説明

ネットを具備するスポンジクロス

【課題】セルロースを主成分とし且つネットまたはグリッドの形態の内部補強物を有するスポンジクロスであって、均一に分布された繊維および/または水浸出性ではない耐久性軟化ポリマーを更に含んでなるスポンジクロスを開示する。
【解決手段】スポンジクロスは、セルロースザンテートを繊維および/または軟化ポリマーならびに細孔形成剤と混合し、得られたスポンジクロス原料で薄層を形成する、ビスコース法によって製造される。この層の上に、グリッドまたはネット、次いでスポンジクロス原料の更なる層を置く。アルカリ性または酸性の凝固・再生浴および洗浄浴を用いて、細孔形成剤を溶出させ、セルロースザンテートからセルロースを再生する。このスポンジクロスは、乾燥状態で壊れない、すなわち曲げ耐性を有する。このスポンジクロスは、産業界および家庭におけるクリーニングおよび消毒作業を特に想定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的補強材として内部にネット/グリッドを埋め込んだセルロース系スポンジクロス(cellulose−based sponge cloth)に関する。このスポンジクロスは、産業界および家庭におけるクリーニングおよび消毒作業に有用である。
【背景技術】
【0002】
ビスコース法によるスポンジクロスの製造は周知である(例えば、特許文献1〜3参照)。最初にパルプ、より具体的には木材パルプを、水酸化ナトリウムおよび二硫化炭素を用いて、ビスコースとして知られるアルカリ性セルロースザンテート溶液に変換する。次いで、グラウバー塩(硫酸ナトリウム十水和物)を添加してこのビスコースと均一に混合する。その後、このスポンジクロス原料を、所望の高さ(厚さ)の層の形態で無端ベルトに載置する。加熱されたアルカリ性凝固浴中でセルロース再生が起こる。これは、酸性溶媒、例えば希硫酸中でも行うことができる。
【0003】
繊維強化スポンジクロスは通常、希NaOHでコットンノイルを脱脂してマーセル化することで製造される。次いで、ビスコース、グラウバー塩、およびコットン繊維を、一般的にニーダーを用いて、一緒に混合して均質な塊を形成する。一般的に、この繊維の平均的な長さは0.5〜4.5cmである。次いで、記載されているようにスポンジクロス材料を広げて再生する。セルロース再生後、繊維は結合されてスポンジクロス体になる。繊維の分布が均質且つ3次元的であることが特に重要である。これを達成するためには、コットンノイルを十分に開繊して濡らす必要があり、そうでないと繊維がカールおよび結節し易くなる。その場合、均一な内部強化は確保されない。
【0004】
グラウバー塩は融点が非常に低い(約32〜33℃)ため、凝固浴中で溶融して完全に溶出する。消失した塩結晶の後には細孔(pore)や空隙(void)が残る。最後に、スポンジクロスを洗浄して塩残渣および付着している反応産物を除去する。乾燥後、細長く切断し、巻き上げる。次いで、このロール状の材料は、所望のサイズのクロスへと最終製品化され得る。所望に応じて、これらに更に予め印刷を施すこともできる。
【0005】
繊維強化スポンジクロスは、乾燥状態では脆いが、機械的負荷が与えられた時に壊れない。そのため、乾燥状態のスポンジクロスが販売されることは希である。一方、湿らせたスポンジクロスはより柔軟であり、非常に良い「手」を有する。スポンジクロスを湿らせておくために、スポンジクロス片は、吸湿性の塩、より具体的には塩化マグネシウムの水溶液が含浸されている。過剰な液体はスクイズロールを用いて除かれる。次いで、通常は水蒸気を通さないポリマー膜中に、湿ったクロスを包装する。
【0006】
ネットを組み込んだスポンジクロスも同様に周知であり、大規模に製造されている。製造では、必須成分として溶解したセルロースザンテート(ビスコース)と細孔形成剤、より具体的にはグラウバー塩とを含むスポンジクロス材料を、ダイを通して薄層としてキャリアベルト上に載置する。ネットまたはグリッドをこのウェブ上に置く。その後すぐに、その上にスポンジクロス材料の更なる層を載置する。ネットまたはグリッドは、例えばポリエステルまたはコットンからなる。次いで、この中間体を各種凝固、再生、および洗浄用の浴に通し、その中でセルロースザンテート由来のセルロースを再生する。凝固および再生は酸性またはアルカリ性の浴中で起こり得る。ネットは繊維と異なり結節しにくいので、ネットを具備するスポンジクロスは繊維強化スポンジクロスよりも製造が容易である。
【0007】
ネットを具備するスポンジクロスは事実上、予め湿らせた形態でのみ提供される。この目的のために、これらは、上記した塩化マグネシウム水溶液で処理され、その後、水不透過性膜パックに包装される。しかし、ネットで強化した乾燥スポンジクロスは機械的負荷がかかると非常に容易に壊れる。そうすると、ネットまたはグリッドが曲げ点でスポンジクロスを保持する唯一のものになってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第1193237(C)号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第2656968(A)号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2707308(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、ネットを具備する公知のスポンジクロスを、乾燥状態で曲げに安定であり、且つセルロース層が壊れないように改良することである。ネットを具備するスポンジクロスの利点、すなわち製造が容易であることを、繊維強化スポンジクロスの利点、すなわち乾燥状態での曲げ強度と組み合わせる。本発明の更なる目的は、ネットを具備する公知のスポンジクロスの対摩耗性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、ネットに加えて短繊維および/または耐久的な軟化特性を有する添加剤を含むスポンジクロスによってこの目的が達成されることを見出した。
【0011】
したがって、本発明は、セルロースを主成分とし且つネットまたはグリッドの形態の内部補強物を有するスポンジクロスであって、前記スポンジクロス中に均一に分布された繊維および/または水浸出性を有しない永続的軟化ポリマーを更に含んでなる、スポンジクロスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
繊維および軟化ポリマーは、再生セルロースの結晶化傾向を低下させると考えられる。これらは事実上、転位として作用する。ポリマーは、所望しないビスコースの凝固を生じさせてはいけない。しかし、これらは耐久性の軟化効果を有しなければならない。また、これらは、長期使用後でもスポンジクロスから浸出しない。
【0013】
ネットまたはグリッドが機械的強化の大部分を占めるため、本発明のスポンジクロス中に使用される繊維は比較的短く太いものであってよい。したがって、この繊維の形状およびサイズは公知の繊維強化スポンジクロス中のものとは異なる。平均長は、有利には、0.1〜0.6cm、好ましくは0.2〜0.5cmである。長さと直径の比は、一般的に、50:1〜3:1、好ましくは10:1〜4:1である。繊維自体は天然材料および/または合成材料からなりうる。例えば、短いまたは短く裁断されたコットン繊維を用いることができる。短く且つ比較的太い繊維はカールしにくく、結節(knotting)を少なくする。このことは、この繊維が一般的に開繊および湿潤等の前処理を必要としないことを意味する。繊維の材料は、水との接触に関して、再生セルロースと同じまたは同様な膨張・収縮特性を有するべきである。その場合にのみ、スポンジクロスの層剥離を安全に回避することができる。
【0014】
繊維の割合は通常、セルロースの重量を基準にして10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。
【0015】
軟化ポリマーは親水性であるが、水溶性ではない。すなわち、水へのこれらの溶解度は20℃において1リットルの水に0.1g未満である。したがって、これらは浸出するとしても非常にゆっくりと浸出する。また、添加されるポリマーは、使用後のスポンジクロスの生分解性またはコンポスト化可能性(compostability)を損なわない。
【0016】
特に好適な軟化ポリマーとしては、親水性バイオポリマー、特にオリゴ等および多糖およびその誘導体、例えばフルクタンおよびレバン、キチン、カラギーナン、ペクチン、ならびにアルギナートおよびその誘導体、例えばプロピレングリコールアルギナート、ならびにセルロースエーテル、例えばカルボキシアルキルセルロース(例えばカルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えばヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、アルキルヒドロキシアルキルセルロース(例えばメチルヒドロキシエチルセルロースまたはエチルヒドロキシプロピルセルロース)が含まれる。親水性バイオポリマーに加えて、またはその代わりに、合成親水性ポリマーを用いることもでき、そのようなものとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、およびビニルピロリドン単位を含んでなるコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ポリアクリル酸(Carbopol)もしくはポリメタクリル酸、またはポリ乳酸が挙げられる。親水性ポリマーの水への溶解度は、必要であれば、グリオキシル酸等の架橋剤を用いて必要な程度に制限される。架橋剤は通常、共有結合を介して軟化ポリマーをセルロースに連結する作用をする。
【0017】
前述のポリマーは再生セルロースの結晶化傾向を低下させ、スポンジクロスはより柔軟な「手」を得、乾燥状態で壊れない。
【0018】
親水性軟化ポリマーの割合は通常、セルロースの重量を基準にして2〜50重量%、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
【0019】
繊維および/または軟化ポリマーは、スポンジクロスの機械的安定性および完全性を向上させるだけではなく、驚くべきことに、後述する本発明の実施例および比較実施例中においてベスリック(Veslic)試験で示されるように、ネットを具備する公知のスポンジクロスよりも耐摩耗性を向上させる。したがって、これらはより長持ちする。これはかなりの性能的利点である。
【0020】
ネットまたはグリッドのメッシュ幅は有利には約2〜15mm、好ましくは約3〜10mmである。ネットまたはグリッドは好ましくはコットンまたはポリエステルまたはその他の合成材料および/もしくは天然材料からなる。ネットの重量は通常、約2〜100g/m、好ましくは20〜80g/m、より好ましくは40〜70g/mである。
【0021】
細孔形成剤は、通常、水に容易に溶解する無機塩である。融点の低い塩が特に好ましい。これに関して、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および無機酸のアンモニウム塩、より具体的には、塩化物(特にNaClおよびKCl、しかし、MgClは含まない)、硫酸塩(特に硫酸ナトリウムおよび硫酸マグネシウム)、リン酸塩(特にMg(P0)、またはケイ酸塩(特にMgSiO=フォルステライト)を挙げる必要がある。融点が32.4℃であるグラウバー塩(硫酸ナトリウム十水和物)が特に好ましい細孔形成剤である。
【0022】
塩結晶の平均直径は通常、最大2.5mm、好ましくは最大2mmである。塩結晶の1/5未満が直径0.3mm未満であるべきである。これらの特に小さい塩結晶の割合が高いと、スポンジクロスの吸水能が低下する。細孔形成剤は、凝固、再生、および洗浄用の浴中でスポンジクロスからほぼ完全に溶出する。塩結晶はほぼ同じサイズの空隙を残す。
【0023】
細孔形成剤の割合は通常、スポンジクロス原料の全重量を基準にして約30〜90重量%、好ましくは約75〜85重量%である。
【0024】
本発明のスポンジクロスを製造するためのビスコースの元となるパルプは、好ましくは平均重合度(DP)が500〜1600、好ましくは800〜1200であるように製造される。このパルプは、好ましくはユーカリ(eucalyptus)の木の木材から得る。ここで、DPはビスコース製造中に低下すること、すなわちビスコース製造中にセルロース鎖の分解が起こることに留意する必要がある。
【0025】
スポンジクロスは、スポンジに典型的な裸眼で見ることのできる大きな細孔を有しない。したがって、製造条件下で気体を発生する発泡剤(例えばジアゾ化合物)の添加は製造プロセスに含まれない。
【0026】
本発明のスポンジクロスを製造するためには、ビスコース、細孔形成剤、ならびに繊維および/または親水性軟化ポリマーを、有利にはニーダー中で、一緒に混合し、均質な塊を形成する。次に、このようにして得られたスポンジクロス原料でキャリアベルト上に薄層を形成する。この層の上に、ネットまたはグリッド、次いでスポンジクロス原料の更なる層を置く。すると、ネットまたはグリッドはスポンジクロス原料中に埋め込まれた形態になる。材料はベルト上で、好ましくはアルカリ性の、加熱された凝固・再生浴を通過する。原スポンジクロスを洗浄して、残った塩残渣および反応産物を除去する。
【0027】
本発明のスポンジクロスは乾燥または予め湿潤された状態であってよい。湿らせる場合、有利には、香油、例えばシトラスまたはマツの芳香を有する油が必要に応じて乳化されている約2〜8重量%の塩化マグネシウム水溶液を用いて湿らされる。
【0028】
本発明のスポンジクロスは、当業者に公知の方法によって最終製品化され得る。それらには、例えば片面または両面への印刷および適当なサイズへの裁断が含まれる。
【0029】
本発明のスポンジクロスは、工業、商業、および家庭におけるクリーニングおよび消毒用のクロスとしての使用を主に想定している。
【0030】
以下に実施例を用いて本発明を説明する。特に断りのない限りまたは文脈から明らかでない場合、百分率は重量による。
【実施例】
【0031】
本発明の実施例1(ネットおよび繊維を具備するスポンジクロス)
平均重合度DPwが1400であるユーカリパルプ(Bahia SP、ブラジル、バヒア・パルプ社(Bahia Pulp)製)510gを希(15%強度)水酸化ナトリウム水溶液3000g中でスラリー化した。このアルカリセルロースを、250gのCSを用いてセルロースザンテートに変換し、その後、1700gの水で溶解してビスコースに変換した。このビスコース300gを、細孔形成剤としてのグラウバー塩1500gおよび長さ5mm、マイクロネア3.4のコットン繊維100g、続いて3gの青色顔料と、必要な流動性が確実に得られるのに十分な温度で混練することで、混合した。
【0032】
このようにして得られたスポンジクロス原料を2つのダイを介してキャリアベルトに載置するが、ここで、第1のダイから下層を載置した後、メッシュ幅10mmのコットンネットをロールからほどき、下層に載置した。次いで、第2のダイを用いて上層を載置し、ネットが中央に来るようにした。原料中に埋め込んだネットをその後、熱いアルカリ性凝固浴に通過させ、その後、酸バットを通過させて中和し、その後のバット中で、付着している塩残渣および反応産物を除去した。
【0033】
このようにして得られたスポンジクロスの基本重量は237g/m(DIN 53 854に従って求めた完全乾燥重量)であった。
【0034】
比較実施例2(ネットを具備するが繊維が分布されていない従来のスポンジクロス(スポンテックス社(Spontex S.A.)から市販)
DIN 53 854に従って求めた完全乾燥基本重量は265g/mであった。
【0035】
本発明の実施例3(ネットおよび軟化ポリマーを具備するスポンジクロス)
コットン繊維の代わりに25gのヒドロキシエチルセルロース(SEタイローズ社(SE Tylose GmbH & Co. KG)製Tylose H)を別個の混練操作でビスコースと混合したこと以外は、本発明の実施例1と同じである。混練してHECを導入した後、本発明の実施例1の残りの手順を行った。
【0036】
このようにして得られたスポンジクロスのDIN 53 854に従って求めた完全乾燥基本重量は257g/mであった。
【0037】
本発明の実施例4(ネット、軟化ポリマー、および繊維を具備するスポンジクロス)
長さ5mmのコットン繊維150gおよびHEC25gを導入し、混練して混合物中に均質に分布させたこと以外は本発明の実施例1と同じである。その後、本発明の実施例1に記載した残りの手順を行った。
【0038】
このようにして得られたスポンジクロスのDIN 53 854に従って求めた完全乾燥基本重量は249g/mであった。
【0039】
比較実施例5(ネットを具備しない繊維強化スポンジクロス(カレ社(Kalle GmbH)から市販)
DIN 53 854に従って求めた完全乾燥基本重量は258g/mであった。
【0040】
軟化ポリマーの浸出性試験
スポンジクロスをおけの中で1分間水に完全に浸漬させ、完全に水で飽和するように多孔板で水面下に沈めた。その後、スクイズロール(ニップ約0.2mm、接触圧4.5バール)を用いて絞り、流出液体を回収した。
【0041】
水を絞り出した後、浸出したポリマー量を重力測定で求めた。
【0042】
【表1】

【0043】
乾燥スポンジクロスの曲げ強度試験
曲げ強度を調べるために、スポンジクロスを中央で折り畳み、2つの角をそれぞれの対応する角の上に重ねた。クロスに形成された折り目の上に1kgの重りを置き、領域が互いに接触するようにした。30秒後に重りを取り、スポンジクロスを360°折り返し、外側の2つの面が互いに接触するようにした。その後、端に再度1kgの重りを置く。この操作を10回繰り返す。表面にダメージが生じるのに必要な折り畳みサイクル数を記録した。
【0044】
曲げ試験の結果
スポンジクロスの実施例 折り畳みサイクル
1 >10
2 1
3 6
4 >10
5 >10
【0045】
スポンジクロスの特性を以下の表にまとめる。
【0046】
【表2】

【0047】
)l DIN 53 855、0.02N/cm
)2 DIN 53 855、0.2N/cm
)3 DIN 53 528
)4 吸水能は以下のようにして求めた。
【0048】
まず、天秤上の皿に深さ3cmまで水を満たした。ワイヤーネットを水中に水平に置き、10秒後に再度水平状態で取り出し、水面より上でこの状態で維持した。10秒後に、天秤が「ゼロ」になるように風袋を調整して、ネットによって取り除かれる水を考慮する。
【0049】
次いで、乾燥スポンジクロスをネットの上に置き、ネットと一緒に水中に水平に10秒間浸漬する。その後、水からスポンジクロスをネットと一緒に水平状態で取り出し、貯蔵状態で水平に吊した。
【0050】
15秒間滴下させた後、スポンジクロスによって皿から除去された液体の量を天秤から読み取った。
【0051】
次いで、湿った領域をコンピュータ処理して1平方メートル当たりの吸水量を求める。
【0052】
この方法により、(垂直測定の場合における)静水圧によるロスのない、可能な最大の吸水量が求められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースを主成分とし、且つネットまたはグリッドの形態の内部補強物を有するスポンジクロスであって、前記スポンジクロス中に均一に分布された繊維および/または水浸出性を有さない耐久性軟化ポリマーを更に含んでなる、スポンジクロス。
【請求項2】
前記繊維の平均長が0.1〜0.6cm、好ましくは0.2〜0.5cmである、請求項1に記載のスポンジクロス。
【請求項3】
前記繊維の長さと直径の比が50:1〜3:1、好ましくは10:1〜4:1である、請求項1または2に記載のスポンジクロス。
【請求項4】
前記繊維の割合が、セルロースの重量を基準にして10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスポンジクロス。
【請求項5】
前記軟化ポリマーが、親水性バイオポリマー、好ましくはオリゴ糖あるいは多糖もしくはその誘導体、および/または親水性合成ポリマー、好ましくは、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン単位を含んでなるコポリマー、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ポリ(メタ)アクリル酸、またはポリ乳酸である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスポンジクロス。
【請求項6】
前記オリゴ糖または多糖またはその誘導体が、グリカンおよびフルクタン、より好ましくはキチン、キトサン、カラギーナン、またはアルギナートもしくはその誘導体、ペクチン、またはセルロースエーテルである、請求項5に記載のスポンジクロス。
【請求項7】
前記親水性軟化ポリマーの割合が、セルロースの重量を基準にして2〜50重量%、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスポンジクロス。
【請求項8】
好ましくは塩化マグネシウム水溶液で湿らされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスポンジクロス。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のスポンジクロスを製造する方法であって、
ビスコース、細孔形成剤、ならびに、繊維および/または親水性軟化ポリマーを混合して均質なスポンジクロス原料を形成する工程、
前記スポンジクロス原料で層を形成する工程、
前記層の上にネットまたはグリッドを載置する工程、
前記ネットまたはグリッド上に、スポンジクロス原料の層をさらに載置する工程、
前記細孔形成剤を溶出させ、アルカリ性または酸性の浴中で前記ビスコースからセルロースを凝固および再生する工程、
こうして得られたスポンジクロスを洗浄する工程、および
必要に応じて前記スポンジクロスを湿らせる工程、
を含んでなる、方法。

【公開番号】特開2011−206540(P2011−206540A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68594(P2011−68594)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(398032485)カレ、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (1)
【氏名又は名称原語表記】KALLE GMBH
【Fターム(参考)】