えば、ユーザに動作モードの選択を促すモード選択画面(図16参照)、ネイルデザインをユーザの手指に重畳したデザイン合成画像を表示してユーザに確認を求めるデザイン確認画面等の他、各種の指示画面(図17、図18、図22、図23、図28、図29)等を表示するようになっている。
なお、図16に示すように、本実施形態におけるモード選択画面には、他人の指先撮影モードを選択するための他人の指先撮影モードキーP1、自分(すなわちユーザ自身)の指先撮影モードを選択するための自分の指先撮影モードキーP2、印刷モードを選択するための印刷モードキーP3が表示されるようになっており、ユーザは、この他人の指先撮影モードキーP1、自分の指先撮影モードキーP2、印刷モードキーP3のいずれかを選択することにより、所望の動作モードを選択可能となっている。
なお、図示はしないが、印刷モードが選択されたときは、さらにユーザの爪部Tに直接印刷を施す爪印刷モードとネイルチップシート7の上に印刷を施すシート印刷モードとが選択可能となっている。また、後述する記憶手段に複数人分の他人(図6において、他人a〜他人dの4人分を例示)の爪画像が記憶されている場合には、そのうちのいずれの他人の爪画像のネイルデザインを自分の爪部T又はネイルチップシート7上に印刷するかを、表示部26の表示画面上又は操作部25において選択することができる。
【0032】
また、制御装置50は上部機枠11bに設けられている。この制御装置50は、基板31に設置されており、図5に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部51、記憶手段としてのROM(Read Only Memory)52及びRAM53(Random Access Memory)等を備えるコンピュータである。なお、記憶手段は、制御装置50内のROM52、RAM53に限定されず、他に記憶手段が設けられていてもよい。
【0033】
この制御部51は、機能的に見た場合、指種類検出部511、爪輪郭抽出部512、調整爪画像生成部513、合成爪画像生成部514、印刷制御部515、表示制御部516等を備えている。これら指種類検出部511、爪輪郭抽出部512、調整爪画像生成部513、合成爪画像生成部514、印刷制御部515、表示制御部516等としての機能は、CPUとROM52に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
【0034】
指種類検出部511は、撮影部30により撮影された他人a(第1の人物)の複数の対象指Uの指爪画像、及び同様に撮影部30により撮影されたユーザ自身(第2の人物)の複数の対象指Uの指爪画像から、それぞれ各指の種類を検出する指種類検出手段である。
指種類検出部511は、例えば指爪画像の配置、長さ寸法や幅寸法等に基づいて各指爪画像の指種類を検出するようになっている。なお、指種類の検出手法はここに例示したものに限定されない。
指種類検出部511は、指爪画像に基づいて検出された指の種類と撮影部30により得られた爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5、G1〜G5とを対応付けて、他人a(第1の人物)及びユーザ自身(第2の人物)について別々にそれぞれRAM53等の記憶手段に記憶させる記憶制御手段として機能する。
【0035】
爪輪郭抽出部512は、撮影部30により撮影された他人a(第1の人物)の爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5及びユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの爪画像G1〜G5からそれぞれ爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5、R1〜R5を抽出する爪輪郭抽出手段である。爪輪郭抽出部512によって抽出された爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5、R1〜R5は、それぞれ爪画像Ga1〜Ga5、G1〜G5と対応付けられてRAM53等の記憶手段に記憶される(図6参照)。なお、爪輪郭抽出部512は本発明の必須の構成要素ではなく、爪輪郭抽出部512を設けず、爪部Tの輪郭Rを抽出せずに処理を行う構成としてもよい。
【0036】
調整爪画像生成部513は、RAM53等の記憶手段に記憶された他人a(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5をユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指Uの爪画像G1〜G5に合わせて調整して調整爪画像Ia1〜Ia5(図6参照)を生成する調整爪画像生成手段である。
調整爪画像生成部513によって生成された調整爪画像Ia1〜Ia5は、人別(他人(第1の人物)かユーザ自身(第2の人物)かの別)及び指種類別にそれぞれ対応付けられてRAM53等の記憶手段に記憶される(図6参照)。
【0037】
例えば、他人aの爪部T1〜T5が図24に示すような大きさ・形状であり、ユーザ自身の爪部T1〜T5が図25に示すような大きさ・形状である場合、図26(A)〜(C)に示すような手順により、他人aの爪画像Ga1〜Ga5をユーザの爪画像G1〜G5に合わせ込む。これにより、他人aの爪画像Ga1〜Ga5をユーザの爪部T1〜T5に印刷したときに、図27に示すように、ユーザの爪部T1〜T5の大きさ・形状に合致させることができる。
【0038】
ここで、図26(A)〜(C)を参照しつつ、調整爪画像生成部513による調整爪画像Ia1〜Ia5の生成処理について詳細に説明する。
本実施形態では、まず、図26(A)に示すように、調整爪画像生成部513は、爪輪郭抽出部により抽出された他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5(図26(A)等では他人aの人差し指についての輪郭Ra2を示す。)と本人であるユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5(図26(A)等ではユーザの人差し指についての輪郭R2を示す。)とを比較し、他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも大きい場合は、他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5がユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5内に収まるように他人a(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5全体のサイズを縮小する(図26(B)参照。なお、図26(B)等では他人aの人差し指についての爪画像Ga2について示す。)。
なお、ここでは他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも大きい場合に他人a(第1の人物)の爪画像全体のサイズを縮小する例について説明したが、他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも小さい場合に他人a(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5全体のサイズを拡大してバランスよく印刷できるように調整してもよい。
また、調整爪画像生成部513による調整は、爪画像Ga1〜Ga5全体のサイズの縮小・拡大のみでなく、例えば縦長の爪画像Ga1〜Ga5を横長に変形する等、爪画像Ga1〜Ga5の形状を変形調整するものであってもよい。また、ネイルチップシート7に印刷する場合には、爪画像Ga1〜Ga5の幅方向のみユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5に合わせて調整し、爪画像Ga1〜Ga5の縦方向については、他人a(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5をネイルチップシート7に印刷する輪郭Rとして採用してもよい。
【0039】
さらに、他人aの爪画像をユーザの爪部Tに印刷する場合には、調整爪画像生成部513は、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置が自分の爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内にない場合には、輪郭R1〜R5の範囲内に収まるように輪郭Ra1〜Ra5の印刷位置の座標を移動させる。図26の場合には、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置が自分の爪部Tの輪郭R1〜R5よりも上方にずれているため(図26(A)及び(B)参照)、輪郭Ra1〜Ra5の印刷位置の座標を下方に移動させることにより、輪郭Ra1〜Ra5の位置を輪郭R1〜R5の範囲内に収めることができる(図26(C)参照)。
このようにして、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の大きさ、形状、位置を適宜調整することにより、図26(C)に示すような調整爪画像Ia1〜Ia5(図26(C)では他人aの人差し指についての調整爪画像Ia2を示す。)が生成される。
【0040】
また、合成爪画像生成部514は、調整爪画像生成部513により調整された他人a(第1の人物)の調整後の爪画像(すなわち、調整爪画像Ia1〜Ia5)とユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5とを合成して、図26(D)に示すような合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R5(図26(D)では他人aの人差し指についての調整爪画像Ia5+R5を示す。)を生成する合成爪画像生成手段である。なお、印刷モードにおいて、ユーザの爪部Tに印刷を施す爪印刷モードが選択された場合(すなわち、ネイルチップシート7に印刷を施すシート印刷モードが選択されなかった場合)には、合成爪画像生成部514における合成爪画像の生成を行わないようにしてもよい。
合成爪画像生成部514によって生成された合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1は、人別(他人a(第1の人物)かユーザ自身(第2の人物)かの別)及び指種類別にそれぞれ対応付けられてRAM53等の記憶手段に記憶される(図6参照)。
【0041】
印刷制御部515は、ユーザ自身(第2の人物)の爪部T又はネイルチップシート7上に印刷するように印刷部40の印刷動作を制御する印刷制御手段である。
具体的には、印刷モードにおいて、ユーザ自身(第2の人物)の爪部Tに印刷を施す爪印刷モードが選択された場合には、印刷制御部515は、調整爪画像生成部513によって生成された各指ごとの調整爪画像Ia1〜Ia5に基づいて、それぞれユーザ自身(第2の人物)の対応する各対象指Uの爪部Tに印刷するデザイン及び印刷位置等からなる印刷用のデータを生成し、これを印刷部40に出力して印刷部40の印刷動作を制御する。
また、印刷モードにおいて、ネイルチップシート7に印刷を施すシート印刷モードが選択された場合には、印刷制御部515は、合成爪画像生成部514において生成された合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1を、ネイルチップシート7上に印刷されたときに各指の合成爪画像が互いにある程度の間隔を空けて配置されるように印刷用のデータを生成し、これを印刷部40に出力して印刷部40の印刷動作を制御する。
本実施形態では、ネイルチップシート7に印刷を施す場合に、印刷制御部515は、片手の親指から小指までの5本の指について1枚のネイルチップシート7上に印刷できるように各指の合成爪画像の配置を調整し、印刷用のデータを生成するようになっている(図25参照)。
なお、1枚のネイルチップシート7上に何本の指の合成爪画像を配置するかは、予め設定されていてもよいし、使用状況に応じてユーザが任意に設定できるようにしてもよい。例えば、親指を除く4本の指の合成爪画像のみが1枚のネイルチップシート7上に配置されるように印刷用のデータを生成してもよいし、両手の10本の指全てについて合成爪画像を生成した後に、当該10本分の合成爪画像が1枚のネイルチップシート7上に配置されるように印刷用のデータを生成してもよい。
【0042】
表示制御部516は、表示手段としての表示部26に各種の表示を表示させる表示制御手段である。本実施形態では、表示制御部516は、前述のようにモード選択画面、デザイン確認画面、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。
【0043】
また、記憶手段としてのROM52は、指爪画像から各指の種類を検出するための指種類検出プログラム、爪部の輪郭を抽出するための爪輪郭抽出プログラム、他人(第1の人物)の爪画像をユーザ自身(第2の人物)の対応する爪部の爪画像に合わせて変形調整して調整爪画像を生成するための調整爪画像生成プログラム、調整爪画像とユーザ自身(第2の人物)の爪部の輪郭とを合成して合成爪画像を生成するための合成爪画像生成プログラム、印刷用のデータを生成するための印刷用データ生成プログラム、印刷処理を行うための印刷処理プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置50によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。
【0044】
また、本実施形態において記憶手段であるRAM53は各種データ等を記憶する記憶領域531と制御部51が各種処理を行う際にプログラム等を展開する作業領域(図示せず)とを備えている。RAM53の記憶領域531には、例えば、撮影部30により取得された他人a(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5及びユーザ自身(第2の人物)の爪画像G1〜G5が複数の指について指種類検出部511が検出した指の種類のデータと対応付けられて記憶されている。また、RAM53には、爪輪郭抽出部512により各爪画像Ga1〜Ga5、G1〜G5から抽出された爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5、R1〜R5のデータが、それぞれ対応する爪画像Ga1〜Ga5、G1〜G5と対応付けられて記憶されている。また、調整爪画像生成部513により他人a(第1の人物)の各対象指Uについて調整爪画像Ia1〜Ia5が生成されると、この調整爪画像Ia1〜Ia5のデータが、当該他人aの指種類別に対応付けられて記憶される。さらに、合成爪画像生成部514により各指ごとの合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1が生成されると、この合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1のデータが、当該他人の指種類別に対応付けられて記憶される。
【0045】
図6は、RAM53の記憶領域531の一例を模式的に示した図である。
図6では、他人a〜他人dの4人分のデータが既に取得されている他人(第1の人物)のデータとしてそれぞれ第1欄531a、第2欄531b、第3欄531c、第4欄531dに記憶されている例を示している。なお、RAM53に記憶される他人(第1の人物)のデータは4人分に限定されない。また、RAM53に記憶可能なデータ数は特に限定されないが、過去に履歴として記憶された他人(第1の人物)のデータが一定の人数分に達すると、古いデータから消去されるようになっていてもよい。
【0046】
例えば、図7中の第1欄531aの他人aに関するデータについて以下説明を行う。
第1欄531aの「他人の指先」の「爪画像」の項には、他人aの指の爪画像が、指の種類別に親指Ga1、人差し指Ga2、中指Ga3、薬指Ga4、小指Ga5として記憶されている。なお、本実施形態では、親指を1、人差し指を2、中指を3、薬指を4、小指を5とする指番号が各指に付されている。
また、「他人の指先」の「輪郭」の項には、これら各指の爪画像Ga1〜Ga5から抽出された輪郭が、指の種類別に親指Ra1、人差し指Ra2、中指Ra3、薬指Ra4、小指Ra5として記憶されている。
また、「自分の指先」の「爪画像」の項には、他人aの各指種類に対応するユーザ自身の指の爪画像が、指の種類別に親指G1、人差し指G2、中指G3、薬指G4、小指G5として記憶されている。
また、「自分の指先」の「輪郭」の項には、これら各指の爪画像G1〜G5から抽出された輪郭が、指の種類別に親指R1、人差し指R2、中指R3、薬指R4、小指R5として記憶されている。
さらに、「調整爪画像」の項には、他人aの各指の爪画像Ga1〜Ga5をユーザ自身の爪画像G1〜G5に合わせて調整した調整爪画像が、指の種類別に親指Ia1、人差し指Ia2、中指Ia3、薬指Ia4、小指Ia5として記憶されている。調整爪画像Ia1〜Ia5は、前述のように、他人aの各指の爪画像Ga1〜Ga5の大きさ、形状、印刷位置をユーザ自身の爪画像G1〜G5に合わせて調整したものである。
また、合成爪画像生成部514において合成爪画像が生成されたときは、合成後の画像データが「合成爪画像」の項に記憶される。ここで、合成爪画像は、図6の「合成爪画像」の項に示すように、他人a(第1の人物)の各指ごとの調整爪画像Ia1〜Ia5と当該調整爪画像Ia1〜Ia5に対応するユーザの指の爪部Tの輪郭R1〜R5とを合成したものである。
【0047】
なお、ROM53の記憶領域531に既存のデザインデータが記憶されていてもよく、この場合には、ユーザは、撮影部30によって取得された他人(第1の人物)の爪画像のみでなく、ROM53に記憶された既存のデザインの中からも自分の爪部に印刷するデザインを選択できるようにしてもよい。ユーザがROM53の記憶領域531に記憶されている既存のデザインデータの中から所望のデザインを選択した場合には、そのデザインデータがRAM53の記憶領域531に記憶される。
【0048】
次に、本実施形態における指保持部材6について、図1及び図7を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態において、第1の指挿入部20a内には、人差し指から小指までの4本の指を対象指U(U2〜U5)として保持する4本指用の指保持部材6aと、対象指Uとして親指(U1)を保持する親指用の指保持部材6bとが選択的に挿入可能となっている。なお、以下において、単に指保持部材6とするときは、4本指用の指保持部材6a及び親指用の指保持部材6bの双方を含むものとする。
図7(A)は、4本指用の指保持部材6aの側断面図であり、図7(B)は、4本指用の指保持部材6aを指の挿入方向から見た正面図である。また、図7(C)は、親指用の指保持部材6bの側断面図であり、図7(D)は、親指用の指保持部材6bを指の挿入方向から見た正面図である。
【0049】
図1、図7(A)及び図7(B)に示すように、4本指用の指保持部材6aは4本指を保持可能な保持部材本体60を備えており、この保持部材本体60には、4本指用の指保持部材6aの指挿入側正面に開口する指保持部としての4つの指挿入孔61が設けられている。指挿入孔61の内部上面は、指挿入方向のほぼ中央部から開口側に向かって上方向に傾斜している。なお、指挿入孔61の形状や構造は図示例に限定されないが、指は指先から付け根にいくにしたがって厚みが大きくなるため、図示例のように指挿入孔61の内部上面に傾斜をつけた場合には対象指Uをスムーズに指挿入孔61の奥まで挿入することができ、好ましい。なお、指挿入孔61の内部上面に傾斜をつける代わりに、指挿入孔61の内部上面に指挿入方向の奥側よりも開口側の方が上下方向の厚みが厚くなるように段差を設けてもよい。
各指挿入孔61の間は指仕切部62となっており、各指挿入孔61に4本の対象指U(人差し指U2から小指U5)が挿入されたときに、各対象指Uの間に適度に隙間が開くようになっている。指仕切部62の厚みは特に限定されないが、対象指U同士が接近し過ぎていると各対象指Uの爪部の輪郭の認識がしにくくなることから、本実施形態のように、指仕切部62によって各対象指Uの間に適度の間隔が保たれるようにすることが好ましい。
【0050】
4本指用の指保持部材6aの表面(対象指Uが挿入される際に上側(図7(A)及び図7(B)における上側)となる面)側であって指挿入方向の奥側には、各指挿入孔61に対応する位置に、各指挿入孔61に挿入された各対象指U(人差し指から小指)の爪部を露出させる爪部露出孔63が形成されている。指保持部材6aの奥まで対象指U(人差し指から小指)を挿入すると、各指の爪部が各指挿入孔61の爪部露出孔63から露出して、撮影部30による爪部の撮影及び印刷部40による爪部への印刷が可能な状態となる。
また、4本指用の指保持部材6aの裏面(対象指Uが挿入される際に下側(図7(A)及び図7(B)における下側)となる面)側であって指挿入方向の奥側には、後述するネイルチップシート7を載置するシート配置部65が形成されている。シート配置部65は、本実施形態におけるネイルプリント装置1で用いられるネイルチップシート7の厚みとほぼ同じ深さの切り欠き部である。シート配置部65の縦横の寸法は、ネイルチップシート7の縦横の寸法と同じかこれよりも多少大きくなっている。
【0051】
図1、図7(C)及び図7(D)に示すように、親指用の指保持部材6bは親指を保持可能な保持部材本体60を備えており、この保持部材本体60には、親指用の指保持部材6bの指挿入側正面に開口する指保持部としての1つの指挿入孔61が設けられている。指挿入孔61の内部上面には、指挿入方向の奥側よりも開口側の方が上下方向の厚みが厚くなるように段差が設けられている。なお、指挿入孔61の形状や構造は図示例に限定されないが、指は指先から付け根にいくにしたがって厚みが大きくなるため、図示例のように指挿入孔61の内部上面に段差をつけて開口側の方が上下方向の厚みが厚くなるようにした場合には対象指U(親指U1)をスムーズに指挿入孔61の奥まで挿入することができ、好ましい。なお、4本指用の指保持部材6bの指挿入孔61と同様に、指挿入孔61の内部上面が指挿入方向のほぼ中央部から開口側に向かって上方向に傾斜するように構成してもよい。
【0052】
親指用の指保持部材6bの表面(対象指Uが挿入される際に上側(図7(C)及び図7(D)における上側)となる面)側であって指挿入方向の奥側には、指挿入孔61に対応する位置に、指挿入孔61に挿入された対象指U(親指)の爪部を露出させる爪部露出孔63が形成されている。指保持部材6bの奥まで対象指U(親指)を挿入すると、親指の爪部が指挿入孔61の爪部露出孔63から露出して、撮影部30による爪部の撮影及び印刷部40による爪部への印刷が可能な状態となる。
また、親指用の指保持部材6bの裏面(対象指Uが挿入される際に下側(図7(C)及び図7(D)における下側)となる面)側であって指挿入方向の奥側には、後述するネイルチップシート7を載置するシート配置部65が形成されている。シート配置部65は、前記4本指用の指保持部材6aに設けられているシート配置部65と同様のものであるため、その説明を省略する。
【0053】
図8(A)は、4本指用の指保持部材6aの表裏を裏返して、4本指用の指保持部材6aの裏面側に設けられているシート配置部65にネイルチップシート7を載置する様子を示した図である。図8(A)に示すように、シート配置部65にネイルチップシート7を載置すると、4本指用の指保持部材6aのシート配置部65側の面がほぼ面一となるようになっている。
また、図8(B)は、本実施形態において用いられるネイルチップシート7の構成を示した断面図である。図8(B)に示すように、ネイルチップシート7は、フィルム上のシートであり、インクが吐出され印刷が施される被印刷層71と、接着剤層72と、剥離層73とが順に重ね合わされて構成されている。
図8(C)に示すように、ネイルチップシート7上にインクが吐出されると、被印刷層71の上にネイル印刷層8が形成される。ネイルチップシート7は、印刷後、ユーザがネイルチップシート7上に印刷された爪部の輪郭を示す線に沿って切断することにより、それぞれ対応する指の爪部Tに沿う形状のシール状のネイルチップ70(図26等において、親指用のネイルチップ70a、人差し指用のネイルチップ70b、中指用のネイルチップ70c、薬指用のネイルチップ70d、小指用のネイルチップ70e)となる。ユーザは、例えば図8(C)に点線で示す部分を切断して各爪部Tごとのネイルチップ70とした後、各ネイルチップ70の剥離層73を剥がして接着剤層72を露出させ、それぞれ対応する爪部Tの上に貼り付ける。なお、図8(D)は、指の爪部Tの上にネイルチップ70が貼り付けられた状態を示したものである。
【0054】
次に、上記ネイルプリント装置1におけるネイル印刷処理の流れを図9から図15のフローチャート及び図16から図33に基づいて説明する。なお、以下では、友人等である他人a(第1の人物)の爪部に施されたネイルデザインを、ユーザ自身(第2の人物)の爪部又はネイルチップシート7上に印刷する場合を例として説明する。
【0055】
図9は、本実施形態におけるネイル印刷処理の概略を示したものである。
図9に示すように、本実施形態におけるネイル印刷処理は、まず、他人の指先撮影処理(図10参照)を行い(ステップS1)、さらに自分の指先撮影処理(図11及び図12参照)を行う(ステップS2)。他人の指先撮影処理によって、友人等、ネイルデザインを真似したい他人の爪部の爪画像等を取得し、自分の指先撮影処理によって、ユーザ自身の爪部の爪画像等を取得すると、ユーザ自身の爪部T又はネイルチップシートに対して他人の爪画像等を印刷する印刷処理(図13から図15参照)を行う(ステップS3)。
【0056】
なお、ネイル印刷処理は、通常、他人の指先撮影処理(ステップS1、図10参照)、自分の指先撮影処理(ステップS2、図11及び図12参照)、印刷処理(ステップS3、図13から図15参照)の順序で行われることが想定されるが、先に自分の指先撮影処理を行ってから他人の指先撮影処理を行ってもよく、その順序は入れ替わっても構わない。
また、自分の指先撮影処理(ステップS2、図11及び図12参照)は、印刷を行う度に行う必要はなく、例えばネイルプリント装置1を初めて使用する際等に1度行うようにしてもよい。この場合には、自分の指先撮影処理を行うことによって取得されたユーザ自身の爪部Tに関するデータ(図6の「自分の指先」の項を参照)をRAM53等の記憶手段に記憶させておき、2回目以降の印刷の際には、当該記憶されているデータを用いるようにする。このように既得のデータを用いる場合には、2回目以降の印刷において、自分の指先撮影処理に要する時間と手間を省くことができる。
また、他人の指先撮影処理(ステップS1、図10参照)についても、印刷を行う度に行う必要はなく、一旦RAM53等の記憶手段にデータとして取り込んだ後は、所望の他人(図6においては、他人a〜dのうちのいずれか)を選択するだけで、当該他人(第1の人物)のネイルデザイン(例えば他人aを選択すれば、他人aの爪画像のネイルデザイン)をユーザ自身の爪部T又はネイルチップシート7上に印刷できるようにしてもよい。さらに、後述する調整爪画像Ia1〜Ia5のデータや合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R5のデータを一旦生成した後は、これらを他人(第1の人物)ごとに記憶させておくことにより、後日印刷を行うときには、他人を選択することにより、改めて調整爪画像Ia1〜Ia5や合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R5の生成処理を行うことなく、簡易迅速に所望のネイルデザインを印刷することができるようにしてよい。
【0057】
図10は、他人の指先撮影処理(図9のステップS1)を示すフローチャートである。
図10に示すように、他人の指先撮影処理においては、まず、制御部51は、モード選択画面(図16参照)を表示部26に表示させ(ステップS11)、他人の指先撮影モードキーP1が操作されたか否かを判断する(ステップS12)。他人の指先撮影モードキーP1が操作されない場合(ステップS12;NO)には、操作されたキーに応じて、自分の指先撮影処理(図11及び図12参照)又は印刷処理(図13から図15参照)を行う(ステップS13)。
他人の指先撮影モードキーP1が操作された場合(ステップS12;YES)には、指保持部材6の指挿入孔61に他人aの対象指Uを挿入するよう促す指挿入指示画面(図17参照)を表示部26に表示させる(ステップS14)。なお、図17では、右手の4指を挿入する又は右手の親指を挿入するよう指示が表示されるようになっているが、指挿入指示画面の表示の内容はこれに限定されない。例えば、右手の4指について一連の処理が終了すると次に右手の親指を挿入するよう指示が表示され、右手の全指について処理が終了すると、同様に左手の指について挿入指示がなされるというように、順次指示が表示されるようになっていてもよい。
そして、制御部51は、指挿入孔61に他人aの対象指Uが挿入された状態で、指保持部材6を第1の指挿入部20aに挿入するように促すとともに、挿入後カメラ32のスイッチ(カメラキー25b)を操作するよう指示する保持部材挿入指示画面(図18参照)を表示部26に表示させる(ステップS15)。
【0058】
図19から図21に示すように、指保持部材6が第1の指挿入部20aに挿入されると、指保持部材6に保持されている他人aの対象指Uの爪部Tが爪部露出孔63から露出し、撮影部30の下方に位置して撮影可能な状態となる。この状態で指保持部材6に保持されている他人aの対象指Uについて、撮影部30による指爪画像の撮影が行われる(ステップS16)。
撮影部30により指爪画像が撮影されると、指種類検出部511が、この指爪画像から各指の種類を検出する(ステップS17)。指種類検出部511により検出された指の種類は、RAM53(図6参照)に記憶される(ステップS18)。
また、爪輪郭抽出部512が、指爪画像に含まれている爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5から爪部Tの輪郭(爪領域)Ra1〜Ra5を抽出する(ステップS19)。爪輪郭抽出部512により抽出された爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5は、「指の種類」及び「爪画像Ga1〜Ga5」と対応付けられて、RAM53(図6参照)に「輪郭Ra1〜Ra5」として記憶される(ステップS20)。
【0059】
制御部51は、全ての対象指Uについて、指の種類の検出及び爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の抽出が完了したかを常に判断し(ステップS21)、完了していない場合(ステップS21;NO)には、ステップS15からステップS20の処理を繰り返す。他方、全ての対象指Uについて、指の種類の検出及び爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の抽出が完了したと判断した場合(ステップS21;YES)には、指保持部材6を第1の指挿入部20aから抜き取るよう促す保持部材取出指示画面(図22参照)を表示部26に表示させる(ステップS22)。これにより他人の指先撮影処理(図9のステップS1)が終了する。
【0060】
図11及び図12は、自分の指先撮影処理(図9のステップS2)を示すフローチャートである。
図11に示すように、自分の指先撮影処理においては、まず、制御部51は、モード選択画面(図16参照)を表示部26に表示させ(ステップS31)、自分の指先撮影モードキーP2が操作されたか否かを判断する(ステップS32)。自分の指先撮影モードキーP2が操作されない場合(ステップS32;NO)には、操作されたキーに応じて、他人の指先撮影処理(図10参照)又は印刷処理(図13から図15参照)を行う(ステップS33)。
自分の指先撮影モードキーP2が操作された場合(ステップS32;YES)には、指保持部材6の指挿入孔61にユーザ自身の対象指Uを挿入するよう促す指挿入指示画面(図17参照)を表示部26に表示させる(ステップS34)。なお、指挿入指示画面は他人の指先撮影処理において示したものと同様であることから、説明を省略する。
次に、制御部51は、指挿入孔61にユーザ自身の対象指Uが挿入された状態で、指保持部材6を第1の指挿入部20aに挿入するように促すとともに、挿入後カメラ32のスイッチ(カメラキー25b)を操作するよう指示する保持部材挿入指示画面(図18参照)を表示部26に表示させる(ステップS35)。
【0061】
図19から図21に示すように、指保持部材6が第1の指挿入部20aに挿入されると、指保持部材6に保持されているユーザ自身の対象指Uの爪部Tが爪部露出孔63から露出し、撮影部30の下方に位置して撮影可能な状態となる。この状態で指保持部材6に保持されている他人aの対象指Uについて、撮影部30による指爪画像の撮影が行われる(ステップS36)。
撮影部30により指爪画像が撮影されると、指種類検出部511が、この指爪画像から各指の種類を検出する(ステップS37)。指種類検出部511により検出された指の種類は、RAM53(図6参照)に記憶される(ステップS38)。
また、爪輪郭抽出部512が、指爪画像に含まれている爪部Tの爪画像G1〜G5から爪部Tの輪郭(爪領域)R1〜R5を抽出する(ステップS29)。爪輪郭抽出部512により抽出された爪部Tの輪郭R1〜R5は、「指の種類」及び「爪画像G1〜G5」と対応付けられて、RAM53(図6参照)に「輪郭R1〜R5」として記憶される(ステップS40)。
【0062】
制御部51は、全ての対象指Uについて、指の種類の検出及び爪部Tの輪郭R1〜R5の抽出が完了したかを常に判断し(ステップS41)、完了していない場合(ステップS41;NO)には、ステップS35からステップS40の処理を繰り返す。
他方、全ての対象指Uについて、指の種類の検出及び爪部Tの輪郭R1〜R5の抽出が完了したと判断した場合(ステップS41;YES)には、図12に示すように、制御部51は、さらに、印刷処理として、ユーザ自身の爪部に直接印刷するモード(すなわち、爪部印刷モード)が選択されているか否かを判断する(ステップS42)。そして、爪部印刷モードが選択されている場合(ステップS42;YES)には、指保持部材6を第1の指挿入部20aに挿入された状態をそのまま継続するよう促す保持部材挿入継続指示画面(図23参照)を表示部26に表示させる(ステップS43)。この場合には、ユーザが対象指Uを指保持部材6に保持させて第1の指挿入部20aに挿入した状態が維持され、そのまま爪部Tへの印刷処理(図13のステップS56以降参照)に移行することができる。
印刷処理として、爪部印刷モードが選択されていない場合(ステップS42;NO、すなわち、ネイルチップシート7に印刷するシート印刷モードが選択されている場合)には、制御部51は、指保持部材6を第1の指挿入部20aから抜き取るよう促す保持部材取出指示画面(図22参照)を表示部26に表示させる(ステップS44)。これにより自分の指先撮影処理(図9のステップS2)が終了する。
【0063】
図13は、ユーザ自身の爪部Tに直接印刷するモード(爪部印刷モード)が選択されている場合の印刷処理(図9のステップS3)を示すフローチャートである。
図13に示すように、印刷処理においては、まず、制御部51は、モード選択画面(図16参照)を表示部26に表示させ(ステップS51)、印刷モードキーP3が操作されたか否かを判断する(ステップS52)。印刷モードキーP3が操作されない場合(ステップS52;NO)には、操作されたキーに応じて、他人の指先撮影処理(図10参照)又は自分の指先撮影処理(図11及び図12参照)を行う(ステップS53)。
印刷モードキーP3が操作された場合(ステップS52;YES)には、さらに、印刷モードとして爪部印刷モードが選択されているか否かを判断し(ステップS54)、爪部印刷モードが選択されていない場合(ステップS54;NO)には、シート印刷処理(図14及び図15参照)を行う(ステップS55)。他方、爪部印刷モードが選択されている場合(ステップS54;YES)には、RAM53に記憶されている他人aの各対象指Uの爪部の爪画像Ga1〜Ga5を対応するユーザ自身の各対象指Uの爪部T1〜T5に印刷する爪部印刷処理を行う。以下では、爪部印刷処理について、図24〜図27を参照しつつ具体的に説明する。
【0064】
なお、ここでは、他人aの爪部Tを構成している複数の爪部T1〜T5が図24に示すような大きさ・形状であり、これら複数の爪部T1〜T5には、異なる形状のネイルデザインD1〜D5(すなわち、親指の爪部T1には「ハート大」のデザインD1、人差し指の爪部T2には「顔」のデザインD2、中指の爪部T3には「太陽」のデザインD3、薬指の爪部T4には「月」のデザインD4、小指の爪部T5には「ハート小」のデザインD5)が施されている場合であって、他方、本人であるユーザ自身の爪部Tを構成している複数の爪部T1〜T5が図25に示すような大きさ・形状であり、これら複数の爪部T1〜T5には、ネイルデザインがまったく施されていない場合を想定する。
爪部印刷処理においては、例えば、図26(A)〜(D)のような手順で他人aの爪画像Ga1〜Ga5をユーザ自身の爪部の輪郭G1〜G5に合わせ込む処理を行う。なお、図26(A)〜(D)では、人差し指についての処理を例示しているが、他の指についても同様である。
爪部印刷処理においては、まず、他人a(第1の人物)の対象指Uの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5とユーザ自身(第2の人物)の対象指Uの爪部Tの輪郭R1〜R5とを比較する(ステップS56、図26(A)参照)。そして、調整爪画像生成部513は、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも大きいか否かを判断し(ステップS57)、大きい場合(ステップS57;YES)には、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5がユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5内に収まるように他人aの爪画像Ga1〜Ga5全体のサイズを縮小する(ステップS58、図26(B)参照)。調整爪画像生成部513は、他人aの各爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5とネイルデザインD1〜D5とがユーザ自身の各爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内に収まるまで、ステップS57の判断及びステップS58の縮小処理を繰り返す。
【0065】
他方、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズと同じ又は小さいと判断した場合(ステップS57;NO)には、調整爪画像生成部513は、さらに他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置がユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内にあるか否かを判断し(ステップS59)、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置がユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内にないと判断した場合(ステップS59;NO、図26(B)参照)には、調整爪画像生成部513は、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の印刷位置の座標を移動させ(ステップS60、図26(C)参照)、他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置がユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内に収まるまで、ステップS59の判断及びステップS60の移動処理を繰り返す。
他人aの爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5の位置がユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5の範囲内にあると判断した場合(ステップS59;YES、(図26(D)参照))には、調整爪画像生成部513は、調整後のネイルデザインD1〜D5を含む調整爪画像Ia1〜Ia5をRAM53に記憶させる(ステップS61)。
調整爪画像Ia1〜Ia5が生成されると、印刷制御部515は、印刷部40制御して、図26(D)に示すように、他人のネイルデザインD1〜D5を含む調整爪画像Ia1〜Ia5をユーザ自身の対応する指の爪部T上にそれぞれ印刷させる(ステップS62)。
【0066】
制御部51は、全ての対象指Uの爪部Tについて印刷が完了したかを常に判断し(ステップS63)、完了していない場合(ステップS63;NO)には、ステップS56からステップS62の処理を繰り返す。他方、全ての対象指Uについて印刷が完了したと判断した場合(ステップS63;YES)には、爪部Tへの印刷処理を終了する。
この実施の形態によれば、図27に示すように、他人のネイルデザインD1〜D5を含む調整爪画像Ia1〜Ia5を、本人の爪部Tを構成している複数の爪部T1〜T5上にそれぞれ印刷を施すことができる。この結果、他人(有名人や友人など)の爪部Tに施されているネイルデザインを、簡易な手法で、そのまま本人(ユーザ自身)の爪部Tに迅速かつ容易に印刷することができる。
【0067】
図14及び図15は、ネイルチップシート7に印刷するモード(シート印刷モード)が選択されている印刷処理(図9のステップS3)を示すフローチャートである。この印刷処理は、RAM53に記憶されている他人aの各対象指Uの爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5を対応するユーザ自身の各対象指Uの爪部Tの輪郭R1〜R5に合わせて、ネイルチップシート上に印刷する処理である。なお、ステップS71からステップS77までの処理は、図13のステップS51からステップS57までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0068】
調整爪画像生成部513が、Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも大きいか否かを判断(ステップS77)した結果、Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズと同じ又は小さいと判断した場合(ステップS77;NO)には、調整爪画像生成部513は、調整後の調整爪画像Ia1〜Ia5をRAM53に記憶させる(ステップS79)。
調整爪画像Ia1〜Ia5が生成されると、合成爪画像生成部514は、この調整爪画像Ia1〜Ia5と対応するユーザ自身の対象指Uの爪部Tの輪郭R1〜R5とを合成して合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1を生成する(ステップS80)。そして、合成爪画像生成部514は、生成した合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1をRAM53に記憶させる(ステップS81)。
【0069】
ネイルチップシート7に印刷を行う場合には、図15に示すように、制御部51は、指保持部材6を裏返して、シート配置部65にネイルチップシート7を載置するよう促すシート載置指示画面(図28参照)を表示部26に表示させる(ステップS83)。さらに、ネイルチップシート7が載置された状態で指保持部材6を第1の指挿入部20aに挿入するよう促す保持部材再挿入指示画面(図29参照)を表示部26に表示させる(ステップS84)。
保持部材再挿入指示画面(図29参照)が表示されると、ユーザは、図30に示すように、指保持部材6を裏返して、シート配置部65にネイルチップシート7を載置する。その上で、ネイルチップシート7が載置されたシート配置部65が上になるようにして、指保持部材6を第1の指挿入部20aに再度挿入する。図31は、ネイルチップシート7がシート配置部65に載置された状態で指保持部材6が第1の指挿入部20aに挿入された状態を示したものである。図31に示すように、ネイルチップシート7をシート配置部65に載置して指保持部材6を第1の指挿入部20aに挿入すると、ネイルチップシート7が印刷部40の下方に位置し、印刷可能な状態となる。
そして、ネイルチップシート7上に全指別に合成爪画像(Ia1+R1〜Ia5+R5)を印刷する(ステップS85、図32参照)。これにより、ネイルチップシート7への印刷処理が終了する。
ユーザは、印刷処理の終了後、ネイルチップシート7に印刷された爪部Tの輪郭線R1〜R5に沿って、鋏やカッターナイフ等により各ネイルチップ70を切り離す。これにより、図33に示すような各指ごとのネイルチップ70a〜70eを作成することができ、各ネイルチップ70の剥離層73を剥がしてそれぞれ対応する対象指Uの爪部Tの上に貼り付けることができる。
【0070】
以上、本実施形態によれば、友人や家族等の他人(第1の人物)の複数の爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5を含む指爪画像、及びユーザ自身(第2の人物)の複数の爪部Tの爪画像G1〜G5を含む指爪画像を撮影部30により取得し、得られた各指の指爪画像から、それぞれ各指の種類を検出して、検出された指の種類と爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5、G1〜G5とを対応付けて、人別にそれぞれRAM53に記憶させる。そして、RAM53に記憶された他人(第1の人物)の爪画像Ga1〜Ga5をユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指Uの爪画像G1〜G5に合わせて調整して調整爪画像Ia1〜Ia5を生成し、この調整爪画像Ia1〜Ia5を、ユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指U1〜U5の爪部T1〜T5上に印刷する。
これにより、真似をしたい他人のネイルデザインを、簡易に自分の爪部Tの形状に合わせてユーザ自身の爪部Tに印刷することができ、優れたネイルアートを煩雑な設定・操作等を行うことなく、手軽に楽しむことが可能となる。
また、上記調整爪画像Ia1〜Ia5とユーザ自身(第2の人物)の爪部T1〜T5の輪郭R1〜R5とを合成して合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1を生成し、この合成爪画像Ia1+R1〜Ia5+R1をネイルチップシート7上に印刷することができる。
このため、自分の爪部Tの形状に合ったネイルチップ70に真似をしたい他人のネイルデザインを簡易に印刷することができ、手指に直接インクが付着するおそれなく、手軽に優れたネイルアートを楽しむことが可能となる。
また、他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像Ga1〜Ga5及びユーザ自身(第2の人物)の爪部の爪画像G1〜G5からそれぞれ爪部Tの輪郭を抽出して、抽出された他人(第1の人物)の爪部Tの輪郭Ra1〜Ra5のサイズがユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5のサイズよりも大きい場合は、他人(第1の人物)の爪部の輪郭Ra1〜Ra5がユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭R1〜R5内に収まるように他人(第1の人物)の爪画像全体のサイズを縮小して調整爪画像Ia1〜Ia5を生成するため、他人(第1の人物)の爪部Tがユーザ自身(第2の人物)よりも大きい場合でも、サイズを合わせ込んで、ネイルデザインが爪部Tからはみ出すことがなく、適切な大きさのネイルデザインを自分の爪部Tに印刷することができる。
【0071】
[第2の実施の形態]
次に、図34を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、他人(第1の人物)の爪部の爪画像を含む指爪画像を得る第1の画像取得手段の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0072】
図34は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図である。
本実施形態において、ネイルプリント装置のケース本体2の上部には、外部からメモリカード等の記憶媒体9を挿入することのできる媒体挿入口27が設けられている。また、ケース本体2の内部に収容されているプリント装置本体10には、この媒体挿入口27に対応する位置に、媒体挿入口27から挿入された記憶媒体9の端子部91と接続可能な接続部(図示せず)が設けられている。この接続部は制御装置50と接続されており、記憶媒体9が媒体挿入口27から挿入され、その端子部91がプリント装置本体10の接続部と接続されると、記憶媒体9に記憶されているデータが、この接続部を介して、制御装置50の制御部51に送られるようになっている。
本実施形態では、図34に示すように、他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像を含む指爪画像をデジタルカメラ100によって撮影し、撮影された指爪画像が記憶された記憶媒体9をネイルプリント装置の媒体挿入口27に挿入されるようになっている。制御部51は、この記憶媒体9に記憶されているデータを取得することにより、他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像を含む指爪画像を得る第1の画像取得手段として機能する。
【0073】
制御部51により取得された他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像を含む指爪画像は、RAM53等のネイルプリント装置内部の記憶手段に記憶され、第1の実施形態と同様に、当該指爪画像に基づいて、指種類検出部511により、各指の種類が検出される。また、爪輪郭抽出部512により、その爪部Tの爪画像から爪部Tの輪郭が抽出される。
制御部51により取得された他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像、指種類検出部511により検出された指の種類及び爪輪郭抽出部512により抽出された爪部Tの輪郭は、RAMの「他人の指先」の項(図6参照)に、それぞれ対応付けられて各指別に記憶される。
【0074】
ユーザが当該記憶媒体9から取得された他人の爪部Tの爪画像を自分の爪部Tやネイルチップシート上に印刷しようとするときは、第1の実施形態と同様に、調整爪画像生成部513によって、RAM53等の記憶手段に記憶された当該他人(第1の人物)の爪画像がユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指Uの爪画像に合わせて調整され、調整爪画像(図6参照)が生成される。また、ネイルチップシート上に印刷する場合には、さらに合成爪画像生成部514により、この他人(第1の人物)の調整爪画像とユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭とが合成されて合成爪画像が生成される。
【0075】
なお、その他の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるため、同一部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
次に、本実施形態における印刷制御方法について説明する。
【0077】
ユーザは、真似をしたい他人(第1の人物)のネイルデザインD1〜D5が爪部Tを構成している複数の爪部T1〜T5上に施されている場合、当該他人の手指をデジタルカメラ100で撮影して、当該他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像を含む指爪画像を取得する。撮影された他人の指爪画像は、デジタルカメラ100の記憶媒体9に記憶される。
ユーザは、デジタルカメラ100から記憶媒体9を取り出して、記憶媒体9をネイルプリント装置の媒体挿入口27に挿入する。これにより、記憶媒体9の端子部91が接続部と接続され、記憶媒体9内に記憶されている画像データが制御部51に送られ、取得される。
【0078】
制御部51に取得された他人の指爪画像については、指種類検出部511により各指の種類が検出され、また、爪輪郭抽出部512によりその爪部Tの爪画像から爪部Tの輪郭が抽出されて、それぞれ爪部Tの爪画像と対応付けられてRAM等の記憶手段の「他人の指先」の項に記憶される。
【0079】
ユーザは、自分の指先撮影処理(図11及び図12参照)によりユーザ自身の爪部Tの爪画像を含む指爪画像を撮影部30により取得する。
取得されたユーザ自身の指爪画像については、指種類検出部511により各指の種類が検出され、また、爪輪郭抽出部512によりその爪部Tの爪画像から爪部Tの輪郭が抽出されて、それぞれ爪部Tの爪画像と対応付けられてRAM等の記憶手段の「自分の指先」の項に記憶される。
【0080】
ユーザが自分の爪部に当該他人のネイルデザインの印刷処理を行う場合には、調整爪画像生成部513が、記憶手段の「他人の指先」の項に記憶されている他人(第1の人物)の爪画像を、ユーザ自身(第2の人物)の対応する対象指Uの爪画像に合わせて調整し、調整爪画像(図6参照)を生成する。そして、この調整爪画像をユーザの爪部に印刷する。
また、ユーザがネイルチップシート上に当該他人のネイルデザインの印刷処理を行う場合には、調整爪画像生成部513が調整爪画像(図6参照)を生成した後、さらに、合成爪画像生成部514がこの調整爪画像をユーザの爪部の輪郭と合成し、合成爪画像を生成する。そして、この合成爪画像をユーザの爪部に印刷する。
なお、その他の具体的な処理内容は第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0081】
以上、本実施形態によれば、デジタルカメラ100で撮影した他人(第1の人物)の爪部Tの爪画像を含む指爪画像を用いて、当該他人の爪部に施されているネイルデザインD1〜D5と同様のデザインを図27に示すように、ユーザ自身(第2の人物)の爪部上に印刷することができる。
これにより、ネイルデザインを真似したい他人が、有名人である場合や雑誌で紹介された人である場合のように、ネイルプリント装置によって指爪画像を撮影することができない場合でも、その指爪画像をデジタルカメラで撮影するだけで、当該他人のネイルデザインを簡易に自分の爪部Tの形状に合わせてユーザ自身の爪部Tに印刷することができ、優れたネイルアートを煩雑な設定・操作等を行うことなく、手軽に楽しむことが可能となる。
また、上記調整爪画像をユーザ自身(第2の人物)の爪部Tの輪郭と合成して合成爪画像を生成し、この合成爪画像をネイルチップシート7上に印刷することができる。
このため、自分の爪部Tの形状に合ったネイルチップ70に真似をしたい他人のネイルデザインを簡易に印刷することができ、手指に直接インクが付着するおそれなく、手軽に優れたネイルアートを楽しむことが可能となる。
また、他人(第1の人物)の爪部の爪画像及びユーザ自身(第2の人物)の爪部の爪画像からそれぞれ爪部の輪郭を抽出して、抽出された他人(第1の人物)の爪部の輪郭のサイズがユーザ自身(第2の人物)の爪部の輪郭のサイズよりも大きい場合は、他人(第1の人物)の爪部の輪郭がユーザ自身(第2の人物)の爪部の輪郭内に収まるように他人(第1の人物)の爪画像全体のサイズを縮小して調整爪画像を生成するため、他人(第1の人物)の爪部がユーザ自身(第2の人物)よりも大きい場合でも、サイズを合わせ込んで、ネイルデザインが爪部Tからはみ出すことがなく、適切な大きさのネイルデザインを自分の爪部Tに印刷することができる。
【0082】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0083】
例えば、上記実施形態では、複数の指を対象指Uとし、複数の指を一度にネイルプリント装置1内に挿入して、撮影及び印刷を行う場合を例としたが、対象指Uについて1本ずつ撮影、印刷するものであってもよい。
ネイルプリント装置を対象指Uについて1本ずつ撮影、印刷するものとした場合には、装置を小型化、軽量化することができる。
【0084】
また、本実施形態では、対象指Uを指保持部材6に挿入した状態で第1の指挿入部20aに挿入する場合について説明したが、指保持部材6は本発明の必須の構成要素ではなく、対象指Uを直接第1の指挿入部20aに挿入して、撮影、印刷を行うようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、ネイルプリンタ装置1において、ユーザの爪部Tに直接印刷を行う爪印刷処理と、ネイルチップシート7上に印刷を行うシート印刷処理の両方を印刷モードとして選択可能である場合について説明したが、ネイルプリンタ装置1は、ユーザの爪部Tに直接印刷を行う爪印刷処理のみを行う専用機、又は、ネイルチップシート7上に印刷を行うシート印刷処理のみを行う専用機であってもよい。
なお、ネイルプリンタ装置1を爪印刷処理のみを行う専用機とする場合には、指保持部材6の裏面側にシート配置部65を設ける必要はない。
【0086】
また、本実施形態では、4本指用の指保持部材6a、親指用の指保持部材6bの両方にシート配置部65を設ける構成としたが、シート配置部65は4本指用の指保持部材6a、親指用の指保持部材6bのいずれか一方に設けるものとしてもよい。
また、例えば、4本指用の指保持部材6aと親指用の指保持部材6bとでシート配置部65の深さを変えることにより、薄いネイルチップシート7を用いる場合、シートの上にラインストーン等が配置されて厚みのあるネイルチップシート7を用いる場合等、各種の厚みのネイルチップシート7に対応できるようにしてもよい。
【0087】
また、第2の実施形態において、他人の指爪画像を取得する手段としてデジタルカメラ100を例示したが、他人の指爪画像を取得する手段は他人の指爪画像を記憶媒体9に保存可能なものであればよく、デジタルカメラ100に限定されない。例えば携帯電話等であってもよい。
【0088】
また、本実施形態によれば、撮影した他人(第1の人物)の爪部の爪画像を含む指爪画像を用いて、当該他人の爪部に施されているネイルデザインと同様のデザインを、本人であるユーザ自身(第2の人物)の爪部上に印刷するようにしているが、撮影した本人の過去の爪部の爪画像を含む指爪画像を用いて、当該過去の本人の爪部に施されているネイルデザインと同様のデザインを現在の本人(第2の人物)の爪部上に印刷するようにしてもよい。
【0089】
さらに、本実施形態では、デジタルカメラ100などを用いて他人または過去の本人の指爪画像等を取得してから、この他人または過去の本人の爪部に施されているネイルデザインを、現在の本人の爪部又はネイルチップシート上に印刷するようにしているが、他人または過去の本人の指爪画像を取得しないで、予め用意されているまたは記憶されている他人または過去の本人の指爪画像を用いて、他人または過去の本人の爪部(ネイルチップを含む)に施されているネイルデザインを、現在の本人の爪部又はネイルチップシート上に印刷するようにしてもよい。
【0090】
この場合には、例えば、まず、予め用意されているまたは記憶されている他人(ネイルチップを含む)または過去の本人の指爪画像の中から、ユーザが自分の爪部に印刷するネイルデザインを選択する(被印刷対象となる第1の爪画像(図6等の爪画像Ga1〜Ga5参照)を選択する処理)。
具体的には、図35に示すように、画像記憶手段であるRAM53(図6参照)に記憶されているネイルデザインが施された他人の複数の爪部(ネイルチップを含む)または過去の本人の爪部の爪画像Ga1〜Ga4を含む指爪画像を表示部26に一覧表示させる(ステップS90、図38参照)。なお、表示部26に表示しきれない数の画像が記憶されている場合には、操作部25内の左右カーソルキーK1、K2の操作により、左右に画面をスクロールさせる等により順次表示画面上に表示させるようになっていてもよい。
ユーザは、表示部26に表示された複数の爪画像Ga1〜Ga4を含む指爪画像の中から、自分の爪部に印刷したい所望のネイルデザインD1〜D4を含む爪画像Ga1〜Ga4の一つを操作部25等により選択する。爪画像Ga1〜Ga4の一つを選択すると、当該選択された爪画像Ga1〜Ga4が被印刷対象となる第1の爪画像(たとえば、爪画像Ga1)として選択される(ステップS91)。第1の爪画像Ga1が選択されると、制御部51の爪輪郭抽出部512は、当該第1の爪画像Ga1の輪郭を抽出し(ステップS92)、抽出した第1の爪画像Ga1の輪郭をRAM53に記憶させる(ステップS93)。
次に、印刷しようとする第2の爪部(すなわち、ユーザ自身の爪部)の爪画像(図6等の爪画像G1〜G5参照)を取得する処理を行う。
具体的には、図36に示すように、撮影部30によりユーザの指Uの爪部Tを撮影し(ステップS93、図39(A)参照)、撮影された爪部から爪画像G1及びそれの輪郭R1を抽出する(ステップS94、図39(B)参照)。抽出された爪画像G1及び輪郭R1は、第2の爪部の爪画像及び輪郭としてRAM53(図6参照)に記憶される(ステップS96)。
そして、被印刷対象である第1の爪画像を第2の爪部(すなわち、ユーザ自身の爪部)の上に印刷する爪部印刷処理を行う。
具体的には、図37に示すように、第1の爪画像(被印刷対象)と第2の爪画像(ユーザの爪部の画像)とをRAM53から読み出して重ね合わせる(ステップS97、図39(C)参照)。なお、選択された指爪画像が、図38の右端に示す例のように、親指から小指までの5指の画像である場合には、各指ごとに、第1の爪画像(被印刷対象)をそれぞれ対応する指のユーザの爪部の画像(第2の爪画像)と重ね合わせる。
次に、第1の爪画像の爪部の輪郭が第2の爪画像の爪部の輪郭の範囲内に収まるように第1の爪画像のサイズを調整する(ステップS98、図39(C)(D)参照)。そして、印刷制御手段である印刷制御部515が印刷部40を制御することにより、サイズ調整後の第1の爪画像Ga1(ネイルデザインを含む)またはネイルデザインD1のみをユーザ自身の指Uの爪部(第2の爪画像に対応する爪部)T上に印刷する(ステップS99、図39(E)参照)。
なお、第1の爪画像Ga1〜Ga4(ネイルデザインを含む)またはネイルデザインD1〜D4のみをユーザ自身の爪部(第2の爪画像に対応する爪部)T上に印刷する代わりに、ネイルチップシート(図32参照)上に印刷する場合には、第1の爪画像のサイズを調整した後に、当該第1の爪画像をユーザの爪部の輪郭と合成した上で合成爪画像をネイルチップシート上に印刷する。印刷された合成爪画像をネイルチップシートから切り取って、ネイルデザインが印刷されたネイルチップを作製することができる。
このような構成とすることにより、予め複数の指爪画像または爪画像を用意しておけば、これらの画像の中から所望のネイルデザインを含む爪画像の一つを自由に選んでユーザ自身の爪部にまたはネイルチップシート上に印刷することができる(ネイルチップシートの場合はネイルチップを作成することができる)ので、手軽にネイルアートを楽しむことができる。
【0091】
また、第2の実施形態では、記憶媒体9としてメモリカードを図示したが(図34参照)、記憶媒体9は、ネイルプリント装置に画像データを送信することのできるものであればよく、各種メモリカードに限定されない。例えば記憶媒体9はUSBメモリでもよい。また、デジタルカメラ等の外部装置とネイルプリント装置とをUSBケーブル等で直接接続して画像データをネイルプリント装置側に送信する構成としてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、ネイルチップシート7に印刷した後、ユーザが自ら個々のネイルチップ70a〜70eを切り離す場合を例として示したが、例えば図40に示すように、印刷ヘッド46の近傍等にカッター5等の切断手段を設けて、印刷ヘッド46による印刷動作終了後、このカッター5によりネイルチップシート7上に印刷されている爪部の輪郭線R1〜R5に沿って各ネイルチップ70を自動的に切り離すように構成してもよい。この場合、制御部51がカッター5等の切断手段を制御する切断制御手段として機能する。なお、切断手段を設ける位置は図示例に限定されない。
また、カッター5によりネイルチップシート7の全ての層を切り離すのではなく、剥離層73のみを残して切断するようにしてもよい。この場合には、切断後、ユーザはカッター5により切断された層(被印刷層71、接着剤層72)を剥離層73から剥がし取ることにより、接着剤層72が露出した状態でネイルチップ70をネイルチップシート7から取り外すことができる。
このように、ネイルチップ70を自動的に切り離すように構成した場合には、ユーザの手を煩わせることなく、より簡易迅速にネイルチップ70を作成することができる。
また、本実施形態では、第1の爪画像の爪部の輪郭が第2の爪画像の爪部の輪郭の範囲内に収まるか否かを判断し、第1の爪画像のサイズを調整するようにしている(図13、図37の爪部印刷処理におけるステップS57〜59、S98参照)が、このような判断とサイズ調整処理を行わずに、撮影されたまたは用意されている第1の爪画像(ネイルデザインを含む)またはネイルデザインのみをユーザ自身の指Uの爪部(第2の爪画像に対応する爪部)T上に印刷するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 ネイルプリント装置
2 ケース本体
4 蓋体
5 カッター
6 指保持部材
6a 4本指用の指保持部材
6b 親指用の指保持部材
7 ネイルチップシート
10 プリント装置本体
20a 印刷指挿入部
20b 非印刷指挿入部
20c 掴み部(隔壁)
20 印刷指固定部
30 撮影部
32 カメラ
33 照明灯(LED)
40 印刷部
50 制御装置
51 制御部
52 ROM
53 RAM
60 保持部材本体
61 指挿入孔
62 指仕切部
63 爪部露出孔
65 シート配置部
70 ネイルチップ
511 指種類検出部
512 爪輪郭抽出部
513 調整爪画像生成部
514 合成爪画像生成部
515 印刷制御部
516 表示制御部
R1〜R5 輪郭線
T(T1〜T5) 爪
U1(U1〜U5) 対象指
N 非対象指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像を得る第1の画像取得手段と、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出手段と、
この検出手段により検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する指の爪部上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項2】
第1の人物の爪部の第1の爪画像を得る第1の画像取得手段と、
第2の人物の爪部の第2の爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた前記第1の爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた前記第2の爪画像を、前記第1の人物及び第2の人物別にそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する前記第2の人物の爪部上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項3】
前記第1の爪画像及び前記第2の爪画像からそれぞれ爪部の第1の輪郭及び第2の輪郭を抽出する爪輪郭抽出手段を備え、
前記調整爪画像生成手段は、前記爪輪郭抽出手段により抽出された前記第1の輪郭と前記第2の輪郭とを比較し、前記第1の輪郭のサイズが前記第2の輪郭のサイズよりも大きい場合は、前記第1の輪郭が前記第2の輪郭内に収まるように前記第1の爪画像全体のサイズを縮小して調整爪画像を生成するものであり、
前記印刷制御手段は、前記調整爪画像生成手段により全体のサイズが縮小された前記調整爪画像を前記第2の爪画像に対応する爪部上に印刷するように制御するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネイルプリント装置。
【請求項4】
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像指爪画像を得る第1の画像取得手段と、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像指爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出手段と、
この検出手段により検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像と前記第2の爪部の輪郭とを合成して合成爪画像を生成する合成爪画像生成手段と、
この合成爪画像生成手段により生成された合成爪画像を、ネイルチップシート上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項5】
第1の人物の爪部の第1の爪画像を得る第1の画像取得手段と、
第2の人物の爪部の第2の爪画像を得る第2の画像取得手段と、
前記第1の画像取得手段により得られた前記第1の爪画像、及び前記第2の画像取得手段により得られた前記第2の爪画像を、前記第1の人物及び第2の人物別にそれぞれ記憶させる記憶制御手段と、
この記憶制御手段の制御により記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成手段と、
この調整爪画像生成手段により生成された前記調整爪画像と前記第2の人物の爪部の輪郭とを合成して合成爪画像を生成する合成爪画像生成手段と、
この合成爪画像生成手段により生成された合成爪画像を、ネイルチップシート上に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項6】
複数の爪部の爪画像を含む第1の指爪画像を得る第1の画像取得ステップと、
複数の爪部の爪画像を含む第2の指爪画像を得る第2の画像取得ステップと、
前記第1の画像取得ステップにおいて得られた複数の指の第1の指爪画像、及び前記第2の画像取得ステップにおいて得られた複数の指の第2の指爪画像から、それぞれ各指の種類と当該各指の種類別の第1及び第2の爪画像とを検出する検出ステップと、
この検出手段において検出された指の種類と前記第1及び第2の爪画像とを対応付けてそれぞれ記憶させる記憶制御ステップと、
この記憶制御ステップにおいて記憶された前記第1の爪画像を前記第2の爪画像に合わせて調整し、調整爪画像を生成する調整爪画像生成ステップと、
この調整爪画像生成ステップにおいて生成された前記調整爪画像を、前記第2の爪画像に対応する指の爪部上に印刷するように制御する印刷制御ステップと、
を含んでいることを特徴とする印刷制御方法。
【請求項7】
第1の爪部の第1の爪画像を含む指爪画像が記憶されている画像記憶手段と、
第2の爪部の第2の爪画像を含む指爪画像を得る画像取得手段と、
前記画像記憶手段に記憶されている前記第1の爪画像または当該第1の爪画像に含まれているネイルデザインを、前記第2の画像取得手段により得られた第2の指爪画像に対応する第2の爪部及びネイルチップシートのいずれか一方に印刷するように制御する印刷制御手段と、
を備えていることを特徴とするネイルプリント装置。
【請求項8】
第1の爪部の第1の爪画像を含む指爪画像が記憶されている画像記憶手段を備えているネイルプリント装置に用いられる印刷制御方法において、
第2の爪部の第2の爪画像を含む指爪画像を得る画像取得ステップと、
前記画像記憶手段に記憶されている前記第1の画像または当該第1の爪画像に含まれているネイルデザインを、前記画像取得手段により得られた第2の爪画像に対応する第2の爪部及びネイルチップシートのいずれか一方に印刷するように制御する印刷制御ステップと、
を含んでいることを特徴とする印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−135587(P2012−135587A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291771(P2010−291771)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】