説明

ネットワークゲームシステム

【課題】新たなゲーム性と事業展開の可能性をもたらし得るネットワークゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲームサーバ(1)と、通信回線網(3)を通じてゲームサーバ(1)にアクセスし、相互にネットワークゲームを行い得る多数台のゲーム端末(2−−x)とからなるネットワークゲームシステムにおいて、プレイヤが別途購入し得るゲームカード(Cx)を用い、当該ゲームカードに記録された付加ゲーム情報を、コンビニエンスストア等に設置されたカード読取り機(4)に読み取らせ、この読み取った付加ゲーム情報を通信回線網(3)を通じてゲームサーバ(1)に送信すると共に、ゲームサーバ(1)は、受信した付加ゲーム情報を、当該プレイヤのゲーム情報に付加、記録し、以降当該プレイヤがゲームを行うときは、付加ゲーム情報を加えたゲーム条件でゲームを行わせるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークゲームシステムに関する。
より具体的には、本発明は、パソコンや家庭用のゲーム専用機を通信回線を介してゲームサーバに接続して構成される所謂ネットワークゲームシステムにおいて、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与などを、上記通信回線に接続されている店頭設置型のカード読取り機と、別途販売するこのネットワークゲームシステムに対応したゲームカードとを組み合わせて使用することにより可能とするネットワークゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル通信回線の通信速度の高速化に伴い、通信回線を通じてゲームサーバからゲームプログラムをダウンロードしてゲームを行ったり、離れた場所にいるプレイヤ同士が通信回線を通じてゲームを行うことのできる、所謂ネットワークゲームシステムが普及し、下記特許文献1にも示されるように多くの特許出願がなされている。
【0003】
一般的に、これらのネットワークゲームシステムにおいて、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与などは、そのゲームをパソコンや家庭用のゲーム専用機等の端末機でプレイし、そのプレイ中の操作やプレイヤの判断、決定によって、ゲーム中に反映されるものである。
そのため、ゲーム自体の広がりに限界があり、運営者側にとっても新たな事業展開の可能性に限界があった。
【0004】
【特許文献1】特願2006−017218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、従来のネットワークゲームシステムにゲームカードを取り入れることにより、新たなゲーム性と事業展開の可能性をもたらし得るネットワークゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明では、従来のネットワークゲームシステムに加え、そのネットワークゲームシステムに対応したゲームカードを別途販売し、これを購入したプレイヤが当該ネットワークゲームシステムのネットワークに接続されている店頭設置型等のカード読取り機でこのカードを読み取らせることにより、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与などを行なうことができるように構成するものである。
ゲームカードは単体でもカードゲームを行なうことが可能なようにし、これにより、これまでにない新しいゲーム性を加えることを可能とすることが望ましい。
また、運営者は、ゲームカードの販売を収入源とし、ネットワークゲームシステムでのゲームのプレイ自体は無料とするような運用モデルを採用することも可能となる。
【0007】
具体的には、本発明は、
ゲームサーバと、通信回線網を通じてゲームサーバにアクセスし、相互にネットワークゲームを行い得る多数台のゲーム端末とからなるネットワークゲームシステムにおいて、
求めに応じて、各ゲーム端末のプレイヤに、少なくとも付加ゲーム情報を記録したゲームカードを交付する手段を設け、
プレイヤにより操作されるIDアカウント及びパスワード入力装置と、プレイヤが挿入するゲームカードの受入れ装置と、プレイヤにより挿入されたゲームカードの付加ゲーム情報の読取り装置と、読み取った付加ゲーム情報を解読し、プレイヤが入力したIDアカウント及びパスワードと共に、上記通信回線網を通じてゲームサーバに送信する送信装置と、付加ゲーム情報が読み取られたゲームカードの少なくとも付加ゲーム情報記録部を無効化する無効化装置と、を具備するカード読取り機を、所望の場所に少なくとも1基配置すると共に、
ゲームサーバには、
送信されたIDアカウント及びパスワードの正否判別手段と、
送信されたIDアカウント及びパスワードが正しいと判定されたとき、送信されたゲームカードの付加ゲーム情報を、当該IDアカウントに記録されているゲーム情報に付加、記録する手段と、
以降当該プレイヤからのゲームプロポーズがあったときは、付加ゲーム情報を加えたゲーム条件でゲームを行わせるゲーム提供手段と、
を設けて成ることを特徴とするネットワークゲームシステムである。
【0008】
ゲームカードに対する付加ゲーム情報の記録は、QRコード(2次元コード)により行ったり、RFID(Radio Frequency Identification)技術を利用した情報伝達媒体であるICタグにより行ったりすることが可能であり、その手段は、カードに付着もしくは埋込み可能なものであれば、任意である。
【0009】
カード読取り機に設けられるゲームカードの無効化装置としては、ゲームカードのゲーム情報記録部に穿孔するパンチ装置が好適に利用できる。
付加ゲーム情報記録部が無効化されたゲームカードの他のゲーム情報記録部に記録されたゲーム情報によって、ゲームカード単体でカードゲームを実行可能なように構成することが推奨される。
【0010】
プレイヤにゲームカードを交付する一つの手段としては、ゲームカードの自動販売機を採用することが推奨される。
ゲームカードを販売する場合には、複数枚のゲームカードをパック入りで販売することも推奨される。
また、前記カード読取り機が、上記ゲームカードの自動販売機の機能をも備えるように構成することも推奨される。
【0011】
本発明に係るネットワークゲームシステムにより提供される好適なゲームとしては、ロールプレイングゲームが挙げられる。
その場合の付加ゲーム情報の好適なものとしては、キャラクタのスキルアップ情報や、キャラクタに装備させるアイテム情報が挙げられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、上記の如き構成を有することにより、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与などを、従来の如く、プレイ中の操作やプレイヤの判断、決定のみによって、ゲーム中に反映されるものとは異なり、別途販売されるゲームカードに記録した付加ゲーム情報を、通信回線に接続されている店頭設置型等のカード読取り機に読み取らせることにより実現するものであるから、これまでのネットワークゲームシステムにはない新たなゲーム性を付加し得ると共に、ゲームカードの販売を主要な収入源にしゲームのプレイ料金は無料化するなど、新たな事業展開の可能性をもたらし得るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施例の全体構成を示す説明図、
図2は、本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるゲームサーバの構成の一実施例を示すブロック図、
図3は、本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるゲーム端末の構成の一実施例を示すブロック図、
図4は、本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるカード読取り機の構成の一実施例を示すブロック図、である。
【0014】
図1中、1はゲームサーバ、2−1から2−nは家庭用ゲーム機もしくはパソコン等から成るゲーム端末(そのうちの任意の1つを、以下、「2−x」と表記する。)、3は、上記ゲームサーバ及びゲーム端末を相互に接続するインターネット等の通信回線網、4は上記通信回線網3に接続されたカード読取り機、Cxはゲームカード、5は複数枚のゲームカードをセットにして販売されるカードパックである。
【0015】
本発明に係るネットワークゲームシステムは、通常のネットワークゲームシステムと同様に、ゲームサーバ1と、通信回線網3を通じてゲームサーバ1にアクセスし、相互にネットワークゲームを行い得る多数台のゲーム端末2−1、2−2、2−3、・・・・、2−nとを備えている。
図示した例において、ゲーム端末2−1、2−2は家庭用ゲーム機であり、2−3、・・・・、2−nはパソコンである。ゲームサーバ1と通信回線網3を通じてデータの授受を行い得る通信装置を備えていれば、家庭用ゲーム機もパソコンもゲーム端末として使用することができる。
【0016】
本発明に係るネットワークゲームシステムにおいては、プレイヤが自動販売機等で購入可能なゲームカードCxを用いる点と、当該ゲームカードCxに記録された付加ゲーム情報(例えば、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与のための情報)を読み取り、その読み取った情報をゲームサーバ1に送信するカード読取り機4が設けられている点とが、通常のネットワークゲームシステムとは相違する。
以下、それらの構成について説明する。
【0017】
ゲームカードCxには、少なくとも上記付加ゲーム情報が記録されており、1枚づつでもよいが、通常は、図示する如く、複数枚のゲームカードをセットにしたカードパック5として、プレイヤが利用しやすいコンビニエンスストアやホビーショップ、ゲームセンター等に設置した自動販売機等もしくは店頭で販売されるようになっている。
上記付加ゲーム情報は、ゲームカード上の例えばQRコード501により記録されている。QRコード以外のICタグ等の記録手段を用いるようにしてもよい。
ゲームカードCxの上記付加ゲーム情報を記録したQRコード501の部分以外の記録領域には、付加ゲーム情報以外のカードゲーム用のゲーム情報を記録しておき、後述する如く、QRコード501の部分に孔を明けるなどして付加ゲーム情報を読取り不可能なようにした後も、ゲームカードCxを用いて上記カードゲーム用のゲーム情報により通常のカードゲームをプレイすることができるように構成することが推奨される。
【0018】
カード読取り機4には、図4に示す如く、プレイヤが自分のIDアカウント及びパスワードを入力するための入力装置41(図では「ID&PW入力装置」と略記)と、プレイヤが挿入するゲームカードCxを受入れる装置42と、プレイヤにより挿入されたゲームカードCxの付加ゲーム情報の読取り装置43と、読み取った付加ゲーム情報を解読し、プレイヤが入力したIDアカウント及びパスワードと共に、上記通信回線網3を通じてゲームサーバ1に送信する送信装置44と、付加ゲーム情報が読み取られたゲームカードCxの少なくとも付加ゲーム情報記録部501を無効化する無効化装置45と、が設けられている。
付加ゲーム情報記録部を無効化する無効化装置45としては、例えば図1に示すように、ゲームカードCxの付加ゲーム情報記録部501に孔5010を明けるパンチ装置などが好適に用いられる。
このようなカード読取り機4は、多くのプレイヤが利用することが可能なコンビニエンスストアやホビーショップ、ゲームセンターその他の便利な場所に設置される。多くの場合、カード読取り機4が、前記ゲームカードCxの自動販売機の機能をも兼ね備えていることが、ゲームカードCxを購入して利用するプレイヤにとっては便利である。
【0019】
ゲームサーバ1には、図2に示す如く、カード読取り機4から送信されて来たIDアカウント及びパスワードの正否を判別する手段11と、これが正しいと判定されたとき、送信され来たゲームカードの付加ゲーム情報を、当該IDアカウントに記録されているゲーム情報に付加、記録する手段12と、それ以降に当該プレイヤからのゲームプロポーズがあったときは、付加ゲーム情報を加えたゲーム条件でゲームを行わせるゲーム提供手段13と、が設けられている。
ゲームサーバ1はコンピュータであり、そのハードウェア資源は通常のコンピュータと同様に、キーボードその他の入力装置1a、演算装置(CPU)1b、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置1c、モニタやプリンタ等の出力装置1d、通信回線網3を通じてゲーム端末2−xやカード読取り機4とデータの授受を行う通信装置1e、等々から構成され、記憶装置1cにインストールされたコンピュータプログラムを演算装置1bにより実行することにより、上記正否を判別する手段11、付加記録手段12、ゲーム提供手段13等々が構築されるようになっている。
記憶装置1cには、ゲーム端末にダウンロードすべき各種ゲームプログラムやデータも記録されている。
【0020】
家庭用ゲーム機もしくはパソコン等から成るゲーム端末2−xのハードウェア資源は、図3に示す如く、押しボタンやジョイスティック等のゲーム操作具或いはキーボード等の入力装置2a、演算装置(CPU)2b、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置2c、モニタ等から成る出力装置2d、通信回線網3を通じてゲームサーバ1や他のゲーム端末とデータの授受を行う通信装置2e、等々から構成され、入力装置2aから入力される操作信号に基づき、記憶装置2cにインストールされたゲームプログラムを演算装置2bにより実行することにより、所望のゲームを行い得るようになっている。
【0021】
上記の如き構成を有する本発明のネットワークゲームシステムの作動について、以下、具体的に説明する。
(1)ネットワークゲーム
本発明のシステムで実行されるネットワークゲームは、ゲームサーバ1から家庭用ゲーム機もしくはパソコン等のゲーム端末2−xにダウンロードされたゲームプログラムにより実現されるものであり、プレイヤは通信回線網3によるインターネット経由にて、運営者のゲームサーバ1にプレイヤ登録を行なうことで、運営者の提供するネットワークゲームにエントリーすることができる。
エントリーした場合、プレイヤは、ゲームプログラムにより例えばキャラクタ1人を付与される。この場合は、登録費用として例えば数百円程度が必要となる。
登録が完了すると、付与されたキャラクタが当ネットワークゲームにて使用可能となる。
なお、当ネットワークゲームのプログラムは無料で自由にダウンロード可能とする。
また同時にメールにて、付与されたキャラクタを当ネットワークゲームにて使用可能とするために必要となるパスワードが送られ、ダウンロードして実行したゲームプログラム開始後に表示される入力画面でこれを入力することによって、当ネットワークゲームを管理するゲームサーバ1へ当ネットワークゲームのプログラムがアクセスし、この承認作業を行なうことによって、付与されたキャラクタを使用してのゲームが開始可能となる。
また、後日郵送にて、付与されたキャラクタの肖像や各種基本能力値、そして固有の識別データを文字とQRコードで記述したゲームカードが1枚、プレイヤの元に届けられる。もし、プレイヤがこれを紛失したり、予備が必要な場合には、別途有料で提供可能とする。
【0022】
当ネットワークゲームとしては、例えば、所謂ファンタジー世界を舞台とするロールプレイングゲームが好適であり、キャラクタは戦士や盗賊、魔法使いなどの職業を持ち、武器や魔法、魔法の薬などを装備アイテムとして所有する。
また、各キャラクタは経験値を得ることでスキルアップすることができ、スキルアップを行なうたびに各能力値が上昇する。
【0023】
(2)キャラクタの成長や装備の特性付与
当ネットワークゲームには店頭設置型のカード読取り機4が、インターネットなどの通信回線網3により接続されている。
このカード読取り機4は、ネットワークゲームシステムに対応した前記ゲームカードCx上の付加ゲーム情報記録部501のQRコード等を読み取り、この結果を当ネットワークゲームを管理するゲームサーバ1へ送信する機能を有する。
プレイヤは、まず、運営者から郵送されてきたゲームカード(キャラクタカード)のQRコード等をこのカード読取り機4に読み取らせる。すると、カード読取り機4はデータ読取りモードに移行し、このことはカード読取り機4内の液晶モニタやスピーカなどにより演出効果と共にプレイヤヘ知らされる。
プレイヤは続いて、データ読取りモードに移行したカード読取り機4に対して、先に読み込ませたキャラクタに付与する武器や魔法の薬、魔法、経験値、技能、職業などを表現している自動販売機等で別途購入した、当ネットワークゲームシステムに対応したゲームカードCxのQRコード等を読み取らせる。読み取らせた情報は、その都度演出効果と共にプレイヤに知らされると共に、当ネットワークゲームを管理するゲームサーバ1へ送信し、正しく受信された場合に送信されてくる受信結果を受け取れば、読取り完了の旨が演出効果と共にプレイヤに知らされる。
またゲームサーバ1ヘ送られたデータは、対応するキャラクタのデータヘ反映される。
【0024】
武器や魔法の薬、魔法、経験値、技能、職業などを表現している、キャラクタへの特性付与を目的としたゲームカードCxを、カード読取り機4に読み取らせた後は、ゲームカードCxの当該付加ゲーム情報記録部501に物理的な孔5010を明けることにより、2回以上の読取りを防ぐための処理を行う。
また、読取り時において、この規定位置にこの孔を検知した場合には、2度の読取りは不可能である旨を演出効果と共にプレイヤヘ知らせ、カードをプレイヤヘ返却する。
【0025】
ここで重要なことは、この孔5010を明けるタイミングであり、孔を明けるのは、カードから読み取った付加ゲーム情報をゲームサーバ1へ送信し、正しく受信された場合にゲームサーバ1から送信される受信結果を受け取り、読取り完了の旨を演出効果と共にプレイヤに知らせた直後である。
孔を明ける位置と孔の大きさは、QRコード等を欠損させ読取り不可能とするのに十分な条件を満たすように設定される。
プレイヤは最後に、カード読取り機4に設けられた読取り終了のボタンを押すことで、読取り作業を終了させる。またこれが押されなくても規定時間が経つことで自動的にデータ読取りモードは終了し、待機モードヘ復帰する。
【0026】
(3)ゲームカード
上記のカード読取り機4に読み込ませる対象となるゲームカードCxには、付加ゲーム情報のみならず、カードゲームとして遊ぶことを可能とするに十分な情報も記録されており、孔が明けられることにより、付加ゲーム情報が読取り不可能となったカードも、必要数を集めることで、プレイヤ同士でプレイするカードゲームに利用することができる。
【0027】
以下、上記ネットワークゲームについて補足説明を行う。
プレイヤのA氏はまず、このネットワークゲームのユーザー登録を行なう。
即ち、ゲーム端末2−xの画面上の指示に従って、名前や住所、メールアドレスなどを登録し、これが完了するとキャラクタ作成画面に移行し、ゲームで使用するキャラクタを作成する。
ゲーム運営会社より、上記で作成したキャラクタの情報を、文字と図画、QRコード等で記載したカード(キャラクタカード)がA氏宛に郵送されてくる。
A氏は一般的なネットワークゲームのように、パソコンにて作成したキャラクタを使いゲームを遊ぶことができ、この中でキャラクタはレベルが上がったり、能力値が変化したり、また各種アイテムやゲーム内の通貨を得たりする。
ここまでは一般的なネットワークゲームと基本的には変わりは無い。
【0028】
本発明に係るネットワークゲームシステムにおいては、A氏はコンビニエンスストアやホビーショップ或いはゲームセンターなどで売られている、今回作成したキャラクタを使っているゲームに対応したカードを、パック単位で購入することができる。
パックは、例えば10枚のカードが中身が見えないように封入されており、中身もランダムである。
この購入したカード、及び郵送されてきた作成キャラクタのカードは、一定枚数を集めることでカードゲームとして遊ぶことができ、そのルールは運営会社のホームページなどで公開されている。
カードを販売している店舗の中には、このカードを読み取ることが可能で、尚且つこのネットワークゲームのゲームサーバ1にインターネットなどで接続されたカード読取り機4が設置されており、A氏は購入したカードをこの読取り機に読み取らせることができる。
【0029】
A氏が「攻撃力/+5」のカードを使用する場合、まずカード読取り機4へ「作成キャラクタ」のカードを挿入する。読取り機はこのQRコードより作成キャラクタの情報を取得し、この取得情報をネットワークを介してゲームサーバ1ヘ照会し、現在アクティブなキャラクタであるか否かを確認する。
アクティブであれば、読取り機4はカード読取りモードヘと移行し、作成キャラクタのカードは孔を明けずに排出される。
カード読取りモード中のカード読取り機4の画面には、ゲーム画面で登場するキャラクタが表示されており、これに必要な情報はゲームサーバ1より取得する。
【0030】
ここでA氏は「攻撃力/+5」のカードをカード読取り機4に挿入する。カード読取り機4は、このカードのQRコードより情報を読み取り、この情報をゲームサーバ1ヘ照会する。ゲームサーバはこの情報を内部データと照合し、適合するものが見つかれば、その適合した内容を、これを送ってきたカード読取り機4へと戻す。カード読取り機4はこれを画面に表示し、A氏へ実行するかの是非を問う。
A氏が実行を指示した場合には、その旨をゲームサーバ1ヘ送信し、作成キャラクタの攻撃力を5上昇させ、実行した旨と共に、その様子を演出した映像情報をカード読取り機4へ送り、これを受け取ったカード読取り機4はこの演出を音と映像で再生すると共に、カード読取り機4の内部にある「攻撃力/+5」のカードのQRコードが印刷されている位置501ヘ、パンチ装置などで孔5010を明け、排出する。
QRコード部に孔の明けられたカードは、カード読取り機に対しては使用不可能となるが、カードゲームとして遊ぶことはできる。
【0031】
次にA氏が上記のキャラクタを使用してゲームを開始したときには、カードを読み取らせる前と比較し、攻撃力が+5だけアップされた状態のキャラクタでプレイすることになる。
ゲームプレイによる成長よりも、カードによる成長の方を重視した構成にすることにより、カード販売を収入源とし、ゲームのプレイを無料とする運用モデルも可能となる。
【0032】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、プレイヤが使用するキャラクタに対する成長や装備の特性付与などを、従来の如く、プレイ中の操作やプレイヤの判断、決定のみによって、ゲーム中に反映するものとは異なり、別途販売されるゲームカードに記録した付加ゲーム情報を、通信回線に接続されている店頭設置型等のカード読取り機に読み取らせることにより実現するものであるから、これまでのネットワークゲームシステムにはない新たなゲーム性を付加し得ると共に、ゲームカードの販売を主要な収入源にしゲームのプレイ料金は無料化するなど、新たな事業展開の可能性をもたらし得るものであり、産業上多大の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るネットワークゲームシステムの一実施例の全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるゲームサーバの構成の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるゲーム端末の構成の一実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るネットワークゲームシステムにおけるカード読取り機の構成の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ゲームサーバ
1a 入力装置
1b 演算装置
1c 記憶装置
1d 出力装置
1e 通信装置
11 IDアカウント及びパスワードの正否判別手段
12 付加ゲーム情報の付加、記録手段
13 ゲーム提供手段
2−x ゲーム端末
2a 入力装置
2b 演算装置
2c 記憶装置
2d 出力装置
2e 通信装置
3 通信回線網
4 カード読取り機
41 IDアカウント及びパスワード入力装置
42 ゲームカード受入れ装置
43 読取り装置
44 送信装置
45 無効化装置
5 カードパック
501 付加ゲーム情報記録部
5010 孔
Cx ゲームカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームサーバ(1)と、通信回線網(3)を通じてゲームサーバ(1)にアクセスし、相互にネットワークゲームを行い得る多数台のゲーム端末(2−1、2−2、2−3、・・・・、2−n。以下2−xと表示する。)とからなるネットワークゲームシステムにおいて、
求めに応じて、各ゲーム端末(2−x)のプレイヤに、少なくとも付加ゲーム情報を記録したゲームカード(Cx)を交付する手段を設け、
プレイヤにより操作されるIDアカウント及びパスワード入力装置(41)と、プレイヤが挿入するゲームカード(Cx)の受入れ装置(42)と、プレイヤにより挿入されたゲームカード(Cx)の付加ゲーム情報の読取り装置(43)と、読み取った付加ゲーム情報を解読し、プレイヤが入力したIDアカウント及びパスワードと共に、上記通信回線網(3)を通じてゲームサーバ(1)に送信する送信装置(44)と、付加ゲーム情報が読み取られたゲームカード(Cx)の少なくとも付加ゲーム情報記録部を無効化する無効化装置(45)と、を具備するカード読取り機(4)を、所望の場所に少なくとも1基配置すると共に、
ゲームサーバ(1)には、
送信されたIDアカウント及びパスワードの正否判別手段(11)と、
送信されたIDアカウント及びパスワードが正しいと判定されたとき、送信されたゲームカードの付加ゲーム情報を、当該IDアカウントに記録されているゲーム情報に付加、記録する手段(12)と、
以降当該プレイヤからのゲームプロポーズがあったときは、付加ゲーム情報を加えたゲーム条件でゲームを行わせるゲーム提供手段(13)と、
を設けて成ることを特徴とする上記のネットワークゲームシステム。
【請求項2】
付加ゲーム情報の記録が、QRコードにより行われる、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項3】
付加ゲーム情報の記録が、ICタグにより行われる、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項4】
カード読取り機(4)に設けられるゲームカード(Cx)の無効化装置が、ゲームカード(Cx)の付加ゲーム情報記録部に穿孔するパンチ装置である、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項5】
付加ゲーム情報記録部が無効化されたゲームカード(Cx)の他のゲーム情報記録部に記録されたゲーム情報によって、ゲームカード単体でカードゲームを実行可能なよう構成した、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項6】
ゲームカード(Cx)を交付する手段が、ゲームカードの自動販売機である、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項7】
上記自動販売機が、複数枚のゲームカードをパック入りで販売する、請求項6に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項8】
前記カード読取り機(4)が、上記ゲームカードの自動販売機の機能をも備えた、請求項6又は7に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項9】
ゲームが、ロールプレイングゲームである、請求項1に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項10】
付加ゲーム情報が、キャラクタのスキルアップ情報である、請求項9に記載のネットワークゲームシステム。
【請求項11】
付加ゲーム情報が、キャラクタに装備させるアイテム情報である、請求項9に記載のネットワークゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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