ネットワーク中継システム及びネットワーク中継システムの自動設定方法
【課題】複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムにおいて、自動的にLAGを設定することができる技術の提供を課題とする。
【解決手段】各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xと相互に接続されている。各FS16a〜16hは、FS番号を格納した設定フレーム60を接続先のIFS14a〜14xへ向けて送信する。各IFS14a〜14xは、受信した設定フレーム60に格納されているFS番号と、これを受信したポートとを対応付けてLAG設定テーブルに登録する。そして、各IFS14a〜14xは、対応付けたFS番号の順にポート52a〜52hをソートし、LAG18a〜18xを共通の順序にて設定する。
【解決手段】各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xと相互に接続されている。各FS16a〜16hは、FS番号を格納した設定フレーム60を接続先のIFS14a〜14xへ向けて送信する。各IFS14a〜14xは、受信した設定フレーム60に格納されているFS番号と、これを受信したポートとを対応付けてLAG設定テーブルに登録する。そして、各IFS14a〜14xは、対応付けたFS番号の順にポート52a〜52hをソートし、LAG18a〜18xを共通の順序にて設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク中継システム及びネットワーク中継システムの自動設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のネットワーク中継装置を含む第1のネットワーク中継装置グループがファブリックノードとして機能し、複数のネットワーク中継装置を含む第2のネットワーク中継装置グループが回線ノードとして機能するシステムが知られている(例えば、特許文献1の図8を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、例えば、第2のネットワーク中継装置グループに属するネットワーク中継装置と第1のネットワーク中継装置グループに属する複数のネットワーク中継装置との間をそれぞれ接続する複数の物理回線に対し、リンクアグリゲーショングループ(Link Aggregation Group:以下「LAG」と略称する。)を設定する技術が想定される。しかし、従来、ネットワーク中継装置の台数が増えるにつれて、LAGを設定する際の作業負担が大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムにおいて、LAGを自動設定することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とを備え、前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信する第1の設定フレーム送信手段を有し、前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する第1のLAG設定手段を有する、ネットワーク中継システムが提供される。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2態様によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムの自動設定方法であって、前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信し、前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する、ネットワーク中継システムの自動設定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のネットワーク中継システム及びその自動設定方法によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムにおいて、LAGを自動設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク中継システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】FSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】IFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】各IFSでLAGを自動設定する際の動作例1を説明するための図である。
【図5】図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。
【図7】動作例1で設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【図8】動作例2を実現するためのFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】動作例2を実現するためのIFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】動作例2として各IFSでLAGを自動設定し、各FSでもLAGを自動設定する態様を概略的に示す図である。
【図11】各FSでLAGを自動設定する際の実現手法を示すフローチャートである。
【図12】動作例2においてFSで設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【図13】動作例2においてIFSで設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態のネットワーク中継システム10の構成例を概略的に示す図である。ネットワーク中継システム10は、例えばデータセンタ等の設備内において、複数の端末機器12の間で送受信されるネットワークフレームを中継する用途に適している。端末機器12は、例えば、サーバー、ネットワーク中継器等である。なお、端末機器12の接続台数や種類は特に限定されない。
【0011】
ネットワーク中継システム10は、複数のインターフェース中継器として、例えば24台程度のIFS(InterFace Switch)14a,14b,・・・,14xを備える。またネットワーク中継システム10は、複数のファブリック中継器として、例えば8台のFS(Fabric Switch)16a〜16hを備えている。なお、ここで挙げたIFS14a〜14xやFS16a〜16hの台数は一例であり、これに限定されるものではない。
また、以下ではインターフェース中継器としての「IFS14a〜14x」を「IFS14」と表記し、ファブリック中継器としての「FS16a〜16h」を「FS16」と表記することがある。
【0012】
本実施形態では、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hとして、例えばボックス型のスイッチングハブを用いている。ここで用いるスイッチングハブは、例えばOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのレイヤ2及びレイヤ3のデータ転送機能を備えるものである。なお、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの基本的な構造や機能は互いに共通のものであってもよい。
【0013】
複数台ある端末機器12は、IFS14a〜14xのいずれかに分散して接続されている。なお、各IFS14a〜14xに接続される端末機器12の台数は、均一でなくてもよい。また、いずれのIFS14a〜14xに対し、どのような種類の端末機器12を接続するかについての制約もない。さらに端末機器12は、サーバー以外のパーソナルコンピュータやワークステーション等であってもよい。
【0014】
ネットワーク中継システム10において、IFS14a〜14xとFS16a〜16hとは、それぞれが相互に物理回線で接続されている。物理回線は、例えば光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル等である。なお図1中、個別の物理回線について参照符号は省略している。また、IFS14a〜14xの一部は図示を省略されているが、これらも個別にFS16a〜16hと物理回線で接続されている。物理回線は、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの図示しないポートに接続されている。
【0015】
各IFS14a〜14xにおいて、FS16a〜16hが接続されているポートには、リンクアグリゲーショングループ、つまり、LAG18a,18b,・・・,18xが設定されている。リンクアグリゲーションは、複数の物理回線を論理的に一つの回線のように扱う機能である。各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a,18b,・・・,18xが設定された複数のポートは、論理的に一つのポートのように動作する。
【0016】
そして各IFS14a〜14xは、各端末機器12から受信したネットワークフレームをFS16a〜16hへ送信する場合、所定のアルゴリズムに従い、対応するLAG18a,18b,・・・,18x内で、いずれのポートからネットワークフレームを送信するかを決定する。このアルゴリズムでは、接続された端末機器12からネットワークフレームを受信した場合、これに格納されている宛先情報や送信元情報を示すMACアドレス、IPアドレス等を用いて演算(例えば四則演算)を行い、それによって得た値から送信用のポート番号を決定する。このとき、予めLAG18a,18b,・・・,18x内で各ポートに識別番号(INDEX)を設定しておき、上記の演算で得た値とポートの識別番号とを対応付けてもよい。いずれにしても、各IFS14a〜14xがネットワークフレーム中の固有情報に基づいてネットワークフレームの送信に用いるポートを一意に決定することにより、端末機器12から受信したネットワークフレームをFS16a〜16hへ送信する際に生じる負荷を分散し、ネットワーク中継システム10全体として必要な通信帯域を確保するようにしている。
【0017】
また本実施形態のネットワーク中継システム10では、上記のアルゴリズムにより、任意の2台の端末機器12間でネットワークフレームの送受信を行う場合、送信時(上り)の通信経路と受信時(下り)の通信経路とを互いに一致させている。
例えば、異なる2台のIFS14aとIFS14bにそれぞれ接続された2台の端末機器12が相互にネットワークフレームを送受信する場合を考える。この場合、IFS14aに接続された端末機器12(送信元)から送信されたネットワークフレームは、上記のアルゴリズムにより、例えば特定のFS16dを介してIFS14bへ転送され、そしてIFS14bから送信先(宛先)の端末機器12へ転送される。このときIFS14bでは、全てのFS16a〜16hに対向するポートにLAG18bが設定されているため、IFS14bからLAG18b内にネットワークフレームが折り返し送信されることはない。
【0018】
逆に、IFS14bに接続された端末機器12が送信元である場合、ネットワークフレームはIFS14bからFS16dへ送信され、さらにFS16dからIFS14aを通じて送信先の端末機器12に送信される。ここでも同様にIFS14aでは、全てのFS16a〜16hに対向するポートにLAG18aが設定されているため、やはりLAG18a内にネットワークフレームが折り返し送信されることはない。
【0019】
このように、異なる2台のIFS14aとIFS14bに接続された2台の端末機器12間でネットワークフレームを送受信する場合、ネットワークフレームを中継するIFS14aとIFS14bで使用されるポートが双方向で一致する。ここではIFS14aとIFS14bに接続された2台の端末機器12の組み合わせを例に挙げたが、これ以外の組み合わせの端末機器12間での送受信時についても同様に、送信時と受信時の双方向で通信経路と使用するポートが一致する。
【0020】
また、ネットワーク中継システム10に接続される各端末機器12にVLAN(Vertual Local Area Network)が設定されている場合、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hは、それぞれ原則としてタグVLANを用いてネットワークフレームの送受信を行う。このとき、FS16a〜16hの各ポートには、各端末機器12に割り当てられた全てのVLAN情報が登録される。そして、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hは、ネットワークフレームを送信する際、受信した個々のネットワークフレームに応じてVLAN情報をタギングした状態で送信する。これにより、各端末機器12にVLANが設定されていても、異なる端末機器12間で送信時の通信経路と受信時の通信経路が一致する。
【0021】
このように、本実施形態のネットワーク中継システム10では、異なるIFS14a〜14xに接続された端末機器12間でのネットワークフレームの送受信について、所定のアルゴリズムを適用して中継を行うことが基本動作となる。このような基本動作を実現するためには、各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xが適切に設定されていることが前提となる。
【0022】
ここで「LAG18a〜18xの適切な設定」には、「物理的な設定」と「論理的な設定」の2つがある。先ず、物理的な設定は、全てのIFS14a〜14xで各FS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させることにより実現される。例えば、IFS14a〜14xにそれぞれ番号1〜8までのポートがあるとすると、全てのIFS14a〜14xで1番のポートにはFS16aを接続し、2番のポートにはFS16bを接続し、以下、3番〜8番のポートにはFS16c〜FS16hをそれぞれ順番に接続することにより、物理的に「LAG18a〜18xを適切に設定」することができる。なお、物理的なポート番号とFS16a〜16hとの接続関係は上記以外でもよい。
【0023】
一方、論理的な設定を実現するためには、全てのIFS14a〜14xでFS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させる必要はないが、FS16a〜16hに接続された物理ポートの論理的な識別情報が全てのIFS14a〜14xで一致している必要がある。具体的には、全てのIFS14a〜14xで、FS16aが接続されたポートの識別情報(ポートインデックス等)は例えば「1」であり、FS16bが接続されたポートの識別情報(ポートインデックス等)は例えば「2」であり、以下、FS16c〜FS16hが順番に接続されたポートの識別情報が例えば「3」〜「8」である、というように、全てのIFS14a〜14xで論理的な識別情報を一致させることにより、論理的に「LAG18a〜18xを適切に設定」することができる。なお、ポートの論理的な識別情報とFS16a〜16hとの対応関係は上記以外でもよい。
【0024】
このように、LAG18a〜18xを適切に設定するには、全てのIFS14a〜14xについて、物理的又は論理的に各FS16a〜16hとの接続関係を共通にする必要があるが、全ての接続関係を人為的に管理した上で、LAG18a〜18xを手動で設定することは極めて煩雑である。
【0025】
そこで本実施形態では、各FS16a〜16hとの接続関係を各IFS14a〜14xにおいて認識し、その結果を踏まえてLAG18a〜18xを自動的に設定する機能(自動設定機能)を各IFS14a〜14x内で実現している。すなわち本実施形態では、「LAG18a〜18xの適切な設定」を論理的な手法により実現している。
【0026】
以下、ネットワーク中継システム10において上記の自動設定機能を実現するために必要なIFS14a〜14x及びFS16a〜16hの構成について説明する。なお、既に述べたように、以下では「IFS14a〜14x」、「FS16a〜16h」をそれぞれ「IFS14」、「FS16」と総称する場合がある。
【0027】
〔ファブリック中継器〕
図2は、FS16の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。すなわち、個々のFS16a〜16hの基本的な構成及び機能は共通している。
【0028】
FS16は、複数のポート46a,46b,・・・,46xを有している。FS16のポート数は、ネットワーク中継システム10内でのIFS14a〜14xの設置台数をカバーしているものとする(少なくとも同数のポートがある)。なお、以下では「ポート46a,46b,・・・,46x」を「ポート46」ともいう。またポート46の数は、図示した数に限定されない。
【0029】
ポート46の他にFS16は、フレーム転送処理部48及びメモリ部50を有している。
このうちメモリ部50は、例えば、書き換え可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)によって構成される。メモリ部50は、FDB(フォワーディングデータベース)50aを記憶している。またメモリ部50は、FS16に固有の識別情報(第1の識別情報)として、例えばFS16a〜16hの個体別に割り当てられた機器情報50bを記憶している。機器情報50bは、例えばFS16a〜16hに固有の機器番号(FS番号)とする。
【0030】
各ポート46には、それぞれIFS14a〜14xが接続されている。ポート46は、各IFS14a〜14xから送信されたネットワークフレームを受信すると、当該受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部48へ転送する。
また各ポート46は、フレーム転送処理部48から転送されたネットワークフレームをいずれかのIFS14a〜14xへ向けて送信する。
【0031】
〔フレーム転送処理部〕
フレーム転送処理部48は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(特定用途向け集積回路)等の集積回路により実現される。
【0032】
フレーム転送処理部48は、ネットワークフレーム中の宛先情報に基づいて、ネットワークフレームを転送先のポート46へ転送する。またフレーム転送処理部48は、ネットワークフレーム中の送信元アドレス情報に基づいてFDB50aを作成及び更新する。
【0033】
FDB50aには、ポート46で受信したネットワークフレーム中の送信元情報と、ネットワークフレームを受信したポート46の番号とが相互に対応付けられて登録される。
すなわちフレーム転送処理部48は、ポート46からネットワークフレームが転送されると、FDB50aに登録された情報をもとに転送先のポート46へネットワークフレームを中継する。
【0034】
〔設定フレーム生成部〕
またFS16は、設定フレーム生成部58を有している。設定フレーム生成部58は、IFS14a〜14xに対してLAG18a〜18xを自動設定させるための構成である。設定フレーム生成部58は、各FS16a〜16hに割り当てられた機器情報50bを含む設定フレーム60(第1の設定フレーム)を生成する。
【0035】
すなわち、設定フレーム58は、メモリ部50に記憶された機器情報50bを格納した設定フレーム60を生成する。
設定フレーム生成部58により生成された設定フレーム60は、フレーム転送処理部48を介してポート46a〜46xから接続先のIFS14a〜14xへ向けて送信される。したがって設定フレーム生成部58は、FS16において設定フレーム送信手段(第1の設定フレーム送信手段)としての構成をなす。
【0036】
〔インターフェース中継器〕
図3は、IFS14の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。すなわち、個々のIFS14a〜14xの基本的な構成及び機能は共通である。また、IFS14及びFS16は、スイッチングハブとしてその基本的な構成及び機能が共通している。その上で図3には、IFS14としての特徴的な構成が示されている。
【0037】
IFS14は、複数のポート52a〜52jを有している。またIFS14は、フレーム転送処理部54及びメモリ部56を有する。
【0038】
メモリ部56は、例えばRAMによって構成される。メモリ部56は、FDB56a及びLAG設定テーブル56bを記憶する。またメモリ部56は、IFS14に固有の識別情報(第2の識別情報)として、例えばIFS14a〜14xの個体別に割り当てられた機器情報56cを記憶している。ここで機器情報56cは、例えばIFS14a〜14xに固有の機器番号(IFS番号)とする。
【0039】
図3でフレーム転送処理部54の上方に示されるポート52a〜52hは、それぞれFS16a〜16hに接続されている。また、フレーム転送処理部56の下方に示されるポート52i,52jは、それぞれ端末機器12に接続されている。なお、以下では「ポート52a〜52j」を「ポート52」ともいう。
【0040】
図3では10個のポート52a〜52jを示しているが、ポート数は図示した数に限定されることはない。またポート数は、ネットワーク中継システム10内でのFS16a〜16hの設置台数をカバーしているものとする(少なくとも同数のポートがある)。
【0041】
図3に示すIFS14(IFS14aとする)において、FS16a〜16hは、その配列順に各ポート52a〜52hと接続されている。すなわち、FS16aがポート52aに接続され、FS16bがポート52bに接続され、FS16cがポート52cに接続される、といった具合である。その他のIFS14b〜14xも同様に、FS16a〜16hと接続されているが、これらIFS14b〜14xにおいて、IFS14aのポート52a〜52hと同じ順番でFS16a〜16hが接続されている必要はない。
例えば、IFS14aにおいてポート52aに接続されているFS16aは、別のIFS14bではポート52aではなく、ポート52bに接続されていてもよい。さらに別のIFS14cでは、FS16aがポート52cに接続されていてもよい。これは、本実施形態において「LAG18a〜18xの適切な設定」を論理的な手法で実現しているためである。
【0042】
ポート52a〜52hは、FS16a〜16hから受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部54へ転送する。またポート52a〜52hは、フレーム転送処理部54から中継されたネットワークフレームを接続先のFS16a〜16hへ向けて送信する。
【0043】
他のポート52i,52hは、端末機器12から受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部54へ転送する。またポート52i,52hは、フレーム転送処理部54から転送されたネットワークフレームを接続先の端末機器12に向けて送信する。
【0044】
〔フレーム転送処理部〕
フレーム転送処理部54は、図2に示すFS16のフレーム転送処理部48と同様に、例えば、FPGAやASIC等の集積回路により実現される。
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレーム中の宛先情報に基づいてネットワークフレームを転送先のポート52へ転送する。またフレーム転送処理部54は、ネットワークフレーム中の送信元アドレス情報に基づいてFDB54aを作成及び更新する。
【0045】
FDB56aには、ポート52で受信したネットワークフレーム中の送信元アドレス情報と、ネットワークフレームを受信したポート52の番号とが相互に対応付けられて登録される。
【0046】
IFS14のフレーム転送処理部54は、FDB56aを参照して、送信先の端末機器12に接続されたポート52i,52jへネットワークフレームを中継する。またフレーム転送処理部54は、FDB56aとともにLAG設定テーブル56bを参照し、送信先のFS16a〜16hに接続されたポート52a〜52hにネットワークフレームを中継する。
【0047】
〔同一IFS14内での転送処理〕
例えば、ポート52iに接続された端末機器12が別のポート52jに接続された端末機器12へデータを送る場合を想定する。この場合、送信元となる端末機器12は、データを含むネットワークフレームをIFS14へ送信する。送信されたネットワークフレームは、ポート52iにより受信されてフレーム転送処理部54へ転送される。
【0048】
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレームに格納された宛先情報及び送信元情報に基づいてFDB56aを参照する。このとき、FDB56aに別の端末機器12を示す宛先情報がポート52jと対応付けて登録されている場合、フレーム転送処理部56は、ネットワークフレームをポート52jへ中継する。そして、ポート52jは、接続先のサーバー24へ向けてネットワークフレームを送信する。
【0049】
〔異なるIFS14間での転送処理〕
また、ポート52iに接続された端末機器12が他のIFS14a〜14xに接続された端末機器12へデータを送信する場合、送信元の端末機器12から送信されたネットワークフレームは、ポート52iにより受信されてフレーム転送処理部54へ転送される。
【0050】
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレームに格納された宛先情報がLAG18を構成するポート52a〜ポート52hと対応付けて登録されている場合、LAG設定テーブル56bを参照する。なお、ここでは図1に示す「LAG18a,18b,・・・,18x」を「LAG18」と総称している。
【0051】
フレーム転送処理部54は、所定のアルゴリズムに基づいてLAG設定テーブル56bに登録されたポート52の中から、ネットワークフレームを送信するポート52を選択する。フレーム転送処理部54は、選択されたポート52にネットワークフレームを中継し、選択されたポート52は、ネットワークフレームを接続先のFS16a〜16hへ向けて送信する。
【0052】
〔LAG設定部〕
IFS14は、LAG18を自動で設定するための構成として、LAG設定部62を有している。LAG設定部62は、各FS16a〜16hから受信した設定フレーム60に基づいてLAG設定テーブル56bの作成及び更新を行う。
【0053】
すなわち、LAG設定部62は、設定フレーム60を受信した各ポート52a〜52hと、受信した個々の設定フレーム60により表されるFS番号とを対応付けて認識する。そしてLAG設定部62は、対応付けて認識した各ポート52とFS番号との組み合わせをLAG設定テーブル56bに登録する。例えば、ポート52aで受信した設定フレーム60にFS16aの機器情報50b(FS番号)が格納されている場合、LAG設定部62は、ポート52aにFS16aのFS番号を対応付けてLAG設定テーブル56bに登録する。その他のポート52b〜52hについても同様に、それぞれ受信した設定フレーム60にFS16b〜16hのFS番号が格納されている場合、LAG設定部62は、ポート52b〜52hにそれぞれFS16b〜16hのFS番号を対応付けてLAG設定テーブル56bに登録する。これにより、LAG設定テーブル56bには、各ポート52とFS16の各FS番号との組み合わせが登録されることになる。
【0054】
またLAG設定部62は、各ポート52と各FS番号との組み合わせについて、FS番号に基づいてソート(並べ替え)を行う。そして、ソートした各ポート52とFS番号との組み合わせをリンクアグリゲーショングループとしてLAG設定テーブル56bに登録し、LAG18を設定する。
【0055】
以上の設定を各IFS14a〜14xのLAG設定部62が行うことにより、FS16a〜16hの各FS番号と対応付けて認識された各ポート52a〜52hに対し、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがって、LAG18a〜18xを設定することができる。このように、LAG設定部62は、各IFS14a〜14xにおいてLAG設定手段(第1のLAG設定手段)としての構成をなしている。
【0056】
以下、LAG18の自動設定を行う動作例について、複数のパターンを挙げて説明する。
【0057】
〔自動設定の動作例1〕
図4は、各IFS14でLAG18を自動設定する際の動作例1を説明するための図である。LAG18の自動設定は、ネットワーク中継システム10の物理的な構成を構築して起動したとき、FS16やIFS14が新たに追加、又は、削除されてネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したとき、などに行われる。
なお、図4以降では煩雑化を防止するため、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの一部について図示を適宜省略している。一方、動作例についての理解を容易にするため、説明に関係するポート46a〜46x及びポート52a〜52xについて適宜図示を追加している。
【0058】
図4中(A)に示されているように、ネットワーク中継システム10の物理的な構成を構築し、FS16a〜16h及びIFS14a〜14xが正常に起動した場合を想定する。このとき、各IFS14a〜14xにおいて、FS16a〜16hの全てが同一番号のポートに接続されている必要はなく、任意な番号のポートに接続されていればよい。
【0059】
FS16a〜16hは、それぞれの設定フレーム生成部58において設定フレーム60を生成し、それぞれのポート46a〜46xに接続されているIFS14a〜14xに対し、設定フレーム60を送信する。このとき設定フレーム60には、識別情報として各FS16a〜16hのFS番号が格納されている。図4中(A)では、各FS16a〜16hからの設定フレーム60の送信方向を破線の矢印で示しているが、設定フレーム60は一部のみ図示している。
【0060】
〔設定フレーム受信時〕
各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、受信した設定フレーム60に格納されている送信元のFS番号と、当該設定フレーム60を受信したポート52a〜52hとを対応付けて認識し、送信元のFS番号とポート52a〜52hの組み合わせをLAG設定テーブル50bに登録する。
【0061】
〔LAG自動設定〕
そして図4中(B)に示されているように、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてポート52a〜52hの順番をソートし、LAG設定テーブル56bに登録されたポート52a〜52hに対してLAG18a〜18xを設定する。
このときLAG18a〜18xの設定は、物理的なポート番号ではなく、各ポートに対応付けられたFS番号に基づいて行われる。すなわち各IFS14a〜14xの物理ポート番号は、FS番号に基づいてソートされた上で、このソート後の順序(並び)にしたがってLAG18a〜18xにまとめられていく。これにより、各IFS14a〜14xにおいて、FS番号と対応付けて認識した各ポート52a〜52hに対し、FS番号に基づいて並べた共通の順序(FS番号に基づいてソートした順序)にしたがってLAG18a〜18xが設定される。
【0062】
〔LAGの分散〕
LAG18a〜18xの自動設定が行われた後、各IFS14a〜14xが端末機器12(図示は省略されている)から送信されたネットワークフレームを受信すると、LAG18a〜18xに所属するポート52a〜52hの中から、所定のアルゴリズムに基づいてネットワークフレームを転送するべきポートを一意に決定する。このとき各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xの経路(送信時の通信経路と受信時の通信経路)は論理的に一致した状態となっている(いわゆるLAGの分散が一致した状態)。
【0063】
〔動作例1の実現手法〕
図5及び図6は、図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。このうち図5は、FS16で行われる設定フレーム生成処理を示し、図6は、IFS14で行われるLAG設定処理を示している。
【0064】
〔設定フレーム生成処理〕
図5に示す設定フレーム生成処理は、例えば、FS16a〜16hに電源が投入された際、ポート46a〜46xにIFS14a〜14xが接続された際、所定の時間間隔で定期的に、又は、作業者の操作に基づく任意のタイミングで実行される。
【0065】
各FS16a〜16hにおいて、設定フレーム生成部58により設定フレーム60が生成される(ステップS100)。そして各FS16a〜16hは、各ポート46a〜46xから設定フレーム60を送信し(ステップS102)、この処理を終了(END)する。
【0066】
〔LAG設定処理〕
図6に示されるLAG設定処理において、各IFS14a〜14xは、FS16a〜16hから送信された設定フレーム60を受信する(ステップS200)。なお、ここでは1つの手順として設定フレーム60を受信することとしているが、各IFS14a〜14xが設定フレーム60を受信したことをトリガとして、以下の手順が実行されることとしてもよい。
【0067】
各IFS14a〜14xは、受信した設定フレーム60で表されるFS番号と受信時のポート番号と対応付けて認識し、送信元のFS番号と受信時のポート番号の組み合わせをLAG設定テーブル56bに登録する(ステップS202)。
【0068】
そして各IFS14a〜14xにおいて、LAG設定部62は、FS番号に基づいてソートを行い、ポート52a〜52hにLAG18a〜18xを設定する(ステップS204)。以上でこの処理は終了(END)となる。
【0069】
〔LAG設定テーブル〕
図7は、動作例1で設定されるLAG設定テーブル56bの構成を示す図である。図7の「送信元FS番号」の欄に示すように、LAG設定テーブル56bは、FS番号に基づいてソートされている。FS番号は、例えば「1」が「FS16a」の個体を示す機器番号(個体別に固有の識別情報)であり、「8」が「FS16h」を示す機器番号である。なお、ここではFS番号を「1」〜「8」のようなシリアル番号としているが、各IFS14a〜14xにおいて固有のものであり、何らかの基準(例えば数値の大小比較)で自動的にソートすることが可能であれば、ランダムなユニーク番号であってもよい。
【0070】
また、図7の「LAG所属ポート」の欄には、設定フレーム60を受信したポート番号(物理ポート番号)が示されている。ここでは便宜上、図示の参照符号をポート番号として示している。各ポート番号は、送信元FS番号と対応付けて登録されており、例えば、「ポート52c」はFS番号「1」に対応付けられており、別の「ポート52e」はFS番号「2」に対応付けられている。したがって、この例で「ポート52c」はFS16a(FS番号「1」)に接続されており、「ポート52e」はFS16b(FS番号「2」)に接続されていることがわかる(その他についても同様の関係とする)。
【0071】
また図7に示す「LAG ID」の欄には、グループ番号として例えば「100」が示されている。「LAG所属ポート」の欄に示されているポート(ポート52a〜52h)は、共通のグループ番号を持つLAG18に所属している。
【0072】
〔動作例1のまとめ〕
このように、各FS16a〜16hから設定フレーム60を送信することで、各IFS14a〜14xにて自動でLAG18a〜18xを設定することができる。ネットワークの管理者は、手動で各IFS14a〜14xのLAG18a〜18xを設定する必要がなくなり、その作業負担を減らすことができる。また、ネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したときにも、各FS16a〜16hから各IFS14a〜14xに設定フレーム60を送信すれば、各IFS14a〜14xは受信した設定フレーム60に基づいて、LAG18a〜18xを自動的に再設定することができる。
【0073】
また、各IFS14a〜14xは、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがってLAG18a〜18xを設定するため、全てのIFS14a〜14xで各FS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させる必要はなくなる。したがって、ネットワークの管理者は、IFS14a〜14xとFS16a〜16hの間をケーブルで接続する際、ポート間の接続誤りを気にする必要がなくなり、配線作業の負担を減らすことができる。
【0074】
また、各IFS14a〜14xは、それぞれ受信したネットワークフレームをLAG18a〜18xに所属するポートから送信する際、所定のアルゴリズムにより算出した値からネットワークフレームを送信するべきポートを決定している。そして、各IFS14a〜14xは、ポートに対して、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがってLAG18a〜18xを設定している。このため、各IFS14a〜14xにおいて、各FS16a〜16hを接続する物理的なポート番号を一致させなくても、異なるIFS14a〜14xに接続された端末機器12間での双方向の通信は、上りと下りで同一の通信経路を経由することができる。これにより、片方向ごとにネットワークフレームの転送時間が異なるといったことを防止し、経路の分散を一致させて通信帯域の有効活用を図ることができる。
【0075】
〔動作例2〕
LAG自動設定の動作例2は、FS16において、同一のIFS14と接続するポートに対してLAGを設定することを前提としたものである。動作例2を実現するには、本実施形態のネットワーク中継システム10において、FS16及びIFS14をそれぞれ以下の構成とする。
【0076】
〔ファブリック中継器〕
図8は、動作例2を実現するためのFS16の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。動作例2を実現するには、動作例1で示したFS16に一部の構成が付加される。
【0077】
図8に示されているように、動作例2では、FS16がLAG設定部59を有している。したがって動作例2では、FS16においても、LAG設定部59の機能を活用して自動設定を行う。LAG設定部59は、FS16においてLAG設定手段(第2のLAG設定手段)としての構成をなしている。
【0078】
またメモリ部50には、LAG設定テーブル50cが記憶される。LAG設定テーブル50cには、LAG設定部59により設定されたLAGの情報が登録される(内容については後述)。
【0079】
〔ポート数〕
LAGを設定するため、FS16のポート数は動作例1より多く必要になる。すなわち動作例1では、IFS14a〜14xの台数をカバーするポート数を用いていたが、動作例2では、例えば、IFS14a〜14xの台数の2倍のポート数を用いる。以下では便宜上、各FS16に必要数分のポート46a〜46zが設けられているものとする。なお、以下では「ポート46a〜46z」を「ポート46」ともいう。
【0080】
〔インターフェース中継器〕
図9は、動作例2を実現するためのIFS14の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。IFS14についても、動作例2を実現するには、動作例1で示したIFS14に一部の構成が付加される。
【0081】
図9に示されているように、動作例2では、IFS14が設定フレーム生成部64を有する。動作例2では、IFS14においても設定フレーム生成部64の機能を活用して自動設定を行うこととする。設定フレーム生成部64は、IFS14において設定フレーム送信手段(第2の設定フレーム送信手段)としての構成をなす。
【0082】
〔ポート数〕
またIFS14のポート数も、動作例1より多く必要になる。すなわち動作例1では、FS16a〜16hの台数をカバーできるポート数を用いていたが、動作例2では、例えば、FS16a〜16hの台数の2倍のポート数を用いる。以下では便宜上、各IFS14に必要数分のポート52a〜52nが設けられているものとする。なお、以下では「ポート52a〜52n」を「ポート52」ともいう。
【0083】
FS16及びIFS14のいずれについても、他の構成は動作例1と同じであるため、ここでは動作例1で挙げた構成には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0084】
〔接続関係〕
図8及び図9に示されているように、動作例2では、各FS16と各IFS14との間を複数(ここでは2本)の物理回線で接続している(回線ごとの符号は省略)。このため各FS16は、2つのポート46を用いて1台のIFS14に接続されており、各IFS14においても、1台のFS16に対して2つのポート52を割り当てている。
【0085】
このとき各FS16は、IFS14の個体別に2つずつポート46(例えばポート46a,46b)にLAG20a,20b,・・・,20xを設定している。なお、以下では「LAG20a,20b,・・・,20x」を「LAG20」ともいう。
一方、各IFS14は、FS16a〜16hに接続された全てのポート52a〜52nにLAG18a〜18xを設定している。
【0086】
図10は、動作例2として各IFS14でLAG18を自動設定するとともに、各FS16でもLAG20を自動設定する態様を概略的に示す図である。
【0087】
図10中(A)に示されているように、動作例2では、FS16a〜16h及びIFS14a〜14xの全てのポート46a〜46z及びポート52a〜52hから設定フレーム60,66を送信している。
具体的には、動作例1と同様に、FS16a〜16hは、それぞれの設定フレーム生成部58において設定フレーム60を生成し、ポート46a〜46zに接続されているIFS14a〜14xに対して設定フレーム60を送信する。このとき設定フレーム60には、識別情報として各FS16a〜16hのFS番号が格納されている。
【0088】
一方で、IFS14a〜14xもまた、それぞれの設定フレーム生成部64で設定フレーム66(第2の設定フレーム)を生成し、ポート52a〜52nに接続されているFS16a〜16hに対して設定フレーム66を送信する。このとき設定フレーム66には、各IFS14a〜14xの個体別の識別情報として、IFS番号が格納されている。
【0089】
図10中(B)に示されているように、各FS16a〜16hは、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66を受信すると、格納されているIFS番号を受信したポート46に対応付けて認識し、IFS番号とポート46の組み合わせをLAG設定テーブル50cに登録する。そして、各FS16a〜16hは、それぞれのLAG設定部59において、同一のIFS番号ごとにポート46a〜46zに対してLAG20を設定する。例えば、FS16aにおいてIFS14aに接続される2つのポート46a,46bは、IFS番号(例えば「1」)に基づいてLAG20aとして設定され、IFS14bに接続される2つのポート46c,46dは、IFS番号(例えば「2」)に基づいてLAG20bとして設定される。また、IFS14xに接続される2つのポート46y,46zは、IFS番号(例えば「24」)に基づいてLAG20xとして設定される。
【0090】
動作例1と同様に、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、受信した設定フレーム60で表される送信元のFS番号と、当該設定フレーム60を受信したポート52a〜52nとを対応付けて認識し、送信元のFS番号とポート52a〜52nの組み合わせをLAG設定テーブル50bに登録する。
【0091】
そして図10中(B)に示されているように、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてポート52a〜52nの順番をソートし、LAG設定テーブル56bに登録されたポート52a〜52nに対してLAG18a〜18xを設定する。これにより、各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xの経路(送信時の通信経路と受信時の通信経路)は論理的に一致した状態となっている(いわゆるLAGの分散が一致した状態)。
【0092】
動作例1で各IFS14a〜14xは、1つのポート58にそれぞれFS16a〜16hを接続していた。このため、各FS16a〜16hは、IFS14a〜14xに接続されたポート46に対してLAGを設定する必要がなかった。これに対し、動作例2では、各FS16a〜16hにおいて、各IFS14a〜14xは2つのポート46に接続されている。各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xが接続されている2つのポート46ごとにLAG20を設定することで、2つのポート46(及びこれらに接続される2本の物理回線)を論理的に1つの回線として設定することができる。
【0093】
このように動作例2では、動作例1に加えて、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66に基づいてFS16a〜16hに対してLAG20a〜20xを自動的に設定することができる。このため、FS16とIFS14との間にLAG20を設定する場合であっても、作業者や管理者などが手動でLAG20を設定する必要がなくなる。作業負担が低減され、迅速にネットワーク中継システム10を構築することができる。
【0094】
また動作例2は、FS16側で通信障害(例えばいずれかのポート46の障害)が発生した場合でも、各FS16と各IFS14との間にLAG20が設定されているため、障害発生後も引き続きネットワークフレームの中継を行うことができる。この場合、LAG20が一次的には縮退するが、復旧までの間のフレーム破棄を防止することができるため、動作例1に比較して、より汎用性の高いネットワーク中継システム10が構成される。
【0095】
〔動作例2の実現手法〕
特に図示していないが、例えば電源投入時や障害復旧後の再起動時等において、各IFS14a〜14xの設定フレーム生成部64は、個体別のIFS番号を格納した設定フレーム66を生成し、FS16a〜16hに接続されているポート52a〜52zから設定フレーム66を送信する。
【0096】
図11は、動作例2に示す自動設定のうち、各FS16でLAG20を自動設定する際の実現手法を示すフローチャートである。
ここでは各FS16a〜16hにおいて、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66を受信する(ステップS300)。なお、この例では1つの手順として設定フレーム66を受信することとしているが、各FS16a〜16hが設定フレーム66を受信したことをトリガとして、以下の手順が実行されることとしてもよい。
【0097】
各FS16a〜16hは、受信した設定フレーム66に格納されているIFS番号と受信したポートのポート番号とを対応付けて認識し、送信元のIFS番号とポート番号の組み合わせをLAG設定テーブル50cに登録する(ステップS302)。
そして各FS16a〜16hのLAG設定部59は、同一のIFS番号に対応付けられたポート46にLAG20を設定する(ステップS304)。なお、以上でこの処理は終了(END)となる。
【0098】
〔FS側のLAG設定テーブル〕
図12は、動作例2においてFS16で設定されるLAG設定テーブル50cの構成を示す図である。図12に示すように、FS16のLAG設定テーブル50cでは、同一のIFS番号が対応付けられたポート46は、同一のLAGに所属していることが分かる。
例えば、送信元IFS番号「1」に対応付けられているのは、「LAG所属ポート」の欄に示すように「ポート46c」と「ポート46e」であり、これらは「LAG ID」の欄に示すように、同一のID「101」を持つLAGに所属している。同様に、送信元IFS番号「2」に対応付けられているのは「ポート46b」と「ポート46d」であり、これらは同一のID「102」を持つLAGに所属している。
【0099】
〔IFS側の設定テーブル〕
図13は、動作例2においてIFS14で設定されるLAG設定テーブル56bの構成を示す図である。図13の「送信元FS番号」の欄に示すように、動作例2の場合、重複したFS番号(例えば「1」と「1」、「2」と「2」等)がLAG設定テーブル50bに登録される点で動作例1と異なる。しかし、動作例1と同様に「LAG所属ポート」の欄には、受信した設定フレーム60で表されるFS番号「1」〜「8」と受信時のポート(ポート52a〜52h)が対応付けて登録されている。
【0100】
そしてLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてソートを行う際、重複したFS番号はソート順位を連続させる。このため「送信元FS番号欄」は、ソート順に「1」,「1」,「2」,「2」,・・・「8」,「8」となっている。
【0101】
また、「LAG ID」の欄には、グループ番号として例えば「100」が示されている。したがって動作例1と同様に、「LAG所属ポート」の欄に示されているポート(ポート52a〜52h)は、共通のグループ番号を持つLAG18に所属する。
【0102】
この場合も同様に、各IFS14a〜14xで受信したネットワークフレームをLAG18a〜18xに所属するポートから送信する際、各IFS14a〜14xのフレーム転送処理部54は、LAG設定テーブル56bを参照し、所定のアルゴリズムによって算出された値に基づいて送信用のポート番号(対応付けられたFS番号)を決定する。
【0103】
〔動作例2のまとめ〕
このように、各FS16a〜16hと各IFS14a〜14xとがそれぞれ複数のポート(物理回線)で接続されている場合であっても、各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xが接続されているポートごとに自動でLAG20a〜20xを設定することができる。ネットワークの管理者は、手動で各FS16a〜16hのLAG20a〜20xを設定する必要がなくなり、その作業負担を減らすことができる。また、ネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したときにも、各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xから設定フレーム66を受信することにより、上記のポートに対してLAG20a〜20xを自動的に再設定することができる。
【符号の説明】
【0104】
10 ネットワーク中継システム
12 端末機器
14(14a〜14x) IFS(インターフェース中継器)
16(16a〜16h) FS(ファブリック中継器)
46(46a〜46z) ポート
48,45 フレーム転送処理部
52(52a〜58n) ポート
58,64 設定フレーム生成部
59,62 LAG設定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク中継システム及びネットワーク中継システムの自動設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のネットワーク中継装置を含む第1のネットワーク中継装置グループがファブリックノードとして機能し、複数のネットワーク中継装置を含む第2のネットワーク中継装置グループが回線ノードとして機能するシステムが知られている(例えば、特許文献1の図8を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、例えば、第2のネットワーク中継装置グループに属するネットワーク中継装置と第1のネットワーク中継装置グループに属する複数のネットワーク中継装置との間をそれぞれ接続する複数の物理回線に対し、リンクアグリゲーショングループ(Link Aggregation Group:以下「LAG」と略称する。)を設定する技術が想定される。しかし、従来、ネットワーク中継装置の台数が増えるにつれて、LAGを設定する際の作業負担が大きくなるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムにおいて、LAGを自動設定することができる技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とを備え、前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信する第1の設定フレーム送信手段を有し、前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する第1のLAG設定手段を有する、ネットワーク中継システムが提供される。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の第2態様によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムの自動設定方法であって、前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信し、前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する、ネットワーク中継システムの自動設定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のネットワーク中継システム及びその自動設定方法によれば、複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムにおいて、LAGを自動設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ネットワーク中継システムの構成例を概略的に示す図である。
【図2】FSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】IFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】各IFSでLAGを自動設定する際の動作例1を説明するための図である。
【図5】図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。
【図7】動作例1で設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【図8】動作例2を実現するためのFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図9】動作例2を実現するためのIFSの機能的な構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】動作例2として各IFSでLAGを自動設定し、各FSでもLAGを自動設定する態様を概略的に示す図である。
【図11】各FSでLAGを自動設定する際の実現手法を示すフローチャートである。
【図12】動作例2においてFSで設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【図13】動作例2においてIFSで設定されるLAG設定テーブルの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態のネットワーク中継システム10の構成例を概略的に示す図である。ネットワーク中継システム10は、例えばデータセンタ等の設備内において、複数の端末機器12の間で送受信されるネットワークフレームを中継する用途に適している。端末機器12は、例えば、サーバー、ネットワーク中継器等である。なお、端末機器12の接続台数や種類は特に限定されない。
【0011】
ネットワーク中継システム10は、複数のインターフェース中継器として、例えば24台程度のIFS(InterFace Switch)14a,14b,・・・,14xを備える。またネットワーク中継システム10は、複数のファブリック中継器として、例えば8台のFS(Fabric Switch)16a〜16hを備えている。なお、ここで挙げたIFS14a〜14xやFS16a〜16hの台数は一例であり、これに限定されるものではない。
また、以下ではインターフェース中継器としての「IFS14a〜14x」を「IFS14」と表記し、ファブリック中継器としての「FS16a〜16h」を「FS16」と表記することがある。
【0012】
本実施形態では、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hとして、例えばボックス型のスイッチングハブを用いている。ここで用いるスイッチングハブは、例えばOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのレイヤ2及びレイヤ3のデータ転送機能を備えるものである。なお、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの基本的な構造や機能は互いに共通のものであってもよい。
【0013】
複数台ある端末機器12は、IFS14a〜14xのいずれかに分散して接続されている。なお、各IFS14a〜14xに接続される端末機器12の台数は、均一でなくてもよい。また、いずれのIFS14a〜14xに対し、どのような種類の端末機器12を接続するかについての制約もない。さらに端末機器12は、サーバー以外のパーソナルコンピュータやワークステーション等であってもよい。
【0014】
ネットワーク中継システム10において、IFS14a〜14xとFS16a〜16hとは、それぞれが相互に物理回線で接続されている。物理回線は、例えば光ファイバケーブル、ツイストペアケーブル等である。なお図1中、個別の物理回線について参照符号は省略している。また、IFS14a〜14xの一部は図示を省略されているが、これらも個別にFS16a〜16hと物理回線で接続されている。物理回線は、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの図示しないポートに接続されている。
【0015】
各IFS14a〜14xにおいて、FS16a〜16hが接続されているポートには、リンクアグリゲーショングループ、つまり、LAG18a,18b,・・・,18xが設定されている。リンクアグリゲーションは、複数の物理回線を論理的に一つの回線のように扱う機能である。各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a,18b,・・・,18xが設定された複数のポートは、論理的に一つのポートのように動作する。
【0016】
そして各IFS14a〜14xは、各端末機器12から受信したネットワークフレームをFS16a〜16hへ送信する場合、所定のアルゴリズムに従い、対応するLAG18a,18b,・・・,18x内で、いずれのポートからネットワークフレームを送信するかを決定する。このアルゴリズムでは、接続された端末機器12からネットワークフレームを受信した場合、これに格納されている宛先情報や送信元情報を示すMACアドレス、IPアドレス等を用いて演算(例えば四則演算)を行い、それによって得た値から送信用のポート番号を決定する。このとき、予めLAG18a,18b,・・・,18x内で各ポートに識別番号(INDEX)を設定しておき、上記の演算で得た値とポートの識別番号とを対応付けてもよい。いずれにしても、各IFS14a〜14xがネットワークフレーム中の固有情報に基づいてネットワークフレームの送信に用いるポートを一意に決定することにより、端末機器12から受信したネットワークフレームをFS16a〜16hへ送信する際に生じる負荷を分散し、ネットワーク中継システム10全体として必要な通信帯域を確保するようにしている。
【0017】
また本実施形態のネットワーク中継システム10では、上記のアルゴリズムにより、任意の2台の端末機器12間でネットワークフレームの送受信を行う場合、送信時(上り)の通信経路と受信時(下り)の通信経路とを互いに一致させている。
例えば、異なる2台のIFS14aとIFS14bにそれぞれ接続された2台の端末機器12が相互にネットワークフレームを送受信する場合を考える。この場合、IFS14aに接続された端末機器12(送信元)から送信されたネットワークフレームは、上記のアルゴリズムにより、例えば特定のFS16dを介してIFS14bへ転送され、そしてIFS14bから送信先(宛先)の端末機器12へ転送される。このときIFS14bでは、全てのFS16a〜16hに対向するポートにLAG18bが設定されているため、IFS14bからLAG18b内にネットワークフレームが折り返し送信されることはない。
【0018】
逆に、IFS14bに接続された端末機器12が送信元である場合、ネットワークフレームはIFS14bからFS16dへ送信され、さらにFS16dからIFS14aを通じて送信先の端末機器12に送信される。ここでも同様にIFS14aでは、全てのFS16a〜16hに対向するポートにLAG18aが設定されているため、やはりLAG18a内にネットワークフレームが折り返し送信されることはない。
【0019】
このように、異なる2台のIFS14aとIFS14bに接続された2台の端末機器12間でネットワークフレームを送受信する場合、ネットワークフレームを中継するIFS14aとIFS14bで使用されるポートが双方向で一致する。ここではIFS14aとIFS14bに接続された2台の端末機器12の組み合わせを例に挙げたが、これ以外の組み合わせの端末機器12間での送受信時についても同様に、送信時と受信時の双方向で通信経路と使用するポートが一致する。
【0020】
また、ネットワーク中継システム10に接続される各端末機器12にVLAN(Vertual Local Area Network)が設定されている場合、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hは、それぞれ原則としてタグVLANを用いてネットワークフレームの送受信を行う。このとき、FS16a〜16hの各ポートには、各端末機器12に割り当てられた全てのVLAN情報が登録される。そして、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hは、ネットワークフレームを送信する際、受信した個々のネットワークフレームに応じてVLAN情報をタギングした状態で送信する。これにより、各端末機器12にVLANが設定されていても、異なる端末機器12間で送信時の通信経路と受信時の通信経路が一致する。
【0021】
このように、本実施形態のネットワーク中継システム10では、異なるIFS14a〜14xに接続された端末機器12間でのネットワークフレームの送受信について、所定のアルゴリズムを適用して中継を行うことが基本動作となる。このような基本動作を実現するためには、各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xが適切に設定されていることが前提となる。
【0022】
ここで「LAG18a〜18xの適切な設定」には、「物理的な設定」と「論理的な設定」の2つがある。先ず、物理的な設定は、全てのIFS14a〜14xで各FS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させることにより実現される。例えば、IFS14a〜14xにそれぞれ番号1〜8までのポートがあるとすると、全てのIFS14a〜14xで1番のポートにはFS16aを接続し、2番のポートにはFS16bを接続し、以下、3番〜8番のポートにはFS16c〜FS16hをそれぞれ順番に接続することにより、物理的に「LAG18a〜18xを適切に設定」することができる。なお、物理的なポート番号とFS16a〜16hとの接続関係は上記以外でもよい。
【0023】
一方、論理的な設定を実現するためには、全てのIFS14a〜14xでFS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させる必要はないが、FS16a〜16hに接続された物理ポートの論理的な識別情報が全てのIFS14a〜14xで一致している必要がある。具体的には、全てのIFS14a〜14xで、FS16aが接続されたポートの識別情報(ポートインデックス等)は例えば「1」であり、FS16bが接続されたポートの識別情報(ポートインデックス等)は例えば「2」であり、以下、FS16c〜FS16hが順番に接続されたポートの識別情報が例えば「3」〜「8」である、というように、全てのIFS14a〜14xで論理的な識別情報を一致させることにより、論理的に「LAG18a〜18xを適切に設定」することができる。なお、ポートの論理的な識別情報とFS16a〜16hとの対応関係は上記以外でもよい。
【0024】
このように、LAG18a〜18xを適切に設定するには、全てのIFS14a〜14xについて、物理的又は論理的に各FS16a〜16hとの接続関係を共通にする必要があるが、全ての接続関係を人為的に管理した上で、LAG18a〜18xを手動で設定することは極めて煩雑である。
【0025】
そこで本実施形態では、各FS16a〜16hとの接続関係を各IFS14a〜14xにおいて認識し、その結果を踏まえてLAG18a〜18xを自動的に設定する機能(自動設定機能)を各IFS14a〜14x内で実現している。すなわち本実施形態では、「LAG18a〜18xの適切な設定」を論理的な手法により実現している。
【0026】
以下、ネットワーク中継システム10において上記の自動設定機能を実現するために必要なIFS14a〜14x及びFS16a〜16hの構成について説明する。なお、既に述べたように、以下では「IFS14a〜14x」、「FS16a〜16h」をそれぞれ「IFS14」、「FS16」と総称する場合がある。
【0027】
〔ファブリック中継器〕
図2は、FS16の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。すなわち、個々のFS16a〜16hの基本的な構成及び機能は共通している。
【0028】
FS16は、複数のポート46a,46b,・・・,46xを有している。FS16のポート数は、ネットワーク中継システム10内でのIFS14a〜14xの設置台数をカバーしているものとする(少なくとも同数のポートがある)。なお、以下では「ポート46a,46b,・・・,46x」を「ポート46」ともいう。またポート46の数は、図示した数に限定されない。
【0029】
ポート46の他にFS16は、フレーム転送処理部48及びメモリ部50を有している。
このうちメモリ部50は、例えば、書き換え可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)によって構成される。メモリ部50は、FDB(フォワーディングデータベース)50aを記憶している。またメモリ部50は、FS16に固有の識別情報(第1の識別情報)として、例えばFS16a〜16hの個体別に割り当てられた機器情報50bを記憶している。機器情報50bは、例えばFS16a〜16hに固有の機器番号(FS番号)とする。
【0030】
各ポート46には、それぞれIFS14a〜14xが接続されている。ポート46は、各IFS14a〜14xから送信されたネットワークフレームを受信すると、当該受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部48へ転送する。
また各ポート46は、フレーム転送処理部48から転送されたネットワークフレームをいずれかのIFS14a〜14xへ向けて送信する。
【0031】
〔フレーム転送処理部〕
フレーム転送処理部48は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(特定用途向け集積回路)等の集積回路により実現される。
【0032】
フレーム転送処理部48は、ネットワークフレーム中の宛先情報に基づいて、ネットワークフレームを転送先のポート46へ転送する。またフレーム転送処理部48は、ネットワークフレーム中の送信元アドレス情報に基づいてFDB50aを作成及び更新する。
【0033】
FDB50aには、ポート46で受信したネットワークフレーム中の送信元情報と、ネットワークフレームを受信したポート46の番号とが相互に対応付けられて登録される。
すなわちフレーム転送処理部48は、ポート46からネットワークフレームが転送されると、FDB50aに登録された情報をもとに転送先のポート46へネットワークフレームを中継する。
【0034】
〔設定フレーム生成部〕
またFS16は、設定フレーム生成部58を有している。設定フレーム生成部58は、IFS14a〜14xに対してLAG18a〜18xを自動設定させるための構成である。設定フレーム生成部58は、各FS16a〜16hに割り当てられた機器情報50bを含む設定フレーム60(第1の設定フレーム)を生成する。
【0035】
すなわち、設定フレーム58は、メモリ部50に記憶された機器情報50bを格納した設定フレーム60を生成する。
設定フレーム生成部58により生成された設定フレーム60は、フレーム転送処理部48を介してポート46a〜46xから接続先のIFS14a〜14xへ向けて送信される。したがって設定フレーム生成部58は、FS16において設定フレーム送信手段(第1の設定フレーム送信手段)としての構成をなす。
【0036】
〔インターフェース中継器〕
図3は、IFS14の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。すなわち、個々のIFS14a〜14xの基本的な構成及び機能は共通である。また、IFS14及びFS16は、スイッチングハブとしてその基本的な構成及び機能が共通している。その上で図3には、IFS14としての特徴的な構成が示されている。
【0037】
IFS14は、複数のポート52a〜52jを有している。またIFS14は、フレーム転送処理部54及びメモリ部56を有する。
【0038】
メモリ部56は、例えばRAMによって構成される。メモリ部56は、FDB56a及びLAG設定テーブル56bを記憶する。またメモリ部56は、IFS14に固有の識別情報(第2の識別情報)として、例えばIFS14a〜14xの個体別に割り当てられた機器情報56cを記憶している。ここで機器情報56cは、例えばIFS14a〜14xに固有の機器番号(IFS番号)とする。
【0039】
図3でフレーム転送処理部54の上方に示されるポート52a〜52hは、それぞれFS16a〜16hに接続されている。また、フレーム転送処理部56の下方に示されるポート52i,52jは、それぞれ端末機器12に接続されている。なお、以下では「ポート52a〜52j」を「ポート52」ともいう。
【0040】
図3では10個のポート52a〜52jを示しているが、ポート数は図示した数に限定されることはない。またポート数は、ネットワーク中継システム10内でのFS16a〜16hの設置台数をカバーしているものとする(少なくとも同数のポートがある)。
【0041】
図3に示すIFS14(IFS14aとする)において、FS16a〜16hは、その配列順に各ポート52a〜52hと接続されている。すなわち、FS16aがポート52aに接続され、FS16bがポート52bに接続され、FS16cがポート52cに接続される、といった具合である。その他のIFS14b〜14xも同様に、FS16a〜16hと接続されているが、これらIFS14b〜14xにおいて、IFS14aのポート52a〜52hと同じ順番でFS16a〜16hが接続されている必要はない。
例えば、IFS14aにおいてポート52aに接続されているFS16aは、別のIFS14bではポート52aではなく、ポート52bに接続されていてもよい。さらに別のIFS14cでは、FS16aがポート52cに接続されていてもよい。これは、本実施形態において「LAG18a〜18xの適切な設定」を論理的な手法で実現しているためである。
【0042】
ポート52a〜52hは、FS16a〜16hから受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部54へ転送する。またポート52a〜52hは、フレーム転送処理部54から中継されたネットワークフレームを接続先のFS16a〜16hへ向けて送信する。
【0043】
他のポート52i,52hは、端末機器12から受信したネットワークフレームをフレーム転送処理部54へ転送する。またポート52i,52hは、フレーム転送処理部54から転送されたネットワークフレームを接続先の端末機器12に向けて送信する。
【0044】
〔フレーム転送処理部〕
フレーム転送処理部54は、図2に示すFS16のフレーム転送処理部48と同様に、例えば、FPGAやASIC等の集積回路により実現される。
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレーム中の宛先情報に基づいてネットワークフレームを転送先のポート52へ転送する。またフレーム転送処理部54は、ネットワークフレーム中の送信元アドレス情報に基づいてFDB54aを作成及び更新する。
【0045】
FDB56aには、ポート52で受信したネットワークフレーム中の送信元アドレス情報と、ネットワークフレームを受信したポート52の番号とが相互に対応付けられて登録される。
【0046】
IFS14のフレーム転送処理部54は、FDB56aを参照して、送信先の端末機器12に接続されたポート52i,52jへネットワークフレームを中継する。またフレーム転送処理部54は、FDB56aとともにLAG設定テーブル56bを参照し、送信先のFS16a〜16hに接続されたポート52a〜52hにネットワークフレームを中継する。
【0047】
〔同一IFS14内での転送処理〕
例えば、ポート52iに接続された端末機器12が別のポート52jに接続された端末機器12へデータを送る場合を想定する。この場合、送信元となる端末機器12は、データを含むネットワークフレームをIFS14へ送信する。送信されたネットワークフレームは、ポート52iにより受信されてフレーム転送処理部54へ転送される。
【0048】
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレームに格納された宛先情報及び送信元情報に基づいてFDB56aを参照する。このとき、FDB56aに別の端末機器12を示す宛先情報がポート52jと対応付けて登録されている場合、フレーム転送処理部56は、ネットワークフレームをポート52jへ中継する。そして、ポート52jは、接続先のサーバー24へ向けてネットワークフレームを送信する。
【0049】
〔異なるIFS14間での転送処理〕
また、ポート52iに接続された端末機器12が他のIFS14a〜14xに接続された端末機器12へデータを送信する場合、送信元の端末機器12から送信されたネットワークフレームは、ポート52iにより受信されてフレーム転送処理部54へ転送される。
【0050】
フレーム転送処理部54は、ネットワークフレームに格納された宛先情報がLAG18を構成するポート52a〜ポート52hと対応付けて登録されている場合、LAG設定テーブル56bを参照する。なお、ここでは図1に示す「LAG18a,18b,・・・,18x」を「LAG18」と総称している。
【0051】
フレーム転送処理部54は、所定のアルゴリズムに基づいてLAG設定テーブル56bに登録されたポート52の中から、ネットワークフレームを送信するポート52を選択する。フレーム転送処理部54は、選択されたポート52にネットワークフレームを中継し、選択されたポート52は、ネットワークフレームを接続先のFS16a〜16hへ向けて送信する。
【0052】
〔LAG設定部〕
IFS14は、LAG18を自動で設定するための構成として、LAG設定部62を有している。LAG設定部62は、各FS16a〜16hから受信した設定フレーム60に基づいてLAG設定テーブル56bの作成及び更新を行う。
【0053】
すなわち、LAG設定部62は、設定フレーム60を受信した各ポート52a〜52hと、受信した個々の設定フレーム60により表されるFS番号とを対応付けて認識する。そしてLAG設定部62は、対応付けて認識した各ポート52とFS番号との組み合わせをLAG設定テーブル56bに登録する。例えば、ポート52aで受信した設定フレーム60にFS16aの機器情報50b(FS番号)が格納されている場合、LAG設定部62は、ポート52aにFS16aのFS番号を対応付けてLAG設定テーブル56bに登録する。その他のポート52b〜52hについても同様に、それぞれ受信した設定フレーム60にFS16b〜16hのFS番号が格納されている場合、LAG設定部62は、ポート52b〜52hにそれぞれFS16b〜16hのFS番号を対応付けてLAG設定テーブル56bに登録する。これにより、LAG設定テーブル56bには、各ポート52とFS16の各FS番号との組み合わせが登録されることになる。
【0054】
またLAG設定部62は、各ポート52と各FS番号との組み合わせについて、FS番号に基づいてソート(並べ替え)を行う。そして、ソートした各ポート52とFS番号との組み合わせをリンクアグリゲーショングループとしてLAG設定テーブル56bに登録し、LAG18を設定する。
【0055】
以上の設定を各IFS14a〜14xのLAG設定部62が行うことにより、FS16a〜16hの各FS番号と対応付けて認識された各ポート52a〜52hに対し、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがって、LAG18a〜18xを設定することができる。このように、LAG設定部62は、各IFS14a〜14xにおいてLAG設定手段(第1のLAG設定手段)としての構成をなしている。
【0056】
以下、LAG18の自動設定を行う動作例について、複数のパターンを挙げて説明する。
【0057】
〔自動設定の動作例1〕
図4は、各IFS14でLAG18を自動設定する際の動作例1を説明するための図である。LAG18の自動設定は、ネットワーク中継システム10の物理的な構成を構築して起動したとき、FS16やIFS14が新たに追加、又は、削除されてネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したとき、などに行われる。
なお、図4以降では煩雑化を防止するため、IFS14a〜14x及びFS16a〜16hの一部について図示を適宜省略している。一方、動作例についての理解を容易にするため、説明に関係するポート46a〜46x及びポート52a〜52xについて適宜図示を追加している。
【0058】
図4中(A)に示されているように、ネットワーク中継システム10の物理的な構成を構築し、FS16a〜16h及びIFS14a〜14xが正常に起動した場合を想定する。このとき、各IFS14a〜14xにおいて、FS16a〜16hの全てが同一番号のポートに接続されている必要はなく、任意な番号のポートに接続されていればよい。
【0059】
FS16a〜16hは、それぞれの設定フレーム生成部58において設定フレーム60を生成し、それぞれのポート46a〜46xに接続されているIFS14a〜14xに対し、設定フレーム60を送信する。このとき設定フレーム60には、識別情報として各FS16a〜16hのFS番号が格納されている。図4中(A)では、各FS16a〜16hからの設定フレーム60の送信方向を破線の矢印で示しているが、設定フレーム60は一部のみ図示している。
【0060】
〔設定フレーム受信時〕
各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、受信した設定フレーム60に格納されている送信元のFS番号と、当該設定フレーム60を受信したポート52a〜52hとを対応付けて認識し、送信元のFS番号とポート52a〜52hの組み合わせをLAG設定テーブル50bに登録する。
【0061】
〔LAG自動設定〕
そして図4中(B)に示されているように、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてポート52a〜52hの順番をソートし、LAG設定テーブル56bに登録されたポート52a〜52hに対してLAG18a〜18xを設定する。
このときLAG18a〜18xの設定は、物理的なポート番号ではなく、各ポートに対応付けられたFS番号に基づいて行われる。すなわち各IFS14a〜14xの物理ポート番号は、FS番号に基づいてソートされた上で、このソート後の順序(並び)にしたがってLAG18a〜18xにまとめられていく。これにより、各IFS14a〜14xにおいて、FS番号と対応付けて認識した各ポート52a〜52hに対し、FS番号に基づいて並べた共通の順序(FS番号に基づいてソートした順序)にしたがってLAG18a〜18xが設定される。
【0062】
〔LAGの分散〕
LAG18a〜18xの自動設定が行われた後、各IFS14a〜14xが端末機器12(図示は省略されている)から送信されたネットワークフレームを受信すると、LAG18a〜18xに所属するポート52a〜52hの中から、所定のアルゴリズムに基づいてネットワークフレームを転送するべきポートを一意に決定する。このとき各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xの経路(送信時の通信経路と受信時の通信経路)は論理的に一致した状態となっている(いわゆるLAGの分散が一致した状態)。
【0063】
〔動作例1の実現手法〕
図5及び図6は、図4に示す自動設定の実現手法を示すフローチャートである。このうち図5は、FS16で行われる設定フレーム生成処理を示し、図6は、IFS14で行われるLAG設定処理を示している。
【0064】
〔設定フレーム生成処理〕
図5に示す設定フレーム生成処理は、例えば、FS16a〜16hに電源が投入された際、ポート46a〜46xにIFS14a〜14xが接続された際、所定の時間間隔で定期的に、又は、作業者の操作に基づく任意のタイミングで実行される。
【0065】
各FS16a〜16hにおいて、設定フレーム生成部58により設定フレーム60が生成される(ステップS100)。そして各FS16a〜16hは、各ポート46a〜46xから設定フレーム60を送信し(ステップS102)、この処理を終了(END)する。
【0066】
〔LAG設定処理〕
図6に示されるLAG設定処理において、各IFS14a〜14xは、FS16a〜16hから送信された設定フレーム60を受信する(ステップS200)。なお、ここでは1つの手順として設定フレーム60を受信することとしているが、各IFS14a〜14xが設定フレーム60を受信したことをトリガとして、以下の手順が実行されることとしてもよい。
【0067】
各IFS14a〜14xは、受信した設定フレーム60で表されるFS番号と受信時のポート番号と対応付けて認識し、送信元のFS番号と受信時のポート番号の組み合わせをLAG設定テーブル56bに登録する(ステップS202)。
【0068】
そして各IFS14a〜14xにおいて、LAG設定部62は、FS番号に基づいてソートを行い、ポート52a〜52hにLAG18a〜18xを設定する(ステップS204)。以上でこの処理は終了(END)となる。
【0069】
〔LAG設定テーブル〕
図7は、動作例1で設定されるLAG設定テーブル56bの構成を示す図である。図7の「送信元FS番号」の欄に示すように、LAG設定テーブル56bは、FS番号に基づいてソートされている。FS番号は、例えば「1」が「FS16a」の個体を示す機器番号(個体別に固有の識別情報)であり、「8」が「FS16h」を示す機器番号である。なお、ここではFS番号を「1」〜「8」のようなシリアル番号としているが、各IFS14a〜14xにおいて固有のものであり、何らかの基準(例えば数値の大小比較)で自動的にソートすることが可能であれば、ランダムなユニーク番号であってもよい。
【0070】
また、図7の「LAG所属ポート」の欄には、設定フレーム60を受信したポート番号(物理ポート番号)が示されている。ここでは便宜上、図示の参照符号をポート番号として示している。各ポート番号は、送信元FS番号と対応付けて登録されており、例えば、「ポート52c」はFS番号「1」に対応付けられており、別の「ポート52e」はFS番号「2」に対応付けられている。したがって、この例で「ポート52c」はFS16a(FS番号「1」)に接続されており、「ポート52e」はFS16b(FS番号「2」)に接続されていることがわかる(その他についても同様の関係とする)。
【0071】
また図7に示す「LAG ID」の欄には、グループ番号として例えば「100」が示されている。「LAG所属ポート」の欄に示されているポート(ポート52a〜52h)は、共通のグループ番号を持つLAG18に所属している。
【0072】
〔動作例1のまとめ〕
このように、各FS16a〜16hから設定フレーム60を送信することで、各IFS14a〜14xにて自動でLAG18a〜18xを設定することができる。ネットワークの管理者は、手動で各IFS14a〜14xのLAG18a〜18xを設定する必要がなくなり、その作業負担を減らすことができる。また、ネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したときにも、各FS16a〜16hから各IFS14a〜14xに設定フレーム60を送信すれば、各IFS14a〜14xは受信した設定フレーム60に基づいて、LAG18a〜18xを自動的に再設定することができる。
【0073】
また、各IFS14a〜14xは、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがってLAG18a〜18xを設定するため、全てのIFS14a〜14xで各FS16a〜16hとの接続ポート番号を物理的に一致させる必要はなくなる。したがって、ネットワークの管理者は、IFS14a〜14xとFS16a〜16hの間をケーブルで接続する際、ポート間の接続誤りを気にする必要がなくなり、配線作業の負担を減らすことができる。
【0074】
また、各IFS14a〜14xは、それぞれ受信したネットワークフレームをLAG18a〜18xに所属するポートから送信する際、所定のアルゴリズムにより算出した値からネットワークフレームを送信するべきポートを決定している。そして、各IFS14a〜14xは、ポートに対して、FS番号に基づいて並べた共通の順序にしたがってLAG18a〜18xを設定している。このため、各IFS14a〜14xにおいて、各FS16a〜16hを接続する物理的なポート番号を一致させなくても、異なるIFS14a〜14xに接続された端末機器12間での双方向の通信は、上りと下りで同一の通信経路を経由することができる。これにより、片方向ごとにネットワークフレームの転送時間が異なるといったことを防止し、経路の分散を一致させて通信帯域の有効活用を図ることができる。
【0075】
〔動作例2〕
LAG自動設定の動作例2は、FS16において、同一のIFS14と接続するポートに対してLAGを設定することを前提としたものである。動作例2を実現するには、本実施形態のネットワーク中継システム10において、FS16及びIFS14をそれぞれ以下の構成とする。
【0076】
〔ファブリック中継器〕
図8は、動作例2を実現するためのFS16の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。動作例2を実現するには、動作例1で示したFS16に一部の構成が付加される。
【0077】
図8に示されているように、動作例2では、FS16がLAG設定部59を有している。したがって動作例2では、FS16においても、LAG設定部59の機能を活用して自動設定を行う。LAG設定部59は、FS16においてLAG設定手段(第2のLAG設定手段)としての構成をなしている。
【0078】
またメモリ部50には、LAG設定テーブル50cが記憶される。LAG設定テーブル50cには、LAG設定部59により設定されたLAGの情報が登録される(内容については後述)。
【0079】
〔ポート数〕
LAGを設定するため、FS16のポート数は動作例1より多く必要になる。すなわち動作例1では、IFS14a〜14xの台数をカバーするポート数を用いていたが、動作例2では、例えば、IFS14a〜14xの台数の2倍のポート数を用いる。以下では便宜上、各FS16に必要数分のポート46a〜46zが設けられているものとする。なお、以下では「ポート46a〜46z」を「ポート46」ともいう。
【0080】
〔インターフェース中継器〕
図9は、動作例2を実現するためのIFS14の機能的な構成を概略的に示すブロック図である。IFS14についても、動作例2を実現するには、動作例1で示したIFS14に一部の構成が付加される。
【0081】
図9に示されているように、動作例2では、IFS14が設定フレーム生成部64を有する。動作例2では、IFS14においても設定フレーム生成部64の機能を活用して自動設定を行うこととする。設定フレーム生成部64は、IFS14において設定フレーム送信手段(第2の設定フレーム送信手段)としての構成をなす。
【0082】
〔ポート数〕
またIFS14のポート数も、動作例1より多く必要になる。すなわち動作例1では、FS16a〜16hの台数をカバーできるポート数を用いていたが、動作例2では、例えば、FS16a〜16hの台数の2倍のポート数を用いる。以下では便宜上、各IFS14に必要数分のポート52a〜52nが設けられているものとする。なお、以下では「ポート52a〜52n」を「ポート52」ともいう。
【0083】
FS16及びIFS14のいずれについても、他の構成は動作例1と同じであるため、ここでは動作例1で挙げた構成には同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0084】
〔接続関係〕
図8及び図9に示されているように、動作例2では、各FS16と各IFS14との間を複数(ここでは2本)の物理回線で接続している(回線ごとの符号は省略)。このため各FS16は、2つのポート46を用いて1台のIFS14に接続されており、各IFS14においても、1台のFS16に対して2つのポート52を割り当てている。
【0085】
このとき各FS16は、IFS14の個体別に2つずつポート46(例えばポート46a,46b)にLAG20a,20b,・・・,20xを設定している。なお、以下では「LAG20a,20b,・・・,20x」を「LAG20」ともいう。
一方、各IFS14は、FS16a〜16hに接続された全てのポート52a〜52nにLAG18a〜18xを設定している。
【0086】
図10は、動作例2として各IFS14でLAG18を自動設定するとともに、各FS16でもLAG20を自動設定する態様を概略的に示す図である。
【0087】
図10中(A)に示されているように、動作例2では、FS16a〜16h及びIFS14a〜14xの全てのポート46a〜46z及びポート52a〜52hから設定フレーム60,66を送信している。
具体的には、動作例1と同様に、FS16a〜16hは、それぞれの設定フレーム生成部58において設定フレーム60を生成し、ポート46a〜46zに接続されているIFS14a〜14xに対して設定フレーム60を送信する。このとき設定フレーム60には、識別情報として各FS16a〜16hのFS番号が格納されている。
【0088】
一方で、IFS14a〜14xもまた、それぞれの設定フレーム生成部64で設定フレーム66(第2の設定フレーム)を生成し、ポート52a〜52nに接続されているFS16a〜16hに対して設定フレーム66を送信する。このとき設定フレーム66には、各IFS14a〜14xの個体別の識別情報として、IFS番号が格納されている。
【0089】
図10中(B)に示されているように、各FS16a〜16hは、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66を受信すると、格納されているIFS番号を受信したポート46に対応付けて認識し、IFS番号とポート46の組み合わせをLAG設定テーブル50cに登録する。そして、各FS16a〜16hは、それぞれのLAG設定部59において、同一のIFS番号ごとにポート46a〜46zに対してLAG20を設定する。例えば、FS16aにおいてIFS14aに接続される2つのポート46a,46bは、IFS番号(例えば「1」)に基づいてLAG20aとして設定され、IFS14bに接続される2つのポート46c,46dは、IFS番号(例えば「2」)に基づいてLAG20bとして設定される。また、IFS14xに接続される2つのポート46y,46zは、IFS番号(例えば「24」)に基づいてLAG20xとして設定される。
【0090】
動作例1と同様に、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、受信した設定フレーム60で表される送信元のFS番号と、当該設定フレーム60を受信したポート52a〜52nとを対応付けて認識し、送信元のFS番号とポート52a〜52nの組み合わせをLAG設定テーブル50bに登録する。
【0091】
そして図10中(B)に示されているように、各IFS14a〜14xのLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてポート52a〜52nの順番をソートし、LAG設定テーブル56bに登録されたポート52a〜52nに対してLAG18a〜18xを設定する。これにより、各IFS14a〜14xにおいて、LAG18a〜18xの経路(送信時の通信経路と受信時の通信経路)は論理的に一致した状態となっている(いわゆるLAGの分散が一致した状態)。
【0092】
動作例1で各IFS14a〜14xは、1つのポート58にそれぞれFS16a〜16hを接続していた。このため、各FS16a〜16hは、IFS14a〜14xに接続されたポート46に対してLAGを設定する必要がなかった。これに対し、動作例2では、各FS16a〜16hにおいて、各IFS14a〜14xは2つのポート46に接続されている。各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xが接続されている2つのポート46ごとにLAG20を設定することで、2つのポート46(及びこれらに接続される2本の物理回線)を論理的に1つの回線として設定することができる。
【0093】
このように動作例2では、動作例1に加えて、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66に基づいてFS16a〜16hに対してLAG20a〜20xを自動的に設定することができる。このため、FS16とIFS14との間にLAG20を設定する場合であっても、作業者や管理者などが手動でLAG20を設定する必要がなくなる。作業負担が低減され、迅速にネットワーク中継システム10を構築することができる。
【0094】
また動作例2は、FS16側で通信障害(例えばいずれかのポート46の障害)が発生した場合でも、各FS16と各IFS14との間にLAG20が設定されているため、障害発生後も引き続きネットワークフレームの中継を行うことができる。この場合、LAG20が一次的には縮退するが、復旧までの間のフレーム破棄を防止することができるため、動作例1に比較して、より汎用性の高いネットワーク中継システム10が構成される。
【0095】
〔動作例2の実現手法〕
特に図示していないが、例えば電源投入時や障害復旧後の再起動時等において、各IFS14a〜14xの設定フレーム生成部64は、個体別のIFS番号を格納した設定フレーム66を生成し、FS16a〜16hに接続されているポート52a〜52zから設定フレーム66を送信する。
【0096】
図11は、動作例2に示す自動設定のうち、各FS16でLAG20を自動設定する際の実現手法を示すフローチャートである。
ここでは各FS16a〜16hにおいて、IFS14a〜14xから送信された設定フレーム66を受信する(ステップS300)。なお、この例では1つの手順として設定フレーム66を受信することとしているが、各FS16a〜16hが設定フレーム66を受信したことをトリガとして、以下の手順が実行されることとしてもよい。
【0097】
各FS16a〜16hは、受信した設定フレーム66に格納されているIFS番号と受信したポートのポート番号とを対応付けて認識し、送信元のIFS番号とポート番号の組み合わせをLAG設定テーブル50cに登録する(ステップS302)。
そして各FS16a〜16hのLAG設定部59は、同一のIFS番号に対応付けられたポート46にLAG20を設定する(ステップS304)。なお、以上でこの処理は終了(END)となる。
【0098】
〔FS側のLAG設定テーブル〕
図12は、動作例2においてFS16で設定されるLAG設定テーブル50cの構成を示す図である。図12に示すように、FS16のLAG設定テーブル50cでは、同一のIFS番号が対応付けられたポート46は、同一のLAGに所属していることが分かる。
例えば、送信元IFS番号「1」に対応付けられているのは、「LAG所属ポート」の欄に示すように「ポート46c」と「ポート46e」であり、これらは「LAG ID」の欄に示すように、同一のID「101」を持つLAGに所属している。同様に、送信元IFS番号「2」に対応付けられているのは「ポート46b」と「ポート46d」であり、これらは同一のID「102」を持つLAGに所属している。
【0099】
〔IFS側の設定テーブル〕
図13は、動作例2においてIFS14で設定されるLAG設定テーブル56bの構成を示す図である。図13の「送信元FS番号」の欄に示すように、動作例2の場合、重複したFS番号(例えば「1」と「1」、「2」と「2」等)がLAG設定テーブル50bに登録される点で動作例1と異なる。しかし、動作例1と同様に「LAG所属ポート」の欄には、受信した設定フレーム60で表されるFS番号「1」〜「8」と受信時のポート(ポート52a〜52h)が対応付けて登録されている。
【0100】
そしてLAG設定部62は、送信元のFS番号に基づいてソートを行う際、重複したFS番号はソート順位を連続させる。このため「送信元FS番号欄」は、ソート順に「1」,「1」,「2」,「2」,・・・「8」,「8」となっている。
【0101】
また、「LAG ID」の欄には、グループ番号として例えば「100」が示されている。したがって動作例1と同様に、「LAG所属ポート」の欄に示されているポート(ポート52a〜52h)は、共通のグループ番号を持つLAG18に所属する。
【0102】
この場合も同様に、各IFS14a〜14xで受信したネットワークフレームをLAG18a〜18xに所属するポートから送信する際、各IFS14a〜14xのフレーム転送処理部54は、LAG設定テーブル56bを参照し、所定のアルゴリズムによって算出された値に基づいて送信用のポート番号(対応付けられたFS番号)を決定する。
【0103】
〔動作例2のまとめ〕
このように、各FS16a〜16hと各IFS14a〜14xとがそれぞれ複数のポート(物理回線)で接続されている場合であっても、各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xが接続されているポートごとに自動でLAG20a〜20xを設定することができる。ネットワークの管理者は、手動で各FS16a〜16hのLAG20a〜20xを設定する必要がなくなり、その作業負担を減らすことができる。また、ネットワーク中継システム10の構成が変更したとき、ネットワーク中継システム10内で障害が発生したとき、及び、障害が復旧したときにも、各FS16a〜16hは、各IFS14a〜14xから設定フレーム66を受信することにより、上記のポートに対してLAG20a〜20xを自動的に再設定することができる。
【符号の説明】
【0104】
10 ネットワーク中継システム
12 端末機器
14(14a〜14x) IFS(インターフェース中継器)
16(16a〜16h) FS(ファブリック中継器)
46(46a〜46z) ポート
48,45 フレーム転送処理部
52(52a〜58n) ポート
58,64 設定フレーム生成部
59,62 LAG設定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のインターフェース中継器と、
複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器と
を備え、
前記ファブリック中継器は、
第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信する第1の設定フレーム送信手段を有し、
前記インターフェース中継器は、
前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する第1のLAG設定手段を有する、
ネットワーク中継システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク中継システムにおいて、
前記インターフェース中継器は、
第2の識別情報を格納した第2の設定フレームを前記ファブリック中継器に対して送信する第2の設定フレーム送信手段を有し、
前記ファブリック中継器は、
同一の前記第2の識別情報を格納した前記第2の設定フレームを受信したポートに対して、リンクアグリゲーショングループを設定する第2のLAG設定手段を有する、
ネットワーク中継システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワーク中継システムにおいて、
前記第1の設定フレーム送信手段は、
予め前記ファブリック中継器に付与された機器番号を前記第1の識別情報として格納した前記第1の設定フレームを送信する、
ネットワーク中継システム。
【請求項4】
複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムの自動設定方法であって、
前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信し、
前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク中継システムの自動設定方法において、
前記インターフェース中継器は、第2の識別情報を格納した第2の設定フレームを前記ファブリック中継器に対して送信し、
前記ファブリック中継器は、同一の前記第2の識別情報を格納した前記第2の設定フレームを受信したポートに対して、リンクアグリゲーショングループを設定する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のネットワーク中継システムの自動設定方法において、
前記ファブリック中継器は、予め前記ファブリック中継器に付与された機器番号を前記第1の識別情報として格納した前記第1の設定フレームを送信する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【請求項1】
複数のインターフェース中継器と、
複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器と
を備え、
前記ファブリック中継器は、
第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信する第1の設定フレーム送信手段を有し、
前記インターフェース中継器は、
前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する第1のLAG設定手段を有する、
ネットワーク中継システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク中継システムにおいて、
前記インターフェース中継器は、
第2の識別情報を格納した第2の設定フレームを前記ファブリック中継器に対して送信する第2の設定フレーム送信手段を有し、
前記ファブリック中継器は、
同一の前記第2の識別情報を格納した前記第2の設定フレームを受信したポートに対して、リンクアグリゲーショングループを設定する第2のLAG設定手段を有する、
ネットワーク中継システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のネットワーク中継システムにおいて、
前記第1の設定フレーム送信手段は、
予め前記ファブリック中継器に付与された機器番号を前記第1の識別情報として格納した前記第1の設定フレームを送信する、
ネットワーク中継システム。
【請求項4】
複数のインターフェース中継器と、複数の前記インターフェース中継器に接続された複数のファブリック中継器とで構成されるネットワーク中継システムの自動設定方法であって、
前記ファブリック中継器は、第1の識別情報を格納した第1の設定フレームを前記インターフェース中継器に対して送信し、
前記インターフェース中継器は、前記第1の設定フレームを受信したポートに対して、前記第1の識別情報に基づいて並べた順序にしたがってリンクアグリゲーショングループを設定する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク中継システムの自動設定方法において、
前記インターフェース中継器は、第2の識別情報を格納した第2の設定フレームを前記ファブリック中継器に対して送信し、
前記ファブリック中継器は、同一の前記第2の識別情報を格納した前記第2の設定フレームを受信したポートに対して、リンクアグリゲーショングループを設定する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のネットワーク中継システムの自動設定方法において、
前記ファブリック中継器は、予め前記ファブリック中継器に付与された機器番号を前記第1の識別情報として格納した前記第1の設定フレームを送信する、
ネットワーク中継システムの自動設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−70297(P2013−70297A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208440(P2011−208440)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
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