説明

ネットワークシステム

【課題】調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理を容易に行う。
【解決手段】調光システム1の調光制御装置11は、スタジオを照射する各照明器具10に対する調光制御の情報を含む調光データを作成してスタジオサーバ4に送信する。LEDシステム2のLED制御装置21は、表示装置20に対する点灯制御の情報を含むLEDデータ(演出情報データ)を作成してスタジオサーバ4に送信する。昇降システム3の昇降制御装置31は、バトン30に対する昇降制御の情報を含む昇降データを作成してスタジオサーバ4に送信する。スタジオサーバ4は、調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3のそれぞれとネットワーク5を介して接続し、調光システム1から調光データを受信し、LEDシステム2からLEDデータを受信し、昇降システム3から昇降データを受信し、受信された調光データ、LEDデータ及び昇降データを番組データとして記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビ局などのスタジオで用いられるネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スタジオでの番組収録では、例えばカメラや音響(マイク)、照明などの事前設定が行われる。特に照明に関しては、照明シーン(場面)ごとに主光源(スポットライトなど)及び演出用光源(LEDなど)の明るさや照射方向、並びに主光源及び演出用光源が取り付けられたバトンの位置や高さの設定が行われる。番組の内容によって異なるが、例えばニュースや天気予報、バラエティなどは照明シーンの種類が比較的少なく、これらの照明シーンを切り替えるのみで番組の照明を制御することができるので、照明シーンの事前設定を短時間で行うことができる。これに対して、例えば音楽番組や特別番組など、照明の効果を多用する番組では、多種類の照明シーンを切り替えることによって番組の照明を制御するので、照明シーンの事前設定に長い時間を必要とする。
【0003】
従来の、番組の照明を制御するものとして、主光源の調光を制御する調光システム、LEDの点灯を制御するLEDシステム(演出用光源システム)及びバトンの昇降を制御する昇降システムがある。調光システム、LEDシステム及び昇降システムは、それぞれ独立してスタジオに設置され、互いに異なる規格に基づいて主光源、LED及びバトンを制御する。
【0004】
また、調光システムは、主光源に対する制御情報を含む調光データを、内部の記憶部又は外部媒体(例えばフロッピー(登録商標)ディスクなど)に記憶することによって管理する。記憶されている調光データは、調光システムによって読み出される。同様に、LEDシステムは、LEDに対する制御情報を含む演出情報データを、内部の記憶部又は外部媒体に記憶することによって管理する。記憶されている演出情報データは、LEDシステムによって読み出される。昇降システムは、バトンに対する制御情報を含む昇降データを、内部の記憶部又は外部媒体に記憶することによって管理する。記憶されている昇降データは、昇降システムによって読み出される。
【0005】
例えば毎週放送される番組などの場合、毎回ほぼ同じ主光源やLED、バトンの事前設定が行われる。この場合、調光システムが調光データを読み出し、LEDシステムが演出情報データを読み出し、昇降システムが昇降データを読み出す。これにより、過去に収録した照明シーンを再利用することができる。
【0006】
また、特許文献1には、データベースサーバで作成された調光データがインターネット及び移動体通信網を介して照明器具に送信され、照明器具が上記調光データに基づいて調光する照明制御システムが開示されている。
【特許文献1】特開2005−216534号公報(第12〜20頁及び第1,2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の調光システム、演出用光源システム及び昇降システムは、同じ照明シーンでの調光データ、演出情報データ及び昇降データを関連付けることなく独立のデータとして保存している。これにより、調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理が煩雑になってしまうという問題があった。また、各システムが自己のデータを読み出したときに、ユーザの操作ミスによって、いずれかのシステムから、誤ったデータが読み出されてしまうと、どのデータが誤っているのか容易に判断することができないという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理を容易に行うことができるネットワークシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、スタジオを照射する主光源、前記主光源の調光を制御する調光制御手段、及び前記主光源に対する調光制御の情報を含む調光データを作成する調光データ作成手段を有する調光システムと、演出用光源、前記演出用光源の点灯を制御する点灯制御手段、及び前記演出用光源に対する点灯制御の情報を含む演出情報データを作成する演出情報データ作成手段を有する演出用光源システムと、前記主光源及び前記演出用光源が取り付けられるバトン、前記バトンの昇降を制御する昇降制御手段、並びに前記バトンに対する昇降制御の情報を含む昇降データを作成する昇降データ作成手段を有する昇降システムと、前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれとネットワークを介して接続し、前記調光システムから前記調光データを受信し、前記演出用光源システムから前記演出情報データを受信し、前記昇降システムから前記昇降データを受信する受信手段、並びに前記受信手段によって受信された前記調光データ、前記演出情報データ及び前記昇降データを、予め決められた範囲ごとに記憶する記憶手段を有するデータベースサーバとを備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、データベースサーバが調光データ、演出情報データ及び昇降データを、予め決められた範囲ごとに一括に記憶することができるので、調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、複数のスタジオのそれぞれに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムを備えるとともに、前記スタジオごとに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムと前記データベースサーバとを中継する中継サーバを備えることを特徴とする。この構成によれば、調光システム、演出用光源システム、昇降システム及び中継サーバがスタジオごとに設けられた場合であっても、データベースサーバが各スタジオからの調光データ、演出情報データ及び昇降データを、中継サーバを介して受信することができるので、複数のスタジオで作成された調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記データベースサーバが、前記調光データ、演出情報データ及び前記昇降データに属性情報を付与する付与手段、及び前記属性情報を用いて、前記記憶手段に記憶されている前記調光データ、前記演出情報データ及び前記昇降データから特定のデータを選択する選択手段を有することを特徴とする。この構成によれば、属性情報を用いて希望のデータを容易に選択することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記データベースサーバが、前記記憶手段に記憶されている前記調光データを前記調光システムに送信し、前記記憶手段に記憶されている前記演出情報データを前記演出用光源システムに送信し、前記記憶手段に記憶されている前記昇降データを前記昇降システムに送信する送信手段を有することを特徴とする。この構成によれば、過去に収録が行われて記憶手段に記憶されている調光データ、演出情報データ及び昇降データを呼び出すことによって、過去の収録の仕込み状況を再現することができ、再利用することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれが、前記記憶手段に記憶され自己に対応するデータを受信させるための受信操作、及び自己で作成されたデータを前記記憶手段に記憶させるための保存操作を可能とする設定手段を有することを特徴とする。この構成によれば、調光システムの設置場所から調光データの取り込み及び保存を設定することができるとともに、演出用光源システムの設置場所から演出情報データの取り込み及び保存を設定することができ、昇降システムの設置場所から昇降データの取り込み及び保存を設定することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記記憶手段に記憶されているデータを受信させるための受信操作、並びに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれで作成されたデータを前記記憶手段に記憶させるための保存操作を可能とする情報端末機を備えることを特徴とする。この構成によれば、調光システムや演出用光源システム、昇降システムの操作方法を知らない者であっても、情報端末機を用いて上記操作を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調光データ、演出情報データ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1〜7を用いて説明する。図1は、実施形態1のネットワークシステムの構成を示す図である。図2〜7は、実施形態1のネットワークシステムの動作を説明するための図である。
【0018】
まず、実施形態1の基本的な構成について説明する。実施形態1のネットワークシステムは、テレビ局のスタジオに構築されているものであり、図1に示すように、調光システム1と、LEDシステム(演出用光源システム)2と、昇降システム3と、スタジオサーバ4とを備えている。調光システム1、LEDシステム2、昇降システム3及びスタジオサーバ4は、互いにネットワーク5を介して接続している。
【0019】
ネットワーク5としてはイーサネット(登録商標)を用いる。また、通信プロトコルとしては、TCP/IP(Transmission Contorol Protocol/Internet Protocol)及びHTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いる。HTTPは、クライアントサーバ型の標準的なプロトコルである。これにより、双方向通信で、高速転送を行うことができる。また、例えば、無線LANを利用した無線通信、セキュリティ機能、リモートコントロール、インターネット接続によるメール通知や外部への映像配信などのネットワーク技術の適用を可能とする。
【0020】
調光システム1は、6つの照明器具10・・・と、調光制御装置(調光卓)11と、調光盤12とを備えている。各照明器具10は、主光源を備え、後述のバトン30に取り付けられている。この照明器具10は、調光盤12からの印加電圧に応じて明るさを調整しながらスタジオ6(図2参照)を照射する。
【0021】
調光制御装置11は、設定部110と、データ入出力部111と、記憶部112と、出力部113と、制御部114とを備えている。設定部110は、ユーザがさまざまな設定操作を行うための操作部115と、例えばディスプレイなどであって設定項目を表示する表示部116とを備え、制御部114と接続している。この設定部110は、ユーザの設定操作に基づくコマンドを制御部114に出力する。設定部110での設定項目としては、例えば、後述のスタジオサーバ4の記憶部42に記憶されている調光データの配信、各照明器具10の明かりレベルの変更、調光データの再生、記憶部42への調光データの保存、データ入出力部111の入出力インターフェースの変更などがある。調光データは、各照明器具10に対する調光制御の情報を含むものである。
【0022】
データ入出力部111は、スタジオサーバ4のIPアドレスを予め記憶し、制御部114及びハブ50と接続している。このデータ入出力部111は、制御部114からの制御に基づいて、ハブ50を介してスタジオサーバ4との間で調光データの送受信を行う。
【0023】
記憶部112は、制御部114と接続し、制御部114からの調光データを複数記憶する。これにより、例えば1つの番組に複数の照明シーンを必要とする場合であっても、照明シーンごとの調光データを一括して記憶することができる。上記記憶部112は、例えばハードディスクなどのように電源がオフになっても調光データを消去しないものであってもよいし、例えばRAMなどのように調光データを一時的に保持し、電源がオフになると上記調光データを消去するものであってもよい。
【0024】
出力部113は、制御部114及び調光盤12と接続し、制御部114からの制御に基づいて、各照明器具10の明かりレベルの情報を含む調光信号を調光盤12に送信する。この調光信号は、例えばDMX512など規格化された弱電系の制御信号である。
【0025】
制御部114は、設定部110、データ入出力部111、記憶部112及び出力部113と接続している。この制御部114は、設定部110からコマンドを入力すると、入力したコマンドの内容に基づいて動作する。以下、設定部110からのコマンドに対する制御部114の動作を具体的に説明する。後述のスタジオサーバ4の記憶部42に記憶されている調光データの配信に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4から調光データを受信するようにデータ入出力部111を制御する。また、各照明器具10の明かりレベルの変更に関するコマンドに対しては、各照明器具10を調光制御するように出力部113を制御する。調光データの再生に関するコマンドに対しては、調光データに基づいて各照明器具10を調光制御するように出力部113を制御する。さらに、記憶部42への調光データの保存に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4に調光データを送信するようにデータ入出力部111を制御する。また、制御部114は、調光データを照明シーンごとに作成する。
【0026】
調光盤12は、調光制御装置11の出力部113及び各照明器具10と接続している。この調光盤12は、出力部113から調光信号を受信すると、各照明器具10の明かりレベルに応じて各照明器具10に印加する電圧を0V〜100Vで調整して出力する。
【0027】
LEDシステム2は、表示装置20と、LED制御装置21と、コントロールユニット22とを備えている。このLEDシステム2は、演出効果を行うものであって独自規格の制御システムである。例えば歌番組などでは、照明器具で全体を照らすだけではなく、複数のLEDを並べ、その明かりによって演出効果を得る電飾と呼ばれる演出効果が利用されている。表示装置20は、演出用光源として複数の発光ダイオード(以下「LED」という)を備え、各LEDの発光状態を変えることによって演出的表現を行う。これにより、番組の演出効果を高めることができる。各LEDは、電球と比較して発光の立ち上がりを早くすることができるとともに、低消費電力、長寿命を可能とする。また、赤、緑及び青の3色を利用すればフルカラーの演出を行うことができる。
【0028】
LED制御装置21は、設定部210と、データ入出力部211と、記憶部212と、出力部213と、制御部214とを備えている。設定部210は、ユーザがさまざまな設定操作を行うための操作部215と、例えばディスプレイなどであって設定項目を表示する表示部216とを備え、制御部214と接続している。この設定部210は、ユーザの設定操作に基づくコマンドを制御部214に出力する。設定部210での設定項目としては、例えば、後述のスタジオサーバ4の記憶部42に記憶されているLEDデータ(演出情報データ)の配信、表示装置20の設定、LEDデータの再生、記憶部42へのLEDデータの保存、データ入出力部211の入出力インターフェースの変更などがある。LEDデータは、表示装置20のLEDに対する点灯制御の情報を含むものである。
【0029】
データ入出力部211は、スタジオサーバ4のIPアドレスを予め記憶し、制御部214及びハブ50と接続している。このデータ入出力部211は、制御部214からの制御に基づいて、ハブ50を介してスタジオサーバ4との間でLEDデータの送受信を行う。
【0030】
記憶部212は、制御部214と接続し、制御部214からのLEDデータを複数記憶する。これにより、例えば1つの番組中に複数の照明シーンを必要とする場合であっても、照明シーンごとのLEDデータを一括して記憶することができる。上記記憶部212は、例えばハードディスクなどのように電源がオフになってもLEDデータを消去しないものであってもよいし、例えばRAMなどのようにLEDデータを一時的に保持し、電源がオフになると上記LEDデータを消去するものであってもよい。
【0031】
出力部213は、制御部214及びコントロールユニット22と接続し、制御部214からの制御に基づいて、制御部214からのLEDデータをコントロールユニット22に送信する。この出力部213は、LEDデータをリアルタイムにコントロールユニット22に送信する方法であってもよいし、LEDデータをコントロールユニット22に事前に送信し、コントロールユニット22で記憶されているLEDデータを再生するためのキュー信号をコントロールユニット22に送信する方法であってもよい。
【0032】
制御部214は、設定部210、データ入出力部211、記憶部212及び出力部213と接続している。この制御部214は、設定部210からコマンドを入力すると、入力したコマンドの内容に基づいて動作する。以下、設定部210からのコマンドに対する制御部214の動作を具体的に説明する。後述のスタジオサーバ4の記憶部42に記憶されているLEDデータの配信に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4からLEDデータを受信するようにデータ入出力部211を制御する。また、表示装置20の設定に関するコマンドに対しては、表示装置20の各LEDを点灯制御するように出力部213を制御する。LEDデータの再生に関するコマンドに対しては、LEDデータに基づいて表示装置20のLEDを点灯制御するように出力部213を制御する。さらに、記憶部42へのLEDデータの保存に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4にLEDデータを送信するようにデータ入出力部211を制御する。また、制御部214は、LEDデータを照明シーンごとに作成する。
【0033】
コントロールユニット22は、LED制御装置21の出力部213及び表示装置20と接続している。このコントロールユニット22は、出力部213からLEDデータを受信すると、表示装置20の各LEDに対し、オン信号やオフ信号、調光制御信号を送信する。
【0034】
昇降システム3は、バトン30と、昇降制御装置(昇降制御盤)31とを備えている。
【0035】
バトン30は、各照明器具10を吊り下げ、表示装置20を設け、上部に設置された後述のモータ313による昇降によって高さが調整されるものである。このバトン30は、番組収録時にスタジオ内に設置されるセット(大道具)にあたらないように、上下位置が設定され、各照明器具10の明るさの調整によって番組収録に必要な明るさを確保するために、高さが調整される。
【0036】
昇降制御装置31は、設定部310と、データ入出力部311と、記憶部312と、モータ313と、制御部314とを備えている。設定部310は、ユーザがさまざまな設定操作を行うための操作部315と、例えばディスプレイなどであって設定項目を表示する表示部316とを備え、制御部314と接続している。この設定部310は、ユーザの設定操作に基づくコマンドを制御部314に出力する。設定部310での設定項目としては、例えば、後述のスタジオサーバ4の記憶部42に記憶されている昇降データの配信、バトン30上昇、下降及び停止、昇降データの再生、記憶部42への昇降データの保存、データ入出力部311の入出力インターフェースの変更などがある。昇降データは、バトン30に対する昇降制御の情報を含むものである。
【0037】
データ入出力部311は、スタジオサーバ4のIPアドレスを予め記憶し、制御部314及びハブ50と接続している。このデータ入出力部311は、制御部314からの制御に基づいて、ハブ50を介してスタジオサーバ4との間で昇降データの送受信を行う。
【0038】
記憶部312は、制御部314と接続し、制御部314からの昇降データを複数記憶する。これにより、例えば1つの番組中に複数の照明シーンを必要とする場合であっても、照明シーンごとの昇降データを一括して記憶することができる。上記記憶部312は、例えばハードディスクなどのように電源がオフになっても昇降データを消去しないものであってもよいし、例えばRAMなどのように昇降データを一時的に保持し、電源がオフになると上記昇降データを消去するものであってもよい。
【0039】
モータ313は、制御部314及びバトン30と接続し、制御部314による電源のオンオフ及び回転方向の制御によって、ローラ(図示せず)を回転し、バトン30を吊っているワイヤ317を巻き取ることによってバトン30を昇降させる駆動装置である。
【0040】
制御部314は、設定部310、データ入出力部311、記憶部312及びモータ313と接続している。この制御部314は、設定部310からコマンドを入力すると、入力したコマンドの内容に基づいて動作する。以下、設定部310からのコマンドに対する制御部314の動作を具体的に説明する。昇降データの受信に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4から昇降データを受信するようにデータ入出力部311を制御する。また、バトン30の昇降レベルの変更に関するコマンドに対しては、モータ313の電源のオンオフ及びモータ313の回転方向を制御することによってバトン30の昇降を制御する。昇降データの再生に関するコマンドに対しては、昇降データに基づいてバトン30の昇降を制御するようにモータ313を制御する。さらに、スタジオサーバ4への昇降データの保存に関するコマンドに対しては、スタジオサーバ4に昇降データを送信するようにデータ入出力部311を制御する。また、制御部314は、昇降データを照明シーンごとに作成する。
【0041】
スタジオサーバ4は、設定部40と、データ入出力部41と、記憶部42と、制御部43とを備えるデータベースサーバである。設定部40は、ユーザがさまざまな設定操作を行うための操作部400と、例えばディスプレイなどであってユーザのために設定項目を表示する表示部401とを備え、制御部43と接続している。この設定部40は、ユーザの設定操作に基づくコマンドを制御部43に出力する。設定部40での設定項目としては、調光制御装置11からの調光データ、LED制御装置21からのLEDデータ、及び昇降制御装置31からの昇降データの記憶部42での保存、記憶部42に記憶されている調光データ、LEDデータ及び昇降データの配信、番組データの検索、番組データの複製などがある。
【0042】
データ入出力部41は、制御部43と接続しているとともに、調光制御装置11、LED制御装置21及び昇降制御装置31のそれぞれとネットワーク5を介して接続している。このデータ入出力部41は、制御部43からの制御に基づいて、調光制御装置11から調光データを受信し、LED制御装置21からLEDデータを受信し、昇降制御装置31から昇降データを受信する。また、データ入出力部41は、制御部43からの制御に基づいて、記憶部42に記憶されている調光データを調光制御装置11に送信し、記憶部42に記憶されているLEDデータをLED制御装置21に送信し、記憶部42に記憶されている昇降データを昇降制御装置31に送信する。このとき、調光データ、LEDデータ及び昇降データは、それぞれ異なるTCPのポートによって識別されるようにしている。これにより、装置ごとに別接続とすることができるので、例えば調光制御装置11との間で調光データの転送を行っているときに、昇降制御装置31から保存要求信号を受信しても対応することができ、調光データ及び昇降データの両方を同時に受信することができる。
【0043】
記憶部42は、制御部43と接続し、制御部43からの制御に基づいて、データ入出力部41から受信された調光データ、LEDデータ及び昇降データを、番組ごとに一括して番組データ(アーカイブ)として記憶する(図2参照)。この記憶部42は、例えばハードディスクなどのように電源がオフになっても番組データを消去しないものである。
【0044】
制御部43は、設定部40、データ入出力部41及び記憶部42と接続している。この制御部43は、設定部40からのコマンドを入力すると、入力したコマンドの内容に基づいて動作する。以下、設定部40からのコマンドに対する制御部43の動作を具体的に説明する。調光データ、LEDデータ及び昇降データの保存に関するコマンドに対しては、調光制御装置11、LED制御装置21及び昇降制御装置31から調光データ、LEDデータ及び昇降データを受信するようにデータ入出力部41を制御する。また、調光データ、LEDデータ及び昇降データの配信に関するコマンドに対しては、記憶部42に記憶されている調光データ、LEDデータ及び昇降データを調光制御装置11、LED制御装置21及び昇降制御装置31に送信するようにデータ入出力部41を制御する。
【0045】
また、制御部43は、調光データ、LEDデータ及び昇降データを受信すると、上記調光データ、LEDデータ及び昇降データを番組ごとに一括して番組データとし、各番組データに属性情報を付与する(図3参照)。属性情報としては、例えば番組名や収録日付、作業時間、作業グループ名、作業者名、コメントなどである。上記制御部43は、上記属性情報による番組データのソートを可能とする。また、制御部43は、上記属性情報を用いて、記憶部42に記憶されている番組データから特定の番組データを選択することを可能とする。これにより、複数の番組データを属性情報で管理することができ、利用したい番組データを容易に検索することができる。
【0046】
次に、番組収録が終了した時点で、調光制御装置11の調光データをスタジオサーバ4に保存する方法について説明する。保存のタイミングを番組収録が終了した時点としているのは、収録途中で保存すると、その後修正などが発生すると再度保存しなければならないためである。まず、調光制御装置11の設定部110で保存操作が行われた場合について図4を用いて説明する。最初に、調光制御装置11の制御部114は、スタジオサーバ4への調光データの保存に関するコマンドを設定部110から入力すると、スタジオサーバ4に保存要求信号を送信し、スタジオサーバ4の保存状態を確認する(図4のt1,t3)。スタジオサーバ4の制御部43は、上記保存要求信号を受信すると、拒否信号又は保存許可信号を調光制御装置11に送信する(t2,t4)。続いて、制御部114は、上記保存許可信号を受信すると、記憶部112に記憶されている調光データをスタジオサーバ4に送信する(t5)。1つの調光データが1回の送信で終了しない場合は、複数回に分けて送信する。このとき、制御部43は、調光制御装置11からの調光データを受信するごとに、応答確認信号であるACK信号を調光制御装置11に送信する(t6)。制御部114は、上記ACK信号を受信することによって、調光データの送信が正常に終了したことを確認する。これに対して、制御部114は、所定時間経過しても上記ACK信号を受信しないことがある。ACK信号を受信しない理由としては、調光制御装置11から送信された調光データが途中で破棄されてスタジオサーバ4に届かなかった場合(t7)、又はスタジオサーバ4が調光データを受信したが、スタジオサーバ4から送信されたACK信号が途中で破棄されて調光制御装置11に届かなかった場合がある(t9)。どちらの場合も、制御部114は、所定時間が経過した後、調光データをスタジオサーバ4に再送する(t8,t10)。制御部43は、再送された調光データを受信すると、ACK信号を調光制御装置11に送信する(t11)。これにより、調光制御装置11とスタジオサーバ4の間におけるデータ通信の信頼性を高めることができる。制御部114は、すべての調光データを送信すると、データ転送終了信号をスタジオサーバ4に送信する(t12)。制御部43は、上記データ転送終了信号を受信すると、了解信号を調光制御装置11に送信する(t13)。
【0047】
これに対して、スタジオサーバ4の設定部40で保存操作が行われた場合について図5を用いて説明する。なお、調光制御装置11が、LED制御装置21及び昇降制御装置31とともに、キープアライブ信号をスタジオサーバ4に定期的に送信している(図5のt1〜t4)。まず、スタジオサーバ4の制御部43は、スタジオサーバ4での調光データの保存に関するコマンドを設定部40から入力すると、調光制御装置11からのキープアライブ信号の返答信号にクライアントデータの保存要求コマンドを付加して調光制御装置11に送信する(t5,t6)。調光制御装置11の制御部114は、上記保存要求コマンドを受信すると、スタジオサーバ4から保存要求されたことを認識する。この後の動作については、調光制御装置11の設定部110で保存操作が行われた場合と同様である(t7、図4のt3〜t13)。
【0048】
なお、LED制御装置21のLEDデータをスタジオサーバ4に保存する方法、及び昇降制御装置31の昇降データをスタジオサーバ4に保存する方法は、設定部210,310で保存操作が行われた場合、設定部40で保存操作が行われた場合ともに、上記調光制御装置11の調光データをスタジオサーバ4に保存する方法と同様である。
【0049】
続いて、スタジオサーバ4の記憶部42に記憶されている調光データを調光制御装置11に配信する方法について説明する。まず、スタジオサーバ4の設定部40で配信操作が行われた場合について図6を用いて説明する。なお、調光制御装置11が、LED制御装置21及び昇降制御装置31とともに、キープアライブ信号をスタジオサーバ4に定期的に送信している(図6のt1)。最初に、設定部40において、配信したい番組データの検索が行われる。続いて、スタジオサーバ4の制御部43は、設定部40からコマンドを受信すると、調光制御装置11からのキープアライブ信号の返信信号として、調光データを調光制御装置11に配信するための配信要求コマンドを調光制御装置11に送信する(t2)。調光制御装置11の制御部114は、上記配信要求コマンドを受信すると、調光データの配信許可又は非許可の判断をし、配信要求信号又は配信不許可信号をスタジオサーバ4に送信する(t3)。その後、制御部43は、上記配信要求信号を受信すると、ACK信号の配信許可信号及び調光データを調光制御装置11に送信する(t4)。このとき、制御部43は、記憶部42に記憶されている調光データを送信する。制御部114は、上記調光データを受信すると、保持している調光データを消去し、受信した調光データに置き換えるとともに、ACK信号をスタジオサーバ4に送信する(t5)。このとき、制御部43は、調光制御装置11からのACK信号を受信しながら調光データの送信を行う(t6,t7)。ここで、制御部43は、所定時間経過しても上記ACK信号を受信しないことがある。ACK信号を受信しない理由としては、スタジオサーバ4から送信された調光データが途中で破棄されて調光制御装置11に届かなかった場合(t8)、又は調光制御装置11が調光データを受信したが、調光制御装置11から送信されたACK信号が途中で破棄されてスタジオサーバ4に届かなかった場合がある(t10)。どちらの場合も、制御部43は、所定時間が経過した後、調光データを調光制御装置11に再送する(t9,t11)。制御部114は、再送された調光データを受信すると、ACK信号をスタジオサーバ4に送信する(t12)。これにより、調光制御装置11とスタジオサーバ4の間におけるデータ通信の信頼性を高めることができる。制御部43は、すべての調光データの配信を終了すると、データ転送終了信号を調光制御装置11に送信する(t13)。制御部114は、上記データ転送終了信号を受信すると、調光データの転送が終了したことを認識し、了解信号をスタジオサーバ4に送信してデータ配信モードを終了する(t14)。制御部43は、上記了解信号を受信すると、ACK信号を調光制御装置11に送信する(t15)。
【0050】
これに対して、調光制御装置11の設定部110で配信操作が行われた場合について図7を用いて説明する。まず、調光制御装置11の制御部114は、設定部110からコマンドを受信すると、番組データリスト要求信号をスタジオサーバ4に送信する(図7のt1)。スタジオサーバ4の制御部43は、上記番組データリスト要求信号を受信すると、番組データリストを作成して調光制御装置11に送信する(t2)。制御部114は、上記番組データリストを受信すると、設定部110の画面に表示してユーザが選択できるようにする。その後、制御部114は、設定部110で選択された番組データの配信要求信号をスタジオサーバ4に送信する(t3)。この後の動作については、スタジオサーバ4の設定部40で保存操作が行われた場合と同様である(図6のt4〜t15)。
【0051】
以上、実施形態1によれば、スタジオサーバ4が調光データ、LEDデータ及び昇降データを照明シーンごとに一括に記憶することができるので、調光データ、LEDデータ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。また、属性情報を用いて希望のアーカイブを容易に選択することができる。さらに、過去に収録が行われて記憶部42に記憶されている調光データ、LEDデータ及び昇降データを呼び出すことによって、過去の収録の仕込み状況を再現することができ、再利用することができる。
【0052】
上記に追加して、調光システム1の設置場所から調光データの取り込み及び保存を設定することができるとともに、LEDシステム2の設置場所からLEDデータの取り込み及び保存を設定することができ、昇降システム3の設置場所から昇降データの取り込み及び保存を設定することができる。また、ネットワーク5のプロトコルとしてHTTPを用いているので、パソコンなどの情報端末機をネットワーク5に接続し、情報端末機のブラウザを立ち上げると、この情報端末機からスタジオサーバ4の情報を容易に閲覧することができる。
【0053】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について説明する。
【0054】
実施形態2のネットワークシステムは、図1に示すように、調光システム1と、LEDシステム2と、昇降システム3と、スタジオサーバ4とを、実施形態1のネットワークシステムと同様に備えているが、実施形態1のネットワークシステムにはない以下に記載の特徴部分を有する。
実施形態2の調光制御装置11の制御部114は、実施形態1の調光制御装置とは異なり、スタジオサーバ4から調光データを受信すると、記憶部112に対して、既に保持している調光データを消去しないで、受信した調光データを新たに記憶させるように制御する。また、実施形態2のLED制御装置21の制御部214は、スタジオサーバ4からLEDデータを受信すると、記憶部212に対して、受信時に保持しているLEDデータを消去しないで、受信したLEDデータを記憶させるように制御する。さらに、実施形態2の昇降制御装置31の制御部314は、スタジオサーバ4から昇降データを受信すると、記憶部312に対して、受信時に保持している昇降データを消去しないで、受信した昇降データを記憶させるように制御する。
【0055】
以上、実施形態2によれば、記憶部112によって、既に保持している調光データと異なる領域にスタジオサーバ4からの調光データを保存することができるので、制御部114によって、受信後に、いずれの調光データも必要に応じて読み出して利用することができる。また、記憶部212によって、既に保持しているLEDデータと異なる領域にスタジオサーバ4からのLEDデータを保存することができるので、制御部214によって、受信後に、いずれのLEDデータも読み出して利用することができる。さらに、記憶部312によって、既に保持している昇降データと異なる領域にスタジオサーバ4からの昇降データを保存することができるので、制御部314によって、受信後に、いずれの昇降データも必要に応じて読み出して利用することができる。
【0056】
(実施形態3)
本発明の実施形態3について説明する。
【0057】
実施形態3のネットワークシステムは、図1に示すように、調光システム1と、LEDシステム2と、昇降システム3と、スタジオサーバ4とを、実施形態1のネットワークシステムと同様に備えているが、実施形態1のネットワークシステムにはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0058】
実施形態3の調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3とスタジオサーバ4との間の通信プロトコルとして、HTTPに代えて、FTP(File Transfer Protocol)を用いる。スタジオサーバ4側にはFTPサーバのプログラムが実装され、調光制御装置11、LED制御装置21及び昇降制御装置31側にはクライアントのプログラムが実装される。FTPは、パソコン通信で汎用的に使用されているプロトコルである。特に、WEBのホームページからのファイルのダウンロードなどで利用されている。
【0059】
以上、実施形態3によれば、FTPのプログラムを比較的簡単に実装することができるとともに、信頼性が高い。また、インターネットを利用してリモートからアクセスすることも可能である。
【0060】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について説明する。
【0061】
実施形態4のネットワークシステムは、図1に示すように、調光システム1と、LEDシステム2と、昇降システム3と、スタジオサーバ4とを、実施形態1のネットワークシステムと同様に備えているが、実施形態1のネットワークシステムにはない以下に記載の特徴部分を有する。
【0062】
実施形態4の調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3とスタジオサーバ4とは、実施形態1のようなクライアントサーバの関係ではなく、対等の関係である。実施形態4では、通信プロトコルとして、TCPに代えて、UDP(User Datagram Protocol)を用いる。
【0063】
以上、実施形態4によれば、調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3とスタジオサーバ4とが対等な関係であるので、スタジオサーバ4で保存操作又は配信操作が行われた場合、キープアライブ信号のように要求コマンドの有無を確認する手順を必要とせず、どちらからでも要求信号を送信することができる。
【0064】
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図8,9を用いて説明する。図8は、実施形態5のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。図9は、実施形態5のスタジオサーバでの属性情報の入力について説明する図である。
【0065】
実施形態5のネットワークシステムは、図8に示すように、2つのスタジオ6a,6bのそれぞれに、調光システム1と、LEDシステム2と、昇降システム3と、スタジオサーバ4aとを備え、スタジオサーバ4aのそれぞれと接続するセンターサーバ7を備えている。
【0066】
実施形態5の調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3は、調光データ、LEDデータ及び昇降データの保存先を、スタジオサーバ4aではなく、センターサーバ7に設定されている。実施形態5の調光システム1は、入力する属性パラメータとして、スタジオ6a,6bを指定する項目が追加となる。スタジオ6a,6bは特定されるので、スタジオ6a,6bの選択として、プルダウンメニューのように、一定の選択肢からユーザが選択するものを用いている。なお、実施形態5の調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3は、上記以外の点で、実施形態1の調光システム、LEDシステム及び昇降システムと同様である。
【0067】
実施形態5のスタジオサーバ4aは、調光システム1、LEDシステム2及び昇降システム3とセンターサーバ7とを中継する中継サーバである。各スタジオサーバ4aは、番組データを保存する記憶部を備えていない。しかし、スタジオサーバ4aは、実施形態1のスタジオサーバ4(図1参照)と同様に、設定部において番組データの記憶操作や配信操作を可能とする。つまり、スタジオサーバ4aは、コマンドの入力インターフェースとしてセンターサーバ7にコマンドを送信する。これにより、すべてのデータの記憶及び管理を行うセンターサーバ7への手順を統一することができる。また、スタジオ6a,6bにいる作業者が操作を行う場合、各スタジオ6a,6bに設置されたスタジオサーバ4aから容易に操作することができる。
【0068】
センターサーバ7は、テレビ局内であって、例えば2つのスタジオ6a,6bから離れた場所などに設置されたものであり、2つのスタジオ6a,6bでのすべての番組データを保存し、管理するデータベースサーバである。これにより、番組データの一貫性を保つことができる。もしスタジオサーバ4a,4aのそれぞれに番組データを保存した場合、複数の保存場所が存在することによって番組データの一貫性が保つことができない。また、センターサーバ7は、番組データの記憶操作や配信操作が行われる設定部(図示せず)を備える。
【0069】
また、センターサーバ7は、実施形態1のスタジオサーバ4(図1参照)と同様に、調光データ、LEDデータ及び昇降データを受信すると、上記調光データ、LEDデータ及び昇降データを番組ごとに一括して番組データとし、図9に示すように、各番組データに属性情報を付与する。属性情報としては、例えばスタジオ名や番組名、収録日付、作業時間、作業グループ名、作業者名、コメントなどである。ここで、スタジオ6a,6bは特定されるので、スタジオ6a,6bの選択として、プルダウンメニューのように、一定の選択肢からユーザが選択するものを用いている。上記センターサーバ7は、上記属性情報による番組データのソートを可能とする。また、センターサーバ7は、上記属性情報を用いて、記憶している番組データから特定の番組データを選択することを可能とする。これにより、複数の番組データを属性情報で管理することができ、利用したい番組データを容易に検索することができる。
【0070】
次に、番組収録が終了した時点で、調光システム1の調光制御装置の調光データをセンターサーバ7に保存する方法について説明する。なお、センターサーバ7で保存操作が行われた場合の保存方法は、実施形態1のスタジオサーバ4で保存操作が行われた場合と同様である。まず、スタジオサーバ4aで保存操作が行われた場合について説明する。最初に、ユーザが、スタジオサーバ4aにおいて属性情報を指定する。スタジオサーバ4aは、属性情報が指定されると、保存要求コマンドをセンターサーバ7に送信する。センターサーバ7は、上記保存要求コマンドを受信すると、上記センターサーバ7で保存操作が行われた場合と同様に動作する。
【0071】
なお、調光システム1の調光制御装置で保存操作が行われた場合の保存方法は、保存先としてセンターサーバ7を指定する以外の動作は、実施形態1の調光システムで保存操作が行われた場合と同様である。
【0072】
続いて、センターサーバ7に記憶されている調光データを調光システム1の調光制御装置に配信する方法について説明する。まず、スタジオサーバ4aで配信操作が行われた場合について説明する。まず、スタジオサーバ4aは、センターサーバ7にどのような番組データを記憶しているのかを確認するために、番組データリスト要求信号をセンターサーバ7に送信する。ユーザ操作としては、「リストの取得」ボタンなどで明示する。センターサーバ7は、上記番組データリスト要求信号を受信すると、番組データリストを作成してスタジオサーバ4aに送信する。このとき、通常、上記スタジオサーバ4aが設置されたスタジオ6a(6b)に関する番組データリストが送信される。しかし、他のスタジオ6b(6a)の番組データを使用したい場合も考えられるので、取得したいスタジオ6a,6bの選択肢を設けている。その後、スタジオサーバ4aは、上記番組データリストを受信すると、番組データリストを画面に表示する。その後、ユーザは、表示された番組データリストに対して検索やソートなどを行い、配信したい番組データを選択し、「データの配信」ボタンを押下する。その後、スタジオサーバ4aは、配信要求信号をセンターサーバ7に送信する。センターサーバ7は、上記配信要求信号を受信すると、要求された番組データの調光データをスタジオサーバ4aに送信する。この後の動作については、実施形態1の調光制御装置11で保存操作が行われた場合と同様である。
【0073】
なお、センターサーバ7で配信操作が行われた場合の動作は、2つのスタジオ6a,6bをIPアドレスなどによって識別すること以外、実施形態1のスタジオサーバ4で配信操作が行われた場合と同様である。
【0074】
以上、実施形態5によれば、調光システム1、LEDシステム2、昇降システム3及びスタジオサーバ4aがスタジオ6a,6bごとに設けられた場合であっても、センターサーバ7が各スタジオ6a,6bからの調光データ、LEDデータ及び昇降データを、スタジオサーバ4aを介して受信することができるので、2つのスタジオ6a,6bで作成された調光データ、LEDデータ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。
【0075】
また、2つのスタジオ6a,6bの番組データを管理しているので、スタジオ6a,6b間の番組データの編集を行うことができる。例えば、過去の番組データを、他のスタジオ6a,6bで使用したい場合、スタジオ6a,6b間での番組データのコピー操作によって、再利用することができる。また、スタジオ6a,6b間での番組データの移動も行うことができる。さらに、時間情報によって、スタジオ6a,6bの稼働率や、作業者の勤務状態などの情報を取得することができる。テレビ局として一括でスタジオ6a,6bの管理ファイルを作成したい場合に、さまざまな観点からデータを処理して表示することができる。なお、「ドラマ」「バラエティ」「音楽」などの属性情報を付加することによって、どのような番組でどのスタジオ6a,6bが使用されているのか確認することができる。
【0076】
なお、実施形態1〜5の変形例として、ユーザの設定操作を行う機能を、調光制御装置、LED制御装置及び昇降制御装置に代えて、調光制御装置、LED制御装置及び昇降制御装置に接続される情報端末機(例えばパソコンなど)が有するようにしてもよい。つまり、上記情報端末機は、スタジオサーバ又はセンターサーバに記憶されているデータを調光制御装置、LED制御装置及び昇降制御装置に受信させるための受信操作、並びに調光制御装置、LED制御装置及び昇降制御装置のそれぞれで作成されたデータをスタジオサーバ又はセンターサーバに記憶させるための保存操作を可能とする。このようにすると、調光システムやLEDシステム、昇降システムの操作方法を知らない者であっても、情報端末機を用いて上記操作を容易に行うことができる。
【0077】
また、実施形態1〜5の他の変形例として、調光システム、LEDシステム及び昇降システムとともに、マイクやスピーカなどの音声システム、SE(効果音)などの制御システム、スモークなどの演出システム、舞台装置などの制御システム、ムービングライトやレーザーなど、複雑な機構を持つ調光制御システム、蓄積された映像を表示するなどの映像表示システム、カメラ画像をモニタに表示する映像システムのうち少なくとも1つのシステムを備えてもよい。このような構成にすると、照明だけでなく番組全体のデータを一括して管理することができる。
【0078】
さらに、実施形態1〜5の他の変形例として、演出用光源がLEDに代わって、電球であってもよい。このような構成にしても、実施形態1〜5と同様の効果を得ることができる。
【0079】
実施形態1〜5の他の変形例として、調光データ、LEDデータ及び昇降データを番組データとしてまとめて記憶するのではなく、各データを個別に記憶してもよい。このような構成にしても、調光データ、LEDデータ及び昇降データの管理を容易に行うことができる。また、属性情報を用いて希望のデータを容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明による実施形態1〜4のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上のネットワークシステムにおける調光データ、LEDデータ及び昇降データの伝送を説明する図である。
【図3】同上のスタジオサーバに記憶されている番組データの検索について説明する図である。
【図4】本発明による実施形態1の調光制御装置で調光データの保存操作が行われたた場合について説明する図である。
【図5】同上のスタジオサーバで調光データの保存操作が行われたた場合について説明する図である。
【図6】同上のスタジオサーバで調光データの配信操作が行われた場合について説明する図である。
【図7】同上の調光制御装置で調光データの配信操作が行われた場合について説明する図である。
【図8】本発明による実施形態5のネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】同上のスタジオサーバでの属性情報の入力について説明する図である。
【符号の説明】
【0081】
1 調光システム
10 照明器具
11 調光制御装置
2 LEDシステム
20 表示装置
21 LED制御装置
3 昇降システム
30 バトン
31 昇降制御装置
4 スタジオサーバ
5 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタジオを照射する主光源、前記主光源の調光を制御する調光制御手段、及び前記主光源に対する調光制御の情報を含む調光データを作成する調光データ作成手段を有する調光システムと、
演出用光源、前記演出用光源の点灯を制御する点灯制御手段、及び前記演出用光源に対する点灯制御の情報を含む演出情報データを作成する演出情報データ作成手段を有する演出用光源システムと、
前記主光源及び前記演出用光源が取り付けられるバトン、前記バトンの昇降を制御する昇降制御手段、並びに前記バトンに対する昇降制御の情報を含む昇降データを作成する昇降データ作成手段を有する昇降システムと、
前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれとネットワークを介して接続し、前記調光システムから前記調光データを受信し、前記演出用光源システムから前記演出情報データを受信し、前記昇降システムから前記昇降データを受信する受信手段、並びに前記受信手段によって受信された前記調光データ、前記演出情報データ及び前記昇降データを、予め決められた範囲ごとに記憶する記憶手段を有するデータベースサーバと
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
複数のスタジオのそれぞれに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムを備えるとともに、
前記スタジオごとに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムと前記データベースサーバとを中継する中継サーバを備える
ことを特徴とする請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記データベースサーバが、前記受信手段によって受信された前記調光データ、前記演出情報データ及び前記昇降データに属性情報を付与する付与手段、及び前記属性情報を用いて、前記記憶手段に記憶されている前記調光データ、前記演出情報データ及び前記昇降データから特定のデータを選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記データベースサーバが、前記記憶手段に記憶されている前記調光データを前記調光システムに送信し、前記記憶手段に記憶されている前記演出情報データを前記演出用光源システムに送信し、前記記憶手段に記憶されている前記昇降データを前記昇降システムに送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれが、前記記憶手段に記憶され自己に対応するデータを受信させるための受信操作、及び自己で作成されたデータを前記記憶手段に記憶させるための保存操作を可能とする設定手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記記憶手段に記憶されているデータを受信させるための受信操作、並びに前記調光システム、前記演出用光源システム及び前記昇降システムのそれぞれで作成されたデータを前記記憶手段に記憶させるための保存操作を可能とする情報端末機を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−265765(P2007−265765A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88437(P2006−88437)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000136468)株式会社フジテレビジョン (14)
【Fターム(参考)】