説明

ネックレスタイプの心電計及び体温情報検出器

【課題】非付着式心電計及び体温信号検出器を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)心電計検出動作電極と、導伝チェーンによって接続された心電計基準電極及び体温センサと、(b)前記電極又はセンサから取得されたこれらの信号を処理するための信号処理ユニットと、(c)処理された心電計信号を遠隔ユニットの受信器に送受信するか、または、遠隔ユニットからデータを受信するためのワイヤレス送受信装置と、(d)検出器の動作に電力を供給する電力供給器とを具備する非付着式心電計及び体温信号検出器を提供する。検出器は従来の付着式の検出器の不快さを改善し、かつ、検出器の美しい外観により使用する意思を増大し、かつ、検出に便利である。したがって、上記心電計及び体温計は、ホームケアデバイスに適用するために良好である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
微小な生理学信号ワイヤレス送信検出器、送受信同期技術、記憶及び記録同期技術、生理学信号検出及び解析技術、及び、睡眠解析アルゴリズムを通じて、リードワイヤがなく、容易に操作、モニタ及び検出を常時実施し、かつ、容易に正確な解析を実施する生理学信号記録システムが開発された。このシステムは、正常な人及び病気を持つ患者の睡眠の質の評価に使用することができ、かつ、睡眠障害を持つ患者の長期診断に使用可能である。システムは、睡眠と自己神経機能(self-neurological function)に対する副作用に関する睡眠薬及びその他の医薬品、睡眠と自己神経機能の変化に関するヘルスケア、及び、多様な健康製品のその他の変化の長期有効性評価に使用することができ、老齢体、及び、新生児の睡眠問題の評価に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
一般に、医療科学の研究は2つの主な領域、すなわち、構造及び機能に分類される。機能に関しては、多様な方法が開拓されて、各器官及び組織の機能を決定してきた。
【0003】
最近、機能成長医療研究(growth of functional medical study)には大きな進歩がみられる。生理学信号の検出のために確立された技術は多数ある。しかし、より正確な情報を取得するために、生理学信号収集を目的とした侵襲的方法が用いられる。例えば、ハートキャッチ(heart catch、心臓カテーテル検査とも呼ばれる)、すなわち、心臓が動いたままで心臓及び心臓の内側の血管が示される方法は、カテーテルを動脈に挿入し、次いで、心臓に到達させる必要がある。この検査は診断精度を向上させるが、外科過程のリスクも増大させ、そして、患者は痛みに耐えなければならない。
【0004】
比較上、非侵襲的方法は侵襲的方法に比べてより安全である。これは、医療使用を目的とした正確な信号を取得することができない間接的な検出方法であることに起因する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
幸にも、コンピュータ科学の発展上、強力なソフトウエア及びハードウエアが使用されて、非侵襲式検出器(non-invasive detector)の信号処理能力が改善されている。非特許文献1は、非侵襲的診断の好例を示しており、それは皮膚表面の電圧変化を検出し、かつ、その信号を処理して、患者の交感神経及び副交感神経の自律神経システムの機能を推定する。この技術は、非特許文献2〜5に成功裏に応用されてきたが、このような非侵襲的技術の利便性及び患者感情を考慮すると、改善の余地はある。
【非特許文献1】Heart rate variability (HRV) analysis, Circulation, 1996年, 93号, 1043-1065.
【非特許文献2】Yang等, Analysis of cardiovascular fluctuations during pentobarbital anesthesia, American Journal of Physiology, 1996年, 270号, H575-H582.
【非特許文献3】Kuo等, Brain death determining, American Journal of Physiology, 1997年, 273号, H1291-H1298.
【非特許文献4】Yien等, Prediction of patient outcome in an intensive care unit, Critical Care Medicine, 1997年, 25号, 258-266.
【非特許文献5】Kuo等, Observation the effect of aging on gender differences in neural control of heart rate, American Journal of Physiology, 1999年, 277号, H2233-H2239.
【非特許文献6】European Hear Journal、1996年, 17号, 354-381.
【非特許文献7】Yang等, American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology, 2000年, 278号, H1269-1273.
【特許文献1】台湾特許第149299号明細書
【0006】
A.非侵襲的診断技術開発の重要性
非侵襲的診断技術は、主に2つの部分を具備しており、第1部分が検出器であり、そして、その他の部分が信号処理ユニットである。検出器は、適切な検出器がなければ、正確な信号を取得することができず、あるいは、さらに、信号を処理しても利用価値がなく、あるいは、検出器の患者への適用が困難である場合、そして、患者が侵襲式検出器の使用を不快と感じるという理由からこの分野の最も重要な部分である。したがって、検出器が正確で、患者に快適に適用され、かつ、ユーザフレンドリである非侵襲的診断技術を開発することは重要である。
【0007】
1.無線生理学信号検出システム確立の重要性
(1)現在、長期生理学信号検出システムは、有線伝送技術に基づいている。患者がこのシステムを使用する必要がある場合、複数の電極が患者の皮膚上に用いられ、そして、これらの電極によって収集された信号は、信号処理ユニットに接続されたワイヤを介して送信されて、アナログ−デジタル変換及び信号増幅などのさらなる処理が施される。一般に、これら所望の信号の収集にある期間の時間を使用し、かつ、電極及び接続されたワイヤは患者に不快感を引き起こし、邪魔になる。さらに、このシステムのインターフェースは不親切であり、装置を操作するための専門技術者が必要となる。したがって、一般に、この診断システムを、毎日、利用することは容易ではない。
【0008】
(2)測定が容易でない多数のシステムがある。真のエキスパートプロフェッショナル又は技術者が必要とされ、プロフェッショナル及び技術者には長時間の訓練が要求され、かつ、訓練されたプロフェッショナル又は技術者のみが生理学現象の検出を実行することができる。したがって、これらのシステムは操作が容易ではない。
【0009】
(3)最近、いくつかの企業が、検出された信号を送信するための新しいワイヤレスシステムを開発している。一般に、これらのシステムは3つの部分を具備しており、第1部分が検出電極であり、第2部分が信号処理装置であり、第3部分が遠隔信号解析/記憶装置(far-end signal analysis/storage machine)である。電極は生理学信号を検出し、かつ、ワイヤを介して信号処理装置に信号を送って、アナログ−デジタル変換及び増幅処理を行い、次いで、これらの信号を遠隔信号解析/記憶装置に送信する。このシステムは、臨床利用において成功裏に応用され、かつ、ワイヤレス技術をこの領域に応用することができることを示唆している。しかしながら、このシステムはまだ電極と信号処理装置とを一体化することができず、これらの2つの部分が分離して組み込まれ、かつ、この2つの部分の接続にワイヤが使用される場合にのみであって、ゆえに、この限定はノイズ及び運搬するには非常に重いなどのワイヤが使用されることに伴ういくつかの副作用を増大させる。
【0010】
B.解決しなければならないトラブルシューティング
診断技術の大きな進歩によって、心電検査(ECG)信号の処理を介して、自動的な神経活動を定量化することができる。より詳細な生理学信号を取得するために、使用される電極のほとんどは患者の皮膚に付着させる使い捨てのパッチ型である。しかし、これらの粘着性の電極はどういうわけか皮膚アレルギーを引き起こし、かつ、非再利用の電極はユーザの負担を増大させる。したがって、ユーザは定期的に又は長期にわたってその電極を使用することに気が進まない。
【0011】
非侵襲式検出器が被験者の着用する日常使用のネックレスになり、かつ、ユーザが検出器を平静な状況で使用することができ、または、ユーザが検出器をある期間定着することができるとともに、そのような検出器が美しい外観(outlook)を有する品物を表すように設計されれば、そのような検出器は非侵襲的技術の実用性を強調することができ、かつ、長時間着用することができて、長期間の看護が実現する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
(a)心電計検出動作電極(electrocardiographic detecting working electrode)と、導伝チェーン(conduction chain)によって接続された心電計基準電極及び体温センサと、(b)前記電極又はセンサから取得されたこれらの信号を処理するための信号処理ユニットと、(c)処理された心電計信号を遠隔ユニットの受信器に送受信するか、または、遠隔ユニットからデータを受信するためのワイヤレス送受信装置と、(d)検出器の動作に電力を供給する電力供給器と
を具備する非付着式心電計及び体温信号検出器を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、
(a)心電計検出動作電極と、導伝チェーンによって接続された心電計基準電極及び体温センサと、(b)前記電極又はセンサから取得されたこれらの信号を処理するための信号処理ユニットと、(c)処理された心電計信号を遠隔ユニットの受信器に送受信するか、または、遠隔ユニットからデータを受信するためのワイヤレス送受信装置と、(d)検出器の動作に電力を供給する電力供給器と
を具備するネックレスタイプの非付着式心電計及び体温信号検出器に関する。
【0014】
心電計電極及び心電計基準電極は、2電極(two-electrode)システム内に構築されている。心電計電極はユーザの皮膚の表面電圧を検出し、かつ、心電計信号は、固定電位で基準電極の表面電圧と比較される。検出は、皮膚との直接接触、または、皮膚の間接的なセンシングによって取得することができる。本発明では、基準電極の機能は増幅された心電計信号の基準として使用される。本発明で使用されるチェーンは、導伝性ワイヤを含み、かつ、ペンダントに接続され、そして、導伝性チェーン及びペンダントは多様な形状となることができる。
【0015】
本発明の心電計動作電極及び心電計基準電極は、導伝性チェーン上及びチェーンに接続されたペンダント上に分離して配置されており、チェーン部分に配置された電極は、チェーン自体であり、または、チェーン上の導伝性プレートである。ペンダント上に配置された電極は、前記ペンダントの導伝性外殻であり、または、導伝性又は非導伝性ペンダントの内部に配置される。導伝性の外殻は、表面が処理された金属又はプラスチックで作られる。例えば、電気めっき、または、導伝性塗料、グラファイト、または、カーボンファイバ、または、その他のコンダクタによるコーティングである。
【0016】
好ましい1実施形態では、検出器による検出方法は、熱抵抗効果、サーミスタ、熱伝対、または、あらゆる非侵襲式電気温度計である。
【0017】
本発明の現在の信号処理ユニットは、
検出器
を具備し、信号処理ユニットは、
(a)取得された心電計又は体温の電子信号を増幅するための信号増幅器と、
(b)検出された歪信号をスクリーニングするための電子フィルタと、
(c)アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)と
を具備する。
【0018】
本発明のワイヤレス送受信装置は、無線インターフェース又は赤外線インターフェースを介して信号を送信する。無線インターフェースはワイヤレスであり、WLAN、INTEREST RATE、ブルートゥース、RFID、GSM、PHS、CDMA、または、電子信号送信に使用することができるあらゆるその他の無線インターフェースである。
【0019】
電力供給器は蓄電池である。さらに、電力供給器は電池である。本発明の信号処理ユニットは、ワイヤレス送受信装置及び電力供給器が全体で、または、分離して1又は複数のペンダントに供給される。
【0020】
検出器は、さらに、信号処理ユニットによって処理された後、電子生理学信号を記録するためのデータ記憶ユニットを具備している。さらに、データ記憶ユニットは、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は電気信号を記憶するためのあらゆるデバイスである。
【0021】
本発明の検出器のサイズは、一般的なネックレスに適合する。検出器は、非付着式の設計を採用して、長期間の着用を促進し、かつ、心電計信号の場合の不快感を緩和する。一方、検出器は、美しく、かつ、洗練された外観を有する品物として設計されて、顧客の受入れ可能性を増大させる。
【0022】
体表面の心電計信号は非常に弱く、かつ、信号の強さは心臓から四肢末端に向かって徐々に弱くなるので、本発明の検出器は首に常時着用される。ペンダントの使用は、胸部と接触して、胸部上のより強い心電計信号を検出する。しかしながら、検出器は四肢などのその他の位置に適用することができる。
【0023】
実施例は単に本発明の図示、及び、さまざまな実施形態の多様な利点を説明する。実施例はそのような実施形態に限定しなければならないものではない。
【0024】
1.検出器
図1には、心電計動作電極140と、体温センサ150と、コンピューティングセンタ(computing center)160(信号処理ユニット161と、データ記憶ユニット163と、ワイヤレス送受信装置164とを具備している)と、電池162と、基準電極110とを有する非付着式で固着された(stuck)ネックレスタイプの検出器100である本発明の1実施形態が図示されている。前の4つの部品はペンダントの中に配置され、かつ、後の部品はセンサ150に接続されているチェーン上に配置された金属プレートである。図2は本発明のその他の好ましい1実施形態であり、基準電極130に関して、図1に比べてやや変形されている。図2の基準電極130は、チェーンに一体化されている。本実施例では、動作電極140がペンダント内に配置された導伝コイルである。
【0025】
2.使用
図3に示すように、検出器300はユーザの首に着用され、かつ、ペンダントは胸部の前につるす。測定を実施するため、ユーザは安定した姿勢を保つよう求められ、かつ、検出器はユーザの皮膚に数秒間接触する。次いで、心電計信号は動作電極140によって胸部表面の胸部表面検出電圧から取得され、かつ、体温情報は体温センサ150によって収集されることになる。
【0026】
3.心電計信号の収集
心電検査測定の利便性及び信頼性を向上させるため、2電極システムが採用されているが、このシステムは3電極システムよりも一層ノイズ問題を有する。したがって、この欠点を克服するために、適切なフィルタ回路及びオプティカルカプラ(opt-coupler)が必要である。例えば、本発明では、増幅デバイス(特許文献1)を使用して、動作電極によって検出された心電計信号を増幅し、かつ、SN比の有用な波形パターンを取得する。
【0027】
4.体温測定
本発明はその他の機能、すなわち、体温測定を有する。検出原理は商業用のあらゆる電気式体温計と同じであり、電圧変化、抵抗変化、または、電熱によって生じたセンサの内部回路上の電流変化を検出し、この情報を電気信号に変換するものである。
【0028】
5.信号の処理、記憶及び送信(マイクロコンピュータ、フィルタ及び増幅)
図4は本発明の回路設計400のブロック図を示す。動作電極140から取得される心電計信号は、はじめに入力フィルタ421を通って、SN比を強調する。次いで、信号は、標準器として基準電極110を使用する増幅器422によって増幅され、次いで、サンプリングを促進するために、信号は流出(outpour)フィルタ423を通る。体温信号もまた、フィルタ/増幅ユニット424を通って、フィルタリングされ、かつ、増幅される。これら2つの信号がアナログ−デジタル変換器(ADC)431を通り、かつ、マイクロ演算論理ユニット432において処理された後、信号は、次いで、デジタル信号に変換され、次いで、メモリユニット163に記憶されるか、または、変調器/復調器441を通るかして、ワイヤレス送受信装置164を介して遠隔のコンピュータに信号をさらに送信する。ワイヤレス送受信装置164はまた、遠隔の受信器から送信された再生信号を受信することができる。電力供給器162を使用して、この信号処理ユニット410に電力が供給される。
【0029】
A.信号解析
1.信号受信
無線及び赤外線などの信号送信のための多数の有用なワイヤレスインターフェースがある。本実施例では、赤外線通信規格(Infrared Data Association:IrDA)が信号送信に採用され、かつ、遠隔コンピュータが赤外線ポート(IRポート)を有して、この検出器によって送信された信号を受信し、かつ、以下に列挙された解析を処理する能力を有する。
【0030】
2.心拍の識別
HRV解析のためのコンピュータプログラムは、我々の上記の文献に記載さている(非特許文献5)。QRS識別手順では、コンピュータは、はじめに、一般的なQRS検出アルゴリズムに類似のスパイク検出アルゴリズムを使用して、デジタル化されたECG信号の全てのピークを検出した。振幅及び全スパイクの間隔などのパラメータは、その平均値及び標準偏差(SD)が標準QRSテンプレートとして計算することができるように測定された。次いで、各QRS複合体が識別され、かつ、各心室性早期収縮複合体又はノイズは標準QRSテンプレートの尤度(likelihood)に基づいて拒絶された。各有効なQRS複合体のR点は、各心拍の時点として定義され、かつ、2つのR点の間の間隔(R−R間隔)は、現在のR点とその後のR点の間の間隔として推定される。R−R間隔拒絶手順では、はじめに、全てのR−R間隔の一時的な平均値及びSDが標準的な基準のために計算された。次いで、R−R間隔は、R−R値の標準スコアが3を超えれば、誤りがある又は非定常であるとみなされて、拒絶するという確認がなされた。この手順によるR−R拒絶の平均パーセントは1.2%である。続いて、有効なR−R値は7.11Hzのレートでリサンプル及び内挿されて、時間領域における連続性を達成した。
【0031】
3.周波数領域解析
周波数領域解析は、高速フーリエ変換(FFT)によるノンパラメトリック法を使用して実行した。直流成分が削除され、かつ、ハミングウインドウを使用して、漏えい効果を減衰させた。各時間セグメント(288秒、2048データ点)アルゴリズムによってFFTベースのパワースペクトル密度が推定された。その結果であるパワースペクトルは、サンプリング及びハミングウインドウによる減衰を補正された。続いて、パワー(TP)スペクトルは、表1に定義された多様な周波数領域の測定で定量化された。特に、LFは、VLF(全パワーVLF)を除く全パワーの百分率によって基準化されて、HRV(LF%)上の交感神経の影響を検出した。類似の手順はまた、HF(HF%)に適用された。全てのHRVパラメータは、オリジナル、平方根、及び自然対数の型で表現されて、起こりうる歪を示して補正した。
【0032】
4.データ判読
データは、米国心臓学会(American Heart Association Inc.)及び欧州心臓病学会(European Society of Cardiology)によって出版された報告書(非特許文献1、及び同時に出版された非特許文献6)、及び、開発者の上記の文献(非特許文献3〜4、5、7)に基づいて判読された。HF及びTP値は心臓の交感神経の活動の測定に使用され、LF/HF比は心臓の副交感神経の活動の測定に使用され、かつ、LF値は交感神経及び副交感神経の機能を推定するためのターゲット(target)であった。
【0033】
当業者は、本発明が本発明の目的を実施して、これらの固有の利点だけでなく、前述の利点を取得するように十分に適合することを容易に理解する。心電計及び体温情報測定のためのネックレスタイプの非付着型検出器は、好ましい実施形態の典型であり、代表例であり、本発明の範囲を限定する意図はない。変更形態及びその他の用途は、当業者に自明である。これらの変更形態は、本発明の趣旨に包括的に含まれ、かつ、特許請求の範囲によって定義される。
【0034】
本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく、開示された本発明にさまざまな代替形態及び変更形態を作成することは当業者にとって、容易に、明らかである。
【0035】
本明細書で参照されたすべての特許及び文献は、発明が関係する当業者のレベルを示唆する。すべての特許と文献は、それぞれの個々の公表が引用することにより組み込まれるように、明確、かつ、個別に示されたように、同一範囲を引用することにより本明細書に組み込む。
【0036】
本明細書で適切に実施例として説明された本発明は、本明細書で明確に開示されていないあらゆる1又は複数の要素、1又は複数の限定がなく、実施される。用いられた用語及び表現は、限定ではなく、説明の用語として使用され、そして、示され、かつ、説明された特徴と等価なもの、または、その部分を除く用語及び表現を使用する意図はなく、しかし、多様な変更形態が請求項に示された本発明の範囲内で可能であると認識される。したがって、本発明が好ましい実施形態及び任意の特徴によって明確に開示されるが、本明細書に開示された概念の変更形態及び変化形態は、当業者によって用いられ、そのような変更形態及び変化形態が添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲内であると理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】心電計の基準電極が独立の導伝性チェーン(conductive chain)であることを特徴とする本発明の1実施形態のネックレスタイプの心電計及び体温信号検出器を示す図である。
【図2】心電計の基準電極及び導伝性チェーンが1ユニットとして形成されたことを特徴とする本発明の1実施形態のネックレスタイプの心電計及び体温信号検出器を示す図である。
【図3】ユーザによって着用されている検出器を示す概略図である。
【図4】本発明による検出器の回路設計を示す概略図である。
【図5】本発明の検出器によって検出された心電計信号のスペクトル解析による心拍変化情報を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
100 検出器
110 基準電極
140 心電計動作電極
150 体温センサ
160 コンピューティングセンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)心電計検出動作電極と、
導伝チェーンによって接続された心電計基準電極及び体温センサと、
(b)前記電極又はセンサから取得されたこれらの信号を処理するための信号処理ユニットと、
(c)処理された心電計信号を遠隔ユニットの前記受信器に送受信するか、または、前記遠隔ユニットからデータを受信するためのワイヤレス送受信装置と、
(d)前記検出器の前記動作に電力を供給する電力供給器と
を具備することを特徴とする非付着式心電計及び体温信号検出器。
【請求項2】
前記心電計検出電極及び前記基準電極は2電極システム内に構築され、前記心電計検出電極はユーザの皮膚の前記表面電圧を検出し、かつ、前記基準電極は基準電圧を供給し、心電計信号は、前記表面電圧と前記基準電圧との比較によって取得することを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記心電計検出電極は、前記電圧信号を検出することによって、前記ユーザの皮膚の前記表面電圧を直接又は間接的に検出することを特徴とする請求項2に記載の検出器。
【請求項4】
前記基準電極は、心電計信号の検出及び増幅に関して基準として用いられることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項5】
前記心電計検出電極及び前記基準電極は、リング導伝性チェーンと、前記チェーンに接続されたペンダントとして各々取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項6】
前記導伝性チェーン及び前記ペンダントは多様な形状であることを特徴とする請求項5に記載の検出器。
【請求項7】
前記導伝性チェーン上の前記電極は前記導伝性チェーン自体であり、または、前記導伝性チェーン上の導伝性プレートであることを特徴とする請求項5に記載の検出器。
【請求項8】
前記ペンダント上の前記電極は、前記ペンダントの前記導伝性外殻であり、または、前記ペンダントの導伝性又は非導伝性外殻の前記内部であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
ペンダントの前記導伝性外殻は、金属、または、プラスチックの外表面に処理されてなることを特徴とする請求項8に記載の検出器。
【請求項10】
前記プラスチックの外殻は、電気めっきによって処理されているか、または、導伝性塗料、グラファイト、カーボンファイバ又はその他の導電体によってコーティングされていることを特徴とする請求項8に記載の検出器。
【請求項11】
前記温度センサは、熱抵抗効果、サーミスタ、熱伝対、または、あらゆる非侵襲式電気温度計によって温度を計ることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項12】
前記信号処理ユニットは、
(a)前記取得された心電計又は体温の前記電子信号を増幅するための信号増幅器と、
(b)前記検出された歪信号をスクリーニングするための電子フィルタと、
(c)前記アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器(ADC)と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項13】
前記心電計又は体温計の前記電子フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、及びバンドストップフィルタを具備する前記グループから選択されることを特徴とする請求項12に記載の検出器。
【請求項14】
前記無線インターフェースは、ワイヤレスWLAN、赤外線、ブルートゥース、RFID、GSM、PHS、または、CDMA、または、その他のワイヤレス送信インターフェースであることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項15】
前記電力供給器は蓄電池であることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項16】
前記信号処理ユニット、前記ワイヤレス送受信装置及び前記電力供給器は、全体で、または、分離して1又は複数のペンダントに含まれることを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項17】
前記信号処理ユニットによって処理された後、電子生理学信号を記憶するためのデータ記憶ユニットをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の検出器。
【請求項18】
前記データ記憶ユニットは、あらゆる電気信号記憶デバイスであることを特徴とする請求項17に記載の検出器。
【請求項19】
ユーザの首、腰、または、四肢に着用されることを特徴とする請求項1に記載の検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−284364(P2008−284364A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−128576(P2008−128576)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(501078579)ナショナル・ヤン・ミン・ユニヴァーシティ (3)
【Fターム(参考)】