説明

ネガ型感光性平版印刷版

【課題】高い耐刷性を有する平版印刷版を与えること。
【解決手段】支持体上に光重合開始剤、重合性二重結合基を有する化合物を含有する感光層を有し、製版後に後露光をするネガ型感光性平版印刷版であって、該感光層が前記成分に加え、更にアルキルフェノン化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネガ型感光性平版印刷版に関する。更に詳しくは、製版後の後露光によって高い耐刷性が得られるネガ型感光性平版印刷版に関する。
【背景技術】
【0002】
製版システムのデジタル化に伴いコンピューター画面上で組版したデータを、直接平版印刷版に出力するコンピュータートゥープレートシステム(CTP)に適した平版印刷版の需要が高まっている。近年、画像形成技術の進歩に伴い、各レーザー種に対して高感度を示す感光性平版印刷版が求められるようになっており、例えば、青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED、近赤外レーザー、赤外レーザー等を用いた出力機に対応した高画質の感光性平版印刷版の研究が活発に行われている。
【0003】
従来から知られている光重合性の感光層を有するネガ型感光性平版印刷版としては、例えば特開平9−134007号公報にはエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合可能な化合物と増感剤と重合開始剤を含有する平版印刷版が開示されており、また特開2000−98603号公報等には、有機ホウ素アニオンと色素との組み合わせが開示されており、特開平4−31863号公報、特開平6−43633号公報等には色素とs−トリアジン系化合物との組み合わせが開示されており、特開2001−290271号公報(特許文献1)等には側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体を用いたネガ型感光性平版印刷版が開示されている。
【0004】
一方、上記光重合性のネガ型感光性平版印刷版の現像工程には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸カリウム等の強アルカリ性化合物を溶解したpH値が10.0以上のアルカリ性現像液が一般的に使用される。また現像処理工程を安定にするため、自動現像機の各液は、液補充等により安定化を図っており、かかる処理液費用や廃液費用のコスト面、更に環境負荷の観点からも大きな課題であった。
【0005】
ケミカルフリーの処理液で現像する印刷版システムの中でレーザー光を利用した光重合系の印刷版システムとして、特開2003−215801号公報(特許文献2)、特開2008−230205号公報(特許文献3)、特開2008−238505号公報(特許文献4)、特開2008−250198号公報(特許文献5)等が挙げられる。これは実質的にアルカリ剤を含有しない現像液による現像、いわゆるケミカルフリー現像が可能な感光性組成物として、側鎖にフェニル基を介してビニル基が結合したカチオン性重合体や、側鎖にフェニル基を介してビニル基が結合した、スルホン酸基を有する水溶性重合体等の、いわゆるpH9.5以下の水溶液に溶解可能な水溶性重合体において架橋性モノマーを用いた系や、カチオン性モノマーを用いた系について例示されている。しかしながらこのような水溶性重合体を光重合開始剤との組み合わせで用いる場合では、得られる画像の親水性が比較的高いために、画像部分が高い疎水性を保つことが困難であり、その結果高い耐刷性を保つことが困難であった。
【0006】
また、近年画像の精細性から、短波長レーザーが光源として着目されているが、その出力光量は、堅固な画像を形成し高い耐刷性を得るには十分ではない。光源の低出力を補い、強い画像強度を得る手法として、特開2002−287380号公報(特許文献6)、特開2008−015504号公報(特許文献7)では、走査露光での製版後に後露光することで画像を強化する方法、特開2008−203395号公報(特許文献8)では現像後に後露光する後露光装置が開示されている。しかし、これらの方法によって耐刷性は改善されるものの更なる改善が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−290271号公報
【特許文献2】特開2003−215801号公報
【特許文献3】特開2008−230205号公報
【特許文献4】特開2008−238505号公報
【特許文献5】特開2008−250198号公報
【特許文献6】特開2002−287380号公報
【特許文献7】特開2008−015504号公報
【特許文献8】特開2008−203395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高い耐刷性を有するネガ型感光性平版印刷版を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)支持体上に光重合開始剤、重合性二重結合基を有する化合物を含有する感光層を有し、製版後に後露光するネガ型感光性平版印刷版であって、該感光層が前記成分に加え、更にアルキルフェノン化合物を含有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
(2)前記感光層が含有するアルキルフェノン化合物がα−アミノアルキルフェノン化合物である、上記(1)に記載のネガ型感光性平版印刷版。
【発明の効果】
【0010】
高い耐刷性を有するネガ型感光性平版印刷版を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のネガ型感光性平版印刷版の感光層は、アルキルフェノン化合物(以下本発明の化合物とも称す)を含有する。
【0012】
本発明におけるアルキルフェノン化合物とは、分子内にアルキル基、フェニル基の両基が置換したケトン構造を有する化合物を意味し、この具体例を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限られるものではない。
【0013】
AP−1:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
AP−2:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
AP−3:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
AP−4:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
AP−5:2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン
【0014】
中でもα位にアミノ基が置換しているα−アミノアルキルフェノン化合物を特に好ましく用いることができる。該アミノ基はメチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、エーテル基、チオエーテル基等の置換基及びこれらが複合してなる基によって置換されても良く、これらが結合することで環状構造を形成しても良い。α−アミノアルキルフェノン化合物の具体例を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限られるものではない。
【0015】
AP−6:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
AP−7:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1
AP−8:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
AP−9:1−フェニル−2−メチル−2−モルフォリノプロパン−1−オン
AP−10:2−メチル−1−(4−メトキシフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
AP−11:2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシメチル−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン
AP−12:2−ジメチルアミノ−2−フェニルメチル−1−フェニル−1−ブタノン
AP−13:1−フェニル−2−エチル−2−ジメチルアミノヘキサン−1−オン。
【0016】
上述したアルキルフェノン化合物の含有量は、後述する重合性二重結合基を有する化合物に対して、1〜50質量%の範囲が好ましく、更には10〜30質量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0017】
本発明のネガ型感光性平版印刷版の感光層は光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては、従来から知られる公知の化合物を用いることができる。例えば、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物及びオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、有機ホウ素塩、ヘキサアリールイミダゾール、チタノセン化合物、チオ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中でも、特にトリハロアルキル置換化合物、有機ホウ素塩が好ましく用いられる。更に好ましくは、トリハロアルキル置換化合物と有機ホウ素塩を組み合わせて用いることである。トリハロアルキル置換化合物と有機ホウ素塩を組み合わせることで、高感化を達成することができ、また、これらを組み合わせて使用することで発生したラジカル種が安定するため、更に感度を向上することができるために好ましい。
【0018】
光重合開始剤であるトリハロアルキル置換化合物は、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体及びオキサジアゾール誘導体が挙げられ、あるいは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環あるいは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
【0019】
トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
【0020】
【化1】

【0021】
【化2】

【0022】
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式1で表される。
【0023】
【化3】

【0024】
式中、R、R、R及びRは各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらのうちで、R、R、R及びRのうちの一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
【0025】
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオン及びオニウム化合物が挙げられるが、好ましくはオニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
上述したような光重合開始剤の含有量は、後述する重合性二重結合基を有する化合物に対して、1〜50質量%の範囲が好ましく、更には5〜30質量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0029】
本発明の重合性二重結合基を有する化合物は、重合性二重結合基を有する高分子化合物あるいは重合性二重結合基を有する低分子化合物であり、重合性二重結合基を有する高分子化合物及び重合性二重結合基を有する低分子化合物を併用することが光重合効率の上から好ましい。
【0030】
重合性二重結合基を有する高分子化合物について説明する。この重合性二重結合基を有する高分子化合物は、任意の繰り返し単位によって形成された高分子化合物であり、任意の連結基を介して重合性二重結合基が側鎖に結合した高分子化合物である。中でもビニル基を反応性二重結合基として有した高分子化合物が好ましく用いられ、ビニル基が置換したフェニル基が直接もしくは任意の連結基を介して主鎖と結合した高分子化合物が特に好ましく用いられる。また、アルカリ性現像液、もしくは中性現像液での現像を可能にするため、任意の連結基を介して主鎖に連結するカルボキシル基、スルホン酸基、四級アンモニウム基等を導入することが好ましいが、中でも現像性の高さからスルホン酸基を有する高分子化合物が好ましく用いることができる。該スルホン酸基は塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アミン塩等)を形成しても良い。これらの連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。ビニル基が置換したフェニル基及びスルホン酸基は、それぞれ独立して主鎖に結合していても良いし、あるいはビニル基が置換したフェニル基とスルホン酸基が連結基の一部または全部を共有する形で結合していても良い。
【0031】
上記ビニル基が置換したフェニル基において、該フェニル基は置換されていても良く、また、該ビニル基はハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていても良い。
【0032】
本発明のビニル基が置換したフェニル基が直接もしくは任意の連結基を介して主鎖と結合した高分子化合物は、詳細には、下記一般式2で表される基を側鎖に有するものが好ましい。
【0033】
【化6】

【0034】
式中、R、R及びRは、同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表し、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。これらの基の中でも、R、Rが水素原子であり、Rが水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)あるものが特に好ましい。
【0035】
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基から選ばれる基を表す。また、これらの基を構成するアルキル基及びアリール基は、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等で置換されていても良い。
【0036】
式中、Lは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子または、水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる原子群からなる多価の連結基を表す。具体的には下記に例示される構造単位より構成される基及び下記に示す複素環基が挙げられる。これらの基は単独でも任意の2つ以上が組み合わされていても良い。
【0037】
【化7】

【0038】
連結基Lとしては複素環を含むものが好ましい。Lを構成する複素環の例としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらの複素環は置換基を有していても良い。
【0039】
上述した多価の連結基が置換基を有する場合、置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
【0040】
式中、mは0〜4の整数を表し、pは0または1の整数を表し、qは1〜4の整数を表す。
【0041】
本発明の重合性二重結合基を有する高分子化合物は、上述した側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する繰り返し単位、及びスルホン酸基を有する繰り返し単位からのみなる重合体であっても良いし、あるいは本発明の効果を妨げない限り、更に他の繰り返し単位を導入した重合体であっても良い。また更に、他のモノマーとの共重合体であっても良く、このようなモノマーは1種で用いても良いし、任意の2種類以上を用いても良い。
【0042】
また、本発明の重合性二重結合基を有する高分子化合物は連鎖移動剤を用いることで、任意の置換基を高分子主鎖の末端に導入することができる。具体的には直鎖アルカンチオール、特にアルコキシ基やハロゲン原子が結合した珪素原子が置換した直鎖アルカンチオールを連鎖移動剤として重合時に用いることで、高い画像強度を得ることができるため好ましく用いることができる。このような連鎖移動剤の例として、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルジクロロメチルシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルジメトキシメチルシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリクロロシラン、4−メルカプトブチルジクロロメチルシラン等が挙げられ、これらの分子末端の珪素原子同士は加水分解縮合することで酸素原子を介して結合してシロキサン結合を形成しても良い。
【0043】
本発明の重合性二重結合基を有する高分子化合物の好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例示された構造式の中の数字は共重合体トータル組成100質量%中における各繰り返し単位の質量%を表す。
【0044】
【化8】

【0045】
【化9】

【0046】
本発明の重合性二重結合基を有する高分子化合物の重量平均分子量は、1000から100万の範囲であることが好ましく、更に5万から60万の範囲にあることが特に好ましい。本発明における重合性二重結合基を有する高分子化合物は1種のみの単独で用いても良いし、任意の2種以上を混合して用いても良い。
【0047】
次に、本発明に使用する重合性二重結合基を有する低分子化合物について述べる。この場合の重合性二重結合基を有する低分子化合物とは、上記の光重合性開始剤の光分解により発生するラジカルにより重合を行う化合物であればいずれも好ましく用いることができる。更には、分子内に2個以上の重合性二重結合基を有する化合物を含んで用いた場合には、ラジカルによる重合の結果、架橋物が生成するため、ネガ型感光性平版印刷版材料を構成した場合に、架橋した堅い画像部皮膜を形成することから耐刷性及びインキ乗り性に優れた印刷版を与えるため極めて好ましく用いることができる。こうした目的で用いることのできる重合性二重結合基を有する化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能性アクリル系モノマーなどを挙げることができ、あるいはアクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用される。
【0048】
本発明のネガ型感光性平版印刷版の感光層には前述の光重合開始剤を増感する化合物を併せて含有することが好ましい。400〜430nmの波長域の感度を増大される化合物としてシアニン系色素、特開平7−271284号公報、特開平8−29973号公報等に記載されるクマリン系化合物、特開平9−230913号公報、特開2001−42524号公報等に記載されるカルバゾール系化合物や、特開平8−262715号公報、特開平8−272096号公報、特開平9−328505号公報等に記載されるカルボメロシアニン系色素、特開平4−194857号公報、特開平6−295061号公報、特開平7−84863号公報、特開平8−220755号公報、特開平9−80750号公報、特開平9−236913号公報等に記載されるアミノベンジリデンケトン系色素、特開平4−184344号公報、特開平6−301208号公報、特開平7−225474号公報、特開平7−5685号公報、特開平7−281434号公報、特開平8−6245号公報などに記載されるピロメチン系色素、特開平9−80751号公報などに記載されるスチリル系色素、あるいは(チオ)ピリリウム系化合物等が挙げられる。これらの内、シアニン系色素またはクマリン系化合物あるいは(チオ)ピリリウム系化合物が好ましい。
【0049】
本発明のネガ型感光性平版印刷版の感光層を構成するその他の要素として、視認性を高める目的で種々の着色剤を添加することが好ましく行われる。こうした目的で添加される着色剤として着色顔料の水系分散物が最も好ましく用いることができる。こうした顔料の水系分散物の例として各種、黒色、青色、赤色、緑色、黄色等の着色した顔料が水溶性である各種分散剤の存在下に水中で分散された任意の素材が使用可能である。顔料として特に、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等は入手が容易であり水中での分散も比較的容易であるため特に好ましく用いることができる。また、こうした顔料を水中で分散させるために用いることのできる分散剤の例として、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのオキシエチレン基を有する水溶性であるノニオン系界面活性剤や、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ポリスチレン−マレイン酸共重合体、その他各種水溶性高分子が挙げられる。こうした分散剤は着色顔料100質量部に対して5〜50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。更に着色顔料を用いる場合には、重合性二重結合を有する化合物100質量部に対して1〜30質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0050】
感光層を構成するその他の要素として、長期にわたる保存に関して、熱重合による暗所での硬化反応を防止するために重合禁止剤を添加することが好ましく行われる。こうした目的で好ましく使用される重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、カテコール類、ナフトール類、クレゾール類等の各種フェノール性水酸基を有する化合物やキノン類化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩類等が好ましく使用される。この場合の重合禁止剤の添加量としては、本発明の感光性組成物の総固形分質量100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0051】
本発明のネガ型感光性平版印刷版は製版後に後露光を行う。ここで製版後とは、任意の光源によって露光した後、水もしくは中性現像液もしくはアルカリ性現像液等によって現像することで画像形成をした後のことを意味する。
【0052】
現像を行う前の露光、いわゆる画像パターンを形成するための露光に用いる光源として、カーボンアーク、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、ディープUVランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、エキシマーUVランプ、LED灯、各種蛍光ランプ等(白色蛍光灯、ブラックライト、ケミカルライト等)を用いることが可能であるが、製版効率の上からレーザーによる走査露光が非常に好ましい。レーザー光源としては、青紫色半導体レーザー(バイオレットレーザー)、アルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、赤色LED、近赤外レーザー、赤外レーザー等が挙げられる。中でも390〜430nmの波長域のGaN等が生産性、画像の精細性から好ましく用いられる。又、走査方法としては、内面ドラム方式あるいは外面ドラム方式、平面走査方式等のいずれであってもよいが、内面ドラム方式が好ましい。又、版面におけるレーザー強度は、1〜600μJ/cmとするのが好ましく、30〜400μJ/cmとするのが特に好ましい。
【0053】
現像処理における現像液としては、画質向上、現像時間の短縮等を目的として、必要に応じて、活性剤もしくはアルカリ剤を含有して良い。前述の重合性二重結合を有する化合物がカルボキシル基やスルホ基などの酸性基を有し、該酸性基が感光層中において、金属塩もしくはアミン塩の形態になっている場合には、後述するアルカリ剤を実質的に含有しない現像液、すなわち、pHが9未満の中性現像液で現像することが可能である。特に重合性二重結合を有する化合物がスルホ基の中和塩を有する場合には良好な現像性を得ることが可能であり、純水で溶出可能であるが、カルボキシル基中和塩の場合やスルホ基中和塩を有していても十分な溶解性を得ることができない場合は、該中性現像液に現像性の向上を目的として活性剤を添加することができる。該活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン性、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性の界面活性剤イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤等が挙げられる。
【0054】
一方、前述の重合性二重結合を有する化合物がカルボキシル基やスルホ基など中和されていない酸性基を有する場合には、現像液にアルカリ剤が含有していることが好ましい。アルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、またはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられ、これらを添加し、pH9以上に調整することでアルカリ性現像液として用いることができる。また、前述の中性現像液として用いた活性剤等を該アルカリ現像液に添加することも現像性改善の上で好ましい。
【0055】
なお、現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の公知の現像法により、通常、好ましくは10〜60℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。その際、感光層上に必要に応じて設けられる保護層は、予め水等で除去しておいてもよいし、現像時に除去することとしてもよい。
【0056】
本発明のネガ型感光性平版印刷版を後露光する際に用いる光源としては、カーボンアーク、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、ディープUVランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、エキシマーUVランプ、LED灯、各種蛍光ランプ等(白色蛍光灯、ブラックライト、ケミカルライト等)が用いられる。中でも本発明においては、青色〜紫外線領域に発光のあるものが特に好ましく用いられる。具体的には、エキシマーUVランプ、LED灯、水銀灯、各種蛍光ランプ等(白色蛍光灯、ブラックライト、ケミカルライト等)が特に好ましく用いられる。
【0057】
後露光方法としては、画像形成後の版を停止させて行っても、画像形成後の版を連続的に移動させながら行ってもよく、その露光量は、光強度を2mJ/cm以上とすることが好ましく、10〜2000mJ/cmとするのが特に好ましい。光強度が前記範囲未満では、十分な画像強度を得ることが困難となる場合があり、一方、前記範囲を超過した際には、印刷時の印刷物の地汚れが発生するなど、非画像部の親水性不良を招く場合がある。
【0058】
本発明のネガ型感光性平版印刷版が有する支持体としてはアルミニウム支持体、各種プラスチックフィルム、各種プラスチックによりラミネートされた紙が挙げられる。中でも柔軟性があり、張力による変形の少ない素材である各種プラスチックフィルムが好ましく用いられる。好ましいプラスチックフィルム支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、硝酸セルロース等が代表的に挙げられ、特にポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。これらのプラスチックフィルム支持体の光硬化性感光層を塗布する面には、例えば特開2008−250195号公報や特開2008−265297号公報等に記載される水溶性重合体、コロイダルシリカ及び架橋剤から構成される親水性層を有することが好ましい。また、親水性層を設ける前に、プラスチックフィルム支持体表面に親水化加工が施されていることが好ましく、こうした親水化加工としては、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等が挙げられる。更なる親水化加工として支持体上に設ける親水性層との接着性を高めるため支持体上に下引き層を設けても良い。
【0059】
支持体としてアルミニウム板を使用する場合には、粗面化処理され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板が好ましく用いられる。更に、表面をシリケート処理したアルミニウム板も好ましく用いることができる。あるいは、更に表面に上記の親水性層を形成したアルミニウム板を用いることもできる。
【0060】
感光層自体の乾燥固形分塗布量に関しては、乾燥質量で1平方メートルあたり0.3〜10gの範囲の乾燥固形分塗布量で形成することが好ましく、更に0.5〜3gの範囲であることが良好な解像度を発揮し、かつ細線画像や微小網点画像の耐刷性を確保し、同時にインキ乗り性を大幅に向上させるために極めて好ましい。
【0061】
本発明のネガ型感光性平版印刷版材料においては、感光層の上に、更に保護層を設けることも好ましく行われる。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光感度を更に向上させる好ましい効果を有する。更には感光層表面を傷から防止する効果も併せて期待される。従って、このような保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低く力学的強度に優れ、更に、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、光硬化性感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。
【0062】
このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3,458,311号明細書、特開昭55−49729号公報等に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが良く、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸等のような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル及びアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。こうした保護層を適用する際の乾燥固形分塗布量に関しては好ましい範囲が存在し、感光層上に乾燥質量で1平方メートルあたり0.1〜10gの範囲の乾燥固形分塗布量で形成することが好ましく、更には0.2〜2gの範囲が好ましい。保護層は、公知の種々の塗布方式を用いて感光層上に塗布、乾燥される。
【0063】
本発明のネガ型感光性平版印刷版材料における下引き層、親水性層、光硬化性感光層、保護層等を塗布する場合は、支持体上に、上述した要素から構成される組成物の塗液を塗布、乾燥して作製される。塗布方法としては、公知の種々の方法を用いることができ、例えば、バーコーター塗布、カーテン塗布、ブレード塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、回転塗布、ディップ塗布等を挙げることができる。
【実施例】
【0064】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部数や百分率は断りのない限り質量基準である。
<支持体>
厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記の親水性層処方にてワイヤーバーで乾燥質量が2.0g(1平方メートル当たり)になるように親水性層の塗布を行い、60℃の乾燥機にて3分間乾燥を行い、更に乾燥物を40℃の乾燥機にて2日間加熱を行い、親水性層を有する支持体を得た。
【0065】
<親水性層処方>
水溶性重合体 下記構造(重量平均分子量20万) 1質量部
コロイダルシリカ分散液 スノーテックスS(日産化学工業(株)) 1.5質量部
架橋剤 下記構造 0.3質量部
pH調整剤(水酸化ナトリウム水溶液もしくは硫酸水溶液にてpH5.0に調整)
イオン交換水 20質量部
【0066】
【化10】

【0067】
<感光層>
下記感光層処方に従い、塗布液を作製し、前記親水性層を塗布した支持体の親水性層上に固形分量が1.5g/mになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて10分間乾燥を行った。
<感光層処方>
スルホン酸型重合体 SP−2(重量平均分子量40万) 1質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 0.5質量部
光重合開始剤 BC−6 0.1質量部
光重合開始剤 T−8 0.1質量部
増感剤 下記構造 0.05質量部
着色剤 ピグメントブルー15 0.2質量部
本発明の化合物(表1に示す) 表1中記載の質量部
アセトン 5質量部
エタノール 5質量部
テトラヒドロフラン 10質量部
【0068】
【表1】

【0069】
【化11】

【0070】
<保護層>
下記保護層処方に従い、塗布液を作製し、前記感光層上に固形分量が1.5g/mになるよう塗布を行い、75℃の乾燥器内にて10分間乾燥を行いネガ型感光性平版印刷版を得た。
【0071】
<保護層処方>
ポリビニルアルコール PVA−102((株)クラレ製) 1質量部
イオン交換水 9質量部
【0072】
<ネガ型感光性平版印刷版材料の製版>
得られた上記ネガ型感光性平版印刷版について、露光装置として、405nmに発光する青紫半導体レーザー(出力50mW)を用いて、版面露光エネルギー200μJ/cmに設定してテストパターンを描画した。描画したネガ型感光性平版印刷版について、25℃のイオン交換水に15秒に漬けてセルローススポンジで感光層を有する側の面を擦り、現像し乾燥したものを下記耐刷性の評価を行った。また、更に製版後の感光性平版印刷版を白色蛍光灯管で1000mJ/cmの光照射を行ったものを下記耐刷性の評価を行った。
【0073】
<耐刷性の評価>
印刷機RYOBI3200CCD、インキはFINE INKニューチャンピオン墨(H)(DIC(株)製)及び市販のPS版用給湿液(SLM−OD50 三菱製紙(株)製)2%水溶液を用いて10000枚印刷を行った。印刷開始から10000枚の印刷終了した刷了版のインキをプレートプリザーバー(光陽化学工業(株)製)で除去し、DM−620(大日本スクリーン製造(株)製)で測定し、印刷前のベタ部分の反射濃度を比較することで、耐刷性を評価した。
◎:10000枚刷了後の印刷版の反射濃度値が印刷前の80%以上。
○:10000枚刷了後の印刷版の反射濃度値が印刷前の60%以上80%未満。
△:10000枚刷了後の印刷版の反射濃度値が印刷前の40%以上60%未満。
×:10000枚刷了後の印刷版の反射濃度値が印刷前の40%未満。
【0074】
【表2】

【0075】
前記結果より、後露光を実施した場合、本発明の化合物を添加した系で耐刷性が向上することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に光重合開始剤、重合性二重結合基を有する化合物を含有する感光層を有し、製版後に後露光するネガ型感光性平版印刷版であって、該感光層が前記成分に加え、更にアルキルフェノン化合物を含有することを特徴とするネガ型感光性平版印刷版。
【請求項2】
前記感光層が含有するアルキルフェノン化合物がα−アミノアルキルフェノン化合物である、請求項1に記載のネガ型感光性平版印刷版。