説明

ネットワーク機器制御システム

【課題】 機器情報を持たないセンサや、ネットワーク接続に対応していない従来型の機種についても、これらをそのまま接続することができるようにする。
【解決手段】 住宅に設けられる宅内ネットワークに接続するネットワーク機器6〜10などは、ネットワーク機器アダプタ4、機器コントローラ5を介して接続される。機器コントローラ5には、制御回路19、接続機器検出回路21、機器情報記憶部22などが設けられる。機器情報記憶部22には接続可能なネットワーク機器の機器情報があらかじめ記憶されている。機器コントローラ5は、電源投入時に、接続されているネットワーク機器を検知し、対応する機器情報を読み出してこれをネットワーク機器アダプタ4に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅内ネットワークと接続可能なネットワーク機器を制御するネットワーク機器アダプタおよび機器コントローラを備えたネットワーク機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、家電機器や住宅設備機器などを集中コントロールできるようにしたシステムが登場しつつある。例えば特許文献1に示されるシステムでは、集中コントロールをするための制御装置に無線あるいは有線により家電機器あるいは住宅設備機器などを接続し、リモコンや制御機器あるいは外部から遠隔操作によりそれらの動作をコントロールするものが示されている。
【特許文献1】特開2003−111156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したネットワーク機器制御システムでは、ネットワーク機器本体が自己の機器の機能を示す機器情報を記憶していて、ネットワークに接続したときに、内部に記憶している機器情報をネットワーク機器アダプタに通知することで、接続されている機器の情報が認識され、これをネットワークを通じてホームゲートウェイなどにより制御することができるように構成されていた。
【0004】
したがって、宅内ネットワークに接続可能なネットワーク機器としては、内部に自己の機器情報を保持していて、接続時にネットワーク機器アダプタからの機器情報の送信要求に応じてこれを送信することができるというのが条件であった。このため、このような機能を有していないセンサやネットワーク接続に対応していない従来型の機種については集中制御の対象として設定することができないというのが実情であった。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、ネットワーク機器として内部に自己の機器情報を保持することができないセンサや、あるいはネットワーク接続に対応していない従来型の機種についても、これらをそのまま接続することができるようにしたネットワーク機器制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のネットワーク機器制御システムは、宅内ネットワークと接続可能なネットワーク機器を制御するネットワーク機器アダプタおよび機器コントローラを備え、前記ネットワーク機器アダプタは、前記宅内ネットワークと通信する外部通信手段と、前記機器コントローラと通信を行う内部通信手段と、前記機器コントローラに接続された前記ネットワーク機器の情報を記憶する接続機器情報記憶手段と、これら外部通信手段,内部通信手段および接続機器情報記憶手段の情報を制御する制御手段とを有し、前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器を1つ以上接続可能に構成され、実際に接続された前記ネットワーク機器を検知する検知手段と、制御対象としている接続可能な前記ネットワーク機器についてそれらの機器情報を記憶した機器情報記憶手段と、前記検知手段により検知された前記ネットワーク機器の機器情報を前記機器情報記憶手段から読み出して前記ネットワーク機器アダプタに送信する機器情報通知処理を実行する通信制御手段とを有して構成されているところに特徴を有する。
【0007】
上記構成を採用することにより、機器コントローラに接続可能なネットワーク機器について、それらの機器情報を予め機器情報記憶手段に記憶させ、実際に接続されたネットワーク機器に応じて必要な機器情報をネットワーク機器アダプタに通知するので、個別のネットワーク機器では特に演算手段を持たない例えばセンサや、ネットワーク接続に対応していない従来型の機種のものについても、宅内ネットワークへの接続が可能となり、これらによる宅内ネットワークを容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、演算手段を持たないセンサや、ネットワーク接続に対応していない従来型の機種についても、宅内ネットワーク接続が容易に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。
図1は全体構成の概略を示すもので、住宅1内の構成とこれに関連する宅外の構成である。住宅1内には、ネットワーク機器コントローラとしてのホームゲートウェイ2が設けられており、このホームゲートウェイ2には宅内ネットワーク3を介してネットワーク機器アダプタ4が接続されている。宅内ネットワーク3は、エコーネット(ECHONET;登録商標)などに代表されるネットワークのひとつで、ブルートゥース(Bluetooth;登録商標)などの無線通信によりアクセス可能なネットワークとして機能するものである。
【0010】
ネットワーク機器アダプタ4には、ネットワーク家電機器を接続してコントロールするための各種の機器コントローラ5が接続される。ここでは、例えば照明コントローラとして機能する機器コントローラ5が配設されている場合で説明する。この機器コントローラ5には、最大5個(n=5)のネットワーク機器が接続可能な端子が設けられている。ここでは、機器コントローラ5には、例えば100V接続される2系統の照明灯6,7、JEM−A規格にて定められた制御端子によって接続された2系統のHA(Home Automation)機器8,9、および人体検知センサ10が接続されている状態を示している。
【0011】
ホームゲートウェイ2は、図示しないモデムを介してインターネット11に接続可能に設けられている。インターネット11に接続されるASP(Application Service Provider)サーバ12にアクセスしたり、あるいは携帯電話の基地局13を介して携帯電話機14などにアクセスすることができる。また、ホームゲートウェイ2は、住宅1内に設けたLANを通じてパソコンなどからアクセス可能に構成されている。
【0012】
ここで、前述の場合、ユーザの使用環境によっては、照明灯を1系統しか接続しない場合や、JEM−A対応のHA機器を所有しないために全く接続しないといった状況もある。ところが、ネットワーク機器コントローラとしてのホームゲートウェイ2を用いて、宅内ネットワーク3を通して、機器コントローラ5に接続された照明灯やHA機器を適切に制御するためには、ホームゲートウェイ2が、あらかじめ機器コントローラ5に接続された照明やHA機器の有無の状況を認識しておく必要がある。
【0013】
そこで、この実施形態では、ネットワーク機器アダプタ4が、機器コントローラ5に接続された照明灯6,7や、HA機器8,9、センサ10等の接続状態を把握し、宅内ネットワーク3上ではあたかも、機器コントローラ5に接続された複数の機器6〜10が独立して存在するがごとく振る舞えるようにすることで、ホームゲートウェイ2によるネットワーク機器の制御を円滑に行おうとするものである。
【0014】
図2は、ネットワーク機器アダプタ4および機器コントローラ5の内部構成を機能ブロック構成として示すものである。ネットワーク機器アダプタ4は、マイコンなどからなる制御回路15を中心として、外部通信回路16、内部通信回路17が接続されると共に、メモリなどからなる接続機器情報記憶部18が接続された構成となっている。制御回路15は、制御手段として機能するもので、ネットワーク機器の接続状態に関する情報の授受を行うプログラムがあらかじめ記憶されると共に、各種の制御情報などの授受を行うように設定されている。
【0015】
外部通信手段としての外部通信回路16は、宅内ネットワーク3を介してホームゲートウェイ2と通信をするための回路である。内部通信手段としての内部通信回路17は、機器コントローラ5との間の通信を行う。接続機器情報記憶手段としての接続機器情報記憶部18は、機器コントローラ5に接続されているネットワーク機器6〜10に関する機器情報(ここでは前述のようにn=5個)を記憶している。
【0016】
また、機器コントローラ5は、同じくマイコンなどからなる制御回路19を中心として、通信回路20、接続機器検出回路21およびメモリなどからなる機器情報記憶部22が接続された構成となっている。制御回路19は、通信制御手段として機能するもので、あらかじめネットワーク機器を検出してその機器情報を通知する機能をプログラムにより動作するように設定されている。通信回路20は、ネットワーク機器アダプタ4の内部通信回路17との通信を行う。検知手段としての接続機器検出回路21は、ネットワーク機器6〜10が接続されており、これらが接続されたときにその情報を授受するためのものである。
【0017】
機器情報記憶部22は、あらかじめこの機器コントローラ5に接続可能なさまざまなネットワーク機器(例えばN個;N≧n)について、その機器情報1〜Nが記憶されている。ここでいう、機器情報とは、ホームゲートウェイ2が機器を駆動制御するために必要な情報のことであり、例えば宅内ネットワーク3をエコーネットにて構成している場合には、エコーネットオブジェクト情報を表している。
【0018】
次に、本実施形態の作用について図3も参照して説明する。なお、機器コントローラ5は、電源投入前にあらかじめネットワーク機器6〜10が接続されている図1に示した状態であるとする。この状態で、機器コントローラ5は、電源が投入されると(A1)、接続機器の確認をするための通信をネットワーク機器6〜10に対して実施する。これは、具体的には、制御回路19により、接続機器検出回路21から機器コントローラ5の全ての接続端子について、ネットワーク機器6〜10の接続の有無を自動的に検査するように動作するために接続機器の確認信号を送信する(A2、A4)。
【0019】
たとえば、機器コントローラ5に接続された照明灯6、7を調べる手段としては、機器コントローラ5の電源投入時に、接続機器検出回路21から100V電源端子に通電を試みて、電流検出の有無により、接続機器の有無を自動的に判別することができる。このとき電流検出の有無を応答信号として受信することで接続の有無を検出する。
【0020】
ここでは、実際に照明灯やHA機器などがネットワーク機器6〜10として接続されているので、それぞれが機器コントローラ5から受けた信号を受信するとこれに応じて接続されていることを示す応答信号を返すようになる(A3、A5)。これによって、機器コントローラ5側では、どのようなネットワーク機器が接続されている状態であるかが検出することができるようになる。
【0021】
そして、機器コントローラ5では、制御回路19は、受信したネットワーク機器の接続機器の情報を保存し(A6)、機器情報記憶部22にあらかじめ記憶されている機器情報のうちから接続が確認されたものについて読出し(A7)、これを機器情報として通信回路20を通じてネットワーク機器アダプタ4に送信する(A8,A9)。
【0022】
ネットワーク機器アダプタ4は、内部通信回路17を介して機器情報を受信すると、制御回路15は、これを接続機器情報として接続機器情報記憶部18に保存し(A10)、宅内ネットワーク3への参加を開始する(A11)。ここでは、制御回路15は、外部通信回路16により、宅内ネットワーク3を介して無線通信によりホームゲートウェイ2にアクセスし、機器情報の送信を行う(A12、A13)。
【0023】
これにより、ホームゲートウェイ2は、機器情報を受信すると、機器コントローラ5に接続されたネットワーク機器6〜10の機器情報を接続機器情報として保存する(A14)。ホームゲートウェイ2は、宅内ネットワーク3、ネットワーク機器アダプタ4、機器コントローラ5を通じて、目的のネットワーク機器6〜10を適切にコントロールすることが可能となる。
【0024】
このような本実施形態によれば、機器コントローラ5に接続可能なネットワーク機器に対応してあらかじめ機器情報記憶部22にそれらの機器情報を記憶しておき、実際にネットワーク機器を接続したときに、接続機器検出回路21によりこれを検知してこれに対応する機器情報を機器情報記憶部22から読み出してネットワーク機器アダプタ4に送信するので、個別のネットワーク機器が演算手段を持たないセンサ10や、ここでは示していないが、ネットワーク接続に対応していない従来型の機種についても、宅内ネットワーク3への接続を容易に構成でき、これによって機器の制御を行うことができる。
【0025】
また、上記のように、機器コントローラ5が、接続機器検出回路21により、接続されているネットワーク機器6〜10を自動判別するので、煩雑な機器の設定作業などを行う必要がなく、これによって使用者の手を煩わせることなくネットワーク機器システムの設定を容易に行うことが可能である。
【0026】
さらに、上記の宅内ネットワーク3をエコーネットで構成しているので、住宅1内で使用する家電機器を主体としたネットワーク機器6〜10について、その制御をホームゲートウェイ2で簡単且つ迅速に行えると共に、機器コントローラ5を上記のように構成しているので、エコーネットのプロトコルで不都合を生ずることなく適用することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図4および図5は本発明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施形態と異なる部分について説明する。第1の実施形態においては、機器コントローラ5の電源投入時に接続されているネットワーク機器6〜10についての検出処理を実行する場合の例を説明したが、この実施形態においては、例えば、一旦電源を投入して稼動している状態で、新に別途のネットワーク機器を接続したり取り外したりした場合などにおける対応処理を簡単且つ迅速に実施することができるようにしている。
【0028】
すなわち、この実施形態では、図4に示すように、機器コントローラ5に接続機器情報の再構築用のユーザインターフェースとして機器構成再構築ボタン23を設けている。この機器構成再構築ボタン23は、制御回路19に接続されており、これが操作されると、図5に示すようなシーケンスで動作する。
【0029】
例えば、機器コントローラ5に、5個未満のネットワーク機器が接続された状態で追加接続可能な状態である場合や、あるいは既に接続していたネットワーク機器を取り外して別のネットワーク機器を接続するような場合においては、使用者がネットワーク機器を接続した後に、機器コントローラ5の機器構成再構築ボタン23を操作することで再構築をすることができる。
【0030】
この機器再構成構築ボタン23の操作に伴い、機器コントローラ5の制御回路19は、図5に示すように、使用者による機器構成再構築ボタン23の操作を受け付ける(A15)。この後、制御回路19は、第1の実施形態で説明したと同じようにして、A2〜A14のシーケンスを実施する。これによって、既に接続されているネットワーク機器および新たに接続されたネットワーク機器について、その機器情報を機器コントローラ5の機器情報記憶部22から読み出してネットワーク機器アダプタ4およびホームゲートウェイ2に送信することができる。
【0031】
このような第2の実施形態によれば、機器コントローラ5に機器構成再構築ボタン23を設け、機器コントローラ5の接続構成に変化が生じた場合に、この機器構成再構築ボタン23を操作することにより、機器コントローラ5の電源の切断操作や、ネットワーク機器アダプタ4のネットワーク設定等をはじめからやり直すことなく、機器構成の再構築を行うことができるようになり、ホームゲートウェイ2に対して、適切な機器情報を保存することが可能となる。
【0032】
(第3の実施形態)
図6および図7は本発明の第3の実施形態を示すもので、以下、第2の実施形態と異なる部分について説明する。第2の実施形態においては、機器コントローラ5に接続機器情報の再構築用のユーザインターフェースとして機器構成再構築ボタン23を設けているが、本実施形態においては、これに代えて、図6に示すように、ネットワーク機器アダプタ4に機器構成再構築ボタン24を設ける構成としたところである。
【0033】
これは、第2の実施形態の場合のように機器コントローラ5へのネットワーク機器の接続状態に変化が生じる場合に、機器コントローラ5の機器構成再構築ボタン23を操作することができないような状況に対応して設けられたものである。すなわち、例えば、機器コントローラ5の設置場所が天井裏などの使用者が直接操作することが容易でないような場合に対応しているものである。
【0034】
この実施形態においても、ネットワーク機器アダプタ4の機器構成再構築ボタン24が操作されると、図7に示すようなシーケンスで再構築の処理が実行される。すなわち、機器再構成構築ボタン24の操作に伴い、ネットワーク機器アダプタ4の制御回路15は、これを受け付けて(A16)、内部通信回路17から機器コントローラ5の通信回路20に対して機器構成再構築コマンドを送信する(A17)。
【0035】
これに応じて、機器コントローラ5の制御回路19は、受信した機器構成再構築コマンドを受け付ける(A15)。この後、制御回路19は、第1の実施形態で説明したと同じようにして、A2〜A14のシーケンスを実施する。これによって、既に接続されているネットワーク機器および新たに接続されたネットワーク機器について、その機器情報を機器コントローラ5の機器情報記憶部22から読み出してネットワーク機器アダプタ4およびホームゲートウェイ2に送信することができる。
【0036】
このような第3の実施形態によれば、ネットワーク機器アダプタ4に機器構成再構築ボタン24を設け、機器コントローラ5の接続構成に変化が生じた場合に、この機器構成再構築ボタン24を操作することにより、機器コントローラ5の電源の切断操作や、ネットワーク機器アダプタ4のネットワーク設定等をはじめからやり直すことなく、機器構成の再構築を行うことができるようになり、ホームゲートウェイ2に対して、適切な機器情報を保存することが可能となる。
【0037】
(第4の実施形態)
図8は本発明の第4の実施形態を示すもので、第2および第3の実施形態と異なるところは、機器コントローラ5やネットワーク機器アダプタ4に機器構成再構築ボタン23、24などの使用者が操作するための物理的なインターフェースを設ける構成に代えて、これらの機器コントローラ5やネットワーク機器アダプタ4のいずれも使用者が操作しにくい天井裏などに設置されている場合に対応したものである。
【0038】
すなわち、この実施形態では、ネットワーク機器コントローラであるホームゲートウェイ2から同様の操作を可能としたものである。この場合には、ホームゲートウェイ2などの端末の操作部から機器構成再構築コマンドを送信可能に構成している。そして、ホームゲートウェイ2は、機器コントローラ5のネットワーク機器の接続状態に変化が生じるなどした場合で、図8のシーケンスにも示すように、機器情報に関するネットワーク障害を不整合として検知したときに(A19)、機器構成再構築コマンドをネットワーク機器アダプタ4に送信する(A20)。
【0039】
ネットワーク機器アダプタ4は、そのコマンドを受信するとこれを受け付け(A21)、機器コントローラ5にそのコマンドを送信する(A22)。第3の実施形態と同様にして、機器コントローラ5がこれを受け付けると(A23)、第1の実施形態で説明したと同じようにして、A2〜A14のシーケンスを実施する。これによって、既に接続されているネットワーク機器および新たに接続されたネットワーク機器について、その機器情報を機器コントローラ5の機器情報記憶部22から読み出してネットワーク機器アダプタ4およびホームゲートウェイ2に送信することができる。これによって、ホームゲートウェイ2は、ネットワーク障害を復旧することができるようになる。
【0040】
このような第4の実施形態によれば、ネットワーク機器コントローラとしてのホームゲートウェイ2において、ネットワークの不整合を検知したときに、自動的にネットワーク機器アダプタ4に対して機器構成再構築コマンドを送信して機器構成の再構築を行うことができるようになり、ホームゲートウェイ2は、適切な機器情報を保存してネットワーク障害の復旧を自動的に行なうことができる。
【0041】
(第5の実施形態)
図9は本発明の第5の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、同構成において、機器コントローラ5に、何も制御すべきネットワーク機器が接続されていない場合について対応した構成としたところである。これは、例えば、宅内ネットワーク3としてエコーネットを採用している場合、そのプロトコル上では、機器情報すなわちエコーネットオブジェクトが存在しないネットワークノードは、存在し得ないため、このような状況で不具合が発生しないように対応するというものである。
【0042】
すなわち、ネットワーク機器アダプタ4が宅内ネットワーク3に接続し、エコーネットアドレスを取得できたとしても、エコーネット機器オブジェクトが存在しない場合の振る舞いについては、実装機器に依存されており、プロトコル上では対応がなされていないためである。よって、このような不完全な機器情報をもつネットワークノードが参加すると、宅内ネットワーク3のパフォーマンスに障害を及ぼすことが予想される。
【0043】
そこで、本実施形態では、図9のシーケンス図に示すように、機器コントローラ5に接続されたネットワーク機器が無い場合の動作制御が行われる。前述したいずれかの実施形態に示したように、機器コントローラ5に対してあるいは自発的に機器構成再構築のトリガがかかると、機器コントローラ5の制御回路19は、接続機器の確認を開始し(B1)、ネットワーク機器の接続端子に確認のための信号を送信しその応答を受信する(B2〜B5)。
【0044】
ここで、機器コントローラ5は、接続機器がある場合には前述同様の通常シーケンス(B7;図3のA6〜A14)を実施するべく移行し、接続機器が存在しない場合には(B6で「NO」)、ネットワーク機器アダプタ4に対してダミー機器情報を送信する(B8)。ネットワーク機器アダプタ4は、これを受けて、そのダミー機器情報を接続機器情報として保存し(B9)、以下、機器コントローラ5にネットワーク機器が接続されているのと同様の扱いにて宅内ネットワーク3を介してホームゲートウェイ2に機器情報の送信を行い(B11)、これがホームゲートウェイ2に保存される(B12)。
【0045】
このような第5の実施形態によれば、機器コントローラ5にネットワーク機器が何も接続されていない状況であっても、それによるエコーネットによる宅内ネットワーク3のプロトコル上の論理的な不整合を解消し、他の機器に悪影響を及ぼすことなく動作させることができるようになる。
【0046】
(第6の実施形態)
図10は本発明の第6の実施形態を示すもので、第5の実施形態と異なるところは、機器コントローラ5にネットワーク機器が何も接続されていない場合に、ダミー接続情報を送信してあたかも接続されているかのような対応としてプロトコル上の不整合を解消することに代えて、ネットワーク接続を切断することで対応するようにしたものである。
【0047】
すなわち、本実施形態においては、第5の実施形態において接続機器が存在しないことを判断した場合に(B6で「NO」)、ここでは接続機器が存在しない旨の通知をネットワーク機器アダプタ4に行う(B13)。ネットワーク機器アダプタ4は、これを受けてそのときネットワーク接続をしていない場合には処理を終了し(B14で「NO」)、ネットワーク接続をしていた場合には(B14で「YES」)、ネットワーク接続の切断処理を実施する(B15)。
【0048】
これにより、該当するネットワーク機器アダプタ4が宅内ネットワーク3へのネットワーク接続を切断することで、エコーネットのプロトコル上でのネットワークの不整合の発生が抑制され、他の機器への悪影響を防止することができるようになる。
【0049】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
ネットワーク家電機器6〜10は、ブルートゥース通信方式以外にも、例えば、無線LAN、有線LANなど、種々の通信方式で通信を行う構成とすることができる。
【0050】
ネットワーク機器としては、上記した以外に、エアコン、冷蔵庫、床暖房機、給湯機、IHクッキングヒータ、洗濯機、電子レンジ、炊飯器、オーディオ機器、テレビ、ビデオデッキなど種々のものが適用可能である。
【0051】
また、ネットワーク機器として、JEM−A規格に準拠した他のセキュリティ関連機器やセンサなども対象とすることができる。
上記各実施形態では、インターネット11を介して外部のASPサーバ12や携帯電話機14などから制御動作が可能な構成で説明したが、これに限らず、宅内ネットワーク3のみを主体としたものにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す全体構成の概略図
【図2】ネットワーク機器アダプタおよび機器コントローラのブロック構成図
【図3】制御の流れを示すシーケンス図
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図5】図3相当図
【図6】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図7】図3相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図3相当図
【図9】本発明の第5の実施形態を示す図3相当図
【図10】本発明の第6の実施形態を示す図3相当図
【符号の説明】
【0053】
図面中、1は住宅、2はホームゲートウェイ(ネットワーク機器コントローラ)、3は宅内ネットワーク、4はネットワーク機器アダプタ、5は機器コントローラ、6,7は照明灯(ネットワーク機器)、8,9はHA機器(ネットワーク機器)、10はセンサ(ネットワーク機器)、15は制御回路(制御手段)、16は外部通信回路(外部通信手段)、17は内部通信回路(内部通信手段)、18は接続機器情報記憶部(接続機器情報記憶手段)、19は制御回路(通信制御手段)、20は通信回路、21は接続機器検出回路(検知手段)、22は機器情報記憶部(機器情報記憶手段)、23,24は機器構成再構築ボタンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内ネットワークと接続可能なネットワーク機器を制御するネットワーク機器アダプタおよび機器コントローラを備え、
前記ネットワーク機器アダプタは、前記宅内ネットワークと通信する外部通信手段と、前記機器コントローラと通信を行う内部通信手段と、前記機器コントローラに接続された前記ネットワーク機器の情報を記憶する接続機器情報記憶手段と、これら外部通信手段,内部通信手段および接続機器情報記憶手段の情報を制御する制御手段とを有し、
前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器を1つ以上接続可能に構成され、実際に接続された前記ネットワーク機器を検知する検知手段と、制御対象としている接続可能な前記ネットワーク機器についてそれらの機器情報を記憶した機器情報記憶手段と、前記検知手段により検知された前記ネットワーク機器の機器情報を前記機器情報記憶手段から読み出して前記ネットワーク機器アダプタに送信する機器情報通知処理を実行する通信制御手段とを有して構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記機器コントローラの通信制御手段は、電源投入時に前記機器情報通知処理を実行するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器アダプタへの接続機器情報の通知動作を促すユーザインターフェースを備え、そのユーザインターフェースが操作されると、前記通信制御手段により前記機器情報通知処理を実行するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記ネットワーク機器アダプタは、前記接続機器情報を取得するためにユーザが操作可能なユーザインターフェースを備え、
前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器アダプタのユーザインターフェースが操作されたことを前記内部通信手段を通じて受信すると、前記通信制御手段により前記機器情報通知処理を実行するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記ネットワーク機器アダプタは、前記ネットワークを通じて外部から送信される前記機器情報通知処理を実行させるためのコマンドを前記外部通信手段により受けつけて前記機器コントローラに前記機器情報通知処理を実行させるように構成され、
前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器アダプタから前記コマンドを受信すると、前記通信制御手段により前記機器情報通知処理を実行するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記機器コントローラは、前記ネットワーク機器が1台も接続されていない場合に、前記通信制御手段により前記機器情報通知処理を実行するときには、前記機器情報記憶手段に記憶されている自己の機器情報を前記ネットワーク機器アダプタに送信するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項7】
請求項6に記載のネットワーク機器制御システムにおいて、
前記ネットワーク機器アダプタは、前記機器コントローラからそれ自身の機器情報が送信された場合には、前記ネットワークとの前記外部通信手段による回線を切断するように構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のネットワーク制御システムにおいて、
前記ネットワーク機器アダプタは、オブジェクト生成タイプのエコーネット(Echonet)ミドルウェアアダプタにより構成され、
前記機器コントローラはエコーネットコントローラにより構成されていることを特徴とするネットワーク機器制御システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−36355(P2007−36355A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212728(P2005−212728)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューママーケティング株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝家電製造株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】