説明

ネットワーク接続装置、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラム

【課題】 所望の広告・広報を確実に表示させることが困難であった。
【解決手段】 クライアントをネットワークに接続するにあたり、上記ネットワーク上のコンピュータに蓄積された所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を上記クライアントから取得し、上記所定の情報と異なるダミー情報を上記出力装置に出力するためのダミー情報データを取得し、上記要求に対する応答として上記ダミー情報データを上記クライアントに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はネットワーク接続装置、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等を利用したウェブページ閲覧では、利用者が所望の情報にアクセスし、閲覧することができるが、当該利用者所望の情報と同時にその情報以外の広告・広報等を提供したい場合もある。例えば、インターネットに接続する環境を利用者に提供する店舗が自身の店舗の広告を利用者の端末に表示したり、LANで結ばれたクライアントが複数存在する組織において利用者に周知すべき広報を各クライアントに表示する場合がある。このような場合、これらの広告や広報等をポップアップウィンドウ等で表示する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−21547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術のように、ポップアップウィンドウ等による広告・広報等の表示は簡易な構成によって実現可能であるが、一方で、簡単に広告・広報の表示を禁止することが可能である。例えば、ウェブページ閲覧を行うブラウザの機能設定において、「ポップアップウィンドウをブロック」という設定を選択すれば、容易にポップアップウィンドウの表示をブロックすることができる。従って、従来の技術では所望の広告・広報を確実に表示させることが困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、クライアントから要求された情報以外の情報を確実に出力させることが可能なネットワーク接続装置、ネットワーク接続方法およびネットワーク接続プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明では、所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を受け付けたときに、要求された所定の情報と異なるダミー情報を取得し、応答としてクライアントに出力する。このため、クライアントの出力装置では、この情報が出力される。すなわち、クライアントからある情報が要求されているときに、その情報になりすまして他の情報をクライアントに返すようになっている。ダミー情報データは利用者が要求した情報に対して返信されるデータであるため、この情報を拒否するすべはなく、クライアントの出力装置にダミー情報を出力することになる。
【0005】
ここで、クライアントはネットワークに接続されて所望の処理を実施するコンピュータであれば良く、各種情報を表示するための出力装置を備えている。むろん、利用者所望の情報を要求するために、マウスやキーボード等の入力装置を備えていることが好ましい。出力装置としては情報を出力することができれば良く、ディスプレイが好ましいが、ディスプレイに限らず、プリンタや音声出力を行う出力装置であっても良い。
【0006】
ネットワークとしては、そのネットワークに接続されるコンピュータが1台以上存在するネットワークであれば良く、インターネットでも良いし、閉じたLANネットワークでも良い。本発明におけるネットワーク接続装置は、上記クライアントをこのネットワークに接続するための装置であり、ネットワークに接続する際の付属機能として本発明の機能、すなわち、ダミー情報の出力を実施する。
【0007】
出力要求取得手段においては、所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を取得することができれば良く種々の構成を採用可能である。すなわち、クライアントにおいてネットワーク上のコンピュータに蓄積された情報を取得するためには、その情報を取得するためのデータをネットワーク上に送出する。そこで、このデータを検出すれば、上記要求を取得することができる。クライアントからの要求はどのようなプロトコルでなされても良いが、情報を閲覧するウェブブラウザで通常採用されているHTTP(HyperText Transfer Protocol)であることが好ましい。当該HTTPであれば、そのヘッダによってHTTPによるウェブページの要求であるか否かを容易に検出することができる。
【0008】
ダミー情報データは、上記クライアントから要求された所定の情報と異なる情報を出力するためのデータであれば良く、各種の情報を採用可能である。例えば、広告や広報を表示するためのデータを採用可能である。データの態様としては文字、画像、音声等種々の態様を採用可能である。
【0009】
要求応答手段は、要求に対する応答として上記ダミー情報をクライアントに受け渡すことができれば良く種々の構成を採用可能である。すなわち、クライアントが上記要求に対する正規の応答としてダミー情報を受け取り、出力装置に出力するようにダミー情報データをクライアントに出力する。例えば、クライアントからHTTPによるウェブページの要求を行う構成において、この要求に対する返答を示す書式のデータとしてクライアントにダミー情報データを出力する。この結果、クライアントにおいては、ダミー情報をブロックすることなく表示することになる。
【0010】
本発明にかかるネットワーク接続装置として好ましい構成例として、クライアントが備えるインタフェースに装着される構成を採用可能である。すなわち、クライアントとネットワーク接続装置とが共通の規格のインタフェースを備えており、このインタフェースによってネットワーク接続装置をクライアントに接続する。かかる構成においてクライアントは、この接続を介してネットワークに接続可能になるため、ネットワーク上のコンピュータに蓄積された所定の情報を要求する際に必ず本発明にかかるネットワーク接続装置における処理がなされる。
【0011】
従って、確実に広告・広報等のダミー情報がクライアントに表示されるように構成することができる。尚、より確実にダミー情報の表示を担保するためには、ネットワーク接続装置における各手段を書き換え不能のチップ(ファームウェア)によって構成するのが好ましい。例えば、CPU,RAM,ROMのプログラム実行環境でネットワーク接続装置を提供するのであれば、書き換え不可能なマスクROMやパスワード等によって書き換え不可能に構成したEEPROMにプログラムを記述して本発明を実現する。また、ネットワーク接続装置の各手段を実現するカスタムICによって本発明を実現しても良い。
【0012】
本発明におけるネットワーク接続装置においては、正規の要求に対してダミー情報を出力するようにデータ処理を行うが、ダミー情報を出力させるだけではなく、正規の要求に対する正規の情報を出力する構成を備えるのが好ましい。すなわち、ネットワークとの接続を確立してネットワーク上のコンピュータから情報を取得する通信手段を構成し、この通信手段を介して上記要求された情報を示す要求情報データを取得する。この要求情報データが示す情報が正規の情報である。
【0013】
そこで、ダミー情報データをクライアントへ出力した後に、上記要求情報データを上記クライアントへ出力する。この結果、クライアントでは、一旦、広告・広報等のダミー情報を出力するが、要求情報データを受信した後には要求された正規の情報を出力する。従って、クライアントにおけるウェブページの閲覧を過度に妨げることなく所望の広告・広報等を確実に出力させることができる。
【0014】
さらに、ダミー情報データを出力するタイミングとしては、種々のタイミングを採用可能である。例えば、上記クライアントの電源をオンにした後、最初に上記要求を取得したときにダミー情報データを出力する構成を採用可能である。かかる構成によれば、クライアントにおいて電源投入後初めてウェブページを閲覧する際に必ず所望の広告・広報等を出力することができる。
【0015】
さらに、予め決められた所定の時間に上記ダミー情報データを出力する構成を採用しても良い。かかる構成によれば、予め決められた所定の時間に必ず所望の広告・広報等を出力することができる。予め決められた所定の時間としては、決められた時刻であっても良いし、予め決められた時間間隔であっても良い。さらに、クライアントの出力装置に出力している情報と異なる情報を出力するための要求がなされるたびに上記ダミー情報データを出力する構成を採用しても良い。かかる構成によれば、出力装置に出力している情報を変更する要求がなされるたびにダミー情報が出力されるようにすることができる。
【0016】
ダミー情報データはダミー情報取得手段によって取得できるように構成することができれば良く、種々の構成を採用可能である。例えば、ネットワーク接続装置にダミー情報データを記憶する記憶媒体を構成し、この記憶媒体からダミー情報データを取得するように構成すればよい。この記憶媒体においてもダミー情報データを書き換え不可能に記憶する媒体が好ましい。
【0017】
さらに、ネットワーク上のコンピュータにダミー情報を蓄積し、通信手段を介してダミー情報を取得するように構成しても良い。かかる構成において、一般の利用者がダミー情報を蓄積したコンピュータにアクセスし、情報を書き換えることを禁じるのは容易である。一方、ダミー情報の作成者が容易にこのダミー情報を書き換えられるように構成することは可能である。従って、ダミー情報の作成者が所望の広告・広報等を自由に選択し、それらを確実にクライアントに出力することが可能になる。
【0018】
ところで、上述したネットワーク接続装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上述したように正規の要求に対してダミー情報を出力する手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。したがって、本発明は方法としても適用可能であり、請求項9にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。本発明を実施しようとする際に、各種装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。本発明は、そのプログラムとしても適用可能であり、請求項10にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
【0019】
むろん、請求項2〜請求項8に記載された構成を上記方法やプログラムに対応させることも可能である。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の概略:
(2)ネットワーク接続装置の構成:
(3)ネットワーク接続装置における処理:
(4)他の実施形態:
【0021】
(1)本発明の概略:
図1は、本発明にかかるネットワーク接続装置を利用するコンピュータにてウェブページを閲覧するシステムの概略を示したブロック図である。同図においてコンピュータ10はUSBインタフェースを備えており、同USBインタフェースに本発明にかかるネットワーク接続装置となるUSB無線LANアダプタ20を接続する。USB無線LANアダプタ20は、無線通信によってルータ30にアクセスし、コンピュータ10とインターネット40との接続を確立する装置である。
【0022】
すなわち、コンピュータ10にはブラウザなどインターネットに接続し所定の処理を行うプログラムがインストールされており、USB無線LANアダプタ20は、これらのプログラムによってなされるインターネットへの接続リクエストやウェブページの閲覧リクエスト等を受け取り、無線通信によってこれらのリクエストを示すデータをルータ30に送信する。ルータ30は有線回線によってインターネット40に接続されており、USB無線LANアダプタ20から送信されるデータをインターネット40に送出する。
【0023】
インターネット40には複数のコンピュータ、例えば、ウェブサーバ50が接続されている。ウェブサーバ50は、図示しないハードディスクなどの記憶媒体を備えており、ウェブページを表示するためのウェブページデータを記憶している。同ウェブサーバ50は、インターネット40を介して接続リクエストやウェブページの閲覧リクエストを受け取り、このリクエストに対するレスポンスを返信する。
【0024】
ルータ30は、インターネット40から上記リクエストに対するレスポンスのデータを受け取り、そのデータをUSB無線LANアダプタ20に送信する。USB無線LANアダプタ20は、このレスポンスをコンピュータ10に転送し、コンピュータ10にインストールされた上記プログラムがこれらのレスポンスに応じた処理、例えば、ウェブページの表示等を実施する。尚、コンピュータ10,ルータ30,ウェブサーバ50は公知の構成を採用することができる。また、本実施形態においては、ウェブページデータが要求情報データに相当する。
【0025】
本実施形態におけるUSB無線LANアダプタ20は、以上のようにコンピュータ10をネットワークに接続することができるが、ウェブページの閲覧に際して、正規のリクエストを表示する前に正規のリクエストに対するレスポンスとして当該リクエスト内容と異なるダミー情報を返信する。コンピュータ10においては、正規のリクエストに対するレスポンスとしてダミー情報を表示させるためのデータを受け付けるので、正規のリクエスト内容と異なる情報であっても上記ブラウザ等のプログラムはこのダミー情報を表示する。
【0026】
このように、USB無線LANアダプタ20が正規のリクエストに対するレスポンスとして当該リクエスト内容と異なるダミー情報を返信するので、コンピュータ10のプログラムにおいては、このダミー情報を取得し、表示することを禁じることが困難である。従って、本実施形態においては、USB無線LANアダプタ20の作成者が所望のダミー情報を確実にコンピュータ10に表示させることができる。
【0027】
(2)ネットワーク接続装置の構成:
図2は、本発明にかかるネットワーク接続装置のブロック図である。同図においては、USB無線LANアダプタ20が備えるハードウェアおよびこのハードウェアによって実現される機能をブロック図によって示している。USB無線LANアダプタ20は、メモリ21と無線LANI/F(インタフェース)22とUSBI/F23とコントローラ24とを備えている。
【0028】
メモリ21には、広告や広報等を表示させるためのダミー情報データが記憶されている。メモリ21はダミー情報データを記憶することができれば良く種々のメモリを採用可能である。ダミー情報の改変を防止するためには書き換え不能なROM等が好ましいし、ダミー情報を更新する可能性があるのであれば、書き換え可能なEEROM等が好ましい。
【0029】
USBI/F23は、コンピュータ10に対する接続インタフェースであるとともに、コンピュータ10で実行される各種プログラムからデータを受信し、また、コンピュータ10に対してデータを送信する。無線LANI/F22は、ルータ30との接続を確立してデータを授受するインタフェースであり、インターネット40に対してデータを送信し、また、インターネット40からデータを受信する。
【0030】
コントローラ24は、USB無線LANアダプタ20における処理を制御するICチップであり、図示しないRAMをワークエリアとして使用しつつ各種処理を実施する。当該コントローラ24においては、出力要求取得部24aとダミー情報取得部24bと要求応答部24cと通信部24dとの機能を実現している。出力要求取得部24aは、USBI/F23を介してコンピュータ10からデータを受け付け、そのデータの内容(例えば、データのヘッダ部分)を参照することによりデータがHTTPリクエストであるか否かを判定する。
【0031】
ダミー情報取得部24bは、メモリ21からダミー情報を取得する機能を実施する。通信部24dは、無線LANI/F22を介して所定のプロトコルに従ってデータ通信を実現する通信制御部である。要求応答部24cは、当該通信部24dを介してHTTPリクエストで指定されたウェブサーバにアクセスし、そのレスポンスを取得することができる。この場合、レスポンスとして取得するデータのボディにはHTTPリクエストで指定されたウェブページのデータが含まれる。
【0032】
また、要求応答部24cは、上記HTTPリクエストに対するレスポンスとして2通りのレスポンスを実施可能である。すなわち、データのボディが上記ダミー情報データであるレスポンスと、データのボディが上記指定されたウェブページのデータであるレスポンスとの2通りを実施可能である。以上のダミー情報取得部24bおよび要求応答部24cにおける処理は、上記出力要求取得部24aにてデータがHTTPリクエストであると判別された場合に実施され、上記ダミー情報データを含むレスポンスを行った後に上記指定されたウェブページのデータを含むレスポンスを行う。
【0033】
(3)ネットワーク接続装置における処理:
次に、上記構成における処理を説明する。図3は、上記コントローラ24によって実施される処理のフローチャートである。コンピュータ10にUSB無線LANアダプタ20が接続された状態でコンピュータ10の電源が投入され、あるいは、駆動中のコンピュータ10に対してUSB無線LANアダプタ20が接続されると、コントローラ24はUSB無線LANアダプタ20の初期化処理を行う(ステップS100)。例えば、図示しないRAM内のデータを初期化するなどの処理を行って、初期状態から処理を開始できる状態とする。
【0034】
本実施形態において、ダミー情報を配信するタイミングは予め決められており、例えば、そのタイミングを示すデータがメモリ21に書き込まれている。そこで、当該タイミングを示すデータを取得し、配信タイミングを設定する(ステップS105)。このタイミングとしては、コンピュータ10の電源投入後、初めてインターネット40に接続するタイミング、コンピュータ10にてウェブページの変更がなされたタイミング、あるいは所定時間が経過したタイミングや所定時間経過後に初めてウェブページの変更がなされたタイミングなど、各種のタイミングを設定可能である。
【0035】
また、このタイミングを指定するデータを設定する手法としても種々の手法を採用可能である。例えば、USB無線LANアダプタ20の製造者が予めそのタイミングを決定し、タイミングを示すデータをメモリ21に書き込んでも良いし、所定のユーティリティプログラムをコンピュータ10にて実施可能に構成し、このユーティリティプログラムによってタイミングを示すデータをメモリ21に書き込んでも良い。
【0036】
いずれにしても、ダミー情報の配信タイミングを設定したら、出力要求取得部24aがHTTPリクエストを受け付ける(ステップS110)。すなわち、コンピュータ10から送信されるデータがHTTPリクエストであるか否かを判別し、HTTPリクエストであると判別されると、そのリクエストを受け付ける。このとき、要求応答部24cは、通信部24dを介して当該HTTPリクエストをインターネット40に送出する(ステップS115)。尚、このリクエストに対するレスポンスのデータは、コントローラ24内の図示しないRAMにバッファされる。
【0037】
次に要求応答部24cは、ダミー情報を取得すべきか否かを判別する。すなわち、上記ステップS105で設定されたダミー情報の配信タイミングを確認し(ステップS120)、現在のタイミングで配信可能であるか否かを判別する(ステップS125)。ここでは、設定された配信タイミングであるか否かを判別することができれば良く、例えば、上述の例では、コンピュータ10の電源投入後、初めてインターネット40に接続されたか否か、コンピュータ10にてウェブページの変更がなされたか否か、所定時間が経過しているか否か、所定時間経過後に初めてウェブページの変更がなされたか否かなどを判別する。
【0038】
ステップS125にて現在のタイミングで配信可能であると判別されたときには、ダミー情報取得部24bがメモリ21に蓄積されたダミー情報データを取得し、図示しないRAMにバッファする(ステップS130)。そして、要求応答部24cが当該ダミー情報データをボディに記述したレスポンスをコンピュータ10に送信する(ステップS135)。この結果、コンピュータ10のブラウザ等では、当該ダミー情報データが示す内容を表示する。尚、ステップS125にて現在のタイミングで配信可能であると判別されないときには、ステップS130,S135をスキップする。
【0039】
以上の処理を行った後には、広告等のダミー情報を正規のリクエスト通りの情報に切り換える。すなわち、要求応答部24cは、上記ステップS115のリクエストに対するレスポンスとしてバッファしていたウェブページデータを取得し、このウェブページデータをボディに記述したレスポンスをコンピュータ10に送信する(ステップS140)。この結果、コンピュータ10のブラウザ等では、当該ウェブページが示す内容を表示する。
【0040】
以上の処理によって、正規のリクエストに対してまずダミー情報を表示し、その後に正規のリクエスト通りの情報を表示する処理を実行することができるので、USB無線LANアダプタ20のコントローラ24は、この後、ステップS110以降の処理を繰り返す。
【0041】
図4は、以上のフローチャートによって実施される動作の例を示す図である。同図においては、コンピュータ10とUSB無線LANアダプタ20とウェブサーバ50を矩形のブロックで示しており、同ウェブサーバ50はIPアドレス202.11.1xx.xxで特定されるとする。コンピュータ10のブラウザにおいてウェブサーバ50に蓄積されたウェブページを閲覧する場合、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)を特定しながらUSB無線LANアダプタ20にHTTPリクエストを送出する。
【0042】
USB無線LANアダプタ20がこのHTTPリクエストを受け付けると、USB無線LANアダプタ20はインターネット40を利用してHTTPリクエストをウェブサーバ50に送出する。さらにUSB無線LANアダプタ20はダミー情報データを取得し、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにこのダミー情報データを付加してコンピュータ10に出力する。この結果、コンピュータ10のブラウザでは、ダミー情報を出力する。
【0043】
ウェブサーバ50は、USB無線LANアダプタ20からのHTTPリクエストを受け取り、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにウェブページデータを付加して出力する。このデータはインターネット40を介してUSB無線LANアダプタ20に取得され、USB無線LANアダプタ20はIPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにウェブページデータを付加してコンピュータ10に出力する。この結果、コンピュータ10のブラウザでは、リクエスト通りのウェブページを出力する。
【0044】
以上のように、コンピュータ10のブラウザ上では、正規のリクエスト通りのウェブページを出力する前にダミー情報を出力する。また、このダミー情報は正規のリクエストに対する応答として実施されるため、コンピュータ10の利用者がブラウザの設定等によってダミー情報の出力を禁ずることは困難である。従って、コンピュータ10の利用者に対して確実にダミー情報を提供することができる。
【0045】
(4)他の実施形態:
以上説明した実施形態は本発明を実現するための例であり、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、上記実施形態ではダミー情報データがUSB無線LANアダプタ20のメモリ21に記憶されていたが、ダミー情報データの記憶媒体がUSB無線LANアダプタ20に備えられていることは必須ではない。図5は、ダミー情報がインターネット上のダミー情報サーバ210に記憶されている実施形態の動作を示す図である。尚、この例において、ダミー情報サーバ210のIPアドレスは202.11.2xx.xxであるとする。
【0046】
この実施形態において、ダミー情報はダミー情報サーバ210に記憶されているので、USB無線LANアダプタ20はダミー情報データを取得するため、インターネットを介してダミー情報サーバ210にアクセスする。すなわち、コンピュータ10のブラウザがIPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)を特定しながらUSB無線LANアダプタ20にHTTPリクエストを送出すると、USB無線LANアダプタ20は、ダミー情報サーバ210に対してリクエストを行う。
【0047】
すなわち、IPアドレス202.11.2xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)を特定しながらダミー情報を取得するためのリクエストを行う。ダミー情報サーバ210は、このリクエストに対してダミー情報を含むレスポンスを返す。USB無線LANアダプタ20は、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)を特定しながらウェブページを取得するためのリクエストを行い、ウェブサーバ50は、このリクエストに対してウェブページを含むレスポンスを返す。
【0048】
USB無線LANアダプタ20は、先にIPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにダミー情報データを付加してコンピュータ10に出力する。そして、この出力の後、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにウェブページデータを付加してコンピュータ10に出力する。以上のように、ダミー情報データがダミー情報サーバ210に記憶されていれば、容易に多種多様なダミー情報を提供可能である。例えば、複数のダミー情報サーバ210をインターネット上に構成し、USB無線LANアダプタ20においてアクセス先のIPアドレスを変更可能に構成しても良いし、ダミー情報サーバ210の管理者が記憶されたダミー情報の内容を更新しても良い。
【0049】
さらに、上述の実施形態においては、ブラウザでダミー情報を表示するように構成していたが、ダミー情報を表示するためのプログラムはブラウザに限られない。例えば、ダミー情報としての広告を表示する広告表示プログラムをコンピュータ10で実行するように構成しても良い。図6はこの実施形態の例を示す図である。この実施形態では、USB無線LANアダプタ20をコンピュータ10に接続したとき、USB無線LANアダプタ20のコントローラによって所定のインストールプログラムが実行され、コンピュータ10に広告表示プログラムがインストールされる。
【0050】
当該広告表示プログラムがインストール済みの状態でブラウザによってウェブサーバ50のウェブページ閲覧を開始すると、ブラウザはIPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)を特定しながらUSB無線LANアダプタ20にHTTPリクエストを送出する。USB無線LANアダプタ20がこのHTTPリクエストを受け付けると、USB無線LANアダプタ20はインターネットを利用してこのHTTPリクエストをウェブサーバ50に送出する。さらにUSB無線LANアダプタ20はそのメモリに記憶されたダミー情報データを取得し、コンピュータ10の広告表示プログラムで表示可能なデータ形式でダミー情報をコンピュータ10に出力する。この結果、コンピュータ10の広告表示プログラムは、コンピュータ10に広告を出力させる。
【0051】
さらにUSB無線LANアダプタ20は、上記ウェブサーバ50に対するリクエストのレスポンスを受け付けると、IPアドレス202.11.1xx.xx(あるいはこのアドレスに相当するURL)からのレスポンスであることを示すデータにウェブページデータを付加してコンピュータ10に出力する。この結果、コンピュータ10のブラウザでは、ウェブページを出力する。
【0052】
以上のように、ダミー情報を出力するためのプログラムがコンピュータ10にて実施され、ダミー情報が表示されるのであれば、利用者がブラウザの設定等によってダミー情報の出力を禁ずることはできない。従って、コンピュータ10の利用者に対して確実にダミー情報を提供することができる。尚、広告表示プログラムは、USB無線LANアダプタ20を接続するたびにインストールしても良いし、インストール後はコンピュータ10で常に実行されるように構成し、USB無線LANアダプタ20を接続するたびにインストール済みであるか否かチェックしても良い。
【0053】
さらに、上記実施形態においてネットワーク接続装置は無線回線を介してインターネットに接続していたが、回線は無線に限らず、有線回線であっても良い。むろん、ネットワークもインターネットに限らず、LANであっても良い。インタフェースもUSBに限らず、PCI等種々のインタフェースを採用可能である。尚、本発明にかかるネットワーク接続装置がコンピュータ10に対して直接接続されるように構成されれば、必ずこのネットワーク接続装置を介してコンピュータ10がネットワークに接続されるという意味で好ましい。複数のハブやルータ等複数のネットワーク接続装置が介在するネットワーク構成において、当該ハブやルータに本発明の機能が含まれるように構成してもよい。この場合、ダミー情報を表示させるべきコンピュータの回線が、本発明の機能を含むハブやルータを必ず使用するようにネットワークを構成すればよい。
【0054】
さらに、本発明においては、ネットワーク接続装置によってダミー情報データをコンピュータに送った後、ウェブページデータをコンピュータに送ることができればよい。従って、図3のフローチャートにおいてステップS115をステップS140の前に実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ネットワーク接続装置を利用するシステムのブロック図である。
【図2】ネットワーク接続装置のブロック図である。
【図3】コントローラによって実施される処理のフローチャートである。
【図4】動作の例を示す図である。
【図5】他の実施形態における動作を示す図である。
【図6】他の実施形態における動作を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10…コンピュータ、20…USB無線LANアダプタ、21…メモリ、22…無線LANI/F、23…USBI/F、24…コントローラ、24a…出力要求取得部、24b…ダミー情報取得部、24c…要求応答部、24d…通信部、30…ルータ、40…インターネット、50…ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントをネットワークに接続するネットワーク接続装置であって、
上記ネットワーク上のコンピュータに蓄積された所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を上記クライアントから取得する出力要求取得手段と、
上記所定の情報と異なるダミー情報を上記出力装置に出力するためのダミー情報データを取得するダミー情報取得手段と、
上記要求に対する応答として上記ダミー情報データを上記クライアントに出力する要求応答手段とを具備することを特徴とするネットワーク接続装置。
【請求項2】
上記クライアントはネットワーク接続装置を装着するインタフェースを備え、このインタフェースに接続されることを特徴とする上記請求項1に記載のネットワーク接続装置。
【請求項3】
上記ネットワークとの接続を確立してネットワーク上のコンピュータから情報を取得する通信手段を備え、上記要求応答手段は上記通信手段を介して上記要求された所定の情報を示す要求情報データを取得し、所定のタイミングで上記ダミー情報データを上記クライアントへ出力した後に、上記要求情報データを上記クライアントへ出力することを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項4】
上記要求応答手段は、上記クライアントの電源をオンにした後、最初に上記要求を取得したときに上記ダミー情報データを上記クライアントへ出力することを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項5】
上記要求応答手段は、予め決められた所定の時間に上記ダミー情報データを上記クライアントへ出力することを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項6】
上記要求応答手段は、上記クライアントの出力装置に出力している情報と異なる情報を出力するための要求がなされるたびに上記ダミー情報データを上記クライアントへ出力することを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項7】
上記ダミー情報データを記憶するダミー情報データ記憶手段を備え、上記ダミー情報取得手段は同ダミー情報データ記憶手段に記憶されたデータを取得することを特徴とする上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項8】
上記ネットワークとの接続を確立してネットワーク上のコンピュータから情報を取得する通信手段を備え、上記ダミー情報取得手段は当該通信手段を利用してネットワーク上のコンピュータからダミー情報データを取得することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のネットワーク接続装置。
【請求項9】
クライアントをネットワークに接続するネットワーク接続方法であって、
上記ネットワーク上のコンピュータに蓄積された所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を上記クライアントから取得する出力要求取得工程と、
上記所定の情報と異なるダミー情報を上記出力装置に出力するためのダミー情報データを取得するダミー情報取得工程と、
上記要求に対する応答として上記ダミー情報データを上記クライアントに出力する要求応答工程とを具備することを特徴とするネットワーク接続方法。
【請求項10】
クライアントをネットワークに接続するネットワーク接続プログラムであって、
上記ネットワーク上のコンピュータに蓄積された所定の情報を上記クライアントの出力装置に出力するための要求を上記クライアントから取得する出力要求取得機能と、
上記所定の情報と異なるダミー情報を上記出力装置に出力するためのダミー情報データを取得するダミー情報取得機能と、
上記要求に対する応答として上記ダミー情報データを上記クライアントに出力する要求応答機能とを具備することを特徴とするネットワーク接続プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−72899(P2006−72899A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258347(P2004−258347)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)