ネットワークシステム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置用プログラム

【課題】配信システム全体に係る例えば管理サーバを用いることなく、且つP2Pネットワークに参加している各ノードにおける監視負担を分散しながら各ノード間の相互監視を行うことが可能なネットワークシステム等を提供する。
【解決手段】配信システムに参加している複数のノード相互間において、一の当該ノードたる被監視ノードBMの稼働状態を、他の当該ノードたる複数の監視ノードW1乃至W3により監視する。この監視ノードW1乃至W3を選択するに当たっては分散ハッシュテーブルを用いてノード空間内において均等に選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ネットワークシステム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理装置用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、複数の情報処理装置がいわゆるP2P(Pear-to-Pear)ネットワークを介して接続されてなるネットワークシステム及び当該ネットワークシステムに含まれる情報処理装置等の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるブロードバンド回線の普及により、VOD(ビデオオンデマンド)やインターネットテレビジョン等のコンテンツ配信サービスが普及しつつある。
【0003】
ここで、現在のコンテンツ配信サービスにおける配信形態の主流となっているサーバクライアント方式に代わる新しい形態として、上記P2Pネットワークを用いたツリー型やグリッド型のネットワークが注目されている。当該P2Pネットワークでは、それに参加してデータの配信を受ける全端末装置が、例えばインターネット等のネットワークを介して接続されている。このとき、これらの端末装置は、具体的には、例えば各家庭内に備えられ上記ネットワークに接続されたセットトップボックス又はパーソナルコンピュータ等により実現されるものである。以下、当該端末装置を、単に「ノード」と称する。
【0004】
そして、P2Pネットワークでは当該ノード各々内に備えられている処理部や記憶部の全部又は一部をネットワーク全体に対して提供し、配信対象のコンテンツデータの蓄積/検索や送受信により発生する負荷を全てのノード間で分担して負担する構成となっている。このような構成により、P2Pネットワークは従来からの上記サーバクライアント方式の欠点である、配信元たるサーバへの各ノードからのアクセス集中や、サーバ等の高い管理コスト等を解消することが可能となるのである。なお、当該P2Pネットワークを用いたグリッド型のネットワークに関する従来技術としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが挙げられる。
【0005】
このような特長があるP2Pネットワークではあるが、上述の如くコンテンツデータの蓄積を分担するノード自体が例えばセットトップボックス等により実現されるものであることから、これらのノードにおいて例えば電源のオフ操作やネットワークに対する接続異常等の事態が発生する可能性が十分に考えられる。そして、このような事態が発生した場合には、そのノードが蓄積を分担しているコンテンツデータのP2Pネットワーク内への配信が停止してしまうと言う問題が生じることになる。
【0006】
そこで、このような問題の発生を抑制するための一方法として、P2Pネットワークに参加している各ノード間で相互に夫々の稼働状態を監視する方法が考えられる。そして、当該相互監視下においていずれかのノードにおいて例えば電源オフやネットワークに対する接続障害等の障害が発生した場合、当該障害が発生したノードを監視している他のノードが当該障害を補完する動作を行うのが好適である。
【特許文献1】特開2006−197400公報(第1図乃至第5図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した相互監視の仕組みを考えるとき、一ノード当たりの監視数(即ち、一のノードが稼働状態を監視している他のノードの数)が、ノード毎に偏る可能性が生じる。そしてこのような偏りが生じると、上述したP2Pネットワークとしての特徴である負荷分散の思想が没却されてしまうこととなる。
【0008】
そこで、本願は上記の各点に鑑みて為されたもので、その目的の一例は、P2Pネットワーク全体に係る例えば管理サーバを用いることなく、且つP2Pネットワークに参加している各ノードにおける監視負担を分散しながら各ノード間の相互監視を行うことが可能なネットワークシステム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、他の情報処理装置から識別するための識別情報を記憶する複数の情報処理装置がネットワークを介して相互に接続されてなるネットワークシステムにおいて、一の前記情報処理装置である被監視装置は、前記情報処理装置を識別する前記識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて、予め設定された数分の前記識別情報を選択する制御部等の選択手段と、各前記選択された識別情報の前記情報処理装置を宛先として、前記被監視装置の稼働状態の監視を依頼する監視依頼メッセージを送信する通信部等の被監視装置送信手段と、前記監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置から監視メッセージが送信されて来たとき、前記稼働状態を示す返答メッセージを当該監視メッセージの送信元の前記情報処理装置に対して送信する通信部等の返答メッセージ送信手段と、を備え、前記送信された各監視依頼メッセージの前記ネットワークシステムにおける最終到達先たる前記情報処理装置は、前記送信された監視依頼メッセージを受信する通信部等の受信手段と、前記受信された監視依頼メッセージの内容に基づいて、予め設定されたタイミングにおいて前記稼働状態を監視するための一の前記監視メッセージを前記被監視装置に送信する通信部等の送信手段と、前記送信した監視メッセージに対応する前記返答メッセージが前記被監視装置から送信されて来なくなったとき、前記稼働状態に異常が発生したと判定する制御部等の判定手段と、を備える。
【0010】
よって、情報処理装置を識別する識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて予め設定された数分の識別情報を選択し、その選択された識別情報の情報処理装置を宛先として監視依頼メッセージを送信し、当該監視依頼メッセージの最終到達先となった情報処理装置に被監視装置の監視を開始させるので、情報処理装置が監視装置として監視を担当する被監視装置の数が偏ることを防止できる。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のネットワークシステムに含まれる前記被監視装置たる情報処理装置において、前記識別情報は、前記情報処理装置毎に固有の固有情報を分散ハッシュ関数を用いて変換して得られた識別情報であり、前記選択手段は、相互に同数の識別情報を含むように区分された識別情報群について、前記被監視装置が属する当該識別情報群を除く他の前記識別情報群から、前記被監視装置自体を識別する前記識別情報に基づき、一つの前記識別情報を前記識別情報の値の順に従って選択する前記選択方法を、前記識別情報の選択に当たって用いるように構成される。
【0012】
よって、識別情報が、情報処理装置毎に固有の固有情報を分散ハッシュ関数を用いて変換して得られた識別情報であり、更に、相互に同数の識別情報を含むように区分された識別情報群について、被監視装置が属する識別情報群を除く他の情報処理装置群のから、被監視装置自体を識別する識別情報に基づき、一つの識別情報を識別情報の値の順に従って選択する選択方法を識別情報の選択に当たって用いるので、監視装置たる情報処理装置が各識別情報群について一つ選択されることになり、結果として各監視装置が担当する被監視装置の数をネットワークシステム全体として効果的に平滑化することができる。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記被監視装置送信手段は、前記監視装置から前記監視メッセージが送信されて来なくなったとき、当該監視メッセージを送信して来なくなった前記監視装置が受信した前記監視依頼メッセージにおける前記宛先を宛先として前記監視依頼メッセージを再送するように構成される。
【0014】
よって、監視装置から監視メッセージが送信されて来なくなったとき、当該監視メッセージを送信して来なくなった監視装置が受信した監視依頼メッセージにおける宛先を宛先として監視依頼メッセージを再送するので、監視装置において何らかの異常が発生した可能性がある場合に監視依頼メッセージを再送することで、新たな情報処理装置を監視装置とすることができる。
【0015】
従って、被監視装置を監視する監視装置のいずれかにおいて異常が発生しても、他の情報処理装置を代替の監視装置とすることで、一の被監視装置を監視する監視装置の数を維持することができる。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の情報処理装置から送信された前記監視依頼メッセージの宛先たる前記情報処理装置の前記識別情報とは異なる前記識別情報の前記情報処理装置であり且つ前記送信された監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置であって、夫々の前記識別情報の値の順に従って各前記情報処理装置を仮想的に一列且つ円状に並べて構成される識別情報空間において、各前記情報処理装置間の当該識別情報空間上の距離を算出する制御部等の距離算出手段と、前記算出された距離を比較する制御部等の距離比較手段と、前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置に、当該受信した監視依頼メッセージを転送する通信部等の転送手段と、前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置が前記ネットワークシステム内に存在しないとき、当該監視依頼メッセージを受信している前記情報処理装置自体を前記監視装置として機能させる制御部等の監視機能設定手段と、を備え、前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置は、当該受信した監視依頼メッセージの前記宛先たる前記情報処理装置との間の前記距離が、当該監視依頼メッセージを受信している前記情報処理装置よりも短い他の前記情報処理装置であるように構成される。
【0017】
よって、受信した監視依頼メッセージの転送先たる情報処理装置がネットワークシステム内に存在しないとき、当該監視依頼メッセージを転送すべき識別情報に対して直近の他の識別情報の情報処理装置が監視装置となるので、監視依頼メッセージの宛先たる情報処理装置(すなわち監視装置)がネットワークシステム内に存在しない場合でも、他の識別情報により識別される情報処理装置が監視装置として機能することとなり、監視装置の数を確保することができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のネットワークシステムに含まれる前記被監視装置たる情報処理装置において、前記選択手段は、前記識別情報を乱数的に選択する選択方法を用いるように構成される。
【0019】
よって、識別情報を乱数的に選択する選択方法を用いるので、乱数的に情報処理装置が監視装置となり、各監視装置が担当する被監視装置の数をネットワークシステム全体として効果的に平滑化することができる。
【0020】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記ネットワークを介して他の前記情報処理装置に対して配信される配信情報を記憶する記憶部等の配信情報記憶手段を更に備える。
【0021】
よって、被監視装置が配信情報記憶手段を備える情報処理装置であるので、ネットワークシステム内に配信されるべき配信情報を記憶する被監視装置に異常が発生したことを、監視装置を用いて常時監視することができる。
【0022】
よって、当該被監視装置に異常が発生して配信情報の配信が停止する場合、迅速に当該配信停止に対する対処を施すことができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、他の情報処理装置から識別するための識別情報を記憶する複数の情報処理装置がネットワークを介して相互に接続されてなるネットワークシステムにおいて実行される情報処理方法において、一の前記情報処理装置である被監視装置において実行される選択工程であって、前記情報処理装置を識別する前記識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて、予め設定された数分の前記識別情報を選択する選択工程と、前記被監視装置において実行される被監視装置送信工程であって、各前記選択された識別情報の前記情報処理装置を宛先として、前記被監視装置の稼働状態の監視を依頼する監視依頼メッセージを送信する被監視装置送信工程と、前記送信された各監視依頼メッセージの前記ネットワークシステムにおける最終到達先たる前記情報処理装置において実行される受信工程であって、前記送信された監視依頼メッセージを受信する受信工程と、前記最終到達先たる前記情報処理装置において実行される送信工程であって、前記受信された監視依頼メッセージの内容に基づいて、予め設定されたタイミングにおいて前記稼働状態を監視するための一の前記監視メッセージを前記被監視装置に送信する送信工程と、前記被監視装置において実行される返答メッセージ送信工程であって、前記監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置から前記監視メッセージが送信されて来たとき、前記稼働状態を示す返答メッセージを当該監視メッセージの送信元の前記情報処理装置に対して送信する返答メッセージ送信工程と、前記最終到達先たる前記情報処理装置において実行される判定工程であって、前記送信した監視メッセージに対応する前記返答メッセージが前記被監視装置から送信されて来なくなったとき、前記稼働状態に異常が発生したと判定する判定工程と、を含む。
【0024】
よって、情報処理装置を識別する識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて予め設定された数分の識別情報を選択し、その選択された識別情報の情報処理装置を宛先として監視依頼メッセージを送信し、当該監視依頼メッセージの最終到達先となった情報処理装置に被監視装置の監視を開始させるので、情報処理装置が監視装置として監視を担当する被監視装置の数が偏ることを防止できる。
【0025】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、コンピュータを、請求項2から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
【0026】
よって、当該情報処理装置用プログラムを当該コンピュータで読み込んで実行することにより、監視装置を識別する識別情報を、他の全ての情報処理装置を夫々に識別する各識別情報が均等に指定されるように予め設定された選択方法を用いて予め設定された数だけ被監視装置において選択し、その選択された監視装置を宛先として被監視装置から監視依頼メッセージを送信し、当該監視依頼メッセージの最終到達先となった情報処理装置に被監視装置の監視を開始させるように当該コンピュータが機能するので、被監視装置を監視する各監視装置について、監視を担当する被監視装置の数が偏ることを防止できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、情報処理装置を識別する識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて予め設定された数分の識別情報を選択し、その選択された識別情報の情報処理装置を宛先として監視依頼メッセージを送信し、当該監視依頼メッセージの最終到達先となった情報処理装置に被監視装置の監視を開始させるので、情報処理装置が監視装置として監視を担当する被監視装置の数が偏ることを防止できる。
【0028】
従って、各監視装置たる情報処理装置が担当する被監視装置の数をネットワークシステム全体として平滑化できることで、当該ネットワークシステムに参加している情報処理装置における監視処理としての負担を分散することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、上記特許文献1に記載されたP2Pネットワークシステムに対して本願を適用した場合の実施の形態である。ここで、特許文献1では、本発明に係るノードを「ノード装置」と称している。
【0030】
(I)P2Pネットワークシステムの概要構成
始めに、実施形態に係るP2Pネットワークシステム(以下、当該P2Pネットワークシステムを、単に配信システムと称する)の概要構成について、図1を用いて説明する。なお、図1は実施形態に係る配信システムにおける相互監視の状態を例示する図である。
【0031】
実施形態に係る配信システムは、上記特許文献1における例えば第1図及び第2図並びに段落番号[0037]乃至[0053]に例示される、複数のノードが接続されて成る配信システムである。
【0032】
この構成において各ノードは、上記特許文献1に記載されたコンテンツ配信システムにおけるノード装置1と同様に、物理的なネットワークを介して相互にデータ等の授受が可能に接続されている。
【0033】
そして、新しいノードが配信システムに参加する場合、そのノードは、当該参加する旨の参加要求メッセージを、当該ノードの新規参加の際の接続先たる既参加のノードに送信する。ここで、当該既参加のノードの選び方としては、例えば、配信システムに対して常時接続しているノードを検索する等の手法を用いることが可能である(特許文献1の段落番号[0046]参照)。
【0034】
一方、配信システムにおいて各ノードに配信されるコンテンツは、いわゆるコンテンツ投入サーバから配信システム内に投入される。このコンテンツ投入サーバは、例えば配信システムの管理者によって管理されるサーバである。そしてコンテンツ投入サーバは、配信システムに参加している各ノードに対して配信可能となるように、新たなコンテンツに相当するコンテンツデータを配信システム内に投入する。より具体的には、コンテンツ投入サーバは、配信システム内のノードの一つであるコンテンツノードに対して、上記コンテンツデータを記憶させる。これにより、当該コンテンツノードは、当該記憶されたコンテンツデータに相当するコンテンツを配信システム内の他のノードに対して公開する。この場合の公開方法についてより具体的には、例えば上記特許文献1の段落番号[0070]及び[0071]の記載を参照できる。
【0035】
また、配信システムに参加している各ノードは、例えば上記特許文献1の第2図乃至第4図並びに段落番号[0037]乃至[0061]に記載されている、いわゆる「分散ハッシュテーブル」を用いて、同じく特許文献1の第5図及び段落番号[0062]乃至[0069]に記載された方法により、所望のコンテンツを配信システム内において検索する。そして、当該検索の結果発見したコンテンツに相当するコンテンツデータを、当該コンテンツデータを蓄積しているコンテンツノードから取得(ダウンロード)し、再生する。
【0036】
次に、実施形態に係る複数のノード間における稼働状態の相互監視のための構成について、図1を用いて例示しつつ説明する。なお、図1は、後述する被監視ノードが実施形態に係る選択方法を用いて自らの稼働状態の監視を委託する後述の監視ノードを選択し、その後当該選択された監視ノードと被監視ノードを含む監視体制が構築された後の構成を例示する図である。
【0037】
当該構成では、ある一つのノードを被監視ノードとしたとき、その被監視ノードは、他のノードである監視ノードから常時その稼働状態の監視を受ける。そして実施形態の配信システムでは、この監視ノードが一つの被監視ノードについて原則として三つ存在している。
【0038】
即ち図1に例示するように、実施形態に係る配信システムでは、一つの被監視ノードBWの稼働状態を、三つの監視ノードW1乃至W3が常時監視する。このとき被監視ノードBWは、それを監視する各監視ノードW1乃至W3夫々を配信システム上において識別するための識別情報(例えば、各監視ノードW1乃至W3夫々のIPアドレス等)を記憶している。そして各監視ノードW1乃至W3は、夫々において予め設定されたタイミングにおいて、被監視ノードBWに対し、ネットワークを介して監視メッセージMWを夫々送信する。なお、以下の説明では、監視ノードW1乃至W3を総括して呼称する場合、単に「監視ノードW」と称する。
【0039】
被監視ノードBWは、送信されて来た監視メッセージMWに対応して、返答メッセージRTを各監視ノードW1乃至W3に夫々返信する。当該被監視ノードBWが上記コンテンツノードである場合、返答メッセージRTには、当該コンテンツノードたる被監視ノードBWがその時点で記憶しているコンテンツのコンテンツIDの一覧が含まれている。
【0040】
以上の構成により、一つの被監視ノードBMの稼働状態が三つの監視ノードW1乃至W3により常時監視される。これにより、当該被監視ノードBMにおいて例えば電源オフやネットワークに対する接続障害等の障害が発生した場合、監視ノードW1乃至W3のいずれかにおいて速やかにこれを検知し、その障害を補完するための補完動作を、当該検知した監視ノードWにおいて開始する。ここで、当該補完動作として具体的には、例えば被監視ノードBWが上記コンテンツノードであった場合には、それに記憶されていたコンテンツデータを他のいずれかのノードに複製させる等の処理が考えられる。
【0041】
また、一の被監視ノードBWの稼働状態を監視する監視ノードWの数は、基本的には、上記監視体制を備えることに伴って発生する配信システム全体としての負荷の増分と、当該監視体制自体の信頼性と、の相互関係により決定されるべきものである。
【0042】
すなわち、一つの被監視ノードBWに対する監視ノードWの数が多いほど、複数の被監視ノードBWが同時に故障した場合に対する配信システムとしての耐性は向上する。しかしながらこの場合、一方では当該監視体制維持のための監視メッセージMW等の授受量が必然的に多くなるため、配信システム全体としての負荷は大きくなる。
【0043】
よって、一つの被監視ノードBWに対する監視ノードWの数は、上記配信システム全体としての負荷の増分と、監視体制自体の信頼性と、の相互関係に基づき、例えば、各ノード1の故障率によって選択することが好ましい。
【0044】
他方、例えばある監視ノードW1において上述した電源オフやネットワークに対する接続障害等の障害が発生した場合、今度は、被監視ノードBWに対して上記監視メッセージMWが送信されて来なくなる。この場合被監視ノードBWは、後述する実施形態に係る選択方法により自ら新たな監視ノードWを配信システム内において検索/選択し、後述する監視依頼メッセージをその選択した監視ノードWに送信して当該被監視ノードBWに対する監視を行わせる。これにより、一つの被監視ノードBWが常時一定数(実施形態の場合は三つ)の監視ノードWの監視下にある状態を継続させる。
【0045】
また、図1に例示するように、被監視ノードBW自体もまた、他のノードに対する監視ノードとして機能することができる。また、一つの監視ノードW(例えば、図1に例示する場合は監視ノードW3)が複数の他の被監視ノードの監視を担うことも可能である。
【0046】
(II)実施形態
次に、本発明に係る実施形態について、図2乃至図4を用いて説明する。なお、図2は実施形態に係る一のノードの概要構成を示すブロック図であり、図3は実施形態に係る各監視ノードW及び被監視ノードBW等の動作を例示する図である。また図4は、当該各監視ノードW及び被監視ノードBW等における実施形態に係る具体的な動作を示すフローチャートである。
【0047】
ここで、実施形態に係る各ノード1は基本的に同一の細部構成を備え、更に基本的に同一の細部動作を夫々独立して実行している。
【0048】
図2に示すように、実施形態に係るノード1は、選択手段、判定手段、距離算出手段、距離比較手段及び監視機能設定手段としての制御部21と、配信情報記憶手段としての記憶部22と、バッファメモリ23と、復号化アクセラレータ24と、デコーダ部25と、映像処理部26と、表示部27と、音声処理部28と、スピーカ29と、被監視装置送信手段、返答メッセージ送信手段、受信手段、転送手段及び送信手段としての通信部29aと、入力部29bと、ICカードスロット29cと、を備えて構成されている。そして、これらの構成要素はバス29dを介して相互に接続されている。
【0049】
このとき、制御部21は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、各種データ及びプログラム(OS(Operating System)及び各種アプリケーションを含む)を記憶するROM等から構成されている。また、記憶部22は、各種データ及びプログラム等を記憶するHDD(Hard Disc Drive)等から構成されている。更にバッファメモリ23は、受信したコンテンツデータを一時的に蓄積(記憶)する。
【0050】
一方、復号化アクセラレータ24は、バッファメモリ23に蓄積されたコンテンツデータCDを、復号鍵を用いて復号化する。また、デコーダ部25は、復号化されたコンテンツデータCDに含まれるビデオデータ及びオーディオデータ等をデコード(データ伸張等)して再生する。更に、映像処理部26は、当該再生されたビデオデータ等に対して所定の描画処理を施し映像信号として出力する。
【0051】
他方、表示部27は、CRT(Cathode Ray Tube)又は液晶ディスプレイ等からなり、映像処理部26から出力された映像信号に基づき対応する映像を表示する。また、音声処理部28は、上記再生されたオーディオデータをアナログ音声信号にD(Digital)/A(Analog)変換した後これをアンプにより増幅して出力する。更に、スピーカ部29は、当該音声処理部28から出力された音声信号を音波として出力する。
【0052】
また、通信部29aは、通信回線9を介して配信システム内の他のノード1等との間の通信制御を行う。更に、入力部29bは、例えば、マウス、キーボード及び操作パネル或いはリモコン等からなり、使用者(視聴者)からの各種指示に対応する指示信号を制御部21に対して出力する。そして、ICカードスロット29cは、ICカード29eに対する情報の読み書きを行う。
【0053】
ここで、ICカード29eは、耐タンパ性があり、例えば、実施形態に係る配信システムの運営者等から各ノード1の使用者に配布されるものである。このとき、当該耐タンパ性とは、非正規な手段による機密データの読み取りを防ぎ、簡単に解析できないようにタンパリング対策が施されていることを言う。このICカード29eは、CPUからなるICカードコントローラ、耐タンパ性のある不揮発性メモリ、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable ROM)等を備えて構成されている。当該不揮発性メモリには、ユーザID、暗号化されたコンテンツデータを復号化するための復号鍵及びデジタル証明書等が記憶されている。
【0054】
一方、バッファメモリ23は、例えばFIFO(First In First Out)形式のリングバッファメモリから構成されており、制御部21の制御下、受信ポインタにより示される記憶領域に通信部29aを通じて受信されたコンテンツデータを一時的に蓄積する。
【0055】
このとき、制御部21は、それに含まれるCPUが記憶部22等に記憶されたプログラムを読み出して実行することによりノード1全体を統括制御し、後述する実施形態に係る各動作を実行する。これに加えて、制御部21は、通常の動作として、上述した分散ハッシュテーブルにより配信システムを構成するネットワークを介して他のノード1から送信されて来る各種メッセージや複数のパケット(コンテンツデータを構成するパケット)を、通信部29aを通じて受信してバッファメモリ23に書き込み、且つ、当該バッファメモリ23に蓄積されているパケット(一定時間過去に受信されたパケット)や上記各種メッセージを読み出し、上述した分散ハッシュテーブルに則り通信部29aを通じて更に他のノード1に転送する。
【0056】
一方、バッファメモリ23は、再生ポインタにより示される当該バッファメモリ23の記憶領域に蓄積されているパケットを読み出し、バス29dを介して復号化アクセラレータ24やデコーダ部25に出力する。
【0057】
なお、上記プログラムは、例えば、ネットワーク上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM(Compact disc - ROM)等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0058】
(A)実施形態に係る具体例
次に、当該ノード1における実施形態に係る動作の具体例について、図3を用いて例示しつつ説明する。
【0059】
実施形態に係る被監視ノードBWは、図1に例示したように配信システム内において三つの監視ノードWから常時その稼働状態の監視を受ける。そして、実施形態に係る配信システムでは、当該監視動作を実行する監視ノードWを、当該監視を受ける被監視ノードBW自体が配信システム内において選択する。
【0060】
具体的には、実施形態に係る被監視ノードBWは、自らの稼働状態の監視を担う監視ノードWをその監視の開始に当たって選択する場合、上述したコンテンツデータの取得等の際に用いる分散ハッシュテーブルを用いる。
【0061】
すなわち、被監視ノードBWは、自らの記憶部22内に不揮発性に記憶している分散ハッシュテーブル(例えば特許文献1第4図参照)に基づき、上記特許文献1の例えば第3図に例示されているノード空間の範囲(例えばノードID「0000」乃至「ffff」等の範囲)を求める。そして被監視ノードBWは、このノード空間の範囲内で、当該被監視ノードBW自体のノードIDに基づき、当該ノード空間を均等に分割した各領域の範囲毎に一つのノード1を選択する。そして被監視ノードBWは、当該選択した各ノード1に対して、これらを当該被監視ノードBWについての監視ノードWとすべく、上記監視依頼メッセージを、当該ノード1を宛先として配信システム内に送信する。
【0062】
より具体的に例えば、実施形態の配信システムにおいて、各ノード1に対応するノードIDが四桁の十六進文字列で表現されているとする。そして、被監視ノードBW自体のノードIDが例えば「38a6」であるとし、更に当該被監視ノードBW自体を含めた四つのノード1(被監視ノードBWと、三つの監視ノードWと、を含む四つのノード1)で均等に上記ノード空間を分けるとする。この場合、被監視ノードBW以外の三つのノード1のノードID(すなわち、被監視ノードBWから見て監視ノードWとして理想的なノード1のノードID)は、夫々「78a6」、「b8a6」及び「f8a6」であることになる。
【0063】
これにより被監視ノードBWは、図3(a)に例示するように、当該三つのノードID夫々により識別されるノード1を宛先として監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3を送信する。
【0064】
このとき、監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3の実際の最終到達先たるノード1(実際に監視ノードWとなるノード1)は、当該監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3が分散ハッシュテーブルに基づいて配信システム内を転送されて行く過程で初めて決められるものである。すなわち、配信システムにおける当該転送過程において次の転送先が発見できなくなったとき、その時点での監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3の最終到達先たるノード1が、実際に監視ノードWとなる。
【0065】
また、各監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3には、夫々、被監視ノードBWを示す識別情報(例えば、被監視ノードBWのIPアドレス)が含まれている。
【0066】
そして、このように被監視ノードBWから送信された監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3の各々は、図3(a)に例示されるように、各レベルでの到達先のノード1内の記憶部22内に記憶されている上記分散ハッシュテーブル各々に基づいて各ノード1間で転送され、最終的に上記三つのノードIDにより識別されるノード1に到達する。
【0067】
このとき、監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3のいずれかをその転送間において受信したノード1は、当該監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3のいずれかの宛先たるノードIDと、自身のノードID及びID空間内の他のノードIDと、を夫々比較する。そして、当該宛先たるノードIDに対してID空間上において自身よりも近い他のノードIDがある場合、当該受信した監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3のいずれかを分散ハッシュテーブルに基づいて更に転送する。これにより、当該監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3各々の最終到達先となったノード1が、当該監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3を送信した被監視ノードBWについての監視ノードW1乃至W3として、以後機能する。
【0068】
なお、実施形態に係る配信システムでは、図3(a)に例示する場合において、監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3の宛先たるノード1が実際には配信システム内には存在していない場合があり得る。このときには、例えば監視依頼メッセージRQ1をその転送間において受信したあるノード1が分散ハッシュテーブルに基づいて次の転送先がない(より詳細には、監視依頼メッセージRQ1の宛先たるノードIDに対して、ID空間において当該あるノード1のノードIDより近いノードIDが存在しない)と判断した場合、当該監視依頼メッセージRQ1が現に到達しているノード1が、当該監視依頼メッセージRQ1に対応して被監視ノードBWについての監視ノードW1の機能を担う。
【0069】
以上の構成により、最終的には図3(b)に例示するように、被監視ノードBWは、監視メッセージMW1及び返答メッセージRT1の授受を監視ノードW1との間で、監視メッセージMW2及び返答メッセージRT2の授受を監視ノードW2との間で、監視メッセージMW3及び返答メッセージRT3の授受を監視ノードW1との間で、夫々開始する。これにより、三つの監視ノードWによる被監視ノードBWの監視体制(図1参照)が稼働することとなる。
【0070】
(B)実施形態に係る動作
次に、上記具体例を実現するために監視ノードW及び被監視ノードBWにおいて夫々実行される実施形態に係る具体的な動作について、纏めて図4を用いて説明する。なお、実施形態に係る監視ノードWたる各ノード1は、基本的に同一の動作を夫々独立して実行している。また、図4に示す動作は、配信システムに参加しているノード1としてのメインルーチンの一部として常時実行されている動作である。
【0071】
また、以下の説明において、監視依頼メッセージRQ1乃至RQ3を総括して呼称する場合、単に「監視依頼メッセージRQ」と称し、監視メッセージMW1乃至MW3を総括して呼称する場合、単に「監視メッセージMW」と称する。更に返答メッセージRT1乃至RT3を総括して呼称する場合、単に「返答メッセージRT」と称する。
【0072】
(a)被監視ノードにおける具体的動作
先ず、実施形態に係る被監視ノードBWたるノード1において実行される動作について、図4(a)及び図4(b)を用いて説明する。
【0073】
図4(a)に示すように、被監視ノードBWたるノード1内の制御部21は、配信システムに参加するに当たり、自らの稼働状態の監視を任せる参加済みの他のノード1を監視ノードWとして例えば三つ選択する(ステップS1)。この選択に当たって制御部21は、上記(A)項にて説明したように分散ハッシュテーブルにおけるノードIDの範囲を基礎とする。そして制御部21は、当該選択した監視ノードWを識別するための識別情報を含む監視ノードリストを被監視ノードBWの記憶部22に記憶させる(ステップS1)。
【0074】
次に制御部21は、選択された監視ノードリストから一つの監視ノードWを例えばランダムに抽出し(ステップS2)、その抽出した監視ノードWに対して上記監視依頼メッセージRQを送信する(ステップS3。図3(a)参照)。
【0075】
その後制御部21は、ステップS1の処理において作成した監視ノードリスト内の監視ノードWの全てに対して上記監視依頼メッセージRQを送信し終わったか否かを確認する(ステップS4)。そして、未だ監視依頼メッセージRQを送信していない監視ノードWがあるとき(ステップS4;NO)、制御部21は、当該監視ノードWに対しても監視依頼メッセージRQを送信すべく、上記ステップS2の動作に移行する。
【0076】
一方、ステップS4の判定において、全ての監視ノードWについて監視依頼メッセージRQを送信済みであるときは(ステップS4;YES)、以下に説明する動作を各監視ノードW毎に実行して(ステップS5)、被監視ノードBWとしてのメインルーチンに移行する。
【0077】
次に、上記ステップS5の動作の詳細について、図4(b)を用いて説明する。
【0078】
被監視ノードBWにおいて監視ノードW毎に実行されるステップS5の動作として、被監視ノードBWの制御部21は、先ず、上記ステップS3の動作において監視依頼メッセージを送信した後、その宛先たる監視ノードWからの監視メッセージMWを一定時間待機する(ステップS51)。そして、いずれかの監視ノードWから監視メッセージMWが送信されて来た場合(ステップS51;YES)、制御部21は、対応する返答メッセージRTを生成し、当該監視メッセージMWを送信して来た監視ノードWに返信する(ステップS52。図1、図3(b)参照)。
【0079】
一方、ステップS51の判定において、その監視ノードWから上記一定時間内に監視メッセージMWが何ら送信されて来ないとき(ステップS51;NO)、制御部21はその監視ノードWにおいて何らかの障害が発生したと判断する。そして制御部21は、当該監視ノードWに到達したはずの監視依頼メッセージRQ自体の宛先たるノードID(当該監視メッセージMWを送信して来なくなった監視ノードWのノードIDとは限らない)に対して再び上記監視依頼メッセージRQを送信する(ステップS53)。以上のステップS51乃至S53の動作が、被監視ノードBWの制御部21において、監視ノードW毎に実行される(ステップS5)。
【0080】
(b)監視ノードにおける具体的動作
次に、実施形態に係る監視ノードW1乃至W3たるノード1において夫々別個に実行される動作について、図4(c)を用いて説明する。
【0081】
図4(c)に示すように、監視ノードW1乃至W3たるノード1内の制御部21は、上記メインルーチンの一貫として、常に、被監視ノードBWたるいずれかのノード1からの監視依頼メッセージMWを待機している(ステップS10)。そして、当該監視依頼メッセージMWを受信したときは(ステップS10;YES)、当該制御部21は、監視ノードWとして機能すべく、稼働状態の監視を担当する被監視ノードBWに対して監視メッセージMWを送信する(ステップS11。図1及び図3(b)参照)。その後当該制御部21は、送信した監視メッセージMWに対応する返答メッセージRTが被監視ノードBWから送信されて来たか否かを確認する(ステップS12)。
【0082】
そして、当該返答メッセージRTが正常に送信されて来たとき(ステップS12;YES)、制御部21は、次の監視メッセージMWを送信するまでの期間として予め設定されている時間だけ待機した後、上記ステップS11の動作に移行して上述してきた一連の動作を繰り返す。
【0083】
他方、上記ステップS12の判定において、返答メッセージRTが被監視ノードBWから正常に送信されて来ないとき、監視ノードWの制御部21は、その被監視ノードBWにおいて上記障害が発生したと判断する。その制御部21は、被監視ノードBWにおける当該障害を補完するために必要な予め設定されている補完動作を実行し(ステップS14)、その後通常のノード1として動作すべく元のメインルーチンに戻る。
【0084】
ここで、上記ステップS14における補完動作の具体例としては、例えば以下の三つが考えられる。
【0085】
即ち第1の具体例は、障害が発生した被監視ノードBWがその記憶部22に記憶していたコンテンツデータを記憶している他のノード1に対して、当該コンテンツデータを複製して図4(c)に示す処理を実行している監視ノードWに送信する旨を補完依頼メッセージとして送信することが考えられる。
【0086】
次に、第2の具体例は、上記第1の具体例と同様に被監視ノードBWが記憶していたコンテンツデータを記憶している他のノード1に対して、配信システム内において例えば乱数的に選択した更に他のノード1に当該コンテンツデータの複製を送信する旨を、補完依頼メッセージとして送信することが考えられる。
【0087】
ここで、上記第1の具体例又は第2の具体例のいずれの場合でも、各監視ノードW1乃至W3は、自らが監視している被監視ノードBWの記憶部22に記憶されているコンテンツデータを記憶している他のノード1を、配信システム上において常に把握しておく必要がある。
【0088】
最後に第3の具体例は、先ず上記補完依頼メッセージの送信先たるノード1を配信システム内において監視ノードW1の制御部21がランダムに選択する。そして、その選択されたノード1に対して、被監視ノードBWが記憶していたコンテンツデータを記憶している他のノード1からそのコンテンツデータを複製して当該ノード1に送信させるように依頼する旨を、上記補完依頼メッセージとして送信することが考えられる。
【0089】
この第三の具体例の場合、監視ノードWは、上記第一の具体例又は第二の具体例のように自らが監視している被監視ノードBWの記憶部22に記憶されているコンテンツデータを記憶している他のノード1を把握している必要はない。
【0090】
以上夫々説明したように、実施形態に係る監視ノードW及び被監視ノードBWの動作によれば、ノード1を識別するノードIDが均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて予め設定された数分のノードIDを選択し、その選択されたノードIDのノード1を宛先として監視依頼メッセージRQを送信し、当該監視依頼メッセージRQの最終到達先となったノード1に被監視ノードBWの監視を開始させるので、ノード1が監視ノードWとして監視を担当する被監視ノードBWの数が偏ることを防止できる。
【0091】
従って、各監視ノードWたるノード1が担当する被監視ノードBWの数を配信システム全体として平滑化できることで、当該配信システムに参加しているノード1における監視処理としての負担を分散することができる。
【0092】
また、ノードIDが、ノード1毎に固有の固有情報を分散ハッシュ関数を用いて変換して得られたノードIDであり、更に、相互に同数のノードIDを含むように区分されたノード空間について、被監視ノードBWが属するノードID群を除く他のノードID群の中から、被監視ノードBW自体を識別するノードIDに基づき、一つのノードIDをそのノードIDの値の順に従って選択する選択方法をノードIDの選択に当たって用いるので、監視ノードWたるノード1が各ノードID群について一つ選択されることになり、結果として各監視ノードWが担当する被監視ノードBWの数を配信システム全体として効果的に平滑化することができる。
【0093】
更に、監視ノードWから監視メッセージが送信されて来なくなったとき、当該監視ノードWに届いたはずの監視依頼メッセージRQの宛先たるノードIDを再び宛先として監視依頼メッセージRQを再送するので、監視ノードWにおいて何らかの異常が発生した可能性がある場合に監視依頼メッセージRQを再送することで、新たなノード1を監視ノードWとすることができる。
【0094】
従って、被監視ノードBWを監視する監視ノードWのいずれかにおいて異常が発生しても、他のノード1を代替の監視ノードWとすることで、一の被監視ノードBWを監視する監視ノードWの数を維持することができる。
【0095】
更にまた、受信した監視依頼メッセージRQの転送先たるノード1が配信システム内に存在しないとき、ID空間においてノードIDが最も近い他のノード1が監視ノードWとなるので、監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1(すなわち監視ノードW)が配信システム内に存在しない場合でも、他のノードIDにより識別されるノード1が監視ノードWとして機能することとなり、監視ノードWの数を確保することができる。
【0096】
また、被監視ノードBWがコンテンツデータを記憶する記憶部22を備えるノード1であるので、配信システム内に配信されるべきコンテンツを記憶する被監視ノードBWに異常が発生したことを、監視ノードWを用いて常時監視することができる。
【0097】
よって、当該被監視ノードBWに異常が発生してコンテンツの配信が停止する場合、迅速に当該配信停止に対する対処を施すことができる。
【0098】
なお、実施形態の如く各ノード1に対応するノードIDが四桁の十六進文字列で表現されている場合、第1桁目のみを変更して監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1を決めるとすると、その数は最大で十五個しか選択できないことになる。よって、上記の場合において一の被監視ノードBWに対する監視ノードWの数を十六以上とする場合には、ノードIDの第2桁目以降も併せて変更して監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1を決める必要がある。
【0099】
より具体的には、例えば被監視ノードBWたるノード1のノードIDが十六進文字列で「38a0」であり、当該被監視ノードBW一つに対する監視ノードWの数が四であるとする。この時、ノードIDの第1桁目のみを変更する場合における監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1のノードIDは、ノードIDを均等に分散させる本発明の趣旨の下では「68a0」、「98a0」、「c8a0」及び「f8a0」とするのが好ましい。これに対して、ノードIDの全ての桁目を変更する場合における監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1のノードIDは、ノードIDを均等に分散させる本発明の趣旨の下では、例えば「6bd3」、「9f06」、「d239」及び「056c」とするのが好ましい。
【0100】
更に、上述した実施形態では、監視依頼メッセージRQの宛先たるノード1のノードIDを選択するに当たっては、監視依頼メッセージRQの送信元のノード1のノードIDを用いて分散ハッシュテーブルに係るID空間の領域を均等に分割する手法を用いたが、これ以外に、単純に乱数的に選択することとしてもよい。この構成では、完全な乱数を用いて監視ノードWたるノード1を選択すれば、実施形態の場合と同様に各監視ノードWが担当する被監視ノードBWの数を配信システム全体として効果的に平滑化することができる。
【0101】
更に、図4に夫々示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係るノード1内の制御部21として活用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上夫々説明したように、本願はコンテンツの配信を行う配信システムの分野に利用することが可能であり、特に、P2P型の配信システムの分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】実施形態に係る配信システムにおける相互監視の状態を例示する図である。
【図2】実施形態に係る一のノードの概要構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る監視動作を例示する図であり、(a)は監視依頼の態様を例示する図であり、(b)は監視動作自体を例示する図である。
【図4】実施形態に係る被監視ノード等における具体的な動作を示すフローチャートであり、(a)は実施形態に係る被監視ノードにおける具体的な動作を示すフローチャートであり、(b)は実施形態に係る監視ノードにおける具体的な動作を示すフローチャートであり、(c)は実施形態に係る対応ノードにおける具体的な動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
1 ノード
21 制御部
22 記憶部
23 バッファメモリ
24 復号化アクセラレータ
25 デコーダ部
26 映像処理部
27 表示部
28 音声処理部
29 スピーカ
29a 通信部
29b 入力部
29c ICカードスロット
29d バス
29e ICカード
BW 被監視ノード
W1、W2、W3 監視ノード
RQ1、RQ2、RQ3 監視依頼メッセージ
MW、MW1、MW2、MW3 監視メッセージ
RT、RT1、RT2、RT3、 返答メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の情報処理装置から識別するための識別情報を記憶する複数の情報処理装置がネットワークを介して相互に接続されてなるネットワークシステムにおいて、
一の前記情報処理装置である被監視装置は、
前記情報処理装置を識別する前記識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて、予め設定された数分の前記識別情報を選択する選択手段と、
各前記選択された識別情報の前記情報処理装置を宛先として、前記被監視装置の稼働状態の監視を依頼する監視依頼メッセージを送信する被監視装置送信手段と、
前記監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置から監視メッセージが送信されて来たとき、前記稼働状態を示す返答メッセージを当該監視メッセージの送信元の前記情報処理装置に対して送信する返答メッセージ送信手段と、
を備え、
前記送信された各監視依頼メッセージの前記ネットワークシステムにおける最終到達先たる前記情報処理装置は、
前記送信された監視依頼メッセージを受信する受信手段と、
前記受信された監視依頼メッセージの内容に基づいて、予め設定されたタイミングにおいて前記稼働状態を監視するための一の前記監視メッセージを前記被監視装置に送信する送信手段と、
前記送信した監視メッセージに対応する前記返答メッセージが前記被監視装置から送信されて来なくなったとき、前記稼働状態に異常が発生したと判定する判定手段と、
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワークシステムに含まれる前記被監視装置たる情報処理装置において、
前記識別情報は、前記情報処理装置毎に固有の固有情報を分散ハッシュ関数を用いて変換して得られた識別情報であり、
前記選択手段は、相互に同数の識別情報を含むように区分された識別情報群について、前記被監視装置が属する当該識別情報群を除く他の前記識別情報群から、前記被監視装置自体を識別する前記識別情報に基づき、一つの前記識別情報を前記識別情報の値の順に従って選択する前記選択方法を、前記識別情報の選択に当たって用いることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記被監視装置送信手段は、前記監視装置から前記監視メッセージが送信されて来なくなったとき、当該監視メッセージを送信して来なくなった前記監視装置が受信した前記監視依頼メッセージにおける前記宛先を宛先として前記監視依頼メッセージを再送することを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の情報処理装置から送信された前記監視依頼メッセージの宛先たる前記情報処理装置の前記識別情報とは異なる前記識別情報の前記情報処理装置であり且つ前記送信された監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置であって、
夫々の前記識別情報の値の順に従って各前記情報処理装置を仮想的に一列且つ円状に並べて構成される識別情報空間において、各前記情報処理装置間の当該識別情報空間上の距離を算出する距離算出手段と、
前記算出された距離を比較する距離比較手段と、
前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置に、当該受信した監視依頼メッセージを転送する転送手段と、
前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置が前記ネットワークシステム内に存在しないとき、当該監視依頼メッセージを受信している前記情報処理装置自体を前記監視装置として機能させる監視機能設定手段と、
を備え、
前記受信した監視依頼メッセージを転送すべき前記情報処理装置は、当該受信した監視依頼メッセージの前記宛先たる前記情報処理装置との間の前記距離が、当該監視依頼メッセージを受信している前記情報処理装置よりも短い他の前記情報処理装置であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載のネットワークシステムに含まれる前記被監視装置たる情報処理装置において、
前記選択手段は、前記識別情報を乱数的に選択する選択方法を用いることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記ネットワークを介して他の前記情報処理装置に対して配信される配信情報を記憶する配信情報記憶手段を更に備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
他の情報処理装置から識別するための識別情報を記憶する複数の情報処理装置がネットワークを介して相互に接続されてなるネットワークシステムにおいて実行される情報処理方法において、
一の前記情報処理装置である被監視装置において実行される選択工程であって、前記情報処理装置を識別する前記識別情報が均等に選択されるように予め設定された選択方法を用いて、予め設定された数分の前記識別情報を選択する選択工程と、
前記被監視装置において実行される被監視装置送信工程であって、各前記選択された識別情報の前記情報処理装置を宛先として、前記被監視装置の稼働状態の監視を依頼する監視依頼メッセージを送信する被監視装置送信工程と、
前記送信された各監視依頼メッセージの前記ネットワークシステムにおける最終到達先たる前記情報処理装置において実行される受信工程であって、前記送信された監視依頼メッセージを受信する受信工程と、
前記最終到達先たる前記情報処理装置において実行される送信工程であって、前記受信された監視依頼メッセージの内容に基づいて、予め設定されたタイミングにおいて前記稼働状態を監視するための一の前記監視メッセージを前記被監視装置に送信する送信工程と、
前記被監視装置において実行される返答メッセージ送信工程であって、前記監視依頼メッセージを受信した前記情報処理装置から前記監視メッセージが送信されて来たとき、前記稼働状態を示す返答メッセージを当該監視メッセージの送信元の前記情報処理装置に対して送信する返答メッセージ送信工程と、
前記最終到達先たる前記情報処理装置において実行される判定工程であって、前記送信した監視メッセージに対応する前記返答メッセージが前記被監視装置から送信されて来なくなったとき、前記稼働状態に異常が発生したと判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項2から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させることを特徴とする情報処理装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−87897(P2010−87897A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255496(P2008−255496)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】