説明

ネットワークシステム、サービス支援システム、サービス支援方法およびプログラム

【課題】中断中のサービスを再開可能な端末に対して、容易にサービスを再開できるサービス再開トリガー情報を送信することができるネットワークシステムを提供する。
【解決手段】コンテクスト収集部11は、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報と、サービスを利用していたユーザのユーザ識別情報を収集する。端末情報管理部13は、端末能力情報をユーザ識別情報と関連付けて保持する。サービス情報管理部14は、サービス要求情報とサービス再開トリガー情報を保持する。通知送信部15は、ユーザ識別情報をもとに、端末情報管理部13から端末能力情報を取得し、サービス識別情報をもとに、サービス情報管理部14からサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システム40を選択し、サービス再開トリガー情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してユーザにサービスを提供するネットワークサービスにおいて、サービスの利便性等を向上させるための補助的な機能を提供するサービス支援システムに関するものであり、特に、ユーザに対してサービスの使用を勧奨するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
サービス提供者がユーザに対してサービスの利用を勧奨するに当たっては、大きく分けて2つの種類がある。1つは、ユーザが当該サービスを最初に利用する前に不特定多数に対して行われるもの、もう1つは、ユーザが当該サービスを利用開始した後に中断した際にサービス再開を促すものである。本発明は、後者に関するものである。
【0003】
後者は、前者と比較して、一度当該サービスを利用したユーザがある程度の興味を持っていることは明らかであり、比較的勧奨効果も高いことが期待される。サービス事業者の観点からは、ユーザの再訪率を上げることにつながる。ユーザの観点からも、あるサービスを利用していて、後で再開することを前提に一時的に中断した後に、サービスを再開することを忘れてしまうことがある。サービス側からサービス利用(継続・再開)を勧奨することにより、ユーザにリマインダを提供し、ユーザ利便性の向上につながる。
【0004】
本発明に関わる後者についての従来技術としては、ユーザ登録時に電子メールアドレス等の連絡先をユーザに登録させ、ユーザのサービス利用状況に応じて登録済み電子メールアドレスにサービス利用を勧奨するメッセージを送信することが一般的である。例えば、非特許文献1のサービスは、一定期間、サービスへのログインが無いと、同サービスの利用が最近ない旨を電子メールでユーザに通知する。また、電子メール本文の中には、システムが当該サービスを再開するための再開方法を識別可能な情報(トリガー情報)が埋め込まれており、ユーザは、そのトリガー情報をシステムに対して指定する(例:表示されたトリガー情報のクリックなど)ことで、簡単にサービスを再開することができる。このようなサービス起動のためのトリガー情報を通知とともに送信することで、通知を受けてからサービス再開までのユーザ操作をできるだけ少なくしている。
【0005】
電子メール以外の通知手段として、Instant Messaging(IM)や携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)などを利用することも考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Facebook”、[online]、[2010年3月30日検索]、インターネット<URL:http://www.facebook.com/>
【非特許文献2】“SIP: Session Initiation Protocol (RFC3261)”, Internet Engineering Task Force (IETF),2002年
【非特許文献3】“SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions(simple)”、[online]、[2010年3月30日検索]、インターネット<URL:http://datatracker.ietf.org/wg/simple/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サービス再開を促す通知とトリガー情報をユーザへ送信するという考え方は、様々なサービスに応用できるものである。しかし、従来技術においては、パソコンのWebブラウザで操作・閲覧するインターネット上のWebサービスなどを前提としており、能力の異なる複数の端末上でより高度な機能を使うサービスを想定すると、課題が存在する。
【0008】
従来技術では、通知を受けた端末でサービスが実行できるかどうかを考慮していない。Webブラウザで実行されるサービスについては、Webブラウザが端末ごとの能力差をある程度吸収するため、これで問題ないが、例えば、特定の形式の動画を配信するサービスで、動画再生ソフトウェアを起動しなければならない場合、必要なソフトウェアがインストールされていない端末においては、トリガー情報を参照したところで、サービスを再開することはできない。
【0009】
さらに、昨今は様々な仕様のパソコンやその他の端末が普及しており、携帯電話にも電子メールなどの通知を受ける手段が搭載されている。このように能力の異なる複数の端末が存在する状況下では、通知を受けた端末でサービスを実行するには、画面のサイズや処理能力が不足していることも考えられる。従来技術では以上のような、端末ごとの能力の差が考慮されていない。
【0010】
また、端末の能力としてはサービスを実行するのに十分であったとしても、ユーザの志向やそのときの状況によっては、通知を受けた端末と異なる端末でサービスを実行したいという希望を持つことも想定される。例えば、携帯電話で通知を受け、携帯電話のWebブラウザでサービスを実行することも可能であるが、そこに表示される映像をより詳細に見たいので自宅のパソコンでサービスを受けたい、と考える可能性がある。そのような場合、受信した通知やトリガー情報はユーザにとっては意味の無いものとなるばかりでなく、ユーザがサービスを受けたいと思う端末へトリガーを転送するなどの手間が発生する。
【0011】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、中断中のサービスを再開可能な端末に対して、容易にサービスを再開できるサービス再開トリガー情報を送信することができるネットワークシステム、サービス支援システム、サービス支援方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のネットワークシステムは、サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムであって、前記サービス支援システムが、前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するコンテクスト収集部と、前記コンテクスト収集部が収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を保持するコンテクスト管理部と、前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて保持する端末情報管理部と、前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を保持するサービス情報管理部と、前記コンテクスト管理部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記端末情報管理部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記サービス情報管理部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信する通知送信部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明のネットワークシステムは、前記サービス支援システムが、
ユーザの選好を表すプリファレンス情報を管理するプリファレンス情報管理部を更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プリファレンス情報とに基づいて端末システムを選択することが好ましい。
【0014】
また、本発明のネットワークシステムは、前記サービス支援システムが、ユーザの状況を表すプレゼンス情報を取得し管理するプレゼンス情報管理部を更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プレゼンス情報とに基づいて端末システムを選択することが好ましい。
【0015】
さらに、本発明のネットワークシステムは、前記サービス支援システムが、前記サービス提供システムが端末システムに対して送信する情報を変換するトランスコード部と、前記トランスコード部が変換可能なサービス要求情報と端末能力情報の対であるトランスコード情報を保持するトランスコード情報管理部とを更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報を満たす端末能力を有する端末システムに加え、当該サービス要求情報に当該トランスコード情報を適用して得られるトランスコード済みサービス要求情報に該当する端末能力を有する端末システムを選択することが好ましい。
【0016】
また、本発明のサービス支援システムは、サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムにおけるサービス支援システムであって、前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するコンテクスト収集部と、前記コンテクスト収集部が収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を保持するコンテクスト管理部と、前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて保持する端末情報管理部と、前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を保持するサービス情報管理部と、前記コンテクスト管理部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記端末情報管理部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記サービス情報管理部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信する通知送信部と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明のサービス支援システムは、ユーザの選好を表すプリファレンス情報を管理するプリファレンス情報管理部を更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プリファレンス情報とに基づいて端末システムを選択することが好ましい。
【0018】
また、本発明のサービス支援システムは、ユーザの状況を表すプレゼンス情報を取得し管理するプレゼンス情報管理部を更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プレゼンス情報とに基づいて端末システムを選択することが好ましい。
【0019】
さらに、本発明のサービス支援システムは、前記サービス提供システムが端末システムに対して送信する情報を変換するトランスコード部と、前記トランスコード部が変換可能なサービス要求情報と端末能力情報の対であるトランスコード情報を保持するトランスコード情報管理部とを更に備え、前記通知送信部が、前記サービス要求情報を満たす端末能力を有する端末システムに加え、当該サービス要求情報に当該トランスコード情報を適用して得られるトランスコード済みサービス要求情報に該当する端末能力を有する端末システムを選択することが好ましい。
【0020】
また、本発明のサービス支援方法は、サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムのサービス支援方法であって、前記サービス支援システムの処理手順が、前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するステップと、収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を記憶部に保持するステップと、前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に保持するステップと、前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を前記記憶部に保持するステップと、前記記憶部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記記憶部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記記憶部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムのサービス支援システムとして構成するコンピュータに、前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するステップと、収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を記憶部に保持するステップと、前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に保持するステップと、前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を前記記憶部に保持するステップと、前記記憶部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記記憶部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記記憶部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信するステップとを実行させるためのプログラムとしての特徴を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、中断中のサービスを再開可能な端末に対して、容易にサービスを再開できるサービス再開トリガー情報を送信することが可能となる。これにより、サービス再開ができない端末にサービス再開トリガー情報を送信することを避けることができ、ユーザがサービス再開に至るまでの障壁を低くすることができる。これらにより、ユーザのサービス利用再開を促進できると期待される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るネットワークシステムの構成を示す図である。本発明のネットワークシステムは、サービス支援システム10と、サービス提供システム20と、端末システム40からなり、サービス支援システム10は、コンテクスト収集部11と、コンテクスト管理部12と、端末情報管理部13と、サービス情報管理部14と、通知送信部15を備える。
【0025】
サービス提供システム20が、通信システム30を介して端末システム40に対してサービスを提供している状況において、端末システム40を使用しているユーザ50の操作、サービス提供システム20における処理の結果、または、システムの障害などによってサービスが中断されており、ユーザ50に対してサービス再開を促す通知を送信する状況を想定する。
【0026】
コンテクスト収集部11は、サービス中断を検知し、サービス提供システム20、通信システム30、および、端末システム40の一部または全部より、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザ50を識別するユーザ識別情報を収集し、それらを含むコンテクスト情報をコンテクスト管理部12に送信する。
コンテクスト管理部12は、コンテクスト情報を保持し、通知送信部15に対してコンテクスト情報を送信する。
端末情報管理部13は、本発明によるサービス再開通知をユーザが受信できる端末システム40の保有する能力に関する端末能力情報を、ユーザ識別情報と関連付けて保持する。
サービス情報管理部14は、サービスの実行のために端末システム40に要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を保持する。
通知送信部15は、コンテクスト管理部12からコンテクスト情報を取得する。コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、端末情報管理部13より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システム40ごとに端末能力情報を取得する。また、コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報をサービス情報管理部14より取得する。取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システム40を選択し、選択した端末システム40に対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信する。
【0027】
上記の構成に基づくサービス支援システム10によって、サービスを再開できる端末システム40へ選択的に、ユーザに対してサービス再開を促す通知とサービスを再開するトリガー情報を送ることができる。
【0028】
次に、図1を用いて第1の実施例に係るサービス支援システムの動作を説明する。
サービス提供システム(S)20が、通信システム30および端末システム(A)40を介してユーザ(X)50に映像配信サービスを提供している状況を想定する。サービス提供システム(S)20には、表1に示すような、サービスの実行に必要な情報が保持されていると考えられる。
【0029】
【表1】

【0030】
この状態で、ユーザ(X)50の操作により映像配信サービスが中断されると、サービス提供システム(S)20は、表1の情報のうち、中断されたサービスに該当する提供中サービスID1のサービス種別およびユーザIDを、本発明のサービス支援システム10のコンテクスト収集部11に通知する。
【0031】
コンテクスト収集部11は、サービス提供システム(S)20から受信したサービス種別をサービス識別情報として、ユーザIDをユーザ識別情報として、それぞれコンテクスト管理部12へ送信する。このときコンテクスト管理部12に送信され、保持される情報を、コンテクスト情報と呼び、その例を表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
なお、第1の実施例では、表1に示す配信映像の再生位置を、表2に示すようにサービス状態情報としてコンテクスト情報に含めており、サービスの実行状態を復元した上でサービスを再開する例となっている。
また、第1の実施例では、定期的にユーザへの通知が送信される例となっているため、コンテクスト情報の中に、コンテクスト管理部12へ当該コンテクスト情報が送信された時刻である登録時刻と前回通知時刻を含んでいる。
また、第1の実施例では、サービス識別情報には、サービス提供システム(S)20をサービス支援システム10内で一意に識別するIDと、中断したサービスをサービス提供システム(S)20内で一意に識別するIDが含まれている。これは、サービス支援システム10は、複数のサービス提供システムから利用されることが想定されるためである。同様の理由から、サービス提供システムが使用するユーザIDも、サービス提供システム間で異なることもあり得る。第1の実施例では、サービス提供システム(S)20におけるユーザIDと、コンテクスト管理部12が保持するユーザ識別情報が一致しているが、各サービス提供システムにおけるユーザIDと、サービス支援システムが内部で用いるユーザ識別情報の変換を行う機能が必要となる場合もある。
【0034】
通知送信部15は、コンテクスト管理部12より、表2に示すコンテクスト情報の一覧を取得する。次に、通知送信部15は、各コンテクスト情報に記載のユーザ識別情報をキーにして、当該ユーザへの通知に使用できる端末システム40を端末情報管理部13に問い合わせる。端末情報管理部13が保持する端末システム40の情報の例を表3に示す。
【0035】
【表3】

【0036】
表2には、ユーザ識別情報「user_X」が記載されており、表3のユーザ識別情報の欄から「user_X」に該当する端末システムを調べると、上から3行が該当するので、これら端末システム(A)、端末システム(B)、および端末システム(C)が、user_Xへの通知先候補端末システムとして抽出される。
【0037】
次に、通知送信部15は、コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報をキーにして、サービス提供の際に端末システム40に必要とされる機能が記述されたサービス要求情報を検索する。表4に、サービス情報管理部14が保持するサービス要求情報の例を示す。
【0038】
【表4】

【0039】
表2のコンテクスト情報からサービス識別情報「サービス提供システムS:映画_1」が得られ、これに相当するサービス要求情報は、表4の1行目および2行目に記載されている。
【0040】
このようにして得られた端末能力情報とサービス要求情報を照らし合わせると、端末システム(A)40が2種類のサービス要求情報の両方に適合し、端末システム(B)40が2行目に記載の「flv、1Mbps」に適合することが分かる。
以上の処理により、通知送信部15は、端末システム(A)40および端末システム(B)40を、サービス再開が可能な端末システムとして選択することができる。
【0041】
これら2種類の端末システムのうち、いずれか、または、両方に通知を送信することが可能であるが、第1の実施例では、端末システム(B)40が選択されたものとする。端末システム(B)40に対して通知を送信する方法の例としては、表3に示すように各端末ごとに宛先のリストが保持されていることが考えられる。
【0042】
表3には、端末システム(B)40の宛先が、「im:userX@192.168.1.2」となっていることから、IPアドレス192.168.1.2の端末システムの、IM(Instant Messaging)サービス用ポートに、user_Xに対するメッセージとして通知内容を送信することとなる。
【0043】
このようにして通知の送信先を決定するとともに、通知送信部15は、送信する通知内容を決定する必要がある。通知内容には、通知送信先となった端末システムによって解釈され、端末システムがサービス再開処理を行うのに必要なサービス再開トリガー情報が含まれる。表4によると、端末システム(B)40に適合すると判断されたサービス要求情報「flv、1Mbps」に対応するサービス再開トリガー情報は、「http://www.service_s.co.jp/movie_1.flv」となっている。
【0044】
このように得られたサービス再開トリガー情報を、そのまま通知内容に含めることも考えられるが、第1の実施例では、先に述べたように、表2のサービス状態情報も併せて送信する。表2に記載のコンテクスト情報に、サービス状態情報が「第1234フレーム」と記載されており、この1234という数値を、サービス再開トリガー情報の末尾に付加して送信するなどの方法が考えられる。例えば「http://www.service_s.co.jp/movie_1.flv?offset=1234」などの形である。これにより、サービスを中断時の状態に復元した上でサービス再開するために必要な、サービス状態情報を通知内容に含めることができる。
また、通知内容には、ユーザに読まれることを想定して自然言語で記述された、サービス再開を促す文章を含むことができる。第1の実施例では、当該文章については省略している。
【0045】
通知送信部15が、通知を送信するタイミングは様々なものが考えられるが、第1の実施例では、定期的な送信を想定している。表2に示すコンテクスト情報に記載されている、前回通知時刻、または、初回の通知の場合は登録時刻を起点として、現在時刻までの経過時間が所定の通知間隔を超えた際に、当該コンテクスト情報に関する通知の送信を試みる等の方法で、定期的な送信が可能である。定期的な通知の他に、サービス提供システム20からの要求があったときに行う通知や、ユーザ40が端末システム40を起動したとき、あるいは、端末システム40におけるユーザ状態(例:ログイン状態、プレゼンス)が変化したときに行う通知などがあり得る。
【0046】
以上が、本発明の第1の実施例に係るサービス支援システムの各構成部の動作であるが、サービス支援システムと連携して動作する端末システムの実施例を以下に示す。宛先となった端末システム(B)40は、通知送信部15から「http://www.service_s.co.jp/movie_1.flv?offset=1234」というメッセージを受信する。端末システム(B)40のIM(Instant Messaging)ソフトウェアによってメッセージ部分がURI(Uniform Resource Identifier)と認識され、クリック可能なリンクとしてIMソフトウェアの表示画面上に表示される。通常、このようなURIをクリックすると、ウェブブラウザソフトを介して適切な動画再生ソフトが起動されるようになっており、ユーザ50は、このリンクをクリックすることによって少ない手順で、一度停止したサービスを再開することができる。また、サービス状態情報が埋め込まれた「offset=1234」の部分が、サービス提供システム20で解釈されることにより、中断時の再生位置から再生を再開することが可能であり、ユーザ(X)50が既に視聴したところまで早送りをするなどの、サービス再開における煩雑さを解消できる。
【0047】
次に、本実施例における、サービス支援システムが保持している情報の入手方法としては、サービス情報管理部14が保持する表4に示すテーブルについては、頻繁に変化しない静的情報であるため、サービス提供システム20の運用者から情報を入手して手作業でシステムに登録する方法が想定される。
一方、端末情報管理部13が保持する表3の情報については、端末システムが起動されているか否か等の状況により、動的に変化する。例えば、非特許文献2記載のSIP(Session Initiation Protocol)等の、端末システムがサーバに対して自身の状態を登録できる仕組みを併用することで、端末起動状況等を、表3に示すテーブルにリアルタイムに反映させることができる。
【0048】
コンテクスト収集部11は、本実施例ではサービス提供システム20のみからコンテクスト情報の元となるユーザID等の情報を収集しているが、通信システム30から収集する場合、たとえば、サービス提供システム20と端末システム40の通信を仲介するルーター装置が把握するフロー情報、サービス提供システム20と端末システム40の間の通信セッションの開始を他の通信機器に指示するSIPサーバ等が把握するセッション情報を収集することが考えられる。フロー情報、セッション情報ともに、サービス提供システム20と端末システム40のアドレスを含み得るため、これらアドレス情報とサービス提供システム20および端末システム40との関連付けをサービス支援システム10で保持しておくことで、どの端末システムがサービスを受けているかを把握することができる。端末システム40からのコンテクスト情報収集については、端末システム40上でサービスを実行しているクライアントソフトウェアの内部状態を収集するなどが考えられる。
【0049】
なお、本発明が対象とするサービスの中断とは、本実施例で示した一連の情報転送の中断等の、1つのセッションやトランザクションの中断のみではなく、サービスを提供するサービス提供者が期待するユーザ行動の、一方向または分岐して起こる系列における、時間的な停滞一般を指す。たとえば、あるサービスにユーザが登録した後に、利用が無い場合や、ショッピングサイトにおいて「ショッピングカート」に商品を登録した後に購入行動に結びついていない場合なども含む。
【0050】
図2は、本発明の第2の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。図2に示すサービス支援システム60は、どのような端末システムでサービスを再開したいかに関するユーザの選好を表すプリファレンス情報を管理するプリファレンス情報管理部16を有し、通知送信部15における端末システムの選択基準にプリファレンス情報を加えることで、従来技術における、どの端末システムでサービスを受けるかに関するユーザの志向を反映できないという課題を解決するものである。
【0051】
ここでは、図1に示す第1の実施例との差分のみを説明する。
プリファレンス情報管理部16は、ユーザ50のプリファレンス情報を保持する。プリファレンス情報管理部16が保持する情報の例を表5に示す。
【0052】
【表5】

【0053】
通知送信部15は、図1に示す第1の実施例と同様、端末情報管理部13、サービス情報管理部14からの情報を用いて、サービス提供可能な端末システムを選ぶ。その結果として、前述の実施例と同様に、端末システム(A)40と端末システム(B)40が選ばれている状況を仮定する。
通知送信部15は、プリファレンス情報管理部16より、通知を送る対象となる、サービス識別情報が「サービス提供システムS:映画_1」であるサービスについて、プリファレンス情報管理部16より、ユーザ(X)50のプリファレンス情報を取得する。表5によると、コンテンツが高品質で提供されることを希望していることが分かる。第1の実施例で述べたように、表3と表4から、端末システム(A)40に対してサービス再開する際にはビットレート8Mbpsが、端末システム(B)40に対しては1Mbpsが選択されることとなるため、この場合は端末システム(A)40が選択されることとなる。
このように、図2に示すサービス支援システム60により、ユーザの希望を反映した端末システムでサービスを再開することが可能となる。
【0054】
なお、プリファレンス情報管理部16がプリファレンス情報を入手する手段としてはいくつかの例が考えられる。まず1つは、サービス加入当初にサービス提供システム20へユーザ個人のプリファレンス情報がユーザ本人により登録されており、プリファレンス情報管理部16が当該プリファレンス情報を収集することが考えられる。または、ユーザがサービスを中断する際に、プリファレンス情報を指定した上で中断し、そのプリファレンス情報が、サービス提供システム20または端末システム40を介してプリファレンス情報管理部16に送信されることが考えられる。あるいは、一度、通知を送信した時に、プリファレンス情報を登録するためのトリガー情報を通知内容に含めておき、そのトリガー情報を使ってユーザがプリファレンス情報をプリファレンス情報管理部16に登録するという実施例も考えられる。
【0055】
図3は、本発明の第3の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。図3に示すサービス支援システム70は、端末システム40におけるユーザ50の状況を表すプレゼンス情報を取得し管理するプレゼンス情報管理部17を有することを特徴とし、通知送信部15は、サービス要求情報と、端末能力情報と、プレゼンス情報管理部17により提供されるユーザ50のプレゼンス情報に基づき、ユーザ50が通知を受信するのにより適当と予測される端末システム40を選択することを特徴とするものである。
【0056】
ここでは、図1に示す第1の実施例との差分のみを説明する。
プレゼンス情報管理部17は、非特許文献3に記載の方法等により、各端末システム40からユーザ50のプレゼンス情報を収集する。収集した結果としてプレゼンス情報管理部17が保持する情報の例を表6に示す。
【0057】
【表6】

【0058】
通知送信部15は、図1に示す第1の実施例と同様、端末情報管理部13、サービス情報管理部14からの情報を用いて、サービス提供可能な端末システムを選ぶ。その結果として、前述の実施例と同様に、端末システム(A)40と端末システム(B)40が選ばれている状況を仮定する。
通知送信部15は、プレゼンス情報管理部17より、端末システム(A)40と端末システム(B)40におけるユーザ50のプレゼンス情報を取得する。表6によると、端末システム(A)40は「離席中」、端末システム(B)40は「連絡可能」とあり、端末システム(B)40に通知を送信することが適当であると予測される。これらの結果、端末システム(B)40が通知送信先として選択される。これ以降の処理は、前述の実施例と同様である。
【0059】
図4は、本発明の第4の実施例に係るサービス支援システムの構成を示す図である。図4に示すサービス支援システム80は、サービス提供システム20が端末システムに対して送信する情報を変換し、当該サービスを実行するために必要となる能力が不足している端末システムにおいても当該サービスの実行を可能とするトランスコード部19と、トランスコード部19が変換可能なサービス要求情報と端末能力情報の対であるトランスコード情報を保持し通知送信部15に送信するトランスコード情報管理部18を有することを特徴とし、通知送信部15は、通知送信先端末システムの選択に当たり、サービス情報管理部14より取得したサービス要求情報を満たす端末能力を有する端末システムに加え、当該サービス要求情報に当該トランスコード情報を適用して得られるトランスコード済みサービス要求情報に該当する端末能力を有する端末システムを選択することを特徴とするものである。
【0060】
ここでは、図1に示す第1の実施例との差分のみを説明する。
なお、本実施例では、端末情報管理部13は表7の情報を保持し、サービス情報管理部14は表8の情報を保持する。
【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
通知送信部15が表2のコンテクスト情報に記載の中断中サービスに必要なサービス要求情報を表8から取得し、それに該当する端末能力を有するユーザ(X)50の端末システムを表7から検索すると、該当する端末システムは存在しない、という結果が得られる。
ここで、トランスコード情報管理部18が保持する表9のトランスコード情報を参照すると、トランスコーダ識別情報が1であるトランスコード部19を利用すると、サービス要求情報に含まれるファイルタイプ「wmv」を端末システム(B)40がサポートする「flv」へ変換し、ビットレートも端末システム(B)40の性能限界である「2Mbps」以下に変換できることが分かる。この結果、トランスコード部19を利用すれば端末システム(B)40でサービス再開が可能であることが分かる。
【0064】
【表9】

【0065】
これらの結果より、通知送信部15が端末システム(B)40へ通知を送信する。通知内容は、トランスコード部19が仲介する必要があるため、トランスコード部19を利用するためのURIが「http://transcode.sss.co.jp/?id=トランスコーダ識別情報&ft=ファイルタイプ&br=ビットレート&sp=サービス提供システムの元のURI」という形式であるとすると、通知内容は「http://transcode.sss.co.jp/?id=1&ft=wmv&br=2Mbps&sp= http://www.service_s.co.jp/movie_1.flv?offset=1234」となる。これを受信した端末システム(B)40は、同様にユーザ50のクリックを契機とし、URI冒頭に示されたトランスコード部19にアクセスする。トランスコード部19は、URIの「?」移行を解釈し、適切なトランスコード部19を実行するとともに、サービス提供システム20から情報を取得し、変換したうえで端末システム(B)40へ送信する。
【0066】
なお、上述のように、第2〜4の実施例を個別に説明したが、本発明は、第2〜4の実施例のそれぞれを2つ以上組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0067】
10、60、70、80 サービス支援システム
11 コンテクスト収集部
12 コンテクスト管理部
13 端末情報管理部
14 サービス情報管理部
15 通知送信部
16 プリファレンス情報管理部
17 プレゼンス情報管理部
18 トランスコード情報管理部
19 トランスコード部
20 サービス提供システム
30 通信システム
40 端末システム
50 ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムであって、
前記サービス支援システムは、
前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するコンテクスト収集部と、
前記コンテクスト収集部が収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を保持するコンテクスト管理部と、
前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて保持する端末情報管理部と、
前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を保持するサービス情報管理部と、
前記コンテクスト管理部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記端末情報管理部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記サービス情報管理部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信する通知送信部と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムにおいて、
前記サービス支援システムは、
ユーザの選好を表すプリファレンス情報を管理するプリファレンス情報管理部を更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プリファレンス情報とに基づいて端末システムを選択することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のネットワークシステムにおいて、
前記サービス支援システムは、
ユーザの状況を表すプレゼンス情報を取得し管理するプレゼンス情報管理部を更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プレゼンス情報とに基づいて端末システムを選択することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のネットワークシステムにおいて、
前記サービス支援システムは、
前記サービス提供システムが端末システムに対して送信する情報を変換するトランスコード部と、
前記トランスコード部が変換可能なサービス要求情報と端末能力情報の対であるトランスコード情報を保持するトランスコード情報管理部とを更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報を満たす端末能力を有する端末システムに加え、当該サービス要求情報に当該トランスコード情報を適用して得られるトランスコード済みサービス要求情報に該当する端末能力を有する端末システムを選択することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項5】
サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムにおけるサービス支援システムであって、
前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するコンテクスト収集部と、
前記コンテクスト収集部が収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を保持するコンテクスト管理部と、
前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて保持する端末情報管理部と、
前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を保持するサービス情報管理部と、
前記コンテクスト管理部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記端末情報管理部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記サービス情報管理部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信する通知送信部と、
を備えることを特徴とするサービス支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載のサービス支援システムにおいて、
ユーザの選好を表すプリファレンス情報を管理するプリファレンス情報管理部を更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プリファレンス情報とに基づいて端末システムを選択することを特徴とするサービス支援システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のサービス支援システムにおいて、
ユーザの状況を表すプレゼンス情報を取得し管理するプレゼンス情報管理部を更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報と前記端末能力情報と前記プレゼンス情報とに基づいて端末システムを選択することを特徴とするサービス支援システム。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載のサービス支援システムにおいて、
前記サービス提供システムが端末システムに対して送信する情報を変換するトランスコード部と、
前記トランスコード部が変換可能なサービス要求情報と端末能力情報の対であるトランスコード情報を保持するトランスコード情報管理部とを更に備え、
前記通知送信部は、前記サービス要求情報を満たす端末能力を有する端末システムに加え、当該サービス要求情報に当該トランスコード情報を適用して得られるトランスコード済みサービス要求情報に該当する端末能力を有する端末システムを選択することを特徴とするサービス支援システム。
【請求項9】
サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムのサービス支援方法であって、
前記サービス支援システムの処理手順は、
前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するステップと、
収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を記憶部に保持するステップと、
前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に保持するステップと、
前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を前記記憶部に保持するステップと、
前記記憶部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記記憶部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記記憶部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信するステップと、
を含むことを特徴とするサービス支援方法。
【請求項10】
サービスを利用する1以上の端末システムと、前記サービスを提供する1以上のサービス提供システムと、前記サービスを支援するサービス支援システムとがネットワークを介して接続されるネットワークシステムのサービス支援システムとして構成するコンピュータに、
前記サービス提供システムが提供するサービスの中断を検知し、中断されたサービス種別を識別するサービス識別情報、および、中断されたサービスを利用していたユーザを識別するユーザ識別情報を収集するステップと、
収集した前記サービス識別情報と前記ユーザ識別情報を含むコンテクスト情報を記憶部に保持するステップと、
前記端末システムの保有する能力に関する端末能力情報を、前記ユーザ識別情報と関連付けて前記記憶部に保持するステップと、
前記サービス提供システムが提供するサービスの実行のために前記端末システムに要求される能力を記述したサービス要求情報と、中断されたサービスを再開する手続きが記載されたサービス再開トリガー情報を前記記憶部に保持するステップと、
前記記憶部から前記コンテクスト情報を取得し、該コンテクスト情報に記載されているユーザ識別情報をもとに、前記記憶部より、当該ユーザへの通知送信の候補となる端末システムごとに端末能力情報を取得し、前記コンテクスト情報に記載されているサービス識別情報に該当するサービスについてのサービス要求情報とサービス再開トリガー情報を前記記憶部より取得し、取得したサービス要求情報と端末能力情報を比較し、サービスを実行するために必要な能力を有する端末システムを選択し、選択した端末システムに対して所与の通信手段によって、サービス再開トリガー情報を送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−258111(P2011−258111A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133892(P2010−133892)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】