説明

ネットワーク構成変更評価プログラム、ネットワーク構成変更評価装置、ネットワーク構成変更評価方法

【課題】ネットワークの構成変更の影響を評価するネットワーク構成変更評価プログラム、ネットワーク構成変更評価装置、ネットワーク構成変更評価方法を提供する。
【解決手段】ネットワークの構成変更による影響の評価をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラムであって、構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報503と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報504とを取得する構成変更情報取得ステップと、構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報503と機器設定変更情報504とに基づいて、構成変更の影響を受けるサービスの情報である影響サービス情報506を抽出する影響範囲抽出ステップとをコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークの構成の管理を行うためのネットワーク構成変更評価プログラム、ネットワーク構成変更評価装置、ネットワーク構成変更評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模化が進むネットワークの運用管理において、ネットワークを構成する機器同士の物理的な接続構成や論理的な接続構成(トポロジ)を把握し、管理することが重要になっている。従来、管理者はネットワークのトポロジの変更を、次のような手順で行っていた。
【0003】
S101.変更後のネットワーク構成を設計する。
S102.変更後のネットワーク構成を机上で検証する。
S103.構成変更作業を行う。
S104.構成変更後の動作確認を行う。
【0004】
また、処理S102,S104においては、以下の点に注目して変更後の構成を検証する必要がある。
【0005】
着目点1.変更の目的となる機能や性能を実現すること
着目点2.変更の目的以外の機能が支障なく動作すること
【0006】
なお、本発明の関連ある従来技術として、ネットワーク機器のトポロジを探索する技術がある(例えば、特許文献1参照)。これは、トポロジ探索部が物理接続情報と各機器の設定情報に基づいてレイヤ別のトポロジ探索処理を行い、複数レイヤにわたるトポロジを出力するものである。
【特許文献1】特開2005−348051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した着目点のうち、着目点1の確認は容易でも、着目点2の確認は、確認すべき機能の組み合わせの数が膨大になるため困難であった。
【0008】
これは、管理者は、ネットワークが提供している各機能(アプリケーションサービスやTCP(Transmission Control Protocol)負荷分散、ルーティング、スイッチング等)がどの機器を使用しているかが判らないためである。
【0009】
この理由から、処理S102において、検証するために必要な情報が不足し、単一の機能(ルーティング等)に限定した評価しか行うことができなかった。また、ネットワーク機器が自身を監視し、ポートの開閉やリンク確立、および切断など、ネットワークのトポロジに変化があったことを管理者に通知する手段は存在したが、構成の変化が既存のネットワークの機能に及ぼす影響を評価することはできなかった。
【0010】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ネットワークの構成変更の影響を評価するネットワーク構成変更評価プログラム、ネットワーク構成変更評価装置、ネットワーク構成変更評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため、本発明は、ネットワークの構成変更による影響の評価をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラムであって、前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップとをコンピュータに実行させるものである。
【0012】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、前記影響範囲抽出ステップは更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、前記構成変更情報取得ステップは、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明は、ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価装置であって、前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得部と、前記構成変更情報取得部により取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出部とを備えたものである。
【0018】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価装置において、前記影響範囲抽出部は更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価装置において、前記構成変更情報取得部は、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価装置において、前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価装置において、前記影響範囲抽出部は、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明に係るネットワーク構成変更評価装置において、前記影響範囲抽出部は、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明は、ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価方法であって、前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップとを実行するものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ネットワークの構成変更の影響を事前に評価することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0026】
実施の形態1.
本実施の形態では、現在のネットワークのトポロジの情報と機器毎の設定変更の情報とに基づいて、構成変更の影響を受けるサービスと機器の情報を生成するネットワーク構成変更評価装置について説明する。
【0027】
まず、本実施の形態に係るネットワーク構成変更評価装置の構成について説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係るネットワーク構成変更評価装置の構成の一例を示すブロック図である。このネットワーク構成変更評価装置5は、構成変更解釈部501と影響範囲抽出部502を備える。
【0029】
構成変更解釈部501は、現在のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報503と機器毎の設定変更の内容を表す機器設定変更情報504から構成変化情報505を生成する。影響範囲抽出部502は、構成変化情報505から構成変更の影響を受けるサービスの情報である影響サービス情報506と構成変更の影響を受ける機器の情報である影響機器情報507を生成する。
【0030】
次に、ネットワーク構成変更評価装置が設定変更の影響を抽出するために用いるトポロジモデルについて説明する。
【0031】
図2は、本発明に係るトポロジモデルの一例を示すブロック図である。このトポロジモデルは、特許文献1の技術に基づくものであり、ネットワーク上の機器(ノード)間におけるレイヤ毎の接続を表すものである。レイヤは、例えば、物理レイヤ、MAC(Media Access Control)レイヤ、IP(Internet Protocol)レイヤ、TCP(Transmission Control Protocol)/UDP(User Datagram Protocol)レイヤ、アプリケーションレイヤである。また、このトポロジモデルは、各レイヤにおいて、機器間の接続である「リンク」、リンクに使用される機器の物理インタフェースもしくは論理インタフェースである「コネクタ」、機器内の複数コネクタ間におけるデータの受け渡しである「サービス」という3つの簡潔な要素でトポロジを表現する。
【0032】
上位レイヤにおける接続は、下位レイヤにおける接続と機器内でのサービスで構成される。従って、下位レイヤのトポロジの変更は、上位レイヤのトポロジに影響を及ぼし、上位レイヤのトポロジの変更は、下位レイヤのトポロジに影響を及ぼさない。このルールに基づいて、トポロジモデルにおける構成変更の影響範囲を検索する。
【0033】
次に、本実施の形態においてネットワーク構成変更評価装置が対象とする具体的なネットワークのトポロジモデルについて説明する。
【0034】
図3は、本実施の形態に係る具体的なトポロジモデルの一例を示すブロック図である。この図のトポロジモデルは、ノードとして、IPレイヤでパケットフィルタリングを行うルータA、ルータC、MACレイヤでパケット転送を行うスイッチBを備える。また、ルータAとルータCは、スイッチBを介して接続されている。物理レイヤにおいては、ルータAとスイッチBの間の接続(#1)、スイッチBとルータCの間の接続(#2)が存在する。MACレイヤにおいては、ルータAとスイッチBの間の接続(#1)、スイッチBとルータCの間の接続(#2)、スイッチBのコネクタ間の接続(#3)が存在する。IPレイヤにおいては、ルータAとルータCの間の接続(#1)が存在する。
【0035】
次に、トポロジ情報503について説明する。
【0036】
図4は、本実施の形態に係るトポロジ情報503の構成の一例を示す図である。トポロジ情報503は、機器接続情報701と機器設定情報702を含む。機器接続情報701は、接続が提供している機能の情報、接続のレイヤの情報、接続に使用されている機器およびコネクタの情報、等を含む。機器設定情報702は、機器識別のための情報(機種、IPアドレスなど)、物理レイヤの情報(インタフェース名など)、MACレイヤの情報(MACアドレス、ブリッジの設定等)、IPレイヤの情報(経路表等)、TCP/IPレイヤの情報(フィルタのポリシー等)、等を含む。機器接続情報701と機器設定情報702は、例えばXML(eXtensible Markup Language)で記述される。
【0037】
図5は、本実施の形態に係る機器接続情報701の一例を示す図である。この図の機器接続情報701は、物理レイヤ(<PhysicalLayer>)における接続の情報、MACレイヤ(<MacLayer>)における接続の情報、IPレイヤ(<IpLayer>)における接続の情報を含む。図6は、本実施の形態に係る機器設定情報702の一例を示す図である。この図の機器設定情報702においては、ルータAの設定、スイッチBの設定、ルータCの設定がそれぞれ記述されている。
【0038】
次に、機器設定変更情報504について説明する。
【0039】
図7は、本実施の形態に係る機器設定変更情報504の一例を示す図である。機器設定変更情報504も、例えばXMLで記述される。機器設定変更情報504は、設定変更を行う機器の識別子と設定変更の内容を含む。この図の例において、機器設定変更情報504は、設定変更として、スイッチBでポート3ダウンが行われたことを表す。
【0040】
次に、構成変更解釈部501について説明する。
【0041】
図8は、本実施の形態に係る構成変更解釈部501の構成の一例を示す図である。構成変更解釈部501は、イベント構成変換テーブル1201と構成変更分類部1202を備える。イベント構成変換テーブル1201は、構成変更のイベントと、その構成変更が機器内のトポロジに及ぼす変化とを関連付けたものであり、事象(機器設定変更情報504に記述されるイベント)、事象に対応するレイヤ、レイヤ毎の構成変更内容の項目を持つ。構成変更分類部1202は、機器設定変更情報504と機器設定情報702とを入力とし、イベント構成変換テーブル1201を用いて、機器内のトポロジ変化を表す構成変化情報505を出力する。
【0042】
図9は、本実施の形態に係る構成変更分類部1202の動作の一例を表すフローチャートである。まず、構成変更分類部1202は、機器設定変更情報504に未処理のイベントがあるか否かの判断を行う(S11)。全てのイベントを処理した場合(S11,N)、このフローを終了する。一方、未処理のイベントがある場合(S11,Y)、構成変更分類部1202は、機器設定変更情報504から1つのイベントを読み出し(S12)、変更のイベントの内容を取り出す(S13)。次に、構成変更分類部1202は、イベント構成変換テーブル1201を用いて、イベントの内容を対応する構成変更内容に変換し(S14)、機器設定情報702を用いて、構成変更内容に該当する機器とレイヤを検索する(S21)。ここでは、上述したトポロジモデルのルールに基づいて構成変更内容に該当する機器とレイヤを検索する。次に、構成変更分類部1202は、検索した機器とレイヤの構成変化を構成変化情報505として書き出し(S22)、処理S11へ戻る。
【0043】
図10は、本実施の形態に係る構成変化情報505の一例を表す図である。構成変化情報505も、例えばXMLで記述される。この図において構成変化情報505は、上述した機器設定変更情報504に対応しており、スイッチBの物理レイヤの変化を表すとともに、これに伴うMACレイヤの変化を表す。
【0044】
次に、影響範囲抽出部502について説明する。
【0045】
図11は、本実施の形態に係る影響範囲抽出部502の構成の一例を示す図である。影響範囲抽出部502は、影響リンク抽出部1501と影響範囲内機器抽出部1502を備える。影響リンク抽出部1501は、レイヤ毎に、影響の出る接続のリンク識別子(link_id)を記憶している。影響範囲内機器抽出部1502は、レイヤ毎に、影響を受ける機器の識別子と、影響のあるサービスの識別子を記憶している。
【0046】
図12は、本実施の形態に係る影響リンク抽出部1501の動作の一例を表すフローチャートである。まず、影響リンク抽出部1501は、構成変化情報505に未処理のイベントがあるか否かの判断を行う(S31)。全てのイベントを処理した場合(S31,N)、このフローを終了する。一方、未処理のイベントがある場合(S31,Y)、影響リンク抽出部1501は、構成変化情報505から1イベント分を読み出し(S32)、イベントに該当する機器の該当するレイヤを含む接続を、機器接続情報701から抽出し(S33)、影響サービス情報506として書き出し(S34)、処理S31へ戻る。
【0047】
図13は、本実施の形態に係る影響サービス情報506の一例を表す図である。影響サービス情報506も、例えばXMLで記述される。影響サービス情報506においては、構成変更の影響を受けるサービス毎に、レイヤ、リンク識別子が記述される。
【0048】
図14は、本実施の形態に係る影響範囲内機器抽出部1502の動作の一例を表すフローチャートである。まず、影響範囲内機器抽出部1502は、影響サービス情報506に未処理のサービスがあるか否かの判断を行う(S41)。全てのサービスを処理した場合(S41,N)、このフローを終了する。一方、未処理のサービスがある場合(S41,Y)、影響範囲内機器抽出部1502は、影響サービス情報506から1サービス分を読み出し(S42)、該当するサービスに含まれる機器を、機器設定情報702から抽出し(S43)、影響機器情報507として書き出し(S44)、処理S41へ戻る。
【0049】
図15は、本実施の形態に係る影響機器情報507の一例を表す図である。影響機器情報507も、例えばXMLで記述される。影響機器情報507においては、構成変更の影響を受けるサービス毎に、レイヤ、構成変更の影響を受ける機器識別子が記述される。
【0050】
なお、本実施の形態においては、物理レイヤ、MACレイヤ、IPレイヤを用いるネットワーク機器を対象としたが、更に上位のTCP/UDPレイヤ、アプリケーションレイヤ等を用いるネットワーク機器を対象としても良い。図16は、本実施の形態に係る具体的なトポロジモデルの別の一例を示すブロック図である。この図のトポロジモデルにおけるネットワークは、TCP/UDPレイヤ(第4レイヤ)でパケットフィルタリングを行うファイアウォール機器1001、IPレイヤ(第3レイヤ)でパケット転送を行うルータ機器1002、MACレイヤ(第2レイヤ)でパケット転送を行うスイッチ機器1003,1004、ネットワークサービス(第5レイヤ)を利用する端末であるPC(Personal Computer)機器1005、アプリケーションレイヤ(第5レイヤ)でWebサービスを提供する端末であるWeb機器1006,1007で構成される。
【0051】
本実施の形態によれば、ネットワークの構成変更の影響を事前に評価することが可能になる。これにより、構成変更後のトラブルを抑止することができる。
【0052】
実施の形態2.
本実施の形態では、現在のネットワークのトポロジの情報と機器からの設定変更通知とに基づいて、構成変更の影響を受けるサービスと機器の情報を生成するネットワーク構成変更評価装置について説明する。
【0053】
図17は、本実施の形態に係るネットワーク構成変更評価装置の構成の一例を示すブロック図である。図17において、図1と同一符号は図1に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。図1のネットワーク構成変更評価装置5と比較すると図17のネットワーク構成変更評価装置6は、新たにイベント受信部2001、イベント解釈部2002を備える。
【0054】
イベント受信部2001は、各機器からのSNMP(Simple Network Management Protocol)等のメッセージを監視し、このメッセージをイベント解釈部2002へ渡す。イベント解釈部2002は、予め機器からのメッセージと構成変更の内容の関連付けが記述された変換テーブルを持ち、この変換テーブルを用いて、イベント受信部2001が受信したメッセージのうち機器の設定変更の内容を表す機器設定変更通知を機器設定変更情報504の形式に変換し、構成変更解釈部501へ渡す。以降の各部の動作は、実施の形態1と同様である。なお、イベント解釈部2002が機器設定変更情報504を作成した時点で以降の動作を起動するようにして、機器の設定変更があるとネットワーク構成変更評価装置6が自動的に影響の評価を行うような構成としても良い。
【0055】
本実施の形態によれば、構成に変化がおきた時のネットワークへの影響範囲を詳細に評価することが可能である。これにより、構成の変化を障害として扱うか否かの判定や、障害と判定した場合に影響を受けるサービスの特定が容易になる。
【0056】
また、本実施の形態に係るネットワーク構成変更評価装置は、情報処理装置に容易に適用することができ、情報処理装置の性能をより高めることができる。ここで、情報処理装置には、例えば管理者用のサーバ、パーソナルコンピュータ等が含まれ得る。
【0057】
更に、ネットワーク構成変更評価装置を構成するコンピュータにおいて上述した各ステップを実行させるプログラムを、ネットワーク構成変更評価プログラムとして提供することができる。上述したプログラムは、コンピュータにより読取り可能な記録媒体に記憶させることによって、ネットワーク構成変更評価装置を構成するコンピュータに実行させることが可能となる。ここで、上記コンピュータにより読取り可能な記録媒体としては、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
【0058】
なお、構成変更情報取得ステップは、実施の形態における構成変更解釈部の処理に対応する。また、構成変更情報取得部は、実施の形態における構成変更解釈部に対応する。
【0059】
(付記1) ネットワークの構成変更による影響の評価をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラムであって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、
前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップと
をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記2) 付記1に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記3) 付記1または付記2に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記構成変更情報取得ステップは、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記4) 付記1乃至付記3のいずれかに記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記5) 付記4に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記6) 付記5に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
(付記7) ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価装置であって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得部と、
前記構成変更情報取得部により取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出部と
を備えるネットワーク構成変更評価装置。
(付記8) 付記7に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記影響範囲抽出部は更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
(付記9) 付記7または付記8に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記構成変更情報取得部は、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
(付記10) 付記7乃至付記9のいずれかに記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
(付記11) 付記10に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記影響範囲抽出部は、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
(付記12) 付記11に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記影響範囲抽出部は、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
(付記13) ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価方法であって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、
前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップと
を実行するネットワーク構成変更評価方法。
(付記14) 付記13に記載のネットワーク構成変更評価方法において、
前記影響範囲抽出ステップは更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価方法。
(付記15) 付記13または付記14に記載のネットワーク構成変更評価方法において、
前記構成変更情報取得ステップは、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするネットワーク構成変更評価方法。
(付記16) 付記13乃至付記15のいずれかに記載のネットワーク構成変更評価方法において、
前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするネットワーク構成変更評価方法。
(付記17) 付記16に記載のネットワーク構成変更評価方法において、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価方法。
(付記18) 付記17に記載のネットワーク構成変更評価方法において、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価方法。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1に係るネットワーク構成変更評価装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るトポロジモデルの一例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る具体的なトポロジモデルの一例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るトポロジ情報503の構成の一例を示す図である。
【図5】実施の形態1に係る機器接続情報701の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る機器設定情報702の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1に係る機器設定変更情報504の一例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る構成変更解釈部501の構成の一例を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る構成変更分類部1202の動作の一例を表すフローチャートである。
【図10】実施の形態1に係る構成変化情報505の一例を表す図である。
【図11】実施の形態1に係る影響範囲抽出部502の構成の一例を示す図である。
【図12】実施の形態1に係る影響リンク抽出部1501の動作の一例を表すフローチャートである。
【図13】実施の形態1に係る影響サービス情報506の一例を表す図である。
【図14】実施の形態1に係る影響範囲内機器抽出部1502の動作の一例を表すフローチャートである。
【図15】実施の形態1に係る影響機器情報507の一例を表す図である。
【図16】実施の形態1に係る具体的なトポロジモデルの別の一例を示すブロック図である。
【図17】実施の形態2に係るネットワーク構成変更評価装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
501 構成変更解釈部、502 影響範囲抽出部、503 トポロジ情報、504 機器設定変更情報、505 構成変化情報、506 影響サービス情報、507 影響機器情報、701 機器接続情報、702 機器設定情報、1201 イベント構成変換テーブル、1202 構成変更分類部、1501 影響リンク抽出部、1502 影響範囲内機器抽出部、1001 ファイアウォール機器、1002 ルータ機器、1003,1004 スイッチ機器、1005 PC機器、1006,1007 Web機器、2001 イベント受信部、2002 イベント解釈部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークの構成変更による影響の評価をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラムであって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、
前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップと
をコンピュータに実行させるネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記構成変更情報取得ステップは、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記トポロジ情報は、前記構成変更前のネットワークにおけるレイヤ毎の機器の接続の情報である機器接続情報と機器の設定の情報である機器設定情報とを含むことを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出し、抽出された機器とレイヤを用いるサービスを前記機器接続情報から抽出することにより、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のネットワーク構成変更評価プログラムにおいて、
前記影響範囲抽出ステップは、前記機器設定変更情報における下位レイヤのトポロジの変更が上位レイヤのトポロジに影響を及ぼすと判断することにより、前記機器設定変更情報に対応する機器とレイヤを前記機器設定情報から抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価プログラム。
【請求項7】
ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価装置であって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得部と、
前記構成変更情報取得部により取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出部と
を備えるネットワーク構成変更評価装置。
【請求項8】
請求項7に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記影響範囲抽出部は更に、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報に基づいて、前記構成変更の影響を受ける機器の情報を抽出することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のネットワーク構成変更評価装置において、
前記構成変更情報取得部は、前記ネットワーク内の機器からのメッセージを受信し、該メッセージのうち機器の設定変更の内容を表すものを前記機器設定変更情報に変換することを特徴とするネットワーク構成変更評価装置。
【請求項10】
ネットワークの構成変更による影響の評価を行うネットワーク構成変更評価方法であって、
前記構成変更前のネットワークのトポロジを表すトポロジ情報と前記ネットワーク内の機器の設定変更の情報である機器設定変更情報とを取得する構成変更情報取得ステップと、
前記構成変更情報取得ステップにより取得されたトポロジ情報と機器設定変更情報とに基づいて、前記構成変更の影響を受けるサービスの情報を抽出する影響範囲抽出ステップと
を実行するネットワーク構成変更評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−243855(P2007−243855A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67014(P2006−67014)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】