説明

ネクロトーシスの小分子阻害剤

本発明は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)誘発ネクロトーシスを抑制する一連のヘテロ環式誘導体を特徴としている。本発明のヘテロ環式化合物は、式(I)〜(VIII)で、そして化合物(I)〜(I)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)で表される。これらのネクロスタチン類は、Jurkat T細胞のFADD欠乏変異体におけるTNF−α誘発ネクロトーシスを抑制することが示される。本発明は更に、ネクロスタチン類を主成分とする医薬組成物を特徴としている。本発明の化合物及び組成物はまた、ネクロトーシスが実質的な役割を果たすと思われる障害を治療するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦支援研究についての声明
この研究は国立衛生研究所からの助成金により支援された(助成金番号号UO1 NS050560)。合衆国政府はこの発明に対して一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、化合物、細胞死、特に壊死及びネクロトーシス(necroptosis)による細胞死、並びに小分子によるその調節に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの疾患において、細胞死はアポトーシス及び/又は壊死の経路により仲介される。アポトーシスを制御する作用の機構については多くが知られているが、壊死の制御は十分には理解されていない。細胞における壊死及びアポトーシスの両方を調節する機構の理解は、神経変性疾患、脳卒中−冠動脈性心疾患、腎疾患及び肝疾患などの症状を治療できるために不可欠である。また、壊死及びアポトーシスの細胞死経路を十分に理解することは、エイズ及びエイズ関連症状、例えば網膜壊死の治療にとって極めて重要である。
【0004】
細胞死は、伝統的に、形態学的特徴に基づいてアポトーシス性又は壊死性の何れかとして分類されてきた(Wyllie et al., Int. Rev. Cytol. 68: 251 (1980))。また、細胞死のこれら二つの様式は、最初は、それぞれ調節性(カスパーゼ依存性)及び非調節性の過程を経て生じると考えられた。しかしながら、より最近の研究は、これら二つの表現型をもたらす根元的な細胞死機構ははるかに複雑であり、ある状況下では相互に関係があることを示している。更に、壊死に導く症状は、調節性カスパーゼ非依存性又は非調節性の過程の何れによっても生じうる。
【0005】
壊死に類似する形態学的特徴を有する一つの調節性カスパーゼ非依存性細胞死経路、ネクロトーシスと呼ばれる細胞死経路が、最近記載された(Degterev et al., Nat. Chem. Biol. 1:112 (2005))。細胞死のこの方法は種々の刺激(例えば、TNF−α及びFasリガンド)により、また多くの細胞型(例えば、単球、線維芽細胞、リンパ球、マクロファージ、上皮細胞及びニューロン)において開始されうる。ネクロトーシスは、高度にエネルギー依存性のアポトーシス過程が機能ない場合に、過剰な細胞ストレス、急速なエネルギー損失及び大量の酸化性種の発生を伴う病的状態の下では、細胞死の重要な一因を表すことがあり、そして場合によっては細胞死の主な様式を表すことがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Wyllie et al., Int. Rev. Cytol. 68: 251 (1980)
【非特許文献2】Degterev et al., Nat. Chem. Biol. 1:112 (2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ネクロトーシスを抑制できる低分子量の分子を同定及び最適化することは、疾患の病態生理におけるその役割の解明に役立つであろうし、また抗ネクロトーシス治療のための化合物(すなわち、ネクロスタチン類)を提供できるだろう。カスパーゼ非依存性細胞死(例えば、壊死又はネクロトーシス)を防止する化合物の発見もまた、壊死が生じる症状を治療又は予防するために有用な治療剤を提供するだろう。これらの化合物及び方法は、神経変性疾患、虚血性脳及び心臓傷害、並びに頭部外傷の治療のために特に有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)誘発ネクロトーシスを抑制する一連のヘテロ環式誘導体を特徴としている。本発明は更に、ネクロスタチン類を主成分とする医薬組成物を特徴としている。本発明の化合物及び組成物はまた、ネクロトーシスが実質的な役割を果たすと思われる障害を治療するために使用することができる。
【0009】
第一の態様において、本発明は、下記式による構造:
【化1】

【0010】
〔式中、
それぞれのRH1、RH2、RH3、RH4、RH5、RH10、RH17、XH2、ZH1、ZH2及びnは式(I)のために定義されるとおりであり、
H2は、O、S又はNRH9から独立して選択され;
それぞれのRH1、RH2、RH3、RH4及びRH5は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12、−C(=O)NRH12H13、−C(=S)RH12、−C(=S)NRH12H13、−C(=NRH14)RH12、−C(−NRH14)NRH12H13若しくは−[ZH1−(CRH15H16−{C(=XH2)}−ZH2−R17]から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのZH1及びZH2は、単結合、O、S又はNRH11から独立して選択され;
それぞれのRH9、RH10、RH11、RH12、RH13、RH14、RH15、RH16及びRH17は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
nは、0〜6の整数であり;そして
oは、0又は1であり;そして
ここで、RH1がHであり、RH2がH又はCOMeであり、RH3がHであり、RH4が非置換のフェニル、又はメトキシ、クロロ若しくはフェニルから選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルであり、RH5がCNであり、RH10がHであり、ZH1がSであり、nが1であり、XH2がOであり、そしてZH2がNHである場合には、RH17は、H、メチル、メトキシ、非置換の2−チアゾリル、非置換のフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、2−エトシキフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−フルオロフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0011】
幾つかの実施形態において、化合物は、式(I-B)による構造
【化2】

【0012】
〔式中、
それぞれのRH1及びRH3は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12若しくは−C(=O)NRH12H13から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRH4及びRH17は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
H5は、H、CN、−C(=O)ORH12又は−C(=O)NRH12H13から独立して選択され;
それぞれのRH10、RH11、RH12及びRH13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
H1は、単結合又はSから選択され;
H2は、単結合又はNRH11から選択され;
H2は、O又はSである〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0013】
他の実施形態において、化合物は、下記の構造:
【化3】

【0014】
を有し、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0015】
幾つかの実施形態において、RH1及びRH3はHである。
【0016】
幾つかの実施形態において、RH5はCNである。
【0017】
幾つかの実施形態において、RH10はHである。
【0018】
幾つかの実施形態において、ZH1はSである。
【0019】
幾つかの実施形態において、ZH2はNHである。
【0020】
幾つかの実施形態において、RH4は非置換のフェニル、又は1、2、3、4若しくは5個の置換基を有するフェニルである。更なる実施形態において、フェニルは、F、Cl又はORH18から選択される1、2又は3個の置換基を含み、ここで、それぞれのRH18は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択される。一定の実施形態において、フェニルは、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は3,4−ジメトキシフェニルである。
【0021】
幾つかの実施形態において、RH17は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。一定の実施形態において、ヘテロアリールは、フラン、チオフェン、ピロール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール若しくは1,2,5−オキサジアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、インドール、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン及びベンゾイミダゾールから選択される。
【0022】
第二の態様において、本発明は、下記式による構造
【化4】

【0023】
〔式中、
それぞれのRA1、RA3及びRA4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
A2は、存在しないか、又は−(CRA11A12−であり;
A3は、存在しないか、又はO、S若しくはNRA8であり;
それぞれのRA8及びRA13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;
それぞれのRA9、RA10、RA11及びRA12は、H、ハロゲン、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのm及びnは、独立して、1、2又は3であり;そして
ここで、RA1及びRA4の一方がHであり、そして他方がH又はCOEtから選択され、そしてRA3が非置換のフェニルである場合には、GA2−XA3−RA7は、NHC、NH(p−CF)、NH(p−COH)、NH(p−COMe)、NH(3−OH−4−Cl−C)、−CH(O−p−CMe)、−CH(4−エチルピペラジニル)、−CHS(2−フェニルテトラゾリル)、−CHS(4−クロロフェニル)、−CHS(2−ベンゾチアゾリル)、−CHS(2−(N−メチルイミダゾリル))、−CHS(4,6−ジメチルキナゾリニル)、アダマンチル又は任意に置換されていてよいオキシラニルではなく;そして
ここで、RA1及びRA4がそれぞれHであり、そしてRA3が4−メトキシフェニルである場合には、GA2−XA3−RA7は、任意に置換されていてよいオキシラニルではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0024】
幾つかの実施形態において、RA1及びRA4はHである。
【0025】
幾つかの実施形態において、RA3は非置換のフェニルである。
【0026】
幾つかの実施形態において、RA3は1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。
【0027】
幾つかの実施形態において、GA2は存在しない。
【0028】
一定の実施形態において、XA3は存在せず、そしてRA7は任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0029】
他の実施形態において、XA3はNRA8であり、そしてRA7は、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0030】
幾つかの実施形態において、GA2はCHである。
【0031】
幾つかの実施形態において、XA3はSであり、そしてRA7は任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0032】
幾つかの実施形態において、XA3は存在せず、そしてRA7は任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0033】
第三の態様において、本発明は、下記式による構造
【化5】

【0034】
〔式中、
それぞれのRA1、RA2、RA4及びRA6は、H、−C(=O)−XA3−RA7、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのXA3は、独立して、存在しないか、−O−又は−NRA8−であり;
それぞれのRA8は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、RA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、そしてRA2がHである場合には、RA6は4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル又は4−(NHCOBu)フェニルではなく;そして
ここで、RA1がHであり、RA4がH又はCOEtであり、RA2が非置換のフェニルである場合には、RA6は−C(=O)−(非置換のフェニル)又は−C(=O)−(4−メチルフェニル)ではなく;そして
ここで、RA1がHであり、RA4が−C(=O)−(非置換のフェニル)であり、RA2が4−クロロフェニルである場合には、RA6はCOEtではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0035】
幾つかの実施形態において、RA5はHであり;それぞれのRA1、RA2、RA4びRA6は、H、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)−XA3−RA7から独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;それぞれのRA7は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのXA3は、独立して、存在しないか、−O−又は−NRA8−であり、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0036】
一定の実施形態において、RA1及びRA4は一緒になって炭素−炭素二重結合を形成する。
【0037】
他の実施形態において、RA6は任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0038】
幾つかの実施形態において、RA6は4位に置換基を有するフェニル基である。
【0039】
一定の実施形態において、RA1及びRA4はそれぞれHであり、RA2は任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり、そしてRA6は−C(=O)−XA3−RA7である。
【0040】
他の実施形態において、RA2は非置換のフェニルである。
【0041】
第四の態様において、本発明は、下記式による構造
【化6】

【0042】
〔式中、
B1は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から独立して選択され;
B2は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル又は任意に置換されていてよいC2−6アルキニルから選択され;
それぞれのRB3及びRB4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRB3及びRB4は、一緒になって−(CH−(CRB13=CRB14−(CH−の構造を有する架橋基を形成し;
それぞれのn、o及びpは、独立して、0又は1であり;
それぞれのRB5、RB6、RB7、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12は、H、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−RB13、−ORB13、−SRB13、−NRB13B14、−C(=O)RB15、−C(=O)ORB15、−C(=O)NRB15B16、−OC(=O)RB15、−OC(=O)ORB15、−OC(=O)NRB15B16、−NRB15C(=O)RB15、−NRB15C(=O)ORB16、−NRB15C(=O)NRB16B17、−C(=S)RB15、−C(=S)NRB15B16、−NRB15C(=S)RB16、−NRB15C(=S)NRB16B17、−C(=NRB13)NRB15B16、−NRB15C(=NRB13)RB16、−NRB15C(=NRB13)NRB16B17から独立して選択され;
それぞれのRB13及びRB14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から独立して選択され;
それぞれのRB15、RB16、RB17、RB18及びRB19は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
ここで、それぞれのn、o及びpが0である場合には、RB3及びRB4は一緒になって単結合を形成し、そして
ここで、RB5、RB6、RB7、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12がそれぞれHであり、RB2がエチル、エテニル、2−ハロエテニル、エチニル、ハロエチニル、プロピニル又は−C≡C−C(OH)(CHである場合、そしてRB3及びRB4がそれぞれHであるか、又は一緒になって結合、−CHCH−若しくは−CH=CH−を形成する場合には、RB1はHまたはCHではなく;
B5、RB6、RB7、RB8、RB10及びRB11がそれぞれHであり、RB9又はRB12の少なくとも一方がフルオロであり、RB2がエチニルである場合、そしてRB3及びRB4が一緒になって−CHCH−を形成する場合には、RB1はHではなく;
ここで、RB5、RB7、RB9及びRB11がHであり、そしてRB6、RB8、RB10及びRB12の一つ又は二つがハロゲン、ニトロ又はメチルである場合には、RB1はHではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0043】
幾つかの実施形態において、RB1はHである。
【0044】
幾つかの実施形態において、RB2はC1−3アルキルである。
【0045】
幾つかの実施形態において、RB2はC1−3アルケニルである。
【0046】
幾つかの実施形態において、RB2はエチニルである。
【0047】
幾つかの実施形態において、RB3及びRB3はそれぞれHである。
【0048】
一定の実施形態において、化合物は、下記の構造
【化7】

【0049】
〔式中、
B2は、エチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有し、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。幾つかの実施形態において、RB10又はRB12はフルオロである。
【0050】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記の構造:
【化8】

【0051】
〔式中、
B2は、エチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有し、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0052】
第五の態様において、本発明は、下記式による構造
【化9】

【0053】
〔式中、
それぞれのRC1、RC2及びRC3は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−Y−RC7から独立して選択されるか、又はRC1及びRC2は、一緒になって(=O)又は(=S)基を形成するか、又はRC1及びRC3は、一緒になって炭素−窒素二重結合を形成し;
C4は、H、ハロゲン、−CN、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール又は−C(=O)ZRC8から独立して選択され;
それぞれのRC5及びRC6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRC5及びRC6は、一緒になって任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールを形成し;
それぞれのRC7、RC8、RC9、RC10、RC11及びRC12は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
Xは、−CRC11=CRC12−、O、S又はNRC9であり;
Yは、独立して、単結合、(CRC8C9、O、S又はNRC10であり;そして
Zは、単結合、O、S又はNRC10であり;
nは、0〜4の整数であり、そして
ここで、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6が一緒になって非置換のヘテロペンチルを形成する場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニル、非置換のナフチル、非置換の8−キノリル、非置換の2−オキソキノリル、又はF、OMe、Me、CN若しくはClから選択される1若しくは2個の置換基を有するフェニルであり;そして
ここで、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6がそれぞれCHである場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニルであり;そして
ここで、XがCH=CHであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6がHである場合には、RC3は−CH(4−ハロフェニル)ではない〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0054】
幾つかの実施形態において、RC5及びRC6は任意に置換されていてよいC1−6アルキルである。
【0055】
他の実施形態において、化合物は、下記式による構造:
【化10】

【0056】
〔式中、X、RC1、RC2、RC3及びRC4は式(IV)のために定義されるとおりであり、そしてnは0〜3の整数である〕を有し、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0057】
幾つかの実施形態において、RC1及びRC2は一緒になって(=O)基を形成する。
【0058】
他の実施形態において、XはSである。
【0059】
幾つかの実施形態において、nは1である。
【0060】
一定の実施形態において、RC3は−Y−RC7である。
【0061】
他の実施形態において、RC3は、−(CH)−任意に置換されていてよいアリール)である。
【0062】
第六の態様において、本発明は、下記式による構造
【化11】

【0063】
〔式中、
それぞれのYD1及びYD2は、−C(=O)−又は−C(=S)−から独立して選択され;
Aは、0、1、2、3又は4個の追加の置換基を有するフェニルであり;
D2及びRD3は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRD5、RD9、RD10、RD13及びRD14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、RD2、RD3及びRD5がHであり、YD1が−C(=O)−であり、YD2が−(SO)−であり、そしてRD9及びRD10がそれぞれエチルであるか、又はRD9がメチルであり、そしてRD10がCH(2−テトラヒドロフラン)であり、そしてAが0個の追加の置換基を有するフェニルである場合には、YD1及びYD2は互いにパラ位にはない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴としている。
【0064】
幾つかの実施形態において、YD1及びYD2は互いにオルト又はメタ位にある。
【0065】
他の実施形態において、YD1及びYD2は互いにパラ位にある。
【0066】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造
【化12】

【0067】
〔式中、
それぞれのRD2、RD3、RD17、RD18、RD19及びRD20は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRD9及びRD10は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル若しくは任意に置換されていてよいアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成する〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴である。
【0068】
幾つかの実施形態において、RD17、RD18、RD19及びRD20はHである。
【0069】
幾つかの実施形態において、RD2及びRD3はHである。
【0070】
他の実施形態において、RD9及びRD10はそれぞれ任意に置換されていてよいC1−6アルキルである。
【0071】
第七の態様において、本発明は、下記式による構造
【化13】

【0072】
〔式中、
それぞれのZE2及びZE3は、単結合、−(CRE6E7−、−C(=O)−から独立して選択されるか、又はRE1及びZE2−RE2は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRE1、RE2及びRE4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
E3は、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
それぞれのRE6及びRE7は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのRE6及びRE7は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのnは、1〜6の整数であり;そして
ここで、RE1及びRE4がHであり、ZE2及びZE3がそれぞれCHであり、そしてRE2が非置換の3−インドリルである場合には、RE3は4−クロロフェニル又はCHCHO(p−CF)ではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体特徴としている。
【0073】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造
【化14】

【0074】
〔式中、
E3は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
は、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
それぞれのR13及びR14は、H、COR16、CO16、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR15及びR16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕を有し;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0075】
幾つかの実施形態において、RE3は任意に置換されていてよいアリールである。
【0076】
幾つかの実施形態において、RE3は非置換のC3−10シクロアルキル、非置換のヘテロシクリル、非置換のアリール又は非置換のヘテロアリールである。
【0077】
他の実施形態において、RE3は置換されたC3−10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールである。他の実施形態において、置換されたC3−10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールは、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N、−OR’、−NR’ C(=O)R”、−C(=O)NRR’、−NRR’、−OC(=O)NR’R”、−NRC(=O)OR’、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基を含み、ここで、それぞれのR及びR’は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。
【0078】
更に他の実施形態において、RE3は置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、RE3は置換されたフェニルである。幾つかの実施形態において、置換されたフェニルは少なくとも1個のハロゲンで置換されている。他の実施形態において、置換されたフェニルは、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N、−OR’、−NR’C(=O)R”、−C(=O)NRR’、−NRR’、−OC(=O)NR’R”、−NRC(=O)OR’、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換されており、ここで、それぞれのR又はR’は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。
【0079】
幾つかの実施形態において、式(VI)において星印で示される立体中心は(R)立体配置を有する。他の実施形態において、星印で示される立体中心は(S)立体配置を有する。
【0080】
本明細書に記載される実施形態の何れにおいても、−ZE3及びRE3の一方又は両方は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI);ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)NR’)、アシル(−C(=O)R’)、カルボン酸(−COH)、カルボン酸エステル(−COR’)、スルホネート(−S(=O)OR)、スルホンアミド(−S(=O)NRR’又は−NRS(=O)R’)又はスルホニル(−S(=O)R)〔ここで、それぞれのR及びR’は、本明細書に記載されるとおり、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される〕からなる群から選択される置換基を含まない。
【0081】
第八の態様において、本発明は、下記式による構造
【化15】

【0082】
〔式中、
F1は、単結合、−(CH)−、−C(=O)−又は−S(=O)−から選択され;
F1は、H、ORF14、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
F2及びRF4は、それぞれHであるか、又はRF2及びRF4は、一緒になって炭素−二重結合を形成し;
それぞれのRF6、RF7、RF8及びRF9は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、ORF12、SRF12、NRF12F13、−CORF12、−COF12、−CONRF12F13、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRF12、RF13及びRF14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、RF2、RF4、RF6、RF7、RF8及びRF9がそれぞれHであり、そしてZF1が−C(=O)−である場合には、RF1は、−(非置換の1,4−ベンゾジオキサン)又は−CH−O−(非置換のフェニル)又は−CH(CH)O(o−トリル)ではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0083】
幾つかの実施形態において、RF2及びRF4はそれぞれHである。
【0084】
他の実施形態において、RF6、RF7、F8及びRF9はHである。
【0085】
一定の実施形態において、ZF1は−C(=O)−である。更なる実施形態において、
F1は任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールである。
【0086】
第九の態様において、本発明は、下記式による構造
【化16】

【0087】
〔式中、
それぞれのRG1、RG2、RG5及びRG6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRG1及びRG2、又はRG5及びRG6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、RG1が非置換のフェニルであり、そしてRG2がHである場合には、RG5及びRG6は一緒になって非置換のシクロペンチルを形成しない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を特徴としている。
【0088】
幾つかの実施形態において、RG1又はRG5は、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。一定の実施形態において、RG1は非置換のフェニルである。
【0089】
幾つかの実施形態において、RG2又はRG6は、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである。
【0090】
他の実施形態において、RG1及びRG2、又はRG5及びRG6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキルを形成する。一定の実施形態において、シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0091】
第十の態様において、本発明は、医薬上許容される賦形剤、並びに式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬組成物を特徴としている。
【0092】
第十一の態様において、本発明は、被験者の症状を治療する方法であって、該方法が、式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れかである化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を、該被験者にネクロトーシスを減少させるのに十分な投与量で投与する段階を含む方法を特徴としている。
【0093】
幾つかの実施形態において、症状は、中枢若しくは抹消神経系の神経変性疾患、網膜神経細胞死の結果、心筋の細胞死の結果、免疫系の細胞の細胞死の結果;脳卒中、肝疾患、腎疾患、腎不全に関連する細胞死の結果;心臓、腸間膜、網膜、肝臓若しくは脳の虚血性傷害、臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック、冠状動脈性心疾患、心筋症、心筋梗塞、無血管性骨壊死、鎌状赤血球病、筋肉疲労、胃腸病、結核、糖尿病、血管の変化、筋ジストロフィー、移植片対宿主疾患、ウイルス感染、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、又は細胞の増殖、分化若しくは細胞内信号伝達の変化が原因要素である、任意の症状である。
【0094】
幾つかの実施形態において、症状は中枢又は抹消神経系の神経変性疾患である。
【0095】
幾つかの実施形態において、症状は肝若しくは脳の虚血性傷害、又は臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック又は冠状動脈性心疾患である。
【0096】
幾つかの実施形態において、症状は脳卒中である。
【0097】
幾つかの実施形態において、症状は心筋梗塞である。
【0098】
第十二の態様において、本発明は、ネクロトーシスを減少させる方法であって、該方法が、細胞を、式(I)〜(VIII)の任意の化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体と接触させることを含む方法を特徴としている。
【0099】
第十三の態様において、本発明は、
(a) 式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬上許容される医薬組成物;並びに
(b) (a)の医薬組成物を使用して被験者の症状を治療するための指示
を含むキットを特徴としている。
【0100】
本発明の組成物、方法及びキットの何れにおいても、化合物は、下記の群:
【化17】



【0101】
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体から選択することができる。
【0102】
「C1−4アルカリール(alkaryl)」とは、炭素鎖の任意の位置に、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールを有するC1−4アルキル基を意味する。C1−4アルキル基は、線状又は分枝状であってよく、そしてまた、本明細書に記載されるように、例えば1、2、3、4、5又は6個の追加の置換基で置換されていてもよい。
【0103】
「アルコキシ」とは、−O(任意に置換されていてよいC1−6アルキル)の構造を有する基を意味し、ここで、任意に置換されていてよいC1−6アルキルは、分枝状、線状又は環状であってよい。C1−6アルキルは置換されていてよく、又は非置換であってもよい。置換されたC1−6アルキルは、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的なアルコキシ基は、メトキシ、エトシキ、プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ等を包含するが、それらに限定されない。
【0104】
「C2−6アルケニル」又は「アルケニル」とは、1個以上の炭素−炭素二重結合を有する、任意に置換されていてよい不飽和C2−6炭化水素基を意味する。典型的なC2−6アルケニル基は、−CH=CH(エテニル)、プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等を包含するが、それらに限定されない。C2−6アルケニルは線状又は分枝状であってよく、そして非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたC2−6アルケニルは、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。
【0105】
「C1−6アルキル」又は「アルキル」とは、任意に置換されていてよい、C1−6飽和炭化水素基を意味する。アルキル基は、線状、分枝状又は環状(「シクロアルキル」)であってよい。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、iso−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等であって、1個以上の置換基を有していてよいものを包含するが、それらに限定されない。置換されたアルキル基は、任意の位置に、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的な置換されたアルキル基は、任意に置換されていてよいC1−4アルカリール基を包含するが、それらに限定されない。
【0106】
「C2−6アルキニル」又は「アルキニル」とは、1個以上の炭素−炭素三重結合を有する、任意に置換されていてよい不飽和C2−6炭化水素基を意味する。典型的なC2−6アルキニルは、エチニル、1−プロピニル等を包含するが、それらに限定されない。
【0107】
「アミノ」とは、−NR’R”の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR’及びR”は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR’及びR”は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R’がHでなく、又はR”がHでない場合には、R’及びR”は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5若しくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0108】
「アリール」とは、共役において[4n+2]個のπ電子を有する、任意に置換されていてよいC6−14環状基を意味し、そしてここで、nは1、2又は3である。アリールの非限定的な例は、ヘテロアリール、そして例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン及びフェナントレンを包含する。アリールはまた、二環式及び三環式の環系であって、非芳香族の飽和又は部分不飽和炭素環(例えば、シクロアルキル又はシクロアルケニル)がベンゼン又はナフタレン等の芳香族環に縮合しているものを包含する。非芳香族環に縮合した典型的なアリールは、インダニル、テトラヒドロナフチルを包含する。本明細書で定義される何れのアリールも非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたアリールは、環の任意の位置で、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で任意に置換されていてよい。
【0109】
「アリールオキシ」とは、−O(任意に置換されていてよいアリール)の構造を有する基を意味し、ここで、アリールは本明細書で定義されるとおりである。
【0110】
「アジド」とは、−Nの構造を有する基を意味する。
【0111】
「カルバメート」又は「カルバモイル」とは、−OCONR’R”又は−NR’COR”の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR’及びR”は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR’及びR”は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R’がHではないか、又はR”がHではない場合には、R’及びR”は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0112】
「カルボネート」とは、−OCOR’の構造を有する基を意味し、ここで、R’は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。R’がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0113】
「カルボキサミド」又は「アミド」とは、−CONR’R”又は−NR’C(=O)R”の構造を有する基を意味し、ここで、それぞれのR’及びR”は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はR’及びR”は一緒になって任意に置換されていてよいヘテロシクリルを形成する。R’がHではないか、又はR”がHではない場合には、R’及びR”は非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0114】
「カルボン酸基」とは、−COR’の構造を有する基を意味し、ここで、R’は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。R’がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0115】
「シアノ」とは、−CNの構造を有する基を意味する。
【0116】
「C3−10シクロアルキル」又は「シクロアルキル」とは、任意に置換されていてよい、飽和又は部分不飽和の3〜10員の単環式又は多環式(例えば、二環式又は三環式)の炭化水素環系を意味する。シクロアルキルが多環系である場合には、構成要素のシクロアルキル環は、一緒に縮合してスピロ環構造を形成してよく、又は多環系シクロアルキルは、架橋したシクロアルキル(例えば、アダマンチル又はノルボルナニル)であってもよい。典型的なシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包含する。シクロアルキルは非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたシクロアルキルは、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。
【0117】
「シクロアルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、非芳香族の、任意に置換されていてよい3〜10員の単環式又は多環式炭化水素環系を意味する。例えば、シクロアルケニルは1又は2個の炭素−炭素二重結合を有していてよい。シクロアルケニルは非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたシクロアルケニルは、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有することができる。典型的なシクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、1,4−シクロヘキサジエニル等を包含するが、それらに限定されない。
【0118】
本明細書で用いられる、物質の「有効量」又は「治療有効量」とは、有益な又は望ましい結果、例えば臨床結果をもたらすのに十分な量を意味し、そしてそれ故、有効量はそれが適用される状況に依存する。例えば、ネクロトーシスの抑制剤である物質を投与する状況では、ある物質の有効量は、例えば、その物質を投与しないで得られる反応と比べてネクロトーシスの減少を達成するのに十分な量である。
【0119】
「エステル」とは、−OCOR’から選択される構造を有する基を意味し、このときR’はH、場合により置換されてもよいC1-6アルキル、場合により置換されてもよいシクロアルキル、場合により置換されてもよいヘテロシクリル、場合により置換されてもよいアリール、または場合により置換されてもよいヘテロアリールから選択される。R’がHでない場合には、Rは非置換であってもよく、または1、2、3、4、5、もしくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0120】
「ハロゲン」又は「ハロ」とは、フッ素(−F)、塩素(−Cl)、臭素(−Br)又はヨウ素(−I)を意味する。
【0121】
「ヘテロアリール」とは、環状骨格に1、2又は3個のヘテロ原子を有するアリール基を意味する。典型的なヘテロアリールは、フラン、チオフェン、ピロール、チアジアゾール(例えば、1,2,3−チアジアゾール又は1,2,4−チアジアゾール)、オキサジアゾール(例えば、1,2,3−オキサジアゾール又は1,2,5−オキサアジアゾール)、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール(例えば、1,2,4−トリアゾール又は1,2,3−トリアゾール)、ベンゾトリアゾール、ピリジン類、ピリミジン類、ピラジン類、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、トリアジン(例えば、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン又は1,3,5−トリアジン)、インドール類、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン及びベンゾイミダゾールを包含するが、それらに限定されない。ヘテロアリールは非置換であってよく、又は1、2、3、4、5若しくは6個の置換基で置換されていてもよい。
【0122】
「ヘテロ環式」又は「ヘテロシクリル」とは、非芳香族環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル又はヘテロシクリル)に縮合しているアリール(例えば、フェニル又はナフチル)又はヘテロアリール基を含んでいてよい3〜8原子の大きさの単環及び多環系(例えば、二環及び三環系)を包含する、任意に置換されていてよい、非芳香族の、部分不飽和又は完全飽和の、3〜10員の環系であって、環系が少なくとも1個のヘテロ原子を含有するものを意味する。ヘテロ環は、酸素、硫黄及び窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものを包含し、ここで、酸素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよく、そして窒素ヘテロ原子は、任意に第四級化又は置換されていてよい。一定の実施形態において、ヘテロ環式という用語は、少なくとも1個の環原子がO、S及びNから選択され(ここで、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化されていてよい)、そして残りの環原子が炭素である、非芳香族の5、6又は7員の単環を指し、この基は任意の環原子を介して分子の残余に連結している。ヘテロ環が多環式である場合には、構成要素の環は一緒に縮合してスピロ環構造を形成してよく、又は多環式ヘテロ環は架橋ヘテロ環(例えば、キヌクリジル)であってもよい。典型的なヘテロ環は、アジリジニル、アゼチジニル、1,3−ジアザチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラノニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、クロメニル、2H−クロメン−2−オンイル、クロマニル、ジオキサニル(1,3−ジオキサニル又は1,4−ジオキサニル)、1,4−ベンゾジオキサニル、オキサジニル、オキサチオラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオキサニル、キヌクリジニル、そしてまた、上記の典型的なヘテロ環の誘導体であって、ヘテロ環がアリール(例えば、ベンゼン環)又はヘテロアリール(例えば、ピリジン又はピリミジン)基に縮合しているものを包含するが、それらに限定されない。本明細書に記載されるヘテロ環式基の何れも非置換であってよく、又は置換されていてもよい。置換されたヘテロ環は、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基を有していてよい。
【0123】
「ケトン」又は「アシル」とは、−COR’の構造を有する基を意味し、ここで、R’は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいシクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択される。R’がHではない場合には、Rは非置換であってよく、又は例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてもよい。
【0124】
「ニトロ」とは、−NOの構造を有する基を意味する。
【0125】
本明細書で用いられる「医薬上許容される賦形剤」とは、本明細書に記載される化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁又は溶解できるビヒクル)であり、そして患者において無毒性かつ非炎症性であるという性質を有するものである。賦形剤は、例えば:粘着防止剤、酸化防止剤、結合剤、被覆剤、圧縮補助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤若しくは被覆剤、矯味矯臭剤、芳香剤、流動促進剤(流動向上剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インキ、吸着剤、懸濁化剤若しくは分散化剤、甘味料又は水和物水を包含することができる。典型的な賦形剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、前ゼラチン化澱粉、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、ソルビトール、澱粉(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、蔗糖、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールを包含するが、それらに限定されない。
【0126】
本明細書で用いられる「医薬上許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒト及び動物の組織と接触させる使用に適しており、そして合理的なベネフィット/リスク比にふさわしい塩を示す。医薬上許容される塩は当技術分野でよく知られている。例えば、S. M. Berge et al は、医薬上許容される塩を J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66:1-19 に詳細に記載している。塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製中にその場で、又は遊離塩基の基と適切な有機酸との反応により別々に製造することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、酪酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、スレアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、バレリアン酸塩などを包含する。代表的なアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩を包含し、並びに塩は無毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム及びアミン陽イオンの塩、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどの塩を包含するが、それらに限定されない。
【0127】
本明細書で用いられる「医薬上許容される溶媒和物」という用語は、固体状態において残留溶剤分子と非共有結合性会合を保持している化合物を指す。例えば、溶媒和物は、有機溶剤、水又はそれらの混合物を含む溶液から結晶化、再結晶又は沈殿により製造することができる。溶媒和物は、再結晶後に結晶格子に溶剤分子を含む化合物を包含するが、それらに限定されない。溶媒和の分子化学量論は、例えば1:1の溶剤:化合物から10:1の溶剤:化合物まで変化できる。これらの比は会合した溶剤分子の混合物を含むこともある。典型的には、本発明の化合物と溶媒和物を形成できる溶剤の非限定的な例は、水(例えば一、二及び三水和物)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2−ピロリドン、安息香酸ベンジル、又はそれらの任意の組み合わせを包含する。
【0128】
「医薬上許容される組成物」という用語は、医薬上許容される賦形剤と共に製剤され、そして哺乳動物における疾患を治療するための治療計画の一部として政府規制当局の承認を受けて製造又は販売される、本発明の化合物を含有する組成物を意味する。DMSOから構成される賦形剤は明確に除外される。医薬組成物は、例えば、経口投与のためには単位投与剤形で(例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルキャップ又はシロップ);局所投与のために(例えば、クリーム、ゲル、ローション又は軟膏として);静脈内注射のために(例えば微粒子状塞栓物を含まず、そして静脈内使用に適する溶剤系中の滅菌溶液);又は本明細書に記載される他の任意の製剤のために製剤することができる。
【0129】
「立体異性体」とは、化合物のジアステレオマー、エナンチオマー又はエピマーを意味する。化合物のキラル中心は、S立体配置又はR立体配置を有することができる。化合物のジアステレオマーは、キラル中心の幾つか(しかし全部ではない)が反対の立体配置を有する立体異性体、並びに置換基が空間的に別様に配向している化合物(例えば、トランス対シス)を包含する。
【0130】
ある基が置換されている場合には、その基は1、2、3、4、5又は6個の置換基で置換されていてよい。任意による置換基は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン;アジド(−N)、ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)R’)、アシル(−C(=O)R’)、アルコキシ(−OR’)、アミド(−NR’C(=O)R”又は−C(=O)NRR’)、アミノ(−NRR’)、カルボン酸(−COH)、カルボン酸エステル(−COR’)、カルバモイル(−OC(=O)NR’R”又は−NRC(=O)OR’)、ヒドロキシ(−OH)、イソシアノ(−NC)、スルホネート(−S(=O)OR)、スルホンアミド(−S(=O)NRR’又は−NRS(=O)R’)、又はスルホニル(−S(=O)R)〔ここで、それぞれのR又はR’は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。置換された基は、例えば1、2、3、4、5、6、7、8又は9個の置換基を有していてよい。幾つかの実施形態において、ある基のそれぞれの水素は、置換基(例えば、−CF若しくは−CFCF等のパーハロアルキル基又は−C等のパーハロアリール)で置き換えられていてよい。他の実施形態において、置換基はそれ自体、その置換基の水素を別の置換基、例えば本明細書に記載されるもので置き換えることにより、更に置換されていてよい。置換基は、本明細書で定義されるように、例えば1、2、3、4、5又は6個の置換基で更に置換されていてよい。例えば、低級C1−6アルキル又はアリール置換基(例えば、ヘテロアリール、フェニル又はナフチル)は、本明細書に記載されるように、1、2、3、4、5又は6個の置換基で更に置換されていてよい。
【発明を実施するための形態】
【0131】
発明の詳細な説明
我々は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)誘発ネクロトーシスを抑制する一連のヘテロ環式誘導体を発見した。本発明のヘテロ環式化合物は、例えば、式(I)〜(VIII)の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を包含し、そしてJurkat T細胞のFADD欠乏変異体におけるTNF−α誘発ネクロトーシスを抑制することが示される。更に他の有用なネクロスタチン類は、化合物(1)〜(45)を包含する。本発明の化合物は、当技術分野で公知の方法によるか、又は以下の実施例に与えられる方法により合成することができる。本発明の化合物を含む医薬組成物も記載される。本発明はまた、本発明の化合物及び組成物を主成分とするキット及び治療方法を特徴としている。
【0132】
(式(I)の化合物)
本発明の一定の化合物は、式(I):
【化18】

【0133】
〔式中、
それぞれのXH1及びXH2は、O、S又はNRH9から独立して選択され;
H1は、O、S又はNRH10から独立して選択され;
それぞれのRH1、RH2、RH3、RH4、RH5、RH6、RH7及びRH8は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12、−C(=O)NRH12H13、−C(=S)RH12、−C(=S)NRH12H13、−C(=NRH14)RH12、−C(=NRH14)NRH12H13若しくは−[ZH1−(CRH15H16−{C(=XH2)}−ZH2−RH17]から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3、又はRH5及びRH7は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのZH1及びZH2は、単結合、O、S又はNRH11から独立して選択され;
それぞれのRH9、RH10、RH11、RH12、RH13、RH14、RH15、RH16及びRH17は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
nは、0〜6の整数であり;そして
oは、0又は1である〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0134】
本発明の一定の化合物は、式(I-A):
【化19】

【0135】
〔式中、
H1、RH2、RH3、RH4、RH5、RH10、RH17、XH2、ZH1、ZH2及びnは式(I)のために定義されるとおりである〕
又は式(I-B)
【化20】

【0136】
〔式中、
それぞれのRH1及びRH3は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12若しくは−C(=O)NRH12H13から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRH4及びRH17は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
H5は、H、CN、−C(=O)ORH12又は−C(=O)NRH12H13から選択され;
それぞれのRH10、RH11、RH12及びRH13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
H1は、単結合又はSから選択され;
H2は、単結合又はNRH11から選択され;そして
H2は、O又はSである〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0137】
式(I)の幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造:
【化21】

【0138】
〔式中、RH4は、式(I-A)又は(I-B)によるとおりである〕を有する。
【0139】
式(I)の幾つかの実施形態において、RH1がHであり、RH2がH又はCOMeであり、RH3がHであり、RH4が非置換のフェニル、又はメトキシ、エトシキ、メチル、イソプロピル、クロロ若しくはフルオロからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルであり、RH5がCNであり、RH6及びRH8がHであり、RH10がHであり、XH1がOであり、YH1がNHであり、そしてRH7が−[S−(CH)−{C(=O)}−ZH2−R17]である場合には、ZH2−RH17はOCH3 又はNH−RH17ではなく、ここで、RH17は、H、非置換の2−チアゾリル、非置換のフェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルである。
【0140】
式(I)、(I-A)、(I-B)及び(I-C)の化合物は、当技術分野で公知の方法により製造することができる。使用できる典型的な合成方法はスキーム1に示され、そして Russian Chemical Bulletin, 48(12): 2308-2311 (1999) 及び Chemistry of Heterocyclic Compounds, 38(10): 1269-1275 (2002) に開示されたプロトコールに基づいている。スキーム1において、R’及びR”は、例えば、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリール基であってよい。更に他の置換基パターンは、アルデヒドと縮合させるチオアミド出発物質の変更により得ることができる。
【化22】

【0141】
式(I)の化合物(例えば、(I-A)、(I-B)又は(I-C))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体はまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療方法に、そしてキットに)。本発明の組成物、方法及びキットに有用な典型的な化合物は、表1に示されるものであるが、それらに限定されない。式Iの他の化合物は表2に示される。幾つかの実施形態において、式(I)、(I-A)、(I-B)又は(I-C)は、化合物(1)〜(12)の何れをも包含しない。
【表1】

【表2】

【0142】
(式(II)の化合物)
本発明の選り抜きの化合物は、式(II)
【化23】

【0143】
〔式中、
それぞれのRA1、RA2、RA3、RA4、RA5及びRA6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール若しくは−XA1−GA1−XA2−C(=YA1)−GA2−XA3−RA7の構造を有する基から独立して選択されるか、又RA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのXA1、XA2及びXA3は、独立して、存在しないか、又は−O−、−S−若しくは−NRA−から選択され;
A1は、存在しないか、又は−(CRARA10−であり;
A2は、存在しないか、又は−(CRA11RA12−であり;
A1は、O、S又はNRA13であり;
それぞれのRA8及びRA13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;
それぞれのRA9、RA10、RA11及びRA12は、H、ハロゲン、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのm及びnは、独立して、1、2又は3である〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0144】
式(II)の幾つかの実施形態において、RA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、RA2がHであり、RA3がCHであり、そしてRA6がCOHである場合には、RA5はCH(2−クロロフェニル)ではない。
【0145】
式(II)の幾つかの実施形態において、RA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、RA2がHであり、RA6がCH又はBuであり、そしてRA3がNHC(=O)NHRA7である場合には、RA7はクロロフェニル又はジクロロフェニルではない。
【0146】
式(II)の一定の化合物は、更に、式(II-A)
【化24】

【0147】
〔式中、
それぞれのRA1、RA3、RA4及びRA7は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1又はRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
A2は、存在しないか、又は−(CRA11A12−であり;
A3は、存在しないか、又はO、S若しくはNRA8であり;
それぞれのRA11、RA12及びRA8は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;
nは、1又は2である〕により;又は
式(II-B)
【化25】

【0148】
〔式中、
A5はHであり、
それぞれのRA1、RA2、RA3、RA4及びRA6は、H、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)−XA3−RA7から独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRA7は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのXA3は、独立して、存在しないか、又は−O−若しくは−NRA8−である〕により表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0149】
式(II)(例えば、(II-A)及び(II-B))の幾つかの実施形態において、RA1及びRA4の一方がHであり、そして他方がH又はCOEtから選択され、そしてRA3が非置換のフェニルである場合には、GA2−XA3−RA7は、NHC、NH(p−CF)、NH(p−COH)、NH(p−COMe)、NH(3−OH−4−Cl−C)、−CH(O−p−CMe)、−CH(4−エチルピペラジニル)、−CHS(2−フェニルテトラゾリル)、−CHS(4−クロロフェニル)、−CHS(2−ベンゾチアゾリル)、−CHS(2−(N−メチルイミダゾリル))、−CHS(4,6−ジメチルキナゾリニル)、アダマンチル又は任意に置換されていてよいオキシラニルではない。
【0150】
式(II)の他の化合物は、式(II-C):
【化26】

【0151】
〔式中、
それぞれのRA1、RA2、RA4及びRA6は、H、−C(=O)−XA3−RA7、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのXA3は、独立して、存在しないか、又は−O−若しくは−NRA8−であり、
それぞれのRA8は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;そして
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕の化合物を包含する。
【0152】
式(II-C)の幾つかの実施形態において、RA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、そしてRA2がHである場合には、RA6は4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル又は4−(NHCOBu)フェニルではない。他の実施形態において、RA1がHであり、RA4がH又はCOEtであり、RA2が非置換のフェニルである場合には、RA6は−C(=O)−(非置換のフェニル)又は−C(=O)−(4−メチルフェニル)ではない。更に他の実施形態において、RA1がHであり、RA4が−C(=O)−(非置換のフェニル)であり、RA2が4−クロロフェニルである場合には、RA6はCOEtではない。
【0153】
式(II)の化合物(例えば、(II-A)〜(II-C))は、当技術分野で公知の方法により製造することができる。典型的な合成方法はスキーム2〜5に示される。
【化27】

【0154】
スキーム2Aは、式(II)のピラゾール化合物の製造に使用できる方法を示す。末端アルキンをトリメチルシリルジアゾメタン(TMS−ジアゾメタン)と反応させて、式(II)の化合物を与えることができ、ここで、RA1及びRA4は一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、そしてR’は、例えば、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであってよい。スキーム2Bは、スキーム2Aの方法を用いる化合物(13)の製造を示し、ここで、アニリン−NH基はTMS−ジアゾメタンとの反応の前に保護される。
【化28】

【0155】
スキーム3Aは、J. Chem. Soc. 4686-90 (1952) 及び J. Med. Chem. 2127-2137 (2006) に記載の方法により式(II)のピラゾール化合物の製造に使用できる別の方法を示す。例えば、置換されたアクロレイン(例えば、R’は任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであってよい)を、エタノールヒドラジンで処理して(段階(a))、ピラゾリン中間体を与えることができる。次いで、このピラゾリンを、適切な脱離基(例えば、アルキルハライド、酸クロリド又は酸無水物)を有する求電子化合物及び任意による化学的促進剤で処理して、N−置換されたピラゾリンを与えることができる。スキーム3Bは化合物(14)の製造に使用できる方法を示し、ここで、示されるように段階(b)において酸クロリドを使用することができる。
【化29】

【0156】
スキーム4は、J. Am. Chem. Soc., 165 頁 (1943) に記載の手順により製造できる化合物(15)を示す。この方法は、RA6が−C(=O)−RA7であり、そしてRA2及びRA7が独立して任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、式(II)の他のピラゾール化合物の製造にも使用できる。
【化30】

【0157】
スキーム5Aは、WO2005115147 及び J. Med. Chem., 4686-90 (1952) に記載の方法を用いて式(II)のテトラゾール化合物を製造できる方法を示す。例えば、カルボン酸基を含むテトラゾール化合物を活性化し(例えば、段階(a)におけるようにPClで処理し)、続いて段階(b)におけるように求核性R”で処理することができる。スキーム5Bは、段階(b’)において5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾールを求核試薬として用いて化合物(16)を与えることができることを示す。
【0158】
式(II)の化合物(例えば、(II-A)及び(II-B)、並びに化合物(13)〜(16))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療法に、及びキットに)。例えば、本発明の方法、組成物及びキットに有用な追加の典型的な化合物は表3に示されるが、それらに限定されない。式(II)の他の化合物は表4に示される。幾つかの実施形態において、式(II)、(II-A)及び(II-B)は、化合物(13)〜(26)の何れをも包含しない。
【表3】

【表4】

【0159】
(式(III)の化合物)
本発明の選り抜きの化合物は、式(III)
【化31】

【0160】
〔式中、
B1は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から選択され;
B2は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6 アルケニル又は任意に置換されていてよいC2−6アルキニルから選択され;
それぞれのRB3及びRB4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRB3及びRB4は、一緒になって−(CH−(CRB13=CRB14−(CH−の構造を有する架橋基を形成し;
それぞれのn、o及びpは、独立して、0又は1であり;
それぞれのRB5、RB6、RB7、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12は、H、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−RB13、−ORB13、−SRB13、−NRB13B14、−C(=O)RB15、−C(=O)ORB15、−C(=O)NRB15B16、−OC(=O)RB15、−OC(=O)ORB15、−OC(=O)NRB15B16、−NRB15C(=O)RB15、−NRB15C(=O)ORB16、−NRB15C(=O)NRB16B17、−C(=S)RB15、−C(=S)NRB15B16、−NRB15C(=S)RB16、−NRB15C(=S)NRB16B17、−C(=NRB13)NRB15B16、−NRB15C(=NRB13)RB16、−NRB15C(=NRB13)NRB16B17から独立して選択され;
それぞれのRB13及びRB14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から独立して選択され;
それぞれのRB15、RB16、RB17、RB18及びRB19は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、それぞれのn、o及びpが0である場合には、RB3及びRB4は、一緒になって単結合を形成する〕により表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0161】
式(III)の選り抜きの化合物はまた、式(III-A)
【化32】

【0162】
〔式中、RB1は、式(III)において記載されるとおりであり、RB2はエチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕で表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0163】
幾つかの実施形態において、RB1はHである。
【0164】
式(III)の更に他の化合物は、式(III-B)
【化33】

【0165】
〔式中、RB1は式(III)において記載されるとおりであり、RB2はエチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕で表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0166】
幾つかの実施形態において、RB1はHである。
【0167】
式(III)の幾つかの実施形態において、RB5、 RB6、 RB7、 RB8、 RB9、 RB10、 RB11及びRB12がそれぞれHであり、RB2がエチル、エテニル、エチニル、プロピニル、2−ハロエチニル、−(C≡CC(−OH)(CH)である場合、そしてRB3及びRB4がそれぞれHであるか、又は一緒になって結合、−CHCH−又は−CH=CH−を形成する場合には、RB1はH又はCHではない。式(III)の他の実施形態において、RB5、RB6、RB7、RB8、RB10及びRB11がそれぞれHであり、RB9又はRB12の少なくとも一方がフルオロであり、RB2がエチニルである場合、そしてRB3及びRB4が一緒になって−CHCH−を形成する場合には、RB1はHではない。式(III)の更に他の実施形態において、RB6、 RB7、 RB8、RB10及びRB11がHであり、RB6、RB8、RB10及びRB12の一つ又は二つがハロゲン、ニトロ又はメチルである場合には、RB1はHではない。
【化34】

【0168】
スキーム6Aは、式(III)の化合物を製造できる方法を示す。ケトン誘導体を、アニオン性炭素求核試薬(例えば、段階(a)において形成されるリチウムトリメチルシリルアセチリド)で処理することができる。生成するアルコキシドを、プロトン性抑制剤を用いて、又は求電子試薬の添加により捕捉することができる。最後に、トリメチルシリル基を、塩基性条件を用いて脱保護することができる。所望により、アルキン基を更に操作することができる(例えば、水素化条件に付して、対応するアルケン若しくはアルキル基を与えるか、又はクロスカップリング反応において金属触媒/及び有機求電子試薬で処理する)。スキーム6Bは、これらの条件を用いて製造できる化合物(27)を示す。
【0169】
式(III)の化合物(例えば、(III-A)及び(III-B)、並びに化合物(27))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療法に、及びキットに)。例えば、本発明の方法、組成物及びキットに有用な追加の典型的な化合物は、表5に示されるものを包含するが、それらに限定されない。式(III)の他の化合物は、表6に示される化合物(35)〜(36)、(39)〜(40)及び(42)〜(47)を包含する。幾つかの実施形態において、式(III)は、化合物(27)〜(33)、(35)〜(36)、(39)〜(40)又は(42)〜(47)の何れをも包含しない。
【表5】

【表6】


【0170】
(式(IV)の化合物)
更に他の化合物は、式(IV)
【化35】

【0171】
〔式中、
それぞれのRC1、RC2及びRC3は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−Y−RC7から独立して選択されるか、又はRC1及びRC2は、一緒になって(=O)若しくは(=S) 基を形成するか、又はRC1及びRC3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
C4は、H、ハロゲン、−CN、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール又は−C(=O)ZRC8から選択され、
それぞれのRC5及びRC6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRC1及びRC2は、一緒になって任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールを形成し;
それぞれのRC7、RC8、RC9、RC10、RC11及びRC12は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
Xは、−CRC11=CRC12−、O、S又はNRC9であり;
Yは、独立して、単結合、(CRC8C9、O、S又はNRC10であり;
Zは、単結合、O、S又はNRC10である〕により表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0172】
式(IV)の幾つかの実施形態において、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6が一緒になって非置換のシクロペンチルを形成する場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニル、非置換のナフチル、非置換の8−キノリル、非置換の2−オキソキノリル、又はF、OMe、Me、CN若しくはClから選択される1若しくは2個の置換基を有するフェニルである。式(IV)の他の実施形態において、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6がそれぞれMeである場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニルである。式(IV)の他の実施形態において、XがCH=CHであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4、RC5及びRC6がHである場合には、RC3は−CH−(4−ハロフェニル)ではない。
【0173】
式(IV)の選り抜きの化合物はまた、式(IV-A)
【化36】

【0174】
〔式中、X、RC1、RC2、RC3及びR4は式(IV)のために定義されるとおりであり、そしてnは0〜3の整数である〕で表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【化37】

【0175】
スキーム7Aは、式(IV)の化合物(例えば、(IV-A)の化合物)を製造できる方法を示す。ヘテロ環式誘導体を、NaH等の塩基を用いて脱保護し、続いて求電子試薬(例えば、臭化ベンジル等のハロゲン化アルキル、酸クロリド又は酸無水物)で処理して、スキーム7Bに示される化合物(48)等の式(IV)の化合物を与えることができる。
【0176】
式(IV)の化合物(例えば、(IV-A)及び化合物(48))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療方法に、そしてキットに)。例えば、本発明の組成物、方法及びキットに有用な典型的な化合物は、表7に示されるものであるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態において、式(IV)は、化合物(48)〜(57)の何れをも包含しない。
【表7】


【0177】
(式(V)の化合物)
本発明の他の化合物は、式(V)
【化38】

【0178】
〔式中、
それぞれのXD1及びXD2は、O、S、NRD5又はCRD6D7から独立して選択され;
D1は、共有結合、−C(=O)−、−S(=O)−又は−S(=O)−から選択され;
D2は、−C(=O)−、−OC(=O)−、NRD8C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、−OS(=O)−、−OS(=O)−、−NRD8S(=O)−、− NRD8S(=O)−又は−C(=S)−から選択され;
Aは、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
D1は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、ORD9又はNRD9D10から選択され;
それぞれのRD1、RD2、RD3、RD4、RD6、RD7は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、ORD11、SRD11、NRD11D12、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRD1及びRD4、又はRD1及びRD5、又はRD1及びRD6、又はRD3及びRD5、又はRD3及びRD6は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRD5、RD8、RD9、RD10、RD13、RD14、RD15及びRD16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成し;
それぞれのRD11及びRD12は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORD15、−COD15、−CONRD15D16、−S(=O)RD15、−S(=O)ORD15、−S(=O)NRD15D16、−S(=O)D15、−S(=O)2ORD15、−S(=O)NRD15D16から独立して選択され;
ここで、YD1及びYD2は、それぞれAにおける炭素中心に共有一緒になっている〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0179】
式(V)の更に他の化合物は、式(V-A)
【化39】

【0180】
〔式中、
それぞれのYD1及びYD2は、−C(=O)−又は−S(=O)−から独立して選択され;
Aは、0、1、2、3又は4個の追加の置換基を有するフェニルであり;
D2及びRD3は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRD5、RD9、RD10、RD13及びRD14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成する〕で;
又は式(V-B)
【化40】

【0181】
〔式中、
それぞれのRD2、RD3、RD17、RD18、RD19及びRD20は、H、ハロゲン、CN, NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRD9及びRD10は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル若しくは任意に置換されていてよいアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成する〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0182】
式(V)の幾つかの実施形態において、RD1及びRD4が一緒になって二重結合を形成し、RD2及びRD3がHであり、XD1がNHであり、XD2がSであり、YD1が−(C=O)−であり、YD2が−(SO)−であり、GD1が−N(Et)であり、そしてAが追加の置換基を持たないフェニルである場合には、YD1及びYD2は互いにパラ位にはない。
【化41】

【0183】
式(V)の化合物(例えば、式(V-A)又は(V-B)の化合物)は、例えば、二つの求電子基を有するアリール又はヘテロアリール化合物を逐次的に求核試薬で処理して、目的化合物を与えることにより製造することができる。例えば、スキーム8に示されるように、そして出展 Heterocyclic Communications, 12(6): 453-456 (2006) 及び Organic Synthesis, Collective Vol. 6, 818 頁の手順を用いて、二官能性ベンゼン誘導体4−COHフェニルスルホニルクロリドをジエチルアミン等の求核試薬で処理して、対応するスルホンアミドを与えることができる。次いでこの化合物をエステル化した後、第二の求核試薬(例えば、メタノール性アンモニア)で処理することができる。最後に、段階(c)により与えられた化合物を、次いでカルボニル含有化合物と縮合させて、化合物(58)等の式(V)の化合物を与えることができる。
【0184】
式(V)の化合物(例えば、式(V-A)及び(V-B)、並びに化合物(34))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療方法に、そしてキットに)。幾つかの実施形態において、式(V)、(V-A)及び(V-B)は、化合物(58)を包含しない。
【0185】
(式(VI)の化合物)
本発明の更に他の化合物は、式(VI)
【化42】

【0186】
〔式中、
それぞれのXE1及びXE3は、N又はCRE4から独立して選択され;
それぞれのXE4及びXE5は、O、S又はNRE5から独立して選択され;
E2は、O、S又はNから選択され;
それぞれのZE1、ZE2及びZE3は、単結合、−(CRE6E7−、−C(=O)−、−S(=O)−若しくは−S(=O)−から独立して選択されるか、又はZE1−RE1及びZE2−RE2 は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRE1、RE2、RE3、RE4、RE5、RE6及びRE7は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
pは、0又は1であり;そして
nは、1〜6の整数であり;そして
ここで、XE2がO又はSである場合には、ZE2−RE2は存在しない〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0187】
幾つかの実施形態において、RE1、RE2、RE3、RE4、RE5、RE6及びRE7は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。
【0188】
幾つかの実施形態において、RE3は、置換されたC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。
【0189】
式(VI)の幾つかの実施形態において、pが0であり、XE1がCHであり、−ZE1−RE1が−CH(インドール−3−イル)であり、XE4及びXE5がOであり、そしてXE2−ZE2−RE2がNHである場合には、XE3−ZE3−RE3は−NCH(p−ClC)又は−NCHCHO(p−FC)ではない。
【0190】
他の実施形態において、XE1−ZE1−RE1がNHであり、XE2−ZE2がCH−CHであり、RE2が非置換の3−インドリルであり、pが0であり、XE4がSであり、XE5がOであり、XE3がNであり、そしてZE3がCHである場合には、RE3は−CHCH(4−モルホリン)ではない。
【0191】
更に他の実施形態において、XE1−ZE1−RE1がNHであり、XE2−ZE2がCH−CHであり、RE2が非置換の又は置換された3−インドリルであり、pが0又は1であり、
E4及びXE5が両方ともOであるか、XE4がSであり、そしてXE5がOであり、XE3がNであり、そしてZE3がCHである場合には、RE3は、H、非置換のC1−6アルキル又は−CHCH=CHではない。
【0192】
本明細書に記載される式(VI)の化合物の何れにおいても(例えば、式(VI)、(VI-A)、(VI-B)、(VI-C)又は(VI-D)による構造を有する化合物の何れにおいても)、RE3基は非置換であってよい。幾つかの実施形態において、置換されたRE3基は、例えば、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アジド(−N)、アルコキシ(−OR’)、アミド(−NR’C(=O)R”又は−C(=O)NRR’)、アミノ(−NRR’)、カルバモイル(−OC(=O)NR’R”又は−NRC(=O)OR’)、ヒドロキシ(−OH)又はイソシアノ (−NC)から選択される1、2、3、4又は5個の置換基を含み、ここで、それぞれのR又はR’は、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。他の実施形態において、置換されたRE3基は、電子供与基(例えば、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキル及びアミノ基)である1、2、3又は4個の置換基を含む。
【0193】
式(VI)の一定の化合物は、式(VI-A)又は式(VI-B)
【化43】

【0194】
〔式中、
それぞれのZE2及びZE3は、単結合、−(CRE6E7−、−C(=O)−から独立して選択されるか、又はRE1及びZE2−RE2は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRE1、RE2、RE3及びRE4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRE6及びRE7は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;そして
nは、1〜6の整数である〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0195】
幾つかの実施形態において、それぞれのRE1、RE2、RE3及びRE4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。
【0196】
幾つかの実施形態において、RE3は、置換されたC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。
【0197】
式(VI-A)の幾つかの実施形態において、RE1及びRE4基がHであり、ZE2及びZE3がそれぞれCHであり、そしてRE2が非置換の3−インドリルである場合には、RE3は4−クロロフェニルではない。
【0198】
一定の実施形態において、式(VI)の化合物は、下記式:
【化44】

【0199】
〔式中、
それぞれのXE4及びXE5は、独立して、O又はSであり;
E2は、O又はNであり;
それぞれのZE2及びZE3は、単結合又は−(CRE6E7−から独立して選択され;
それぞれのRE2及びRE3は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのR及びRは、独立して、H、ハロゲン又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
それぞれのR、R、R、R及びRは、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15、任意に置換されていてよいC1−6アルキル又は任意に置換されていてよいアリールから独立して選択され;
10は、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいアルケニル又は任意に置換されていてよいアルキニルから独立して選択され;
それぞれのR13及びR14は、H、COR16、CO16、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれの R11、R12、R15及びR16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、独立して、nは、0、1、2、3、4又は5であり、そしてpは、0又は1である〕で表され、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0200】
幾つかの実施形態において、pは0である。
【0201】
幾つかの実施形態において、RE3は、置換されたC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される。
【0202】
式(VI-C)の選り抜きの化合物はまた、
【化45】

【0203】
〔式中、
E5は、O又はSであり;
−ZE3−RE3は、任意に置換されていてよいC1−4アルカリールであり;
それぞれのR、R及びR10は、独立して、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
は、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
それぞれのR13及びR14は、H、COR16、CO16、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR11、R12、R15及びR16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、nは、1又は2である〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体である。
【0204】
幾つかの実施形態において、化合物は、下記式による構造:
【化46】

【0205】
〔式中、n、ZE3、RE3、R、R、R及びR10は式(VI-D)のために定義されるとおりである〕を有し、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体である。
【0206】
本発明の化合物において、Gが一緒になっているsp−混成炭素(例えば、式(VI-A)、(VI-B-1)、(VI-B-2)、(VI-C)、(VI-D)又は(VI-E)の何れにおいても星印が付されたキラル中心)は、(R)又は(S)立体配置を有することができる。例えば、本発明の化合物は、
【化47】

【0207】
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を包含する。
【0208】
式(VI-C)、(VI-D)又は(VI-E)の何れの実施形態においても、n=1であり、そしてR及びRはそれぞれHである。別の実施形態において、R10はH又はCHである。更に他の実施形態において、Rは、H、ハロゲン、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、OH又は−O−(任意に置換されていてよいC1−6アルキル)である。
【0209】
式(VI-C)、(VI-D)又は(VI-E)の何れの実施形態においても、−ZE3−RE3は任意に置換されていてよいベンジルである。一つの実施形態において、−ZE3−RE3は非置換のベンジルである。別の実施形態において、−ZE3−RE3は、1、2、3、4又は5個の置換基を有するベンジルである。幾つかの実施形態において、置換基は、本明細書に記載されるように、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アジド(−N)、アルコキシ(−OR’)、アミド(−NR’C(=O)R”又は−C(=O)NRR’)、アミノ(−NRR’)、カルバモイル(−OC(=O)NR’R”又は−NRC(=O)OR’)、ヒドロキシ(−OH)及びイソシアノ(−NC)からなる群から選択される。もう一つの実施形態において、−ZE3−RE3はCH−(p−XC)であり、ここでXはハロゲンである。幾つかの実施形態において、XはF又はClである。
【0210】
本明細書に記載される実施形態の何れにいても、−ZE3及びRE3の一方又は両方は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br又はI);ニトロ(−NO)、シアノ(−CN)、アシルオキシ(−OC(=O)R’)、アシル(−C(=O)R’)、カルボン酸 (−COH)、カルボン酸エステル(−COR’)、スルホネート(−S(=O)OR)、スルホンアミド(−S(=O)NRR’又は−NRS(=O)R’)又はスルホニル(−S(=O)R)からなる群から選択される置換基を含まず、ここで、それぞれのR又はR’は、本明細書に記載されるように、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される。
【化48】

【0211】
式(VI)の化合物(例えば、式(VI-A)、(VI-B)、(VI-C)又は(VI-D)の化合物)は、例えば、5位に置換基Rを有するヒダントイン化合物を、例えば、塩基で処理した後、求電子試薬で捕捉することにより製造することができる(スキーム9A)。例えば、スキーム9Bは、化合物(59)の合成が、求電子試薬としての4−クロロベンジルブロミドの使用により達成できることを示す。
【0212】
幾つかの実施形態において、式(VI)(例えば、式(VI-A)、(VI-B)、(VI-C)又は(VI-D)の化合物)は、米国特許第6,756,394及び7,253,201号、米国特許広告第20050119260号、並びに係属中の米国特許出願第12/077,320及び12/086,792号に開示された化合物又は式の何れをも包含せず、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0213】
式(VI)の化合物(例えば式(VI-A)〜(VI-D)及び化合物(59))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療方法に、そしてキットに)。
【0214】
幾つかの実施形態において、式(VI)は化合物(59)を包含しない。
【0215】
(式(VII)の化合物)
更に他の化合物は、式(VII)
【化49】

【0216】
〔式中、
F1は、単結合、−(CRF10F11−、−C(=O)−、−S(=O)−又は−S(=O)−から選択され;
それぞれのRF1、RF2、RF4、RF10、RF11、RF12及びRF13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRF2及びRF4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRF3及びRF5は、H、ハロゲン、CN、COF12、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRF6、RF7、RF8及びRF9は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、ORF12、SRF12、NRF12F13、−CORF12、−CO2 F12、−CONRF12F13、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、nは、1〜6の整数である〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0217】
式(VII)の一定の化合物はまた、式(VII-A)
【化50】

【0218】
〔式中、
F1は、単結合、−(CH)−、−C(=O)−又はS(=O)−から選択され;
F1は、H、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
F2及びRF4は、それぞれHであるか、又はRF2及びRF4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRF6、RF7、RF8及びRF9は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、ORF12、SRF12、NRF12F13、−CORF12、−CO2 F12、−CONRF12F13、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRF12及びRF13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕で表すことができ;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0219】
式(VII-A)の幾つかの実施形態において、RF2、RF4、RF6、RF7、RF8及びRF9がそれぞれHであり、そしてZF1が−C(=O)−である場合には、RF1は−(非置換の1,4−ベンゾジオキサン)又は−CH−(O−非置換のフェニル))ではない。
【化51】

【0220】
スキーム10は、化合物(60)等の式(VII)化合物を製造できる方法を提供する。例えば、インドリン等の求核性化合物を、DEAD/PPh等の任意による促進剤の存在下に求電子試薬(例えば、カルボン酸を含有する化合物)で処理することができる。式(VIII)の別の化合物は、化合物(61)である(スキーム11)。
【化52】

【0221】
式(VII)の化合物(例えば、(VII-A)及び化合物(60))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療法に、及びキットに)。幾つかの実施形態において、式(VII)及び(VII-A)は、化合物(60)又は(61)を包含しない。
【0222】
(式(VIII)の化合物)
本発明に有用な更に他の化合物は、式(VIII):
【化53】

【0223】
〔式中、
G1は、−O−、−N−又は−(CRG9RG10−から選択され;
G2及びXG3は、N又はCRG11から独立して選択され;
それぞれのRG1、RG2、RG3、RG4、RG5、RG6、RG7、RG8、RG9、RG10及びRG11は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRG1及びRG2、又はRG3及びRG4、又はRG5及びRG6、又はRG7及びRG8は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成し;そして
nは、1又は2である〕で表され;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0224】
式(VIII)の選り抜きの化合物はまた、式(VIII-A)
【化54】

【0225】
〔式中、RG1、RG2、RG5及びRG6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRG1及びRG2、又はRG5及びRG6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成する〕で表すことができ、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体である。
【0226】
式(VIII-A)の幾つかの実施形態において、RG1が非置換のフェニルであり、そしてRG2がHである場合には、RG5及びRG6は一緒になって非置換のシクロペンチルを形成しない。
【0227】
式(VIII)の化合物(例えば、式(VIII-A)の化合物)を製造できる方法は、当技術分野で公知である。例えば、スキーム12に示される化合物(62)は、Synthesis, 771-783頁(2002)に記載の方法により製造することができる。
【化55】

【0228】
式(VIII)の化合物(例えば、式(VIII-A)及び化合物(62))、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体もまた、本明細書に記載されるように使用することができる(例えば、医薬組成物に、ネクロトーシスの抑制剤として、治療法に、及びキットに)。
【0229】
幾つかの実施形態において、式(VIII)及び(VIII-A)は、化合物 (62)を包含しない。
【0230】
(追加のネクロトーシス抑制剤)
本発明の組成物、キット及び方法に有用な他の化合物は、米国特許第6,756,394及び7,253,201号、米国特許広告第20050119260号、並びに係属中の米国特許出願第12/077,320及び12/086,792号に開示されており、これらのそれぞれは参照により本明細書に組み込まれる。式(I)〜(VIII)で表される化合物に加えて、他のネクロトーシス抑制剤は、表8に示される構造、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体を包含するが、それらに限定されない。
【表8】


【0231】
医薬組成物
本明細書に記載のネクロスタチン(例えば、式(I)-(VIII)の化合物または化合物(1)-(7), (13)-(26), (27)-(33), (48)-(57), もしくは(58)-(70)のいずれか)は、インビボ投与に適する生物学的に適合する形態でヒト被験者に投与するための医薬組成物に製剤することができる。従って、本発明は、本発明の化合物を医薬上許容される賦形剤と混合して含む医薬組成物を提供する。適切な製剤の選択及び製造のための従来の手順及び成分は、例えば Remington's Pharmaceutical Sciences (2003 - 20th edition) 及び米国薬局方:The National Formulary (USP 24 NF19)、1999年刊行に記載されている。
【0232】
該化合物は、遊離塩基の形態で、塩、溶媒和物の形態で、及びプロドラッグとして使用することができる。全ての形態は本発明の範囲内にある。本発明の方法によれば、記載される化合物又はその塩、溶媒和物若しくはプロドラッグは、当業者により理解されるように、選択される投与経路に応じて種々の形態で患者に投与することができる。本発明の化合物は、例えば経口、非経口、口腔内、舌下、鼻腔内、直腸内、パッチ、ポンプ又は経皮投与により投与することができ、それに応じて医薬組成物を製剤することができる。非経口投与は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔内、肺内、髄腔内、直腸内及び局所の投与方式を包含する。非経口投与は、選択される時間にわたる持続注入によることができる。
【0233】
医薬上許容される賦形剤
医薬上許容される賦形剤は、例えば:粘着防止剤、酸化防止剤、結合剤、被覆剤、圧縮補助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤若しくは被覆剤、矯味矯臭剤、香料、流動促進剤(流動向上剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インキ、吸着剤、懸濁化剤若しくは分散化剤、甘味料又は水和物水を包含する。典型的な賦形剤は:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、前ゼラチン化澱粉、プロピルパラベン、レチニルパルミテート、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム澱粉、ソルビトール、澱粉(トウモロコシ)、ステアリン酸、ステアリン酸、蔗糖、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC及びキシリトールを包含するが、それらに限定されない。
【0234】
経口投与
本明細書に記載の任意の化合物(例えば (I)-(VIII)の化合物または化合物 (1)-(7), (13)-(26), (27)-(33), (48)-(57), もしくは(58)-(70)のいずれか)は、例えば不活性希釈剤若しくは吸収可能な食用担体と一緒に経口投与することができ、又は硬質若しくは軟質殻ゼラチンカプセルに入れることができ、又は圧縮して錠剤にすることができ、又はダイエット食品と直接に一緒にすることができる。経口治療投与のために、本発明の化合物は賦形剤と一緒にすることができ、そして摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハースなどの形態で使用することができる。
【0235】
非経口投与
化合物はまた、非経口投与することもできる。注射用途に適する医薬形態は、滅菌水溶液又は懸濁液及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末を包含する。全ての場合に、形態は滅菌されている必要があり、そして注射器で容易に投与できる程度まで液体である必要がある。
【0236】
鼻腔内投与
鼻腔内投与のための組成物は、エアゾール、滴剤、ゲル及び粉末として好都合に製剤さすことができる。エアゾール製剤は典型的には、生理学的に許容される水性又は非水性溶剤中の活性物質の溶液又は微細懸濁液を包含し、そして普通はシール容器に入れた滅菌形態で単回投与量又は多数回投与量で提供され、該容器は噴霧装置と共に使用するためのカートリッジ又は詰め替え品の形をとることができる。その代わりに、シール容器は一体化使い捨て装置、例えば、使用後に廃棄することが意図される、計量バルブが備えられた鼻吸入器又はエアゾールディスペンサーであってよい。投与形態がエアゾールディスペンサーを含む場合には、それは圧縮ガス、例えば圧縮空気又は有機噴射剤、例えばフルオロクロロ炭化水素であってよい噴射剤を含有する。エアゾール投与形態はポンプ噴霧器の形態をとってもよい。
【0237】
口腔内又は舌下投与
口腔内又は舌下投与に適する組成物は、活性成分が担体、例えば砂糖、アカシア、トラガカント又はゼラチン及びグリセリンと共に製剤されている錠剤、薬用キャンディー及びトローチを包含する。直腸投与のための組成物は、従来の坐剤基剤、例えばカカオ脂を含有する坐剤の形態が好都合である。
【0238】
本発明の化合物は動物に、単独で又は上記の医薬上許容される担体と組み合わせて投与することができ、その比率は化合物の溶解度及び化学的性質、選択される投与経路、並びに標準的な薬務により定められる。
【0239】
投与量
本発明の組成物中の活性成分(例えば式(I)-(VIII)の化合物または化合物(1)-(7), (13)-(26), (27)-(33), (48)-(57), もしくは(58)-(70)のいずれか)の量は変動し得る。当業者は、正確なそれぞれの投与量を多少とも種々の要因に応じて判断できることを理解するだろうが、これらの要因は、投与されるタンパク質、投与時期、投与経路、製剤の性質、排泄速度、被験者の症状の性質、並びに患者の年齢、体重、健康状態及び性別を包含する。一般に、1日当たり0.1μg/kg〜100mg/kg体重の投与量レベルが、単回投与量として又は複数回投与量に分割して投与される。望ましくは、一般的な投与量の範囲は、1日当たり250μg/kg〜5.0mg/kg体重である。種々の投与経路の効率が異なることから見て、必要な投与量の幅広い変化が予想される。例えば、経口投与は静脈内注射による投与よりも高い投与量レベルを必要とすることが予想されるだろう。これらの投与量レベルの変動は、当技術分野でよく知られている最適化のための標準的な経験的ルーティンを用いて調節することができる。一般に、正確な治療有効投与量は、担当医により上記に示される要因を考慮して決められる。
【0240】
治療的使用及びスクリーニング方法
本明細書に開示される化合物(例えば式(I)-(VIII)の化合物または化合物 (1)-(7), (13)-(26), (27)-(33), (48)-(57), もしくは(58)-(70)のいずれか)は、ネクロトーシスが実質的な役割を果たすと思われる障害(例えば、脳虚血、外傷性脳損傷、中枢神経系または末梢神経系の神経変性性疾患、網膜神経細胞死の結果、心筋の細胞死の結果、免疫系細胞の細胞死の結果、卒中、肝疾患、膵臓疾患、腎不全に関連する細胞死の結果、心臓、腸間膜、網膜、肝臓、または脳の虚血性障害、臓器貯蔵中の虚血障害、頭部外傷、敗血症ショック、冠動脈性心疾患、心筋症、心筋梗塞、無血管性骨壊死、鎌状赤血球病、筋肉疲労、胃腸病、結核、糖尿病、血管の変化、筋ジストロフィー、移植片対宿主病、ウイルス感染症、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、及び細胞増殖、分化又は細胞内情報伝達の変化が原因要素である任意の症状、及び本明細書に記載される他の障害)を治療するために使用することができる。本発明の化合物はまた、ネクロトーシスの標的の同定及びネクロトーシスの更なる抑制剤の同定のために、並びにアッセイの開発において使用することができる。
【0241】
本明細書に開示される化合物は、それらの薬理学的特性について疾患の動物モデルにおいて評価することができる。壊死若しくはネクロトーシスを減少させると同定される化合物を構造的に変化させ、次いで壊死若しくはネクロトーシスを減少させるため、又は壊死若しくはネクロトーシスが生じている症状を有する被験者を治療するために使用することができる。壊死又はネクロトーシスを減少させる小分子の構造誘導体を作り出すために使用される方法は、有機化学及び医学の当業者に容易に分かる。
【0242】
本発明に係る治療は、単独で又は別の治療と組み合わせて、例えばアポトーシス抑制剤と組み合わせて行うことができ、そして自宅、医院、診療所、病院の外来部又は病因で提供することができる。治療は一般に、医師が治療効果を綿密に観察でき、そして必要とされる任意の調節を行うことができるように、病院で開始される。治療期間は、患者の年齢及び症状、並びに患者が治療に対してどのように反応するかに依存する。更に、症状発症の高い危険性を有する人は、疾患の兆候を抑制又は遅延するための予防的治療を受けることができる。
【0243】
幾つかの実施形態において、本発明の化合物及び方法は、ネクロトーシスが実質的な役割を果たすと思われる以下の何れの障害をも治療するために使用することができる:中枢又は末梢神経系の神経変性疾患、網膜神経細胞死の結果、心筋の細胞死の結果、免疫系の細胞の細胞死の結果;脳卒中、肝疾患、膵疾患、腎不全に関連する細胞死の結果;心臓、腸間膜、網膜、肝臓又は脳の虚血性傷害、臓器の貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック、冠動脈性心疾患、心筋症、心筋梗塞、無血管性骨壊死、鎌状赤血球病、筋肉疲労、胃腸病、結核、糖尿病、血管の変化、筋ジストロフィー、移植片対宿主病、ウイルス感染症、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、及び細胞増殖、分化又は細胞内情報伝達の変化が原因要素である任意の症状。
【0244】
細胞増殖、分化又は細胞内情報伝達の変化に起因する症状
細胞増殖、分化又は細胞内情報伝達の変化が原因要素である症状は、癌及び感染症、例えば、ウイルスによるもの(例えば、急性、潜在性及び持続性)、細菌、真菌又は他の微生物によるものを包含する。典型的なウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、エプスタイン・バー・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)5、ヒトヘルペスウイルス(HHV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)5、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、麻疹ウイルス、パポバウイルス(JC及びBK)、肝炎ウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス及びヒトパピローマウイルスである。ウイルス感染により引き起こされる例示的な疾患としては、限定するものではないが水疱瘡、サイトメガロウイルス感染、性器ヘルペス、B型及びC型肝炎、インフルエンザおよび帯状疱疹が挙げられる。
【0245】
例示的な細菌としては、限定するものではないが、カンピロバクター・ジェジュニィー(Campylobacter jejuni)、腸内細菌種(Enterobacter species)、エンテロコッカス・フェーシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、大腸菌(Escherichia coli)(例えば大腸菌O157:H7), A群レンサ球菌、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、リステリア(listeria)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎レンサ球菌(S. pneumoniae)、サルモネラ菌(Salmonella)、シゲラ菌(Shigella)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)が挙げられる。細菌感染により引き起こされる例示的な疾患としては、限定するものではないが、炭疽、コレラ、ジフテリア、食物経由の疾患、ハンセン病、髄膜炎、消化性潰瘍性疾患、肺炎、敗血症、破傷風、結核、チフス熱、および尿路感染が挙げられる。
【0246】
神経変性疾患
典型的な神経変性疾患は、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮側索硬化症、HIV関連認知症、脳虚血、アミオトロピック(amyotropic)側索硬化症、多発性硬化症、レヴィー小体病、メンケス病、ウィルソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病及びファール病である。典型的な筋ジストロフィー又は関連疾患は、ベッカー型筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋硬直性ジストロフィー、肢帯筋ジストロフィー、ランドゥジー・デジュリン筋ジストロフィー、顔面・肩甲・上腕筋ジストロフィー(シュタイネルト病)、先天性筋硬直症、トムセン病及びポンペ病である。筋肉疲労は、癌、エイズ、うっ血性心不全及び慢性閉塞性肺疾患に関連することがあり、並びに集中治療の筋疾患を包含することがある。
【0247】
本発明の化合物及び方法は更に、治療される患者が免疫障害性症状を有するかどうかにかかわらず、免疫系を高めるために使用することができる。例えば、本明細書に記載される化合物は、免疫系の強化方法において免疫を付与する間に、例えばアジュバントとして機能することにより、又はアジュバントと組み合わせることにより、使用することができる。
【0248】
キット
本発明の化合物又は医薬組成物(例えば式 (I)-(VIII)の化合物または化合物(1)-(7), (13)-(26), (27)-(33), (48)-(57), もしくは(58)-(70)のいずれかを含むもの)の何れのも、一組の指示、すなわちキットを形成するための指示と一緒に使用することができる。キットは、本発明の化合物を、本明細書に記載されるスクリーニング方法に又は治療剤として使用するための指示を含むことができる。
【0249】
(実施例)
下記の非限定的な実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0250】
ネクロトーシス抑制活性の評価
ネクロトーシス抑制活性の評価を、以前に記載されたようにTNF−αで処理したヒト Jurkat T細胞またはL929細胞のFADD欠乏変異体を用いて行った(Degterev et al., Nat. Chem. Biol. 1:112 (2005) 及び Jagtap et al., J. Med. Chem. 50: 1886 (2007))。これらの条件を用いて、細胞は効果的にネクロトーシスを行った。EC50値を測定するために、細胞を、増加する濃度の試験化合物の存在下に10ng/mLのヒトTNF−αで24時間処理し、次いでATPベースの生存能力を評価した。
【0251】
ATPベースの生存能力評価:簡単に述べると、ネクロトーシス活性を、TNF−αで処理したヒト Jurkat T細胞またはL929細胞のFADD欠乏変異体を用いて行わせた。EC50値を測定するために、細胞(500,000細胞/mL、96ウェルプレートにおける1ウェル当たり100μL)を、増加する濃度の試験化合物の存在下に10ng/mLのヒトTNF−αを用いて、5%のCOを含む加湿インキューベーター中で37℃で24時間処理し、次いでATPベースの生存能力を評価した。DMSO中のストック溶液(30mM)を最初に製造し、次いでDMSOで希釈して試験溶液を与え、これらを各試験ウェルに加えた。最終DMSO濃度は0.5%であった。11の化合物試験濃度(0.30〜100μM)を用いた。各濃度を二重に試験した。
【0252】
細胞生存能力の評価は、市販の発光ATPベースのアッセイキット(CellTiter-Glo, Promega, Madison, WI)を用い、製造業者の指示に従って行った。簡単に述べると、40μLの細胞溶解/ATP検出試薬を各ウェルに加えた。プレートをロッキングプラットフォーム上で室温で10分間インキュベートし、Wallac Victor 3 プレート−リーダー (Perkin Elmer, Wellesley, MA) を用いて発光を測定した。細胞生存能力は、TNF−α及び化合物で処理したウェルのシグナルと化合物単独で処理したウェルのシグナルとの比として表した。これを行って非特異的毒性を説明し、これは殆どの場合に<10%であった。生存能力値に対するlog[I]のプロットからのS字状用量反応(勾配変化のある法面)曲線の非線形回帰分析を用いて、EC50値を計算した。
【0253】
こうした手法を用いて得られた結果を表9に示す。
【表9】










【0254】
本明細書に述べられる全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ独立した刊行物又は特許出願が参照により具体的かつ個別に組み込まれるのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0255】
本発明をその特定の実施形態に関連して記載してきたが、更なる変更ができること、そして本願は、一般に本発明の原理に従って、また本発明が関連する技術の範囲内で公知又は普通の慣例になるような本願の開示から外れることを含めて、本発明の全ての変異、使用又は適応を包含することを意図していること、そしてこれまでに述べられた本質的特徴に応用できること、そして特許請求の範囲に従うことが、理解されるだろう。
【0256】
他の実施形態は特許請求項の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式による構造
【化1】

〔式中、
それぞれのRH1、RH2、RH3、RH4、RH5、RH10、RH17、XH2、ZH1、ZH2及びnは式(I)のために定義されるとおりであり、
H2は、O、S又はNRH9から独立して選択され;
それぞれのRH1、RH2、RH3、RH4及びRH5は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12、−C(=O)NRH12H13、−C(=S)RH12、−C(=S)NR H12H13、−C(=NRH14)RH12、−C(=NRH14)NRH12H13若しくは−[ZH1−(CRH15H16−{C(=XH2)}−ZH2−R17]から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのZH1及びZH2は、単結合、O、S又はNRH11から独立して選択され;
それぞれのRH9、RH10、RH11、RH12、RH13、RH14、RH15、RH16及びRH17は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
nは、0〜6の整数であり;
oは、0又は1であり;そして
ここで、RH1がHであり、RH2がH又はCOMeであり、RH3がHであり、RH4が非置換のフェニル、又はメトキシ、メチル、クロロ若しくはフェニルから選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルであり、RH5がCNであり、RH10がHであり、ZH1がSであり、nが1であり、XH2がOであり、そしてZH2がNHである場合には、RH17は、H、メトキシ、非置換の2−チアゾリル、非置換のフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、2−エトシキフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−フルオロフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項2】
上記の化合物が、式(I−B)による構造
【化2】

〔式中、
それぞれのRH1及びRH3は、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RH12、−C(=O)ORH12若しくは−C(=O)NRH12H13から独立して選択されるか、又はRH1及びRH3は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRH4及びRH17は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
H5は、H、CN、−C(=O)ORH12又は−C(=O)NRH12H13から選択され;
それぞれのRH10、RH11、RH12及びRH13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロシクリル又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
H1は、単結合又はSから選択され;
H2は、単結合又はNRH11から選択され;そして
H2は、O又はSである〕を有する、請求項1の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項3】
上記の化合物が、下記の構造
【化3】

を有する、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項4】
H1及びRH3がHである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項5】
H5がCNである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項6】
H10がHである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項7】
H1がSである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項8】
H2がNHである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項9】
H4が非置換のフェニル、又は1、2、3、4若しくは5個の置換基を有するフェニルである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項10】
上記のフェニルが、F、Cl又はORH18から選択される1、2又は3個の置換基を含み、ここで、それぞれのRH18が、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択される、請求項9の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項11】
上記のフェニルが、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は3,4−ジメトキシフェニルである、請求項10に記載の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項12】
H17が任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項2の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項13】
上記のヘテロアリールが、フラン、チオフェン、ピロール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール若しくは1,2,5−オキサジアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、ピラジン、プテリジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、インドール、1,2,4,5−テトラジン、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン及びベンゾイミダゾールから選択される、請求項12の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項14】
下記式による構造
【化4】

〔式中、
それぞれのRA1、RA3及びRA4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
A2は、存在しないか、又は−(CRA11A12−であり;
A3は、存在しないか、又はO、S若しくはNRA8であり;
それぞれのRA8及びRA13は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;
それぞれのRA9、RA10、RA11及びRA12は、H、ハロゲン、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのm及びnは、独立して、1、2又は3であり;そして
ここで、RA1及びRA4の一方がHであり、そして他方がH又はCOEtから選択され、そしてRA3が非置換のフェニルである場合には、GA2−XA3−RA7は、NHC、NH(p−CF)、NH(p−COH)、NH(p−COMe)、NH(3−OH−4−Cl−C)、−CH(O−p−CMe)、−CH(4−エチルピペラジニル)、−CHS(2−フェニルテトラゾリル)、−CHS(4−クロロフェニル)、−CHS(2−ベンゾチアゾリル)、−CHS(2−(N−メチルイミダゾリル))、−CHS(4,6−ジメチルキナゾリニル)、アダマンチル又は任意に置換されていてよいオキシラニルではなく;そして
ここで、RA1及びRA4がそれぞれHであり、そしてRA3が4−メトキシフェニルである場合には、GA2−XA3−RA7は、任意に置換されていてよいオキシラニルではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項15】
A1及びRA4がHである、請求項14の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項16】
A3が非置換のフェニルである、請求項14の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項17】
A3が1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである、請求項14の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項18】
A2が存在しない、請求項16の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項19】
A3が存在せず、そしてRA7が任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項18の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項20】
A3がNRA8であり、そしてRA7が任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項19の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項21】
A2がCHである、請求項14の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項22】
A3がSであり、そしてRA7が任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項21の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項23】
A3が存在せず、そしてRA7が任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項20の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項24】
下記式による構造
【化5】

〔式中、
それぞれのRA1、RA2、RA4及びRA6は、H、−C(=O)−XA3−RA7、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル、任意に置換されていてよいC2−6アルキニル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRA1及びRA4は、一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのXA3は、独立して、存在しないか、−O−又は−NRA8−であり;
それぞれのRA8は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−CORA14、−COA14又は−CONRA14A15から独立して選択され;
それぞれのRA7、RA14及びRA15は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、RA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し、そしてRA2がHである場合には、RA6は4−クロロフェニル、4−メトキシフェニル又は4−(NHCOBu)フェニルではなく;
ここで、RA1がHであり、RA4がH又はCOEtであり、RA2が非置換のフェニルである場合には、RA6は−C(=O)−(非置換のフェニル)又は−C(=O)−(4−メチルフェニル)ではなく;そして
ここで、RA1がHであり、RA4が−C(=O)−(非置換のフェニル)であり、RA2が4−クロロフェニルである場合には、RA6はCOEtではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項25】
A5がHであり;
それぞれのRA1、RA2、RA4及びRA6が、H、任意に置換されていてよいアリール、−C(=O)−XA3−RA7から独立して選択されるか、又はRA1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
それぞれのRA7が、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのXA3が、独立して、存在しないか、−O−又は−NRA8−である、請求項24の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項26】
A1及びRA4が一緒になって炭素−炭素二重結合を形成する、請求項24の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項27】
A6が任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項26の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項28】
A6が4位に置換基を有するフェニル基である、請求項26の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項29】
A1及びRA4がそれぞれHであり、RA2が任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり、そしてRA6が−C(=O)−XA3−RA7である、請求項24の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項30】
A2が非置換のフェニルである、請求項29の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項31】
下記式による構造
【化6】

〔式中、
B1は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から独立して選択され;
B2は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC2−6アルケニル又は任意に置換されていてよいC2−6アルキニルから選択され;
それぞれのRB3及びRB4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRB3及びRB4は、一緒になって−(CH−(CRB13=CRB14−(CH−の構造を有する架橋基を形成し;
それぞれのn、o及びpは、独立して、0又は1であり;
それぞれのRB5、RB6、RB7、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12は、H、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−RB13、−ORB13、−SRB13、−NRB13B14、−C(=O)RB15、−C(=O)ORB15、−C(=O)NRB15B16、−OC(=O)RB15、−OC(=O)ORB15、−OC(=O)NRB15B16、−NRB15C(=O)RB15、−NRB15C(=O)ORB16、−NRB15C(=O)NRB16B17、−C(=S)RB15、−C(=S)NRB15B16、−NRB15C(=S)RB16、−NRB15C(=S)NRB16B17、−C(=NRB13)NRB15B16、−NRB15C(=NRB13)RB16、−NRB15C(=NRB13)NRB16B17から独立して選択され;
それぞれのRB13及びRB14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール、−C(=O)RB18、−C(=O)ORB18又は−C(=O)NRB18B19から独立して選択され;
それぞれのRB15、RB16、RB17、RB18及びRB19は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
ここで、それぞれのn、o及びpが0である場合には、RB3及びRB4は一緒になって単結合を形成し、そして
ここで、RB5、RB6、RB7、RB8、RB9、RB10、RB11及びRB12がそれぞれHであり、RB2がエチル、エテニル、2−ハロエテニル、エチニル、ハロエチニル、プロピニル又は−C≡C−C(OH)(CHである場合、そしてRB3及びRB4がそれぞれHであるか、又は一緒になって結合、−CHCH−若しくは−CH=CH−を形成する場合には、RB1はH又はCHではなく;
ここで、RB5、RB6、RB7、RB8、RB10及びRB11がそれぞれHであり、RB9又はRB12の少なくとも一方がフルオロであり、RB2がエチニルである場合、そしてRB3及びRB4が一緒になって−CHCH−を形成する場合には、RB1はHではなく;
ここで、RB5、RB7、RB9及びRB11がHであり、そしてRB6、RB8、RB10及びRB12の一つ又は二つがハロゲン、ニトロ又はメチルである場合には、RB1はHではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項32】
B1がHである、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項33】
B2がC1−3アルキルである、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項34】
B2がC1−3アルケニルである、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項35】
B2がエチニルである、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項36】
B3及びRB3がそれぞれHである、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項37】
下記の構造
【化7】

〔式中、
B2は、エチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有する、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項38】
B10又はRB12がフルオロである、請求項37の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項39】
下記の構造
【化8】

〔式中、
B2はエチル、エテニル又はエチニルであり、そしてそれぞれのRB9、RB10、RB11及びRB12は、H及びハロゲンから独立して選択される〕を有する、請求項31の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項40】
下記式による構造
【化9】

〔式中、
それぞれのRC1、RC2及びRC3は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、−Y−RC7から独立して選択されるか、又はRC1及びRC2は、一緒になって(=O)又は(=S)基を形成するか、又はRC1及びRC3は、一緒になって炭素−窒素二重結合を形成し;
C4は、H、ハロゲン、−CN、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリール又は−C(=O)ZRC8から独立して選択され;
それぞれのRC5及びRC6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択されるか、又はRC5及びRC6は、一緒になって任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールを形成し;
それぞれのRC7、RC8、RC9、RC10、RC11及びRC12は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
Xは、−CRC11=CRC12−、O、S又はNRC9であり;
Yは、独立して、単結合、(CRC8C9、O、S又はNRC10であり;そして
Zは、単結合、O、S又はNRC10であり;
nは、0〜4の整数であり;そして
ここで、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6が一緒になって非置換のヘテロペンチルを形成する場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニル、非置換のナフチル、非置換の8−キノリル、非置換の2−オキソキノリル、又はF、OMe、Me、CN若しくはClから選択される1若しくは2個の置換基を有するフェニルであり;
ここで、XがSであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6がそれぞれCHである場合には、RC3は−CH−RC7ではなく、ここで、RC7は非置換のフェニルであり;そして
ここで、XがCH=CHであり、RC1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成し、RC4がHであり、そしてRC5及びRC6がHである場合には、RC3は−CH(4−ハロフェニル)ではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項41】
C5及びRC6が任意に置換されていてよいC1−6アルキルである、請求項40の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項42】
上記の化合物が、下記式による構造
【化10】

〔式中、X、RC1、RC2、RC3及びRC4は式(IV)のために定義されるとおりであり、そしてnは0〜3の整数である〕を有する、請求項40の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項43】
C1及びRC2が一緒になって(=O)基を形成する、請求項42の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項44】
XがSである、請求項42の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項45】
nが1である、請求項42の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項46】
C3が−CH−RC7である、請求項45の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項47】
C3が−(CH)−(任意に置換されていてよいアリール)である、請求項46の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項48】
下記式による構造
【化11】

〔式中、
それぞれのYD1及びYD2は、−C(=O)−又は−S(=O)−から独立して選択され;
Aは、0、1、2、3又は4個の追加の置換基を有するフェニルであり;
D2及びRD3は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
それぞれのRD5、RD9、RD10、RD13及びRD14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、RD2、RD3及びRD5がHであり、YD1が−C(=O)−であり、YD2が−(SO)−であり、そしてRD9及びRD10がそれぞれエチルであるか、又はRD9がメチルであり、そしてRD10がCH(2−テトラヒドロフラン)であり、そしてAが0個の追加の置換基を有するフェニルである場合には、YD1及びYD2は互いにパラ位にはない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項49】
D1及びYD2が互いにオルト又はメタ位にある、請求項48の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項50】
D1及びYD2が互いにパラ位にある、請求項48の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項51】
下記式による構造
【化12】

〔式中、
それぞれのRD2、RD3、RD17、RD18、RD19及びRD20は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、−CORD13、−COD13、−CONRD13D14、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRD9及びRD10は、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル若しくは任意に置換されていてよいアリールから独立して選択されるか、又はRD9及びRD10は、一緒になってヘテロシクリルを形成する〕を有する、請求項50の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項52】
D17、RD18、RD19及びRD20がHである、請求項51の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項53】
D2及びRD3がHである、請求項51の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項54】
D9及びRD10がそれぞれ任意に置換されていてよいC1−6アルキルである、請求項53の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項55】
下記式による構造
【化13】

〔式中、
それぞれのZE2及びZE3は、単結合、−(CRE6E7−、−C(=O)−から独立して選択されるか、又はRE1及びZE1−RE2は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRE1、RE2及びRE4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
E3は、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
それぞれのRE6及びRE7は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのnは、1〜6の整数であり;そして
ここで、RE1及びRE4がHであり、ZE2及びZE3がそれぞれCHであり、そしてRE2が非置換の3−インドリルである場合には、RE3は4−クロロフェニル又はCHCHO(p−CF)ではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項56】
上記の化合物が、下記式による構造:
【化14】

〔式中、
E3は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
は、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
それぞれのR13及びR14は、H、COR16、CO16、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR15及びR16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕を有する、請求項55の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項57】
下記式による構造
【化15】

〔式中、
それぞれのZE2及びZE3は、単結合、−(CRE6E7−、−C(=O)−から独立して選択されるか、又はRE1及びZE2−RE2は、一緒になって二重結合を形成し;
それぞれのRE1、RE2及びRE4は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;
E3は、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
それぞれのRE6及びRE7は、H又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルから独立して選択され;そして
それぞれのnは、1〜6の整数であり;そして
ここで、RE1及びRE4がHであり、ZE2がCHであり、そしてZE3がCHCHであり、RE2が非置換の3−インドリルである場合には、RE3は4−モルホリンではない〕を有する化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項58】
上記の化合物が、下記式による構造:
【化16】

〔式中、
E3は、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールであり;そして
は、H、ハロゲン、CN、NO、OR13、NR1314、COR15、CO15又は任意に置換されていてよいC1−6アルキルであり;
それぞれのR13及びR14は、H、COR16、CO16、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのR15及びR16は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択される〕を有する、請求項57の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項59】
E3が非置換のC3−10シクロアルキル、非置換のヘテロシクリル、非置換のアリール又は非置換のヘテロアリールである、請求項55〜58の何れか1項の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項60】
E3が非置換のアリール若しくはヘテロアリールである、請求項59の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項61】
E3が置換されたC3−10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールである、請求項55〜58の何れか1項の化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項62】
上記の置換されたC3−10シクロアルキル、置換されたヘテロシクリル、置換されたアリール又は置換されたヘテロアリールが、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N、−OR’、−NR’ C(=O)R”、−C(=O)NRR’、−NRR’、−OC(=O)NR’R”、−NRC(=O)OR’、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基を含み、ここで、それぞれのR又はR’が、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される、請求項61の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項63】
E3が非置換のアリール又は非置換のヘテロアリールである、請求項61の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項64】
E3が置換されたフェニルである、請求項63の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項65】
上記の置換されたフェニルが少なくとも1個のハロゲンで置換されている、請求項64の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項66】
上記の置換されたフェニルが、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、−N、−OR’、−NR’C(=O)R”、−C(=O)NRR’、−NRR’、−OC(=O)NR’R”、−NRC(=O)OR’、−OH及び−NCからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基を含み、ここで、それぞれのR又はR’が、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールから独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換されている、請求項64の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項67】
星印で示される立体中心が(R)立体配置を有する、請求項55〜58の何れか1項の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項68】
星印で示される立体中心が(S)立体配置を有する、請求項55〜58の何れか1項の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項69】
下記式による構造
【化17】

〔式中、
F1は、単結合、−(CH)−、−C(=O)−又は−S(=O)−から選択され;
F1は、H、ORF14、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから選択され;
F2及びRF4は、それぞれHであるか、又はRF2及びRF4は、一緒になって炭素−二重結合を形成し;
それぞれのRF6、RF7、RF8及びRF9は、H、ハロゲン、CN、NC、N、NO、ORF12、SRF12、NRF12F13、−CORF12、−COF12、−CONRF12F13、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
それぞれのRF12、RF13及びRF14は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール又は任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択され;そして
ここで、RF2、RF4、RF6、RF7、RF8及びRF9がそれぞれHであり、そしてZF1が−C(=O)−である場合には、RF1は−(非置換の1,4−ベンゾジオキサン)、−CH−O−(非置換のフェニル)又は−CH(CH)O(o−トリル)ではない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項70】
F2及びRF4がそれぞれHである、請求項69の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項71】
F6、RF7、F8及びRF9がHである、請求項69の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項72】
F1が−C(=O)−である、請求項69の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項73】
F1が任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール、任意に置換されていてよいヘテロアリールである、請求項72の化合物、又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項74】
下記式による構造
【化18】

〔式中、
それぞれのRG1、RG2、RG5及びRG6は、H、任意に置換されていてよいC1−6アルキル、任意に置換されていてよいC3−10シクロアルキル、任意に置換されていてよいヘテロシクリル、任意に置換されていてよいアリール若しくは任意に置換されていてよいヘテロアリールから独立して選択されるか、又はRG1及びRG2、又はRG5及びRG6は、一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキル若しくはヘテロシクリルを形成し;そして
ここで、RG1が非置換のフェニルであり、そしてRG2がHである場合には、RG5及びRG6は、一緒になって非置換のシクロペンチルを形成しない〕を有する化合物;
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項75】
G1及びRG5が、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである、請求項74の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項76】
G1が非置換のフェニルである、請求項75の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項77】
G2又はRG6が、0、1、2、3、4又は5個の置換基を有するフェニルである、請求項74の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項78】
G1及びRG2、又はRG5及びRG6が一緒になって任意に置換されていてよいシクロアルキルを形成する、請求項74の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項79】
上記のシクロアルキルが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである、請求項78の化合物、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその任意の立体異性体。
【請求項80】
医薬上許容される賦形剤、並びに請求項1〜79の何れか1項の化合物、又は式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬組成物。
【請求項81】
上記の化合物が、下記のもの
【化19】



又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体から選択される、請求項80の組成物。
【請求項82】
被験者の症状を治療する方法であって、該方法が、請求項1〜79の何れか1項の化合物、又は式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を、該被験者にネクロトーシスを減少させるのに十分な投与量で投与する段階を含む方法。
【請求項83】
上記の化合物が、下記のもの
【化20】




又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体から選択される、請求項82の方法。
【請求項84】
上記の症状が、中枢若しくは抹消神経系の神経変性疾患、網膜神経細胞死の結果、心筋の細胞死の結果、免疫系の細胞の細胞死の結果;脳卒中、肝疾患、膵臓疾患、腎不全に関連する細胞死の結果;心臓、腸間膜、網膜、肝臓若しくは脳の虚血性傷害、臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック、冠状動脈性心疾患、心筋症、心筋梗塞、無血管性骨壊死、鎌状赤血球病、筋肉疲労、胃腸病、結核、糖尿病、血管の変化、筋ジストロフィー、移植片対宿主疾患、ウイルス感染、クローン病、潰瘍性大腸炎、喘息、又は細胞の増殖、分化若しくは細胞内信号伝達の変化が原因要素である任意の症状である、請求項83の方法。
【請求項85】
上記の症状が中枢又は抹消神経系の神経変性疾患である、請求項84の方法。
【請求項86】
上記の症状が、肝若しくは脳の虚血性傷害、又は臓器貯蔵中の虚血性傷害、頭部外傷、敗血性ショック又は冠状動脈性心疾患である、請求項84の方法。
【請求項87】
上記の症状が脳卒中である、請求項84の方法。
【請求項88】
上記の症状が心筋梗塞である、請求項84の方法。
【請求項89】
細胞を、請求項1〜79の何れか1項の化合物、又は式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体と接触させることを含む、ネクロトーシスを減少させる方法。
【請求項90】
上記の化合物が、下記のもの
【化21】




又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体から選択される、請求項89の方法。
【請求項91】
(a) 請求項1〜79の何れか1項の化合物、又は式(I)〜(VIII)の何れかの化合物、又は化合物(1)〜(7)、(13)〜(26)、(27)〜(33)、(48)〜(57)及び(58)〜(70)の何れか、
又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又はその立体異性体を含む医薬上許容される医薬組成物;並びに
(b) (a)の医薬組成物を使用して被験者の症状を治療するための指示
を含むキット。
【請求項92】
前記(a)の化合物が
【化22】




又はその任意の医薬上許容される塩若しくは溶媒和物又は立体異性体から選択される、請求項91に記載のキット。

【公表番号】特表2012−513481(P2012−513481A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543689(P2011−543689)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/069483
【国際公開番号】WO2010/075561
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(502072134)プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (92)
【氏名又は名称原語表記】President and Fellows of Harvard College
【Fターム(参考)】