説明

ネットワークデータプロジェクタシステム、プロジェクタ、コンテンツ投影方法

【課題】より簡単、確実にプロジェクタに投影されているコンテンツを入手する。
【解決手段】コンテンツを保持するサーバと、ICカード端末を有し、サーバに保持された一のコンテンツを投影するプロジェクタと、情報処理端末とからなるネットワークデータプロジェクタシステムであって、プロジェクタは、プロジェクタが所定のコンテンツを投影している間に、ICカード端末にICカードが提示されたとき、プロジェクタに投影しているコンテンツである投影コンテンツの識別子である投影コンテンツ識別子をICカードに格納する投影コンテンツ識別子格納手段を有し、情報処理端末は、ICカードに格納された投影コンテンツ識別子を読み込み、投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツをサーバに要求する投影コンテンツ要求手段を有し、サーバは、投影コンテンツ識別子に対応した投影コンテンツを、情報処理端末に送信する投影コンテンツ送信手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークデータプロジェクタシステム、プロジェクタ、コンテンツ投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでの会議において、資料をプロジェクタに表示し、会議の参加メンバーが資料を見られるようにしている光景は一般的である。このような会議において、プロジェクタで参照されている資料を会議参加者間で共有するために、資料を外部サーバに格納し、会議の参加者はサーバにアクセスして、入手した資料を目前のPCに表示する技術が既に知られている。
【0003】
以下、会議でプレゼンテーションを行う者をプレゼンター、会議に参加する他のメンバーをオーディエンスと表記する。特許文献1において、プレゼンターはプレゼンテーションに使用する資料をサーバに格納する。外出先で、投影部を有する携帯端末からサーバにアクセスし、プレゼンテーションに関する情報をサーバから読み出して投影し、プレゼンテーションを行う。サーバへのアクセスキー情報をオーディエンスに知らせることで、オーディエンスがサーバにアクセスし、プレゼンテーションに用いたデータを利用することができる。
【0004】
(特許文献1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術によると、オーディエンスが資料を入手するためには、サーバへのアクセスキー情報を取得しなければならない。入手したアクセスキー情報を自ら入力する必要があり、資料を入手するにあたって確実な方法とはいえない。また、プレゼンテーションの実行中にそれらの作業を行うことはオーディエンスにとって負担となる。さらに、外出先のオーディエンスがプレゼンテーションの最中に資料を入手しようとしても、ネットワークにかかる負荷が大きいため、現実的でない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、より簡単、確実にプロジェクタに投影されているコンテンツを入手することのできるネットワークデータプロジェクタシステム、プロジェクタ、コンテンツ投影方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明のネットワークデータプロジェクタシステムは、一つ以上のコンテンツを保持するサーバと、前記サーバに接続され、ICカードの読み取りと書き込みを行うICカード端末を有し、前記サーバに保持された一のコンテンツを投影するプロジェクタと、前記サーバに接続された情報処理端末とからなるネットワークデータプロジェクタシステムであって、前記プロジェクタは、前記プロジェクタが所定のコンテンツを投影している間に、前記ICカード端末にICカードが提示されたとき、前記プロジェクタに投影しているコンテンツである投影コンテンツの識別子である投影コンテンツ識別子を前記ICカードに格納する投影コンテンツ識別子格納手段を有し、前記情報処理端末は、前記ICカードに格納された前記投影コンテンツ識別子を読み込み、前記投影コンテンツ識別子に対応する前記投影コンテンツを前記サーバに要求する投影コンテンツ要求手段を有し、前記サーバは、前記投影コンテンツ識別子に対応した前記投影コンテンツを、前記情報処理端末に送信する投影コンテンツ送信手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、上記ネットワークデータプロジェクタシステムにおけるプロジェクタ、コンテンツ投影方法としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より簡単、確実にプロジェクタに投影されているコンテンツを入手することのできるネットワークデータプロジェクタシステム、プロジェクタ、コンテンツ投影方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ネットワークデータプロジェクタシステム1におけるネットワーク構成図である。
【図2】第一の実施形態の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【図3】プロジェクタ11のハードウェア構成図である
【図4】プロジェクタ11の機能ブロック図である。
【図5】コンテンツサーバ12のハードウェア構成図である。
【図6】コンテンツサーバ12の機能ブロック図である。
【図7】コンテンツDB50の一例である。
【図8】PC13のハードウェア構成図である。
【図9】PC13の機能ブロック図である。
【図10】ICカードのデータ構造図である。
【図11】第一の実施形態におけるネットワークデータプロジェクタシステム1の処理フローである。
【図12】第二の実施形態の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一の実施形態)
(ネットワークデータプロジェクタシステム1のネットワーク構成と機能)
以下、図面に基づいて第一の実施形態を説明する。図1は、ネットワークデータプロジェクタシステム1におけるネットワーク構成図である。尚、以下の説明においては、便宜上、本実施の形態の説明に必要な構成要素が示されている。
【0012】
ネットワークデータプロジェクタシステム1は、プロジェクタ11、コンテンツサーバ12、PC13を備えるシステムであって、コンテンツサーバ12で管理するコンテンツをプロジェクタ11が表示する。また、コンテンツサーバ12で管理するコンテンツをPC13が取得して表示する。
【0013】
プロジェクタ11は投影装置であり、コンテンツサーバ12から取得したコンテンツを投影する。以後、プロジェクタ11で投影されているコンテンツを投影コンテンツとする。プロジェクタ11は、ICカードに格納された情報の読み取り、書き込みを行う機能を持つICカード端末を備える。コンテンツサーバ12は、コンテンツを管理する。
【0014】
PC13は、会議の参加者であるオーディエンスが操作する、一般的な情報処理端末である。PC13は、コンテンツサーバ12から投影コンテンツの配信を受け付ける。オーディエンスは複数の人数であることが一般的なので、PC13は一台に限らず、オーディエンスの人数に応じて複数のPCを接続することができる。
【0015】
(ネットワークデータプロジェクタシステム1の処理)
プレゼンターがプロジェクタ11に対してログインを行うと、プロジェクタ11はコンテンツサーバ12にコンテンツのリストを要求する。コンテンツサーバ12がプロジェクタ11にコンテンツのリストを送ると、プレゼンターがコンテンツのリストから投影コンテンツを選択する。プロジェクタ11は、コンテンツサーバ12から受け付けた投影コンテンツを投影する。
【0016】
投影コンテンツを投影している間、オーディエンスはICカードをプロジェクタ11のICカード端末にかざす。プロジェクタ11は、オーディエンスのICカードに投影コンテンツの識別子を格納する。以降、投影コンテンツの識別子を「投影コンテンツ識別子」とする。その後、オーディエンスは自己のPC13にICカードをかざし、PC13はICカードから投影コンテンツ識別子を取得する。PC13は、取得した投影コンテンツ識別子をコンテンツサーバ12に送って投影コンテンツを要求する。コンテンツサーバ12は、要求を受けて投影コンテンツをPC13に送信する。
【0017】
投影コンテンツに対応する投影コンテンツ識別子をICカードに格納し、ICカードをPCに提示することで投影コンテンツを特定する構成とすることで、オーディエンスは容易にプレゼンに供された資料を入手することができる。
【0018】
(ネットワークデータプロジェクタシステム1の処理の流れ)
次に、ネットワークデータプロジェクタシステム1の処理の流れを詳しく説明する。図2は、第一の実施形態の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【0019】
まず、プレゼンター側の処理を説明する。S101において、プレゼンターは、プロジェクタ11のICカード端末にカードをかざしてログインする。プロジェクタ11は、ICカードの提示を受け付けたときに、ICカードを提示した者がプレゼンターであるか、オーディエンスであるかを確認する。確認は、例えば「あなたはプレゼンターですか?Yes or No」というような表示を投影して、ICカード提示者の入力を受け付ける。
【0020】
プロジェクタ11は、ICカード提示者がプレゼンターであることを認識したら、S102でプレゼンターのICカードからICカードの識別情報(以降、「カード識別子」とする)を読み取る。S103でカード識別子をコンテンツサーバ12に送り、予めカード識別子と対応して記憶されているコンテンツのリストをコンテンツサーバ2に要求する。
【0021】
S104で、コンテンツサーバ12はプロジェクタ11にコンテンツのリストを送信し、S105において、プロジェクタ11が取得したコンテンツのリストを投影する。S106で、プレゼンターはコンテンツのリストから投影コンテンツを選択する。S107において、プロジェクタ11がコンテンツサーバ12に投影コンテンツを要求すると、S108で投影コンテンツがコンテンツサーバ12からプロジェクタ11に送信される。S109でプロジェクタ11にコンテンツが投影される。
【0022】
S110において、コンテンツの投影の際、プロジェクタ11は投影コンテンツの進捗情報をコンテンツサーバ12に送信し、S111でコンテンツサーバ12は投影コンテンツの進捗情報を記憶しておく。
【0023】
次にオーディエンス側の処理について説明する。S112において、オーディエンスは投影コンテンツの投影中に、ICカードをプロジェクタ11のICカード端末に提示する。S113で、プロジェクタ11は、オーディエンスのICカードに投影コンテンツの投影コンテンツ識別子を格納する。S114で、オーディエンスが自己のPC13にICカードをかざすと、S115で、PC13がICカードから読み取った投影コンテンツ識別子をコンテンツサーバ12に送り、投影コンテンツのデータを要求する。S116で、コンテンツサーバ12から投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツのデータがPC13に送信されると、S117でPC13に投影コンテンツが表示される。
【0024】
尚、ここでは便宜上、S112でのオーディエンスのプロジェクタ11へのICカード提示に先立って、S110においてプロジェクタ11からコンテンツサーバ12へコンテンツ投影の進捗情報が送信されることとした。しかしオーディエンスは、コンテンツ投影中はいつでもICカードの提示が可能である。また、進捗情報の送信は随時行われる。
【0025】
(変形例)
コンテンツサーバ12から投影コンテンツをPC13に送信する際、記憶された投影コンテンツの進捗情報を参照し、既に投影された投影コンテンツのみを送信する構成にしてもよい。例えば、20枚のスライドからなる投影コンテンツのうち4枚が投影された時点で、PC13が受信するのは既に投影された4枚に限る構成にすることができる。このような構成とすることで、オーディエンスに投影前の資料を先読みされることを防ぐことができる。
【0026】
また、コンテンツサーバ12からPC13への投影コンテンツの送信について、ポーリング方式で投影コンテンツのデータを送信する構成にしてもよい。コンテンツサーバ12は、投影コンテンツを要求したPC13に対して定期的に問い合わせを行い、プロジェクタ11に表示された投影コンテンツと、既にPC13に送信した投影コンテンツのデータとの差分を、PC13に自動的に送信する構成としてもよい。
【0027】
プレゼンターは、自己のICカードをプロジェクタに提示することでコンテンツのリストを閲覧でき、コンテンツのリストから投影コンテンツを選択することで容易にコンテンツを投影できる。オーディエンスは、自己のICカード端末に投影コンテンツの投影コンテンツ識別子を格納することで、投影コンテンツのデータを簡単かつ確実に取得することができる。
【0028】
(プロジェクタ11のハードウェア構成と機能)
次に、プロジェクタ11のハードウェア構成について説明する。図3は、プロジェクタ11のハードウェア構成図である。
【0029】
プロジェクタ11は、投影装置111、映像入力端子112、ネットワークI/F113、入力装置114、CPU115、メモリ装置116、不揮発メモリ117、ICカード端末118を備える。投影装置111は、コンテンツを映し出す装置である。映像入力端子112は、コンテンツの映像をコンテンツサーバから受信する端子である。ネットワークI/F113は、PC13及びコンテンツサーバ113とのネットワークインターフェイスである。入力装置114は、ボタンやリモコン受信部などで構成され、プロジェクタ11への直接的な入力を受け付ける。
【0030】
CPU115は、プロジェクタ11を制御する中央演算装置である。メモリ装置116は、演算に必要なデータを読み込み、または書き出す装置である。不揮発メモリ117は、永続させるデータを記録して読み出す。ICカード端末118は、ICカードに情報を書き込み、またはICカードから情報を読み出す装置である。
【0031】
(プロジェクタ11のハードウェアによる処理)
本実施形態においては、CPU115により以下の処理が行われる。ICカード端末118がICカードの提示を受け付けると、投影装置111に、ICカードを提示した者がプレゼンターであるか、オーディエンスであるかを問い合わせる画面を投影する。入力装置114が、ICカードの提示した者がプレゼンターであるとの入力を受け付けると、ICカード端末118はICカードのカード識別子の読み取りを行う。読み取られたカード識別子は、ネットワーク制御I/F113を経由してコンテンツサーバ12に送られ、カード識別子に対応するコンテンツのリストを要求する。
【0032】
コンテンツのリストをコンテンツサーバ12から受け付けると、投影装置111に投影し、プレゼンターの入力を受け付ける。入力装置114から表示コンテンツの決定が入力されると、ネットワークI/Fを介してコンテンツサーバ12に表示コンテンツを要求し、受信した表示コンテンツを投影装置111に投影する。
【0033】
コンテンツの投影中に、ICカード端末118にICカードが提示され、ICカードを提示した者がオーディエンスであるとの入力を入力装置114が受け付けた場合、ICカード端末118は、投影コンテンツの投影コンテンツ識別子をICカードに格納する。
【0034】
プロジェクタ11にICカードの読み取り及び書き込み機能を設け、投影コンテンツを特定する情報をICカードに格納することで、オーディエンスは容易にプレゼンテーションに関する資料を入手することができる。
【0035】
(プロジェクタ11の機能)
次に、プロジェクタ11の機能について説明する。図4は、プロジェクタ11の機能ブロック図である。
【0036】
プロジェクタ11は、アプリケーションとして、PCデータ出力アプリ21、コンテンツ出力アプリ22を備える。ミドルウェアとして、投影部23、ICカード情報読取部24、コンテンツリスト要求部25、コンテンツ取得部26、投影コンテンツ識別子格納部27、提示者判断部28、コンテンツ投影進捗情報送信部29を備える。他に、ネットワークモジュール30、永続情報記憶部31、映像出力部32、映像入力部33、操作部34、ICカード制御部35を備える。
【0037】
PCデータ出力アプリ21は、PC等情報端末から映像ケーブルで送信される映像ストリームを投影する機能を備える。コンテンツ出力アプリ22は、コンテンツサーバ12からコンテンツを取得し、投影する機能を備える。
【0038】
投影部23は、映像を写す。ICカード情報読取部24は、カード識別子等のICカードの情報を読み取る。コンテンツリスト要求部25は、コンテンツサーバ12にコンテンツのリストを要求する。コンテンツ取得部26は、ネットワークI/F113を用いてコンテンツを取得する。投影コンテンツ識別子格納部27は、ICカードに投影コンテンツ識別子を格納する。提示者判断部28は、ICカードの提示に対する問い合わせを行う。提示者判断部28は、問い合わせに対する入力に基づき、ICカード提示者の判断を行う。コンテンツ投影進捗情報送信部29は、投影部23に投影しているコンテンツの進捗情報をコンテンツサーバ12に送信する。
【0039】
ネットワークモジュール30は、ネットワーク通信を制御する。永続情報記憶部31は、不揮発メモリ117のデータの入出力を制御する。映像出力部32は、投影部23に映像を出力する。映像入力部33は、外部から映像を入力する。操作部34は、プロジェクタ11に対する入力処理を受け付ける。ICカード制御部35は、ICカードからの情報の読み取り、ICカードへの情報の書き込みを制御する。
【0040】
(プロジェクタ11のソフトウェアによる処理)
プロジェクタ11のICカード端末118にICカードが提示されると、ICカード制御部35から提示者判断部へICカード提示が伝達され、提示者判断部28がICカード提示者の問い合わせを行う。投影部23に問い合わせ画面が投影され、操作部34が入力を受け付けると、提示者判断部28がICカード提示者に応じた処理を制御する。
【0041】
ICカード提示者がプレゼンターであった場合、ICカード制御部35の制御によりICカード情報読取部24でカード識別子が読み込まれる。コンテンツリスト要求部25がカード識別子をコンテンツサーバ12に送り、コンテンツサーバ12にカード識別子に対応するコンテンツのリストを要求する。コンテンツ取得部26がコンテンツのリストを取得すると、投影部23がコンテンツのリストを投影する。
【0042】
コンテンツ取得部26は、プレゼンターのコンテンツリストからの投影コンテンツの選択を受け付け、投影コンテンツをコンテンツサーバ12に要求する。コンテンツサーバ12から受信した投影コンテンツは、投影部23から、コンテンツ出力アプリ22を用いて投影される。投影コンテンツの進捗情報が、コンテンツ投影進捗情報送信部29からコンテンツサーバ12に送信される。
【0043】
提示者判断部28が、ICカードの提示者がオーディエンスであるとの操作部34に対する入力を受け付けると、投影コンテンツ識別子格納部27は投影部23において、投影コンテンツが投影中であるかを確認する。コンテンツの投影中である場合、投影コンテンツ識別子格納部27は、提示されているICカードに投影コンテンツの投影コンテンツ識別子を格納する。
【0044】
プロジェクタ11がICカードの制御を行う構成を実現することで、簡単かつ確実にコンテンツの投影やオーディエンスへの投影コンテンツの受け渡しが可能となる。
【0045】
(コンテンツサーバ12のハードウェア構成と機能)
次に、コンテンツサーバ12のハードウェア構成について説明する。図5は、コンテンツサーバ12のハードウェア構成図である。コンテンツサーバ12は一般的なサーバであり、本件発明に係るコンテンツサーバ12の機能の詳細については後述する。
【0046】
コンテンツサーバ12は、表示装置121、入力端子122、ネットワークI/F123、CPU124、メモリ装置125、HDD126を備える。表示装置121は、メッセージや動作状態を表示する装置である。入力端子122は、マウスやキーボードなどで構成される操作指示を受け付ける装置である。ネットワークI/F123は、データ送受信を行うインターフェイスである。CPU124は、コンテンツサーバ12を制御する中央演算装置である。メモリ装置125は、ROM及びRAMであり、コンテンツサーバ12の処理に必要なデータを格納する装置である。HDD126は、永続情報を格納する装置であり、コンテンツの格納を行う。CPU124は、電源投入時にHDD126内の各種プログラムを読み出し、メモリ装置125にインストールした後、各種プログラムに従って動作する。
【0047】
(コンテンツサーバ12のハードウェアによる処理)
コンテンツサーバ12は、ネットワークI/F123からカード識別子を受け付けると、HDD126に格納されたコンテンツのデータベースを参照して、カード識別子に対応したコンテンツのリストをプロジェクタ11へ送る。プロジェクタ11から投影コンテンツを要求されたら、HDD126から投影コンテンツを読み出し、ネットワークI/F123を介してプロジェクタ11へ送る。また、ネットワークI/Fを経由して、PC13から投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツが要求された場合、投影コンテンツをHDD126から読み出し、PC13へ送信する。
【0048】
ICカードが保有する各識別子に従って処理をすることで、迅速かつ確実に要求されたコンテンツの受け渡しをすることができる。
【0049】
(コンテンツサーバ12の機能)
次に、コンテンツサーバ12の機能について説明する。図6は、コンテンツサーバ12の機能ブロック図である。
【0050】
コンテンツサーバ12は、アプリケーションとしてユーザー情報設定アプリ41、コンテンツ管理アプリ42を備える。ミドルウェアとして、ユーザー情報管理部43、コンテンツリスト管理部44、コンテンツ制御部45、ポーリング制御部46、関連コンテンツ制御部47、アクセス制御部48を備える。コンテンツサーバ12は、ほかにネットワークモジュール49、コンテンツDB(Database)50、出力部51、操作部52、記憶部53を備える。
【0051】
ユーザー情報設定アプリ41は、ユーザーの追加、削除や、登録済みユーザー情報の編集を行う。コンテンツ管理アプリ42は、コンテンツの追加、削除や、登録済みコンテンツ情報の編集を行う。ユーザー情報管理部43は、ユーザーの情報を一元管理する。コンテンツリスト管理部44は、コンテンツのリストの生成及び送受信を制御する。コンテンツ制御部45は、コンテンツDB51のデータ入出力制御及びコンテンツの管理を行う。
【0052】
ポーリング制御部46は、投影コンテンツをオーディエンスに送るときのポーリング制御を行う。関連コンテンツ制御部47は、コンテンツDB51内の所定のコンテンツに関連するコンテンツを管理する。アクセス制御部48は、投影コンテンツをPC13に送信する際のアクセス権に関する制御を行うが、詳細は後述する。
【0053】
ネットワークモジュール49は、コンテンツサーバ12のネットワーク接続の制御を行う。コンテンツDB50は、コンテンツを格納し、コンテンツの情報を一元管理する。出力部51は、接続された各機器への情報の出力を行う。操作部52は、操作ボタンから各種操作を受け付ける。記憶部53は、アクセス制御のためのカード識別子、コンテンツの進捗情報やポーリング制御のための機器識別情報等の情報を格納する。
【0054】
(コンテンツサーバ12のソフトウェアによる処理)
プロジェクタ11からプレゼンターのICカードのカード識別子を受け付けた場合、コンテンツリスト管理部44は、コンテンツDB51を参照して当該プレゼンターが所有するコンテンツのリストをプロジェクタ11に返す。プロジェクタ11から投影コンテンツの要求が来た場合、コンテンツ制御部45は、コンテンツDB51から投影コンテンツを特定し、プロジェクタ11に送信する。また、PC13から投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツの要求を受け付けた場合、コンテンツ制御部45は、コンテンツDB50から投影コンテンツを読み出し、ネットワークモジュール49からPC13へ投影コンテンツを送信する。
【0055】
コンテンツを投影しているときは、コンテンツの投影の進捗情報をプロジェクタ11から受け付け、記憶部53に格納する。オーディエンスへの投影コンテンツの送信を、投影コンテンツのうち既に投影されたスライドに限定する場合、コンテンツ制御部45は以下の処理を行う。PC13からの投影コンテンツの要求を受け付けたコンテンツ制御部45は、投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツを特定するとともに、記憶部53に格納されたコンテンツ進捗情報を参照する。コンテンツ制御部45は、特定した投影コンテンツのデータのうち、既に投影されたスライドのデータのみを、ネットワークモジュール49を介してPC13に送るよう制御する。
【0056】
投影したコンテンツを、オーディエンスのPC13へポーリングにより送信する場合、ポーリングはポーリング制御部46に制御される。具体的には、PC13から投影コンテンツの要求を受け付けた場合、ユーザー情報管理部43が投影コンテンツの要求を行ったPC13の機器識別情報を記憶しておく。ポーリング制御部46は、記憶されたPC13に定期的に問い合わせを行い、投影コンテンツのデータの差分をPC13に送信する。尚、投影コンテンツのデータの差分とは、既に投影を行っていて、未だPC13に送信されていない投影コンテンツのデータを指す。
【0057】
ポーリングにより投影コンテンツのデータの差分を送信する場合、上述のようにPC13の機器識別情報により機器を特定するほか、ICカードのカード識別子によって、差分を送信するPC13を特定する構成としてもよい。PC13がICカードを提示された時、投影コンテンツ識別子とともにカード識別子をICカードから読み取って、コンテンツサーバ12に送信し、ポーリング制御部46はカード識別子毎にポーリング処理を制御する構成としてもよい。この構成により、オーディエンスはプレゼンテーションの進捗状況に従って、スムーズに最新ページのコンテンツを自身のPCで閲覧することができる。
【0058】
また、関連コンテンツ制御部47の制御により、投影コンテンツに関連するコンテンツをオーディエンスが取得できるよう構成することができる。例えば、投影コンテンツが「2011/01 会計報告書」であった場合、オーディエンスがPC13に関連コンテンツを問い合わせる。ネットワークモジュール49から関連コンテンツの問い合わせを受け付けた関連コンテンツ制御部47が、投影コンテンツに関連するコンテンツをコンテンツDB50から検索し、関連コンテンツのリストをPC13に返す。PC13が、関連コンテンツのリストから「2010/12 会計報告書」を選択すると、コンテンツ制御部45がコンテンツDB50から、決定した関連コンテンツをPC13に送信する。尚、同様の処理によりプレゼンターが関連コンテンツをプロジェクタ11に投影することも可能である。
【0059】
コンテンツサーバ12にユーザー管理機能及びコンテンツ管理機能を設けることで、ICカードによる投影コンテンツの要求に確実に対応することができる。
【0060】
(コンテンツDB50の例)
コンテンツDB50の具体例を説明する。図7に、コンテンツDB50の一例を図示する。
【0061】
図7(a)において、コンテンツDB50には、投影コンテンツ識別子に対応して、コンテンツのファイル名と、コンテンツの所有者と、コンテンツを格納した日付が格納されている。図7(b)では、カード識別子毎にコンテンツのデータベースを保持している。プロジェクタ11からプレゼンターのカード識別子を受け付け、コンテンツのリストを要求された場合、受け付けたカード識別子を持つファイルを、投影コンテンツのコンテンツリストとして、プロジェクタ11に返す。図7(c)は、関連コンテンツ毎に表示されたコンテンツのデータベースを表す図である。投影コンテンツが選択され、選択されたコンテンツに関連のあるコンテンツが一覧となって表示されている。
【0062】
尚、コンテンツDB50は、ネットワークデータプロジェクタシステム1を構成する情報処理端末毎、またはユーザ毎に分類してデータを保有するよう構成してもよい。コンテンツリストDB50は、コンテンツサーバ12に接続されたPCから必要に応じて更新される。
【0063】
(PC13のハードウェア構成と機能)
次に、PC13のハードウェア構成と機能について説明する。図8は、PC13のハードウェア構成図である。
【0064】
PC13は、表示装置131、入力端子132、ネットワークI/F133、CPU134、メモリ装置135、永続ストレージ136、ICカード端末137を備える。表示装置131は、モニター等、メッセージや動作状態を表示する装置である。入力端子132は、マウスやキーボードなどで構成される操作指示を受け付ける装置である。ネットワークI/F133は、プロジェクタ11やコンテンツサーバ12等と接続され、データを送受信する端子である。CPU134は、PC13を制御する中央演算装置である。メモリ装置135は、演算に必要なデータを読み書きする装置である。永続ストレージ136は、永続情報の記憶や読み出しを行う装置である。ICカード端末137は、ICカードに格納された情報を読み書きする装置である。
【0065】
(PC13のハードウェアによる処理)
CPU134により、以下の処理が実行される。オーディエンスは、投影されている投影コンテンツの情報を得たいと考えた場合、ICカードをプロジェクタ11のICカード端末118にかざして投影コンテンツ識別子を取得する。投影コンテンツ識別子を格納したICカードをICカード端末137にかざし、ネットワークI/F133から投影コンテンツ識別子をコンテンツサーバ12に送信して投影コンテンツを要求する。ネットワークI/F133から投影コンテンツを受け付けると、投影コンテンツはメモリ135に格納され、表示装置131に表示される。
【0066】
オーディエンスは投影コンテンツ識別子を格納したICカードをICカード端末137にかざすことで、確実に投影コンテンツを取得することができる。
【0067】
(PC13の機能)
次に、PC13の機能について説明する。図9はPC13の機能ブロック図である。PC13は、ICカード読取装置を備える汎用的な情報処理端末であるが、便宜上、本実施の形態の説明に必要な構成要素を示す。
【0068】
PC13は、アプリケーションとしてコンテンツ共有アプリ61を備える。PC13は、ミドルウェアとしてウィンドウ管理部62、ICカード情報読取部63、投影コンテンツ要求部64を備える。PC13は、ほかにネットワークモジュール65、永続情報記憶部66、映像出力部67、操作部68、ICカード制御部69を備える。
【0069】
コンテンツ共有アプリ61は、ICカードから読み取られた情報を解析して、取得すべきコンテンツの識別子を特定する。コンテンツ共有アプリ61は、取得した投影コンテンツを表示装置131に表示する。ウィンドウ管理部62は、PC13におけるコンテンツの表示画面を管理する。ICカード情報読取部63は、ICカードからカード識別子及び投影コンテンツ識別子を読み取る。投影コンテンツ要求部64は、カード識別子をコンテンツサーバ12に送信し、投影コンテンツを要求する。
【0070】
ネットワークモジュール65は、PC13のネットワーク接続を制御する。永続情報記憶部66は、メモリ装置135や永続ストレージ136の情報の入出力を管理する。映像出力部67は、表示装置131への映像の出力を行う。操作部68は、ユーザーの操作を受け付ける。ICカード制御部69は、ICカードからの情報の入出力を制御する。
【0071】
(PC13のソフトウェアによる処理)
オーディエンスは、投影コンテンツの配信を希望する場合、ICカードをプロジェクタ11のICカード端末118にかざして投影コンテンツ識別子を取得する。投影コンテンツ識別子を格納したICカードを、PC13のICカード端末137にかざすと、ICカード情報読取部63から投影コンテンツ識別子が読み取られる。読み取られた投影コンテンツ識別子は、投影コンテンツ要求部64からコンテンツサーバ12へ送信され、投影コンテンツが要求される。投影コンテンツをコンテンツサーバ12から取得すると、コンテンツ共有アプリ61は表示装置131に投影コンテンツを表示する。
【0072】
オーディエンスは、投影コンテンツ識別子を格納したICカードをPC13のICカード端末137にかざすことで、確実に所望の投影コンテンツを取得することができる。
【0073】
(ICカードのデータ構造)
次に、ICカードのデータ構造について説明する。図10は、ICカードのデータ構造図である。
【0074】
ICカードは、ICカードのカード識別子の領域及び投影コンテンツ識別子の領域を備える。カード識別子の領域には、予めカード識別子がカードに対して一意に格納されている。カード識別子は、ICカードの所有者に関する情報と対応して記憶されている。投影コンテンツ識別子の領域には、初期段階では何も格納されていないが、プロジェクタ11が投影コンテンツを投影している間に、オーディエンスがプロジェクタ11にカードを提示することで、投影コンテンツの投影コンテンツ識別子が格納される。
【0075】
(本実施形態における処理の流れ)
次に、ネットワークデータプロジェクタシステム1の本実施形態における処理の流れを説明する。図11は、第一の実施形態におけるネットワークデータプロジェクタシステム1の処理フローである。
【0076】
S301において、プロジェクタ11のICカード端末118にICカードが提示されると、プロジェクタ11に、ICカードを提示した者が誰かを問い合わせる画面が投影される。S302において、ICカードを提示した者がプレゼンターであると入力された場合、S303に進み、プロジェクタ11がICカードのカード識別子を読み込む。S302で、ICカードを提示した者がプレゼンターでない場合、提示者はオーディエンスであるため、S313に進む。
【0077】
S304において、提示されたICカードのカード識別子がプロジェクタ11からコンテンツサーバ12に送信されると、S305で、コンテンツサーバ12はコンテンツDB50を参照し、カード識別子と関連付けられたコンテンツのリストをプロジェクタ11に返す。S306において、プロジェクタ11が、コンテンツサーバ12から受け付けたコンテンツリストを投影する。S307で、プレゼンターはプロジェクタ11に投影されたコンテンツリストの中から、投影コンテンツを決定する。
【0078】
S308において、プレゼンターが決定した投影コンテンツがプロジェクタ11からコンテンツサーバ12に要求される。S309で、コンテンツサーバ12が投影コンテンツをプロジェクタ11に送信する。S310で、プロジェクタ11はコンテンツサーバ12から受け付けた投影コンテンツを投影する。
【0079】
オーディエンス側の処理に移る。S311において、プロジェクタ11のICカード端末118にICカードが提示されると、ICカードを提示した者が誰かを問い合わせる画面がプロジェクタ11に投影される。S312で、ICカードを提示した者がオーディエンスであると判断された場合、S313に進む。ICカードを提示した者がオーディエンスでない場合、提示者はプレゼンターであるため、S303に戻って処理を継続する。S313において、コンテンツが投影中である場合、S314に進む。S313においてコンテンツが投影中でない場合、提示されたオーディエンスのICカードに格納すべき投影コンテンツが決定していないため、処理を終了する。
【0080】
S314で、プロジェクタ11の投影コンテンツ識別子格納部27によって、ICカードに投影コンテンツの投影コンテンツ識別子が格納される。S315において、オーディエンスがICカードを自己のPC13のICカード端末137に提示すると、ICカードに格納された投影コンテンツ識別子がPC13で読み込まれる。S316で、PC13の投影コンテンツ要求部64が、投影コンテンツ識別子に対応する投影コンテンツをコンテンツサーバ12に要求する。S317で、コンテンツサーバ12のコンテンツ管理部44によって、要求された投影コンテンツがPC13に送信される。S318において、PC13がコンテンツ制御部45から受け付けた投影コンテンツを表示する。
【0081】
ICカードを用いて投影コンテンツを特定する投影コンテンツ識別子を授受することで、オーディエンスは所望の投影コンテンツを容易に特定し、確実に取得することができる。
【0082】
(変形例)
尚、プロジェクタ11がICカードの提示に対し、カードを提示した者を問い合わせることとしたが、プロジェクタ11の電源投入後に最初にICカードを提示した者をプレゼンター、二番目以降に提示した者をオーディエンスと認識する構成としてもよい。この場合、電源投入後、最初のICカード提示に対して自動的にカード識別子を読み込んでコンテンツサーバ12に送り、コンテンツリストを要求することとなる。
【0083】
(第二の実施形態)
次に、第二の実施形態について説明する。本実施形態では、オーディエンスのICカードのカード識別子がコンテンツサーバ13に管理され、PC13への投影コンテンツの送信が、オーディエンスのカード識別子に基づいて制限される。
【0084】
具体的には、オーディエンスが投影コンテンツの配信を希望する場合、プロジェクタ11がICカードに投影コンテンツ識別子を格納する必要があるが、この際にプロジェクタ11がオーディエンスのICカードのカード識別子を読み込む。読み込まれたカード識別子は、コンテンツサーバ12に送られ、記憶される。オーディエンスがICカードをPC13に提示すると、PC13は投影コンテンツ識別子と共にカード識別子をICカードから読み込み、コンテンツサーバ12に送って投影コンテンツを要求する。
【0085】
コンテンツサーバ12が投影コンテンツの要求を受け付けると、PC13から送られてきたカード識別子が、コンテンツサーバ12に記憶されたカード識別子の中に存在するか否かが確認される。PC13から受け付けたカード識別子がコンテンツサーバ12に記憶されている場合、PC13に提示されたICカードを持つオーディエンスによるアクセスであると判断し、アクセス判定可と判定され、PC13に投影コンテンツが送信される。
【0086】
以下、図12に基づいて、第二の実施形態における処理の流れを説明する。図12は、第二の実施形態の処理手順を説明するためのシーケンス図である。
S401からS411において、プレゼンターがICカードをプロジェクタ11に提示し、投影コンテンツがプロジェクタ11に投影され、コンテンツ投影の進捗情報が記憶されるまでの処理が行われる。この処理については、図2におけるS101〜S111と同様である。
【0087】
S412において、コンテンツの投影中に、オーディエンスがICカードをプロジェクタ11に提示する。S413で、プロジェクタ11の投影コンテンツ識別子格納部27が、投影コンテンツの投影コンテンツ識別子をICカードに格納する処理については第一の実施形態と同様である。これに加え、第二の実施形態では、S414でプロジェクタ11のICカード情報読取部24が、オーディエンスのICカードのカード識別子を読み取る。S415において、読み取られたオーディエンスのICカードのカード識別子は、プロジェクタ11からコンテンツサーバ12に送信され、S416でコンテンツサーバ12の記憶部53に記憶される。
【0088】
S417において、オーディエンスがPC13にICカードを提示すると、PC13はICカードから、格納された投影コンテンツ識別子と共にカード識別子を読み出し、S418でコンテンツサーバ12に投影コンテンツを要求する。投影コンテンツの要求の時に、投影コンテンツ識別子とカード識別子をコンテンツサーバ12に送信する。S419において、アクセス制御部48が、PC13から受け付けたカード識別子が記憶部53に記憶されているか否かを確認する。
【0089】
記憶部53にカード識別子が記憶されている場合、コンテンツサーバ12のアクセス制御部48は、PC13に提示されたICカードはアクセス可であると判定する。コンテンツサーバ12のコンテンツ制御部45により、PC13に投影コンテンツ識別子に対応した投影コンテンツが送信される。記憶部53にカード識別子が記憶されていない場合、ICカードはプロジェクタ11に提示されていないため、そのICカードを持つオーディエンスについて、アクセス制御部48はアクセス不可であると判定する。その場合はPC13に投影コンテンツが送信されず処理が終了する。
【0090】
コンテンツサーバ12に、カード識別子に基づいたアクセス判定の機能を持たせることで、プロジェクタ11のオーディエンスに投影コンテンツの送信を限定することができる。これにより、例えば不正な方法で投影コンテンツ識別子を入手した外部の者に対し、投影コンテンツの送信を制限することができ、セキュリティの強化を図ることができる。
【0091】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0092】
1 ネットワークデータプロジェクタシステム
11 プロジェクタ
12 コンテンツサーバ
13 PC
24 ICカード情報読取部
26 コンテンツ取得部
27 投影コンテンツ識別子格納部
28 コンテンツ投影進捗情報送信部
45 コンテンツ制御部
46 ポーリング制御部
47 関連コンテンツ制御部
48 アクセス制御部
50 コンテンツDB
53 記憶部
63 ICカード情報読取部
64 投影コンテンツ要求部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2002−290605号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のコンテンツを保持するサーバと、前記サーバに接続され、ICカードの読み取りと書き込みを行うICカード端末を有し、前記サーバに保持された一のコンテンツを投影するプロジェクタと、前記サーバに接続された情報処理端末とからなるネットワークデータプロジェクタシステムであって、
前記プロジェクタは、前記プロジェクタが所定のコンテンツを投影している間に、前記ICカード端末にICカードが提示されたとき、前記プロジェクタに投影しているコンテンツである投影コンテンツの識別子である投影コンテンツ識別子を前記ICカードに格納する投影コンテンツ識別子格納手段を有し、
前記情報処理端末は、前記ICカードに格納された前記投影コンテンツ識別子を読み込み、前記投影コンテンツ識別子に対応する前記投影コンテンツを前記サーバに要求する投影コンテンツ要求手段を有し、
前記サーバは、前記投影コンテンツ識別子に対応した前記投影コンテンツを、前記情報処理端末に送信する投影コンテンツ送信手段を有することを特徴とする、ネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項2】
前記プロジェクタは、前記投影コンテンツの投影の進捗情報であるコンテンツ投影進捗情報を前記サーバに送信するコンテンツ投影進捗情報送信手段を有し、
前記投影コンテンツ送信手段は、前記コンテンツ投影進捗情報に基づき、前記投影コンテンツを前記情報処理端末に送信することを特徴とする、請求項1記載のネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項3】
前記投影コンテンツ送信手段は、ポーリング方式により前記情報処理端末へ、要求された前記投影コンテンツのうち前記投影コンテンツのデータの差分を送信することを特徴とする、請求項1又は2記載のネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項4】
前記サーバは、前記投影コンテンツに関連する関連コンテンツのリストを保持し、前記関連コンテンツのリストから選択された前記関連コンテンツを送信する関連コンテンツ送信手段を有することを特徴とする、請求項1ないし3いずれか一項記載のネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項5】
前記プロジェクタは、前記ICカード端末に前記ICカードが提示されたとき、前記ICカードのカード識別子を読み込んで、前記カード識別子を前記サーバに送信するプロジェクタ側カード識別子送信手段を有し、
前記情報処理端末は、前記ICカードが提示されたとき、前記ICカードの前記カード識別子を読み込んで、前記カード識別子を前記サーバに送信するPC側カード識別子送信手段を有し、
前記投影コンテンツ送信手段は、前記投影コンテンツを要求した前記情報処理端末のうち、前記プロジェクタ側カード識別子送信手段が送信した前記カード識別子と一致する前記カード識別子を送信した前記情報処理端末に、前記投影コンテンツを送信することを特徴とする、請求項1ないし4いずれか一項記載のネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項6】
前記サーバは、前記投影コンテンツを、前記カード識別子毎、前記情報処理端末毎、又はユーザの識別子毎に保持することを特徴とする、請求項1ないし5いずれか一項記載のネットワークデータプロジェクタシステム。
【請求項7】
一つ以上のコンテンツを保持するサーバと、情報処理端末とに接続され、前記サーバに保持された一のコンテンツを投影するプロジェクタであって、
ICカードの読み取りと書き込みを行うICカード端末を有し、
前記プロジェクタが所定のコンテンツを投影している間に、前記ICカード端末にICカードを提示したとき、投影している前記所定のコンテンツを前記情報処理端末が前記サーバに要求するための投影コンテンツ識別子を、前記ICカードに格納する投影コンテンツ格納手段を有することを特徴とする、プロジェクタ。
【請求項8】
前記ICカード端末により前記ICカードの第一のカード識別子を読み込んで、前記第一のカード識別子を前記サーバに送信するカード識別子送信手段を有することを特徴とする、請求項7記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記コンテンツの投影前に、前記ICカード端末で読み込んだ前記ICカードの第二のカード識別子を、前記サーバに送信し、
前記サーバから、前記第二のカード識別子に対応するコンテンツのリストを受け取って投影するコンテンツリスト投影手段と、
前記コンテンツのリストから、投影するコンテンツの選択を受け付け、前記サーバに選択された前記コンテンツを要求する投影コンテンツ要求手段と、
前記サーバから受け付けた前記コンテンツを投影することを特徴とする、請求項7または8記載のプロジェクタ。
【請求項10】
一つ以上のコンテンツを保持するサーバと、前記サーバに接続され、ICカードの読み取りと書き込みを行うICカード端末を有し、前記サーバに保持された一のコンテンツを投影するプロジェクタと、前記サーバに接続された情報処理端末とからなるネットワークデータプロジェクタシステムにおけるコンテンツ投影方法であって、
前記プロジェクタは、前記プロジェクタが所定のコンテンツを投影している間に、前記ICカード端末にICカードを提示したとき、前記プロジェクタに投影しているコンテンツである投影コンテンツの識別子である投影コンテンツ識別子を前記ICカードに格納する投影コンテンツ識別子格納手順を有し、
前記情報処理端末は、前記ICカードに格納された前記投影コンテンツ識別子を読み込み、前記投影コンテンツ識別子に対応する前記投影コンテンツを前記サーバに要求する投影コンテンツ要求手順を有し、
前記サーバは、前記投影コンテンツ識別子に対応した前記投影コンテンツを、前記情報処理端末に送信する投影コンテンツ送信手順を有することを特徴とする、コンテンツ投影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−62669(P2013−62669A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199586(P2011−199586)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】