ネットワーク再接続システム
【課題】常時接続のネットワークにおいて、UEが異なるエリアに移動した際、異なるエリアのS−GWおよびP−GWを選択させたままにせずに、現在のエリアのS−GWおよびP−GWが選択されるように、ベアラを再接続することのできるネットワーク再接続システムを提供する。
【解決手段】トリガー検知部22は、常時接続のベアラで発信処理が行われたこと、またはS−GWの接続先が変更されたことを、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーとして検知する。再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22により検知されたトリガーに基づいて、常時接続のベアラの再接続タイミングを決定する。ベアラ再接続指示部24は、再接続タイミング決定部23により決定された再接続タイミングで、常時接続のベアラを再接続する。
【解決手段】トリガー検知部22は、常時接続のベアラで発信処理が行われたこと、またはS−GWの接続先が変更されたことを、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーとして検知する。再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22により検知されたトリガーに基づいて、常時接続のベアラの再接続タイミングを決定する。ベアラ再接続指示部24は、再接続タイミング決定部23により決定された再接続タイミングで、常時接続のベアラを再接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク再接続システムに関し、特に常時接続である携帯電話サービスにおけるベアラを再接続するネットワーク再接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話サービスは、現在では生活に欠かすことのできないものであるが、現在の第3世代の携帯電話サービスでは、インターネット接続などの各種のサービスが提供されている。例えば、ドラマなどの動画の番組コンテンツを楽しんだりすることもできる。携帯電話サービスは、さらに大容量通信のサービスの提供が可能なLTE(Long Term Evolution)の次世代サービスに進化しつつある。
【0003】
さて、図26に示すように、非特許文献1に記載されているような現在の携帯電話サービスのネットワーク100では、ユーザーが所持している移動機(UE)101と、コンテンツ等を提供するサービス提供装置102とが、第1のゲートウエイ装置であるS−GW(Serving Gateway)101と第2のゲートウエイ装置であるP−GW(Packet Data Network Gateway)102とを介して接続されている。従って、UE101とサービス提供装置102との間で接続を確立するためには、UE101とS−GW103との間のインターフェイス処理S1、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5、P−GW104とサービス提供装置102との間のインターフェイス処理SGiを行う必要がある。
【0004】
しかしながら、次世代サービスのネットワーク200では、S−GW103とP−GW104とが同一筐体に収容されている。このため、UE101とサービス提供装置102との間で接続を確立する際に、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5を行う必要がない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP(Third Generation Partnership Project) TS 23.401 V10.3.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、常時接続を前提としている次世代のサービスのネットワークにおいて、UE101が現在のエリアから別のエリアに移動すると、S−GW103に代わって移動先のエリアのS−GWが選択されるが、P−GW104は電源が投入されたときのエリアのP−GW104が選択されたままの状態になっていることがある。
【0007】
例えば、図27に示すように、UE101Aを有するAさんが空港に到着し、その空港があるエリアAでUE101Aの電源を入れたときに、S−GW103とP−GW104とを経由して、UE101Aとサービス提供装置102とが接続される。ところが、Aさんが勤めるオフィスに帰着したときに、オフィスがあるエリアBのS−GW106が選択される。しかしながら、エリアBのP−GW107が選択されずに、電源が投入されたときのエリアAのP−GW104が選択されたままの状態である。
【0008】
同様に、図28に示すように、UE101Bを有するBさん、UE101Cを有するCさんが空港に到着し、その空港があるエリアAでUE101B,UE101Cの電源を入れたときに、空港があるエリアAのS−GW103とP−GW104とが選択される。ところが、BさんやCさんが勤めるオフィスに帰着したときに、オフィスがあるエリアBのS−GW106が選択されるが、電源が投入されたときのエリアAのP−GW104が選択されたままの状態である。
【0009】
常時接続を前提としているLTE等のネットワークにおいては、論理的なパケット伝送経路であるベアラを再接続するトリガーがない。このため、UEが異なるエリアに移動すると、S−GWは移動先のエリアのS−GWが選択されるが、P−GWは電源が投入されたときのエリアのP−GWが選択されたままの状態である。すると、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5を行わなければならず、この処理を行うことによってネットワーク200の各S−GWやP−GW、この他にもネットワーク200の中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路等のトラヒック量が増大してしまうことがあった。
【0010】
このような状態は、上記の空港とオフィスとの間をユーザーが移動した場合だけで起こるものはない。例えば、オフィスと自宅との間をユーザーが移動した場合にも起こるし、東京と大阪との大都市圏の間をユーザーが移動した場合にも起こるものである。
上記で説明したように、接続(発信)を行う際に、公知の技術によってリソースの利用効率が最も良いネットワークトポロジを選択しているが、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率なネットワークトポロジでの接続構成になってしまうことがある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、効率的なトポロジでの接続構成を再構築することのできるネットワーク再接続システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるネットワーク再接続システムは、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明による第1のネットワーク再接続システムは、常時接続のネットワークにおけるベアラを再接続するための再接続トリガーを検知するトリガー検知部と、前記トリガー検知部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う再接続タイミングを決定する再接続タイミング決定部と、前記再接続タイミング決定部により決定された前記再接続タイミングに基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行うように再接続指示を出力する再接続指示部と、前記再接続指示部から出力された前記再接続指示に基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う通信処理制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記の第1のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、常時接続のネットワークのベアラを再接続するためのトリガーを検知する。そして、再接続タイミング決定部は、トリガー検知部によりトリガーが検知された再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する再接続タイミングを決定する。再接続指示部は、再接続タイミングに基づいて、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する。常時接続のネットワークにおいては、移動機が異なるエリアに移動した際に、2つのエリアにまたいで、ゲートウエイ装置(P−GWおよびS−GW)が選択されたままの状態になってしまうことがあった。そこで、再接続指示部が、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する(ベアラを切断後に再び接続する)。ベアラを切断することにより、移動前のエリアのゲートウエイ装置が使われなくなり、その直後にベアラを接続することにより、現在のエリアのゲートウエイ装置が新たに選択される。つまり、第1のネットワーク再接続システムによれば、移動機が異なるエリアに移動しても、2つのエリアにまたいで、ゲートウエイ装置が選択されたままの状態になってしまうことを無くして、現在のエリアのゲートウエイ装置を選択する。このようにして、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、再接続を促すことによって、効率的なトポロジでの接続構成を再構築することが可能となる。
【0013】
本発明による第2のネットワーク再接続システムは、前記トリガー検知部は、前記ベアラにおいて発信処理が行われたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする。
上記の第2のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、ネットワークで発信処理が行われたことを、ベアラの再接続処理のトリガーとして検知する。これにより、ユーザーの移動機から発信が行われ、その発信処理の後に、ベアラを再接続することが可能となる。
【0014】
本発明による第3のネットワーク再接続システムは、前記トリガー検知部は、前記ベアラにおいて現在の移動機のエリアのゲートウエイ装置とは別のエリアのゲートウエイ装置が選択されたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする。
上記の第3のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、ネットワークで別のゲートウエイ装置(S−GW)が選択されたことを、ベアラの再接続処理のトリガーとして検知する。これにより、ネットワークで発信処理が行われ、さらにその後、ユーザーが実際に別のエリアに移動して、別のゲートウエイ装置(S−GW)が選択されたときに、ベアラを再接続することが可能となる。
【0015】
本発明による第4のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
上記の第4のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、再接続タイミングを上記で説明したトリガーが検知された直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能になる。
【0016】
本発明による第5のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、計時するタイマー部を備え、前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された後、前記タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
上記の第5のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、上記で説明したトリガーが検知され、さらに、タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能になる。
【0017】
本発明による第6のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であるか否かを監視する無通信監視部と、計時するタイマー部と、を備え、前記タイマー部は、前記無通信監視部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であることが判断された後、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態である無通信状態時間を計時し、前記再接続タイミング決定部は、前記タイマー部により計時された前記無通信状態時間が、所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
【0018】
上記の第6のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、無通信監視部により再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが一定時間だけ無通信状態であることが判断された直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能となる。
【0019】
本発明による第7のネットワーク再接続システムは、前記無通信監視部は、Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であると判断することを特徴とする。
上記の第7のネットワーク再接続システムによれば、無通信監視部が、Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが無通信状態であると判断する。これにより、無通信監視部が、直接ベアラの通信状態が無通信状態であることを監視することができないネットワークの構成装置に備えられている場合であっても、Priservation制御手順に基づいて、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが無通信状態であるか否かを判断することが可能となる。
【0020】
本発明による第8のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラが、前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられているか否かを判定するサービス判定部を備え、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラのうち、前記サービス判定部により前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判定されたベアラの再接続タイミングを決定することを特徴とする。
【0021】
上記の第8のネットワーク再接続システムによれば、サービス判定部が、ベアラが再接続を必要とするサービスに用いられているか否かを判定する。これにより、再接続タイミング決定部が、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラの再接続タイミングを決定する際に、サービス毎に再接続タイミングを決定する。そして、特定のサービスのベアラだけを再接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、常時接続のネットワークにおいて、ユーザーのモビリティ等によって、接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、再接続を促すことによって、効率的なトポロジでの接続構成を再構築する。このため、UEが異なるエリアに移動した際に、ゲートウエイ装置(S−GWおよびP−GW)の間のインターフェイス処理を行う必要がなくなる。
【0023】
よって、上記のインターフェイス処理を行うことによるネットワークのトラヒック量が増大するのを抑え、ネットワークのリソースを有効に活用することができる。特に、ネットワークの各ゲートウエイ装置、この他にもネットワークの中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路のトラヒック量等を抑えることができる。また、ネットワークを構成するハードウェアやソフトウェアがライセンス製品であり、そのライセンス料が従量制である場合には、これらの費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワーク10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るネットワークのMME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図4】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図5】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第3のシーケンス図である。
【図6】第1実施形態に係るネットワークのMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第2実施形態に係るネットワークのMME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図9】第2実施形態に係るネットワークのMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図10】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図12】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図13】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図14】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図15】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図16】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図17】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図18】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成を示すブロック図である。
【図19】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図20】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図21】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図22】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図23】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図24】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図25】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図26】従来の常時接続を前提としたネットワーク100,200の概略構成を示す模式図である。
【図27】従来の常時接続を前提としたネットワーク200において、選択されているS−GW103およびP−GW104を示す第1の模式図である。
【図28】従来の常時接続を前提としたネットワーク200において、選択されているS−GW103およびP−GW104を示す第2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワークの好適な実施形態を詳細に説明する。
(ネットワーク10の構成)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るネットワーク10の概略構成を説明する。
図1に示すネットワーク10は、背景技術で説明した図26を参照して説明したネットワーク100を構成するサービス提供装置102と、S−GW103と、P−GW104とを備える。さらに、ネットワーク10は、それらの装置以外の装置として、eNB(evolutional Node B)11と、MME(Mobility Management Entity)12と、HSS(Home Subscriber Server)13と、PCRF(Policy and Charging Rule Function)14とを備えて構成される。
【0026】
UE101は、ユーザーが所持している携帯電話機やスマートフォン、データ通信カード等である。よって、UE101は、S−GW103やP−GW104、MME12等のネットワーク10を構成する各装置を介して、サービス提供装置102と接続される。
サービス提供装置102は、通信事業者のインターネット接続サービス等のサービスを提供するための制御を行う。また、ネットワーク10に、サービス提供装置102に限らず、サービス提供装置102とは別のサービスを提供するサービス提供装置が設けられていても良い。
【0027】
S−GW103およびP−GW104は、ゲートウエイ装置である。S−GW103は、主にパケットのルーティング制御を行う。また、P−GW104は、主にインターネットのような外部ネットワークへ接続するための制御を行う。
eNB11は、基地局であり、ユーザーが所持するUE101とネットワーク10とのインターフェイスである。
MME12は、基地局を収容し、主にUE101のモビリティー制御等を行う。
HSS13は、加入者情報を管理する。加入者情報は、例えば、ユーザーがLTEの携帯電話サービスを契約しているか否かといった情報である。
PCRF14は、サービスに応じた優先制御や課金制御等を行う。
【0028】
上記の常時接続のネットワーク10において、MME12、P−GW104およびPCRF14のうちのいずれかの装置にて、ベアラを再接続することができる。
なお、上記で説明したeNB11、MME12、S−GW103およびP−GW104は、エリアAに対応する装置である。そして、これらの装置に対応する装置として、eNB15、MME16、S−GW106およびP−GW107がある。これらの装置は、背景技術で説明したように、エリアAとは別のエリアであるエリアBに対応する装置である。
【0029】
また、上記の常時接続のベアラを再接続するにあたって、2通りの方法がある。まず、1つ目が、各装置が再接続処理のトリガーを検知した直後に、ベアラを再接続する方法である。また、2つ目が、各装置が再接続処理のトリガーを検知した後、ベアラの通信状態が無通信状態であるか否か無通信監視を実施した上でベアラを再接続する方法である。
さらに、再接続のトリガーには、2種類のトリガーがある。まず、1つ目が、各装置がUE101からの発信処理が行われたときを再接続処理のトリガーとするものである。また、2つ目が、各装置と現在接続されているS−GWとは別のS−GWが各装置と接続されたときを再接続処理のトリガーとするものである。
つまり、各装置が再接続する方法には、上記を組み合わせて全部で4つの方法がある。まずは、MME12においてベアラを再接続する場合について説明する。
【0030】
(第1実施形態)
(MME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成)
まず、図2を参照して、ネットワーク10のMME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を説明する。
図2に示すMME12は、通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続タイミング決定部23と、ベアラ再接続指示部24とを備えて構成される。
【0031】
通信処理制御部21は、ネットワーク10を構成する各装置とリクエストやレスポンス等を送受信したり、MME12内の各部をまとめて制御したりする。
トリガー検知部22は、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーを検知する。トリガー検知部22は、UE101から常時接続のベアラで発信処理が行われたこと、または各装置と現在接続されているS−GWとは別のS−GWが各装置と接続されたことを、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーとして検知する。
【0032】
再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22により検知されたトリガーに基づいて、常時接続のベアラを再接続するタイミングである再接続タイミングを決定する。例えば、再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22によりトリガーが検知された直後を、再接続タイミングとする。
この再接続タイミング決定部23は、タイマー部31を備える。トリガー検知部22によりトリガーが検知され、所定の時間が経過してからベアラを再接続する場合に、タイマー部31が時間を計時する。再接続タイミング決定部23は、例えば、トリガー検知部22によりトリガーが検知され、所定の時間が経過した直後を、再接続タイミングとする。
【0033】
なお、上記で説明したタイマー部31等により計時が開始されて、再接続を実行するまでの所定の時間については、ネットワーク側のオペレーターが最適な時間を設定する。勿論、ネットワークのトラヒックモデルやサービスの提供形態等によって異なるが、常時接続のネットワーク10を利用するユーザーに対して、ベアラが再接続されたことによる違和感を与えないように最適な時間が設定されていれば良い。
【0034】
なお、トリガー検知部22によりトリガーが検知された直後に、ベアラを再接続する場合にあっては、タイマー部31を備える必要はない。または、タイマー部31により時間を計時する処理を停止する等しておけば良い。
さらに、再接続タイミング決定部23は、サービス判定部32を備える。サービス判定部32は、APN(Access Point Name)を確認することによって、トリガー検知部22によりトリガーが検知されたベアラが、再接続を必要とするサービスを提供するために用いられているか否かを判定する。
【0035】
例えば、サービスa〜cの3つのサービスがあって、再接続を必要とするサービスをサービスaのみとする。この場合、再接続タイミング決定部23は、サービス判定部32によりトリガーが検知されたベアラが、サービスaを提供するために用いられていると判定した場合のみ、そのベアラの再接続タイミングを決定する。なお、サービスによらずに、トリガーが検知されたときに、全てのユーザーのベアラを再接続する場合にあっては、サービス判定部32を備える必要はない。
【0036】
ベアラ再接続指示部24は、再接続タイミング決定部23により決定された再接続タイミングで常時接続のベアラを再接続するように、通信処理制御部21に対して指示を出力する。
上記で説明した通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続タイミング決定部23と、ベアラ再接続指示部24との各処理部とから、ネットワーク再接続システムとして機能する。
【0037】
(MME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図3〜図5を参照して、ネットワーク10のMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。なお、ネットワーク10を構成する各装置の動作を示す各シーケンス図については、説明に必要な装置だけを抜き出して示している。
【0038】
図3に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS101)。その後、ユーザーが発信を行うと、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップS102に示す発信処理を行う。なお、発信処理は公知であるため、ここでは発信処理のうち、ベアラの再接続処理を行うことを説明するために必要な処理のみを抜き出して説明する。ここでいう発信処理には、Attachによる発信やMulti−PDNによる発信がある。
【0039】
まず、UE101は、eNB11に対して、EMM_Attach Requestを送信する(ステップS102−1)。さらに、eNB11は、MME12に対して、EMM_Attach Requestを送信する(ステップS102−2)。
ネットワーク10の各装置間は、AuthenticationおよびNAS Securityの処理を行う(ステップS102−3,S102−4)。
【0040】
MME12とHSS13との間で、Diameter_Update Location RequestおよびDiameter_Update Location Answerを送受信することにより、HSS13は、常時接続の携帯電話サービスの契約状況等を判断する(ステップS102−5〜S102−7)。
MME12は、DNS(Domain Name System)手順にてS−GW103を選択するための制御を行う(ステップS102−8)。続いて、MME12は、DNS手順を用いてP−GW104を選択するための制御を行う(ステップS102−9)。
【0041】
続いて、図4に示すように、MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Create Session Requestを送信する(ステップS102−10)。そのS−GW103とPCRF14との間で、Diameter_CC−RequestおよびDiameter_CC−Answerを送受信することで(ステップS102−11,S102−12)、PCRF14は、S−GW103に対して送信するQoS InformationやEvent Triggers等の情報を生成する。
【0042】
さらに、S−GW103は、P−GW104に対して、PMIPv6_Proxy Binding Updateを送信する(ステップS102−13)。P−GW104とPCRF14との間で、Diameter_CC−RequestおよびDiameter_CC−Answerを送受信することで(ステップS102−14,S102−15)、PCRF14は、P−GW104に対して送信するQoS Informationや課金関連パラメータ等の情報を生成する。最後に、P−GW104は、S−GW103に対して、PMIPv6_Proxy Binding Ackを送信する(ステップS102−16)。
【0043】
S−GW103は、MME12に対して、GTPv2_Create Session Requestに対するレスポンスであるGTPv2_Delete Session Responseを送信する(ステップS102−17)。
MME12は、eNB11に対して、EMM_Attach処理を受け付けたことを示すEMM_Attach Acceptを送信する(ステップS102−18)。すると、ネットワーク10の各装置間は、NAS Securityの処理を行う(ステップS102−19)。
【0044】
この後、eNB11は、UE101に対して、RRC_RRC Connection Reconfigrationを送信する(ステップS102−20)。UE101は、RRC_RRC Connectionに基づく処理が完了すると、eNB11に対して、RRC_RRC Connection Reconfiguration Completeを送信する(ステップS102−21)。その後、eNB11は、MME12に対して、S1 AP_Initial Context Setup Responseを送信する(ステップS102−22)。
【0045】
最後に、UE101は、eNB11に対して、RRC_Direct Transferを送信する(ステップS102−23)。さらに、eNB11は、MME12に対して、EMM_Attach処理が完了したことを示すEMM_Attach Completeを送信する(ステップS102−24)。これに対して、MME12は、UE101に対して、EMM Informationを送信する(ステップS102−25)。
【0046】
そして、トリガー検知部22は、発信処理が行われたことを検知する。図5に示すように、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS103のYES)、このベアラを再接続処理を行う対象のベアラとして記憶する。具体的に、再接続タイミング決定部23は、ベアラを識別するための識別子等を記憶しておく。そして、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、時間を計時し始める(ステップS104)。タイマー部31は、所定の時間が経過するまで、計時し続ける(ステップS105のNO)。そして、ベアラ再接続指示部24は、タイマー部31が計時している時間が所定の時間を経過すると(ステップS105のYES)、通信処理制御部21に対して、ステップS106に示すベアラの再接続処理の実行するための指示を出力する。
【0047】
この再接続処理の一例として、まず、MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Delete Bearer Requestを送信する(ステップS106−1)。すると、S−GW103とPCRF14との間で、Diameter_Gateway Control Session TerminationおよびDiameter_Ack Gateway Control Session Terminationを送受信する(ステップS106−2,S106−3)。これにより、S−GW103とPCRF14との間で、セッションを解放する処理が行われる。
【0048】
また、この間、MME12は、NB11に対して、S1−AP_UE Context Release Commandを送信する(ステップS106−4)。NB11は、そのコマンドに対する処理が終了すると、S1−AP_UE Context Release Completeを出力する(ステップS106−5)。これにより、MME12とNB11との間で、リリース処理が行われる。
【0049】
最後に、S−GW103は、ステップS104−1のリクエストに対するGTPv2_Delete Bearer Responseを送信する(ステップS106−6)。そして、ネットワーク10を構成する各装置は、ベアラを切断するための処理を行った後に、ステップS102に示した発信処理と同じように接続処理を行うことで、ベアラの再接続処理が完了する。なお、切断処理には、initiateのdettachによる切断やPDN deactivationによる切断がある。
【0050】
また、ステップS103において、再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS103のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS104のベアラの再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、発信処理をベアラの再接続処理のトリガーにすることによって、MME12は、通信状態が確立しているベアラに対して再接続処理を行うことができる。
【0051】
(MME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図6を参照して、ネットワーク10のMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図6に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS201)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップS202に示す発信処理を行う。なお、この発信処理も、図3および図4で説明したステップS102で示した発信処理と同じような手順で行えば良い。
【0052】
そして、トリガー検知部22は、発信処理が行われたことを検知する。その後、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、別のS−GWに接続を変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS203)。例えば、別のS−GWに接続するための処理として、次のような処理がある。なお、これらの処理は、発信処理と同様に公知であるため、ここでは別のエリアのS−GWを接続するための処理のうち、ベアラを再接続するために必要な処理だけを抜き出して説明する。
【0053】
MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Create Bearer Requestを送信する(ステップS203−1)。また、S−GW103は、MME12に対して、GTPv2_Create Bearer Requestに対するレスポンスとしてGTPv2_Create Bearer Responseを送信する(ステップS203−2)。この後も、ネットワーク10を構成する各装置において、別のエリアのS−GWを接続するための処理が行われる。
【0054】
すると、MME12のトリガー検知部22は、上記で説明した別のS−GWに接続するための処理が行われたことを検知する。そして、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS204のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS205)。
【0055】
なお、ステップS205の再接続処理は、図5で説明したステップS104の処理と同じように行えば良い。そして、ベアラを切断後に、ステップS202に示した発信処理の同じように接続処理を行うことで、ベアラの再接続処理が完了する。
また、ステップS204において、再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS204のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS205の再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、GW変更処理が行われたことをベアラの再接続処理のトリガーにすることによって、MME12は、実際に別のS−GWが選択されたときに、ベアラの再接続処理を行うことができる。
【0056】
(第2実施形態)
(MME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成)
続いて、図7を参照して、ネットワーク10のMME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成について説明する。
図7に示すMME12は、図2に示したMME12とほぼ同一の構成である。しかしながら、図7に示すMME12の構成が、図2に示したMME12の構成と異なる点は、MME12を構成する再接続タイミング決定部23が、タイマー部31の代わりに、無通信監視部41を備えている点である。
無通信監視部41は、再接続のトリガーを検知した後、ベアラの通信状態が何も通信を行っていない無通信状態であるか否かを監視し続ける。
【0057】
(MME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図8を参照して、ネットワーク10のMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0058】
図8に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS301)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS302)。
そして、トリガー検知部22は、ステップS302の発信処理が行われたことを検知する。この後、無通信監視部41がベアラの通信状態が無通信状態になったことを監視し続ける(ステップS303のNO)。なお、実際の無通信状態であることの監視は、S−GW103およびP−GW104が行う。このため、Priservation制御手順に基づいてUE101がPriservation状態に遷移すると、MME12の無通信監視部41は、無通信状態になったものとして判断する。
【0059】
そして、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移したと判断したとき(ステップS303のYES)、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであるか否かを判断する。
再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS304のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS305)。
【0060】
また、ステップS304において、再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスである判断すると(ステップS304のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS305の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0061】
このように、再接続処理のトリガーが検出された後、無通信状態を監視することによって、実際にベアラの通信状態が無通信状態になってから、そのベアラの再接続処理を行うことができる。
また、MME12においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができない。しかしながら、UE101がPriservation状態に遷移すると、MME12の無通信監視部41は、無通信状態になったものとして判断して、MME12はベアラの再接続処理を行うことができる。
【0062】
(MME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図9を参照して、ネットワーク10のMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0063】
図9に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS401)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS402)。
その後、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS403)。トリガー検知部22は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するための処理が行われたことを検知する。
【0064】
再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS404のYES)、再接続タイミング決定部23は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオフ状態からオン状態に変更する(ステップS405)。
【0065】
そして、ステップS402の発信処理に続いて、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移するまで通信状態を監視し続ける(ステップS406のNO)。その後、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移したとき(ステップS406のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であると判断すると(ステップS407のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS408)。
【0066】
また、ステップS404において、再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS404のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS408の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0067】
同様に、ステップS407において、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であると判断すると(ステップS407のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS407の再接続処理を行うための指示を出力しない。
ここまで、MME12において、ベアラを再接続する場合の流れについて説明した。次に、P−GW104においてベアラを再接続する場合の流れについて説明する。
【0068】
(第3実施形態)
(P−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
まず、図10を参照して、ネットワーク10のP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
図10に示すP−GW104は、図2に示したMME12と同一の処理部を備えて構成される。再接続処理を行う装置が、MME12からP−GW104に変わったが、再接続処理を行うために必要な構成は、実質変わらない。
【0069】
(P−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図11を参照して、ネットワーク10のP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図11に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS501)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS502)。
【0070】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS503のYES)、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS504)。
タイマー部31は、所定の時間が経過するまで計時し続ける(ステップS505のNO)。そして、タイマー部31で計時された時間が所定の時間を経過したとき(ステップS505のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS506)。
【0071】
また、ステップS503において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS503のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS506の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0072】
(P−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図12および図13を参照して、ネットワーク10のP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0073】
図12に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS601)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS602)。
その後、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS603のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS604)。
【0074】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS605)。このS−GWの接続先を変更する処理の一例として、移動後のエリアのS−GW106は、PCRF14に対して、Diameter_Gateway Control Session Establishmentを送信する(ステップS605−1)。これに対して、PCRF14は、S−GW106に対して、Diameter_Acknowledge Gateway Control Session Establishmentを送信する(ステップS605−2)。
【0075】
さらに、S−GW106は、P−GW14に対して、PMIPv6_Proxy Binding Updateを送信する(ステップS605−3)。これに対して、P−GW14は、S−GW106に対して、PMIPv6_Proxy Binding Ackを送信する(ステップS605−4)。
このように、トリガー検知部22は、S−GWを変更する際に移動後のエリアのS−GW106から送信されたステップS605−3のPMIPv6_Proxy Binding Updateに基づいて、S−GWを変更する処理が行われたことを検知することができる。
【0076】
P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS606のYES)、ベアラ再接続指示部24は、ステップS607の再接続処理を行う(ステップS607)。
また、ステップS603において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS603のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図13に示すステップS607の再接続処理を行うための指示を出力しない。
同様に、ステップS606において、P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS606のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図13に示すステップS607の再接続処理を行うための指示をを出力しない。
【0077】
(第4実施形態)
(P−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
続いて、図14を参照して、ネットワーク10のP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
【0078】
図14に示すP−GW104は、図7に示したMME12とほぼ同一の構成である。しかしながら、図14に示すP−GW104の構成が、図7に示したMME12と異なる点は、再接続タイミング決定部23がタイマー部31を備えている点である。このタイマー部31は、上記で説明したMME12が備えていたタイマー部31と機能は同じである。
【0079】
(P−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図15を参照して、ネットワーク10のP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0080】
図15に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS701)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS702)。
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知し、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS703のYES)、無通信監視部41は、無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS704)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS705)。
【0081】
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS706のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS706の再接続処理を行うための指示を出力しない。再接続タイミング決定部23は、計時している時間をリセットした上で、無通信状態であるか否かを監視し続ける。
また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS706のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS707)。
【0082】
また、ステップS703において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS703のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS706の再接続処理をを行うための指示を出力しない。
このように、P−GW104においては、自装置でベアラが無通信状態であるか否かを直接監視して、ベアラの再接続処理を行うことができる。
【0083】
(P−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図16および図17を参照して、ネットワーク10のP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0084】
図16に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS801)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS802)。
その後、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判断すると(ステップS803のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS804)。
【0085】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS805)。P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS806のYES)、無通信監視部41は、無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS807)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS808)。
【0086】
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS809のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。この際、再接続タイミング決定部23は、計時している時間をリセットして、引き続き、無通信状態であるか否かを監視し続ける。
【0087】
また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS809のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS810)。
また、ステップS803において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS803のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図17に示すステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0088】
同様に、ステップS806において、P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS806のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。
ここまで、P−GW104において、ベアラを再接続する場合の流れについて説明した。次に、PCRF14においてベアラを再接続する場合の流れについて説明する。
【0089】
(第5実施形態)
(PCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成)
まず、図18を参照して、ネットワーク10のPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成を説明する。
図18に示すPCRF14は、図10に示したP−GW104と同一の処理部を備えて構成される。ベアラの再接続処理を行う装置が、MME12やP−GW104からPCRF14に変わったが、ベアラの再接続処理を行うために必要な構成は、実質変わらない。
【0090】
(PCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図19を参照して、ネットワーク10のPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図19に示すように、最初に、PCRF14は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS901)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS902)。
【0091】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS903のYES)、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS904)。
【0092】
タイマー部31は、所定の時間が経過するまで計時し続ける(ステップS905のNO)。そして、タイマー部31で計時された時間が所定の時間を経過したとき(ステップS905のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS906)。
また、ステップS903において、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS903のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS906の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0093】
(PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図20を参照して、PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図20に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS1001)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1002)。
【0094】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1003のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS1004)。
【0095】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、網を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS1005)。ステップS1005に示すS−GW変更処理は、ステップS605に示したS−GW変更処理と同様な手順である。トリガー検知部22は、S−GWを変更する際に移動後のエリアのS−GW106から送信されたステップS605−1のDiameter_Gateway Control Session Establishmentに基づいて、S−GWを変更する処理が行われたことを検知することができる。
【0096】
PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS1006のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うための指示を出力する。
また、ステップS1003において、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS1003のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うように指示を出力しない。
同様に、ステップS1006において、PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS1006のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0097】
(第6実施形態)
(PCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
続いて、図21を参照して、ネットワーク10のPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
図21に示すPCRF14は、図14に示したP−GW104を構成する各処理部のうち、通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続指示部24とを備えて構成される。つまり、このPCRF14は、再接続タイミング決定部23を備えていない。その代わりに、P−GW104が、再接続タイミング決定部23を備えている。
【0098】
これは、PCRF14においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができないためである。但し、ベアラを再接続するための構成は、図14に示したP−GW104の構成と実質変わらない。なお、P−GW104ではなく、S−GW103が再接続タイミング決定部23を備えて、S−GW103がベアラの無通信状態を監視しても良い。
【0099】
(PCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
まず、図22および図23を参照して、ネットワーク10のPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0100】
図22に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS1101)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1102)。なお、ステップS1102,S1108に示す発信処理は、ステップS102に示した発信処理と実質同じものである。
【0101】
そして、発信処理の中において、PCRF14は、P−GW104からDiameter_CC−Requestを受信する(ステップS1103)。そして、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1104のYES)、P−GW104の無通信監視部41に対して、無通信状態であるか否かの監視を依頼するためのDiameter_CC−Answerを送信する(ステップS1105)。具体的に、Diameter_CC−Answerは、無通信監視部41にベアラが無通信状態であるか否かを監視させた後、ベアラ再接続指示部24にベアラの再接続処理を行うための指示を出力させるためのものである。
【0102】
P−GW104の無通信監視部41は、ベアラが無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS1106)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS1107)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップ1102に示した発信処理の続きを継続する(ステップS1108)。
【0103】
そして、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間がが所定の時間を経過するまで(ステップS1109のYES)、ベアラ再接続指示部24は、図示しないP−GW104の通信処理制御部等に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS1110)。
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS1109のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1110の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0104】
なお、ステップS1104において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS1104のNO)、PCRF14は、図23に示すように、P−GW104の無通信監視部41に、無通信状態であるか否かを監視させないことを指示するためのDiameter_CC−Answerを送信する(ステップS1151)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、S1108で示した発信処理と同じの発信処理を継続して行う(ステップS1152)。そして、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1110の再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、PCRF14においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができない。しかしながら、S−GW103が再接続タイミング決定部23を備えることにより、S−GW103がベアラの無通信状態を監視した上で、PCRF14はベアラの再接続処理を行うことができる。
【0105】
(PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図24および図25を参照して、ネットワーク10のPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0106】
図24に示すように、最初に、PCRF14は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS1201)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1202)。
その後、PCRF14は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1203のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS1204)。
【0107】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS1205)。PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS1206のYES)、再接続タイミング決定部23に対して、ベアラが無通信状態であるか否かを監視するためのDiameter_Re−Auth−Requestを送信する(ステップS1207)。すると、無通信監視部41は、ベアラが無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS1208)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS1209)。P−GW104は、PCRF14に対して、Diameter_Re−Auth−Answerを送信する(ステップS1210)。
【0108】
図25に示すように、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS1211のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS1211のYES)、ベアラ再接続指示部24は、ベアラの再接続処理を行う(ステップS1212)。
【0109】
また、ステップS1203において、PCRF14は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスである判断すると(ステップS1203のNO)、図25に示すように、通信処理制御部21に対して、ベアラ再接続指示部24は、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。
同様に、ステップS1206において、PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS1206のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0110】
(ネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワーク10のまとめ)
上記で説明した常時接続のネットワーク10においては、MME12、P−GW104およびPCRF14のうちのいずれかの装置を、ネットワーク再接続システムによりベアラの再接続処理を行うポイントとしている。再接続処理を行うポイントは、上記のどの装置であっても良い。そして、ネットワーク10においては、各再接続のトリガーや無通信状態の時間等に応じて、ベアラの再接続することができる。
【0111】
UE101が異なるエリアに移動することにより、2つのエリアをまたいで、P−GWとS−GWとが選択されている状態になっていても、ベアラを再接続することにより、UE101の移動先のエリアに対応するP−GWとS−GWとが常に選択されている状態にすることができる。2つのエリアをまたいで、P−GWとS−GWとが選択されることがないため、P−GWとS−GWとの間のインターフェイス処理S5が不要になる。
【0112】
上記のようなネットワーク10においては、インターフェイス処理S5を行うことによりトラヒック量が増大することを抑えられるため、ネットワーク10のリソースを有効に活用することができる。特に、ネットワークの各P−GW及びS−GW、この他にもネットワークの中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路等のトラヒック量を抑えることができる。また、ネットワークを構成するハードウェアやソフトウェアのライセンス費用が従量制である場合には、これらの費用を抑えることもできる。
【0113】
なお、上記で説明したネットワーク再接続システムは、システムを構成する各部がMME12やP−GW104等の単一の装置内に設けられて実現されたり、複数の装置に設けられ、かつそれらの装置がネットワーク10を介して接続されて実現されたりするものであった。いずれの場合であっても、本明細書のネットワーク再接続システムに該当する。すなわち、本明細書のネットワーク再接続システムは、システムを構成する各部同士が協調して動作するものであって、システムを構成する各部がネットワーク10のどの装置に設けられていても、単一の装置に各部が設けられて実現されているものと得られる効果は同じである。また、各部を設ける装置として、MME12やP−GW104等の装置を例にして説明したが、上記で説明した再接続するための一連の処理を行うことが可能であれば、各部を設ける装置はこれらの装置に限定されるものではない。
【0114】
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のネットワーク再接続システムは、特に常時接続を前提とするネットワークにおいて、ベアラを再接続するためのネットワーク再接続システムとして、ネットワークを構成する各装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0116】
10……ネットワーク
101……UE
102……サービス提供装置
103……S−GW
104……P−GW
11……eNB
12……MME
13……HSS
14……PCRF
22……トリガー検知部
23……再接続タイミング決定部
24……再接続指示部
31……タイマー部
32……サービス判定部
41……無通信監視部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク再接続システムに関し、特に常時接続である携帯電話サービスにおけるベアラを再接続するネットワーク再接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話サービスは、現在では生活に欠かすことのできないものであるが、現在の第3世代の携帯電話サービスでは、インターネット接続などの各種のサービスが提供されている。例えば、ドラマなどの動画の番組コンテンツを楽しんだりすることもできる。携帯電話サービスは、さらに大容量通信のサービスの提供が可能なLTE(Long Term Evolution)の次世代サービスに進化しつつある。
【0003】
さて、図26に示すように、非特許文献1に記載されているような現在の携帯電話サービスのネットワーク100では、ユーザーが所持している移動機(UE)101と、コンテンツ等を提供するサービス提供装置102とが、第1のゲートウエイ装置であるS−GW(Serving Gateway)101と第2のゲートウエイ装置であるP−GW(Packet Data Network Gateway)102とを介して接続されている。従って、UE101とサービス提供装置102との間で接続を確立するためには、UE101とS−GW103との間のインターフェイス処理S1、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5、P−GW104とサービス提供装置102との間のインターフェイス処理SGiを行う必要がある。
【0004】
しかしながら、次世代サービスのネットワーク200では、S−GW103とP−GW104とが同一筐体に収容されている。このため、UE101とサービス提供装置102との間で接続を確立する際に、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5を行う必要がない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP(Third Generation Partnership Project) TS 23.401 V10.3.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、常時接続を前提としている次世代のサービスのネットワークにおいて、UE101が現在のエリアから別のエリアに移動すると、S−GW103に代わって移動先のエリアのS−GWが選択されるが、P−GW104は電源が投入されたときのエリアのP−GW104が選択されたままの状態になっていることがある。
【0007】
例えば、図27に示すように、UE101Aを有するAさんが空港に到着し、その空港があるエリアAでUE101Aの電源を入れたときに、S−GW103とP−GW104とを経由して、UE101Aとサービス提供装置102とが接続される。ところが、Aさんが勤めるオフィスに帰着したときに、オフィスがあるエリアBのS−GW106が選択される。しかしながら、エリアBのP−GW107が選択されずに、電源が投入されたときのエリアAのP−GW104が選択されたままの状態である。
【0008】
同様に、図28に示すように、UE101Bを有するBさん、UE101Cを有するCさんが空港に到着し、その空港があるエリアAでUE101B,UE101Cの電源を入れたときに、空港があるエリアAのS−GW103とP−GW104とが選択される。ところが、BさんやCさんが勤めるオフィスに帰着したときに、オフィスがあるエリアBのS−GW106が選択されるが、電源が投入されたときのエリアAのP−GW104が選択されたままの状態である。
【0009】
常時接続を前提としているLTE等のネットワークにおいては、論理的なパケット伝送経路であるベアラを再接続するトリガーがない。このため、UEが異なるエリアに移動すると、S−GWは移動先のエリアのS−GWが選択されるが、P−GWは電源が投入されたときのエリアのP−GWが選択されたままの状態である。すると、S−GW103とP−GW104との間のインターフェイス処理S5を行わなければならず、この処理を行うことによってネットワーク200の各S−GWやP−GW、この他にもネットワーク200の中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路等のトラヒック量が増大してしまうことがあった。
【0010】
このような状態は、上記の空港とオフィスとの間をユーザーが移動した場合だけで起こるものはない。例えば、オフィスと自宅との間をユーザーが移動した場合にも起こるし、東京と大阪との大都市圏の間をユーザーが移動した場合にも起こるものである。
上記で説明したように、接続(発信)を行う際に、公知の技術によってリソースの利用効率が最も良いネットワークトポロジを選択しているが、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率なネットワークトポロジでの接続構成になってしまうことがある。
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、効率的なトポロジでの接続構成を再構築することのできるネットワーク再接続システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるネットワーク再接続システムは、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
本発明による第1のネットワーク再接続システムは、常時接続のネットワークにおけるベアラを再接続するための再接続トリガーを検知するトリガー検知部と、前記トリガー検知部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う再接続タイミングを決定する再接続タイミング決定部と、前記再接続タイミング決定部により決定された前記再接続タイミングに基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行うように再接続指示を出力する再接続指示部と、前記再接続指示部から出力された前記再接続指示に基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う通信処理制御部とを備えることを特徴とする。
【0012】
上記の第1のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、常時接続のネットワークのベアラを再接続するためのトリガーを検知する。そして、再接続タイミング決定部は、トリガー検知部によりトリガーが検知された再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する再接続タイミングを決定する。再接続指示部は、再接続タイミングに基づいて、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する。常時接続のネットワークにおいては、移動機が異なるエリアに移動した際に、2つのエリアにまたいで、ゲートウエイ装置(P−GWおよびS−GW)が選択されたままの状態になってしまうことがあった。そこで、再接続指示部が、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラを再接続する(ベアラを切断後に再び接続する)。ベアラを切断することにより、移動前のエリアのゲートウエイ装置が使われなくなり、その直後にベアラを接続することにより、現在のエリアのゲートウエイ装置が新たに選択される。つまり、第1のネットワーク再接続システムによれば、移動機が異なるエリアに移動しても、2つのエリアにまたいで、ゲートウエイ装置が選択されたままの状態になってしまうことを無くして、現在のエリアのゲートウエイ装置を選択する。このようにして、ユーザーのモビリティ等によって接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、再接続を促すことによって、効率的なトポロジでの接続構成を再構築することが可能となる。
【0013】
本発明による第2のネットワーク再接続システムは、前記トリガー検知部は、前記ベアラにおいて発信処理が行われたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする。
上記の第2のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、ネットワークで発信処理が行われたことを、ベアラの再接続処理のトリガーとして検知する。これにより、ユーザーの移動機から発信が行われ、その発信処理の後に、ベアラを再接続することが可能となる。
【0014】
本発明による第3のネットワーク再接続システムは、前記トリガー検知部は、前記ベアラにおいて現在の移動機のエリアのゲートウエイ装置とは別のエリアのゲートウエイ装置が選択されたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする。
上記の第3のネットワーク再接続システムによれば、トリガー検知部が、ネットワークで別のゲートウエイ装置(S−GW)が選択されたことを、ベアラの再接続処理のトリガーとして検知する。これにより、ネットワークで発信処理が行われ、さらにその後、ユーザーが実際に別のエリアに移動して、別のゲートウエイ装置(S−GW)が選択されたときに、ベアラを再接続することが可能となる。
【0015】
本発明による第4のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
上記の第4のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、再接続タイミングを上記で説明したトリガーが検知された直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能になる。
【0016】
本発明による第5のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、計時するタイマー部を備え、前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された後、前記タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
上記の第5のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、上記で説明したトリガーが検知され、さらに、タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能になる。
【0017】
本発明による第6のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であるか否かを監視する無通信監視部と、計時するタイマー部と、を備え、前記タイマー部は、前記無通信監視部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であることが判断された後、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態である無通信状態時間を計時し、前記再接続タイミング決定部は、前記タイマー部により計時された前記無通信状態時間が、所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする。
【0018】
上記の第6のネットワーク再接続システムによれば、再接続タイミング決定部は、無通信監視部により再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが一定時間だけ無通信状態であることが判断された直後を、再接続タイミングとする。そして、この接続タイミングのときに、ベアラを再接続することが可能となる。
【0019】
本発明による第7のネットワーク再接続システムは、前記無通信監視部は、Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であると判断することを特徴とする。
上記の第7のネットワーク再接続システムによれば、無通信監視部が、Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが無通信状態であると判断する。これにより、無通信監視部が、直接ベアラの通信状態が無通信状態であることを監視することができないネットワークの構成装置に備えられている場合であっても、Priservation制御手順に基づいて、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラが無通信状態であるか否かを判断することが可能となる。
【0020】
本発明による第8のネットワーク再接続システムは、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラが、前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられているか否かを判定するサービス判定部を備え、前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラのうち、前記サービス判定部により前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判定されたベアラの再接続タイミングを決定することを特徴とする。
【0021】
上記の第8のネットワーク再接続システムによれば、サービス判定部が、ベアラが再接続を必要とするサービスに用いられているか否かを判定する。これにより、再接続タイミング決定部が、再接続を必要とするサービスに用いられているベアラの再接続タイミングを決定する際に、サービス毎に再接続タイミングを決定する。そして、特定のサービスのベアラだけを再接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、常時接続のネットワークにおいて、ユーザーのモビリティ等によって、接続構成が非効率的なネットワークトポロジでの接続構成になった際に、再接続を促すことによって、効率的なトポロジでの接続構成を再構築する。このため、UEが異なるエリアに移動した際に、ゲートウエイ装置(S−GWおよびP−GW)の間のインターフェイス処理を行う必要がなくなる。
【0023】
よって、上記のインターフェイス処理を行うことによるネットワークのトラヒック量が増大するのを抑え、ネットワークのリソースを有効に活用することができる。特に、ネットワークの各ゲートウエイ装置、この他にもネットワークの中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路のトラヒック量等を抑えることができる。また、ネットワークを構成するハードウェアやソフトウェアがライセンス製品であり、そのライセンス料が従量制である場合には、これらの費用を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワーク10の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るネットワークのMME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図4】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図5】第1実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第3のシーケンス図である。
【図6】第1実施形態に係るネットワークのMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図7】第2実施形態に係るネットワークのMME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係るネットワークのMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図9】第2実施形態に係るネットワークのMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図10】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図12】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図13】第3実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図14】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図15】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図16】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図17】第4実施形態に係るネットワークのP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図18】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成を示すブロック図である。
【図19】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図20】第5実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示すシーケンス図である。
【図21】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成を示すブロック図である。
【図22】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図23】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図24】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第1のシーケンス図である。
【図25】第6実施形態に係るネットワークのPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作の流れを示す第2のシーケンス図である。
【図26】従来の常時接続を前提としたネットワーク100,200の概略構成を示す模式図である。
【図27】従来の常時接続を前提としたネットワーク200において、選択されているS−GW103およびP−GW104を示す第1の模式図である。
【図28】従来の常時接続を前提としたネットワーク200において、選択されているS−GW103およびP−GW104を示す第2の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しながら、本発明のネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワークの好適な実施形態を詳細に説明する。
(ネットワーク10の構成)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るネットワーク10の概略構成を説明する。
図1に示すネットワーク10は、背景技術で説明した図26を参照して説明したネットワーク100を構成するサービス提供装置102と、S−GW103と、P−GW104とを備える。さらに、ネットワーク10は、それらの装置以外の装置として、eNB(evolutional Node B)11と、MME(Mobility Management Entity)12と、HSS(Home Subscriber Server)13と、PCRF(Policy and Charging Rule Function)14とを備えて構成される。
【0026】
UE101は、ユーザーが所持している携帯電話機やスマートフォン、データ通信カード等である。よって、UE101は、S−GW103やP−GW104、MME12等のネットワーク10を構成する各装置を介して、サービス提供装置102と接続される。
サービス提供装置102は、通信事業者のインターネット接続サービス等のサービスを提供するための制御を行う。また、ネットワーク10に、サービス提供装置102に限らず、サービス提供装置102とは別のサービスを提供するサービス提供装置が設けられていても良い。
【0027】
S−GW103およびP−GW104は、ゲートウエイ装置である。S−GW103は、主にパケットのルーティング制御を行う。また、P−GW104は、主にインターネットのような外部ネットワークへ接続するための制御を行う。
eNB11は、基地局であり、ユーザーが所持するUE101とネットワーク10とのインターフェイスである。
MME12は、基地局を収容し、主にUE101のモビリティー制御等を行う。
HSS13は、加入者情報を管理する。加入者情報は、例えば、ユーザーがLTEの携帯電話サービスを契約しているか否かといった情報である。
PCRF14は、サービスに応じた優先制御や課金制御等を行う。
【0028】
上記の常時接続のネットワーク10において、MME12、P−GW104およびPCRF14のうちのいずれかの装置にて、ベアラを再接続することができる。
なお、上記で説明したeNB11、MME12、S−GW103およびP−GW104は、エリアAに対応する装置である。そして、これらの装置に対応する装置として、eNB15、MME16、S−GW106およびP−GW107がある。これらの装置は、背景技術で説明したように、エリアAとは別のエリアであるエリアBに対応する装置である。
【0029】
また、上記の常時接続のベアラを再接続するにあたって、2通りの方法がある。まず、1つ目が、各装置が再接続処理のトリガーを検知した直後に、ベアラを再接続する方法である。また、2つ目が、各装置が再接続処理のトリガーを検知した後、ベアラの通信状態が無通信状態であるか否か無通信監視を実施した上でベアラを再接続する方法である。
さらに、再接続のトリガーには、2種類のトリガーがある。まず、1つ目が、各装置がUE101からの発信処理が行われたときを再接続処理のトリガーとするものである。また、2つ目が、各装置と現在接続されているS−GWとは別のS−GWが各装置と接続されたときを再接続処理のトリガーとするものである。
つまり、各装置が再接続する方法には、上記を組み合わせて全部で4つの方法がある。まずは、MME12においてベアラを再接続する場合について説明する。
【0030】
(第1実施形態)
(MME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成)
まず、図2を参照して、ネットワーク10のMME12において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成を説明する。
図2に示すMME12は、通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続タイミング決定部23と、ベアラ再接続指示部24とを備えて構成される。
【0031】
通信処理制御部21は、ネットワーク10を構成する各装置とリクエストやレスポンス等を送受信したり、MME12内の各部をまとめて制御したりする。
トリガー検知部22は、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーを検知する。トリガー検知部22は、UE101から常時接続のベアラで発信処理が行われたこと、または各装置と現在接続されているS−GWとは別のS−GWが各装置と接続されたことを、常時接続のベアラを再接続するためのトリガーとして検知する。
【0032】
再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22により検知されたトリガーに基づいて、常時接続のベアラを再接続するタイミングである再接続タイミングを決定する。例えば、再接続タイミング決定部23は、トリガー検知部22によりトリガーが検知された直後を、再接続タイミングとする。
この再接続タイミング決定部23は、タイマー部31を備える。トリガー検知部22によりトリガーが検知され、所定の時間が経過してからベアラを再接続する場合に、タイマー部31が時間を計時する。再接続タイミング決定部23は、例えば、トリガー検知部22によりトリガーが検知され、所定の時間が経過した直後を、再接続タイミングとする。
【0033】
なお、上記で説明したタイマー部31等により計時が開始されて、再接続を実行するまでの所定の時間については、ネットワーク側のオペレーターが最適な時間を設定する。勿論、ネットワークのトラヒックモデルやサービスの提供形態等によって異なるが、常時接続のネットワーク10を利用するユーザーに対して、ベアラが再接続されたことによる違和感を与えないように最適な時間が設定されていれば良い。
【0034】
なお、トリガー検知部22によりトリガーが検知された直後に、ベアラを再接続する場合にあっては、タイマー部31を備える必要はない。または、タイマー部31により時間を計時する処理を停止する等しておけば良い。
さらに、再接続タイミング決定部23は、サービス判定部32を備える。サービス判定部32は、APN(Access Point Name)を確認することによって、トリガー検知部22によりトリガーが検知されたベアラが、再接続を必要とするサービスを提供するために用いられているか否かを判定する。
【0035】
例えば、サービスa〜cの3つのサービスがあって、再接続を必要とするサービスをサービスaのみとする。この場合、再接続タイミング決定部23は、サービス判定部32によりトリガーが検知されたベアラが、サービスaを提供するために用いられていると判定した場合のみ、そのベアラの再接続タイミングを決定する。なお、サービスによらずに、トリガーが検知されたときに、全てのユーザーのベアラを再接続する場合にあっては、サービス判定部32を備える必要はない。
【0036】
ベアラ再接続指示部24は、再接続タイミング決定部23により決定された再接続タイミングで常時接続のベアラを再接続するように、通信処理制御部21に対して指示を出力する。
上記で説明した通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続タイミング決定部23と、ベアラ再接続指示部24との各処理部とから、ネットワーク再接続システムとして機能する。
【0037】
(MME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図3〜図5を参照して、ネットワーク10のMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。なお、ネットワーク10を構成する各装置の動作を示す各シーケンス図については、説明に必要な装置だけを抜き出して示している。
【0038】
図3に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS101)。その後、ユーザーが発信を行うと、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップS102に示す発信処理を行う。なお、発信処理は公知であるため、ここでは発信処理のうち、ベアラの再接続処理を行うことを説明するために必要な処理のみを抜き出して説明する。ここでいう発信処理には、Attachによる発信やMulti−PDNによる発信がある。
【0039】
まず、UE101は、eNB11に対して、EMM_Attach Requestを送信する(ステップS102−1)。さらに、eNB11は、MME12に対して、EMM_Attach Requestを送信する(ステップS102−2)。
ネットワーク10の各装置間は、AuthenticationおよびNAS Securityの処理を行う(ステップS102−3,S102−4)。
【0040】
MME12とHSS13との間で、Diameter_Update Location RequestおよびDiameter_Update Location Answerを送受信することにより、HSS13は、常時接続の携帯電話サービスの契約状況等を判断する(ステップS102−5〜S102−7)。
MME12は、DNS(Domain Name System)手順にてS−GW103を選択するための制御を行う(ステップS102−8)。続いて、MME12は、DNS手順を用いてP−GW104を選択するための制御を行う(ステップS102−9)。
【0041】
続いて、図4に示すように、MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Create Session Requestを送信する(ステップS102−10)。そのS−GW103とPCRF14との間で、Diameter_CC−RequestおよびDiameter_CC−Answerを送受信することで(ステップS102−11,S102−12)、PCRF14は、S−GW103に対して送信するQoS InformationやEvent Triggers等の情報を生成する。
【0042】
さらに、S−GW103は、P−GW104に対して、PMIPv6_Proxy Binding Updateを送信する(ステップS102−13)。P−GW104とPCRF14との間で、Diameter_CC−RequestおよびDiameter_CC−Answerを送受信することで(ステップS102−14,S102−15)、PCRF14は、P−GW104に対して送信するQoS Informationや課金関連パラメータ等の情報を生成する。最後に、P−GW104は、S−GW103に対して、PMIPv6_Proxy Binding Ackを送信する(ステップS102−16)。
【0043】
S−GW103は、MME12に対して、GTPv2_Create Session Requestに対するレスポンスであるGTPv2_Delete Session Responseを送信する(ステップS102−17)。
MME12は、eNB11に対して、EMM_Attach処理を受け付けたことを示すEMM_Attach Acceptを送信する(ステップS102−18)。すると、ネットワーク10の各装置間は、NAS Securityの処理を行う(ステップS102−19)。
【0044】
この後、eNB11は、UE101に対して、RRC_RRC Connection Reconfigrationを送信する(ステップS102−20)。UE101は、RRC_RRC Connectionに基づく処理が完了すると、eNB11に対して、RRC_RRC Connection Reconfiguration Completeを送信する(ステップS102−21)。その後、eNB11は、MME12に対して、S1 AP_Initial Context Setup Responseを送信する(ステップS102−22)。
【0045】
最後に、UE101は、eNB11に対して、RRC_Direct Transferを送信する(ステップS102−23)。さらに、eNB11は、MME12に対して、EMM_Attach処理が完了したことを示すEMM_Attach Completeを送信する(ステップS102−24)。これに対して、MME12は、UE101に対して、EMM Informationを送信する(ステップS102−25)。
【0046】
そして、トリガー検知部22は、発信処理が行われたことを検知する。図5に示すように、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS103のYES)、このベアラを再接続処理を行う対象のベアラとして記憶する。具体的に、再接続タイミング決定部23は、ベアラを識別するための識別子等を記憶しておく。そして、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、時間を計時し始める(ステップS104)。タイマー部31は、所定の時間が経過するまで、計時し続ける(ステップS105のNO)。そして、ベアラ再接続指示部24は、タイマー部31が計時している時間が所定の時間を経過すると(ステップS105のYES)、通信処理制御部21に対して、ステップS106に示すベアラの再接続処理の実行するための指示を出力する。
【0047】
この再接続処理の一例として、まず、MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Delete Bearer Requestを送信する(ステップS106−1)。すると、S−GW103とPCRF14との間で、Diameter_Gateway Control Session TerminationおよびDiameter_Ack Gateway Control Session Terminationを送受信する(ステップS106−2,S106−3)。これにより、S−GW103とPCRF14との間で、セッションを解放する処理が行われる。
【0048】
また、この間、MME12は、NB11に対して、S1−AP_UE Context Release Commandを送信する(ステップS106−4)。NB11は、そのコマンドに対する処理が終了すると、S1−AP_UE Context Release Completeを出力する(ステップS106−5)。これにより、MME12とNB11との間で、リリース処理が行われる。
【0049】
最後に、S−GW103は、ステップS104−1のリクエストに対するGTPv2_Delete Bearer Responseを送信する(ステップS106−6)。そして、ネットワーク10を構成する各装置は、ベアラを切断するための処理を行った後に、ステップS102に示した発信処理と同じように接続処理を行うことで、ベアラの再接続処理が完了する。なお、切断処理には、initiateのdettachによる切断やPDN deactivationによる切断がある。
【0050】
また、ステップS103において、再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS103のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS104のベアラの再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、発信処理をベアラの再接続処理のトリガーにすることによって、MME12は、通信状態が確立しているベアラに対して再接続処理を行うことができる。
【0051】
(MME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図6を参照して、ネットワーク10のMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図6に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS201)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップS202に示す発信処理を行う。なお、この発信処理も、図3および図4で説明したステップS102で示した発信処理と同じような手順で行えば良い。
【0052】
そして、トリガー検知部22は、発信処理が行われたことを検知する。その後、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、別のS−GWに接続を変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS203)。例えば、別のS−GWに接続するための処理として、次のような処理がある。なお、これらの処理は、発信処理と同様に公知であるため、ここでは別のエリアのS−GWを接続するための処理のうち、ベアラを再接続するために必要な処理だけを抜き出して説明する。
【0053】
MME12は、S−GW103に対して、GTPv2_Create Bearer Requestを送信する(ステップS203−1)。また、S−GW103は、MME12に対して、GTPv2_Create Bearer Requestに対するレスポンスとしてGTPv2_Create Bearer Responseを送信する(ステップS203−2)。この後も、ネットワーク10を構成する各装置において、別のエリアのS−GWを接続するための処理が行われる。
【0054】
すると、MME12のトリガー検知部22は、上記で説明した別のS−GWに接続するための処理が行われたことを検知する。そして、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS204のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS205)。
【0055】
なお、ステップS205の再接続処理は、図5で説明したステップS104の処理と同じように行えば良い。そして、ベアラを切断後に、ステップS202に示した発信処理の同じように接続処理を行うことで、ベアラの再接続処理が完了する。
また、ステップS204において、再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS204のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS205の再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、GW変更処理が行われたことをベアラの再接続処理のトリガーにすることによって、MME12は、実際に別のS−GWが選択されたときに、ベアラの再接続処理を行うことができる。
【0056】
(第2実施形態)
(MME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成)
続いて、図7を参照して、ネットワーク10のMME12において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のMME12の機能構成について説明する。
図7に示すMME12は、図2に示したMME12とほぼ同一の構成である。しかしながら、図7に示すMME12の構成が、図2に示したMME12の構成と異なる点は、MME12を構成する再接続タイミング決定部23が、タイマー部31の代わりに、無通信監視部41を備えている点である。
無通信監視部41は、再接続のトリガーを検知した後、ベアラの通信状態が何も通信を行っていない無通信状態であるか否かを監視し続ける。
【0057】
(MME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図8を参照して、ネットワーク10のMME12において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0058】
図8に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS301)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS302)。
そして、トリガー検知部22は、ステップS302の発信処理が行われたことを検知する。この後、無通信監視部41がベアラの通信状態が無通信状態になったことを監視し続ける(ステップS303のNO)。なお、実際の無通信状態であることの監視は、S−GW103およびP−GW104が行う。このため、Priservation制御手順に基づいてUE101がPriservation状態に遷移すると、MME12の無通信監視部41は、無通信状態になったものとして判断する。
【0059】
そして、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移したと判断したとき(ステップS303のYES)、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであるか否かを判断する。
再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS304のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS305)。
【0060】
また、ステップS304において、再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスである判断すると(ステップS304のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS305の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0061】
このように、再接続処理のトリガーが検出された後、無通信状態を監視することによって、実際にベアラの通信状態が無通信状態になってから、そのベアラの再接続処理を行うことができる。
また、MME12においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができない。しかしながら、UE101がPriservation状態に遷移すると、MME12の無通信監視部41は、無通信状態になったものとして判断して、MME12はベアラの再接続処理を行うことができる。
【0062】
(MME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図9を参照して、ネットワーク10のMME12においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0063】
図9に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS401)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS402)。
その後、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS403)。トリガー検知部22は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するための処理が行われたことを検知する。
【0064】
再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS404のYES)、再接続タイミング決定部23は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオフ状態からオン状態に変更する(ステップS405)。
【0065】
そして、ステップS402の発信処理に続いて、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移するまで通信状態を監視し続ける(ステップS406のNO)。その後、無通信監視部41は、UE101がPriservation状態に遷移したとき(ステップS406のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であると判断すると(ステップS407のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS408)。
【0066】
また、ステップS404において、再接続タイミング決定部23は、そのベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS404のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS408の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0067】
同様に、ステップS407において、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であると判断すると(ステップS407のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS407の再接続処理を行うための指示を出力しない。
ここまで、MME12において、ベアラを再接続する場合の流れについて説明した。次に、P−GW104においてベアラを再接続する場合の流れについて説明する。
【0068】
(第3実施形態)
(P−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
まず、図10を参照して、ネットワーク10のP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
図10に示すP−GW104は、図2に示したMME12と同一の処理部を備えて構成される。再接続処理を行う装置が、MME12からP−GW104に変わったが、再接続処理を行うために必要な構成は、実質変わらない。
【0069】
(P−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図11を参照して、ネットワーク10のP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図11に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS501)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS502)。
【0070】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、MME12の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS503のYES)、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS504)。
タイマー部31は、所定の時間が経過するまで計時し続ける(ステップS505のNO)。そして、タイマー部31で計時された時間が所定の時間を経過したとき(ステップS505のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS506)。
【0071】
また、ステップS503において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS503のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS506の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0072】
(P−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図12および図13を参照して、ネットワーク10のP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0073】
図12に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS601)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS602)。
その後、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS603のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS604)。
【0074】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS605)。このS−GWの接続先を変更する処理の一例として、移動後のエリアのS−GW106は、PCRF14に対して、Diameter_Gateway Control Session Establishmentを送信する(ステップS605−1)。これに対して、PCRF14は、S−GW106に対して、Diameter_Acknowledge Gateway Control Session Establishmentを送信する(ステップS605−2)。
【0075】
さらに、S−GW106は、P−GW14に対して、PMIPv6_Proxy Binding Updateを送信する(ステップS605−3)。これに対して、P−GW14は、S−GW106に対して、PMIPv6_Proxy Binding Ackを送信する(ステップS605−4)。
このように、トリガー検知部22は、S−GWを変更する際に移動後のエリアのS−GW106から送信されたステップS605−3のPMIPv6_Proxy Binding Updateに基づいて、S−GWを変更する処理が行われたことを検知することができる。
【0076】
P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS606のYES)、ベアラ再接続指示部24は、ステップS607の再接続処理を行う(ステップS607)。
また、ステップS603において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS603のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図13に示すステップS607の再接続処理を行うための指示を出力しない。
同様に、ステップS606において、P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS606のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図13に示すステップS607の再接続処理を行うための指示をを出力しない。
【0077】
(第4実施形態)
(P−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
続いて、図14を参照して、ネットワーク10のP−GW104において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
【0078】
図14に示すP−GW104は、図7に示したMME12とほぼ同一の構成である。しかしながら、図14に示すP−GW104の構成が、図7に示したMME12と異なる点は、再接続タイミング決定部23がタイマー部31を備えている点である。このタイマー部31は、上記で説明したMME12が備えていたタイマー部31と機能は同じである。
【0079】
(P−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図15を参照して、ネットワーク10のP−GW104において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0080】
図15に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS701)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS702)。
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知し、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS703のYES)、無通信監視部41は、無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS704)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS705)。
【0081】
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS706のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS706の再接続処理を行うための指示を出力しない。再接続タイミング決定部23は、計時している時間をリセットした上で、無通信状態であるか否かを監視し続ける。
また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS706のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS707)。
【0082】
また、ステップS703において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断すると(ステップS703のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS706の再接続処理をを行うための指示を出力しない。
このように、P−GW104においては、自装置でベアラが無通信状態であるか否かを直接監視して、ベアラの再接続処理を行うことができる。
【0083】
(P−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図16および図17を参照して、ネットワーク10のP−GW104においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0084】
図16に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS801)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS802)。
その後、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判断すると(ステップS803のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS804)。
【0085】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS805)。P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS806のYES)、無通信監視部41は、無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS807)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS808)。
【0086】
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS809のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。この際、再接続タイミング決定部23は、計時している時間をリセットして、引き続き、無通信状態であるか否かを監視し続ける。
【0087】
また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS809のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS810)。
また、ステップS803において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS803のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、図17に示すステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0088】
同様に、ステップS806において、P−GW104は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS806のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS810の再接続処理を行うための指示を出力しない。
ここまで、P−GW104において、ベアラを再接続する場合の流れについて説明した。次に、PCRF14においてベアラを再接続する場合の流れについて説明する。
【0089】
(第5実施形態)
(PCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成)
まず、図18を参照して、ネットワーク10のPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、ベアラを再接続する場合のPCRF14の機能構成を説明する。
図18に示すPCRF14は、図10に示したP−GW104と同一の処理部を備えて構成される。ベアラの再接続処理を行う装置が、MME12やP−GW104からPCRF14に変わったが、ベアラの再接続処理を行うために必要な構成は、実質変わらない。
【0090】
(PCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図19を参照して、ネットワーク10のPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図19に示すように、最初に、PCRF14は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS901)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS902)。
【0091】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS903のYES)、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS904)。
【0092】
タイマー部31は、所定の時間が経過するまで計時し続ける(ステップS905のNO)。そして、タイマー部31で計時された時間が所定の時間を経過したとき(ステップS905のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS906)。
また、ステップS903において、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS903のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS906の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0093】
(PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図20を参照して、PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
図20に示すように、最初に、MME12は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNを保持する(ステップS1001)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1002)。
【0094】
トリガー検知部22は、上記で説明した発信処理が行われたことを検知して、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1003のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS1004)。
【0095】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、網を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS1005)。ステップS1005に示すS−GW変更処理は、ステップS605に示したS−GW変更処理と同様な手順である。トリガー検知部22は、S−GWを変更する際に移動後のエリアのS−GW106から送信されたステップS605−1のDiameter_Gateway Control Session Establishmentに基づいて、S−GWを変更する処理が行われたことを検知することができる。
【0096】
PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS1006のYES)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うための指示を出力する。
また、ステップS1003において、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラが再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていないと判断する(ステップS1003のNO)。すると、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うように指示を出力しない。
同様に、ステップS1006において、PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS1006のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1007の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0097】
(第6実施形態)
(PCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成)
続いて、図21を参照して、ネットワーク10のPCRF14において再接続処理のトリガーを検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のP−GW104の機能構成について説明する。
図21に示すPCRF14は、図14に示したP−GW104を構成する各処理部のうち、通信処理制御部21と、トリガー検知部22と、再接続指示部24とを備えて構成される。つまり、このPCRF14は、再接続タイミング決定部23を備えていない。その代わりに、P−GW104が、再接続タイミング決定部23を備えている。
【0098】
これは、PCRF14においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができないためである。但し、ベアラを再接続するための構成は、図14に示したP−GW104の構成と実質変わらない。なお、P−GW104ではなく、S−GW103が再接続タイミング決定部23を備えて、S−GW103がベアラの無通信状態を監視しても良い。
【0099】
(PCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
まず、図22および図23を参照して、ネットワーク10のPCRF14において発信処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0100】
図22に示すように、最初に、P−GW104は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS1101)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1102)。なお、ステップS1102,S1108に示す発信処理は、ステップS102に示した発信処理と実質同じものである。
【0101】
そして、発信処理の中において、PCRF14は、P−GW104からDiameter_CC−Requestを受信する(ステップS1103)。そして、PCRF14の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1104のYES)、P−GW104の無通信監視部41に対して、無通信状態であるか否かの監視を依頼するためのDiameter_CC−Answerを送信する(ステップS1105)。具体的に、Diameter_CC−Answerは、無通信監視部41にベアラが無通信状態であるか否かを監視させた後、ベアラ再接続指示部24にベアラの再接続処理を行うための指示を出力させるためのものである。
【0102】
P−GW104の無通信監視部41は、ベアラが無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS1106)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS1107)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、ステップ1102に示した発信処理の続きを継続する(ステップS1108)。
【0103】
そして、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間がが所定の時間を経過するまで(ステップS1109のYES)、ベアラ再接続指示部24は、図示しないP−GW104の通信処理制御部等に対して、ベアラの再接続処理を行うための指示を出力する(ステップS1110)。
再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS1109のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1110の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0104】
なお、ステップS1104において、P−GW104の再接続タイミング決定部23は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスであると判断すると(ステップS1104のNO)、PCRF14は、図23に示すように、P−GW104の無通信監視部41に、無通信状態であるか否かを監視させないことを指示するためのDiameter_CC−Answerを送信する(ステップS1151)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、S1108で示した発信処理と同じの発信処理を継続して行う(ステップS1152)。そして、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1110の再接続処理を行うための指示を出力しない。
このように、PCRF14においては、ベアラが無通信状態であるか否かを直接監視することができない。しかしながら、S−GW103が再接続タイミング決定部23を備えることにより、S−GW103がベアラの無通信状態を監視した上で、PCRF14はベアラの再接続処理を行うことができる。
【0105】
(PCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作)
続いて、図24および図25を参照して、ネットワーク10のPCRF14においてS−GW変更処理を再接続処理のトリガーとして検知後、さらに無通信監視を実施後に、ベアラを再接続する場合のネットワーク10を構成する各装置の動作について説明する。
【0106】
図24に示すように、最初に、PCRF14は、再接続処理を行う必要のあるサービスのAPNや、無通信監視部41により無通信状態であることを判定する時間等を保持する(ステップS1201)。その後、ネットワーク10を構成する各装置は、図4で説明したステップS102と同様の発信処理を行う(ステップS1202)。
その後、PCRF14は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のあるサービスであると判断すると(ステップS1203のYES)、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグをオン状態にする(ステップS1204)。
【0107】
そして、UE101が別のエリアに移動すると、ネットワーク10を構成する各装置は、現在選択されているS−GWから別のS−GWに変更するためのS−GW変更処理を行う(ステップS1205)。PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオン状態であれば(ステップS1206のYES)、再接続タイミング決定部23に対して、ベアラが無通信状態であるか否かを監視するためのDiameter_Re−Auth−Requestを送信する(ステップS1207)。すると、無通信監視部41は、ベアラが無通信状態であるか否かを監視し始める(ステップS1208)。また、再接続タイミング決定部23のタイマー部31は、計時を開始する(ステップS1209)。P−GW104は、PCRF14に対して、Diameter_Re−Auth−Answerを送信する(ステップS1210)。
【0108】
図25に示すように、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過するまで(ステップS1211のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。また、再接続タイミング決定部23は、ベアラが無通信状態である時間が所定の時間を経過したと判断すると(ステップS1211のYES)、ベアラ再接続指示部24は、ベアラの再接続処理を行う(ステップS1212)。
【0109】
また、ステップS1203において、PCRF14は、ベアラを用いて提供されているサービスが、再接続処理を行う必要のないサービスである判断すると(ステップS1203のNO)、図25に示すように、通信処理制御部21に対して、ベアラ再接続指示部24は、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。
同様に、ステップS1206において、PCRF14は、ベアラの再接続処理の実行可否を制御するためのフラグがオフ状態であれば(ステップS1206のNO)、ベアラ再接続指示部24は、通信処理制御部21に対して、ステップS1212の再接続処理を行うための指示を出力しない。
【0110】
(ネットワーク再接続システムを用いて構成されたネットワーク10のまとめ)
上記で説明した常時接続のネットワーク10においては、MME12、P−GW104およびPCRF14のうちのいずれかの装置を、ネットワーク再接続システムによりベアラの再接続処理を行うポイントとしている。再接続処理を行うポイントは、上記のどの装置であっても良い。そして、ネットワーク10においては、各再接続のトリガーや無通信状態の時間等に応じて、ベアラの再接続することができる。
【0111】
UE101が異なるエリアに移動することにより、2つのエリアをまたいで、P−GWとS−GWとが選択されている状態になっていても、ベアラを再接続することにより、UE101の移動先のエリアに対応するP−GWとS−GWとが常に選択されている状態にすることができる。2つのエリアをまたいで、P−GWとS−GWとが選択されることがないため、P−GWとS−GWとの間のインターフェイス処理S5が不要になる。
【0112】
上記のようなネットワーク10においては、インターフェイス処理S5を行うことによりトラヒック量が増大することを抑えられるため、ネットワーク10のリソースを有効に活用することができる。特に、ネットワークの各P−GW及びS−GW、この他にもネットワークの中継用スイッチング装置、中継用ルーター等のネットワーク機器、さらに、各装置が収容されている局舎間の伝送路等のトラヒック量を抑えることができる。また、ネットワークを構成するハードウェアやソフトウェアのライセンス費用が従量制である場合には、これらの費用を抑えることもできる。
【0113】
なお、上記で説明したネットワーク再接続システムは、システムを構成する各部がMME12やP−GW104等の単一の装置内に設けられて実現されたり、複数の装置に設けられ、かつそれらの装置がネットワーク10を介して接続されて実現されたりするものであった。いずれの場合であっても、本明細書のネットワーク再接続システムに該当する。すなわち、本明細書のネットワーク再接続システムは、システムを構成する各部同士が協調して動作するものであって、システムを構成する各部がネットワーク10のどの装置に設けられていても、単一の装置に各部が設けられて実現されているものと得られる効果は同じである。また、各部を設ける装置として、MME12やP−GW104等の装置を例にして説明したが、上記で説明した再接続するための一連の処理を行うことが可能であれば、各部を設ける装置はこれらの装置に限定されるものではない。
【0114】
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のネットワーク再接続システムは、特に常時接続を前提とするネットワークにおいて、ベアラを再接続するためのネットワーク再接続システムとして、ネットワークを構成する各装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0116】
10……ネットワーク
101……UE
102……サービス提供装置
103……S−GW
104……P−GW
11……eNB
12……MME
13……HSS
14……PCRF
22……トリガー検知部
23……再接続タイミング決定部
24……再接続指示部
31……タイマー部
32……サービス判定部
41……無通信監視部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時接続のネットワークにおけるベアラを再接続するための再接続トリガーを検知するトリガー検知部と、
前記トリガー検知部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う再接続タイミングを決定する再接続タイミング決定部と、
前記再接続タイミング決定部により決定された前記再接続タイミングに基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行うように再接続指示を出力する再接続指示部と、
前記再接続指示部から出力された前記再接続指示に基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う通信処理制御部と
を備えることを特徴とするネットワーク再接続システム。
【請求項2】
前記トリガー検知部は、
前記ベアラにおいて発信処理が行われたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする請求項1に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項3】
前記トリガー検知部は、
前記ベアラにおいて現在の移動機のエリアのゲートウエイ装置とは別のエリアのゲートウエイ装置が選択されたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする請求項1に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項4】
前記再接続タイミング決定部は、
前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項5】
前記再接続タイミング決定部は、
計時するタイマー部を備え、
前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された後、前記タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項6】
前記再接続タイミング決定部は、
前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であるか否かを監視する無通信監視部と、
計時するタイマー部と、
を備え、
前記タイマー部は、
前記無通信監視部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であることが判断された後、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態である無通信状態時間を計時し、
前記再接続タイミング決定部は、
前記タイマー部により計時された前記無通信状態時間が、所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項2または3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項7】
前記無通信監視部は、
Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であると判断することを特徴とする請求項2または3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項8】
前記再接続タイミング決定部は、
前記再接続トリガーが検知されたベアラが、前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられているか否かを判定するサービス判定部を備え、
前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラのうち、前記サービス判定部により前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判定されたベアラの再接続タイミングを決定することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項1】
常時接続のネットワークにおけるベアラを再接続するための再接続トリガーを検知するトリガー検知部と、
前記トリガー検知部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う再接続タイミングを決定する再接続タイミング決定部と、
前記再接続タイミング決定部により決定された前記再接続タイミングに基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行うように再接続指示を出力する再接続指示部と、
前記再接続指示部から出力された前記再接続指示に基づいて、前記再接続トリガーが検知されたベアラの再接続処理を行う通信処理制御部と
を備えることを特徴とするネットワーク再接続システム。
【請求項2】
前記トリガー検知部は、
前記ベアラにおいて発信処理が行われたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする請求項1に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項3】
前記トリガー検知部は、
前記ベアラにおいて現在の移動機のエリアのゲートウエイ装置とは別のエリアのゲートウエイ装置が選択されたことを、前記再接続トリガーとして検知することを特徴とする請求項1に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項4】
前記再接続タイミング決定部は、
前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項5】
前記再接続タイミング決定部は、
計時するタイマー部を備え、
前記トリガー検知部により前記トリガーが検知された後、前記タイマー部により計時された時間が所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項6】
前記再接続タイミング決定部は、
前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であるか否かを監視する無通信監視部と、
計時するタイマー部と、
を備え、
前記タイマー部は、
前記無通信監視部により前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であることが判断された後、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態である無通信状態時間を計時し、
前記再接続タイミング決定部は、
前記タイマー部により計時された前記無通信状態時間が、所定の時間を経過した直後を、前記再接続タイミングとすることを特徴とする請求項2または3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項7】
前記無通信監視部は、
Priservation制御手順に基づいて移動機がPriservation状態に遷移したとき、前記再接続トリガーが検知されたベアラの通信状態が無通信状態であると判断することを特徴とする請求項2または3に記載されたネットワーク再接続システム。
【請求項8】
前記再接続タイミング決定部は、
前記再接続トリガーが検知されたベアラが、前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられているか否かを判定するサービス判定部を備え、
前記再接続タイミング決定部は、前記再接続トリガーが検知されたベアラのうち、前記サービス判定部により前記再接続処理を行う必要のあるサービスに用いられていると判定されたベアラの再接続タイミングを決定することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載されたネットワーク再接続システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−31036(P2013−31036A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166350(P2011−166350)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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